JP5165655B2 - 紙シートの放熱器 - Google Patents
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Description
また、本発明の他の大切な目的は、安価に多量生産できる紙シートの放熱器を提供することにある。
この放熱器は、ジグザグ状に折曲加工している紙シートからなる放熱フィンを平面状とするので、平面状の発熱部品に広い伝熱面積で熱結合して、効率よく放熱できる。
本明細書において、折曲端面とは、ジグザグ状に折曲加工された紙シートの端縁を含む面であって、折曲された複数の折曲面の端縁を含む面を意味するものとする。
この紙シートの放熱器は、ジグザグ状に折曲加工している紙シートを円筒状とするので、円柱形状の発熱部品に効率よく熱結合させて放熱できる。
この放熱器は、複数の補強シートの間にジグザグ状の紙シートを配置するので、放熱面積を大きくして、効率よく放熱できる特徴がある。また、対向する補強シートの間にジグザグ状の紙シートを挟着するように配置するので、ここに配設される放熱フィンを補強シートで保護できる特徴も実現する。
以上の紙シートの放熱器は、放熱フィンに使用する紙シートの耐折曲強度を向上し、折曲加工を簡単にしながら熱伝導率を高くできる、紙シートとして理想的な特性を実現する。また、放熱フィンに使用する紙シートの振動に対する強度を向上できる特徴も実現する。以上の紙シートは、耐折強度を4829回と極めて強くでき、また、熱伝導率も38.15W/m・Kとして、放熱フィンのすぐれた放熱特性を実現できる。
炭化珪素(平均粒子径20μm)100重量部、叩解パルプとしてのアクリルパルプ(カナディアンスタンダードフリーネス(CSF)50ml、平均繊維長1.45mm)21重量部、非叩解繊維としてのポリエステル繊維(0.1dtex×3mm)7重量部、バインダー繊維としてのポリエステル繊維からなるバインダー繊維(1.2dtex×5mm)14重量部からなる組成物を水中に混合分散し、固形分1%〜5%からなるスラリーを調製する。この後、凝集剤としてカチオン系ポリアクリル酸ソーダを0.001重量部、アニオン系ポリアクリル酸ソーダを0.00002重量部を添加後、25cm角角型シートマシンを用いてスラリーをシート化して抄紙シートとし、この抄紙シートをプレスし、乾燥させた後、このシートを5MPaの圧力で温度180℃、2分間プレスを行う。
7cm×9cmに裁断した測定試料をグリセリンに浸漬し、真空状態にして試料を脱気処理したものを、25℃で一定にしてある恒温室で温度が一定になるまで静置する。温度が一定になったら、恒温室内で温度を一定にした測定装置に試料の短片を上にして縦方向に挿入する。
熱流φ(ヒーターから派生した)を測定することにより、サンプル温度の時間変化に対する微分値をΔT、サンプルの厚さをHとすると、相対熱伝導率λは、下記の計算式となる。
λ=φ/H・ΔT
なお、以下の実施例に示す放熱器は、熱伝導部として、寸法を210mm×50mm、厚さを3mmとする紙シートを使用し、この熱伝導部の一方の面に、紙シートをジグザグ状に折曲加工して設けた放熱フィンを熱結合状態に固定した。さらに、放熱器は、熱伝導部の他方の面であって、放熱フィンを固定した面と反対側の面に、発熱体として複数のLEDを固定してなる回路基板を固定した。回路基板は、寸法を170mm×50mmとして、熱伝導部である紙シートの両端部を除く中央部に固定した。この回路基板に固定されたLEDの温度を測定した。
厚さ0.3mm、縦幅(H)を50mmとする帯状の紙シート3を、図3に示すように、ジグザグ状に折曲加工して、1枚の折曲面の横幅(W)を10mm、ジグザグ状に折曲加工するピッチ(d)を5mmとする放熱フィン1を設けて、紙シートからなる熱伝導部2に固定する。ジグザグ状に折曲加工している紙シート3からなる放熱フィン1は、全体形状を平面状として、熱伝導部2である紙シートに対向する折曲縁4を、熱伝導部2の紙シートに熱結合状態に固定する。
ジグザグ状に折曲加工する放熱フィン1の1枚の折曲面の横幅(W)を20mm、ジグザグ状に折曲加工するピッチ(d)を8mmとする以外、実施例1と同様にして放熱フィン1を設けて、熱伝導部2である紙シートに対向する折曲縁4を熱結合状態に固定する。
ジグザグ状に折曲加工する放熱フィン1の1枚の折曲面の横幅(W)を30mm、ジグザグ状に折曲加工するピッチ(d)を13.9mmとする以外、実施例1と同様にして放熱フィン1を設けて、熱伝導部2である紙シートに対向する折曲縁を熱結合状態に固定する。
厚さ0.3mm、縦幅(H)を10mmとする帯状の紙シート3を、図9に示すように、ジグザグ状に折曲加工して、1枚の折曲面の横幅(W)を10mm、ジグザグ状に折曲加工するピッチ(d)を8mmとする放熱フィン1を製作する。図9に示すように、縦幅(H)を放熱フィン1と等しくしてなる6枚の補強シート8を互いに離して平行な姿勢に配設し、対向する補強シート8の間に、ジグザグ状に折曲加工している紙シート3からなる放熱フィン1を配置する。放熱フィン1は、ジグザグ状に折曲加工している紙シート3の両方の折曲縁4を補強シート8に固定する。6枚の補強シート8の間に5列に配置された放熱フィン1の一方の折曲端面5を平面状の熱伝導部2である紙シートに熱結合状態に固定する。
ジグザグ状に折曲加工する放熱フィン1の1枚の折曲面の横幅(W)を10mm、ジグザグ状に折曲加工するピッチ(d)を1.2mmとして、多数の折曲面を積層する構造とする以外、実施例1と同様にして放熱フィン1を設けて、熱伝導部2である紙シートに対向する折曲縁4を熱結合状態に固定する。
厚さ0.3mm、縦幅(H)を50mmとする帯状の紙シート3を、図5に示すように、ジグザグ状に折曲加工して、高い山形突出部21Aの間に、低い山形突出部21Bを有する放熱フィン21を製作する。この放熱フィン21は、高い山形突出部21Aの横幅(W1)を20mm、低い山形突出部21Bの横幅(W2)を10mm、高い山形突出部21Aのピッチ(D)を8mmとして、この間に6個の低い山形突出部21Bを設けて熱伝導部2である紙シートに対向する折曲縁4を、熱伝導部2の紙シートに熱結合状態に固定する。
比較例1として、アルミニウム製の放熱器を製作する。この放熱器は、厚さを6mm、寸法を210mm×50mmとするプレート状の熱伝導部の一方の面に、複数の放熱フィンを一体成形して設ける。複数の放熱フィンは、縦幅を50mm、横幅を15mm、厚さを2.5mmとして、8mmのピッチで互いに平行な姿勢で一体成形して設けた。さらに、放熱器は、熱伝導部の他方の面であって、放熱フィンを設けた面と反対側の面に、発熱体として複数のLEDを固定してなる回路基板であって、実施例で使用した回路基板と同じ回路基板を固定した。回路基板は、寸法を170mm×50mmとして、プレート状の熱伝導部の両端部を除く中央部に固定した。この回路基板に固定されたLEDの温度を測定した。
さらに、比較例2として、実施例で使用した回路基板と同じ回路基板を用意し、この回路基板に放熱器を固定することなく、LEDの温度を測定した。
2…熱伝導部
3…紙シート
4…折曲縁
5…折曲端面
6…谷部
7…換気孔
8…補強シート
10…固定部
11…紙シート
12…紙シート
13…熱伝導性プラスチックシート
21…放熱フィン 21A…高い山形突出部
21B…低い山形突出部
22…熱伝導部
31…放熱フィン
32…熱伝導部
42…熱伝導部
61…試料
62…ヒートシンク
63…空洞
64…ヒーター
65…差込口
Claims (17)
- 折曲加工してなる放熱フィン(1)、(21)、(31)を熱伝導部(2)、(22)、(32)、(42)に固定してなる放熱器において、
前記放熱フィン(1)、(21)、(31)が、繊維に熱伝導粉末を添加してなる湿式抄紙の紙シート(3)で、
この紙シート(3)が、叩解パルプと、非叩解繊維と、バインダー繊維と、熱伝導粉末が添加されてなる湿式抄紙された紙を、加熱プレスしてバインダー繊維を溶融してシート状に加工されたもので、
前記放熱フィン(1)、(21)、(31)がジグザグ状に折曲加工されて熱伝導部(2)、(22)、(32)、(42)に熱結合状態に固定してなることを特徴とする紙シートの放熱器。 - ジグザグ状に折曲された前記紙シート(3)の折曲縁(4)を熱伝導部(2)、(22)、(32)、(42)に熱結合状態に固定してなる請求項1に記載される紙シートの放熱器。
- 前記放熱フィン(1)、(21)、(31)が、ジグザグ状に折曲加工してなる紙シート(3)を平面状として、折曲加工された紙シート(3)の熱伝導部(2)に対向する折曲縁(4)を熱伝導部(2)に熱結合状態に固定してなる請求項2に記載される紙シートの放熱器。
- ジグザグ状に折曲された前記紙シート(3)の折曲端面(5)を熱伝導部(2)に熱結合状態に固定してなる請求項1に記載される紙シートの放熱器。
- 前記放熱フィン(1)が、ジグザグ状に折曲加工してなる紙シート(3)を円筒状として、折曲加工された紙シート(3)の折曲端面(5)を熱伝導部(2)に熱結合状態に固定してなる請求項4に記載される紙シートの放熱器。
- 複数枚の補強シート(8)を互いに平行に配設すると共に、対向する補強シート(8)の間に、紙シート(3)をジグザグ状に折曲加工してなる放熱フィン(1)を配置しており、放熱フィン(1)が、ジグザグ状の紙シート(3)の両方の折曲縁(4)を補強シート(8)に熱結合状態に固定すると共に、ジグザグ状に折曲された前記紙シート(3)の折曲端面(5)を熱伝導部(2)に熱結合状態に固定してなる請求項4に記載される紙シートの放熱器。
- 前記熱伝導部(2)、(22)、(32)が、紙シート(11)、(12)と、金属プレートと、熱伝導性プラスチックシート(13)のいずれかである請求項1ないし6のいずれかに記載される紙シートの放熱器。
- 前記放熱フィン(1)、(21)、(31)の紙シート(3)の厚さが1mm以下であって、0.05mm以上である請求項1ないし7のいずれかに記載される紙シートの放熱器。
- 前記叩解パルプが、合成繊維からなる叩解パルプと天然パルプのいずれかを単独であるいは複数種混合して含む請求項1に記載される紙シートの放熱器。
- 前記合成繊維からなる叩解パルプが、アクリル繊維、ポリアリレート繊維、ポリアミド繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、PBO(ポリパラフェニレンベンズオキサゾール)繊維、レーヨン繊維のいずれかである請求項9に記載される紙シートの放熱器。
- 前記天然パルプが、木材パルプ、非木材パルプのいずれかである請求項9に記載される紙シートの放熱器。
- 前記紙シート(3)の非叩解繊維が、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、ポリプロピレン繊維、ポリイミド繊維、ポリエチレン繊維、アクリル繊維、炭素繊維、PBO繊維、ポリ酢酸ビニル繊維、レーヨン繊維、ポリビニルアルコール繊維、エチレンビニルアルコール繊維、ポリアリレート繊維、金属繊維、ガラス繊維、セラミック繊維、フッ素繊維のいずれかである請求項1に記載される紙シートの放熱器。
- 前記バインダー繊維が、ポリエステル繊維、ポリプロピレン繊維、ポリアミド繊維、ポリエチレン繊維、ポリ酢酸ビニル繊維、ポリビニルアルコール繊維、エチレンビニルアルコール繊維のいずれかである請求項1に記載される紙シートの放熱器。
- 前記熱伝導粉末が、窒化ケイ素、窒化アルミニウム、マグネシア、アルミナシリケート、シリコン、鉄、炭化珪素、炭素、窒化硼素、アルミナ、シリカ、アルミニウム、銅、銀、金の粉末のいずれかである請求項1ないし13のいずれかに記載される紙シートの放熱器。
- 前記熱伝導粉末の平均粒径が0.1μmないし500μmである請求項1ないし14のいずれかに記載される紙シートの放熱器。
- 前記紙シート(3)が、バインダーの合成樹脂を含む請求項1ないし15のいずれかに記載される紙シートの放熱器。
- 前記バインダーの合成樹脂が、ポリアクリル酸エステル共重合体樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、NBR(アクリロニトリルブタジエンゴム)樹脂、SBR(スチレンブタジエンゴム)樹脂、ポリウレタン樹脂のいずれかを含む熱可塑性樹脂、または、フェノール樹脂、エポキシ樹脂のいずれかを含む熱硬化性樹脂のいずれかである請求項16に記載される紙シートの放熱器。
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