JP5165529B2 - プラグドア装置 - Google Patents
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Description
このプラグドア装置においては、ドアを持ち出し方向または引き込み方向に移動させるとともにドアを前後方向にスライド移動させるためのガイド溝が、車両に固定される固定ベースに形成されている。このガイド溝は、車両側壁と平行に配置された平行溝部と、この平行溝部と連続しており、車両側壁に対し傾斜して形成された傾斜溝部と、を有している。このガイド溝に沿ってドアが移動するように構成することで、当該ドアに対して車両の前後方向への力を作用させるドア駆動装置を用いて、全閉位置にある扉を一旦、車両側壁の外部に持ち出した後に、その車両側壁の外面に沿ってスライド移動させて、乗降口を開くことができる。
そのため、ドアの剛性が十分でないと、ドアの撓みなどにより、上部アームの回動が不十分となるおそれがある。この場合、ドアの戸尻側が車両に接触してしまうおそれがある。
特に、駆動装置との連結がドアの戸先側上部でなされている場合は、当該連結部から遠くに離れた戸尻側下部においては、車両に接触しやすくなり問題となる。
尚、ドア駆動装置との連結部を、ドアの戸尻側に近づけることで、ドアの戸尻側が車両に接触することを回避することも考えられる。しかしながら、同等の乗降口の開口幅を確保するためには、ドア駆動装置や当該ドア駆動装置とドアとの連結部等が車両の前後方向において広い範囲に亘って配置されることになる。その結果、プラグドア装置が大型化してしまうため問題となる。
そして、本発明に係るプラグドア装置は、上記目的を達成するために以下のようないくつかの特徴を有している。すなわち、本発明のプラグドア装置は、以下の特徴を単独で、若しくは、適宜組み合わせて備えている。
また、ドアの撓みをほとんど考慮しなくてすむので、ドアの戸先側にドア駆動装置との連結部を設けても回動アームを確実に回動させることができる。したがって、ドア駆動装置や当該ドア駆動装置とドアとの連結部等を、車両の前後方向における、より狭い範囲に配置することができる。これにより、プラグドア装置を小型に形成することができる。
本実施形態は、本発明に係るプラグドア装置を車両の両引戸に適用したものである。尚、両引戸に適用する場合に限らず、片引戸に適用することも可能である。
図2は、図1に示すプラグドア装置1の上部を拡大した模式図である。
図3及び図4は、図2に示すプラグドア装置1のX−X断面矢視模式図である。尚、図4においては、上側回動アーム81とスライドベース3との連結部分の説明のため、ガイド部6aの近傍部分は省略している。
図5(a)は、図1に示すプラグドア装置1を上方から見た模式図であり、図5(b)は、図5(a)においてスライドベース3および当該スライドベース3上に設けられた部材を省略した図である。尚、図5においては、ドア104a,104bが完全に閉じた状態を示している。
図6は、図5に相当する図であり、ドア104a,104bが開く途中の状態を示す模式図である。
図7は、図5に相当する図であり、ドア104a,104bが完全に開いた状態を示す模式図である。
また、これらの図は、基本的に製図の精度をもって表されている。
図1に示すように、車両側壁101には乗降口102(開口幅をS1で示す)が設けられている。乗降口102の上部には、前後方向に延びるようにフレーム103が固定されている。ここで、「前後方向」とは、車両の進行方向と平行な方向であり、図1において矢印Aで示す方向である。尚、図1において右側が車両の前方、左側が車両の後方である。
また、乗降口102を覆うように一対のドア104a,104bが設けられている。一対のドア104a,104bは、両開きのドアであって、プラグドア装置1により開閉される。尚、当該ドア104a,104bは、全閉状態において、乗降口102を略密閉するように設けられている。
図3に示すように、当該リニアガイド31は、固定ベース2の上面に固定されて車幅方向に延びるレール31aと、当該レール31aに沿って摺動可能な摺動部材31bとを有して構成される。摺動部材31bは、スライドベース3における底面板部32の下面に固定されている。
これにより、スライドベース3は、固定ベース2に対して車幅方向に移動可能である。
図3に示すように、ドア駆動装置4の本体41は、スライドベース3の背面板部33に固定されている。また、図2に示すように、本体41からは、一対のラック42a,42bが車両の前後方向に延びている。本体41には、正逆回転可能なダイレクトドライブ方式の電動モータ(図示せず)が設けられている。当該モータを駆動させることにより、遊星歯車機構Gを介して、一対のラック42a,42bと噛み合うピニオン42cが回転し、当該一対のラック42a,42bが互いに逆方向に移動することになる。
倍速レール45bについても同様に構成される。即ち、倍速レール45bの上側ラック47bはドア104bに対して固定されており、下側ラック48bはスライドベース3に対して固定されているので、レール用ピニオン46bを前後方向に移動させることで、ドア104bを前後方向に移動させることができる。
図8は、図5(b)に示すプラグ機構(ガイド部6a、ローラガイド7、軸部5a)の拡大模式図であり、ドア104aが開くときの軸部5aおよびガイド部6aの動作を説明するための図である。図8において、(a)は、全閉状態を示し、(b)は、プラグ動作の途中の状態を示し、(c)は、プラグ動作完了直後の状態を示している。
尚、全閉状態においては、第2リンク62のローラ65は、第2切り欠き部62aよりも車幅方向外側に位置し、第2リンク62の第2回動軸64は、第2切り欠き部62aよりも車幅方向内側に位置している。
図1に示すように、乗降口102の上部両側および下部両側には、回動することで、ドアを車幅方向に案内する上側回動アーム81および下側回動アーム82が設けられている。尚、以下、車両前側の回動アームの駆動機構と車両後側の回動アームの駆動機構とは対称的な構成であるため、車両前側の回動アームの駆動機構についてのみ説明し、車両後側の回動アームの駆動機構については説明を省略する。
図2および図4に示すように、上側回動アーム81の先端には、略鉛直上方に延びる回動軸回りに回動自在に設けられたローラ84が設けられている。また、ドア104aには車両前後方向に延びる上側レール85が設けられている。図4に示すように、当該上側レール85は、下方に開口して車両前後方向に延びる溝が設けられている。
ローラ84は、当該上側レール85の溝に下方から挿入され、当該上側レール85に沿って移動可能に配置されている。
プラグドア装置1の動作について、図5〜図8を参照して説明する。
図5および図8(a)に示すように、ドアが全閉状態のとき、軸部5a(図5〜図8において模式的に網掛け模様を付して示す)は、平面視において固定ベース2の凹部2a内に位置している。そして、当該軸部5aは、第1リンク61の第1切り欠き部61aおよび第2リンク62の第2切り欠き部62aの双方に係合している(即ち、切り欠き部内に軸部が位置している)。
また、全閉状態において、ローラ65が軸部5aの中心よりも車幅方向外側に位置し、かつ、第2回動軸64が軸部5aの中心よりも車幅方向内側に位置するように、第2リンク62が配置されている。
このような構成により、軸部5aからの付勢力を、効率よく第1リンク61の回動のために用いることができる。
このとき、軸部5aは、固定ベース2における車両前後方向に延びる周縁部に沿って移動する。そのため、ドア104aに車幅方向内側に向かう外力が加わっても軸部5aが固定ベース2の周縁部に当接するので、スライドベース3が車幅方向内側に押し込まれることはない。
また、軸部5aは、スライドベース3の溝32aに沿って移動する。そのため、ドア104aに車幅方向外側への外力が加わっても、軸部5aの車幅方向外側への移動が、溝32aの縁で規制されるので、ドアが過度に車幅方向外側に振れることを抑制できる。尚、スライドベース3の車幅方向外側への移動は、ストッパー22により規制されるため、車幅方向外側への外力により、スライドベース3が移動することはない。尚、軸部5bについても同様に溝32bにより車幅方向への移動が規制される。
ドアが閉じる際は、上述したドアの開動作と逆の動作が行われる。
以下、ドア開閉時の回動アームの動作について説明する。
図2に示すように、本実施形態においては、ドアが全閉状態のときに、ロック用軸部91a,91bと係合して、第1ブラケット43a,43bの開方向への移動(即ち、ドア104a,104bの開方向への移動)をロックすることのできるロック機構90を備えている。当該ロック機構90はドア駆動装置4の本体41に設けられており、以下のようにして、ロック状態とロック解除状態とに切り換えられる。
遊星歯車機構Gは、回転自在に軸支されたサンギアG1と、このサンギアG1の外周に複数配置され、サンギアG1に噛み合いながら自転及び公転が可能なプラネタリギアG2と、当該プラネタリギアG2に外側で噛み合う内歯を有するインターナルギアG3と、当該プラネタリギアG2を回転自在に支持するキャリアCと、を有している。サンギアG1、インターナルギアG3、キャリアCの三者は、回転軸線が一致するように配置されるとともに、それぞれが他に対して相対回転自在となるように配置されている。また、前記三者の回転軸線は、ラックアンドピニオン機構のピニオン42cの回転軸線とも一致している。
インターナルギアG3は図示しないボルト等を介してピニオン42cに連結されている。
キャリアCは、ロック機構90に連結されている。また、キャリアCには、ドアの閉動作時においてプラネタリギアG2の公転に伴う当該キャリアCの回転を抑制する所定の付勢力が作用している。
上側回動アーム81は、スライドベース3の移動に伴って回動するように、連結棒86を介してスライドベース3に連結されている。また、下側回動アーム82は、連結軸83を介して上側回動アーム81に連結されており、スライドベース3の移動に伴って回動する。
下側回動アーム82は、連結棒86、上側回動アーム81、及び連結軸83を介してスライドベース3に連結されている。したがって、スライドベース3を移動させることにより、下側回動アーム82を確実に回動させることができる。
即ち、スライドベース3およびガイド部6a,6bの双方を、固定ベース2の一側に設けようとすると、スライドベース3およびガイド部6a,6bが移動時に互いに干渉しないような適切な位置に配置する必要がある。この場合、無駄なスペースが発生しやすい。この点、スライドベース3およびガイド部6a,6bを固定ベースの上下に分けて配置することで、互いの干渉は考慮しなくてよいので、配置に必要なスペースが過度に大きくなることはない。
そして、ドアを開く際、第1リンク61は、第2リンク62を介して軸部5aからの力を受け、軸部5aを車幅方向外側に移動させるように所定角度回動する。ローラガイド7は、第1リンク61が所定角度回動するまでの間、第2リンク62が軸部5aに当接した状態を維持するように、ローラ65を案内し、第1リンク61が所定角度回動した後は、第2リンク62が軸部5aの移動を妨げないように、ローラ65を案内する。
また、ドアを閉じる際、第1リンク61は、軸部5aから力を受け、軸部5aを車幅方向内側に移動させるように回動する。
これにより、閉動作時において、軸部5aを確実に第1リンク61および第2リンク62の切り欠き部61a,61b内に導くことができる。
また、ドア104a,104bの移動をロックするためのロック機構90を有する。
遊星歯車機構Gは、モータからの回転駆動力を前記ラックアンドピニオン機構および前記ロック機構90に分配できるように構成されている。
本発明は、回動することで軸部5a,5bを案内するガイド部6a,6bを備える場合に限定されない。図11に示すように、固定ベース220に設けられたガイド溝221により軸部5a,5bを案内するプラグ機構を有する構成であってもよい。
当該ガイド溝221は、車両の前後方向と平行に形成された平行溝部221aと、この平行溝部221aと連続しており、車両側壁に対して傾斜して形成された傾斜溝部221bと、を有する。
この構成によると、開動作を行う場合においては、軸部5a,5bが傾斜溝部221bに案内されることで、スライドベース230及びドア駆動装置240が車幅方向外側に押し出され、結果としてドア104a,104bが車幅方向外側に押し出されつつ開方向に移動することになる。このとき、上側回動アーム81は、スライドベース230から連結棒86を介して付勢されて車幅方向外側に張り出すように所定の角度だけ確実に回動する。
一方、閉動作を行う場合においては、全開位置にある軸部5a,5bが平行溝部203aを案内されて移動するとともに、全閉位置付近で、傾斜溝部221bに案内されて車幅方向内側に引き込まれる。これに伴って、スライドベース230及びドア駆動装置240が車幅方向内側に引き込まれ、結果としてドア104a,104bが車幅方向内側に引き込まれつつ閉方向に移動することになる。このとき、上側回動アーム81は、スライドベース230から連結棒86を介して付勢されて車幅方向内側に引き込まれるように所定の角度だけ確実に回動する。
2 固定ベース
3 スライドベース
4 ドア駆動装置
5a,5b 軸部
6a,6b ガイド部
61 第1リンク
62 第2リンク
65 ローラ
7 ローラガイド
81 上側回動アーム
82 下側回動アーム
Claims (2)
- 車両の本体に固定された固定ベースと、
前記車両の幅方向に移動可能に前記固定ベースに設けられたスライドベースと、
前記スライドベースに設けられ、ドアを前記車両の前後方向へ移動させるドア駆動装置と、
前記ドアの開閉に応じて前記スライドベースを前記車両の幅方向に移動させるプラグ機構と、
上下に延びる軸回りに回動可能となるように前記車両の本体に連結されるとともに、開閉移動する前記ドアに連結された回動アームと、
を備え、
前記回動アームは、前記スライドベースの移動に伴って回動するように、当該スライドベースに連結されている
プラグドア装置。 - 前記回動アームとして、前記ドアの上部に連結された上側回動アーム及び前記ドアの下部に連結された下側回動アームを備え、
前記上側回動アームの回動軸と前記下側回動アームの回動軸とが連結されている
請求項1に記載のプラグドア装置。
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