JP5164916B2 - 試験方法及び試験装置 - Google Patents

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Description

本発明は、湿度を適正に維持して機器の性能試験を行う試験装置に関するものであり、特にシロキサン耐久試験等の有機ガス雰囲気中において湿度を適正に維持して機器の性能試験を行う試験方法及び当該試験方法に使用する試験装置に関するものである。
シロキサン(低分子環状シロキサン)は常温で簡単にガス化し、電気接点部において電気エネルギーを受けることでシリカと炭化物との化合物となる。シリカは絶縁物質であり、接点に対して強固に付着する性質を持っているため、電気接点部の接触不良の原因となる(特許文献1参照)。
ところでシロキサンは一般的なプラスチック、合成ゴム、接着剤、化粧品、ヘアスプレーなど身近な製品に大量に含まれているので、身近な電気製品などにも不具合をもたらす原因となっている。
特に自動車の場合、夏場の駐車中の車室内が高温になることと、室内が密閉状態であることから、内装材やその接着剤、各種プラスチック材料から大量のシロキサンがガス化するため、車室内の電気・電子機器が非常に高い濃度のシロキサンにさらされ、スイッチONによる通電時に接点部において電気エネルギーによって絶縁物であるシリカが生成され、接触不良を発生させる。また、エンジンルームにおいてもエンジンの発熱によりシロキサンがガス化し、同様の接触不良を発生させる。これらは機器の動作接点においてだけでなく、各種コネクタ類においても接触不良を発生させる。これはシロキサン存在下で自動車の振動によりコネクタの接点が通電されながらミクロ的に動くことが原因であると考えられる。
こうした電気接点の接触不良を背景として、各メーカーはシロキサンに耐えうる接点構造や材料の開発に迫られている。
またシロキサンに耐えうる接点構造や材料の開発をするには、環境試験装置によって試作された接点構造や材料の性能評価をする必要がある。
この状況に鑑み、本出願人は、試作された接点構造等の耐シロキサン性能を評価するための環境試験装置の開発に着手し、先にシロキサン耐久試験装置の発明を出願した(特許文献2)
特許文献2に開示したシロキサン耐久試験装置(以下 従来技術の試験装置と称する)は、公知の環境試験装置にシロキサンガス発生装置を組み合わせたものである。すなわち従来技術の試験装置は、シロキサンガス発生装置でシロキサンガスを発生させ、このガスを環境試験装置の試験室に供給するものである。そして試験室内のシロキサン濃度をシロキサン濃度センサで測定し、シロキサン濃度センサが検出したシロキサン濃度に基づいて、試験室内のシロキサン濃度が所定濃度となるようにシロキサンガス発生装置を制御する。
従来技術の試験装置は前記した様に公知の環境試験装置にシロキサンガス発生装置を組み合わせたものであり、試験室内の湿度を調節する機能を備えている。すなわち従来技術の試験装置は、内部に循環流路を持ち、その循環流路内に除湿器(冷却装置)と加湿器が設けられている。そして循環流路を流れる空気を除湿器(冷却装置)で除湿し、その後に加湿器で加湿して所望の湿度に調節する。
特開2006−124489公報 特開2008−224485公報
前記したシロキサンガス雰囲気中の接点故障は、接点間の放電による場合もあり、雰囲気中の湿度が放電発生要因の一つとして挙げられる。そのため試験室内の湿度を制御した状態で試験を行う要求がある。
しかしながら、従来技術の試験装置は、試験室内のシロキサンガス濃度の制御が不安定であるという不満があった。そこで本発明者らは、試験室に排気口を設け、予め所定の濃度に調整したシロキサンガス混入空気を試験室に供給することとした。
上記した方策によると、時間の経過と共に試験室内のシロキサンガス濃度が供給する空気中のシロキサンガス濃度に収斂し、試験室内のシロキサンガス濃度が安定する。
しかしながら、上記した方策によると、試験室内の湿度が不安定になるという問題があった。
すなわち前記した方策では、試験室が常時換気されることとなるから、試験室内の湿度が常時変動する。試験室内の湿度が変動すると、除湿器(冷却器)や加湿器を駆動して湿度を調整することとなるが、除湿器(冷却器)や加湿器は追従速度が遅く、試験室内の湿度を安定させることが困難であった。
そこで本発明は、上記した問題点に鑑み、シロキサンガス等の有機ガスが混入された雰囲気中で行う試験方法及びそれに用いる試験装置を改良し、湿度についても安定して制御することができる試験方法及び試験装置を提供することを課題とするものである。
上記した課題を解決するための請求項1に記載の発明は、所定の湿度に調節され且つ特定の有機ガスが混入された雰囲気の試験空間内で実施する試験方法であって、空気等の中に水蒸気が飽和状態で混入した水蒸気飽和空気を調整し、当該水蒸気飽和空気と乾燥空気を混合し、前記水蒸気飽和空気における水蒸気の含有量に関する情報に基づき、水蒸気飽和空気と乾燥空気とを混合した後の絶対湿度が試験空間の目標湿度と同一の絶対湿度となる様に水蒸気飽和空気と乾燥空気の混合割合R:(1−R)を決定し、前記混合割合の混合空気を前記試験空間内に充満させて試験空間内の湿度を所望の目標湿度に調整することを特徴とする試験方法である。
ここで「目標湿度に調整する」とは実質的に目標とする湿度に一致させるという意味であり、制御の為の指標は、目標とする相対湿度だけでなく、目標とする相対湿度に対応する絶対湿度、目標とする相対湿度に対応する環境の露点温度、目標とする相対湿度に対応する水蒸気分圧を採用することができる。
「空気等」とは空気の他に代用空気を含む趣旨である。代用空気として窒素を使用することが可能である。
乾燥空気とは、窒素等の水蒸気を含まない代用空気だけでなく、除湿処理された空気を含む。従って乾燥空気は水蒸気を全く含まない空気に限定されるものではない。
本発明は、「圧力や温度等の条件が一定であれば、水蒸気が飽和状態に含まれた空気内における水蒸気量は一定となる」という原理を応用して試験室内の湿度を所望の湿度に調整するものである。
すなわち「圧力や温度等の条件が一定であれば、水蒸気が飽和状態に含まれた空気内における水蒸気量は一定」であるから、これに乾燥空気を所定の割合で混合すれば、所望の湿度の空気を得ることができる。
また水蒸気が飽和状態に含まれる空気中の含有量は、公知の資料から知ることができる。
ここで「水蒸気の含有量に関する情報」とは単位空気容積当たりの含有水蒸気容積(単位 立方メートル)、単位空気質量当たりの含有質量(単位 mg)、単位容積当たりの含有モル数等の含有量そのものの値の他、重量パーセント、容積パーセント、モルパーセント、モル濃度等の含有率や濃度の値であってもよい。また水蒸気の分圧等の様に、実質的に有機ガスの濃度や含有割合を示す値であってもよい。
水蒸気の含有量に関する情報は、飽和状態における水蒸気の分圧又は飽和状態における水蒸気の濃度であることが望ましい(請求項2)。
また水蒸気飽和空気と乾燥空気の混合割合R:(1−R)において、前記Rは、飽和状態における水蒸気の分圧と、試験室内の目標湿度に対応する露点における飽和水蒸気の分圧と、試験室内の全体の目標全圧から次の式によって演算することができる(請求項3)。
Figure 0005164916
また水蒸気飽和空気は、水と空気等とを接触させて水蒸気飽和空気を生成させる水蒸気飽和空気生成装置によって生成し、水蒸気飽和空気と乾燥空気の混合割合R:(1−R)において、前記Rは、次の式によって演算することもできる(請求項4)。
Figure 0005164916
さらに水蒸気飽和空気と乾燥空気の混合割合R:(1−R)において、前記Rは、次の式のRに対するいずれかの右辺によって演算することもできる(請求項5)。
Figure 0005164916
すなわち次の二つの式のいずれかによってRを演算することができる。
Figure 0005164916
Figure 0005164916
また請求項6に記載の発明は、空気等の中に前記有機ガスが飽和状態となるまで混入した有機ガス飽和空気を調整し、当該有機ガス飽和空気と前記有機ガスを含有しない無ガス空気を混合し、前記有機ガス飽和空気内における有機ガスの含有量に関する情報に基づき、試験室内の有機ガスの濃度が目標濃度となる様に有機ガス飽和空気と無ガス空気の混合割合r:(1−r)を決定し、前記混合割合の混合空気を前記試験空間内に充満させて有機ガスの濃度を所望の目標濃度に調整することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の試験方法である。
本発明は、シロキサン等の有機ガスの濃度を制御する機能を備えたものである。
本発明の原理は、前記した発明と同一であり、「圧力や温度等の条件が一定であれば、有機ガス飽和空気内における有機ガスの含有量は一定となる」という原理を応用して有機ガスの濃度を所望の濃度に調整するものである。
すなわち「圧力や温度等の条件が一定であれば、有機ガス飽和空気内における有機ガスの含有量は一定」であるから、これに無ガス空気(有機ガスを含まない空気)を所定の割合で混合すれば、所望の濃度の有機ガス混合空気を得ることができる。
また有機ガス飽和空気内における有機ガスの含有量は、予備実験や、先人の研究資料から知ることができる。
ここで「有機ガスの含有量に関する情報」とは単位空気容積当たりの含有有機ガス容積(単位 立方メートル)、単位空気質量当たりの含有質量(単位 mg)、単位容積当たりの含有モル数等の含有量そのものの値の他、重量パーセント、容積パーセント、モルパーセント、モル濃度等の含有率や濃度の値であってもよい。また有機ガスの分圧等の様に、実質的に有機ガスの濃度や含有割合を示す値であってもよい。
例示した中で、有機ガスの含有量に関する情報は、飽和状態における有機ガスの分圧又は飽和状態における有機ガスの濃度であることが望ましい(請求項7)。
有機ガス飽和空気と無ガス空気の混合割合は、次の式のrに対するいずれかの右辺によって演算することができる(請求項8)。
Figure 0005164916
ここでrに対するいずれかの右辺とは、次のいずれの式を採用しても良いという意味である。
すなわち濃度の関する式を利用する場合は、次の式による。
Figure 0005164916
濃度と分圧を利用する場合は、次の式による。
Figure 0005164916
分圧を利用する場合は次の式による。
Figure 0005164916
また有機ガスはシロキサンガスであり、一定の温度及び圧力下において液状のシロキサンと空気とを接触させることによって有機ガス飽和空気を調整することが推奨される(請求項9)。
被試験物は、接点を有する電気機器であり、前記空間内に被試験物を設置し、接点に通電しつつ接点を開閉することが望ましい(請求項10)。
また試験装置に関する発明は、試験室と、当該試験室に特定の有機ガスを供給する有機ガス供給装置と、前記試験室に湿度のある空気を供給する湿度調整空気供給手段を有し、前記湿度調整空気供給手段は、空気等の中に水蒸気が飽和状態で混入した水蒸気飽和空気を生成する水蒸気飽和空気生成装置と、乾燥空気を通過させる乾燥空気通過流路と、前記水蒸気飽和空気生成装置を経由して通過する水蒸気飽和空気の流量を制御する水蒸気飽和空気制御手段と、乾燥空気の流量又は空気の総通過量を制御する空気量制御手段とを有し、前記水蒸気飽和空気における水蒸気の含有量に関する情報に基づき、試験室内の湿度が目標湿度と同一の絶対湿度となる様に水蒸気飽和空気と乾燥空気の混合割合R:(1−R)を決定し、この混合割合となる様に水蒸気飽和空気制御手段と空気量制御手段を制御することを特徴とする試験装置である(請求項11)。
本試験装置は有機ガス雰囲気中での湿度制御が可能である。
また水蒸気飽和空気と乾燥空気の混合割合R:(1−R)において、前記Rは、次の数式によって演算することができる(請求項12,13,14)。
Figure 0005164916
Figure 0005164916
Figure 0005164916
有機ガス供給装置は、一定の温度条件下において液状の有機ガスと空気とを接触させることによって空気等の中に特定の有機ガスが飽和状態となるまで混入した有機ガス飽和空気を調整する有機ガス飽和空気生成装置と、前記有機ガスを含有しない無ガス空気を通過させる無ガス空気通過流路と、有機ガス飽和空気の流量を制御する有機ガス飽和空気量制御手段と、無ガス空気通過流路を通過する空気の流量又は空気の総通過量を制御する無ガス空気量制御手段とを有し、前記有機ガス飽和空気内における有機ガスの含有量に関する情報に基づき、試験室内の有機ガスの濃度が所望の濃度となる様に有機ガス飽和空気と無ガス空気の混合割合r:(1−r)を決定しこの混合割合となる様に前記有機ガス飽和空気量制御手段と無ガス空気量制御手段を制御するものであることが望ましい(請求項15)。
また有機ガスはシロキサンガスであり、有機ガス飽和空気生成装置は、一定の温度条件下において液状のシロキサンと空気とを接触させることによって有機ガス飽和空気を調整するものであり、制御装置は、有機ガス飽和空気と無ガス空気の混合割合を、次の式のrに対するいずれかの右辺によって演算するものであることが望ましい。
Figure 0005164916
本発明の試験方法及び試験装置は、シロキサンガス等の有機ガスが混入された雰囲気中で行う試験方法、試験装置を改良し試験室内の湿度についても正確に制御することができる効果がある。
本発明の実施形態の環境試験装置の構成図である。 図1の環境試験装置で採用する有機ガス飽和空気生成装置の構成図である。 本発明の他の実施形態の環境試験装置の構成図である。 本発明のさらに他の実施形態の環境試験装置の構成図である。 本発明のさらに他の実施形態の環境試験装置の構成図である。 本発明のさらに他の実施形態の環境試験装置の構成図である。 本発明のさらに他の実施形態の環境試験装置の構成図である。 本発明のさらに他の実施形態の環境試験装置の構成図である。
以下、さらに本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る環境試験装置1を示している。環境試験装置1は、具体的にはシロキサン耐久試験装置であり、試験室7内をシロキサンガス雰囲気とした状態で電気接点等の耐久試験を行うものである。
図1に示す環境試験装置1は、大きくガス供給装置2と試験室7によって構成されている。またガス供給装置2はシロキサンガス供給部3と加湿空気供給部5とに分けることができる。以下、順次説明する。
シロキサンガス供給部3は、有機ガス飽和空気生成装置8を通過させる高濃度ガス流路10と、有機ガス飽和空気生成装置8を通過しない無ガス空気流路12を有し、二つの流路10,12が混合部15で合流されたものである。
また高濃度ガス流路10と、無ガス空気流路12にはそれぞれ流量調節装置17,18が設けられている。
流量調節装置17,18は、具体的にはマスフローコントローラであり、制御装置19の制御出力にしたがって通過流量を調整するものである。
本実施形態では、高濃度ガス流路10側の流量調節装置17は、有機ガス飽和空気生成装置8の上流側に設けられている。
前記した有機ガス飽和空気生成装置8は、具体的にはバブラーであり、液中に空気を通過させて液と空気を接触させ、シロキサンガスを空気等の中に混入するものである。
図2に、有機ガス飽和空気生成装置8の詳細図を示す。有機ガス飽和空気生成装置8は、シロキサン液が貯溜されたシロキサン貯溜槽20を備えている。シロキサン貯溜槽20は、図の様に、液相部21と気相部22とに分かれている。
液相部21は、内部にシロキサン液が貯留される部位であり、シロキサン貯溜槽20の約下半分の領域を締める。
液相部21内には、シロキサン液を昇温するためのヒーター23が内蔵されている。
液相部21内のヒーター23は、U字管状であり、制御装置19からの制御出力にしたがって、液相部21のシロキサン液の温度を上昇させる。
シロキサン貯溜槽20の内部の液相部21以外の部位、より正確には、シロキサン液以外の部分は気相部22であり、シロキサンガスが飽和状態となるまで混入された空気が充満する。
またシロキサン貯溜槽20には、温度センサー26が取り付けられている。温度センサー26は、シロキサン貯溜槽20の天井から挿入されて気相部22を通過し、先端が液相部21にまで達している。温度センサー26は、気相部22及び液相部21に対応する位置にそれぞれ熱電対27、28を有しており、各熱電対27、28において温度検出を行う。なお、一般的に、気相部22の空気の温度は、液相部21のシロキサン液の温度と同一である。
また、有機ガス飽和空気生成装置8は、気相部22のシロキサンガス含有空気及び液相部21のシロキサン液の温度を調整する温調装置31を有している。温調装置31は、温水が循環する循環管路となっており、シロキサン貯溜槽20の気相部22相当部分を取り囲むウォータージャケット33を含んでいる。ウォータージャケット33は、気相部22内の有機ガス飽和空気の温度を調整するものである。
その他、温調装置31は、ウォータージャケット33から排出された水と外部から供給された冷却水との熱交換を行う熱交換器35と、液相部21内に設けられてシロキサン液の温度調整を行うU字管状の蛇管36と、ポンプ37と、ウォータージャケット33に供給される水を加熱するヒーター40とを含んでいる。また、ウォータージャケット33内の液温は、液温センサー41によって測定される。ウォータージャケット33と熱交換器35との間には、熱交換器35に流れる水量を調整する三方弁34が配置されている。
有機ガス飽和空気生成装置8内のヒーター23及び温調装置31は、制御装置19からの制御出力にしたがって制御される。これにより、シロキサン貯溜槽20の空気排出口25から排出されるシロキサンガスの温度を調整することができる。
シロキサン貯溜槽20の下端近傍には、空気導入口29が設けられている。空気導入口29からシロキサン貯溜槽20の液相部21に供給された空気は気泡となって液相部21を上昇し、シロキサン液と接触し、シロキサンガスが飽和状となるまで空気中に混入される。従って気相部22内の気体は、一定温度条件下において空気中にシロキサンガスが飽和状に混入した有機ガス飽和空気である。
気相部22内の有機ガス飽和空気は、空気導入口29から新たに導入される空気に押し出されてシロキサン貯溜槽20の上端に設けられた空気排出口25から排出される。
前記した様に有機ガス飽和空気生成装置8は温度調節機能を備えるので、有機ガス飽和空気生成装置8を通過する空気は、一定温度条件下において空気中にシロキサンガスが飽和状に混入した有機ガス飽和空気となっている。
なお本実施の形態に係る環境試験装置1は有機ガス飽和空気生成装置8を有しているので、市販されていないシロキサン標準ガスを、市販されているシロキサン液から所望濃度を有するように発生させることができる。
前記したシロキサンガス供給部3の高濃度ガス流路10と、無ガス空気流路12は、いずれも乾燥空気供給源47から分岐され、混合部15で再度合流されたものであり、合流後の流路は共通であって試験室7に至る供給ガス流路43となっている。
また流量調節装置(マスフローコントローラ)18と混合部15との間、及び、有機ガス飽和空気生成装置8と混合部15との間には、それぞれ、ヒーター45,46が配置されている。これらヒーター45、46は、乾燥空気及び有機ガス飽和空気を加熱することによって、これらのガスが混合時に液化(結露)するのを防止するために設けられている。また、供給ガス流路43の混合部15と試験室7との間は、保温用のヒーター49によって覆われている。これによって、混合ガスが試験室7に到るまでに液化するのを防止している。
次にガス供給装置2の加湿空気供給部5について説明する。加湿空気供給部5の流路構成は、前記したシロキサンガス供給部3と同一であり、シロキサンガス供給部3がバブラーによってシロキサンガス飽和空気を調整するのに対し、加湿空気供給部5では、バブラーによって飽和状態の水蒸気を含む空気を作る点だけが異なる。
従って理解を容易にするために、加湿空気供給部5の構成部品であって、シロキサンガス供給部3と同一の部材には、同一の番号に添字aを付ける。ただし部材の名称は、混乱を避けるためにあえて異ならせている。
すなわち加湿空気供給部5は、水蒸気飽和空気生成装置8aを通過させる高湿度流路10aと、水蒸気飽和空気生成装置8aを通過しない乾燥空気流路12aを有し、二つの流路10a,12aが混合部15aで合流されたものである。
また高湿度流路10aと、乾燥空気流路12aにはそれぞれ流量調節装置17a,18aが設けられている。
流量調節装置17a,18aは、具体的にはマスフローコントローラであり、制御装置19の制御出力にしたがって通過流量を調整するものである。
前記した水蒸気飽和空気生成装置8aは、前記した様にバブラーであり、バブラー方式により水蒸気飽和空気を調整するものである。
水蒸気飽和空気生成装置8aの具体的構造は、前記した有機ガス飽和空気生成装置8と同一であり、一定温度条件下で、飽和水蒸気を含有した空気を生成することができる。
加湿空気供給部5の高湿度流路10aと、乾燥空気流路12aは、いずれも乾燥空気供給源47から分岐され、混合部15aで再度合流されたものであり、合流後の流路は共通であって試験室7に至る供給高湿空気流路43aとなっている。
また流量調節装置(マスフローコントローラ)18aと混合部15aとの間、及び、水蒸気飽和空気生成装置8aと混合部15aとの間には、それぞれ、ヒーター45a,46aが配置されている。これらヒーター45a,46aは、これらの空気が混合時に液化(結露)するのを防止するために設けられている。また、供給高湿空気流路43aの混合部15aと試験室7との間は、保温用のヒーター49aによって覆われている。これによって、混合ガスが試験室7に到るまでに液化するのを防止している。
試験室7は密閉状態ではなく、小さな排気口48が設けられている。また試験室7には、内部の環境を検知するための圧力計50,乾球温度計51、湿球温度計52が設けられている。
次に本実施形態の環境試験装置1の機能について説明する。
本実施形態の環境試験装置1は、乾燥空気供給源47から空気の供給を受けて使用される。ここで乾燥空気供給源47とは、図示しない圧縮機で圧縮された空気を除湿器を通して供給するものであり、乾燥空気とは、除湿処理された空気であって、水蒸気を全く含まない空気とは限らない。なお乾燥空気として窒素ガスを使用することもできる。
本実施形態では、乾燥空気供給源47から供給される空気が、シロキサンガス供給部3と加湿空気供給部5とに分流される。そしてシロキサンガス供給部3においては、さらに高濃度ガス流路10と、無ガス空気流路12に分流される。
また加湿空気供給部5に分流された空気は、さらに高湿度流路10aと、乾燥空気流路12aに分流される。
そしてシロキサンガス供給部3においては、高濃度ガス流路10を流れる空気は、有機ガス飽和空気生成装置8を通過する際にシロキサンの蒸気が飽和状態となるまで混入された有機ガス飽和空気に調整される。そして有機ガス飽和空気は混合部15で乾燥空気(無ガス空気)と混合され、適度の濃度となって試験室7に供給される。
一方、加湿空気供給部5においては、高湿度流路10aを流れる空気は、水蒸気飽和空気生成装置8aを通過する際に水蒸気が飽和状態となるまで混入された水蒸気飽和空気に調整される。そして水蒸気飽和空気は混合部15aで乾燥空気と混合され、適度の湿度となって試験室7に供給される。
シロキサンガス供給部3で作られたシロキサンガス混合空気と、加湿空気供給部5で作られた調湿空気は、最終的に試験室7に流れ込んで混合される。
そして本実施形態の環境試験装置1では、乾燥空気供給源47から分流される空気の量を調節することによって、試験室7のシロキサンガスの濃度と、湿度とを調節する。
すなわち本実施形態では、前記した様に、乾燥空気供給源47から供給される空気が、シロキサンガス供給部3と加湿空気供給部5とに分流され、さらにシロキサンガス供給部3においては、高濃度ガス流路10と、無ガス空気流路12に分流され、加湿空気供給部5においては、高湿度流路10aと、乾燥空気流路12aに分流される。そして高濃度ガス流路10でシロキサンガスが混合され、高湿度流路10aで水蒸気が混合されるから、高濃度ガス流路10を通過する空気量の比率を増加させればシロキサンガスの濃度が上昇し、高湿度流路10aを通過する空気量の比率を増大させれば全体の湿度が上昇する。
逆に高濃度ガス流路10を通過する空気量の比率を減少させて無ガス空気流路12に分流される空気の比率を増大させればシロキサンガスの濃度は降下する。同様に、高湿度流路10aを通過する空気量の比率を低下させて乾燥空気流路12aに分流される空気の比率を増大させれば全体の湿度が低下する。なお本実施形態では、加湿空気供給部5を流れる空気の比率を増加させてもシロキサンガスの濃度が降下し、シロキサンガス供給部3の無ガス空気流路12を流れる空気の比率を増加させても湿度を低下させることができる。
すなわち本実施形態では、高濃度ガス流路10以外の流路には、シロキサンガスを含有しない無ガス空気が流れるので、高濃度ガス流路10と、他の3流路(無ガス空気流路12、高湿度流路10a、乾燥空気流路12a)の組み合わせによって有機ガス供給装置を構成する。
同様に、高湿度流路10a以外の流路を流れる空気は、水蒸気の含有量が少ないので、高湿度流路10aと他の3流路(乾燥空気流路12a、無ガス空気流路12、高濃度ガス流路10)の組み合わせによって湿度調整空気供給手段を構成する。
そして本実施形態の環境試験装置1では、前記した4本の空気流路にいずれも流量調節装置(マスフローコントローラ)17,18,17a,18aが設けられているので、全ての空気流路の通過流量を制御することができる。
本実施形態では、試験室7内のシロキサンガスの濃度が、目標の濃度となる様に、有機ガス飽和空気内における有機ガスの含有量に関する情報に基づいて、高濃度ガス流路10を流れる空気と他の流路を流れる空気の比率を調節する。
すなわちシロキサンガス供給部3の高濃度ガス流路10に設けられた流量調節装置(マスフローコントローラ)17で流量制御された空気流量をQD4wet とし、無ガス空気流路12に設けられた流量調節装置18で流量制御された空気流量をQD4dry とし、加湿空気供給部5の高湿度流路10aに設けられた流量調節装置17aで流量制御された空気流量をQSwetとし、乾燥空気流路12aに設けられた流量調節装置18aで流量制御された空気流量をQSdryとしたとき、QD4wet と他の合計との混合割合r:(1−r)を決定し、この流量となる様に各流量調節装置17,18,17a,18aを制御する。
より具体的には、次の式のいずれかが満足する様に、各流量を制御する。演算は、制御装置19が行い、必要なデータは、予め制御装置19の記憶装置に記憶させておく。
式中のPa(試験室内の全体の目標全圧)は、圧力計50の検知信号を利用する。Cb(試験室内の有機ガスの目標濃度)は、図示しない入力装置を使用して使用者が希望する濃度を入力する。Pc(有機ガス飽和空気生成装置内における有機ガスの分圧)は、飽和状態における有機ガスの分圧であり、予備実験や、先人の研究資料から知ることができる。Pcのデータは、予め制御装置19の記憶装置に記憶させておく。
飽和状態における有機ガスの分圧に対して蓄積された資料が少ない場合は、特定の圧力条件下における分圧を測定し、有機ガス飽和空気生成装置8の温度条件を前記した特定の条件に合わせて有機ガス飽和空気を調整してもよい。
Cd(有機ガス飽和空気生成装置内における有機ガス濃度)は、飽和状態における有機ガスの濃度であり、これについても予備実験や、先人の研究資料から知ることができる。Cdのデータについても、必要に応じて予め制御装置19の記憶装置に記憶させておく。
飽和状態における有機ガスの濃度に対して蓄積された資料が少ない場合は、特定の圧力条件下における濃度を測定し、有機ガス飽和空気生成装置8の温度条件を前記した特定の条件に合わせて有機ガス飽和空気を調整してもよい。
Figure 0005164916
Figure 0005164916
なお前記した式は、次の式から導かれたものである。
Figure 0005164916
そのため上記した式の中途の式を使用してもよい。
例えば、次の式を採用することもできる。
Figure 0005164916
Figure 0005164916
また同様に、試験室7内の湿度が、目標の湿度となる様に、水蒸気飽和空気内における水蒸気の含有量に関する情報に基づいて、高湿度流路10aを流れる水蒸気飽和空気と他の流路を流れる乾燥空気の比率を調節する。
すなわちQSwetと他の合計との混合割合R:(1−R)を決定し、この流量となる様に各流量調節装置17,18,17a,18aを制御する。
より具体的には、次の式を満足する様に、各流量を制御する。
式中のPa(試験室内の全体の目標全圧)は、圧力計50の検知信号を利用する。Sc(水蒸気飽和空気生成装置内における水蒸気の分圧)は、飽和状態における水蒸気の分圧であり、公知の資料から知ることができる。Sg(試験室内の目標露点に対応する飽和水蒸気の分圧)についても公知の資料から知ることができる。
予め知り得るデータは、制御装置19に記憶されている。
Figure 0005164916
Figure 0005164916
あるいは、高濃度ガス流路10を流れる流量が僅かであるからこれを無視して次の式によってもよい。
Figure 0005164916
あるいは水蒸気の消費率に基づく式からQSwetと他の合計との混合割合R:(1−R)を決定してもよい。
即ち試験室7に対して供給される空気の総量をQtとし、水蒸気飽和空気と乾燥空気とをR:(1−R)で混合するとした場合、水蒸気飽和空気の流量(飽和状態の水蒸気を含む空気の流量)QSwetと、空気の総流量Qt及び水蒸気を含まない空気の流量QAdryとの間には、以下の数式の関係が成立する。
Figure 0005164916
Figure 0005164916
試験室7内における水分の消費率をSfc[g/sec]、水蒸気飽和空気生成装置8a内における水分の消費率をSdとした場合、Rについては、下記の数式の関係に基づいて導出することもできる。
Figure 0005164916
さらに、試験室7内における水分の消費率Sfcや水蒸気飽和空気生成装置8a内における水分の消費率Sdは、水の分子量をM、飽和蒸気圧をSc,Sgとして、下記の数式の関係から導出することができる。なお下記の式は、水蒸気の含有量に関する情報に基づく値たるSgを活用する式である。
Figure 0005164916
Figure 0005164916
またさらに次の式を使用してRを求めてもよい。
Figure 0005164916
本実施形態では、試験室7に排気口48が設けられており、有機ガス濃度及び湿度を調節した空気を試験室7に流し続けるものであるから、試験室7の環境は、次第に調節された環境に収斂してゆく。
そして試験室7内に接点を有する電気機器を設置し、接点に通電しつつ接点を開閉すれば、夏期の自動車内の環境を再現することができ、電気機器のシロキサン耐久性能を試験することができる。
夏期の自動車内のシロキサンガス濃度は、概ね20ppm程度と予想されるから、その様な濃度に調節することにより、夏期の自動車内の環境を再現することができる。また加速試験として、100から500ppm程度のシロキサンガス濃度に調節して試験を行うことも推奨される。
以上説明した実施形態では、シロキサンガス供給部3と加湿空気供給部5とを設け、シロキサンガス供給部3においては、さらに高濃度ガス流路10と、無ガス空気流路12に分流し、加湿空気供給部5においては、高湿度流路10aと、乾燥空気流路12aとを設けた。即ち上記した実施形態では、並列的に4つの流路を設けた。しかしながら、本発明はこの構成に限定されるものではなく、図3に示す様に、無ガス空気流路12を省略して3流路としてもよい。これによって高価な流量調節装置(マスフローコントローラ)の数を減らすことができる。
しかしながら、実際上、高濃度ガス流路10を流れる空気量が他の流路の空気量に比べて少ないので、図3の様に、無ガス空気流路12を省略すると、高濃度ガス流路10を流れる有機ガス飽和空気の混合が円滑にゆかなくなる懸念が生じるので、必要なガス濃度によって選択するべきである。すなわち高濃度ガス流路10を流れる流量が極端に小さい場合には、無ガス空気流路12を省略するべきではない。
また単にシロキサンガスの濃度だけを調整したい場合には、図4に示すように、シロキサンガス供給部3だけを設け、加湿空気供給部5を省略することも可能である。
また先の実施形態では、並列的に4つの流路を設け、それぞれの流路に流量調節装置17,18,17a,18aを設けたが、流量調節装置17,18,17a,18aの取り付け位置は図1の位置に限定されるものではなく、加減計算によって各流路を流れる流量を知ることができればよい。例えば、図5に示すように、流量調節装置17,18,17a,18aの一つを各流路の合流部に設けても演算によって各部の流量を知ることができる。
さらに各流路の合流部に流量調節装置56を設けるならば、図6の様に高濃度ガス流路10の流量調節装置17と、高湿度流路10aの流量調節装置17aを残し、無ガス空気流路12と乾燥空気流路12aの流量調節装置18,18aを省略してもよい。この回路によれば、図3の回路と同様に高価な流量調節装置を必要最小限の使用数に抑えながら、精度良く有機ガスの流量(高濃度ガス流路10を流れる有機ガス飽和空気の流量)や湿度調整空気の流量(高湿度流路10aを流れる水蒸気飽和空気の流量)を制御することができる。
また空気の総量を測定する流量調節装置56の計測値(又は流量設定値)から高湿度流路10aに設けられた流量調節装置17aの値、もしくは高濃度ガス流路10に設けられた流量調節装置17の値を減ずることによって乾燥空気の流量や無ガス空気の流量を簡単に演算することが可能であり、この演算値を利用して分流比たる「R」「r」を計算することができる。
また無ガス空気流路12と乾燥空気流路12aの流量調節装置18,18aを省略する場合には、当該流路に絞り53,55を設けることが望ましい。
また前記した各実施形態では、シロキサンガス供給部3と加湿空気供給部5とをそれぞれ別々に設け、両者から空気を個別に試験室7に供給し、試験室7内で両者から供給される空気を混合したが、図7に示す様に管路内に総合混合部57を設け、総合混合部57で混合した空気を試験室7に供給してもよい。本実施形態を採用する場合は、シロキサンガスの濃度と湿度とを共に調節した後の空気が共通管路58を経て試験室7に供給されることとなる。
また図8に示すように、シロキサンガス供給部3の無ガス空気流路12と、加湿空気供給部5の乾燥空気流路12aとを統合してもよい。すなわち上述した実施形態では、無ガス空気流路12と乾燥空気流路12aには共に乾燥空気が流れる。そこで図8に示す様に流量調節装置60の下流を分岐し、一方をシロキサンガス供給部3の混合部15に接続し、他方を高湿度流路10aの混合部15aに接続する。この回路を採用しても、流量調節装置の使用数を抑えながら、精度良く有機ガスの流量(高濃度ガス流路10を流れる有機ガス飽和空気の流量)や湿度調整空気の流量(高湿度流路10aを流れる水蒸気飽和空気の流量)を制御することができる。
本回路を採用する場合にも、無ガス空気流路12と乾燥空気流路12aに絞り53,55を設けることが望ましい。
また上記した実施形態では、単に流量調節装置17,18,17a,18aで空気の流量を制御することによって、試験室7内の湿度を調節したが、試験室7内に設けられた乾球温度計51と湿球温度計52によって実際の湿度を演算し、この演算値を補正値として利用して流量調節装置17,18,17a,18aの流量調整を行ってもよい。
1 環境試験装置
2 ガス供給装置
3 シロキサンガス供給部
5 加湿空気供給部
7 試験室
8 有機ガス飽和空気生成装置
8a 水蒸気飽和空気生成装置
10 高濃度ガス流路
10a 高湿度流路
12 無ガス空気流路
12a 乾燥空気流路
17,17a 流量調節装置(マスフローコントローラ)
18,18a 流量調節装置(マスフローコントローラ)
19 制御装置
Pa:試験室内の全体の目標全圧
Cb:試験室内の有機ガスの目標濃度
Pc:有機ガス飽和空気生成装置内における有機ガスの分圧(飽和状態における有機ガスの分圧)
Cd:有機ガス飽和空気生成装置内における有機ガス濃度(飽和状態における有機ガスの濃度)
Wb:試験室内の水蒸気の濃度(目標絶対湿度)
Sc:水蒸気飽和空気生成装置内における水蒸気の分圧(飽和状態における水蒸気の分圧)
Sg:試験室内の目標露点に対応する飽和水蒸気の分圧
Qt:試験室に供給される空気の総流量
QD4wet :高濃度ガス流路に設けられたマスフローコントローラで流量制御された空気流量(高濃度ガスの流量)
QD4dry :無ガス空気流路に設けられたマスフローコントローラで流量制御された空気流量(乾燥空気の流量の一部)
QSwet:高湿度流路に設けられたマスフローコントローラで流量制御された空気流量(飽和状態の水蒸気を含む空気の流量)
QSdry:乾燥空気流路に設けられたマスフローコントローラで流量制御された空気流量(乾燥空気の流量の一部)
QAdry:水蒸気を含まない空気の流量
Sfc:試験室内における水分の消費率
Sd:水蒸気飽和空気生成装置内における水分の消費率
M :水の分子量
Wb:試験室内の水蒸気の濃度(目標絶対湿度)
Wd:水蒸気飽和空気生成装置内における水蒸気の濃度(飽和状態における絶対湿度)

Claims (16)

  1. 所定の湿度に調節され且つ特定の有機ガスが混入された雰囲気の試験空間内で実施する試験方法であって、空気等の中に水蒸気が飽和状態で混入した水蒸気飽和空気を調整し、当該水蒸気飽和空気と乾燥空気を混合し、前記水蒸気飽和空気における水蒸気の含有量に関する情報に基づき、水蒸気飽和空気と乾燥空気とを混合した後の絶対湿度が試験空間の目標湿度と同一の絶対湿度となる様に水蒸気飽和空気と乾燥空気の混合割合R:(1−R)を決定し、前記混合割合の混合空気を前記試験空間内に充満させて試験空間内の湿度を所望の目標湿度に調整することを特徴とする試験方法。
  2. 水蒸気の含有量に関する情報は、飽和状態における水蒸気の分圧又は飽和状態における水蒸気の濃度であることを特徴とする請求項1に記載の試験方法。
  3. 水蒸気飽和空気と乾燥空気の混合割合R:(1−R)において、前記Rは、飽和状態における水蒸気の分圧と、試験室内の目標湿度に対応する露点における飽和水蒸気の分圧と、試験室内の全体の目標全圧から次の式によって演算されることを特徴とする請求項1又は2に記載の試験方法。
    Figure 0005164916
  4. 水蒸気飽和空気は、水と空気等とを接触させて水蒸気飽和空気を生成させる水蒸気飽和空気生成装置によって生成され、水蒸気飽和空気と乾燥空気の混合割合R:(1−R)において、前記Rは、次の式によって演算されることを特徴とする請求項1又は2に記載の試験方法。
    Figure 0005164916
  5. 水蒸気飽和空気と乾燥空気の混合割合R:(1−R)において、前記Rは、次の式のRに対するいずれかの右辺によって演算されることを特徴とする請求項1又は2に記載の試験方法。
    Figure 0005164916
  6. 空気等の中に前記有機ガスが飽和状態となるまで混入した有機ガス飽和空気を調整し、当該有機ガス飽和空気と前記有機ガスを含有しない無ガス空気を混合し、前記有機ガス飽和空気内における有機ガスの含有量に関する情報に基づき、試験室内の有機ガスの濃度が目標濃度となる様に有機ガス飽和空気と無ガス空気の混合割合r:(1−r)を決定し、前記混合割合の混合空気を前記試験空間内に充満させて有機ガスの濃度を所望の目標濃度に調整することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の試験方法。
  7. 有機ガスの含有量に関する情報は、飽和状態における有機ガスの分圧又は飽和状態における有機ガスの濃度であることを特徴とする請求項6に記載の試験方法。
  8. 有機ガス飽和空気と無ガス空気の混合割合は、次の式のrに対するいずれかの右辺によって演算されることを特徴とする請求項6又は7に記載の試験方法。
    Figure 0005164916
  9. 有機ガスはシロキサンガスであり、一定の温度及び圧力下において液状のシロキサンと空気とを接触させることによって有機ガス飽和空気を調整することを特徴とする請求項6乃至8のいずれかに記載の試験方法。
  10. 被試験物は、接点を有する電気機器であり、前記空間内に被試験物を設置し、接点に通電しつつ接点を開閉することを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の試験方法。
  11. 試験室と、当該試験室に特定の有機ガスを供給する有機ガス供給装置と、前記試験室に湿度のある空気を供給する湿度調整空気供給手段を有し、前記湿度調整空気供給手段は、空気等の中に水蒸気が飽和状態で混入した水蒸気飽和空気を生成する水蒸気飽和空気生成装置と、乾燥空気を通過させる乾燥空気通過流路と、前記水蒸気飽和空気生成装置を経由して通過する水蒸気飽和空気の流量を制御する水蒸気飽和空気制御手段と、乾燥空気の流量又は空気の総通過量を制御する空気量制御手段とを有し、前記水蒸気飽和空気における水蒸気の含有量に関する情報に基づき、試験室内の湿度が目標湿度と同一の絶対湿度となる様に水蒸気飽和空気と乾燥空気の混合割合R:(1−R)を決定し、この混合割合となる様に水蒸気飽和空気制御手段と空気量制御手段を制御することを特徴とする試験装置。
  12. 水蒸気飽和空気と乾燥空気の混合割合R:(1−R)において、前記Rは、飽和状態における水蒸気の分圧と、試験室内の目標湿度に対応する露点における飽和水蒸気の分圧と、試験室内の全体の目標全圧から次の式によって演算されることを特徴とすることを特徴とする請求項11に記載の試験装置。
    Figure 0005164916
  13. 水蒸気飽和空気と乾燥空気の混合割合R:(1−R)において、前記Rは、次の式によって演算されることを特徴とする請求項11に記載の試験装置。
    Figure 0005164916
  14. 水蒸気飽和空気と乾燥空気の混合割合R:(1−R)において、前記Rは、次の式によって演算されることを特徴とすることを特徴とする請求項11に記載の試験装置。
    Figure 0005164916
  15. 有機ガス供給装置は、一定の温度条件下において液状の有機ガスと空気とを接触させることによって空気等の中に特定の有機ガスが飽和状態となるまで混入した有機ガス飽和空気を調整する有機ガス飽和空気生成装置と、前記有機ガスを含有しない無ガス空気を通過させる無ガス空気通過流路と、有機ガス飽和空気の流量を制御する有機ガス飽和空気量制御手段と、無ガス空気通過流路を通過する空気の流量又は空気の総通過量を制御する無ガス空気量制御手段とを有し、前記有機ガス飽和空気内における有機ガスの含有量に関する情報に基づき、試験室内の有機ガスの濃度が所望の濃度となる様に有機ガス飽和空気と無ガス空気の混合割合r:(1−r)を決定しこの混合割合となる様に前記有機ガス飽和空気量制御手段と無ガス空気量制御手段を制御することを特徴とする請求項11乃至14のいずれかに記載の試験装置。
  16. 有機ガスはシロキサンガスであり、有機ガス飽和空気生成装置は、一定の温度条件下において液状のシロキサンと空気とを接触させることによって有機ガス飽和空気を調整するものであり、制御装置は、有機ガス飽和空気と無ガス空気の混合割合を、次の式のrに対するいずれかの右辺によって演算することを特徴とする請求項15に記載の試験装置。
    Figure 0005164916
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