JP5164563B2 - 揺動板式可変容量圧縮機 - Google Patents

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Description

本発明は、揺動板式可変容量圧縮機に関し、とくに、新規な揺動板の回転阻止機構を組み込んだ揺動板式可変容量圧縮機に関する。
回転主軸とともに回転され主軸に対し変角可能に支持された斜板の回転運動を揺動板の揺動運動に変換し、該揺動運動を、揺動板に連結されたピストンに伝達してピストンを往復動させるようにした揺動板式可変容量圧縮機が知られている。この揺動板式可変容量圧縮機においては、ピストンに連結された揺動板の回転は阻止される必要があるので、そのための揺動板の回転阻止機構が組み込まれる。揺動板の回転阻止機構に関しては、小型化や耐久性の向上、静粛性の向上、加工の容易化、コストダウン等を目指して様々な改善が試みられている。
例えば、特許文献1、3、4には、揺動板回転阻止機構としてバーフィールドタイプの等速ジョイントを設けた構造が記載されているが、この構造では、揺動部品および斜板は、揺動板回転阻止機構として設置されたバーフィールドタイプ等速ジョイントの外輪に支持され、等速ジョイント内部部品のケージ(動力伝達を行う複数のボールの位置を規制するケージ)、さらに等速ジョイントの内輪を介して最終的に主軸に支持されているため、介在する部品の数が多く累積ガタが大きくなって、振動、騒音、耐久性の面で不十分であるという問題がある。
また、特許文献1、3、4に記載されるバーフィールドタイプ等速ジョイント機構は、理論的には複数のボールで内外輪間の回転動力伝達を行う構造であるが、現実的には過重拘束であり、複数のボールの均等で連続的な接触を得ることは難しく、特定のボールの接触圧力が上がってしまう。また、内外輪間の回転動力伝達は、ケージを挟んでそれぞれ内外輪に形成されたボールガイド溝により、ボールのせん断方向に行われるため、動力伝達方向に対してボールとガイド溝との接触面が大きな傾きを持つことになる。このため、所定の動力の伝達を行う際に、垂直抗力として発生する接触荷重が高くなる。したがって、十分な伝達能力を確保するにはボールサイズ(ボール径)を十分に大きくとる必要があり、これらの理由より、更なる小型化は難しく、小容量圧縮機には適用が難しい。
また、特許文献2、3、4に記載される内部機構における圧縮機の回転主軸の支持は、主機構部に対して片側に設けられているため(片持ち支持されているため)、主軸の振れ回りが大きくなり、耐久性、振動、騒音面で不利である。
また、特許文献3、4に記載される圧縮機構では、等速ジョイントの内輪を回転阻止した状態で摺動により軸方向に移動可能に支持するため、ハウジングに設置された主軸の剛性を十分に確保するためには主軸を太くする必要があり、主軸の重量が大きくなって製品重量の増加につながるという問題がある。
また、特許文献3、4に記載される等速ジョイント機構は、動力伝達として作用する複数のボールの位置を規制するための溝の加工が複雑であり、コスト的に不利であるという問題もある。
さらに、特許文献2に記載される圧縮機構では、主機構部の主軸による径方向の支持が無く、揺動部の径方向の遊びが大きくなりやすく、この遊びによって耐久性、振動、騒音面で問題となるおそれがある。
米国特許第5112197号公報 米国特許第5509346号公報 米国特許第5129752号公報 特開2006−200405号公報
上記のような従来技術における問題点に着目し、先に本出願人により、揺動板回転阻止機構として設置される等速ジョイントの内部の径方向および回転方向のガタを小さく抑えながら、動力伝達用として作用する複数のボールの均等で連続的な接触を実現することを可能とした、小型で、良好な耐久性、静粛性を有し、かつ加工が容易で安価な等速ジョイントを用いた揺動板式可変容量圧縮機が提案されている(特願2006−327988号)。
この提案では、揺動板の回転阻止機構として、(a)ハウジング内に回転は阻止されるが軸方向に移動可能に設けられ、内径部において軸受を介して回転主軸を相対回転および軸方向に相対移動可能に支持するとともに、動力伝達用に設けられた複数のボールをガイドするための複数のガイド溝を有する内輪と、(b)揺動板の揺動運動の揺動中心部材として機能し、回転主軸上に回転主軸に対し相対回転および軸方向に移動可能に設けられ、前記内輪に該内輪とともに軸方向に移動可能に係合されたスリーブと、(c)前記内輪の各ガイド溝に対向する位置に前記ボールをガイドするための複数のガイド溝を有し、前記スリーブに揺動可能に支持され、外周に揺動板を固定支持し、かつ、斜板を軸受を介して回転可能に支持する外輪と、(d)前記内輪および外輪に形成された互いに対向するガイド溝によって保持され、該ガイド溝間で圧縮されることにより動力伝達を行う複数のボールと、を有する機構が提供されている。
この提案により、揺動板式可変容量圧縮機の小型化、耐久性、静粛性の向上、加工性の向上、コストダウン等が可能になったが、この提案機構にも、さらに改善されるべき余地が残されている。すなわち、回転主軸上に揺動板の遥動中心の支持用として設置されるスリーブと、そのスリーブに遥動可能に組み付けられる回転阻止機構の外輪との間の嵌合部(実質的に同一形状の円弧面同士の嵌合部)は、圧縮反力の径方向分力、および回転主軸とともに回転されるロータ側に設置されたアーム等の接触により伝達される回転トルクの伝達の反力を受けつつ、揺動板の遥動運動に伴う摺動が発生している。したがって、この摺動部分は優れた耐久性、静粛性を維持するために十分に潤滑されることが好ましいが、この摺動部分が回転部品の中心部に位置するため、十分な潤滑を安定して得ることが難しい。さらに、スリーブ外周の球面と、遥動部材としての外輪内周に形成される球面との接触は、実質的に同一形状の、部分的な球面同士での接触となり、各接触面端部には部分的な過大面圧が発生するおそれがある。これらにより、この摺動部分には焼きつきや摩耗が発生するおそれが残されている。
そこで本発明の課題は、先に本出願人により提案した、特有の等速ジョイント機構を用いた新しい揺動板回転阻止機構における残された問題点に着目し、該回転阻止機構の上記摺動部分の焼きつきや摩耗を抑え、さらに優れた耐久性、静粛性を有する揺動板式可変容量圧縮機を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明に係る揺動板式可変容量圧縮機は、シリンダボア内に往復動可能に挿入されたピストンと、回転主軸とともに回転され該主軸に対し変角可能に支持された斜板と、前記ピストンに連結され前記斜板の回転運動が自身の揺動運動へと変換され該揺動運動を前記ピストンに伝達してピストンを往復動させる揺動板と、該揺動板の回転阻止機構とを備えた揺動板式可変容量圧縮機において、
前記回転阻止機構を、(a)ハウジング内に回転は阻止されるが軸方向に移動可能に設けられ、内径部において軸受を介して前記回転主軸を相対回転および軸方向に相対移動可能に支持するとともに、動力伝達用に設けられた複数のボールをガイドするための複数のガイド溝を有する内輪と、(b)前記揺動板の揺動運動の揺動中心部材として機能し、前記回転主軸上に該回転主軸に対し相対回転および軸方向に移動可能に設けられ、前記内輪に該内輪とともに軸方向に移動可能に係合されたスリーブと、(c)前記内輪の各ガイド溝に対向する位置に前記ボールをガイドするための複数のガイド溝を有し、前記スリーブに揺動可能に支持され、外周に前記揺動板が固定連結された外輪と、(d)前記内輪および外輪に形成された互いに対向するガイド溝によって保持され、該ガイド溝間で圧縮されることにより動力伝達を行う複数のボールと、を有する機構から構成するとともに、
前記回転阻止機構における前記遥動板を遥動可能に連結するための遥動部材として機能する前記外輪の内周に形成された略凹球面と、遥動中心部材として機能する前記スリーブの外周に形成された略凸球面との間に、軸方向断面プロファイルにて相対的な形状差を設け、前記略凹球面と略凸球面との接触部の軸方向両端部にいくにしたがって両面間のクリアランスが大きくなるように前記形状差を設定したことを特徴とするものからなる。ここで、外輪は、斜板を軸受を介して回転可能に支持する構造とすることができる。あるいは、斜板を軸受を介して、遥動板に回転可能に支持させる構造とすることもできる。
このように構成された揺動板の回転阻止機構においては、まず、回転阻止機構の外輪がスリーブに揺動可能に支持され、スリーブが回転主軸に対し回転可能でかつ軸方向に移動可能に支持されていることにより、回転主軸と揺動機構部全体との間の径方向ガタを小さくすることが可能になり、信頼性の向上、振動、騒音の低減が可能になる。また、内輪がハウジング内に軸方向移動可能に支持され、かつ回転阻止されており、この内輪の内径部に設置された軸受により回転主軸、例えば回転主軸の後端が支持されるようになっている。したがって、回転主軸は、圧縮主機構部を挟んで両側で回転可能に支持(つまり、両持ち支持)されることになり、容易に十分に高い剛性が確保でき、主軸の振れ回りも小さく抑えることが可能になって、主軸の小径化、信頼性の向上、振動、騒音の低減が可能になる。また、回転主軸の振れ回りが小さく抑えられるため、該主軸とともに回転される斜板の振れを小さく抑えることも可能になり、回転部全体の回転バランスを向上できる。また、内輪および外輪に形成された互いに対向するガイド溝の形態を最適化することにより、ガイド溝間に保持されるボールの均等で連続的な接触が可能となり、信頼性の向上、振動、騒音の低減が可能にななる。さらに、ボールのガイド溝は、離間した一対のガイド溝間でボールが両ガイド溝の交点の動きに伴って転動できるようにすればよく、溝自体には複雑な形状が要求されず、加工も容易になって、コスト的にも有利になる。この本発明に係る構成においては、基本的に、動力伝達用として作用する複数のボールは、ボールを挟み込んで向き合ったガイド溝間で圧縮方向に支持され動力伝達を行う。これにより、実態の接触面積を十分に大きく確保でき、接触面圧を低減することが可能になって、信頼性の面で有利となる。また、接触面圧が低減されるためボールの球径を小さくすることも可能になり、回転阻止機構全体の小型化も可能となる。
そして、上記回転阻止機構における遥動板を遥動可能に連結するための遥動部材として機能する外輪の内周に形成された略凹球面と、遥動中心部材として機能するスリーブの外周に形成された略凸球面との間に、軸方向断面プロファイルにて相対的な形状差が設けられ、略凹球面と略凸球面との接触部の軸方向両端部にいくにしたがって両面間のクリアランスが大きくなるように上記形状差が設定されることにより、球面同士の接触による揺動運動のための摺動部分の端部(接触面端部)での面圧が緩和され、この端部部分で発生するおそれのあった過大面圧の発生が防止される。この摺動部分は回転部品の中心部に位置するため、十分な潤滑を安定して得ることは難しいが、過大面圧の発生が防止されることにより、焼きつきや摩耗の発生のおそれが除去され、優れた耐久性、静粛性が実現されることになる。
この本発明に係る揺動板式可変容量圧縮機においては、上記接触部の軸方向両端部におけるクリアランスが20ミクロン以上となるように上記形状差が設定されていることが好ましい。クリアランスが20ミクロン未満では、過大面圧の発生防止効果が十分に得られなくなるおそれが生じるので、確実にこの効果を得るためには20ミクロン以上とすることが好ましい。
上記のように、本発明において、遥動部材として機能する外輪の内周に形成された略凹球面と、遥動中心部材として機能するスリーブの外周に形成された略凸球面との間に、軸方向断面プロファイルにて所望の相対的な形状差を設けるためには、例えば次のような構成を採用することができる。
すなわち、上記外輪の内周に形成された略凹球面の軸方向断面プロファイルが、円の一部である円弧として形成された軸方向中央部の主円形形状部と、該主円形形状部の軸方向両端部に設けられ主円形形状部に対して接線となる直線形状部とから形成されている構成を採用することができる。この直線形状部にて、スリーブの外周に形成された略凸球面との間に所望のクリアランスを形成することが可能になる。
あるいは、上記外輪の内周に形成された略凹球面の軸方向断面プロファイルと上記スリーブの外周に形成された略凸球面の軸方向断面プロファイルがともに円の一部である円弧として形成され、外輪側断面プロファイルの円弧の曲率半径がスリーブ側断面プロファイルの円弧の曲率半径よりも大きく設定されているとともに、外輪側断面プロファイルの円弧の曲率中心がスリーブ側断面プロファイルの円弧の曲率中心に対しオフセットされている構成を採用することもできる。曲率中心の位置が所定量オフセットされた状態で、外輪側断面プロファイルの円弧の曲率半径がスリーブ側断面プロファイルの円弧の曲率半径よりも大きく設定されるので、両球面間で軸方向端部にいくほど曲率半径差に応じてクリアランスが大きくなっていき、両球面間には上記のような所望のクリアランスを形成されることになる。
あるいは、上記外輪の内周に形成された略凹球面の軸方向断面プロファイルが、円の一部である円弧として形成された軸方向中央部の主円形形状部と、該主円形形状部の軸方向両端部に接続されて主円形形状部に対して接円となり、かつ、その接円の曲率半径が主円形形状部の曲率半径より大きくなる接円部とから形成されている構成を採用することもできる。この軸方向両側の接円部にて、スリーブの外周に形成された略凸球面との間に所望のクリアランスを形成することが可能になる。
このような本発明に係る揺動板式可変容量圧縮機においては、上記揺動板の回転阻止機構における外輪が揺動板と一体に形成されている構成とすることが可能である。この一体化により、部品点数のさらなる削減が可能になり、かつ、製造、組立コスト的にも有利になる。
また、上記回転阻止機構の内輪および外輪の互いに対向するガイド溝が、回転主軸の中心軸に対して30〜60度の相対角度をもって形成され、かつ一つのボールガイドを構成する、互いに対向するガイド溝が、内輪の軸と外輪の軸との相対角度がゼロの状態にて主軸に垂直でかつ揺動板の揺動中心を通る平面に対し対称形態になるように配置されている構成とすることが可能である。互いに対向するガイド溝が、所定の範囲内の交差角をもって配置され、かつ、互いに交差する方向に形成された両ガイド溝が、揺動板の揺動中心を通る平面に対し対称形態に配置されることで、ガイド溝間に保持されているボールが、両ガイド溝に対して均等にかつ連続的に接触することが可能になり、この部位での振動、騒音の大幅な低減が可能になるとともに、信頼性の大幅な向上が可能になる。
また、この構成においては、上記回転阻止機構の複数のボールガイドのうち、隣り合った2つのボールガイドを一対とし、該一対のボールガイドが互いに平行に配置されている構成とすることができる。このような構成とすることにより、回転阻止機構部の回転方向ガタは、内、外輪に設置された一組のガイド溝底間距離とボール球径の関係で概ね決まるため、ガイド溝底とボールとの実態のクリアランスの設定、管理が容易になり、適正なクリアランスの設定によりガタを小さく抑えることが可能となる。
そしてこの構成においては、上記互いに平行に配置された一対のボールガイドが、回転主軸の中心軸を含む平面に対して対称に配置されている構成とすることもできるし、上記互いに平行に配置された一対のボールガイドのうち一方のボールガイドを形成するガイド溝が、その軸が回転主軸の中心軸を含む平面上に位置するように配置されている構成とすることもできる。前者の構成では、回転方向を選ばない回転阻止機構として構成できるとともに、ボールの接触荷重の低減をはかることが可能になり、後者の構成では、特定の動力伝達方向に特定してさらに接触荷重を低減することが可能になる。
また、上記回転阻止機構においては、複数のボールガイドのうち、回転主軸を間に回転主軸に対しておおよそ対称に配置された2つのボールガイドを一対とし、該一対のボールガイドが互いに平行に配置されている構成とすることもできる。この構成により、回転阻止機構部における回転方向ガタは、内、外輪に設置された一組のガイド溝底間距離とボール球径の関係で概ね決まることから、対称に配置された2つのボールガイドを互いに平行に配置しておくことにより、両ボールガイドにおける実態のクリアランスを所望のクリアランスに同時に設定、管理することが可能になる。その結果、このクリアランスの設定、管理が容易になって、ガタを小さく抑えることが可能となる。
この構成においては、上記互いに平行に配置された一対のボールガイドが、それらボールガイドを形成するガイド溝の軸が回転主軸の中心軸を含む平面上に位置するように配置されていることが好ましい。一対のボールガイドが回転主軸の中心軸を含む平面上に設置されていると、動力伝達方向を選ばずにボール接触荷重の最小化が可能になる。
このように、本発明に係る揺動板式可変容量圧縮機によれば、従来の等速ジョイントを用いた揺動板回転阻止機構に比べ、ガタを小さく抑えながら、動力伝達用として作用する複数のボールの均等で連続的な接触を実現することができ、小型で、優れた耐久性、静粛性を有し、回転バランスが良く、かつ加工が容易で安価な回転阻止機構を実現でき、従来技術では達成できなかった優れた性能の揺動板式可変容量圧縮機を提供できる。そして、この圧縮機の揺動板回転阻止機構における遥動部材として機能する外輪の内周に形成された略凹球面と、遥動中心部材として機能するスリーブの外周に形成された略凸球面との間に、軸方向断面プロファイルにて相対的な形状差が持たせて軸方向両端部にいくにしたがって両面間のクリアランスが大きくなるように設定することにより、揺動運動のための摺動部分の端部部分での過大面圧の発生を効果的に防止でき、焼きつきや摩耗の発生のおそれを除去して、さらに優れた耐久性、静粛性を実現することが可能になる。
以下に、本発明の望ましい実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
まず、本発明のに係る揺動板式可変容量圧縮機の全体構成例について図1〜図5を参照して説明し、次に図6〜図8を参照して、揺動板回転阻止機構における遥動部材として機能する外輪の内周に形成された略凹球面と、遥動中心部材として機能するスリーブの外周に形成された略凸球面との間に、軸方向断面プロファイルにて相対的な形状差が持たせる構成例について説明する。
図1は、本発明の一実施態様に係る揺動板式可変容量圧縮機を示しており、その最大吐出容量時の運転状態における全体構造を示している。図2は、図1の揺動板式可変容量圧縮機の最小吐出容量時の運転状態を示しており、図3は、図1の揺動板式可変容量圧縮機における、揺動板回転阻止機構を含む要部を分解斜視図にて示している。
図1、図2において、揺動板式可変容量圧縮機1は、ハウジングとして、中央部に配置されたハウジング2と、その両側に配置されたフロントハウジング3およびリアハウジング4を有し、ハウジング2部分からフロントハウジング3を貫通して延びる位置までにわたって、外部から回転駆動動力が入力される回転主軸5が設けられている。回転主軸5には、ロータ6が主軸5と一体回転可能に固定されており、ロータ6には、ヒンジ機構7を介して、斜板8が変角可能にかつ回転主軸5とともに回転可能に連結されている。各シリンダボア9内にはそれぞれピストン10が往復動可能に挿入されており、ピストン10は、コネクティングロッド11を介して揺動板12に連結されている。斜板8の回転運動が揺動板12の揺動運動へと変換され、該揺動運動がコネクティングロッド11を介してピストン10に伝達されることにより、ピストン10が往復動される。リアハウジング4内に形成された吸入室13から被圧縮流体(例えば、冷媒ガス)が、ピストン10の往復動に伴って、バルブプレート14に形成された吸入孔15(吸入弁は図示略)を通してシリンダボア9に吸入され、吸入された被圧縮流体が圧縮された後、圧縮流体が吐出孔16(吐出弁は図示略)を通して吐出室17内に吐出され、そこから外部回路へと送られる。
上記揺動板12は、回転が阻止された状態で揺動運動する必要がある。以下に、この揺動板12の回転阻止機構を主体に、上記圧縮機1の残りの部位について、図1〜図3を参照しながら説明する。
揺動板12の回転阻止機構21は、(a)ハウジング2内に回転は阻止されるが軸方向に移動可能に設けられ、内径部において軸受22(ラジアル軸受)を介して回転主軸5を相対回転および軸方向に相対移動可能に支持するとともに、動力伝達用に設けられた複数のボール25をガイドするための複数のガイド溝26を有する内輪27と、(b)揺動板12の揺動運動の揺動中心部材として機能し、回転主軸5上に軸受23(ラジアル軸受)を介して回転主軸に対し相対回転および軸方向に移動可能に設けられ、内輪27に該内輪27とともに軸方向に移動可能に係合されたスリーブ24と、(c)内輪27の各ガイド溝26に対向する位置にボール25をガイドするための複数のガイド溝28を有し、スリーブ24に揺動可能に支持され、外周に揺動板12を固定連結され、かつ、斜板8を軸受29(ラジアル軸受)を介して回転可能に支持する外輪30と、(d)内輪27および外輪30に形成された互いに対向するガイド溝26、28によって保持され、該ガイド溝26、28間で圧縮されることにより動力伝達を行う複数のボール25と、を有する機構から構成されている。揺動板12と斜板8との間、および、ロータ6とフロントハウジング3との間には、それぞれ、スラスト軸受31、32が介装されている。また、内輪27はハウジング9内に軸方向移動可能に支持されるが、回転阻止されている。回転阻止の手段としては、キーやスプライン等一般的な回転規制手段を用いればよい(図示略)。さらに、内輪27の内径部に設置された軸受22により回転主軸5の後端が支持されているが、回転主軸5は圧縮主機構部を挟んでフロントハウジング3側でも軸受33(ラジアル軸受)を介して回転可能に支持されているので、両側で径方向に支持(両持ち支持)されている。
上記のように構成された揺動板12の回転阻止機構21においては、外輪30は球面接触を介してスリーブ24に揺動可能に支持され(この部分の詳細構造については後述する)、スリーブ24は回転主軸5に回転可能にかつ軸方向に移動可能に支持されていることにより、回転主軸5と揺動機構部全体との間の径方向ガタを小さくすることが可能であり、信頼性の向上、振動、騒音の低減が可能となる。
また、上記実施態様では、回転主軸5は、内輪27の内径部に設置された軸受22と、圧縮主機構部を挟んでフロントハウジング3側に設けられた軸受33とで両持ち支持されているので、比較的小径の主軸5であっても十分に高い剛性を確保でき、主軸5の振れ回りも小さく抑えることが可能であり、容易に小型化をはかることが可能になるとともに、信頼性の向上、振動、騒音の低減が可能となる。また、回転主軸5の振れ回りが小さく抑えられる結果、回転主軸5とともに回転される回転部位全体の振れ回りも小さく抑えられ、回転部全体の回転バランスは極めて良くなる。なお、上記の構成においては、回転主軸5を後方に延長し、軸受を介してハウジング2に直接支持される構造に置き換えることも可能である。
また、上記実施態様では、内輪27の内径側に形成された球面(凹球面)と、スリーブ24の外径側に形成された球面(凸球面)との係合により、両者の間で相互支持が行われており、この支持部のクリアランスを調整することにより、動力伝達用として作用する複数のボールのガイド溝位置のバラツキによる内、外輪の相対的な振れ回りを吸収することが可能であり、それによって一層ボール25の均等で連続的な接触が可能となり、信頼性、振動、騒音面で一層有利となっている。
なお、上記実施態様では、外輪30と揺動板12とを別部材に構成し、それらを互いに固定することとしたが、これらは一体に形成することもできる。この一体化により、更なる部品点数の削減と、組立の容易化をはかることができる。
図4は、揺動板12の回転阻止機構21において、内、外輪の相対角度がゼロの状態を示している。図4(A)に示すように、回転阻止機構21の内輪27および外輪24に形成されるガイド溝26、28が回転主軸5の中心軸に対して相対角度(30〜60度の範囲内の相対角度)をもって配置されている。そして、一つのボールガイド41を構成し、互いに対向する、内輪27に形成されたガイド溝26(ガイド溝26の軸は42で表示)と外輪30に形成されたガイド溝28(ガイド溝28の軸は43で表示)とが、内輪27の軸と外輪30の軸との相対角度がゼロの状態にて回転主軸5に垂直でかつ揺動板12の揺動中心を通る平面44に対し対称形態になるように配置されている。このガイド溝26の軸42とガイド溝28の軸43との交点上にボール25が規制、支持される。また、図4(B)に示すように、回転阻止機構21の複数のボールガイド41のうち、隣り合った2つのボールガイドを一対とし、該一対のボールガイド45におけるそれぞれのボールガイド41が、換言すれば、この部分における内、外輪に形成されたガイド溝の軸46が、互いに平行に配置されている構成とすることができる。この構成により、前述の如く、回転阻止機構部の回転方向ガタは、内、外輪に設置された一組のガイド溝底間距離とボール球径の関係で概ね決まるため、実態のクリアランスの設定、管理が容易となり、適正なクリアランスの設定によりガタを小さく抑えることが可能となる。そして、動力伝達用として作用する複数のボール25は、各ボール25を挟み込んで向き合ったガイド溝26、28間で圧縮方向に支持され動力伝達を行う。ボール25は、向き合ったガイド溝26、28に抱き抱えられるように保持されて両ガイド溝26、28に接触するので、ボール25とそれぞれのガイド溝26、28間の接触面積を十分に大きく確保できるようになり、接触面圧を低減することが可能になって、信頼性、振動、静粛性の面で極めて有利な構造となる。また、ボール25の球径を小さくすることも可能で、回転阻止機構全体の小型化が可能となる。
また、回転主軸5を中心としたモーメントとして与えられるボール25にかかる負荷は、実接触面の垂直抗力として発生する。モーメントの方向に対する接触面法線の傾きが小さいほど、接触荷重が小さくなり、上記の如く平行に配置された一対のボールガイド45が、図5に示すように、回転主軸5の中心軸5aを含む平面47に対し対称に配置されていることにより、換言すれば、内、外輪に形成された2組のガイド溝の軸46が回転主軸5の中心軸5aを含む平面47に対し対称に配置されていることにより、回転方向を選ばない回転阻止機構として、ボール接触荷重を最小とすることが可能である。
本発明においては、遥動板回転阻止機構21における遥動板12を遥動可能に連結するための遥動部材として機能する外輪30の内周に形成された略凹球面と、遥動中心部材として機能するスリーブ24の外周に形成された略凸球面との間に、軸方向断面プロファイルにて相対的な形状差が設けられ、これら略凹球面と略凸球面との接触部の軸方向両端部にいくにしたがって両面間のクリアランスが大きくなるように上記形状差が設定される。接触部の軸方向両端部における両面間のクリアランスは、20ミクロン以上に設定される。このような形状差を持たせるための具体的な構成例を、外輪とスリーブとの関係のみを説明用に図示した図6〜図8を参照しながら説明する。
図6に示す例では、揺動部材として機能する外輪30aの内周に形成された略凹球面51aの軸方向断面プロファイルが、円の一部である円弧として形成された軸方向中央部の主円形形状部52と、該主円形形状部52の軸方向両端部に設けられ主円形形状部52に対して接線となる直線形状部53とから形成されている。この直線形状部53にて、揺動中心部材として機能するスリーブ24aの外周に形成された略凸球面54aとの間に所望のクリアランスを形成することが可能になる。この場合、直線形状部53以外の外輪30aの主円形形状部52の曲率半径R1とスリーブ24aの略凸球面54aの曲率半径R2は実質的に同じでよく、それらの曲率中心C1の位置も同じ位置でよい。このような構成においては、略凹球面51aの主円形形状部52の両側に直線形状部53を形成することで、該直線形状部53とスリーブ24aの略凸球面54aとの間のクリアランスを軸方向両端部にいくにしたがって大きくなるように設定することができ、このクリアランスを適切に設定することにより、揺動運動のための摺動部分の端部部分での過大面圧の発生を効果的に防止でき、焼きつきや摩耗の発生を除去して、耐久性、静粛性に優れた圧縮機を実現できる。
図7に示す例では、揺動部材として機能する外輪30bの内周に形成された略凹球面51bの軸方向断面プロファイルと、揺動中心部材として機能するスリーブ24bの外周に形成された略凸球面54bの軸方向断面プロファイルが、ともに円の一部である円弧として形成され、外輪側断面プロファイルの円弧の曲率半径R3がスリーブ側断面プロファイルの円弧の曲率半径R4よりも大きく設定されているとともに、外輪側断面プロファイルの円弧の曲率中心C2がスリーブ側断面プロファイルの円弧の曲率中心C3に対し、揺動中心を含む面55内の同軸上でδだけオフセットされている。曲率中心C2の位置が所定量δだけオフセットされた状態で、外輪側断面プロファイルの円弧の曲率半径R3がスリーブ側断面プロファイルの円弧の曲率半径R4よりも大きく設定されるので、両球面間で軸方向端部にいくほど曲率半径差に応じてクリアランスが大きくなっていくことになり、両球面間には、本発明で目標とするクリアランスを形成されることになる。このクリアランスを適切に設定することにより、揺動運動のための摺動部分の端部部分での過大面圧の発生を効果的に防止でき、焼きつきや摩耗の発生を除去して、耐久性、静粛性に優れた圧縮機を実現できる。
図8に示す例では、揺動部材として機能する外輪30cの内周に形成された略凹球面51cの軸方向断面プロファイルが、円の一部である円弧として形成された軸方向中央部の主円形形状部56(この主円形形状部56の範囲を符号57で示してある)と、該主円形形状部56の軸方向両端部に接続されて主円形形状部56に対して接円となり、かつ、その接円の曲率半径R5が主円形形状部56の曲率半径R6より大きくなる接円部58とから形成されている。図示例では、主円形形状部56の曲率中心と、揺動中心部材として機能するスリーブ24cの外周に形成された略凸球面54cの曲率半径R7の中心(曲率中心)とが同じ曲率中心C4の位置とされ、接円部58の曲率中心C5が、揺動中心を含む面55内の同軸上で所定量オフセットされている。ただし、接円部58の曲率中心C5は、必ずしも曲率中心C4に対し揺動中心を含む面55内の同軸上に位置している必要はない。この主円形形状部56の軸方向両側の接円部58にて、スリーブ24cの外周に形成された略凸球面54cとの間に本発明で目標とするクリアランスを形成されることになる。このクリアランスを適切に設定することにより、揺動運動のための摺動部分の端部部分での過大面圧の発生を効果的に防止でき、焼きつきや摩耗の発生を除去して、耐久性、静粛性に優れた圧縮機を実現できる。
このように、本発明に係る新規な遥動板回転阻止機構21において、さらに、遥動部材として機能する外輪30a、30b,30cの内周に形成された略凹球面と、遥動中心部材として機能するスリーブ24a、24b,24cの外周に形成された略凸球面との間に、軸方向断面プロファイルにて相対的な形状差が適切に設けられ、略凹球面と略凸球面との接触部の軸方向両端部にいくにしたがって両面間のクリアランスが大きくなるように所望の形状差が設定されることにより、球面同士の接触による揺動運動のための摺動部分の端部(接触面端部)での面圧が緩和されて、この端部部分で過大面圧が発生することが防止される。この摺動部分は回転部品の中心部に位置するため、前述の如く十分な潤滑を安定して得ることは難しいかも知れないが、上記の如く過大面圧の発生が防止されることにより、焼きつきや摩耗の発生が確実に防止されることになり、この摺動部分について優れた耐久性と静粛性が実現されることになる。その結果、圧縮機全体としても、優れた耐久性と静粛性が実現される。
本発明では、図1〜図5に示した実施態様とは別の実施形態として、例えば図9に示すように、一対のボールガイド61のうち主に外輪動力伝達方向62に作用する側の一方のボールガイド63、換言すれば、該ボールガイド63におけるガイド溝の軸64を、回転主軸5の中心軸5aを含む平面65上にオフセットすることにより、特定の動力伝達方向に限定してさらに接触荷重を低減することが可能である。
また、図10(A)または(B)に示すように、複数のボールガイドのうち、回転主軸5を間に回転主軸5に対しておおよそ対称に配置された2つのボールガイドを一対とし、該一対のボールガイド71が互いに平行に配置されている構成、換言すれば、該一対のボールガイド71を構成する内輪27、外輪30に形成されたガイド溝の軸72が互いに平行に配置されている構成、とすることもできる。この構成により、回転阻止機構部における回転方向ガタは、内輪27、外輪30に設置された一組のガイド溝底間距離とボール球径の関係で概ね決まることから、対称に配置された2つのボールガイドを互いに平行に配置しておくことにより、両ボールガイドにおけるクリアランスを所望のクリアランスに同時に設定、管理することが可能になる。その結果、このクリアランスの設定、管理が容易になって、ガタを小さく抑えることが可能となる。
また、この一対のボールガイドが互いに平行に配置されている構成においては、例えば図11(A)または(B)に示すように、互いに平行に配置された一対のボールガイド81が、それらボールガイドを形成するガイド溝の軸82が回転主軸5の中心軸5aを含む平面83上に位置するように配置されている構成とすることができる。このような構成とすれば、動力伝達方向を選ばずにボール接触荷重が最小となる。なお、図11(B)では、外輪が一体形成された揺動板84の場合の構成が例示されている。
本発明に係る揺動板式可変容量圧縮機は、あらゆる分野で使用される揺動板式可変容量圧縮機に適用でき、とくに小型化、信頼性の向上、耐久性、静粛性の改善、コストダウンの要求が高い車両用の分野、中でも、車両用空調装置に用いて好適なものである。
本発明の一実施態様に係る揺動板式可変容量圧縮機の縦断面図である。 図1の揺動板式可変容量圧縮機の別の運転状態における縦断面図である。 図1の揺動板式可変容量圧縮機の揺動板回転阻止機構を含む要部の分解斜視図である。 図1の揺動板式可変容量圧縮機の一形態例を示す部分縦断面図(図4(A))および部分正面図(図4(B))である。 図1の揺動板式可変容量圧縮機の別の形態例を示す部分正面図である。 図1の揺動板式可変容量圧縮機における揺動板回転阻止機構の一例を示す概略部分断面図である。 図1の揺動板式可変容量圧縮機における揺動板回転阻止機構の別の例を示す概略部分断面図である。 図1の揺動板式可変容量圧縮機における揺動板回転阻止機構のさらに別の例を示す概略部分断面図である。 図1の揺動板式可変容量圧縮機のさらに別の形態例を示す部分正面図である。 図1の揺動板式可変容量圧縮機のさらに別の形態例を示す部分正面図であり、図10(A)および図7(B)は互いに異なる例を示している。 図1の揺動板式可変容量圧縮機のさらに別の形態例を示す部分正面図であり、図11(A)および図8(B)は互いに異なる例を示している。
符号の説明
1 揺動板式可変容量圧縮機
2 ハウジング
3 フロントハウジング
4 リアハウジング
5 回転主軸
5a 中心軸
6 ロータ
7 ヒンジ機構
8 斜板
9 シリンダボア
10 ピストン
11 コネクティングロッド
12 揺動板
13 吸入室
14 バルブプレート
15 吸入孔
16 吐出孔
17 吐出室
21 揺動板の回転阻止機構
22、23、29、33 軸受(ラジアル軸受)
24、24a、24b、24c スリーブ
25 ボール
26 内輪のガイド溝
27 内輪
28 外輪のガイド溝
30、30a、30b、30c 外輪
31、32 スラスト軸受
41 ボールガイド
42、43 ガイド溝の軸
44 揺動中心を通る平面
45 一対のボールガイド
46 内、外輪に形成されたガイド溝の軸
47 回転主軸の中心軸を含む平面
51a、51b、51c 外輪の略凹球面
52 主円形形状部
53 直線形状部
54a、54b、54c スリーブの略凸球面
55 揺動中心を含む面
56 主円形形状部
57 主円形形状部の範囲
58 接円部
61 一対のボールガイド
62 外輪動力伝達方向
63 一方のボールガイド
64 ガイド溝の軸
65 回転主軸の中心軸を含む平面
71 一対のボールガイド
72 ガイド溝の軸
81 一対のボールガイド
82 ガイド溝の軸
83 回転主軸の中心軸を含む平面
84 外輪が一体形成された揺動板

Claims (12)

  1. シリンダボア内に往復動可能に挿入されたピストンと、回転主軸とともに回転され該主軸に対し変角可能に支持された斜板と、前記ピストンに連結され前記斜板の回転運動が自身の揺動運動へと変換され該揺動運動を前記ピストンに伝達してピストンを往復動させる揺動板と、該揺動板の回転阻止機構とを備えた揺動板式可変容量圧縮機において、
    前記回転阻止機構を、(a)ハウジング内に回転は阻止されるが軸方向に移動可能に設けられ、内径部において軸受を介して前記回転主軸を相対回転および軸方向に相対移動可能に支持するとともに、動力伝達用に設けられた複数のボールをガイドするための複数のガイド溝を有する内輪と、(b)前記揺動板の揺動運動の揺動中心部材として機能し、前記回転主軸上に該回転主軸に対し相対回転および軸方向に移動可能に設けられ、前記内輪に該内輪とともに軸方向に移動可能に係合されたスリーブと、(c)前記内輪の各ガイド溝に対向する位置に前記ボールをガイドするための複数のガイド溝を有し、前記スリーブに揺動可能に支持され、外周に前記揺動板が固定連結された外輪と、(d)前記内輪および外輪に形成された互いに対向するガイド溝によって保持され、該ガイド溝間で圧縮されることにより動力伝達を行う複数のボールと、を有する機構から構成するとともに、
    前記回転阻止機構における前記遥動板を遥動可能に連結するための遥動部材として機能する前記外輪の内周に形成された略凹球面と、遥動中心部材として機能する前記スリーブの外周に形成された略凸球面との間に、軸方向断面プロファイルにて相対的な形状差を設け、前記略凹球面と略凸球面との接触部の軸方向両端部にいくにしたがって両面間のクリアランスが大きくなるように前記形状差を設定したことを特徴とする揺動板式可変容量圧縮機。
  2. 前記接触部の軸方向両端部におけるクリアランスが20ミクロン以上となるように前記形状差が設定されている、請求項1に記載の揺動板式可変容量圧縮機。
  3. 前記外輪の内周に形成された略凹球面の軸方向断面プロファイルが、円の一部である円弧として形成された軸方向中央部の主円形形状部と、該主円形形状部の軸方向両端部に設けられ主円形形状部に対して接線となる直線形状部とから形成されている、請求項1または2に記載の揺動板式可変容量圧縮機。
  4. 前記外輪の内周に形成された略凹球面の軸方向断面プロファイルと前記スリーブの外周に形成された略凸球面の軸方向断面プロファイルがともに円の一部である円弧として形成され、外輪側断面プロファイルの円弧の曲率半径がスリーブ側断面プロファイルの円弧の曲率半径よりも大きく設定されているとともに、外輪側断面プロファイルの円弧の曲率中心がスリーブ側断面プロファイルの円弧の曲率中心に対しオフセットされている、請求項1または2に記載の揺動板式可変容量圧縮機。
  5. 前記外輪の内周に形成された略凹球面の軸方向断面プロファイルが、円の一部である円弧として形成された軸方向中央部の主円形形状部と、該主円形形状部の軸方向両端部に接続されて主円形形状部に対して接円となり、かつ、その接円の曲率半径が主円形形状部の曲率半径より大きくなる接円部とから形成されている、請求項1または2に記載の揺動板式可変容量圧縮機。
  6. 前記外輪が前記揺動板と一体に形成されている、請求項1〜5のいずれかに記載の揺動板式可変容量圧縮機。
  7. 前記回転阻止機構の内輪および外輪の互いに対向するガイド溝が、回転主軸の中心軸に対して30〜60度の相対角度をもって形成され、かつ一つのボールガイドを構成する、互いに対向するガイド溝が、内輪の軸と外輪の軸との相対角度がゼロの状態にて主軸に垂直でかつ揺動板の揺動中心を通る平面に対し対称形態になるように配置されている、請求項1〜6のいずれかに記載の揺動板式可変容量圧縮機。
  8. 前記回転阻止機構の複数のボールガイドのうち、隣り合った2つのボールガイドを一対とし、該一対のボールガイドが互いに平行に配置されている、請求項7に記載の揺動板式可変容量圧縮機。
  9. 前記互いに平行に配置された一対のボールガイドが、回転主軸の中心軸を含む平面に対して対称に配置されている、請求項8に記載の揺動板式可変容量圧縮機。
  10. 前記互いに平行に配置された一対のボールガイドのうち一方のボールガイドを形成するガイド溝が、その軸が回転主軸の中心軸を含む平面上に位置するように配置されている、請求項8に記載の揺動板式可変容量圧縮機。
  11. 前記回転阻止機構の複数のボールガイドのうち、回転主軸を間に回転主軸に対しておおよそ対称に配置された2つのボールガイドを一対とし、該一対のボールガイドが互いに平行に配置されている、請求項7に記載の揺動板式可変容量圧縮機。
  12. 前記互いに平行に配置された一対のボールガイドが、それらボールガイドを形成するガイド溝の軸が回転主軸の中心軸を含む平面上に位置するように配置されている、請求項11に記載の揺動板式可変容量圧縮機。
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