JP5164088B2 - マスクブランク及びフォトマスク - Google Patents

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Description

本発明は、マスクブランク及びフォトマスクに関する。
従来、FPD(フラットパネルディスプレイ)用のマスクブランクの製造方法として、ガラス基板上にCr系の遮光膜を形成した後、一方向に伸びるレジスト液供給口を有するノズルからレジスト液を吐出させつつ、遮光膜表面に対して当該一方向に交差する方向へノズルを相対移動させてレジスト膜を形成する方法が知られている(以下、スリットコータと称す)。また、LSI用のフォトマスクについて、ドライエッチングでパターニングが可能な遮光膜材料として、モリブデンシリサイド(MoSi)系材料を用いることが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。また、遮光膜とレジスト膜との密着性を向上させるために、遮光膜上に金属薄膜や酸化された金属珪化物膜を形成することが提案されている(例えば、特許文献2、3参照。)。
特公平3−66656号公報 特開平1−142637号公報 特開平3−116147号公報
FPDデバイスを製造するためのマスクブランク(FPD用のマスクブランク)において、遮光膜上には、レジスト膜が形成される。このレジスト膜は、遮光膜のエッチング時にエッチングマスクとして使用される。しかし、FPD用のマスクブランクにおいては、レジスト膜を形成すべき遮光膜表面の面積が大きいため、例えばLSI用のマスクブランク等と比べ、レジスト膜の塗布むらや、面内膜厚均一性の悪化が生じやすい。また、一枚のウェハを多数のチップに切り分けるLSIの製造と異なり、FPDデバイスの製造では、一枚のフォトマスクによって同時にパターン転写がなされるデバイスの数が1〜数個程度と少ない。そのため、FPD用のマスクブランクの場合、フォトマスク製造時にパターン欠陥が生じると、歩留まりへの影響も大きい。そのため、FPD用のマスクブランクにおいては、塗布むらがなく、面内膜厚均一性が良好なレジスト膜を形成することが特に望まれている。
また、FPD用のマスクブランクを製造する場合、遮光膜は、例えば、コスト面及びスループットを重視して、エッチング液を用いたウエットエッチングによってパターニングされる。この場合、ドライエッチングを行う場合と比べてエッチング精度が低くなりやすい。そのため、エッチングマスクとなるレジスト膜を、塗布むらがなく、面内膜厚均一性が良好な状態にすることがより重要になる。
このような状況の下で、本願発明者は、FPD用のマスクブランクの遮光膜の材料として、Cr系材料に代えて金属シリサイド系材料(具体的にはMoSi系材料)を用いることを検討した。金属シリサイド系材料で形成した遮光膜は、基板との密着性が良いこと、フォトマスク製造時の耐薬品性(耐酸性)が高いこと、シールドからの膜剥がれによる欠陥発生を少なくすること等の点で良好な特性を有している。そのため、金属シリサイド系材料は、FPD用のマスクブランクの遮光膜の材料として注目すべき材料である。
ここで、FPD用のマスクブランクを製造する場合、レジスト膜は、マスクブランクに対する塗布精度、歩留まり等を勘案して、例えば、一方向に伸びるレジスト液供給口を有するノズルからレジスト液を吐出させつつ、遮光膜表面に対して当該一方向に交差する方向へノズルを相対移動させて形成される。より具体的には、毛細管現象によりレジスト液を上昇させる毛管状のノズルに対して基板を相対的に走査させることによって基板にレジスト膜を形成する。レジスト液は、基板の移動に伴って、ノズル先端から順次引き出される。
しかし、金属シリサイド系材料の遮光膜は、レジスト液に対する濡れ性が悪い。そのため、金属シリサイド系遮光膜上に上記方法によりレジスト膜を形成する場合、スリットからレジスト液を引き出しにくくなり、レジスト膜の塗布むらが発生しやすいこととなる。また、基板全体に塗布できたとしても、面内膜厚均一性が悪くなりやすい。そのため、金属シリサイド系材料の遮光膜に対し、上記方法によりレジスト膜を形成することは、フォトマスク製造時にパターン精度を低下させる原因となるおそれがある。また、レジスト膜を形成できたとしても、遮光膜とレジスト膜との密着性が悪いため、フォトマスク製造時にレジスト膜が剥がれ、パターン欠陥が生じるおそれもある。そのため、従来、FPD用マスクブランクにおいて、金属シリサイド系材料の遮光膜を用いにくいという問題があった。
そこで、本発明は、上記の課題を解決できるマスクブランク及びフォトマスクを提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明は、以下の構成を有する。
(構成1)FPDデバイスを製造するためのマスクブランクであって、基板と、金属シリサイドを材料として基板上に形成された遮光膜と、クロムを含む材料で遮光膜上に形成された上層膜とを備え、遮光膜及び上層膜は、上層膜上に形成されるレジスト膜をパターニングしたエッチングマスクを用いてウエットエッチングされるべき膜であり、レジスト膜は、上層膜上に、一方向に伸びるレジスト液供給口を有するノズルからレジスト液を吐出させつつ、上層膜表面に対して当該一方向に交差する方向へノズルを相対移動させて形成される。上層膜は、例えば、単体のクロム膜や、クロムに酸素、窒素、及び炭素のうちの少なくとも一つの元素を添加した膜等である。
このように構成した場合、金属シリサイド系材料の遮光膜を用いることにより、フォトマスク製造時の薬液耐性が良好になる。これにより、光学特性が設計どおりのマスクを製造しやすくなり、光学特性の変動幅が小さく、パターン転写特性が良好となる。
更には、金属シリサイド系材料の遮光膜は、クロム系材料の遮光膜等と比べ、合成石英等の基板に対する密着性が高い。また、シールドからの膜剥がれによる欠陥発生を少なくすることができる。そのため、このように構成すれば、FPDデバイスを製造するために好適なマスクブランクを提供できる。
また、上記の組成の上層膜は、上記の組成の遮光膜と比べ、レジスト液に対する濡れ性がよい。そのため、レジスト膜との密着性が良好になり、適切にスリットコータを用いることが可能になる。これにより、高い塗布精度、及び高い歩留まりが実現できる。また、FPD用のマスクブランクに求められる塗布むらの精度及び面内膜厚均一性を実現できる。そのため、この構成のマスクブランクから製造されるフォトマスクを用いることにより、製造されるFPDデバイスも表示むらを低減できる。また、フォトマスクの製造時にレジスト膜が剥がれてパターン欠陥が生じるおそれもほとんどなくなる。
ここで、レジスト膜の面内膜厚均一性が不十分であると、フォトマスク製造時にパターン線幅均一性(CD精度)が低下することとなり、FPDデバイスの表示むらの原因となる。そのため、レジスト膜に求められる面内膜厚均一性は、フォトマスクに許容されるCD精度の大きさに応じて決まる。
レジスト膜の面内膜厚均一性は、例えば1000オングストローム以下、より好ましくは500オングストローム以下とすることが求められる。
(構成2)上層膜は、クロムに酸素又は窒素の少なくともいずれかを添加した膜であり、マスクブランクを用いて製造されたフォトマスクにおいて反射防止膜として機能する。このように構成すれば、例えば単なる金属等で上層膜を形成し、別途反射防止膜を設ける場合等と比べ、プロセス工数を低減できる。また、このような上層膜は、金属シリサイド系材料の遮光膜との密着性もよく、かつレジスト液に対する濡れ性もよい。そのため、上記の組成の遮光膜上に形成すべき上層膜として特に好適である。従って、このように構成すれば、レジスト膜の面内膜厚均一性を更に適切に高めることができる。また、これにより、フォトマスクのパターンのCD精度を良好にすることができる。
尚、上記の上層膜と同様の組成の膜は、例えばクロム系材料の遮光膜上に反射防止膜として形成されることが一般的である。しかし、構成2のようにした場合、単に反射防止膜としての機能を発揮するのみならず、金属シリサイド系材料の遮光膜において問題となるレジスト液に対する濡れ性を高めることができる。そのため、このように構成すれば、金属シリサイド系材料の優れた特性をより適切に発揮させることができる。
(構成3)上層膜の膜厚は、50〜400オングストロームである。このように構成すれば、上層膜を必要以上に膜厚を厚くすることなく、スリットコータを用いる場合に必要なレジスト液に対する濡れ性を発揮させることができる。
FPD用のマスクブランクは、LSI用のマスクブランク等と比べて大型であり、基板上に形成される薄膜の膜応力の影響も大きくなる。そのため、FPD用のマスクブランクにおいては、薄膜の膜厚を低減することが特に重要になる。また、ウエットエッチングによって形成される断面形状を適切に制御する観点からも、膜厚の低減が強く求められる。
また、このように構成すれば、例えば光学濃度について、金属シリサイド系材料の遮光膜の光学特性を適切に発揮させることができる。また、この場合、耐薬性が高い金属シリサイド系材料の遮光膜のみを考慮してフォトマスクの光学特性を設計すればよいため、光学特性が設計どおりのマスクを製造しやすくなる。
尚、上層膜の膜厚が薄過ぎる場合、レジスト液に対する濡れ性が不足するおそれがある。また、上層膜が厚過ぎると、遮光膜のウエットエッチングにおいて断面形状を制御することが難しくなる。そのため、遮光膜のエッチング精度が低下するおそれがある。更には、上層膜が厚過ぎる場合、上層膜の影響が大きくなりすぎて、金属シリサイド系材料の遮光膜の光学特性を適切に発揮させることができなくなる。
(構成4)金属は、モリブデン(Mo)、タンタル(Ta)、チタン(Ti)、タングステン(W)のいずれかを含む材料である。このような構成にすれば、フォトマスク製造時の耐薬品性や基板との密着性が良いこと、低欠陥であることに加え、ウェットエッチング溶液に対するパターン制御性が良くなる。
(構成5)構成1から4のいずれかに記載のマスクブランクを用いて製造されたことを特徴とするFPDデバイスを製造するためのフォトマスク。このように構成すれば、構成1〜4と同様の効果を得ることができる。このフォトマスクは、例えば、ウエットエッチングによってマスクブランク上に形成された遮光膜等のパターニングを施し、マスクパターンを形成して製造される。
尚、上記の各構成において、FPD用のマスクブランク及びマスクとしては、LCD(液晶ディスプレイ)、プラズマディスプレイ、有機EL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイ等のFPDデバイスを製造するためのマスクブランク及びマスクが挙げられる。
LCD用マスクには、LCDの製造に必要なすべてのマスクが含まれ、例えば、TFT(薄膜トランジスタ)、特にTFTチャンネル部やコンタクトホール部、低温ポリシリコンTFT、カラーフィルタ、反射板(ブラックマトリクス)等を形成するためのマスクが含まれる。他の表示デバイス製造用マスクには、有機EL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイ、プラズマディスプレイ等の製造に必要なすべてのマスクが含まれる。
FPD用のフォトマスクに適したマスクブランク及びフォトマスクを提供できる。また、FPDデバイスの表示むらの原因となるフォトマスクにおけるパターン線幅均一性(CD精度)の低下を抑えたマスクブランク及びフォトマスクを提供できる。
以下、本発明に係る実施形態を、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るマスクブランク10の構成の一例を示す。マスクブランク10は、FPDデバイスを製造するためのマスクブランクである。また、このマスクブランクは、例えば、一辺が330mm以上(例えば330mm×450mm〜1220mm×1400mm)の大型のマスクブランクである。また、このマスクブランクから製造されるFPD用のフォトマスクは、例えば、ミラープロジェクション(スキャニング露光方式による、等倍投影露光)方式やレンズを使ったレンズプロジェクション方式の露光装置に搭載されて使用される。このフォトマスクは、例えば、i線からg線に渡る波長帯域の光を用いた多色波露光用のフォトマスクであり、例えば1μm以下のグレートーンパターンを有する。
マスクブランク10は、基板12、遮光膜14、上層膜16、及びレジスト膜18を備える。マスクブランク10は、例えば下地膜や半透光性膜等の他の層を更に備えてもよい。基板12は、例えば透光性基板である。この透光性基板としては、合成石英、ソーダライムガラス、無アルカリガラス等の基板が挙げられる。
遮光膜14及び上層膜16は、フォトマスクの製造工程において、レジスト膜18をパターニングしたエッチングマスクを用いて一般的にウェットエッチングされる。遮光膜14は、金属と珪素を含む金属シリサイドを材料とする遮光膜であり、例えば、モリブデンシリサイド(MoSi)、タンタルシリサイド(TaSi)、チタンシリサイド(TiSi)、タングステンシリサイド(WSi)を材料とする遮光膜であり、基板12上に形成される。
上層膜16は、レジスト液に対する濡れ性を高めるために遮光膜14上に形成される層である。上層膜16は、クロムを含む材料で形成されており、例えば、酸化クロム(CrO)、酸窒化クロム(CrON)等である。上層膜16の膜厚は、例えば、50〜400オングストローム、より好ましくは、50〜300オングストローム、更に好ましくは、100〜250オングストロームである。また、本例において、上層膜16を、酸素を含有するクロム膜材料(酸化クロム(CrO)や酸窒化クロム(CrON))とすることにより、マスクブランク10を用いて製造されたフォトマスクにおいて反射防止膜として機能させることができる。
尚、上層膜16を酸化されたクロム膜(CrO)とする場合は、クロムからなるスパッタリングターゲットを用い、アルゴンガスなどの不活性ガスに酸素ガスを含む混合ガス雰囲気中で反応性スパッタリング法により形成したり、クロムと酸素を含有するスパッタリングターゲットを用い、アルゴンガスなどの不活性ガスを含む雰囲気中でスパッタリングにより形成したり、または、クロム膜を公知の方法で成膜した後、大気中や酸素雰囲気中で加熱処理することによって酸化されたクロム膜(CrO)を形成することができる。
また、上層膜16を酸窒化されたクロム膜(CrON)とする場合は、クロムからなるスパッタリングターゲットを用い、アルゴンガスなどの不活性ガスと、酸素ガスと窒素ガス、一酸化窒素ガス、二酸化窒素ガス等のガスを含む混合ガス雰囲気中で反応性スパッタリング法により形成したり、クロムと酸素と窒素を含有するスパッタリングターゲットを用い、アルゴンガスなどの不活性ガスを含む雰囲気中でスパッタリングにより形成したり、または、クロム膜を公知の方法で成膜した後、大気中や酸素と窒素を含む雰囲気中で加熱処理することによって酸窒化されたクロム膜(CrON)を形成することができる。
レジスト膜18は、上層膜16上に、スリットコータを用いて形成される。本例において、レジスト膜18は、レーザー描画用レジスト膜である。またレーザー描画用レジスト膜に限らず、電子線描画用レジスト膜であっても良い。また、ポジ型のレジスト膜、ネガ型のレジスト膜のどちらでも構わない。レジスト膜18の膜厚は、レーザー描画用のレジスト膜の場合、レーザー描画装置の描画波長による定在波によるパターン断面形状悪化を防止するための膜厚に設定することが好ましい。
以上のように構成すれば、上層膜16を形成することにより、スリットコータを用いる場合に必要なレジスト液に対する濡れ性を適切に発揮させることができる。また、これによりFPD用マスクブランクにおいて、金属シリサイド系材料の遮光膜14を適切に用いることができる。そのため、FPDデバイスを製造するために好適なマスクブランクを提供できる。
尚、前記遮光膜14及び上層膜16によって被転写体に転写すべく転写パターンとする場合、遮光膜14及び上層膜16の合計の膜厚は、FPD用デバイスを製造する際に使用される露光装置の波長に対して光学濃度(OD)で3以上となる膜厚となるように設定する。また、遮光膜14のみによって被転写体に転写すべく転写パターンとする場合、遮光膜14の膜厚を、FPD用デバイスを製造する際に使用される露光装置の波長に対して光学濃度(OD)で3以上となる膜厚となるように設定する。i線からg線に渡る波長帯域の光を用いた多色波露光として使用する場合、光学濃度(OD)で3以上となるようにするには、850オングストローム以上とすることが好ましい。微細パターンを形成することを考えると膜厚は薄い方が好ましく、膜厚は1800オングストローム以下が好ましい。両者を考慮すると、850〜1800オングストローム、より好ましくは、950〜1500オングストロームが望ましい。
尚、本例において、上層膜16は、反射防止膜として用いることができ、この場合、フォトマスクの製造工程において、遮光膜14及び上層膜16をパターニングした後、上層膜16は除去されずに残される。上層膜16を反射防止膜として用いない場合には、フォトマスクの製造工程において、遮光膜14及び上層膜16をパターニングした後、上層膜16を除去する。
以下、実施例に基づき本発明を更に詳細に説明する。
(実施例1)
大型ガラス基板(合成石英(QZ)10mm厚、サイズ850mm×1200mm)上に、大型インラインスパッタリング装置を使用し、遮光膜、及び上層膜の成膜を行った。成膜は、大型インラインスパッタリング装置内に連続して配置された各スペース(スパッタ室)にMoSiターゲット(Mo:33モル%、Si:67モル%)、及びCrターゲットを各々配置し、まず、最初のスパッタ室において、MoSiターゲットに対してArガスをスパッタリングガスとしてMoSi膜の遮光膜を750オングストローム成膜した。次いで、次のスパッタ室において、Crターゲットに対してArガスとNOガスをスパッタリングガスとしてCrON膜の上層膜を250オングストローム成膜して、FPD用大型マスクブランクを作製した。
上記で作製したマスクブランクを用い、洗浄処理(純水、常温)後、公知のスリットコータ装置(特開2005−286232号公報に記載のスリットコータ装置)を用いてレジスト液を塗布し、現像によってレジストパターンを形成し、このレジストパターンをマスクとして、Cr用のエッチング液を用いて上層膜をウェットエッチングでパターニングし、次にMoSi用のエッチング液を用いて遮光膜をウエットエッチングでパターニングして、FPD用大型のフォトマスクを作製した。このフォトマスクは、5μm幅の通常パターン及び1μm幅のグレートーンパターンを有する。このグレートーンパターンは、大型FPD用露光機の解像限界以下の微細遮光パターン及び微細透過部からなるパターンである。尚、上述のレジスト液の塗布条件は、レジスト平均膜厚が1μmとなるように、ノズルと基板表面との間隔、ノズルの幅、ノズルの走査速度等を設定して行った。上記のマスクブランク上に塗布されたレジスト膜は、塗布むらがなく、面内膜厚均一性は、450オングストロームであった。尚、面内膜厚均一性とは、パターン形成領域内におけるレジスト膜厚の最大値と最小値の差をいう。
得られたフォトマスクにおける遮光膜及び上層膜によるパターンの線幅均一性(CD精度)は良好であり、このフォトマスクを使用して製造された液晶表示装置も表示むらがなく良好であった。
(実施例2)
上層膜の形成時のスパッタリングガスとして、Arガス、及びOガスを用いて上層膜をCrO膜(膜厚150オングストローム)とした以外は実施例1と同様にして、実施例2に係るマスクブランク及びフォトマスクを作製した。
実施例2において、レジスト膜の膜厚均一性は、実施例1と同様に良好であった。また、得られたフォトマスクを使用して製造された液晶表示装置も表示むらがなく良好であった。
(比較例1)
上層膜を形成しなかった以外は実施例1と同様にして、比較例1に係るマスクブランク及びフォトマスクを作製した。比較例1では、レジスト液に対する濡れ性が悪いため、レジスト膜に塗布むらが生じ、基板全体にレジスト膜を形成することができなかった。そのため、フォトマスクを適切に作製できなかった。
(実施例3)
大型ガラス基板(合成石英(QZ)10mm厚、サイズ850mm×1200mm)上に、大型インラインスパッタリング装置を使用し、MoSiターゲットに対してArガスをスパッタリングガスとしてMoSi膜を850オングストローム成膜した。次いで、次のスパッタ室において、Crターゲットに対してArガスをスパッタリングガスとしてCr膜の上層膜を50オングストローム成膜して、FPD用大型フォトマスクブランクを作製した。
上記で作製したマスクブランクを用い、洗浄処理(純水、常温)後、公知のスリットコータ(特開2005−286232号公報に記載のスリットコータ装置)を用いてレジスト液を塗布し、現像によってレジストパターンを形成し、このレジストパターンをマスクとして、上層膜をCrのエッチング液でウェットエッチングによりパターニングし、次に、MoSi用のエッチング液で遮光膜をウェットエッチングによりパターニングした。最後に、レジスト膜をレジスト剥離液で剥離した後、再度、Cr用のエッチング液で遮光膜上に形成している上層膜を剥離して、FPD用大型のフォトマスクを作製した。このフォトマスクは、5μm幅の通常パターン及び1μm幅のグレートーンパターンを有する。このグレートーンパターンは、大型FPD用露光機の解像限界以下の微細遮光パターン及び微細透過部からなるパターンである。尚、上述のレジスト液の塗布条件は、レジスト平均膜厚が1μmとなるように、ノズルと基板表面との間隔、ノズルの幅、ノズルの走査速度等を設定して行った。上記のマスクブランク上に塗布されたレジスト膜は、塗布むらがなく、面内膜厚均一性は、500オングストロームであった。
得られたフォトマスクにおける遮光膜及び上層膜による線幅均一性(CD精度)は良好で、このフォトマスクを使用して製造された液晶表示装置も表示むらがなく良好であった。
以上、本発明を実施形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されない。上記実施形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
本発明は、例えばFPDデバイスを製造するためのマスクブランク及びマスクに好適に適用できる。
本発明の一実施形態に係るマスクブランク10の構成の一例を示す図である。
符号の説明
10・・・マスクブランク、12・・・基板、14・・・遮光膜、16・・・上層膜、18・・・レジスト膜

Claims (5)

  1. FPDデバイスを製造するためのマスクブランクであって、
    前記マスクブランクは、露光機の解像限界以下の微細遮光パターン及び微細透過部からなるパターンであるグレートーンパターンと、前記露光機の解像限界よりも大きなパターンである通常パターンとを有するフォトマスクを製造するためのものであり、
    基板と、
    金属シリサイドを材料として前記基板上に前記基板と接して形成された遮光膜と、
    クロムを含む材料で前記遮光膜上に前記遮光膜と接して形成された上層膜と、
    前記上層膜上に形成されたレジスト膜と、
    を備え、
    前記遮光膜及び前記上層膜は、前記レジスト膜をパターニングしたエッチングマスクを用いてウエットエッチングされるべき膜であり、
    前記上層膜は、Cr用のエッチング液を用いてウエットエッチングされる膜であり、
    前記遮光膜は、前記上層膜に対するウエットエッチングの後に金属シリサイド用のエッチング液を用いてウエットエッチングされる膜であり、
    前記遮光膜の膜厚は、850〜1800オングストロームであり、
    前記上層膜は、クロムに少なくとも酸素及び窒素を添加した膜であり、前記フォトマスクにおいて反射防止膜として機能し、
    前記上層膜の膜厚は、50〜400オングストロームであり、
    前記レジスト膜は、前記上層膜上に、一方向に伸びるレジスト液供給口を有するノズルからレジスト液を吐出させつつ、前記上層膜表面に対して前記一方向に交差する方向へ前記ノズルを相対移動させて形成され、
    前記レジスト膜は、パターン形成領域内におけるレジスト膜厚の最大値と最小値との差で示される面内膜厚均一性が500オングストローム以下であることを特徴とするマスクブランク。
  2. 前記金属は、モリブデン(Mo)、タンタル(Ta)、チタン(Ti)、タングステン(W)のいずれかを含む材料であることを特徴とする請求項1に記載のマスクブランク。
  3. 請求項1又は2に記載のマスクブランクを用いて製造されたことを特徴とするFPDデバイスを製造するためのフォトマスク。
  4. FPDデバイスを製造するためのマスクブランクの製造方法であって、
    前記マスクブランクは、露光機の解像限界以下の微細遮光パターン及び微細透過部からなるパターンであるグレートーンパターンと、前記露光機の解像限界よりも大きなパターンである通常パターンとを有するフォトマスクを製造するためのものであり、
    基板上に前記基板と接して、金属シリサイドからなる材料で遮光膜を成膜し、
    前記遮光膜上に前記遮光膜と接して、クロムを含む材料からなる上層膜を成膜し、
    一方向に伸びるレジスト液供給口を有するノズルからレジスト液を吐出させつつ、前記上層膜表面に対して前記一方向に交差する方向へ前記ノズルを相対移動させることによって、前記上層膜上にレジスト膜を形成し、
    前記遮光膜及び前記上層膜は、前記レジスト膜をパターニングしたエッチングマスクを用いてウエットエッチングされるべき膜であり、
    前記上層膜は、Cr用のエッチング液を用いてウエットエッチングされる膜であり、
    前記遮光膜は、前記上層膜に対するウエットエッチングの後に金属シリサイド用のエッチング液を用いてウエットエッチングされる膜であり、
    前記遮光膜の膜厚は、850〜1800オングストロームであり、
    前記上層膜は、クロムに少なくとも酸素及び窒素を添加した膜であり、前記フォトマスクにおいて反射防止膜として機能し、
    前記上層膜の膜厚は、50〜400オングストロームであり、
    前記レジスト膜は、パターン形成領域内におけるレジスト膜厚の最大値と最小値との差で示される面内膜厚均一性が500オングストローム以下となるように形成されることを特徴とするマスクブランクの製造方法。
  5. 請求項4記載のマスクブランクの製造方法で製造されたマスクブランクを用いて、
    前記レジスト膜をパターニングし、
    前記上層膜をCr用のエッチング液を用いてウエットエッチングでパターニングし、
    前記遮光膜を金属シリサイド用のエッチング液を用いてウエットエッチングでパターニングすることを特徴とするFPDデバイスを製造するためのフォトマスクの製造方法。
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