JP5163718B2 - 路側通信装置及び信号情報の異常監視の中止方法 - Google Patents
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Description
そして、その時間情報を受けた車載装置において、当該時間情報とその際の走行速度とに基づいて演算を行い、交差点を安全に通過できる時間がないと判断した場合、つまり、交差点手前で停止すべきと判断した場合に、自動的にブレーキがかかり車両を減速又は停止させる制御を行う。
この場合、交通信号制御機と路上通信装置との間の通信頻度の軽減するため、交通信号制御機から路上通信装置に信号情報を送信する第一周期(例えば10秒)よりも短い第二周期(例えば1秒)毎に路上通信装置が信号情報を更新し、新たな信号情報を取得する次の第二周期が経過するまでの間は、前回取得した信号情報の表示予定時間を、その取得時点からの経過時間を減算したカウントダウン値に置き換えた更新情報を、車両側に提供するという方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
かかる地点感応制御を実行する交通信号制御機は、地点感応制御の種別毎に予め定められた所定の感応幅(地点感応制御を実行する時間範囲)の範囲内において、交通状況に応じた適切なタイミングで所定の灯色の打ち切り又は延長を行う。
これに対して、地点感応制御を行わず中央装置が定めた信号制御指令に従う通常の交通信号制御(以下、単に「通常制御」ということがある。)の場合は、各灯色の表示予定時間が1つの値に確定しているので、交通信号制御機は、各灯色の最大時間と最小時間の格納フィールドに1つの確定値を格納した信号情報を生成する。
しかし、信号情報の情報元装置である交通信号制御機が、何らかの原因で表示予定時間に誤りのある信号情報を生成したり、不測の通信遅延等のために、路上通信装置が信号情報を受信した時点では既に現在灯色の表示予定時間が狂っていたりすることがあり得る。
そこで、例えば、路上通信装置において、新たに取得した信号情報(以下、「新規情報」ということがある。)の表示予定時間を更新情報のそれと比較し、新規情報の表示予定時間が更新情報のそれと比べて異常値を示す場合は、新規情報を車両側に提供しないようにする異常監視を行うことが考えられる。
このため、通常制御を実行中に生成される信号情報と、閃光制御を実行中に生成される信号情報とでは、そもそも灯色変化数やその他のデータ内容が大幅に異なる。
このため、交通信号制御機が不確定制御を実行しても、路側通信装置による信号情報の異常監視機能によって不確定制御の場合の信号情報が送信されなくなるのを未然に防止することができる。
この点、上述の通り、交通信号制御機が地点感応制御を実行する場合には、灯色の最大時間と最小時間の格納フィールドに感応幅分だけ異なる値を格納した信号情報が生成されるので、その最大時間と最小時間の格納フィールドの時間値に差がある信号情報が到来すれば、交通信号制御機が地点感応制御に移行したと判断することができる。
そこで、本発明の路側通信装置において、前記信号情報が、1つの灯色の前記表示予定時間の格納フィールドとして最大時間と最小時間の格納フィールドを有する場合には、前記監視中止部は、前記最大時間と前記最小時間の格納フィールドのうちのいずれか一方に時間値が不明であることを示す情報が格納されている場合に、前記不確定制御の一種である閃光現示が実行されていると判定することができる。
このため、本発明に係る信号情報の異常監視の中止方法は、本発明の路側通信装置と同様の作用効果を奏する。
〔情報中継システム〕
図1は情報中継システムの一例を示す模式図である。
図1に示すように、本実施形態の情報中継システムは、情報中継装置1、情報元装置の一例としての交通信号制御機2、情報元装置の一例としての画像式の車両感知器4、路側通信装置としての光ビーコン5、及び、中央装置8などを備えている。
図1の例では、交差点付近に2つの車両感知器4A,4Bが設置され、交差点に向かう同じ流入道路に2つの光ビーコン5A,5Bが設置されている。なお、本明細書においては、車両感知器の共通事項の場合は共通符号「4」を用い、車両感知器ごとに相違する個別事項の場合は符号「4A」「4B」を用いて両者を区別する。光ビーコンについても同様である。
また、中央装置8は、自身のネットワークに属する交通信号制御機2について、同一道路上の交通信号機群を調整する系統制御や、この系統制御を道路網に拡張した広域制御(面制御)を行うことができる。
従って、中央装置8は、所定時間毎(例えば2.5分毎)に上記系統制御(面制御を含む。)を行って、各交差点の信号灯器3の灯色切り替えタイミングに関する信号制御指令を生成する。
なお、中央装置8は、VICS(Vehicle Information and Communication System:「VICS」は登録商標)センターから取得したVICS情報を定期的に取得し、これに含まれる渋滞、事故及び交通規制等に関する交通情報を、情報中継装置2に送信する。
交通信号制御機2は、中央装置8から受信した信号制御指令に含まれる灯色切替タイミングに基づいて、所定時間(例えば1秒)毎に「信号情報」(図2参照)を生成し、これを外部に送信することができる。この信号情報は、例えば、各信号灯器3の現在ステップにおける残りの表示予定時間(残秒数)や、将来ステップにおける表示時間(例えば2サイクル分)などの情報で構成される。
車両感知器4は、車両の存在、感知領域40に存在する車両の台数、車両の位置及び速度、車種、感知後の経過時間などの「車両感知情報」を生成し、これを外部に送信することができる。
また、車両感知器4Bは、上記流入道路を走行して交差点に進入する車両から見た、対向直進車両の位置と速度等を検出するためのものである。対向直進車両の位置と速度は、例えば右直事故を防止する安全運転支援を行う場合に役立つ情報である。
なお、車両感知器4は、画像式に限定されるものではなく、超音波式など他の方式のものでもよい。
また、光ビーコン5は、通信領域50を通過する車両の車載機7から、旅行時間やプローブデータなどを含むアップリンク情報を受信することができる。
なお、光ビーコン5に代えて、電波ビーコン、DSRC(Dedicated Short Range Communication)、狭域の無線LAN通信装置などを用いることもできる。
なお、情報中継装置1は、図1に示すように、他装置と別体であってもよいが、交通信号制御機2や光ビーコン5に内蔵する一体型の装置であってもよい。
また、情報中継装置1は、光ビーコン5が有線インタフェース側に送信する情報を、中央装置8や交通信号制御機2などに中継する。
図2は信号情報のフォーマット例を示す図である。なお、図2の例では、1つの流入道路の通行権を定める1つの信号灯器3の信号情報のデータフォーマットを示している。
図2において、それぞれのフィールドに格納可能なレコードのデータ長は1又は2バイトとなっている。
「バージョン情報」は格納情報のバージョンを示し、バージョンが未定や不明の場合にはフルビットが格納される。「データ長」は次のフィールド以降の実データ長を示す。
「灯色情報(1)」は現在の信号灯色の情報を示し、「灯色情報(2)」は2番目の信号灯色の情報を示す。「丸信号灯色表示」は当該灯色情報における丸灯の灯色を示し、ここの格納される灯色データ値には、「0:不明」「1:青」「2:黄」「3:赤」「4:黄点滅」「5:赤点滅」「6:滅灯」の7種類がある。
「最小残秒数」(最小時間)は当該灯色の予定継続の最小秒数(0.1秒単位:0.0〜240.0秒)を記すための格納フィールドである。このフィールドには、残秒数が確定している場合は確定秒数が格納され、残秒数が可変の場合は最小残秒数が格納される。
従って、これらの残秒数のフィールドに格納される値は、現サイクルにおける信号灯器3の灯色毎の表示予定時間を表している。なお、本明細書では、単に「残秒数」というときは、「最小残秒数」と「最大残秒数」の双方を含むものとする。
このため、更新部551は、最小保証時間の格納フィールドに時間値が記された灯色情報の場合には、その時間値を下回る値に「最小残秒数」の値を更新することはない。これにより、後述する地点感応制御の実行中に、「最小残秒数」が必要以上にカウントダウンされることによって更新情報が不正確になるのを未然に防止することができる。
従って、図2に示す「最小保証時間」の格納フィールドや、受信と同時にカウントダウン処理を停止させる上記フラグフィールドは、いずれも、更新部551によるカウントダウン処理の停止要求を行うための格納フィールドである。
従って、光ビーコン5が受信した信号情報中の最小保証時間の格納フィールドに所定値(カウントダウン処理の停止指令)が記されていたり、上記フラグフィールドに記されたフラグ情報がオン(カウントダウン処理の停止指令)であったりする場合には、交通信号制御機2が地点感応制御を実行中であると判断することができる。
本実施形態の交通信号制御機2は、1又は複数種類の「地点感応制御」を行うことができる。交通信号制御機2は、中央装置4の制御種別情報が地点感応制御を許容している場合に当該地点感応制御を実行する。
上記地点感応制御の例としては、例えば、右折感応制御、ジレンマ感応制御、高速感応制御、バス感応制御、簡易半感応制御などがある。
「ジレンマ感応制御」は、黄信号表示後の追突事故や出会い頭事故の危険性を減少させることを目的として、交差点手前のジレンマゾーン又はオプションゾーンに車両が存在しない時点で青信号を打ち切るものである。
「バス感応制御」は、公共車であるバスに対して、信号待ち時間を減少させて優先通行をはかることを目的として、流入道路を走行中のバスを感知したとき、停止時間を減少させるように青延長又は赤短縮を行うものである。
交通信号制御機2は、地点感応制御を実行する場合、その種別毎に設定された所定の感応幅の範囲内において、交通状況に応じた適切なタイミングで所定の灯色の打ち切り又は延長を決定する。
一方、交通信号制御機2は、中央装置8が定めた信号制御指令に従う通常制御を行う場合には、各灯色の表示予定時間が1つの値に確定していることから、各灯色の「最大残秒数」と「最小残秒数」の格納フィールドに確定した同じ値を格納する。
従って、受信した信号情報中の「最大残秒数」と「最小残秒数」の格納フィールドにフルビットが格納されている場合には、交通信号制御機2が閃光現示を実行中であると判断することができる。
図3は情報中継装置1の構成の一例を示すブロック図である。
図3に示すように、本実施形態の情報中継装置1は、第1インタフェース部11、第2インタフェース部12、中継部13、情報中継装置1全体を制御する制御部10、記憶部14などを備えている。
中継部13は、第1インタフェース部11及び第2インタフェース部12を経由して送受される情報を中継する。具体的には、中継部13は、制御部10の制御の下、例えば、車両感知器4A,4Bや交通信号制御機2から受信した動的情報を、いずれの光ビーコン5A,5Bへ送出するかを決定する。
制御部10は、上記サービステーブルに基づいて、情報元装置である交通信号制御機2や車両感知器4A,4Bが送出した情報の中継先を中継部13に指示する。
また、交通信号制御機2から送出された信号情報は、中継部13を経由して双方の光ビーコン5A,5Bへ送出されるようになっている。
図4は情報中継システムでの情報の処理手順を示すタイムチャートである。
図4に示すように、まず、P1において、中央装置8が「信号制御指令」を交通信号制御機2へ送信する。
P2において、交通信号制御機2は、受信した信号制御指令に基づいて信号灯器3毎の「信号情報」を生成し、P3において、生成した信号情報を情報中継装置1へ送信する。なお、信号情報の送信は所定の時間間隔(例えば、1秒経過の都度)で行われる。
本実施形態では、光ビーコン5A,5Bはいずれも交通信号制御機2からの信号情報を必要とするので、信号情報は双方の光ビーコン5A,5Bに送信される。P6では、光ビーコン5は、取得した信号情報を車載機7へ送信する。
P9では、情報中継装置1は、取得した車両感知情報を必要とする情報提供サービスを行う光ビーコン5に対して、当該車両感知情報を中継する。
また、光ビーコン5Bが車両感知器4Bからの車両感知情報を必要とするので、当該車両感知器4Bの車両感知情報は光ビーコン5Bに送信される。P10では、光ビーコン5は、取得した車両感知情報を車載機7へ送信する。
また、P15〜P18において、P3〜P6と同様の処理が行われ、以降同様の処理が、例えば1秒経過の都度(通常制御の場合)繰り返される。
なお、交通信号制御機2は、地点感応制御を実行中の場合には、信号情報の生成及び送信を、例えば0.5秒未満のより速いサイクルで行う。
図5は光ビーコン5の構成の一例を示すブロック図である。
図5に示すように、光ビーコン5は、ビーコン制御機51と1又は複数のビーコンヘッド52とから構成されている。ビーコン制御機51は、中継側インタフェース部53、ヘッド側インタフェース部54、制御部55及び記憶部56などを備えている。
中継側インタフェース部53は、情報中継装置1との間の通信機能を有する。また、ヘッド側インタフェース部54は、車線毎に設けられたビーコンヘッド52との間の通信機能を有する。
発光素子は、光信号よりなるダウンリンク情報を通信領域50内の車載機7に送出し、受光素子は光信号よりなるアップリンク情報を通信領域50内の車載機7から受光する。
このうち、更新部551は、中継側インタフェース部53が取得した信号情報の「カウントダウン処理」を実行する。この処理は、取得した信号情報の「現在灯色」の残秒数(すなわち最小残秒数と最大残秒数の双方)を、その取得時点からの経過時間を減算したカウントダウン値に置き換えた「更新情報」を生成し、信号情報のデータ内容をほぼリアルタイム値に更新する処理のことをいう。
従って、例えば図2に示す信号情報において、信号情報の入力時点で灯色情報(1)の「最小残秒数」と「最大残秒数」が「100」(=10.0秒)であったとすると、0.8秒経過後の更新情報では、灯色情報(1)の「最小残秒数」と「最大残秒数」は「92」(=9.2秒)となる。
すなわち、例えば図2に示す信号情報において、灯色情報(1)の残秒数をカウントダウンしてそれが「0」になると、その灯色情報(1)が「前回灯色情報」(残秒数=0)となり、次の灯色情報(2)が灯色情報(1)に繰り上がってその残秒数が所定周期でカウントダウンされる。
なお、本実施形態では、この繰り上げ処理によって生成される「前回灯色情報」も、「更新情報」に含まれるものとする。
また、前述の通り、更新部551は、「最小保証時間」(図2参照)を含む信号灯色の場合には、そのフィールドに格納された値を下回る値に「最小残秒数」の値を更新することはない。
(y) 第2比較:新規情報の現在灯色(信号情報(1)の値)が更新情報の「次回灯色」(信号情報(2)の値)と一致するか否かの比較
(z) 第3比較:新規情報の現在灯色(信号情報(1)の値)が更新情報の「前回灯色」(前回信号情報の灯色)と一致するか否かの比較
なお、灯色比較部552は、第1、第2及び第3比較の結果がすべて否定的である場合には、新規情報を異常と判定する。その理由は、第1、第2及び第3比較の結果がすべて否定的である場合には、新規情報に含まれるいずれかの灯色の残秒数に誤りがある可能性が高いと考えられるからである。
具体的には、判定部553は、第1比較の結果が肯定的である場合には、第1比較で一致するとされた、新規情報の現在灯色と更新情報の「現在灯色」との間で生じるタイムラグが閾値Th以下の場合に新規情報を正常と判定し、超える場合は新規情報を異常と判定する。
更に、判定部553は、第3比較の結果が肯定的である場合には、第3比較で一致するとされた、新規情報の現在灯色と更新情報の「前回灯色」との間で生じるタイムラグが閾値Th以下の場合に新規情報を正常と判定し、超える場合は新規情報を異常と判定する。
監視中止部554は、残秒数が不確定な灯色を含む信号制御である、地点感応制御や閃光現示などの不確定制御の実行を検出した場合に、上記異常監視部による監視処理をスキップする。なお、監視中止部554による中止処理(図11)については後述する。
このデータ記憶領域には、新たに取得した信号情報である「新規情報」の記憶領域と、更新部551による更新対象となる「更新情報」の記憶領域などが含まれる。
図6は光ビーコン5の制御部55が行う異常判定処理を示すフローチャートである。
なお、この異常判定処理は、ほぼ1秒毎に送信される信号情報の受信と同時に、カウントダウン周期(100m秒)未満の短い処理時間で行われる。
図6中の点Bは、異常判定処理を実行するかスキップするかの分岐点である。制御部55は、監視中止部554が実行信号を出力した場合には、ステップST2に移行して異常判定処理を行うが、監視中止部554がスキップ信号を出力した場合には、図6に波線で示す通り異常判定処理を行わずに終了する。
図6に示すように、制御部55は、信号情報を受信したか否かを繰り返し判定し(ステップST1)、受信した場合には、新たに受信した新規情報の現在灯色(灯色情報(1))が更新情報の「現在灯色」と一致するか否かの判定(第1比較)を行う(ステップST2)。
制御部55は、上記判定の結果、算出したタイムラグが閾値Th以下の場合には、新規情報を正常と判定し(ステップST11)、閾値Thを超える場合には、新規情報を異常と判定する(ステップST12)。
制御部55は、上記判定の結果、算出したタイムラグが閾値Th以下の場合には、新規情報を正常と判定し(ステップST11)、閾値Thを超える場合には、新規情報を異常と判定する(ステップST12)。
制御部55は、上記判定の結果、算出したタイムラグが閾値Th以下の場合には、新規情報を正常と判定し(ステップST11)、閾値Thを超える場合には、新規情報を異常と判定する(ステップST12)。
一方、制御部55は、異常と判定された新規情報の場合も、破棄せずに記憶部56の更新情報の記憶領域に取り込むが、その新規情報を、車載機7へのダウンリンク情報に格納する提供用情報としては指定しない。これにより、残秒数等のデータ内容に誤りのある異常な信号情報が車載機7に渡るのを未然に防止することができる。
すなわち、灯色比較部552が行う探索順序である、第1比較(ステップST2)、第2比較(ステップST5)及び第3比較(ステップST5)の実行順序は、その順列数分のバリエーションで任意に入れ替えることができる。
次に、図7〜図10を参照しつつ、上述の異常判定処理(図6)における、一致した灯色間の「タイムラグ」の算出方法(図6のステップST3,ST6,ST9)の具体例について説明する。
図7において、時点tcは制御部55(灯色比較部552)による両情報のデータの比較時点を示し、Δt(例えば0.4秒)は両情報間に実際に生じたタイムラグの大きさであるとする。
なお、本実施形態では閾値Th=500m秒であるから、図7(a)〜(c)に示す各例では、いずれも新規情報が正常と判定される。
図7(b)は、更新情報が新規情報よりΔtだけ遅れているため、比較時点tcが、新規情報の青から黄への灯色切り替わり時点と、更新情報の青から黄への灯色切り替わり時点との間に挟まれている場合を示す。
図7(c)は、更新情報が新規情報よりΔtだけ進んでいるため、比較時点tcが、更新情報の青から黄への灯色切り替わり時点と、新規情報の青から黄への灯色切り替わり時点との間に挟まれている場合を示す。
図9は図7(b)のタイムチャートに対応する更新情報と新規情報のデータ内容の一例を示す概念図である。
図10は図7(c)のタイムチャートに対応する更新情報と新規情報のデータ内容の一例を示す概念図である。
3つの矢印は、それぞれ前記第1〜第3比較を行うデータの対応関係を示し、実線の矢印は当該比較の結果が肯定的であることを示している。他方、破線の矢印は当該比較の結果が否定的であることを示している。
そこで、図8に示すデータからタイムラグを求めるには、両情報から現在灯色(青)の残秒数値(5.0秒と5.4秒)をそれぞれ抽出し、その値の差(0.4秒)をタイムラグとすればよい。
そこで、図9に示すデータからタイムラグを求めるには、新規情報から現在灯色(黄)の残秒数値(2.7秒)を抽出し、更新情報から現在灯色(青)の残秒数値(0.1秒)と次回灯色(黄)の残秒数値(3.0秒)を抽出し、3.0+0.1−2.7=0.4としてタイムラグを算出すればよい。
しかし、本実施形態では、前記「繰り上げ処理」によって生成される前回灯色情報の残秒数は必ず「0」に設定されるので、更新情報の前回灯色(青)の残秒数を予定終了時刻の演算に使用できない。すなわち、更新情報の現在灯色が「黄」である判定時点tcにおいて、前回灯色である「青」の過去の予定終了時刻を知ることができない。
その理由は、黄時間(本実施形態では3秒)は両情報で同じ値になっているから、青同士の予定終了時刻差は黄同士の予定終了時刻差と同じ値になるからである。
このように、第3比較において一致した灯色間で生じるタイムラグは、その一致した灯色自体の予定終了時刻差ではなく、一致した灯色の次回以降の灯色の予定終了時刻差で代用することができる。
また、以上説明したタイムラグの算出方法はあくまで1つの具体例であり、その他の種々のバリエーションがあり得る。
以上の通り、本実施形態の光ビーコン5によれば、制御部55(判定部553)が、第1比較の結果が肯定的である場合に、当該第1比較において一致した灯色間で生じるタイムラグが所定の閾値以下であるか否かにより、新規情報の異常を判定するので、データ内容に誤りがある異常な信号情報の到来を監視することができる。
このため、異常と判定された新規情報を光ビーコン5から車載機7に送信しないように処理することで、異常な信号情報が車載機7に渡ることによる安全運転支援への悪影響を防止することができる。
図11は制御部55の監視中止部554が行う異常監視の中止処理を示すフローチャートである。
図11に示すように、監視中止部554は、信号情報を受信したか否かを繰り返し判定し(ステップS1)、受信した場合には、新たに受信した新規情報のデータ内容に基づいて、情報送信元である交通信号制御機2において「閃光現示」を実行しているか否かを判定する(ステップS2)。
監視中止部554は、「閃光現示」が実行中であると判定した場合には、異常監視のスキップ信号を出力し(ステップS4)、実行中でないと判定した場合には、更に、情報送信元である交通信号制御機2において「地点感応制御」を実行しているか否かを判定する(ステップS3)。
また、ステップ3の判定は、ある灯色情報の「最小保証時間」の格納フィールドに所定値が記されているか否かや、カウントダウン処理の停止要求のためのフラグフィールドのフラグ情報がオンであるか否かなどによって行うこともできる。
そして、制御部55の異常監視部(灯色比較部552と判定部553)は、監視中止部554がスキップ信号を出力すると、図6の分岐点B以降のステップを行わずに処理を終了し(図6の波線)、これによって監視処理が中止される。他方、異常監視部は、監視中止部554が実行信号を出力すると、分岐点B以降の各ステップを実行する。
このように、本実施形態の光ビーコン5によれば、監視中止部554が、地点感応制御や閃光現示のような不確定制御が実行されている場合に、異常監視部(灯色比較部552と判定部553)による監視処理を中止するので、ある交差点での交通信号制御が通常制御から不確定制御に移行した場合には、異常監視部による監視処理が中止される。
このため、交通信号制御機2が不確定制御を実行しても、光ビーコン5が行う信号情報の異常監視機能によって不確定制御の場合の信号情報が車載機7に送信されなくなるのを未然に防止することができる。
上述の実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
もっとも、この場合には、更新部551が行うカウントダウン時の繰り上げ処理において、更新情報の少なくともn個前までの過去の灯色情報を残しておく必要がある。
更に、図6に示す異常判定処理(その変形例も含む。)と図11に示す中止処理は、光ビーコン5の制御部55ではなく情報中継装置1の制御部10が行うようにしてもよい。
2 交通信号制御機
4 車両感知器
5 光ビーコン(路側通信装置)
7 車載機
8 中央装置
53 中継側インタフェース部(取得部)
54 ヘッド側インタフェース部
55 制御部
551 更新部
552 灯色比較部
553 判定部
554 監視中止部
56 記憶部
Claims (5)
- 灯色毎の表示予定時間の格納フィールドを有する信号情報を所定時間毎に取得する取得部と、
既に取得した前記信号情報の現在灯色の表示予定時間を、その取得時点からの経過時間を減算したカウントダウン値に置き換えた更新情報を生成する更新部と、
新たに取得した前記信号情報である新規情報の表示予定時間を前記更新情報の表示予定時間と比較することにより、前記新規情報に異常があるか否かを監視する異常監視部と、
前記表示予定時間が不確定な灯色を含む信号制御である不確定制御が実行されている場合に、前記異常監視部による監視処理を中止する監視中止部と、
を備えていることを特徴とする路側通信装置。 - 前記信号情報は、1つの灯色の前記表示予定時間の格納フィールドとして最大時間と最小時間の格納フィールドを有しており、
前記監視中止部は、前記新規情報に含まれる前記最大時間と前記最小時間の格納フィールドに記された時間値の差分が0より大きい場合に、前記不確定制御の一種である地点感応制御が実行されていると判定する請求項1に記載の路側通信装置。 - 前記信号情報は、前記更新部によるカウントダウン処理の停止要求のための格納フィールドを有しており、
前記監視中止部は、前記新規情報に含まれる前記停止要求のための格納フィールドにカウントダウン処理の停止指令が格納されている場合に、前記不確定制御の一種である地点感応制御が実行されていると判定する請求項1又は2に記載の路側通信装置。 - 前記信号情報は、1つの灯色の前記表示予定時間の格納フィールドとして最大時間と最小時間の格納フィールドを有しており、
前記監視中止部は、前記最大時間と前記最小時間の格納フィールドのうちのいずれか一方に時間値が不明であることを示す情報が格納されている場合に、前記不確定制御の一種である閃光現示が実行されていると判定する請求項1〜3のいずれか1項に記載の路側通信装置。 - 灯色毎の表示予定時間の格納フィールドを有する信号情報を所定時間毎に取得する第1のステップと、
既に取得した前記信号情報の現在灯色の表示予定時間を、その取得時点からの経過時間をカウントダウンした値に置き換えた更新情報を生成する第2のステップと、
新たに取得した前記信号情報である新規情報の表示予定時間を前記更新情報の表示予定時間と比較することにより、当該新規情報に異常があるか否かを監視する第3のステップと、
前記表示予定時間が不確定な灯色を含む信号制御である不確定制御が実行されている場合に、前記第3のステップを中止する第4のステップと、
を含むことを特徴とする信号情報の異常監視の中止方法。
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