JP5163706B2 - 弾球遊技機 - Google Patents

Description

本発明は、遊技盤に遊技球を発射することによって遊技を行うパチンコ機等の弾球遊技機に関する。

複数の図柄を変動表示可能な変動表示装置と、その図柄の変動表示を開始させる契機となる始動口とを備え、遊技盤に遊技球を発射することによって遊技を行う弾球遊技機が知られている。この弾球遊技機では、始動口に遊技球が入球すると変動表示装置で複数の図柄の変動表示が開始され、それら図柄が停止表示したときに得られた図柄組合せが、当り態様の図柄組合せ（以下、当り図柄と呼ぶ）であった場合には、遊技者にとって有利な大当り遊技状態が開始されるようになっている。

また、変動表示装置で変動表示している複数の図柄を停止表示させる際に、一つの図柄を除いた他の図柄については当り図柄を構成する図柄で停止表示させた状態で、最後の一つの図柄を変動表示させる演出が行われることがある。このような状態はリーチ状態と呼ばれており、リーチ状態を発生させる演出はリーチ演出と呼ばれている。リーチ状態が発生すると、遊技者は、変動表示している最後の一つの図柄が当り図柄を構成する図柄で停止表示されて、大当り遊技状態が開始されるのではないかと期待するので、遊技者の遊技興趣を高めることができる。

ここで、複数の図柄を当り図柄で停止表示させるか否か、あるいはリーチ状態を発生させるか否かは、弾球遊技機の内部に搭載されたコンピュータが乱数抽選を行うことによって決定されている。すなわち、コンピュータの内部には、複数の図柄を当り図柄で停止表示させる乱数値や、リーチ状態を発生させる乱数値が予め決められており、コンピュータが乱数を取得すると、その乱数の乱数値が、予め定められている乱数値に該当するか否かを判断することによって、複数の図柄を当り図柄で停止表示させるか否か、あるいはリーチ状態を発生させるか否かが決定されている。

また、このような乱数抽選に用いられる乱数値は、図柄の変動表示が開始されることが確定した時点（すなわち遊技球が始動口に入球した時点）で取得されることが通常である。更に、始動口に遊技球が入球した時に図柄が変動表示中であった場合など、直ちには図柄の変動表示を開始することができない場合には、遊技球の始動口への入球時に取得された乱数値を「保留」として記憶しておき、その後、変動表示を開始することが可能になると、その保留に基づいて図柄の変動表示を開始するようになっている。

このような保留機能を備えた弾球遊技機において、保留として記憶されて直ちには図柄の変動表示が開始されない乱数値について、その乱数値が予め記憶されている乱数値に合致するか否かを事前に判定しておき、その結果を演出に反映させることで遊技者の遊技興趣を高めようとする技術も提案されている。例えば、保留が記憶された時点で、その保留の乱数値がリーチ状態を発生させる乱数値であるか否かを事前に判定し、リーチ状態を発生させる乱数値であった場合には特定の演出を行うことで、やがてリーチ状態が発生することを遊技者に予告する技術が提案されている（特許文献１）。

特開２０００−１４０２８６号公報

しかし、事前判定の結果を利用してリーチ状態の発生を予告する「リーチ予告」を行っても、必ずしも遊技者の遊技興趣を高めることにはならないという問題があった。これは次の理由によるものである。例えば、３つ目の保留に対応する図柄の変動表示でリーチ状態が発生する旨が予告されたものとする。この場合、遊技者の興味はリーチ状態が発生する保留の消化に注がれて、リーチ状態が発生する保留よりも前に記憶された２つの保留の消化に伴う図柄変動表示に遊技者を注目させることは困難となり、その結果、リーチ状態が発生するまでの遊技に対する遊技興趣を冷ましてしまう虞がある。更には、リーチ予告の対象となった保留の消化に伴う図柄変動表示で発生したリーチ状態（リーチ演出）が短時間で終了して、図柄変動表示の結果が外れとなる場合も起こり得る。このような場合、リーチ予告の発生によって、これから発生するリーチ状態への期待感や関心を抱いた遊技者にとっては、遊技者自身が抱いた期待度や関心度に反して、短時間の単調なリーチ状態（例えば、ノーマルリーチ）を経て外れの結果が得られることになるので、そのことが原因で、遊技に対する遊技興趣を冷ましてしまう虞がある。

本発明は、従来技術における上述した課題を解決するためになされたものであり、「リーチ予告」の実行によって遊技者の遊技興趣を高めることが可能な弾球遊技機を提供することを目的とする。

上述した課題の少なくとも一部を解決するために、本発明の弾球遊技機は次の構成を採用した。すなわち、
遊技球を検知可能な遊技球検知装置が設けられた遊技盤に遊技球を発射することによって遊技を行うと共に、
前記遊技球検知装置で遊技球が検知されたことを契機として複数の図柄の変動表示を開始した後、該複数の図柄を当り態様の図柄組合せまたは外れ態様の図柄組合せの何れかで停止表示させる変動表示装置と、
前記複数の図柄の中の一つの図柄を除く他の図柄が前記当り態様となる図柄組合せで停止表示し、最後の一つの図柄が変動表示を継続する図柄の表示状態であるリーチ状態を発生させるか否かを判定するために用いられるリーチ判定乱数を、前記遊技球検知装置で遊技球が検知されたことを受けて取得する乱数取得手段と、
前記リーチ状態の態様であるリーチ態様を複数記憶しているリーチ態様記憶手段と、
前記変動表示装置で前記図柄の変動表示が開始される際に、前記リーチ状態を発生させるか否かを前記リーチ判定乱数に基づいて判定すると共に、該リーチ状態を発生させる場合には、複数の前記リーチ態様の中から一のリーチ態様を決定するリーチ態様決定手段と、
前記遊技球検知装置で遊技球が検知されたときに前記変動表示装置で前記図柄が変動表示していた場合には、該変動表示の終了後に新たな変動表示を開始するべく、該遊技球の検知に伴って取得された前記リーチ判定乱数を保留として記憶するとともに、前記保留を複数記憶することが可能な保留記憶手段と、
前記リーチ判定乱数が前記保留として記憶されるに際して、該リーチ判定乱数が前記リーチ状態を発生させる乱数であるか否かを、前記図柄の変動表示に先立って事前に判定する事前判定手段と、
前記保留として記憶された前記リーチ判定乱数が前記リーチ状態を発生させる乱数であると前記事前判定手段によって判定された場合には、該リーチ状態を発生させる保留であるリーチ保留が存在する旨を表すリーチ保留表示を、該リーチ保留に基づく前記図柄の変動表示が開始されるまで行うリーチ保留表示手段と
を備える弾球遊技機において、
前記リーチ態様記憶手段は、複数の前記リーチ態様を、前記保留の数に応じて設けられたリーチ類別の何れかに分類された状態で記憶しており、
前記リーチ態様決定手段は、前記リーチ保留に基づく前記図柄の変動表示の開始時に前記リーチ態様を決定するに際して、その時点での前記保留の数に対応する前記リーチ類別に分類された前記リーチ態様の中から一のリーチ態様を決定しており、
前記リーチ保留表示手段は、前記リーチ保留表示を開始するに際しては、その時点での前記保留の数に対応する前記リーチ類別に応じた態様で前記リーチ保留表示を行い、その後、該リーチ保留表示が行われている状態で前記保留の数が変化した場合には、該リーチ保留表示を、新たな前記保留の数に対応する前記リーチ類別に応じた態様に変更する
ことを特徴とする。

このような構成を有する本発明の弾球遊技機においては、遊技球検知装置で遊技球が検知され、それに伴って取得されたリーチ判定乱数が保留として記憶されると、その保留がリーチ状態を発生させる保留（リーチ保留）であるか否かが事前判定される。ここで、保留として記憶できる乱数の個数、すなわち記憶できる保留の数（保留数）は複数とされる。そして、リーチ保留であると事前判定された場合には、そのリーチ保留に基づいて変動表示装置で図柄の変動表示が開始されるまで、リーチ保留が存在する旨の表示（リーチ保留表示）が行われる。尚、リーチ保留表示は、リーチ保留に基づく図柄の変動表示が開始された後も表示されていても良く、たとえばリーチ状態が実際に発生するまで表示しておいても構わない。また、リーチ保留表示は、必ずしも連続的に表示されている必要はなく、例えば、変動表示装置で図柄の変動表示が開始される際に、あるいは図柄の変動表示中の所定のタイミングで表示されるものであっても構わない。更に、リーチ保留表示は、図柄の変動表示が行われる変動表示装置の画面上で行っても良いし、変動表示装置とは別体に設けられた表示装置やランプなどを用いて行うようにしても良い。ここで、リーチ態様は複数記憶されており、それらリーチ態様は、保留の数に応じて設けられたリーチ類別の何れかに分類されている。尚、リーチ類別とは、リーチ態様（リーチ演出の内容、所謂リーチパターン）の種類を、リーチ状態（リーチ演出）を伴う図柄変動表示の実行時間（図柄変動時間）や、リーチ態様の具体的内容に基づき分けたものを意味する。具体的には、リーチ類別として、ノーマルリーチや、ロングリーチ、スーパーリーチ、スペシャルリーチ、プレミアムリーチなどの種々の類別とすることができる。この場合、ノーマルリーチを伴う図柄変動時間が最も短く設定され、これを基準に、ロングリーチを伴う図柄変動時間、スーパーリーチを伴う図柄変動時間、スペシャルリーチを伴う図柄変動時間、プレミアムリーチを伴う図柄変動時間の順で、図柄変動時間が長く設定されるのが一般的である。また、ノーマルリーチやロングリーチを「普通リーチ類」と称し、スーパーリーチやスペシャルリーチやプレミアムリーチを「特別リーチ類」と称することができ、この「普通リーチ類」や「特別リーチ類」といった分類も可能である。もちろん、図柄変動時間の長短に応じてリーチ類別を設定するだけでなく、例えば、図柄変動時間は同一でリーチ態様が互いに異なる場合のように、リーチ態様の種類（内容）に応じてリーチ類別を設定することもできる。

また、リーチ保留表示は、その開始時点での保留数に対応するリーチ類別に応じた態様で行われる。そして、リーチ保留表示を行った後に対応するリーチ状態が発生するまでの間に新たな保留が発生し（保留数が増加し）、あるいは保留が消化されて（保留数が減少して）保留数が変化した場合には、リーチ保留表示の態様も、新たな保留数に対応するリーチ類別に応じた態様に変更される。そして、リーチ保留表示に応じてリーチ状態が発生する際には、その時の保留数に対応するリーチ類別の中から選択された態様でリーチ状態が発生するようになっている。

こうすれば、リーチ保留が発生すると、その時点での保留数に対応するリーチ類別に応じた態様でリーチ保留表示が行われる。その後、そのリーチ保留表示に対応してリーチ状態が発生するまでの間に保留数が変化すると、リーチ保留表示の態様も、新たな保留数に対応するリーチ類別に応じた態様に変化する。そして、最終的に発生するリーチ状態は、最後に表示されたリーチ保留表示に対応するリーチ類別の中から選択されたリーチ態様で行われることになる。このため遊技者は、リーチ保留が発生してリーチ保留表示が行われると、そのリーチ保留表示の態様を、より望ましいリーチ類別に対応する態様に変更しようとして、遊技に集中することになる。その結果、本発明の弾球遊技機では、リーチ保留表示を行って、単にリーチ状態の発生を予告するだけでなく、リーチ保留表示の態様を、遊技者にとってより望ましい態様に変化させることを狙って遊技を行うという斬新な遊技性を実現することが可能となる。

加えて、実際に発生するリーチ状態の態様（リーチ態様）は、そのリーチ状態を伴う図柄の変動表示が開始される時点での保留の数によって決定されており、この保留の数は、リーチ保留表示が行われてからリーチ状態が発生するまでの間に、遊技者が行った遊技の結果によって決定されるものである。このため、遊技者が、より主体的に遊技に参画するようになるので、その意味からも遊技者の遊技興趣を盛り上げることが可能となる。更に、リーチ保留表示が行われた後も、遊技者は、リーチ保留表示の態様を変更させようとして遊技球を発射することになるので、遊技機の稼働を向上させることも可能となる。

尚、対応付けられた保留数が多いリーチ類別ほど、通常では発生し難いリーチ態様が分類されるようにしても良い。例えば、発生し易いリーチ態様は、小さな保留数に対応付けられたリーチ類別（ノーマルリーチやロングリーチなど）に分類し、発生し難いリーチ態様は、大きな保留数に対応付けられたリーチ類別（スーパーリーチやスペシャルリーチなど）に分類する。こうすれば、リーチ保留表示が行われた後も、遊技者は、実際にリーチ状態が発生するまでの間に、できるだけ保留数を増加させて、通常では発生し難い態様のリーチ状態を発生させようとするので、遊技者の遊技興趣を盛り上げることができる。また、保留数が多くなるほど、珍しい態様のリーチ状態を発生させることができるので、遊技者は、リーチ保留表示が行われた後も、出来るだけ多くの保留を発生させようとして遊技球を発射することになり、その結果、遊技機の稼働を向上させることが可能となる。

また、本発明の弾球遊技機は、次のような態様で把握することも可能である。すなわち、他の態様で把握された本発明の弾球遊技機は、
遊技球を検知可能な遊技球検知装置が設けられた遊技盤に遊技球を発射することによって遊技を行うと共に、
前記遊技球検知装置で遊技球が検知されたことを契機として複数の図柄の変動表示を開始した後、該複数の図柄を当り態様の図柄組合せまたは外れ態様の図柄組合せの何れかで停止表示させる変動表示装置と、
前記複数の図柄の中の一つの図柄を除く他の図柄が前記当り態様となる図柄組合せで停止表示し、最後の一つの図柄が変動表示を継続する図柄の表示状態であるリーチ状態を発生させるか否かを判定するために用いられるリーチ判定乱数を、前記遊技球検知装置で遊技球が検知されたことを受けて取得する乱数取得手段と、
前記リーチ状態の態様であるリーチ態様を複数記憶しているリーチ態様記憶手段と、
前記変動表示装置で前記図柄の変動表示が開始される際に、前記リーチ状態を発生させるか否かを前記リーチ判定乱数に基づいて判定すると共に、該リーチ状態を発生させる場合には、複数の前記リーチ態様の中から一のリーチ態様を決定するリーチ態様決定手段と、
前記遊技球検知装置で遊技球が検知されたときに前記変動表示装置で前記図柄が変動表示していた場合には、該変動表示の終了後に新たな変動表示を開始するべく、該遊技球の検知に伴って取得された前記リーチ判定乱数を保留として記憶するとともに、前記保留を複数記憶することが可能な保留記憶手段と、
前記リーチ判定乱数が前記保留として記憶されるに際して、該リーチ判定乱数が前記リーチ状態を発生させる乱数であるか否かを、前記図柄の変動表示に先立って事前に判定する事前判定手段と、
前記保留として記憶された前記リーチ判定乱数が前記リーチ状態を発生させる乱数であると前記事前判定手段によって判定された場合には、該リーチ状態を発生させる保留であるリーチ保留が存在する旨を表すリーチ保留表示を、該リーチ保留に基づく前記図柄の変動表示が開始されるまで行うリーチ保留表示手段と
を備える弾球遊技機において、
前記リーチ態様記憶手段は、複数の前記リーチ態様を、前記保留の数に応じて設けられたリーチ類別の何れかに分類された状態で記憶しており、
前記リーチ態様決定手段は、前記リーチ保留に基づく前記図柄の変動表示の開始時に前記リーチ態様を決定するに際して、前記リーチ保留の以降に前記保留記憶手段に記憶された前記保留の数に対応する前記リーチ類別を選択し、選択した該リーチ類別に分類されている前記リーチ態様の中から一のリーチ態様を決定しており、
前記リーチ保留表示手段は、前記リーチ保留表示を開始するに際しては、前記保留の数が上限保留数よりも少ない場合に対応する前記リーチ類別を選択して、選択した該リーチ類別に応じた態様で前記リーチ保留表示を行い、その後、該リーチ保留表示が表示されている状態で新たな前記保留が記憶された場合には、該リーチ保留表示を、当該新たに記憶された保留の数に対応する前記リーチ類別に応じた態様に変更する
ことを特徴とする。

このような態様で把握された本発明の弾球遊技機においても、リーチ保留が発生するとリーチ保留表示が行われる。また、複数のリーチ態様は、保留数の多少に応じて設定されたリーチ類別の何れかに分類されている。そして、リーチ保留表示を行うに際しては、初めは保留数が少ない場合に対応するリーチ類別に応じた態様で行う。ここで、「保留数が少ない場合」とは、保留記憶手段が記憶可能な保留の数（上限保留数）よりも少ない場合（上限保留数を下回っている場合）であって、具体的には、保留数が上限保留数の半分以下もしくは半分未満に該当する場合を指す。例えば、上限保留数が「４」であれば、保留数「２」もしくは「１」が「保留数が少ない場合」に該当することとなり、上限保留数が「８」であれば、保留数「４」もしくは「３」以下が「保留数が少ない場合」に該当することとなる。また、「保留数が少ない場合に対応するリーチ類別に応じた態様」としては、ノーマルリーチやロングリーチなどの「普通リーチ類」に含まれるリーチ態様に応じた態様を例示できる。また、「普通リーチ類」に含まれるリーチ態様が複数存在する場合、その複数のリーチ態様のうち「通常時での出現頻度が最も高いリーチ態様」や「遊技者に与える期待感が最も低いリーチ態様」に応じた態様を、ここでいう「保留数が少ない場合に対応するリーチ類別に応じた態様」とすることができる。例えば、「普通リーチ類」に含まれるリーチ態様として「ノーマルリーチ」と「ロングリーチ」が存在する場合、「ノーマルリーチ」に対応するリーチ保留表示の態様を、「保留数が少ない場合に対応するリーチ類別に応じた態様」とすることができる。

上述のようにしてリーチ保留表示を開始した後、リーチ保留表示によるリーチ状態が発生するまでの間に、新たな保留が記憶された場合には、その新たな保留の数を加えた保留数に対応するリーチ類別に応じた態様に、リーチ保留表示の態様を変更する。ここで、変更後のリーチ保留表示の態様としては、スーパーリーチやスペシャルリーチやプレミアムリーチなどの「特別リーチ類」に含まれるリーチ態様に応じた態様を例示できる。また、「普通リーチ類」に含まれるリーチ態様が複数存在する場合、その複数のリーチ態様のうち「通常時での出現頻度が他に比べ低いリーチ態様」や「遊技者に与える期待感が他に比べ高いリーチ態様」に応じた態様を、ここでいう「新たな保留の数を加えた保留数に対応するリーチ類別に応じた態様」とすることができる。例えば、「普通リーチ類」に含まれるリーチ態様として「ノーマルリーチ」と「ロングリーチ」とが存在する場合、「ロングリーチ」に対応するリーチ保留表示の態様を、「新たな保留の数を加えた保留数に対応するリーチ類別に応じた態様」とすることができる。そして、最終的にリーチ状態を発生させる際には、リーチ保留が発生した以降の保留を含めた保留数のリーチ類別を選択し、そのリーチ類別に分類されている態様のリーチ状態を発生させる。

このようにしても、リーチ保留が発生すると、その後に記憶された保留数に応じて、リーチ保留表示の態様が変化する。そして、最終的に発生するリーチ状態は、最後に表示されたリーチ保留表示に対応するリーチ類別の中から選択されたリーチ態様で行われることになる。このため遊技者は、リーチ保留が発生してリーチ保留表示が行われると、そのリーチ保留表示の態様を、より望ましいリーチ類別に対応する態様に変更しようとして、遊技に集中することになる。その結果、上記の態様で把握された本発明の弾球遊技機においても、リーチ保留表示を行って、単にリーチ状態の発生を予告するだけでなく、リーチ保留表示の態様を、遊技者にとってより望ましい態様に変化させることを狙って遊技を行うという斬新な遊技性を実現することが可能となる。

加えて、リーチ保留表示が行われた後も、遊技者が新たな保留を発生させることによって、実際に発生するリーチ態様が変化するので、遊技者に、主体的に遊技に参画している意識を持たせることができ、その意味からも遊技者の遊技興趣を盛り上げることが可能となる。更に、リーチ保留表示が行われた後も、遊技者は、リーチ保留表示の態様を変更させようとして遊技球を発射することになるので、遊技機の稼働を向上させることも可能となる。

また、上述した何れの態様で把握される本発明の弾球遊技機においても、
前記リーチ保留表示手段が前記リーチ保留表示を行っている間、前記変動表示装置で前記図柄の変動表示が開始される頻度を、前記リーチ保留表示手段が前記リーチ保留表示を行っていないときに比べ低くする変動頻度低下手段を備える
こととしてもよい。

前述したように保留は、遊技球検知装置で遊技球が検知されたときに、変動表示装置で直ちには図柄の変動表示を開始できない場合に、その変動表示が終了した後に新たな変動表示を開始するために記憶されるものであるから、変動表示装置で図柄の変動表示が開始される頻度が高ければ、たとえ多数の保留が記憶されている場合でも、すぐに保留が消化されて（保留の数が減少して）いく。従って、リーチ保留が発生した時に、そのリーチ保留表示の態様をより望ましいリーチ類別の態様に変更するために、遊技者が保留の数を増加させても、直ぐに保留の数が減少してしまうので、遊技者の努力は無駄になる。そこで、リーチ保留表示が行われている間は、リーチ保留表示が行われていない間に比べて、変動表示装置で図柄の変動表示が開始される頻度を低くしておけば、遊技者は保留の数を増加させ易くなる。その結果、「リーチ保留表示が行われている間に保留の数を増加させることで、より望ましいリーチ類別の態様に変更することができる」という本発明の弾球遊技機の遊技性を、より一層効果的に発揮させることが可能となる。

尚、リーチ保留表示が行われている間に、変動表示装置で図柄の変動表示が開始される頻度を低くすることは、変動表示が開始された後、次の変動表示が開始されるまでに要する時間を長くすることによって実現することができる。たとえば、図柄が変動表示する時間を長くすれば、結果として次の変動表示が開始されるまでに要する時間を長くすることができる。あるいは、変動表示していた図柄が停止して、その状態（停止状態）を保持する時間を長くすることによっても、次の変動表示が開始されるまでに要する時間を長くすることが可能となる。

上述のように、本願の各請求項に記載の発明によれば、事前判定の結果を利用してリーチ状態の発生を予告することで、遊技者の遊技興趣を高めることが可能な弾球遊技機を実現できる。

本実施例のパチンコ機１の正面図である。 遊技盤１０の盤面構成を示す説明図である。 本実施例のパチンコ機１に搭載された図柄表示装置２８の構成を示す説明図である。 本実施例のパチンコ機１に搭載された演出表示装置２７の画面構成を示す説明図である。 本実施例のパチンコ機１における制御回路の構成を示したブロック図である。 普通図柄の停止表示態様を概念的に示した説明図である。 特別図柄の停止表示態様を概念的に示した説明図である。 演出表示装置２７で図柄変動演出が行われる様子を例示した説明図である。 主制御基板２００のＣＰＵ２０１が遊技の進行を制御するために行う遊技制御処理を示したフローチャートである。 特図保留関連処理を示すフローチャートである。 特別図柄遊技処理の前半部分を示したフローチャートである。 特別図柄遊技処理の後半部分を示したフローチャートである。 特図変動表示処理の前半部分を示したフローチャートである。 特図変動表示処理の後半部分を示したフローチャートである。 大当り判定テーブルを例示した説明図である。 大当り図柄判定テーブルを例示した説明図である。 大当り遊技処理の前半部分を示すフローチャートである。 大当り遊技処理の後半部分を示すフローチャートである。 通常時変動パターン決定処理を示すフローチャートである。 通常時変動パターン決定処理で参照されるリーチなし外れ変動パターンテーブルを例示した説明図である。 リーチ予告中変動パターン決定処理で参照されるリーチなし外れ変動パターンテーブルを例示した説明図である。 予告したリーチの変動パターンを決定する予告リーチ変動パターン決定処理を示すフローチャートである。 予告リーチ外れ変動パターンテーブルを例示した説明図である。 サブ制御基板２２０のＣＰＵ２２１によって実行される遊技演出処理のフローチャートである。 遊技演出処理の中で実行されるリーチ予告関連処理を示すフローチャートである。 特図保留数が「１」の時にリーチ予告ウィンドウ内でリーチ予告が行われる様子を例示した説明図である。 特図保留数が「２」の時にリーチ予告ウィンドウ内でリーチ予告が行われる様子を例示した説明図である。 特図保留数が「３」の時にリーチ予告ウィンドウ内でリーチ予告が行われる様子を例示した説明図である。 特図保留数が「４」の時にリーチ予告ウィンドウ内でリーチ予告が行われる様子を例示した説明図である。 遊技演出処理の中で実行される図柄変動演出処理の前半部分を示すフローチャートである。 遊技演出処理の中で実行される図柄変動演出処理の後半部分を示すフローチャートである。 リーチ予告が終了してリーチ状態を伴う図柄変動が開始される様子を例示した説明図である。 変形例の予告リーチ変動パターン決定処理を示すフローチャートである。 変形例のリーチ予告関連処理を示すフローチャートである。

本発明は、始動口などの遊技球検知装置で遊技球が検知されると乱数を取得することによって抽選を行い、複数の図柄を変動表示させた後に、抽選の結果に対応する当り態様または外れ態様の図柄組合せで停止させるいわゆるデジパチタイプのパチンコ機に適用することができる。例えば、当り態様の図柄組合せが停止表示されると大入賞口を開放させることによって大当り遊技を開始するセブン機タイプのパチンコ機や、複数の図柄が小当り態様の図柄組合せで停止表示されると開閉式の可変入球口が開放して、その可変入球口の内部に設けられた特定領域（Ｖ領域）を遊技球が通過すると大当り遊技が開始される１種２種混合羽根物タイプのパチンコ機などに適用することができる。以下では、本発明を、セブン機と呼ばれるタイプのパチンコ機に適用した実施例について、次の順序に従って説明する。
Ａ．パチンコ機の装置構成：
Ａ−１．装置前面側の構成：
Ａ−２．遊技盤の構成：
Ａ−３．制御回路の構成：
Ｂ．遊技の概要：
Ｃ．パチンコ機の制御内容：
Ｃ−１．遊技制御処理：
Ｃ−１−１．特図保留関連処理：
Ｃ−１−２．特別図柄遊技処理：
Ｃ−１−３．大当り遊技処理：
Ｃ−１−４．通常時変動パターン決定処理：
Ｃ−１−５．リーチ予告中変動パターン決定処理：
Ｃ−１−６．予告リーチ変動パターン決定処理：
Ｃ−２．遊技演出処理：
Ｃ−２−１．リーチ予告関連処理：
Ｃ−２−２．図柄変動演出処理：
Ｄ．変形例：
Ｄ−１．変形例の予告リーチ変動パターン決定処理：
Ｄ−２．変形例のリーチ予告関連処理：

Ａ．パチンコ機の装置構成 ：
Ａ−１．装置前面側の構成 ：
図１は、本実施例のパチンコ機１の正面図である。図１に示すように、パチンコ機１の前面部は、大きくは、前面枠４、上皿部５、下皿部６、遊技盤１０などから構成されている。なお、図１では遊技盤１０の詳細な図示を省略している。前面枠４は、図示しない中枠３に取り付けられており、中枠３は図示しない本体枠２に取り付けられている。中枠３はプラスチック材料で成形されており、本体枠２の内側に取り付けられている。本体枠２は、木製の板状部材を組み立てて構成された略長方形の枠体であり、パチンコ機１の外枠を形成している。前面枠４の一端は、中枠３に対して回動可能に軸支されており、中枠３の一端は本体枠２に対して回動可能に軸支されている。遊技盤１０は、中枠３の前面側に着脱可能に取り付けられており、その前面側が前面枠４で覆われている。前面枠４は、プラスチック材料で成形されており、略中央部には、円形状の開放部４ａが形成されている。この開放部４ａにはガラス板等の透明板がはめ込まれており、奥側に配置される遊技盤１０の盤面が視認可能となっている。また、前面枠４には、遊技効果を高めるための各種ランプ類４ｂ〜４ｄが設けられている。

前面枠４の下方には、上皿部５が設けられており、上皿部５の下方には下皿部６が設けられている。また、前面枠４の右側には施錠装置９が設けられており、前面枠４の左側にはプリペイドカード式の球貸装置１３（ＣＲユニット）が設けられている。上皿部５には、皿状の凹部と、凹部を取り巻くように形成された皿外縁部５ａとが設けられている。遊技球は、上皿部５に形成された凹部に投入されて、発射装置ユニット１２（図５参照）に供給される。また、皿外縁部５ａには、遊技球の球貸スイッチ５ｂ、返却スイッチ５ｃ、投入した遊技球を排出するための排出ボタンなど、各種のボタン類が設けられている。また、上皿５の前面側には、演出ボタンＳＷが設けられている。遊技者は、演出ボタンＳＷを押すことによって、遊技中に行われる演出の進行に自らの意思を反映させることが可能となっている。さらに、上皿部５の略中央部には複数の長孔とその上部に多数の***が形成された第１スピーカ５ｙが設けられている。

下皿部６には、パチンコ機１の内部から遊技球を排出するための排出口６ａが設けられており、排出された遊技球は下皿部６内に貯留される。また、下皿部６の下面の左右には、第２スピーカ６ｃが設けられている。下皿部６の右端には発射ハンドル８が設けられている。発射ハンドル８には、遊技者がハンドルに触れていることを検出するタッチセンサ８ａが設けられている。発射ハンドル８の回転軸は、下皿部６の奥側に搭載された図示しない発射装置ユニット１２に接続されており、遊技者が発射ハンドル８を回転させると、その動きが発射装置ユニット１２に伝達され、ユニットに内蔵された図示しない発射モータが回転して、発射ハンドル８の回転角度に応じた強さで遊技球が発射される。発射ハンドル８の左側面には、遊技者が操作して遊技球の発射を一時的に停止する発射停止スイッチ８ｂが配置されている。

Ａ−２．遊技盤の構成 ：
図２は、遊技盤１０の盤面構成を示す説明図である。前述したように、遊技盤１０は中枠３の前面側に着脱可能に取り付けられている。図２に示すように、遊技盤１０の中央には、外レール１４と内レール１５とによって囲まれた略円形状の遊技領域１１が形成されている。上述した発射装置ユニット１２から発射された遊技球は、外レール１４と内レール１５との間を通って遊技領域１１に放出される。

遊技領域１１の略中央には中央装置２６が設けられている。また、中央装置２６の下方には、始動口１７が設けられている。始動口１７は、左右に一対の翼片部が開閉可能に構成されたいわゆる可変式の始動口である。始動口１７の内部には、始動口１７に入球した遊技球（始動口１７への遊技球の入球）を検出する始動口スイッチ１７ｓ（図５参照）と、一対の翼片部を作動させるための始動口ソレノイド１７ｍ（図５参照）とが備えられている。一対の翼片部が左右に開くと、遊技球の入球可能性が大きくなる開放状態となり、一対の翼片部が直立すると、遊技球の入球可能性が小さくなる通常状態となる。尚、本実施例では、始動口１７の内部に設けられた始動口スイッチ１７ｓが、本発明における「遊技球検知装置」に対応する。

中央装置２６は、主に、装飾用のセンター役物２６と、このセンター役物２６によって囲まれた状態で設けられる演出表示装置２７とから構成されている。演出表示装置２７は、液晶表示器によって構成されており、後述の図柄表示装置２８における特別図柄の変動表示に付随する図柄変動演出を行うことが可能となっている。この図柄変動演出は、主に、識別図柄や背景図柄などの種々の演出用図柄を変動表示および停止表示させることによって実現される。演出表示装置２７の表示画面上で表示される演出用図柄については後述する。中央装置２６の左下には、図柄表示装置２８が設けられている。詳細な構成については後述するが、図柄表示装置２８では普通図柄や特別図柄などを変動表示および停止表示することが可能となっている。

遊技領域１１の左部には、普通図柄作動ゲート３６が設けられており、このゲートの内部には、普通図柄作動ゲート３６を通過する遊技球（普通図柄作動ゲート３６を遊技球が通過したこと）を検出するゲートスイッチ３６ｓ（図５参照）が設けられている。更に、普通図柄作動ゲート３６と中央装置２６との間には、ランプ風車２４が設けられている。これら各遊技装置の間および周辺には、多数の障害釘２３が設けられている。

始動口１７の下方には大入賞装置３１が設けられている。この大入賞装置３１は、略長方形状に大きく開放する大入賞口３１ｄや、大入賞口３１ｄを開閉するための開閉扉３１ｅ、開閉扉３１ｅを作動させるための大入賞口ソレノイド３１ｍ（図５参照）などから構成されている。後述する所定の条件が成立して開閉扉３１ｅが開動作することで、大入賞口３１ｄは開放状態となり、この結果、遊技球が高い確率で大入賞口３１ｄに入球することとなって、遊技者にとって有利な遊技である大当り遊技が開始される。また、大入賞口３１ｄの内部には、大入賞口スイッチ３１ｓ（図５参照）が設けられており、大入賞口３１ｄに入球した遊技球（大入賞口３１ｄへの遊技球の入球）を検出することが可能となっている。

大入賞装置３１の下方にはアウト口４８が設けられ、そのアウト口４８の下方には、バック球防止部材５８が設けられている。バック球防止部材５８は、遊技領域１１に到達せず戻ってきた遊技球が再び発射位置に戻ることを防止する機能を有している。

図３は、本実施例のパチンコ機１に搭載された図柄表示装置２８の構成を示す説明図である。図示されているように、本実施例の図柄表示装置２８は、略矩形の領域内に１２個の小さな発光ダイオード（ＬＥＤ）が組み込まれて構成されている。これら１２個のＬＥＤのうちの、最上段の３個のＬＥＤは普通図柄表示部２９を構成しており、残りの９個のＬＥＤは特別図柄表示部３０を構成している。更に、普通図柄表示部２９は、普通図柄を表示するための１個のＬＥＤ（以下、普通図柄ＬＥＤ２９ａと呼ぶ）と、普通図柄の保留数を表示するための２個のＬＥＤ（以下、普図保留表示ＬＥＤ２９ｂと呼ぶ）とから構成されている。また、特別図柄表示部３０は、特別図柄を表示するための７個のＬＥＤ（以下、特別図柄ＬＥＤ３０ａと呼ぶ）と、特別図柄の保留数を表示するための２個のＬＥＤ（以下、特図保留表示ＬＥＤ３０ｂと呼ぶ）とから構成されている。本実施例の図柄表示装置２８が、これら１２個のＬＥＤを用いて、普通図柄や、普通図柄の保留数、特別図柄、特別図柄の保留数を表示する様子については後述する。

図４は、本実施例のパチンコ機１に搭載された演出表示装置２７の画面構成を示す説明図である。前述したように、演出表示装置２７は、液晶表示器によって構成されており、その表示画面上には、演出表示用の図柄（演出用図柄）として、３つの識別図柄２７ａ，２７ｂ，２７ｃと、その背景画面を構成する背景図柄２７ｄとが表示されている。このうち、３つの識別図柄２７ａ，２７ｂ，２７ｃは、図３に示した特別図柄表示部３０における特別図柄の変動表示に合わせて種々の態様で変動表示した後、特別図柄の停止表示に合わせて停止表示することで、図柄変動演出を行う。そして、図柄変動演出の結果として停止表示された表示態様（当り態様または外れ態様）によって、遊技者は、大当り遊技が開始されるか否かを認識することが可能となっている。更に、演出表示装置２７の液晶画面の下方には、特図保留数を遊技者に報知するための保留表示図柄２７ｅも表示されている。保留表示図柄２７ｅは、特図保留が記憶される度に、特図保留を示す図形（図中では円形の図形）が点灯表示されることによって特図保留数が表示される。図４では、保留表示図柄２７ｅは円形の図形として表示されており、この図形に斜線を付すことによって、保留表示図柄２７ｅが点灯表示されていることを表している。また、細い破線で表された円形の図形は、点灯表示されていない（消灯されている）ことを示している。特図保留が記憶されていない場合には、全ての円形の図形（保留表示図柄２７ｅ）が消灯表示されており、特図保留が発生する度に、左側の保留表示図柄２７ｅから点灯表示されていく。また、特図保留が消化されると、点灯表示されていた中の右端にある保留表示図柄２７ｅが消灯される。その結果、点灯表示されている保留表示図柄２７ｅの数によって、特図保留数を表示することができる。図４に示した例は、特図保留数が「２」である場合に該当する。

Ａ−３．制御回路の構成 ：
図５は、本実施例のパチンコ機１における制御回路の構成を示したブロック図である。図示されているようにパチンコ機１の制御回路は、多くの制御基板や、各種基板などから構成されているが、その機能に着目すると、遊技の基本的な進行や賞球に関わる当否についての制御を司る主制御基板２００と、演出用図柄やランプや効果音を用いた遊技の演出の制御を司るサブ制御基板２２０と、サブ制御基板２２０からの指示に従って演出表示装置２７の具体的な表示制御を行う演出制御基板２３０と、貸球や賞球を払い出す動作の制御を司る払出制御基板２４０と、遊技球の発射に関する制御を司る発射制御基板２６０などから構成されている。これら制御基板は、各種論理演算および算出演算を実行するＣＰＵや、ＣＰＵで実行される各種プログラムやデータが記憶されているＲＯＭ、プログラムの実行に際してＣＰＵが一時的なデータを記憶するＲＡＭなど、種々の周辺ＬＳＩがバスで相互に接続されて構成されている。また、図５中に示した矢印の向きは、データあるいは信号の入出力方向（送受信方向）を表している。尚、図５では、主制御基板２００に搭載されたＣＰＵ２０１、ＲＯＭ２０２、ＲＡＭ２０３や、サブ制御基板２２０に搭載されたＣＰＵ２２１、ＲＯＭ２２２、ＲＡＭ２２３、および演出制御基板２３０に搭載されたＣＰＵ２３１、ＲＯＭ２３２、ＲＡＭ２３３のみが図示されている。

図示されているように主制御基板２００にはＣＰＵ２０１が搭載されており、このＣＰＵ２０１は、始動口スイッチ１７ｓや、大入賞口スイッチ３１ｓ、ゲートスイッチ３６ｓなどから遊技球の検出信号を受け取って、遊技の基本的な進行や賞球に関わる当否を決定した後、サブ制御基板２２０や、払出制御基板２４０、発射制御基板２６０などに向かって、各種の動作を指令するコマンドを送信する。また、主制御基板２００には、始動口１７に設けられた一対の翼片部を開閉させるための始動口ソレノイド１７ｍや、大入賞口３１ｄを開閉させるための大入賞口ソレノイド３１ｍ、更には、普通図柄や特別図柄の変動停止表示を行う図柄表示装置２８などが接続されており、各種ソレノイド１７ｍ，３１ｍ、および図柄表示装置２８に向かって動作信号を送信することにより、これらの動作の制御も行っている。

サブ制御基板２２０に搭載されているＣＰＵ２２１は、主制御基板２００からの各種コマンドを受け取ると、コマンドの内容を解析して、その結果に応じた遊技の演出を実行するための制御を行う。すなわち、前述した演出表示装置２７の表示制御を行う演出制御基板２３０に対して表示内容を指定するコマンドを送信したり、各種のスピーカ５ｙ、６ｃを駆動するアンプ基板２２４、装飾用の各種ＬＥＤやランプを駆動する装飾駆動基板２２６に駆動信号を送信する。

演出制御基板２３０は、ＣＰＵ２３１、ＲＯＭ２３２、ＲＡＭ２３３に加えて、画像ＲＯＭ２３４やＶＤＰ（図示せず）を備えている。そして、演出制御基板２３０のＣＰＵ２３１は、サブ制御基板２２０からの制御コマンド（表示制御コマンド）を受信すると、その受信したコマンドに対応する制御プログラムをＲＯＭ２３２から読み出して、ＲＡＭ２３３をワークエリアとして用いながら、演出画像を演出表示装置２７の表示画面に表示するための制御を行う。画像ＲＯＭ２３４には、図柄変動演出や大当り遊技演出など種々の遊技演出に対応する演出画像のデータが格納されている。

払出制御基板２４０は、いわゆる貸球や賞球の払い出しに関する各種の制御を司っている。例えば、遊技者が前述した上皿部５に設けられた球貸スイッチ５ｂや返却スイッチ５ｃを操作すると、その信号は、払出制御基板２４０を介して球貸装置１３に伝達される。球貸装置１３は、払出制御基板２４０とデータを送受信しながら、貸球の払い出しを行う。また、主制御基板２００が賞球の払出コマンドを送信すると、このコマンドを払出制御基板２４０が受け取って、払出モータ１０９ｍに駆動信号を送信することによって賞球の払い出しが行われる。加えて、払出制御基板２４０は、主制御基板２００からの制御の下で、遊技球の発射を許可する信号（発射許可信号）を発射制御基板２６０に向かって送信しており、発射制御基板２６０は、この発射許可信号を受けて、遊技球を発射するための各種制御を行っている。

Ｂ．遊技の概要 ：
次に、上述した構成を有する本実施例のパチンコ機１で行われる遊技の概要について簡単に説明しておく。本実施例のパチンコ機１では、次のようにして遊技が行われる。先ず、遊技者が上皿部５の凹部に遊技球を投入して発射ハンドル８を回転させると、上皿部５に投入された遊技球が、１球ずつ発射装置ユニット１２に供給されて、図２を用いて前述した遊技領域１１に発射される。遊技球を打ち出す強さは、発射ハンドル８の回転角度によって調整することが可能となっており、遊技者は発射ハンドル８の回転角度を変化させることによって、発射位置の狙いを付けることができる。

発射した遊技球が、遊技領域１１の左側に設けられた普通図柄作動ゲート３６を通過すると、中央装置２６の左下方に設けられた図柄表示装置２８において普通図柄の変動表示が開始される。図３を用いて前述したように、図柄表示装置２８には普通図柄表示部２９が設けられており、普通図柄表示部２９には、普通図柄ＬＥＤ２９ａおよび普図保留表示ＬＥＤ２９ｂが搭載されている。このうち、普通図柄ＬＥＤ２９ａを用いて普通図柄の変動表示を行う。

図６（ａ）は、普通図柄が変動表示している様子を概念的に示した説明図である。本実施例のパチンコ機１では、普通図柄ＬＥＤ２９ａの点滅を繰り返すことによって、普通図柄の変動表示を行う。図では、普通図柄ＬＥＤ２９ａが点灯している状態を放射状の実線で表し、消灯している状態を破線で表している。そして、点滅している普通図柄ＬＥＤ２９ａが点灯状態で停止した場合には、普通図柄の当りとなって、始動口１７が所定時間（例えば０．５秒間）だけ開放状態となる。逆に、消灯状態で停止した場合には普通図柄の外れとなって、始動口１７が開放することはない。また、普通図柄の変動表示中に遊技球が普通図柄作動ゲート３６を通過した場合は、この遊技球の通過が保留として主制御基板２００のＲＡＭ２０３に記憶され、現在の普通図柄の変動表示が終了した後に、変動表示が行われる。普通図柄の保留は最大４個まで記憶することが可能となっており、記憶されている普通図柄の保留数は、普図保留表示ＬＥＤ２９ｂによって表示される。

図６（ｂ）は、図柄表示装置２８に設けられた普図保留表示ＬＥＤ２９ｂによって普通図柄の保留数が表示される様子を示した説明図である。普通図柄の保留が無い場合（すなわち、保留が０個の場合）は、２個の普図保留表示ＬＥＤ２９ｂは何れも消灯している。保留が１個の場合は、向かって左側の普図保留表示ＬＥＤ２９ｂは消灯したままで、右側の普図保留表示ＬＥＤ２９ｂが点灯する。保留が２個になると、今度は、右側の普図保留表示ＬＥＤ２９ｂに加えて左側の普図保留表示ＬＥＤ２９ｂが点灯する。次いで、保留が３個になると、右側の普図保留表示ＬＥＤ２９ｂが点滅し、左側の普図保留表示ＬＥＤ２９ｂが点灯する。更に保留が増加して上限値である４個になると、左右の普図保留表示ＬＥＤ２９ｂが点滅した状態となる。このように普通図柄表示部２９では、２個の普図保留表示ＬＥＤ２９ｂを点灯、消灯、あるいは点滅させることによって、０個から４個までの保留数を表示することが可能となっている。

また、図３を用いて前述したように、図柄表示装置２８には、特別図柄表示部３０が設けられており、特別図柄を変動表示可能となっている。特別図柄は、始動口１７に遊技球が入球し、その遊技球を始動口スイッチ１７ｓが検出することで変動表示を開始し、その後、以下に説明する何れかの図柄で停止表示するようになっている。

図７は、特別図柄の停止表示態様を概念的に示した説明図である。図３を用いて前述したように、特別図柄表示部３０には、７個のＬＥＤからなる特別図柄ＬＥＤ３０ａが設けられており、これらを点灯させることによって特別図柄を表示する。図７に示されているように、本実施例のパチンコ機１では、特別図柄の停止表示態様として、６通りの表示態様が設けられている。また、これら６通りの停止表示態様は大きく３種類に分類されている。先ず、図中の上段に示した２つの停止表示態様は「通常大当り図柄」に相当する。また、中段に示した２つの停止表示態様は「確変大当り図柄」に相当する。更に、下段に示した２つの停止表示態様は「外れ図柄」に相当する。

特別図柄表示部３０では、７個のＬＥＤ（特別図柄ＬＥＤ３０ａ）を所定時間にわたって点滅させることによって特別図柄の変動表示を行い、所定時間が経過すると、いずれかの停止表示態様に従って停止表示される。そして、「通常大当り図柄」または「確変大当り図柄」の何れかの図柄（大当り図柄）が停止表示された場合には、通常時は閉鎖状態となっている大入賞口３１ｄが開放状態となって大当り遊技が開始される。大当り遊技で開放状態となった大入賞口３１ｄは、所定の開放時間が経過するか、あるいは規定数の遊技球が入球すると一旦閉鎖状態に戻るが、所定の閉鎖時間が経過すると再び開放状態となる。大入賞口３１ｄが開放してから閉鎖するまでの遊技は、「ラウンド遊技（あるいは単にラウンド）」と呼ばれ、こうしたラウンドを繰り返して、所定回数のラウンドを消化したら大当り遊技が終了する。

また、停止表示された特別図柄が、「確変大当り図柄」であった場合には、大当り遊技が終了した後、所定の条件が成立するまで（例えば、次の大当り遊技が発生するまで、あるいは特別図柄の変動表示が所定回数行われるまで等）、特別図柄が通常大当り図柄または確変大当り図柄で停止表示する確率を高確率にする機能（確変機能）が作動した状態（いわゆる、確率変動状態、あるいは単に確変状態）となる。

始動口１７に遊技球が入球したにも拘わらず、特別図柄の変動表示を開始できない場合（例えば、特別図柄が変動表示中であった場合、あるいは大当り遊技中であった場合など）であっても、始動口１７に遊技球が入球したことは、特別図柄の保留として主制御基板２００のＲＡＭ２０３に記憶される。そして、特別図柄の変動表示が可能になった時点で、記憶されていた保留を使って、変動表示を行うことが可能となっている。この記憶されている特別図柄の保留数については、特図保留表示ＬＥＤ３０ｂによって表示される。特図保留表示ＬＥＤ３０ｂを用いて特別図柄の保留数を表示する態様は、図６（ｂ）に示した普図保留表示ＬＥＤ２９ｂの場合と全く同様であるため、ここでは説明を省略する。

上述した特別図柄の変動表示および停止表示に合わせて、演出表示装置２７では３つの識別図柄２７ａ，２７ｂ，２７ｃを変動表示および停止表示させることで、図柄変動演出が行われる。尚、本実施例では、演出表示装置２７の画面上で変動表示される３つの識別図柄２７ａ，２７ｂ，２７ｃのそれぞれが、本発明における「図柄」に対応しており、これら３つの識別図柄２７ａ，２７ｂ，２７ｃを変動表示させる演出表示装置２７が、本発明における「変動表示装置」に対応する。

図８は、演出表示装置２７で図柄変動演出が行われる様子を例示した説明図である。図４を用いて前述したように、演出表示装置２７を構成する液晶表示器の表示画面上には、３つの識別図柄２７ａ，２７ｂ，２７ｃが表示されている。前述した特別図柄ＬＥＤ３０ａで特別図柄の変動表示が開始されると、演出表示装置２７においても、これら３つの識別図柄２７ａ，２７ｂ，２７ｃが一斉に変動表示を開始する。本実施例では、識別図柄として「１」〜「９」までの９つの数字を意匠化した図柄が用意されている。なお、識別図柄は、数字以外にも、文字、図形、記号等を意匠化した図柄であってもよく、遊技者が特別図柄の大当り抽選の結果を識別できる形態であればよい。

図８（ａ）には、３つの識別図柄２７ａ，２７ｂ，２７ｃが一斉に変動表示している様子が概念的に示されている。変動表示が開始された後、所定時間が経過すると、初めに、１つめの識別図柄（例えば左識別図柄２７ａ）が「１」〜「９」のいずれかの図柄で停止表示され、次に、２つめの識別図柄（例えば右識別図柄２７ｃ）が停止表示され、最後に、残った３つめの識別図柄（例えば中識別図柄２７ｂ）が停止表示される。演出表示装置２７で停止表示されるこれら３つの識別図柄２７ａ，２７ｂ，２７ｃの図柄組合せ（停止表示態様）は、前述した特別図柄ＬＥＤ３０ａで停止表示される特別図柄の停止表示態様と連動するように構成されている。たとえば、特別図柄が「通常大当り図柄」または「確変大当り図柄」で停止する場合は、３つの識別図柄２７ａ，２７ｂ，２７ｃが同じ図柄で停止表示される。特に、特別図柄が「確変大当り図柄」で停止する場合は、３つの識別図柄２７ａ，２７ｂ，２７ｃが、奇数を表す同じ図柄（「７−７−７」等）で停止表示され、「通常大当り図柄」で停止する場合は、３つの識別図柄２７ａ，２７ｂ，２７ｃが、偶数を表す同じ図柄（「４−４−４」等）で停止表示される。これに対して、特別図柄が「外れ図柄」で停止する場合は、３つの識別図柄２７ａ，２７ｂ，２７ｃが同じ図柄で揃わない外れ図柄で停止表示される。

このように、特別図柄ＬＥＤ３０ａで表示される特別図柄と、演出表示装置２７で表示される３つの識別図柄２７ａ，２７ｂ，２７ｃとは、表示内容が互いに対応しており、それぞれの表示図柄が確定する（停止表示される）タイミングも同じに設定されている。しかも、図２に示すように、演出表示装置２７は、特別図柄ＬＥＤ３０ａよりも目に付き易い遊技盤１０（遊技領域１１）の略中央に設けられており、表示画面も大きく、表示内容も分かり易いので、遊技者は演出表示装置２７の画面を見ながら遊技を行うことが通常である。従って、図８（ｂ）に示すように、演出表示装置２７の表示画面上で初めに停止表示される識別図柄（例えば左識別図柄２７ａ）と、続いて停止表示される識別図柄（例えば右識別図柄２７ｃ）とが同じ図柄であった場合には、最後に停止表示される識別図柄（例えば中識別図柄２７ｂ）も同じ図柄で停止して、いわゆる大当り遊技が開始されるのではないかと、遊技者は識別図柄の変動を注視することになる。このように、２つの識別図柄を同じ図柄（大当り図柄となり得る態様）で停止した状態で、最後の識別図柄を変動表示させている表示状態は、リーチ状態と呼ばれており、リーチ状態を発生させることで遊技者の興趣を高めることが可能となっている。

Ｃ．パチンコ機の制御内容 ：
以下では、上述した遊技を実現するために、本実施例のパチンコ機１が行っている制御内容について詳しく説明する。

Ｃ−１．遊技制御処理 ：
図９は、本実施例のパチンコ機１において、主制御基板２００のＣＰＵ２０１が、遊技の進行を制御するために行う遊技制御処理の大まかな流れを示したフローチャートである。図示されているように、遊技制御処理では、賞球関連処理、普通図柄遊技処理、始動口復帰処理、特図保留関連処理、特別図柄遊技処理、大当り遊技処理などの各処理が繰り返し実行されている。一周の処理に要する時間は、ほぼ４ｍｓｅｃとなっており、従って、これら各種の処理は約４ｍｓｅｃ毎に繰り返し実行されることになる。そして、これら各処理中で、サブ制御基板２２０を初めとする各種制御基板に向けて、主制御基板２００から各種コマンドを送信する。こうすることにより、パチンコ機１全体の遊技が進行するとともに、サブ制御基板２２０では、遊技の進行に合わせた演出の制御が行われることになる。以下、フローチャートに従って、主制御基板２００のＣＰＵ２０１が行う遊技制御処理について説明する。

主制御基板２００のＣＰＵ２０１は、遊技制御処理を開始すると、遊技球を賞球として払い出すための処理（賞球関連処理）を行う（Ｓ５０）。この処理では、主制御基板２００に接続された各種スイッチの中で、遊技球の入賞に関わるスイッチ（始動口スイッチ１７ｓ、大入賞口スイッチ３１ｓなど）について、遊技球が入球したか否かを検出する。そして、遊技球の入球が検出された場合には、払い出すべき賞球数を算出した後、払出制御基板２４０に向かって賞球数指定コマンドを送信する処理を行う。払出制御基板２４０は、主制御基板２００から送信された賞球数指定コマンドを受け取るとコマンドの内容を解釈し、その結果に従って、払出装置１０９に搭載された払出モータ１０９ｍに駆動信号を送信することにより、実際に賞球を払い出す処理を行う。

主制御基板２００のＣＰＵ２０１は、賞球に関連する処理を行うと（Ｓ５０）、今度は、普通図柄遊技処理を行うか否か、すなわち普通図柄の変動停止表示を行うか否かを判断する（Ｓ１００）。この判断は、始動口１７が開放中であるか否かを検出することによって行う。始動口１７が開放中でなければ普通図柄遊技処理を行うものと判断し（Ｓ１００：ｙｅｓ）、始動口１７が開放中であれば普通図柄遊技処理は行わないものと判断する（Ｓ１００：ｎｏ）。そして、普通図柄遊技処理を行う（始動口１７が開放中でない）と判断した場合は（Ｓ１００：ｙｅｓ）、以下に説明する普通図柄遊技処理を行う（Ｓ１５０）。一方、普通図柄遊技処理を行わない（始動口１７が開放中である）と判断した場合は（Ｓ１００：ｎｏ）、普通図柄遊技処理（Ｓ１５０）はスキップし、開放中の始動口１７を通常状態に復帰させるための後述する始動口復帰処理（Ｓ２００）に移行する。

普通図柄遊技処理（Ｓ１５０）では、次のような処理を行う。先ず、普通図柄の保留が存在するか否か（保留数が「０」であるか否か）を判断し、保留が存在する場合には普通図柄の当り抽選（普通図柄抽選）を行う。前述したように、普通図柄の保留は、遊技球が普通図柄作動ゲート３６を通過することにより設定されるものであり、本実施例では、その保留数の上限値は「４」となっている。そして、普通図柄抽選の結果に応じて、普通図柄を当り図柄または外れ図柄（図６（ａ）参照）の何れで停止表示させるかを決定する。続いて、普通図柄の変動表示時間を設定した後、普通図柄の変動表示を開始する。そして変動表示時間が経過すると、決定しておいた図柄で普通図柄を停止表示させ、このときに、普通図柄が当り図柄で停止表示された場合には、始動口１７を開放させる。

以上のようにして普通図柄遊技処理を終了したら、始動口復帰処理（Ｓ２００）を行う。この始動口復帰処理（Ｓ２００）は、始動口１７が開放状態にある場合（開放中である場合）に行われるもので、始動口１７が開放状態にない場合（通常状態にある場合）は、そのまま処理を終了して次の特図保留関連処理（Ｓ３００）に移行する。これに対して、始動口１７が開放状態にある場合には、始動口復帰処理（Ｓ２００）では、始動口１７の開放時間が経過したか、若しくは、始動口１７に規定数の遊技球が入球したかの何れかの条件が成立した場合に、開放状態になっている始動口１７を通常状態に復帰させる処理を行う。尚、始動口１７の開放時間は、通常の遊技状態では約０．５秒間に設定されているが、後述する開放延長機能が作動すると約５秒間に延長される。一方、始動口１７の開放時間が経過しておらず、始動口１７への入球数も規定数に達していない場合は、始動口１７を開放させたまま、始動口復帰処理（Ｓ２００）を終了する。遊技制御処理では、始動口復帰処理（Ｓ２００）から復帰すると、続いて、以下に説明する特図保留関連処理を開始する（Ｓ３００）。

Ｃ−１−１．特図保留関連処理 ：
図１０は、特図保留関連処理を示すフローチャートである。特図保留関連処理では、先ず初めに、始動口１７に遊技球が入球したか否かを判断する（Ｓ３０２）。その結果、始動口１７に遊技球が入球していた場合は（Ｓ３０２：ｙｅｓ）、特別図柄の保留数（特図保留数）が上限値（本実施例では「４」）に達しているか否かを判断する（Ｓ３０４）。そして、特図保留数が上限値に達していなければ（Ｓ３０４：ｎｏ）、特別図柄の判定乱数を取得して、主制御基板２００に搭載されたＲＡＭ２０３に記憶する（Ｓ３０６）。ここで、特別図柄の判定乱数としては、後述する大当り判定を行うために用いられる大当り判定乱数や、図柄表示装置２８で停止表示する大当り図柄を判定するために用いられる大当り図柄判定乱数や、演出表示装置２７でリーチ演出を行うか否かを判定するためのリーチ判定乱数などの複数の乱数を取得する。こうして取得された判定乱数は、特別図柄の保留（特図保留）として主制御基板２００に搭載されたＲＡＭ２０３に記憶される。また、取得した判定乱数を特図保留として記憶したら、特別図柄の保留数（特図保留数）に「１」を加算する（Ｓ３０８）。

尚、始動口１７に入球した遊技球が始動口スイッチ１７ｓで検知されると、リーチ判定乱数などの判定乱数を取得する処理は、主制御基板２００のＣＰＵ２０１が特図保留関連処理を実行することによって行われている。従って、本発明においては、主制御基板２００のＣＰＵ２０１が、本発明における「乱数取得手段」に対応する。また、取得された判定乱数は、上述したように特別図柄の保留として記憶されるが、本実施例では特別図柄の保留の他に、普通図柄についての保留も存在する。これら２種類の保留の中の特別図柄の保留が、本発明における「保留」に対応する。そして、この特別図柄の保留を記憶する処理は、主制御基板２００のＣＰＵ２０１が特図保留関連処理を実行する中で行われている。従って、本実施例の主制御基板２００のＣＰＵ２０１は、本発明における「保留記憶手段」にも対応する。

続いて、取得した判定乱数（大当り判定乱数、大当り図柄判定乱数、あるいはリーチ判定乱数など）についての事前判定を行う（Ｓ３１０）。これは次のような処理である。先ず、後述する特別図柄遊技処理では、図柄表示装置２８で特別図柄の変動表示を開始した後、図７に示した何れかの図柄で停止表示させる処理が行われる。このとき、特別図柄を大当り図柄または外れ図柄の何れで停止表示させるのか、換言すれば、大当り判定で大当りと判定するのか、外れと判定するのかは、特別図柄の保留として記憶されている大当り判定乱数に基づいて決定される。詳細については、後述する特別図柄遊技処理の中で説明するが、大当りと判定するための乱数値（大当り乱数値）が予め設定されており、保留として記憶されている大当り判定乱数が、大当り乱数値に該当していれば大当りと判定する。また、大当り判定の結果が大当りであれば、図柄表示装置２８の特別図柄は、図７に示した４つの大当り図柄の何れかで停止表示することになるが、このとき、何れの図柄で停止表示させるのかについても、大当り図柄判定乱数の乱数値に従って判定される。更に、特別図柄が変動表示している間に、演出表示装置２７ではリーチ状態が発生することがあるが、特別図柄の変動表示の態様を、リーチ状態を伴う態様とするか否かについても、リーチ判定乱数に従って判定される。

このように、後述する特別図柄遊技処理では、特別図柄の保留として記憶された判定乱数（大当り判定乱数、大当り図柄判定乱数、リーチ判定乱数など）の乱数値に従って、各種の事柄（例えば大当り判定の判定結果や、特別図柄の変動表示態様をリーチ状態を伴う態様とするか否かや、大当り図柄など）が判定される。しかし、こうした判定は、特図保留関連処理で保留として記憶された判定乱数に従って行われるから、特別図柄遊技処理の中で判定するに先立って、特図保留関連処理の中でも同様な判定を事前に行うことが可能である。特図保留関連処理の中で行われる事前判定とは、このように判定乱数として取得した各種乱数の乱数値に従って、例えば大当りと判定されるか否か、あるいはどの大当り図柄で停止表示させると判定されるかといったことについて、判定乱数の取得時点で予め判定しておくことを言う。尚、本実施例の事前判定（図１０のＳ３１０）では、大当り判定の結果が大当りであるか否か、および特別図柄の変動表示が、演出表示装置２７でのリーチ状態を伴う態様で行われるか否かについて判定するものとする。また、上述した事前判定は、主制御基板２００のＣＰＵ２０１が特図保留関連処理を実行することによって行われている。従って、本発明においては、主制御基板２００のＣＰＵ２０１が、本発明における「事前判定手段」に対応する。

こうして、保留として記憶された判定乱数の事前判定を行ったら、今度は、リーチ予告フラグがＯＮに設定されているか否かを判断する（Ｓ３１２）。ここで、リーチ予告フラグとは、リーチ予告が行われることを示すフラグである。尚、後述するように、本実施例ではリーチ予告が行われると、予告されたリーチ状態が発生するまで、リーチ予告が継続されるようになっている。従って、本実施例のリーチ予告フラグは、リーチ予告が行われることを示すフラグであると同時に、リーチ予告が継続されていることを示すフラグともなっている。リーチ予告フラグは、主制御基板２００に搭載されたＲＡＭ２０３の所定アドレスに割り当てられている。また、リーチ予告とは、演出表示装置２７の画面上でリーチ状態を伴う識別図柄２７ａ，２７ｂ，２７ｃの変動表示が行われることを、遊技者に予め報知するための演出である。リーチ予告は、演出表示装置２７の画面上に所定の画像を表示したり、効果音を発生させたりするなど、種々の態様で行うことができるが、本実施例では、演出表示装置２７の画面上に所定の画像を表示することによってリーチ予告を行う。リーチ予告の詳細については後述する。

リーチ予告フラグがＯＮに設定されていない場合は（Ｓ３１２：ｎｏ）、現時点では、リーチ予告は行われていないことを示している。そこで今度は、リーチ予告を行うか否かを判断する（Ｓ３１４）。ここで、本実施例では、リーチ予告を行うに際して、まず、現在の特図保留数、すわなちＳ３０８の処理で加算した後の特図保留数が「２」〜「４」のいずれかであること（つまり、「２」以上であること）、もしくは、現在の特図保留数（Ｓ３０８の処理で加算した後の特図保留数）が「１」であって特別図柄が変動表示中であること、のいずれかの条件（リーチ予告実行前提条件）を満たしている必要がある。これらの条件をＳ３１４の処理の段階で満たしていない場合には、リーチ予告を行わないものと判断して（Ｓ３１４：ｎｏ）、リーチ予告フラグをＯＮに設定したり（Ｓ３１６）、予告保留消化カウンタの値を設定したりする処理（Ｓ３１８）を行うことなく、Ｓ３１９の処理に移行する。

一方、上述のリーチ予告実行前提条件を満たしている場合には、さらに、リーチ予告を行うか否かの判断を次のようにして行う。先ず、保留として取得されたリーチ判定乱数の乱数値が、先の事前判定（Ｓ３１０）で、リーチ状態を発生させる乱数値と判定されているか否かを判断する。そして、リーチ状態を発生させる乱数値であった場合（すなわち、保留が「リーチ保留」であった場合）には、リーチ予告を行うか否かを決定するための新たな乱数（リーチ予告決定用乱数）を取得して、その乱数値が予め定めておいた当りの乱数値であるか否かを判断し、当りの乱数値であった場合には、リーチ予告を行うものと判断する。

尚、上述のリーチ予告実行前提条件を満たしている場合に行われる「リーチ予告を行うか否かの判断」は、このような方法に限らず、種々の方法で行うことが可能である。例えば、保留として取得されたリーチ判定乱数がリーチ状態を発生させる乱数値の中の特定の乱数値であった場合に、リーチ予告を行うものと判断しても良い。

あるいは、次のようにしても良い。先ず、上述した説明では、保留がリーチ保留であった場合（取得されたリーチ判定乱数が、リーチ状態を発生させる乱数値であった場合）に、新たな乱数（リーチ予告決定用乱数）を取得してリーチ予告を行うか否かを判断するものとした。従って、リーチ予告を行うか否かの判断は、記憶された保留がリーチ保留であった場合にだけ行われることになる。これに対して、リーチ保留が発生したら、そのリーチ保留が保留として記憶されている間は、新たな保留が発生する度に、リーチ予告を行うか否かの判断を行うようにしても良い。

リーチ予告を行うか否かを判断した結果、リーチ予告を行うものと判断した場合は（Ｓ３１４：ｙｅｓ）、リーチ予告フラグをＯＮに設定する（Ｓ３１６）。ここでリーチ予告フラグとは、前述したように、リーチ予告を行うことを示すフラグである。続いて、予告保留消化カウンタに、現在の特図保留数を設定する（Ｓ３１８）。予告保留消化カウンタとは、リーチ予告に従ってリーチ状態が発生するタイミングを示すカウンタである。例えば、判定乱数が取得されて（Ｓ３０６）、特図保留数に「１」が加算された結果（Ｓ３０８）、特図保留数が「３」になったものとする。そして、その保留について事前判定が行われ（Ｓ３１０）、リーチ予告を行うものと判断された（Ｓ３１４：ｙｅｓ）ものとする。この場合は、３つめの保留に対応して特別図柄（および識別図柄）が変動表示する際に（換言すれば、３回目の特別図柄（および識別図柄）の変動表示で）、リーチ状態が発生することになる。

そこで、リーチ予告フラグがＯＮに設定された時の特図保留数を予告保留消化カウンタに設定しておき、特別図柄の変動表示が行われる度（特別図柄の変動表示が開始される度あるいは特別図柄が停止表示される度）に、予告保留消化カウンタの値を「１」ずつ減算していけば、リーチ状態を発生させる変動表示のタイミングを知ることができる。なお、本実施例では、特別図柄の変動表示が開始される度に予告保留消化カウンタの値を「１」ずつ減算するものとしている。図１０に示した特図保留関連処理のＳ３１８では、このような理由から、リーチ予告フラグがＯＮに設定された時点での特図保留数を、予告保留消化カウンタに設定する。尚、リーチ予告を行うか否かの判断を、リーチ保留が発生した場合にだけ行うのではなく、リーチ保留が記憶されている間において新たな保留が発生する度にリーチ予告を行うか否かを判断するようにした場合には、そのリーチ保留に対応する特図保留数（すなわち、そのリーチ保留が古い方から何番目の保留であるかを示す値）を、予告保留消化カウンタに設定すればよい。

一方、Ｓ３１４の判断で、リーチ予告を行わないと判断した場合は（Ｓ３１４：ｎｏ）、リーチ予告フラグをＯＮに設定したり（Ｓ３１６）、予告保留消化カウンタの値を設定したりする処理（Ｓ３１８）は不要となる。また、Ｓ３１２の判断で、リーチ予告フラグがＯＮと判断した場合は（Ｓ３１２：ｙｅｓ）、既にリーチ予告が行われていることになるから、リーチ予告を行うか否かについて判断する処理（Ｓ３１４）から不要となる。

続いて、主制御基板２００のＣＰＵ２０１は、保留に関する情報（保留情報）を指定するコマンド（保留情報指定コマンド）を、サブ制御基板２２０に向かって送信する（Ｓ３１９）。本実施例では、保留情報として、特図保留数や、事前判定の結果、リーチ予告を行う保留（リーチ保留）であるか否か、リーチ予告フラグの設定状態、予告保留消化カウンタの値などの情報が、サブ制御基板２２０に送信される。それらの情報を含む保留情報コマンドは、１つのコマンドで構成したり、あるいは複数のコマンドで構成したりすることができる。こうして保留情報指定コマンドを送信したら、図１０に示す特図保留関連処理を終了して、図９の遊技制御処理に復帰する。これに対して、始動口１７に遊技球が入球していない場合や（Ｓ３０２：ｎｏ）、特図保留数が上限値（ここでは「４」）に達していた場合は（Ｓ３０４：ｙｅｓ）、直ちに、図１０に示す特図保留関連処理を終了して、図９の遊技制御処理に復帰する。そして、特図保留関連処理から復帰すると、遊技制御処理では、以下に説明する特別図柄遊技処理（Ｓ３２０）が開始される。

Ｃ−１−２．特別図柄遊技処理 ：
図１１および図１２は、特別図柄遊技処理を示したフローチャートである。主制御基板２００のＣＰＵ２０１は、特別図柄遊技処理を開始すると先ず初めに、大当り遊技中であるか否かを判断する（Ｓ３２２）。そして、大当り遊技中であった場合は（Ｓ３２２：ｙｅｓ）、そのまま特別遊技処理を終了して、図９の遊技制御処理に復帰する。これに対して、大当り遊技中ではなかった場合は（Ｓ３２２：ｎｏ）、特別図柄（以下、特図と略記することがある）が変動中か否かを判断する（Ｓ３２４）。特別図柄が変動中でない場合は（Ｓ３２４：ｎｏ）、特別図柄の停止図柄を表示させる停止表示時間中であるか否かを判断する（Ｓ３２６）。すなわち、特別図柄の変動表示が終了してしばらくの期間は、特別図柄が何れの図柄で停止表示されたかを、遊技者が確認するための停止表示時間が設けられているので、この停止表示時間中か否かを判断するのである。特別図柄が変動表示されておらず且つ特別図柄の停止図柄を表示している停止表示時間も経過していることが確認された場合は（Ｓ３２６：ｎｏ）、特別図柄の保留数（特図保留数）が「０」であるか否かを判断する（Ｓ３２８）。前述したように特図保留数は、上限値「４」に達するまで記憶可能である。そして、特図保留数が「０」である場合には（Ｓ３２８：ｙｅｓ）、そのまま特別図柄遊技処理を終了して図９に示す遊技制御処理に復帰する。一方、特別図柄保留数が「０」でない場合は（Ｓ３２８：ｎｏ）、特別図柄の変動表示を開始するための処理（特図変動表示処理）を開始する（Ｓ３３０）。

図１３および図１４は、特図変動表示処理を示したフローチャートである。図示するように、特図変動表示処理を開始すると、先ず初めに、最も古くに記憶された判定乱数を読み出す処理を行う（Ｓ３３００）。前述したように判定乱数としては、大当り判定乱数や、大当り図柄判定乱数、リーチ判定乱数などの複数の乱数が記憶されており、これらを読み出す処理を行う。続いて、現在の遊技状態が確変状態か否か、すなわち、確変フラグがセットされているか否かを判断し（Ｓ３３０２）、確変フラグがセットされていれば（Ｓ３３０２：ｙｅｓ）、確変用の大当り判定テーブルを選択し（Ｓ３３０４）、確変フラグがセットされていなければ（Ｓ３３０２：ｎｏ）、非確変用の大当り判定テーブルを選択する（Ｓ３３０６）。ここで確変フラグとは、遊技状態が確変状態（確変機能が作動した状態）になるとセットされるフラグであり、主制御基板２００に搭載されたＲＡＭ２０３の所定アドレスが、確変フラグとして割り当てられている。また、大当り判定テーブルとは、大当り判定乱数に対応付けて、大当り判定の判定結果が設定されているテーブルであり、主制御基板２００のＲＯＭ２０２に予め記憶されている。大当りの判定結果に対応付けられた乱数値が、図１０の事前判定で説明した「大当り乱数値」となる。

図１５は、本実施例のパチンコ機１に記憶されている大当り判定テーブルを例示した説明図である。図１５（ａ）には非確変用の大当り判定テーブルが示されており、図１５（ｂ）には確変用の大当り判定テーブルが示されている。図示するように、大当り判定テーブルには、大当り判定乱数に対応付けて、「大当り」あるいは「外れ」の判定結果が設定されている。また、図１５（ａ）と図１５（ｂ）とを比較すれば明らかなように、図１５（ｂ）に示した確変用の大当り判定テーブルは、図１５（ａ）に示した非確変用の大当り判定テーブルよりも多くの乱数に、「大当り」の判定結果が設定されている。換言すれば、確変用の大当り判定テーブルには、非確変用の大当り判定テーブルよりも多くの「大当り乱数値」が設定されていることになる。

続いて、図１３の特図変動表示処理では、先に読み出した大当り判定乱数に基づいて、選択した大当り判定テーブルを参照することにより、大当り判定結果が「大当り」であるか否かを判断する（Ｓ３３０８）。上述したように、確変状態のときに参照する確変用の大当り判定テーブルは、確変状態ではないときに参照する非確変用の大当り判定テーブルに比べて、多くの「大当り乱数値」が設定されていることから、確変中は非確変中よりも高い確率で「大当り」の判定結果が発生することになる。そして、大当り判定の結果が大当りと判定された場合には（Ｓ３３０８：ｙｅｓ）、大当り図柄判定乱数を読み出した後（Ｓ３３１０）、大当り図柄判定テーブルを参照することによって、大当り図柄を判定する処理を行う（Ｓ３３１２）。

図１６は、大当り図柄を判定するために参照される大当り図柄判定テーブルを例示した説明図である。図７を用いて前述したように、本実施例では、大当り図柄として、通常大当り図柄または確変大当り図柄のそれぞれに２つずつ、全部で４つの図柄が設定されている。このことと対応して、図１６に示した大当り図柄判定テーブルには、大当り図柄判定乱数に対応付けて、これら４つの特別図柄の停止図柄（大当り図柄）が設定されている。従って、図１３のＳ３３１０で読み出した大当り図柄判定乱数から、大当り図柄判定テーブルを参照することで、大当り図柄を判定することができる（Ｓ３３１２）。

一方、大当り判定の結果が大当りでなかった場合には（Ｓ３３０８：ｎｏ）、外れ図柄を判定するための外れ図柄判定乱数を取得する（Ｓ３３１４）。そして、大当り図柄を判定するときと同じ要領で乱数抽選を行うことによって、外れ図柄を決定する

以上のようにして、特別図柄の停止図柄を決定したら（Ｓ３３１２，Ｓ３３１６）、今度は、リーチ予告フラグがＯＮに設定されているか否かを判断する（Ｓ３３１８）。その結果、リーチ予告フラグがＯＮに設定されていない場合は（Ｓ３３１８：ｎｏ）、リーチ予告は行われていないと判断できるので、リーチ予告が行われていない通常時用の変動パターンを決定する処理（通常時変動パターン決定処理）を開始する（Ｓ３４００）。ここで、変動パターンとは、図柄表示装置２８で特別図柄の変動表示を開始してから何れかの図柄で停止させるまでの間に、特別図柄を変動表示させるパターンのことである。尚、特別図柄は、図７に示した６つの図柄しか表示し得ないので、特別図柄の変動パターンとは、実質的には特別図柄を変動表示させる時間（変動時間）を表している。また、通常時変動パターン決定処理の詳細については後述するが、この処理では、次のようにして、特別図柄の変動パターンを決定する。先ず、大当り判定の結果が大当りか否か、あるいはリーチ状態を発生させるか否かを、保留として記憶されていた判定乱数に基づいて判定する。そして、その判定結果に応じて予め定められた複数の変動パターンの中から、１つの変動パターンを選択する処理を行う。

一方、リーチ予告フラグがＯＮに設定されている場合は（Ｓ３３１８：ｙｅｓ）、予告保留消化カウンタが「１」に達したか否かを判断する（図１４のＳ３３２０）。ここで、前述したように予告保留消化カウンタとは、予告したリーチ状態を発生させるタイミングを示すカウンタであって、特別図柄の変動表示が開始される度に「１」ずつ減算されるものであり、予告保留消化カウンタが「１」に達していなければ、今回の変動表示は、リーチ状態の発生を予告した変動表示ではないと判断できる。逆に、予告保留消化カウンタが「１」に達した場合は、今回の変動表示が、予告したリーチ状態を発生させる変動表示と判断することができる。

その結果、予告保留消化カウンタが「１」に達していない場合は（Ｓ３３２０：ｎｏ）、リーチ予告を行ったものの、未だ予告したリーチ状態を発生させる変動表示には達していない状態（いわば、リーチ予告中の状態）と考えられるので、リーチ予告中変動パターン決定処理を開始する（Ｓ３５００）。この処理では、リーチ予告中の状態の時に特別図柄の変動パターンを決定する。リーチ予告中変動パターン決定処理については後述する。また、リーチ予告中変動パターン決定処理（Ｓ３５００）の中で変動パターンが決定されたことに伴って、リーチ予告中変動パターン決定処理から復帰したら、予告保留消化カウンタから「１」を減算する（Ｓ３３２２）。

これに対して、予告保留消化カウンタが「１」に達した場合は（Ｓ３３２０：ｙｅｓ）、今回の変動表示が、先に予告したリーチ状態を発生させるべき変動表示と判断することができる。そこで、予告したリーチ状態を発生させる変動パターンを決定する処理（予告リーチ変動パターン決定処理）を開始する（Ｓ３６００）。詳細な処理内容については後述するが、この処理では、演出表示装置２７の画面上でリーチ状態を発生させることとなる特別図柄の変動パターンが決定される。そして、予告リーチ変動パターン決定処理（Ｓ３５００）を終了したら、予告保留消化カウンタから「１」を減算した後（Ｓ３３２４）、リーチ予告フラグの設定をＯＦＦに戻しておく（Ｓ３３２６）。すなわち、予告リーチ変動パターン決定処理によって変動パターンを決定した結果、これから行われる変動表示でリーチ状態が発生することは確定しているので、もはやリーチ予告を行ったことを記憶しておく必要はない。そこで、予告リーチ変動パターン決定処理から復帰すると、リーチ予告フラグをＯＦＦに設定するのである（Ｓ３３２６）。

以上のようにして、通常時変動パターン決定処理（Ｓ３４００）、リーチ予告中変動パターン決定処理（Ｓ３５００）、あるいは予告リーチ変動パターン決定処理（Ｓ３６００）の何れかを行うことによって特別図柄の変動パターンを決定したら、特別図柄の変動表示を開始すると共に（Ｓ３３２８）、特図保留数から「１」を減算する（Ｓ３３３０）。そして、特図保留数が減少したことに対応して、保留情報指定コマンドをサブ制御基板２２０に送信する（Ｓ３３３２）。また、リーチ予告フラグがＯＦＦに変更された場合には（Ｓ３３２６）、その旨の情報も含めた保留情報指定コマンドを送信する。続いて、特別図柄の変動パターンや停止図柄を指定するコマンド（変動開始時コマンド）をサブ制御基板２２０に向かって送信した後（Ｓ３３３４）、図１３および図１４に示した特図変動表示処理を終了して、図１１の特別図柄遊技処理に復帰する。

以上、特別図柄が変動表示していない場合（すなわち、図１１のＳ３２４：ｎｏの場合）に、特別図柄遊技処理で行われる詳細な処理について説明した。一方、特別図柄が変動中に、図１１の特別図柄遊技処理が開始された場合は、特別図柄が変動中であると判断される（Ｓ３２４：ｙｅｓ）。この場合は、既に、特別図柄の変動パターンと停止図柄とが決定されて、特別図柄の変動が開始されている場合に該当する。そこで、特別図柄の変動時間が経過したか否かを判断する（Ｓ３４８）。特図の変動時間は変動パターンに応じて予め定められているので、特別図柄の変動を開始すると同時にタイマをセットすることにより、変動時間が経過したかを判断することができる。そして、未だ特図の変動時間が経過していない場合は（Ｓ３４８：ｎｏ）、そのまま特別図柄遊技処理を終了して、図９に示す遊技制御処理に復帰する。

これに対して、変動時間が経過したと判断された場合は（Ｓ３４８：ｙｅｓ）、特別図柄を停止表示させることを示すコマンド（図柄停止コマンド）をサブ制御基板２２０に向かって送信する（Ｓ３５０）とともに、図柄表示装置２８で変動表示されている特別図柄を、予め設定しておいた図柄で停止表示させる（Ｓ３５２）。続いて、特別図柄を停止表示させる時間（特図の停止表示時間）を設定した後（Ｓ３５４）、設定した停止表示時間が経過したか否かを判断する（Ｓ３５６）。そして、停止表示時間が経過していなければ（Ｓ３５６：ｎｏ）、そのまま特別図柄遊技処理を終了して図９に示す遊技制御処理に復帰する。

一方、特別図柄の停止表示時間が経過した場合は（Ｓ３５６：ｙｅｓ）、停止表示された特別図柄が、図７に示した何れかの大当り図柄であるか否かを判断する（図１２のＳ３５８）。そして、停止表示された図柄が、大当り図柄であった場合は（Ｓ３５８：ｙｅｓ）、大当り遊技を開始することを表す大当りフラグをＯＮに設定する（Ｓ３６０）。大当りフラグとは、大当り遊技を開始することを示すフラグであり、主制御基板２００に搭載されたＲＡＭ２０３の所定アドレスが大当りフラグに割り当てられている。そして、この所定アドレスの値を「１」に設定すると、大当りフラグがＯＮとなる。

続いて、大当り遊技を開始することを示すコマンド（大当り開始コマンド）をサブ制御基板２２０に向かって送信した後（Ｓ３６２）、確変フラグがＯＮか否かを判断する（Ｓ３６４）。確変フラグがＯＮに設定されている場合は（Ｓ３６４：ｙｅｓ）、現在の遊技状態が確変状態であって確変機能および変動短縮機能が作動していると判断できる。そこで、確変フラグをＯＦＦに設定（すなわち、確変フラグの値を「１」から「０」に変更）することによって確変機能の作動を停止させる（Ｓ３６６）。一方、確変フラグがＯＮに設定されていない場合は（Ｓ３６４：ｎｏ）、確変フラグをＯＦＦに設定する処理（Ｓ３６６）は不要となる。確変フラグに続いて、今度は、変動短縮フラグの設定を確認する（Ｓ３７２）。そして、変動短縮フラグがＯＮに設定されていた場合には（Ｓ３７２：ｙｅｓ）、変動短縮機能の作動も停止させるべく、変動短縮フラグをＯＦＦに設定（変動短縮フラグの値を「１」から「０」に変更）する（Ｓ３６８）。前述したように変動短縮フラグとは、変動短縮機能が作動している場合にＯＮに設定されるフラグであり、主制御基板２００に搭載されたＲＡＭ２０３の所定アドレスが、変動短縮フラグとして割り当てられている。また、本実施例のパチンコ機１では、変動短縮機能が作動している場合は、始動口１７（普通電動役物）の開放時間を延長する機能（開放延長機能）も作動している。そこで、変動短縮フラグをＯＦＦにして変動短縮機能を停止したら（Ｓ３６８）、開放延長機能も停止させるべく、開放延長フラグをＯＦＦにした後（Ｓ３７０）、図１１および図１２に示した特別図柄遊技処理を抜けて、図９の遊技制御処理に復帰する。これに対して、変動短縮フラグがＯＮに設定されていなかった場合は（Ｓ３７２：ｎｏ）、変動短縮フラグや開放延長フラグをＯＦＦにする処理（Ｓ３６８、Ｓ３７０）は不要であるため、そのまま特別図柄遊技処理を抜けて図９の遊技制御処理に復帰する。

以上、図柄表示装置２８で停止表示された特別図柄が大当り図柄であった場合（図１２のＳ３５８：ｙｅｓ）の処理について説明したが、大当り図柄でなかった場合は（Ｓ３５８：ｎｏ）、次のような処理を行う。先ず、前述した変動短縮フラグがＯＮに設定されているか否かを判断する（Ｓ３７４）。そして、変動短縮フラグがＯＮであった場合は（Ｓ３７４：ｙｅｓ）、変動短縮カウンタから「１」を減算した後（Ｓ３７６）、変動短縮カウンタが「０」になったか否かを判断する（Ｓ３７８）。ここで、変動短縮カウンタとは、変動短縮フラグがＯＮに設定されている状態で行われた特別図柄の変動回数を計数する専用のカウンタであり、主制御基板２００のＲＡＭ２０３の所定アドレスに設定されている。詳細には後述するが、本実施例のパチンコ機１では、「通常大当り図柄」あるいは「確変大当り図柄」による大当り遊技の終了後は、変動短縮フラグがＯＮに設定されると共に、それぞれの大当り図柄に応じた初期値が変動短縮カウンタに設定される。そして、変動短縮カウンタが「０」となった場合は（Ｓ３７８：ｙｅｓ）、変動短縮フラグをＯＦＦにして変動短縮機能を停止させ（Ｓ３８０）、続いて、開放延長機能も停止させるために開放延長フラグもＯＦＦにした後（Ｓ３８２）、サブ制御基板２２０に向かって遊技状態指定コマンドを送信する（Ｓ３８４）。ここで遊技状態指定コマンドとは、確変フラグや変動短縮フラグ、開放延長フラグなどの設定に応じて定まる遊技状態を、サブ制御基板２２０に指定するコマンドである。これに対して、変動短縮カウンタが「０」に達していない場合は（Ｓ３７４：ｎｏ）、変動短縮フラグや開放延長フラグをＯＦＦにしたり、遊技状態指定コマンドを送信する処理（Ｓ３８０，Ｓ３８２，Ｓ３８４）は行わない。また、そもそも変動短縮フラグがＯＮに設定されていない場合は（Ｓ３７４：ｎｏ）、変動短縮カウンタから「１」を減算する処理に続く上述した一連の処理（Ｓ３７６〜Ｓ３８４）は不要となる。以上のような処理を終了したら、図１１および図１２に示した特別図柄遊技処理を終了して、図９の遊技制御処理に復帰する。

図９に示すように、遊技制御処理では、特別図柄遊技処理から復帰すると、大当りフラグがＯＮに設定されているか否かを判断する（Ｓ３９０）。前述したように大当りフラグは、特別図柄が大当り図柄で停止表示するとＯＮに設定されるフラグである。そして、大当りフラグがＯＮに設定されていれば（Ｓ３９０：ｙｅｓ）、主制御基板２００に搭載されたＣＰＵ２０１は、以下に説明する大当り遊技処理を開始する（Ｓ４００）。一方、大当りフラグがＯＮに設定されていなければ（Ｓ３９０：ｎｏ）、大当り遊技処理（Ｓ４００）は省略する。

Ｃ−１−３．大当り遊技処理 ：
図１７および図１８は、大当り遊技処理のフローチャートである。この大当り遊技処理が実行されることによって、いわゆる大当り遊技が行われる。以下、図１７および図１８を参照しながら大当り遊技処理について説明する。

主制御基板２００のＣＰＵ２０１は、大当り遊技処理（Ｓ４００）を開始すると、先ず初めに、大入賞口３１ｄが開放中か否かを判断する（Ｓ４０２）。大入賞口３１ｄは、通常の遊技状態では閉鎖されており、従って、大当り遊技の開始直後は、大入賞口３１ｄは閉鎖状態となっている。そこで、大入賞口３１ｄは開放中ではないと判断して（Ｓ４０２：ｎｏ）、設定されたラウンド数に達したか否かを判断する（Ｓ４０４）。本実施例では、ラウンド数は１５回に設定されている。当然のことながら、大当り遊技が開始された直後は、ラウンド遊技の実行回数は設定された回数に達していないから（Ｓ４０４：ｎｏ）、大入賞口３１ｄの閉鎖時間が経過したか否かを判断する（Ｓ４０６）。大入賞口３１ｄの閉鎖時間とは、ラウンドとラウンドとの間で大入賞口３１ｄが閉鎖状態となっている時間であり、本実施例では、閉鎖時間が２秒間に設定されている。大当り遊技が開始された直後は、大入賞口３１ｄは閉鎖状態となっているから、当然、大入賞口３１ｄの閉鎖時間が経過していると判断され（Ｓ４０６：ｙｅｓ）、大入賞口３１ｄを開放させてラウンド遊技を開始した後（Ｓ４０８）、ラウンド数を指定するコマンド（ラウンド数指定コマンド）をサブ制御基板２２０に向かって送信する（Ｓ４１０）。その後、図１７および図１８に示した大当り遊技処理を一旦終了して、図９の遊技制御処理に復帰する。

主制御基板２００のＣＰＵ２０１は遊技制御処理に復帰すると、図９に示したように、賞球関連処理（Ｓ５０）以降の一連の各種処理を行った後、再び大当り遊技処理（Ｓ４００）を開始する。前述したように、図９に示した遊技制御処理を、主制御基板２００のＣＰＵ２０１が一回、実行するために要する時間は、約４ｍｓｅｃとなっている。従って、図１７および図１８に示した大当り遊技処理も、約４ｍｓｅｃ毎に実行されることになる。そして、大当り遊技が開始されて、図１７および図１８の大当り遊技処理が初めて実行された場合には、前述したようにＳ４０８において大入賞口３１ｄを開放させて処理を終了するが、約４ｍｓｅｃ後に２周目の処理を行う場合には、Ｓ４０２にて、大入賞口３１ｄが開放中と判断されることになる（Ｓ４０２：ｙｅｓ）。

大入賞口３１ｄが開放中と判断した場合は（Ｓ４０２：ｙｅｓ）、次に、大入賞口３１ｄの開放時間が所定時間に達したか否かを判断する（Ｓ４１２）。前述したように、大当り遊技では、大入賞口３１ｄが開放状態となるが、所定の開放時間が経過するか、または大入賞口３１ｄに規定数の遊技球が入球すると閉鎖される。このことに対応して、先ずＳ４１２では、大入賞口３１ｄの開放時間が経過したか否かを判断する。尚、本実施例では、大入賞口３１ｄの開放時間は、３０秒に設定されている。そして、設定された開放時間が経過している場合は（Ｓ４１２：ｙｅｓ）、大入賞口３１ｄを閉鎖した後（Ｓ４１６）、図１７および図１８に示した大当り遊技処理を抜けて、図９の遊技制御処理に復帰する。一方、大入賞口３１ｄの開放時間が経過していない場合は（Ｓ４１２：ｎｏ）、大入賞口３１ｄに入球した遊技球が規定数に達しているか否かを判断する（Ｓ４１４）。そして、規定数に達した場合は（Ｓ４１４：ｙｅｓ）、大入賞口３１ｄを閉鎖する（Ｓ４１６）。これに対して、規定数に達していない場合は（Ｓ４１４：ｎｏ）、大入賞口３１ｄの開放時間が未だ経過しておらず、しかも大入賞口３１ｄに入球した遊技球も規定数に達していないことになるので、大入賞口３１ｄを開放させたまま、図１７および図１８に示した大当り遊技処理を抜けて、図９の遊技制御処理に復帰する。

図９の遊技制御処理を何回も繰り返し実行しているうちに、大入賞口３１ｄの開放時間が経過するか（Ｓ４１２：ｙｅｓ）、もしくは大入賞口３１ｄに規定数の遊技球が入球して（Ｓ４１４：ｙｅｓ）、大入賞口３１ｄが閉鎖されると（Ｓ４１６）、１回のラウンド遊技が終了する。そして、次に大当り遊技処理が実行された時には、Ｓ４０２において大入賞口３１ｄが閉鎖中と判断され（Ｓ４０２：ｎｏ）、ラウンド遊技の実行回数が設定回数に達したか否かが判断され（Ｓ４０４）、設定されたラウンド数に達してしていなければ（Ｓ４０４：ｎｏ）、大入賞口３１ｄの閉鎖時間が経過したことを確認した後（Ｓ４０６：ｙｅｓ）、再び大入賞口３１ｄを開放状態として新たなラウンド遊技を開始する（Ｓ４０８）。一方、Ｓ４０４において、ラウンド遊技の実行回数が設定回数に達したと判断された場合は（Ｓ４０４：ｙｅｓ）、大当り遊技を終了させるべく、大当りフラグをＯＦＦに設定した後（Ｓ４１８）、大当り遊技の終了を示すコマンド（大当り終了コマンド）をサブ制御基板２２０に向かって送信する（Ｓ４２０）。

以上のようにして、大当り遊技の終了に伴って大当りフラグをＯＦＦにすると共に、大当り終了コマンドを送信したら（Ｓ４１８，Ｓ４２０）、今度は、その大当り遊技が、確変大当り図柄による大当り遊技であったか否かを判断する（図１８のＳ４２２）。そして、確変大当り図柄による大当り遊技ではなかった場合は（Ｓ４２２：ｎｏ）、通常大当り図柄による大当り遊技であったと判断できるので、この場合は、変動短縮カウンタに「１００」を設定した後（Ｓ４２６）、変動短縮フラグおよび開放延長フラグをＯＮに設定し（Ｓ４３０，Ｓ４３２）、遊技状態指定コマンドをサブ制御基板２２０に送信して（Ｓ４３４）、図１７および図１８に示す大当り遊技処理を終了する。その結果、「通常大当り図柄」による大当り遊技の終了後は、特別図柄の変動回数（大当り抽選の回数）が１００回に達するまで、特別図柄および普通図柄の変動時間が短縮されると共に、始動口１７の開放時間が延長された遊技状態（いわゆる時短遊技状態）となる。

これに対して、大当り遊技を発生させた大当り図柄が、確変大当り図柄であったと判断した場合は（Ｓ４２２：ｙｅｓ）、変動短縮カウンタに「１０，０００」を設定した後（Ｓ４２４）、確変フラグ、変動短縮フラグ、および開放延長フラグをＯＮに設定して（Ｓ４２８，Ｓ４３０，Ｓ４３２）、遊技状態指定コマンドを送信した後（Ｓ４３４）、図１７および図１８に示す大当り遊技処理を終了する。その結果、「確変大当り図柄」による大当り遊技の終了後は、特別図柄の変動回数（大当り抽選の回数）が１０，０００回に達するまで、確変機能、変動短縮機能、開放延長機能が作動した遊技状態（いわゆる確変遊技状態）となる。尚、特別図柄の変動回数（大当り抽選の回数）が１０，０００回に達するまでには、間違いなく大当りが発生するから、「特別図柄の変動回数（大当り抽選の回数）が１０，０００回に達するまで」とは、「次の大当りが発生するまで」と実質的に同じである。

上述した大当り遊技状態では、通常時は閉鎖されている大入賞口３１ｄが開放するラウンド遊技が１５ラウンドまで繰り返されるので、遊技者は多くの賞球を獲得することが可能となる。従って、演出表示装置２７の画面上でリーチ状態が発生すると、遊技者は大当り遊技状態になるのではないかと期待して、遊技に対する興趣が大きく掻き立てられることになる。また、特別図柄の保留が発生した段階で、保留の事前判定を行うことにより、やがてリーチ状態が発生する旨のリーチ予告を行うことも可能である。しかし、前述したように、たとえば３回後の変動表示でリーチ状態が発生する旨のリーチ予告が行われたということは、逆に言えば、それまでの間はリーチ状態すら発生しないということでもある。このため、リーチ予告を行うことが必ずしも遊技者の遊技興趣を高めることに繋がるわけではない。そこで、本実施例のパチンコ機１では、特異な方法でリーチ予告を行うことにより、遊技者の遊技興趣を効果的に高められるようになっている。以下では、特異な方法でリーチ予告を行うために、主制御基板２００のＣＰＵ２０１が特別図柄の変動パターンを決定する処理について説明し、続いて、決定された変動パターンに従って、サブ制御基板２２０のＣＰＵ２２１が演出表示装置２７の画面上でリーチ予告を行う処理について説明する。

Ｃ−１−４．通常時変動パターン決定処理 ：
図１９は、通常時変動パターン決定処理を示すフローチャートである。この処理は、図１３および図１４を用いて前述した特図変動表示処理の中で、リーチ予告フラグがＯＦＦに設定されていると判断した場合に行われる処理である。尚、リーチ予告フラグがＯＦＦの場合に実行されることからも明らかなように、この処理は、本実施例のパチンコ機１が行うリーチ予告とは、直接的には関係のない処理である。しかし、リーチ予告フラグがＯＮの場合に実行されるリーチ予告中変動パターン決定処理（Ｓ３５００）、あるいは予告リーチ変動パターン決定処理（Ｓ３６００）との相違を明確にする意味から、先ず始めに、通常時変動パターン決定処理（Ｓ３４００）について説明する。

図１９に示されるように、通常時変動パターン決定処理を開始すると、先ず始めに大当り判定の結果が大当りであったか否かを判断する（Ｓ３４０２）。通常時変動パターン決定処理は、図１３および図１４を用いて前述した特図変動表示処理の中で実行されており、特図変動表示処理では、通常時変動パターン決定処理に先立って、大当り判定テーブルを用いて大当り判定が行われている（図１３のＳ３３０４、Ｓ３３０６）。従って、主制御基板２００のＣＰＵ２０１は、通常時変動パターン決定処理を開始すると、それに先立って行われた大当り判定の結果が大当りであったか否かを直ちに判断することができる。

その結果、大当り判定の結果が大当りではなかった場合は（Ｓ３４０２：ｎｏ）、リーチ状態を発生させるか否かを判断する（Ｓ３４０６）。この判断は、特別図柄の保留として記憶されているリーチ判定乱数の乱数値が、リーチ状態を発生させる乱数値に該当するか否かに基づいて判断することができる。すなわち、特図変動表示処理（図１３および図１４）の中では、通常時変動パターン決定処理を開始するに先立って判定乱数を読み出しており、その判定乱数に含まれるリーチ判定乱数の乱数値が、リーチ状態を発生させる乱数値として予め定められた乱数値に該当するか否かを判断する。

その結果、予め定められた乱数値に該当しなかった場合は、リーチ状態を発生させないと判断して（Ｓ３４０６：ｎｏ）、リーチなし外れ変動パターンテーブルを選択する（Ｓ３４１０）。ここで、リーチなし外れ変動パターンテーブルとは、複数の乱数値に対応付けてリーチなし外れ変動パターンが設定されたテーブルである。また、リーチなし外れ変動パターンとは、リーチ状態を発生させない変動パターンのことである。

図２０は、リーチなし外れ変動パターンテーブルを例示した説明図である。図示されるように、本実施例では、特図保留数に応じてリーチなし外れ変動パターンテーブルが設定されている。例えば、図２０（ａ）には、特図保留数が「１」の時に用いられるリーチなし外れ変動パターンテーブルが示されている。また、図２０（ｂ）には、特図保留数が「２」の時に用いられるリーチなし外れ変動パターンテーブルが示されている。更に、図２０（ｃ）には、特図保留数が「３」の時に用いられるテーブルが、図２０（ｄ）には、特図保留数が「４」の時に用いられるテーブルが示されている。尚、これら変動パターンテーブルは、特図保留数が多いときに用いられるテーブルほど、変動時間の短い変動パターンが設定されたテーブルとなっている。このように、本実施例では、特図保留数に応じてリーチなし外れ変動パターンテーブルが設定されており、このため、リーチなし外れ変動パターンテーブルを選択するに際しては、現在の特図保留数（変動開始時の特図保留数）を取得して、その特図保留数に対応するリーチなし外れ変動パターンテーブルを選択する（図１９のＳ３４１０）。

一方、リーチ状態を発生させる（すなわち、リーチ判定乱数の乱数値が予め定められた乱数値に該当する）と判断した場合は（Ｓ３４０６：ｙｅｓ）、リーチあり外れ変動パターンテーブルを選択する（Ｓ３４０８）。ここで、リーチあり外れ変動パターンテーブルとは、複数の乱数値に対応付けてリーチあり外れ変動パターンが設定されたテーブルであり、リーチあり外れ変動パターンとは、リーチ状態を発生させるが外れとなる変動パターンのことである。リーチあり外れ変動パターンテーブルについては図示を省略するが、図２０を用いて前述したリーチなし外れ変動パターンテーブルと同様に、リーチあり外れ変動パターンテーブルも、特図保留数に応じて設定されている。但し、リーチあり外れ変動パターンテーブルに設定されている変動パターンは、リーチ状態を発生させる変動パターンであることから、リーチあり外れ変動パターンテーブルは、図２０に示したリーチなし外れ変動パターンテーブルよりも、変動時間の長い変動パターンが設定されている。

一方、大当り判定の結果が大当りであると判断した場合は（Ｓ３４０２：ｙｅｓ）、大当り変動パターンテーブルを選択する（Ｓ３４０４）。大当り変動パターンテーブルとは、複数の乱数値に対応付けて大当り変動パターンが設定されたテーブルであり、大当り変動パターンとは、最終的に大当りとなる変動パターンのことである。大当り変動パターンテーブルについても図示は省略するが、図２０を用いて前述したリーチなし外れ変動パターンテーブルと同様に、大当り変動パターンテーブルも、特図保留数に応じて設定されている。また、大当り変動パターンは、必ずリーチ状態を発生させるから、大当り変動パターンテーブルも、リーチあり外れ変動パターンテーブルと同様に、図２０に示したリーチなし外れ変動パターンテーブルよりも変動時間の長い変動パターンが設定されている。

以上のようにして、大当り判定の結果や、リーチ状態を発生させるか否かに応じて、対応する変動パターンテーブルを選択したら（Ｓ３４０４、Ｓ３４０８、Ｓ３４１０）、変動パターン決定乱数を取得する（Ｓ３４１２）。そして、取得した変動パターン決定乱数に基づいて、先に選択しておいた変動パターンテーブルを参照することにより、変動パターンを決定する（Ｓ３４１４）。すなわち、図２０に例示したように、変動パターンテーブルには、変動パターン決定乱数に対応付けて変動パターンが設定されている。従って、変動パターン決定乱数を取得したら、その乱数に対応付けられて設定されている変動パターンを読み出すことで、変動パターンを決定することができる。そして、以上のようにして変動パターンを決定したら、図１９の通常時変動パターン決定処理を終了して、図１３および図１４に示した特図変動表示処理に復帰する。

Ｃ−１−５．リーチ予告中変動パターン決定処理 ：
以上では、図１３および図１４を用いて前述した特図変動表示処理の中で、リーチ予告フラグがＯＦＦ（すなわち、未だリーチの予告を行っていない）と判断した場合に（図１３のＳ３３１８：ｎｏ）、特別図柄の変動パターンを決定する処理について説明した。これに対して、リーチ予告フラグがＯＮであるが（すなわち、既にリーチの予告を行っているが）、予告保留消化カウンタが「１」ではない（すなわち、予告したリーチを発生させるタイミングには達していない）と判断した場合には（図１４のＳ３３２０：ｎｏ）、リーチ予告中変動パターン決定処理（Ｓ３５００）を行うことによって、変動パターンを決定する。

もっとも、このリーチ予告中変動パターン決定処理で変動パターンを決定するために行う処理は、図１９を用いて前述した通常時変動パターン決定処理で変動パターンを決定する処理に対して、参照する変動パターンテーブルが異なる以外は同様である。そこで、以下では、図１９に示した通常時変動パターン決定処理のフローチャートを流用しながら、リーチ予告中変動パターン決定処理について説明する。

リーチ予告中変動パターン決定処理においても、処理を開始すると、先ず始めに大当り判定の結果が大当りであったか否かを判断する（Ｓ３４０２に相当）。その結果、大当り判定の結果が大当りではなかった場合は（Ｓ３４０２：ｎｏに相当）、リーチ状態を発生させるか否かを判断する（Ｓ３４０６に相当）。そして、リーチ状態を発生させないと判断した場合は（Ｓ３４０６：ｎｏに相当）、リーチなし外れ変動パターンテーブルを選択する（Ｓ３４１０相当）。但し、リーチ予告中変動パターン決定処理で選択するリーチなし外れ変動パターンテーブルは、前述した通常時変動パターン決定処理中で選択したリーチなし外れ変動パターンテーブルとは、異なるテーブルとなっている。

図２１は、リーチ予告中変動パターン決定処理中で選択されるリーチなし外れ変動パターンテーブルを例示した説明図である。図示されるように、リーチ予告中変動パターン決定処理で選択される変動パターンテーブルも、特図保留数に応じて設定されている。例えば、図２１（ａ）は、特図保留数が「１」の時に用いられる変動パターンテーブルであり、図２１（ｂ）は、特図保留数が「２」の時に用いられる変動パターンテーブルである。同様に、図２１（ｃ）は特図保留数が「３」の時に、図２１（ｄ）は特図保留数が「４」の時に用いられる変動パターンテーブルである。また、図２１に示したこれらの変動パターンテーブルは、図２０に示した変動パターンテーブルとは異なり、特図保留数が「１」〜「４」のすべてに対応する変動パターンテーブルにおいて、図２０に示した変動パターンテーブルに設定される変動パターンよりも変動時間の長い変動パターンが設定されている。さらに、図２１に示した変動パターンテーブルでは、特図保留数が多いときに用いられる変動パターンテーブルほど、変動時間の長い変動パターンが設定されている。

一方、リーチ状態を発生させる場合は（Ｓ３４０６：ｙｅｓに相当）、リーチあり外れ変動パターンテーブルを選択する（Ｓ３４０８に相当）。リーチ予告中変動パターン決定処理中で選択されるリーチあり外れ変動パターンテーブルも、特図保留数に応じて設定されている。但し、これらの変動パターンテーブルは、特図保留数が多いときに用いられる変動パターンテーブルほど、変動時間の長い変動パターンが設定されている。

また、大当り判定の結果が大当りであると判断した場合は（Ｓ３４０２：ｙｅｓに相当）、大当り変動パターンテーブルを選択する（Ｓ３４０４に相当）。この大当り変動パターンテーブルも、特図保留数に応じて設定されており、そして、特図保留数が多いときに用いられるテーブルほど、変動時間の長い変動パターンが設定されたテーブルとなっている。

リーチ予告中変動パターン決定処理においても、以上のようにして特図保留数に応じた変動パターンテーブルを選択したら、変動パターン決定乱数を取得する（Ｓ３４１２に相当）。そして、先に選択した変動パターンテーブルを参照することによって、変動パターンを決定した後（Ｓ３４１４に相当）、図１３および図１４に示した特図変動表示処理に復帰する。

Ｃ−１−６．予告リーチ変動パターン決定処理 ：
以上では、リーチ予告フラグがＯＮであるが（すなわち、既にリーチの予告を行っているが）、予告保留消化カウンタが「１」ではない（すなわち、予告したリーチを発生させるタイミングには達していない）場合に、特別図柄の変動パターンを決定するために行うリーチ予告中変動パターン決定処理（Ｓ３５００）について説明した。これに対して、予告保留消化カウンタが「１」に達した（すなわち、予告したリーチを発生させるタイミングに達した）と判断した場合には（図１４のＳ３３２０：ｙｅｓ）、以下に説明する予告リーチ変動パターン決定処理を行うことによって、変動パターンを決定する。

図２２は、予告リーチ変動パターン決定処理を示すフローチャートである。図示されるように、予告リーチ変動パターン決定処理（Ｓ３６００）を開始すると、先ず始めに、大当り判定の結果が大当りであったか否かを判断する（Ｓ３６０２）。その結果、大当り判定の結果が大当りではなかった場合は（Ｓ３６０２：ｎｏ）、リーチ状態が発生するか否かの判断を行うことなく、予告リーチ外れ変動パターンテーブルを選択する（Ｓ３６０４）。すなわち、予告リーチ変動パターン決定処理は、リーチ状態が発生する旨を予告した保留（リーチ保留）に対応する特別図柄の変動表示での変動パターンを決定する処理であるから、リーチ状態が発生することは確定している。従って、大当り判定の結果が大当りではなかった場合は（Ｓ３６０２：ｎｏ）、リーチ状態が発生するか否かの判断を行うことなく、直ちに、予告リーチ外れ変動パターンテーブルを選択するのである。

図２３は、予告リーチ外れ変動パターンテーブルを例示した説明図である。図示されるように、予告リーチ外れ変動パターンテーブルも、特図保留数に応じて設定されている。また、予告リーチ変動パターン決定処理は、リーチ状態を発生させる変動パターンを決定する為に行われる処理であるから、それぞれの特図保留数に応じた変動パターンテーブルに設定されている変動パターンは、全てリーチ状態を発生させる変動パターンとなっている。

例えば、図２３（ａ）に示した変動パターンテーブルは、特図保留数が「１」の時に用いられるテーブルであり、このテーブルには、「ノーマルリーチ」と呼ばれるリーチ状態を発生させる変動パターンが設定されている。本実施例のノーマルリーチは、特別図柄（および識別図柄２７ａ，２７ｂ，２７ｃ）の変動時間が約２０秒から約３０秒の時に行われる比較的短時間のリーチ態様となっている。このことに対応して、図２３（ａ）に示した変動パターンテーブルには、変動時間が約２０秒から約３０秒の範囲にある複数の変動パターンが設定されている。

また、図２３（ｂ）に示した変動パターンテーブルは、特図保留数が「２」の時に用いられるテーブルであり、このテーブルには、「ロングリーチ」と呼ばれるリーチ状態を発生させる変動パターンが設定されている。ロングリーチとは、ノーマルリーチよりも長い時間をかけて行われるリーチ態様であり、このことと対応して、図２３（ｂ）に示した変動パターンテーブルには、変動時間が約５４秒から約９７秒の範囲にある複数の変動パターンが設定されている。

図２３（ｃ）に示した変動パターンテーブルは、特図保留数が「３」の時に用いられるテーブルであり、このテーブルには、「スーパーリーチ」と呼ばれるリーチ状態を発生させる変動パターンが設定されている。スーパーリーチとは、ロングルリーチよりも更に長い時間をかけて行われ、より凝った演出が行われるリーチ態様である。このことと対応して、図２３（ｃ）に示した変動パターンテーブルには、変動時間が約１１２秒から約１３７秒の範囲にある複数の変動パターンが設定されている。

また、図２３（ｄ）に示した特図保留数が「４」の時に用いられる変動パターンテーブルには、「ストーリーリーチ」と呼ばれるリーチ状態を発生させる変動パターンが設定されている。ストーリーリーチとは、スーパーリーチよりも更に長い時間をかけて行われるリーチ態様であり、スーパーリーチから更に発展したリーチ（例えば、スペシャルリーチ）の一態様である。このストーリーリーチでは、単に長い演出ではなく、物語性を伴うたいへんに凝った演出が行われる。このことと対応して、図２３（ｄ）に示した変動パターンテーブルには、変動時間が約１４９秒から約１６７秒の範囲にある複数の変動パターンが設定されている。

尚、以上の説明から明らかなように、予告リーチ外れ変動パターンテーブルには、特図保留数毎に、「ノーマルリーチ」、「ロングリーチ」、「スーパーリーチ」、「ストーリーリーチ」と異なる態様のリーチ状態を発生させる変動パターンが設定されている。また、特図保留数が多くなるほど、変動時間の長い変動パターンが設定された変動パターンテーブルとなっている。本実施例においては、これら「ノーマルリーチ」、「ロングリーチ」、「スーパーリーチ」、「ストーリーリーチ」が、本発明における「リーチ類別」に対応する。

一方、大当り判定の結果が大当りであると判断した場合は（Ｓ３６０２：ｙｅｓ）、予告リーチ大当り変動パターンテーブルを選択する（Ｓ３６０４）。この予告リーチ大当り変動パターンテーブルには、リーチ状態を発生させて大当りとなるような複数の変動パターンが設定されている。また、予告リーチ大当り変動パターンテーブルも、図２３を用いて前述した予告リーチ外れ変動パターンテーブルと同様に、特図保留数に応じて異なる変動パターンテーブルが設定されている。そして、特図保留数が「１」の時に用いられる変動パターンテーブルには、図２３（ａ）のテーブルと同様に、ノーマルリーチを発生させる複数の変動パターンが設定されている。また、特図保留数が「２」の時に用いられる変動パターンテーブルには、図２３（ｂ）のテーブルと同様に、ロングリーチを発生させる複数の変動パターンが設定されている。更に、特図保留数が「３」の時の変動パターンテーブルには、図２３（ｃ）と同様にスーパーリーチを発生させる変動パターンが、そして特図保留数が「４」の時の変動パターンテーブルには、図２３（ｄ）と同様にストーリーリーチを発生させる変動パターンが設定されている。

尚、上述した予告リーチ外れ変動パターンテーブルおよび予告リーチ大当り変動パターンテーブルには、主制御基板２００のＲＯＭ２０２に記憶されており、これらのテーブルには、複数のリーチ態様が、特図保留数に対応付けて記憶されている。従って、本実施例においては、主制御基板２００のＲＯＭ２０２が、本発明における「リーチ態様記憶手段」に対応する。

以上のようにして、大当り判定の結果に応じて、対応する変動パターンテーブルを選択したら（Ｓ３６０４、Ｓ３６０６）、変動パターン決定乱数を取得し（Ｓ３６０８）、取得した変動パターン決定乱数に基づいて、先に選択しておいた変動パターンテーブルを参照することにより、変動パターンを決定する（Ｓ３６１０）。そして、変動パターンを決定したら、図２２の予告リーチ変動パターン決定処理を終了して、図１３および図１４に示した特図変動表示処理に復帰する。

尚、予告保留消化カウンタが「１」に達した場合（すなわち、予告したリーチを発生させるタイミングに達した場合）に、上述した予告リーチ外れ変動パターンテーブルあるいは予告リーチ大当り変動パターンテーブルを参照して変動パターンを決定することによって、「ノーマルリーチ」、「ロングリーチ」、「スーパーリーチ」、「ストーリーリーチ」の何れかのリーチ態様を決定する処理は、上述した予告リーチ変動パターン決定処理によって行われている。従って、予告リーチ変動パターン決定処理を行う主制御基板２００のＣＰＵ２０１は、本発明における「リーチ態様決定手段」に対応している。

以上のようにして、通常時変動パターン決定処理（Ｓ３４００）、リーチ予告中変動パターン決定処理（Ｓ３５００）、予告リーチ変動パターン決定処理（Ｓ３６００）の何れかを行って変動パターンを決定したら、特図変動表示処理では、その決定した変動パターンに従って特別図柄の変動表示を開始するとともに特図保留数を「１」減算し（図１４のＳ３３２８、Ｓ３３３０）、さらに、サブ制御基板２２０に向かって保留情報指定コマンドを送信し（図１４のＳ３３３０）、続いて変動開始時コマンドを送信する（Ｓ３３３２）。こうして送信された保留情報指定コマンドを受信することにより、サブ制御基板２２０のＣＰＵ２２１は、特図保留数に関する情報や、リーチ予告フラグの設定状態に関する情報などを取得することができる。また、変動開始時コマンドを受信することにより、特別図柄の変動表示が開始されるタイミングや、特別図柄の変動パターン、更には、特別図柄の停止図柄に関する情報を取得することができる。そして、サブ制御基板２２０のＣＰＵ２２１は、これらの情報に基づいて、演出表示装置２７の画面上でリーチ予告を行ったり、リーチ状態を発生させたりしながら、識別図柄２７ａ，２７ｂ，２７ｃを変動表示および停止表示させることにより、遊技の演出を行う。以下では、このような遊技の演出を行うために、サブ制御基板２２０のＣＰＵ２２１が行う処理について説明する。

Ｃ−２．遊技演出処理 ：
図２４は、サブ制御基板２２０のＣＰＵ２２１によって実行される遊技演出処理のフローチャートである。図示されているように、遊技演出処理では、リーチ予告関連処理（Ｓ１０００）や、図柄変動演出処理（Ｓ１１００）や、大当り遊技演出処理（Ｓ１２００）などの処理が繰り返し行われている。ここで、リーチ予告関連処理（Ｓ１０００）とは、演出表示装置２７の画面上でリーチ予告を行うための処理である。また、図柄変動演出処理（Ｓ１１００）とは、演出表示装置２７の画面上で識別図柄２７ａ，２７ｂ，２７ｃを変動表示および停止表示させて図柄変動演出を実行するための処理である。更に、大当り遊技演出処理（Ｓ１２００）とは、大入賞口３１ｄを開放させて大当り遊技が行われる場合に、演出表示装置２７の画面上や効果音、各種ランプ類などを用いて、大当り遊技の演出を実行するための処理である。

サブ制御基板２２０には図示しないタイマが搭載されており、２ｍｓｅｃ毎にタイマ割り込みを発生させている。そして、タイマ割り込みが発生する度に、図２４に示した遊技演出処理が実行されるようになっている。従って、リーチ予告関連処理（Ｓ１０００）や、図柄変動演出処理（Ｓ１１００）、大当り遊技演出処理（Ｓ１２００）は、２ｍｓｅｃ毎に実行されることになる。

Ｃ−２−１．リーチ予告関連処理 ：
図２５は、リーチ予告関連処理を示すフローチャートである。図示されるように、リーチ予告関連処理（Ｓ１０００）では、先ず始めに、現在の遊技状態が、大当り中か否かを判断する（Ｓ１００２）。前述したように、大当り遊技の開始時には主制御基板２００からサブ制御基板２２０に向かって大当り開始コマンドが送信され（図１２のＳ３６２参照）、また、大当り遊技の終了時にはサブ制御基板２２０に向かって大当り終了コマンドが送信されるので（図１７のＳ４２０参照）、サブ制御基板２２０のＣＰＵ２２１は、現在の遊技状態が、大当り遊技中か否かを判断することができる。その結果、大当り中であると判断した場合は（Ｓ１００２：ｙｅｓ）、そのままリーチ予告関連処理を終了して、図２４の遊技演出処理に復帰する。この結果、大当り遊技中に特別図柄の保留が発生してもリーチ予告関連処理は行われず、従って、大当り遊技中にはリーチ予告も行われないようになっている。

現在の遊技状態が大当り中ではないと判断した場合は（Ｓ１００２：ｎｏ）、主制御基板２００からの保留情報指定コマンドを受信したか否かを判断する（Ｓ１００４）。前述したように保留情報指定コマンドとは、特別図柄の保留が発生したことに伴って特図保留数に「１」が加算されたとき、あるいは特別図柄の変動表示が開始されたことに伴って特図保留数から「１」が減算されたときに、主制御基板２００からサブ制御基板２２０に送信されるコマンドである（図１０のＳ３２０、あるいは図１４のＳ３３３０参照）。また、このコマンドには、保留情報として、例えば特図保留数に関する情報や、発生した保留がリーチ予告を行う保留であるか否か、リーチ予告フラグの設定状態、更には、発生した保留についての事前判定結果（例えば、大当り判定で大当りと判定されるか否か、リーチ状態を発生させると判定されるか否かなど）に関する情報が含まれている。

主制御基板２００からの保留情報指定コマンドを受信していないと判断した場合は（Ｓ１００４：ｎｏ）、特図保留の変化は生じておらずリーチ予告を行う必要はないので、そのままリーチ予告関連処理を終了して、図２４の遊技演出処理に復帰する。これに対して、保留情報指定コマンドを受信した場合は（Ｓ１００４：ｙｅｓ）、そのコマンドに含まれる保留情報を取得する（Ｓ１００６）。そして、取得した保留情報に基づいて、その保留がリーチ予告を発生させる保留であるか否かを判断し（Ｓ１００８）、リーチ予告を発生させる保留であった場合には（Ｓ１００８：ｙｅｓ）、リーチ予告演出フラグをＯＮに設定する（Ｓ１０１０）。ここで、リーチ予告演出フラグとは、リーチ予告を行うべきことを示すフラグである。また、以下に説明するように、本実施例ではリーチ予告が行われると、予告されたリーチ状態が発生するまで（リーチ保留が消化されるまで）、リーチ予告が継続されるようになっている。従って、本実施例のリーチ予告演出フラグは、リーチ予告を行うべきことを示すフラグであると同時に、リーチ予告が継続されていることを示すフラグともなっている。尚、リーチ予告演出フラグは、サブ制御基板２２０に搭載されたＲＡＭ２２３の所定アドレスに確保された領域に設定されるようになっている。

リーチ予告演出フラグをＯＮに設定したら（Ｓ１０１０）、続いて、現在記憶されている特図保留数を、予告演出保留消化カウンタに設定する（Ｓ１０１２）。この予告演出保留消化カウンタは、リーチ予告を行った後、その予告に対応してリーチ状態を発生させるタイミングを示すカウンタである。図１０を用いて前述したように、本実施例では、発生した特図保留がリーチ状態を発生させる保留（リーチ保留）であった場合にだけ、リーチ予告を行うか否かを判断することとしており（図１０のＳ３１４）、その結果が、保留情報指定コマンドによってサブ制御基板２２０に送信されている（Ｓ３２０）。従って、サブ制御基板２２０のＣＰＵ２２１は、リーチ予告を行う保留の発生を示す保留情報指定コマンドを受信した場合には、その保留でリーチ状態を発生させればよい、そこで、その保留を含めた特図保留数を、予告演出保留消化カウンタに設定する。

これに対して、リーチ保留が記憶されているにも拘わらず未だリーチ予告が行われていない間、特図保留が発生する度にリーチ予告を行うか否かを判断する場合は、たとえ、保留情報指定コマンドによってリーチ予告を行う旨が指定されても、その保留がリーチ保留であるとは限らない。従って、この場合は、先に保留情報指定コマンドを受信して保留情報が記憶されている保留の中から、リーチ保留を検出して、そのリーチ保留が何番目の保留であるかを示す値を、予告演出保留消化カウンタに設定すればよい。

こうして、リーチ予告演出フラグをＯＮにして、予告演出保留消化カウンタを設定したら（Ｓ１０１０、Ｓ１０１２）、演出表示装置２７の画面上に「リーチ予告ウィンドウ」を表示する（Ｓ１０１４）。ここで、リーチ予告ウィンドウとは、リーチ予告を行うために演出表示装置２７の画面上に表示される特別な領域である。リーチ予告ウィンドウの詳細については、後ほど詳しく説明する。

以上では、保留情報指定コマンドを受信して（Ｓ１００４：ｙｅｓ）、そのコマンドによって指定された保留がリーチ予告を発生させる保留（リーチ保留）であると判断された場合に（Ｓ１００８：ｙｅｓ）、リーチ予告演出フラグや予告演出保留消化カウンタを設定した後（Ｓ１０１０、Ｓ１０１２）、リーチ予告ウィンドウを表示する処理（Ｓ１０１４）について説明した。これに対して、保留情報指定コマンドによって指定された保留が、リーチ予告を発生させる保留ではないと判断した場合は（Ｓ１００８：ｎｏ）、これらの処理（Ｓ１０１０〜Ｓ１０１４）は不要となる。

続いて、リーチ予告関連処理では、リーチ予告演出フラグがＯＮに設定されているか否かを判断する（Ｓ１０１６）。前述したようにリーチ予告演出フラグは、リーチ予告を行うべきことを示すフラグであると同時に、リーチ予告が継続されていることを示すフラグである。そして、リーチ予告演出フラグがＯＮに設定されている場合は（Ｓ１０１６：ｙｅｓ）、その時点で記憶されている特図保留数に応じた態様のリーチ予告を、リーチ予告ウィンドウ内で行う（Ｓ１０１８）。

図２６は、特図保留数が「１」の時にリーチ予告ウィンドウ内でリーチ予告が行われる様子を例示した説明図である。図示されるように、演出表示装置２７の画面の左部分には、略矩形の大きなリーチ予告ウィンドウ２７ｆが表示されている。また、識別図柄２７ａ，２７ｂ，２７ｃの変動表示は、演出表示装置２７の画面上の残りの部分で行われる。更に、画面の右下隅の保留表示図柄２７ｅでは、特図保留数が「１」である旨が表示されている。そして、特図保留数が「１」の場合には、リーチ予告ウィンドウ２７ｆ内の下部に、「ノーマルリーチ」と表示される。こうすることにより、ノーマルリーチが発生する旨のリーチ予告が行われることになる。

図２７は、特図保留数が「２」の時にリーチ予告ウィンドウ内でリーチ予告が行われる様子を例示した説明図である。図示されるように、特図保留数が「２」の場合には、リーチ予告ウィンドウ２７ｆ内には、「ノーマルリーチ」と表示される箇所よりも少し上の位置に「ロングリーチ」と表示される。こうすることにより、ロングリーチが発生する旨のリーチ予告が行われることになる。

図２８は、特図保留数が「３」の時にリーチ予告ウィンドウ内でリーチ予告が行われる様子を例示した説明図である。図示されるように、特図保留数が「３」の場合には、リーチ予告ウィンドウ２７ｆ内には、「ロングリーチ」と表示される箇所よりも更に少し上の位置に「スーパーリーチ」と表示される。その結果、スーパーリーチが発生する旨のリーチ予告が行われる。

また、図２９は、特図保留数が「４」の時にリーチ予告ウィンドウ内でリーチ予告が行われる様子を例示した説明図である。図示されるように、特図保留数が「４」の場合には、リーチ予告ウィンドウ２７ｆ内には、「スーパーリーチ」と表示される箇所よりも更に少し上の位置に「ストーリーリーチ」と表示される。その結果、ストーリーリーチが発生する旨のリーチ予告が行われる。

図２５に示したリーチ予告関連処理では、リーチ予告演出フラグがＯＮに設定されている間は（Ｓ１０１６：ｙｅｓ）、特図保留数に応じて、図２６〜図２９の何れかの態様で、リーチ予告ウィンドウ２７ｆ内でリーチ予告を行う（Ｓ１０１８）。これに対して、リーチ予告演出フラグがＯＮに設定されていない場合は（Ｓ１０１６：ｎｏ）、リーチ予告ウィンドウ２７ｆの表示を終了する（Ｓ１０２０）。その結果、演出表示装置２７の画面の表示は、図２６〜図２９に示す表示から、図８を用いて前述した通常の表示に復帰する。結局、本実施例では、リーチ予告演出フラグがＯＮに設定されている間は、リーチ予告ウィンドウ２７ｆを用いたリーチ予告が行われ、リーチ予告演出フラグがＯＦＦにされると、リーチ予告が終了することになる。

尚、こうしたリーチ予告は、リーチ保留の存在を示す表示ともなっており、従って、本発明における「リーチ保留表示」に対応する。また、リーチ予告の表示は、サブ制御基板２２０のＣＰＵ２２１が、リーチ予告関連処理（Ｓ１０００）を実行することによって行われている。従って、本実施例においては、サブ制御基板２２０のＣＰＵ２２１が、本発明における「リーチ保留表示手段」に対応する。

また、前述したように、演出表示装置２７の動作を直接的に制御しているのは、サブ制御基板２２０のＣＰＵ２２１ではなく、演出制御基板２３０に搭載されたＣＰＵ２３１である。従って、演出表示装置２７の画面上にリーチ予告ウィンドウ２７ｆを表示し（Ｓ１０１４）、更に特図保留数に応じたリーチ予告を行うに際しては（Ｓ１０１８）、サブ制御基板２２０のＣＰＵ２２１から演出制御基板２３０に向かって、これらの画像を表示する旨を指定するコマンドを送信する。そして、演出制御基板２３０のＣＰＵ２３１が、それらのコマンドに従ってＲＯＭ２３２から画像データを読み出して演出表示装置２７の画面上に表示する処理が行われる。また、リーチ予告演出フラグをＯＦＦにする処理は、図２４に示した図柄変動演出処理（Ｓ１１００）の中で行われている。以下では、図柄変動演出処理について説明する。

Ｃ−２−２．図柄変動演出処理 ：
図３０および図３１は、図柄変動演出処理を示すフローチャートである。この処理は、サブ制御基板２２０に搭載されたＣＰＵ２２１によって、２ｍｓｅｃおきに実行されている。図示されるように、図柄変動演出処理を開始すると、主制御基板２００からの変動開始時コマンドを受信したか否かを判断する（Ｓ１１０２）。図１４を用いて前述したように、変動開始時コマンドとは、図柄表示装置２８で特別図柄の変動表示が開始されることに合わせて、特別図柄の変動パターンや停止図柄を指定するために、主制御基板２００からサブ制御基板２２０に向かって送信されるコマンドである。

変動開始時コマンドを受信した場合は（Ｓ１１０２：ｙｅｓ）、コマンドによって指定された特別図柄の停止図柄が、大当り図柄であるか否かを判断する（Ｓ１１０４）。主制御基板２００からの変動開始時コマンドには特別図柄の停止図柄についての情報が含まれているので、コマンドを解析することによって、特別図柄の停止図柄が大当り図柄か否かを判断することができる。その結果、大当り図柄であると判断した場合は（Ｓ１１０４：ｙｅｓ）、演出表示装置２７の画面上で識別図柄２７ａ，２７ｂ，２７ｃを停止表示させる際の大当り図柄を決定する（Ｓ１１０８）。すなわち、特別図柄の停止図柄が通常大当り図柄であった場合は、偶数を表す識別図柄を１つ選択し、選択した図柄で３つの識別図柄２７ａ，２７ｂ，２７ｃが揃った図柄組合せを、演出表示装置２７で停止表示させる大当り図柄として決定する。また、特別図柄の停止図柄が確変大当り図柄であった場合には、奇数を表す識別図柄を１つ選択し、その図柄で３つの識別図柄２７ａ，２７ｂ，２７ｃが揃った図柄組合せを、演出表示装置２７で停止表示させる大当り図柄として決定する。

続いて、大当り演出パターンを決定する（Ｓ１１１０）。ここで大当り演出パターンとは、演出表示装置２７の画面上で３つの識別図柄２７ａ，２７ｂ，２７ｃの変動表示を開始した後、大当り図柄で停止表示させるまでの態様を示すパターンである。サブ制御基板２２０のＲＯＭ２２２には、特別図柄の変動パターンと大当り演出パターンとが対応付けた大当り演出パターンテーブル（図示は省略）が記憶されている。また、特別図柄の変動パターンは、主制御基板２００からの変動開始時コマンドによって指定されている。従って、この変動パターンに基づいて大当り演出パターンテーブルを参照することにより、大当り演出パターンを決定することができる。

これに対して、変動開始時コマンドによって指定された特別図柄の停止図柄が、大当り図柄ではなかった場合は（Ｓ１１０４：ｎｏ）、リーチを伴う外れであるか否かを判断する（Ｓ１１１２）。この判断も、変動開始時コマンドによって指定された特別図柄の変動パターンに基づいて判断することができる。すなわち、図１９〜図２１を用いて前述したように、リーチの有無によって異なる外れ変動パターンが決定されるので、変動開始時コマンドによって指定された変動パターンによって、リーチを伴うか外れであるか否かを判断することができる。そして、リーチを伴う外れと判断した場合は（Ｓ１１１２：ｙｅｓ）、演出表示装置２７の画面上で停止表示させるリーチ外れ図柄を決定する（Ｓ１１１４）。すなわち、リーチ状態を発生させる図柄を決定し、３つの識別図柄２７ａ，２７ｂ，２７ｃの中の２つの識別図柄を、その図柄に決定する。更に、残った１つの識別図柄については、その図柄とは異なる図柄に決定する。

こうして、演出表示装置２７の画面上で停止表示させるリーチ外れ図柄を決定したら（Ｓ１１１４）、今度は、リーチ外れ演出パターンを決定する（Ｓ１１１６）。ここで、リーチ外れ演出パターンとは、演出表示装置２７の画面上で３つの識別図柄２７ａ，２７ｂ，２７ｃの変動表示を開始して、リーチ状態を発生させた後、リーチ外れ図柄で停止表示させるまでの態様を示すパターンである。リーチ外れ演出パターンについても、サブ制御基板２２０のＲＯＭ２２２に予め記憶されているリーチ外れ演出パターンテーブル（図示は省略）を参照することによって決定する。すなわち、図１９〜図２１を用いて前述したように、主制御基板２００のＣＰＵ２０１は、大当り判定結果が外れであり、リーチ状態を発生させると判断した場合には（図１９のＳ３４０６：ｙｅｓ）、リーチあり外れ変動パターンテーブルが選択されて（Ｓ３４０８参照）、リーチあり外れ変動パターンが、特別図柄の変動パターンとして決定され、この変動パターンが、変動開始時コマンドによってサブ制御基板２２０に送信される（図１４のＳ３３３２）。また、サブ制御基板２２０のＲＯＭ２２２に記憶されたリーチ外れ演出パターンテーブルには、リーチあり外れ変動パターンに対応付けて、リーチ外れ演出パターンが予め設定されている。そこで、変動開始時コマンドによって指定された変動パターンに基づいて、リーチ外れ演出パターンテーブルを参照することにより、リーチ外れ演出パターンを決定することができる。

一方、特別図柄の変動パターンに基づいて、リーチ状態を伴わない外れと判断した場合は（Ｓ１１１２：ｎｏ）、演出表示装置２７の画面上で停止表示させる外れ図柄を決定する（Ｓ１１１８）。すなわち、３つの識別図柄２７ａ，２７ｂ，２７ｃが全て異なる図柄となるように、識別図柄の停止図柄を決定する。続いて、外れ演出パターンを決定する（Ｓ１１２０）。ここで、外れ演出パターンとは、演出表示装置２７の画面上で３つの識別図柄２７ａ，２７ｂ，２７ｃの変動表示を開始して、リーチ状態を経ることなく、外れ図柄で停止表示させるまでの態様を示すパターンである。外れ演出パターンについても、サブ制御基板２２０のＲＯＭ２２２に予め記憶されている外れ演出パターンテーブル（図示は省略）を参照することによって決定する。

以上のようにして、演出表示装置２７の画面上で停止表示させる識別図柄２７ａ，２７ｂ，２７ｃを決定し（Ｓ１１０８、Ｓ１１１４、Ｓ１１１８）、識別図柄２７ａ，２７ｂ，２７ｃを停止表示させるまでの演出パターンを決定したら（Ｓ１１１０、Ｓ１１１６、Ｓ１１２０）、演出表示装置２７の画面上で識別図柄２７ａ，２７ｂ，２７ｃの変動表示を開始することによって、図柄変動演出を開始する（Ｓ１１２２）。また、このときサブ制御基板２２０に搭載されたタイマをセットすることにより、変動時間の計時を開始する。更に、演出表示装置２７の画面上で行われる図柄変動演出に合わせて、効果音を出力したり、各種ランプ類を点灯させることによって遊技の演出を行う。尚、図５を用いて前述したように、演出表示装置２７の動作を直接的に制御しているのは、サブ制御基板２２０のＣＰＵ２２１ではなく、演出制御基板２３０に搭載されたＣＰＵ２３１である。従って、サブ制御基板２２０のＣＰＵ２２１は、決定した演出パターンや識別図柄２７ａ，２７ｂ，２７ｃの停止図柄を示すコマンドを、演出制御基板２３０に向かって送信することによって、図柄変動演出を開始する（Ｓ１１２２）。演出制御基板２３０のＣＰＵ２３１は、サブ制御基板２２０からのコマンドで指定された演出パターンに従って、ＲＯＭ２３２から画像データを次々と読み出して演出表示装置２７の画面上に表示することにより、図柄変動演出が実行されることになる。また、サブ制御基板２２０のＣＰＵ２２１は、演出表示装置２７の画面上で行われる図柄変動演出に合わせて、効果音を出力したり、各種ランプ類を点灯させることによって遊技の演出を行う。尚、演出パターンには、効果音を出力したり各種ランプ類を点灯させたりするためのデータも含まれている。従って、演出パターンを決定すれば、これら効果音の出力や各種ランプ類の点灯に関するデータも自動的に決定されることになる。

以上のようにして図柄変動演出を開始すると（Ｓ１１２２）、主制御基板２００からの図柄停止コマンドを受信したか否かを判断する（図３１のＳ１１２４）。また、図柄変動演出処理を開始した時に、変動開始時コマンドを受信していないと判断した場合も（Ｓ１１０２：ｎｏ）、図柄停止コマンドを受信したか否かを判断する（Ｓ１１２４）。図１１を用いて前述したように、図柄停止コマンドは、図柄表示装置２８で特別図柄が停止表示される際に、主制御基板２００からサブ制御基板２２０に向かって送信されるコマンドである。その結果、図柄停止コマンドを受信していないと判断した場合は（Ｓ１１２４：ｎｏ）、そのまま図柄変動演出処理を終了して、図２４の遊技演出処理に復帰する。これに対して、図柄停止コマンドを受信したと判断した場合は（Ｓ１１２４：ｙｅｓ）、演出表示装置２７の識別図柄２７ａ，２７ｂ，２７ｃを、予め決定しておいた図柄で停止表示させることにより、図柄変動演出を終了する（Ｓ１１２６）。

続いて、リーチ予告演出フラグがＯＮに設定されているか否かを判断する（Ｓ１１２８）。前述したように、リーチ予告演出フラグとはリーチ予告が行われていることを示すフラグであり、リーチ予告演出フラグがＯＮに設定されている場合は、図２６〜図２９に例示したように、演出表示装置２７の画面上ではリーチ予告ウィンドウ２７ｆが表示されて、リーチ予告が行われている。その結果、リーチ予告演出フラグがＯＮに設定されている場合は（Ｓ１１２８：ｙｅｓ）、予告演出保留消化カウンタから「１」を減算する（Ｓ１１３０）。前述したように、予告演出保留消化カウンタは、リーチ予告を行ったときに、その予告したリーチ状態が何番目の保留で発生するかを示すカウンタである。例えば、３つめの特図保留がリーチ状態を発生させる保留（リーチ保留）であり、そのリーチ保留の発生時にリーチ予告を行うものと判断した場合は（図２５のＳ１００８：ｙｅｓ）、リーチ予告演出がＯＮに設定されると共に（Ｓ１０１０）、続くＳ１０１２では、予告演出保留消化カウンタには「３」が設定される。そして、こうして設定された予告演出保留消化カウンタは、演出表示装置２７の画面上で識別図柄２７ａ，２７ｂ，２７ｃの変動表示が開始されて（図３０のＳ１１２２）、停止表示される度に（図３１のＳ１１２６）、「１」ずつ減算されていくことになる（Ｓ１１３０）。

続いて、予告演出保留消化カウンタが「１」に達したか否かを判断する（Ｓ１１３２）。上述した説明から明らかなように、予告演出保留消化カウンタが「１」に達していれば、次の変動表示が、リーチ状態の発生を予告した変動表示に該当する。これに対して、予告演出保留消化カウンタが「１」に達していなければ、未だリーチ予告をする前に存在した保留を消化している段階ということになる。そこで、予告演出保留消化カウンタが「１」に達していなかった場合は（Ｓ１１３２：ｎｏ）、そのまま（すなわち、リーチ予告演出フラグをＯＮにしたまま）、図３０および図３１の図柄変動演出処理を終了して、図２４の遊技演出処理に復帰する。この場合は、リーチ予告演出フラグがＯＮに設定されたままなので、図２５に示したリーチ予告関連処理では、リーチ予告演出フラグがＯＮと判断されて（図２５のＳ１０１６：ｙｅｓ）、その時の特図保留数に応じて、図２６〜図２９の何れかの態様でリーチ予告が継続されることになる（Ｓ１０１８）。

これに対して、予告演出保留消化カウンタが「１」に達したと判断した場合は（図３１のＳ１１３２：ｙｅｓ）、リーチ予告演出フラグをＯＦＦに設定した後（Ｓ１１３４）、図３０および図３１の図柄変動演出処理を終了して、図２４の遊技演出処理に復帰する。この場合は、リーチ予告演出フラグがＯＦＦになっているので、図２５のリーチ予告関連処理では、リーチ予告演出フラグがＯＦＦと判断されて（Ｓ１０１６：ｎｏ）、リーチ予告ウィンドウ２７ｆの表示を終了した後（Ｓ１０２０）、リーチ予告関連処理を終了し、続いて、図３０および図３１を用いて前述した図柄変動演出処理が開始される。そして、その図柄変動演出処理では、識別図柄２７ａ，２７ｂ，２７ｃが変動表示を開始した後、リーチ状態を経て停止表示する演出が行われることになる。

以上では、図柄変動演出の終了時に（図３１のＳ１１２６）、リーチ予告演出フラグがＯＮに設定されていると判断した場合（Ｓ１１２８：ｙｅｓ）の処理について説明した。これに対して、リーチ予告演出フラグがＯＮに設定されていないと判断した場合は（Ｓ１１２８：ｎｏ）、リーチ予告の演出は行っていないので、上述した一連の処理（Ｓ１１３０〜Ｓ１１３４）は不要であるため、そのまま図３０および図３１の図柄変動演出処理を終了する。

以上に説明したように、本実施例のパチンコ機１では、遊技中に特別図柄の保留が発生すると、その保留についての事前判定（大当り判定の結果が大当りとなるか否か、あるいはリーチ状態を発生させるか否かなど）を行い（図１０のＳ３１０）、更に、リーチ予告を行うか否かについて決定する（Ｓ３１４）。そして、それらの結果を含んだ保留情報が、保留情報指定コマンドによって主制御基板２００からサブ制御基板２２０に送信される（Ｓ３２０）。その結果、サブ制御基板２２０では、図２５に示したリーチ予告関連処理（Ｓ１０００）が行われ、リーチ予告を行う旨の保留情報を受け取った場合には（図２５のＳ１００８：ｙｅｓ）、演出表示装置２７の画面上でリーチ予告演出が行われる（Ｓ１０１８）。

もっとも、前述したように、単にリーチ予告を行うだけでは、必ずしも遊技者の遊技興趣を高めることができるとは限らない。例えば、予告したリーチが発生するまでの間は、リーチ状態すら発生しないことが分かってしまうので、それまでの遊技は遊技者にとって興味の持てないものとなってしまう。また、予告されて長い間待っていたリーチ状態が、単なるノーマルリーチで、しかも外れで終わってしまったのでは、遊技者の期待を裏切る結果となってしまい、遊技興趣を冷ましてしまう虞も生じ得る。

そこで、本実施例のパチンコ機１では、単にリーチ予告を行うのではなく、その時点で記憶されている特図保留数に応じた態様でリーチ予告を行う。すなわち、特図保留数が「１」であれば、図２６に例示したように「ノーマルリーチ」が発生する旨のリーチ予告を行い、特図保留数が「２」であれば、図２７に例示したように「ロングリーチ」が発生する旨のリーチ予告を行う。また、特図保留数が「３」であれば、図２８に例示したように「スーパーリーチ」が発生する旨のリーチ予告を、更に特図保留数が「４」であれば図２９に例示したように「ストーリーリーチ」が発生する旨のリーチ予告を行う。そして、こうして表示されたリーチ予告は、予告に応じてリーチ状態を伴う変動表示を識別図柄２７ａ，２７ｂ，２７ｃが開始するまで継続され、それまでの間に特図保留数が変動した場合には、それに応じて、予告されるリーチの態様も変化するようになっている。

例えば、リーチ予告の発生時に特図保留数が「２」であった場合には、図２７に示す態様で「ロングリーチ」が発生する旨のリーチ予告が行われる。そして、演出表示装置２７の画面上で識別図柄２７ａ，２７ｂ，２７ｃが変動表示を継続している間に、新たな特図保留が発生して特図保留数が「３」に増加すると、リーチ予告の表示が図２７に示した表示から図２８に示した表示に変化して、予告するリーチの態様が「ロングリーチ」から「スーパーリーチ」に昇格する。一方、識別図柄２７ａ，２７ｂ，２７ｃが停止表示するまでの間に新たな特図保留を発生させることができずに、特図保留数が「２」に減少すると、リーチ予告の表示が図２７に示した表示から図２６に示した表示に変化して、予告するリーチの態様が「ロングリーチ」から「ノーマルリーチ」に降格してしまう。もちろん、識別図柄２７ａ，２７ｂ，２７ｃが変動表示を継続している間に、特図保留数が「２」から「４」に増加させることができれば、リーチ予告の表示は、図２７に示した「ロングリーチ」から図２９に示した「ストーリーリーチ」へと一気に昇格することになる。

そして、予告したリーチ状態を伴う特別図柄の変動表示を開始する際、すなわち、リーチ予告の発生の契機となった特図保留数「２」に対応する２つ目の特図保留（リーチ保留）に対応する特別図柄の変動表示を開始する際には、主制御基板２００では、図２２を用いて前述した予告リーチ変動パターン決定処理（Ｓ３６００）が行われて、その時点で記憶されている特図保留数に応じた態様のリーチ状態を発生させる変動パターンが決定され、その変動パターンは、主制御基板２００から送信される変動開始時コマンドによってサブ制御基板２２０に伝達される（図１４のＳ３３３２）。すると、サブ制御基板２２０では、図３０および図３１を用いて前述した図柄変動演出処理（Ｓ１１００）の中で、変動パターンに応じた大当り演出パターンが決定される（図３０のＳ１１１０）。その結果、演出表示装置２７の画面上では、その図柄変動が開始される直前の特図保留数に応じた態様（すなわち、リーチ予告で最後に表示されたリーチの態様）で、リーチ状態の演出が開始される。

図３２は、リーチ予告が終了して、リーチ状態を伴う図柄変動が開始される様子を例示した説明図である。図３２（ａ）には、リーチ予告ウィンドウ２７ｆに「ストーリーリーチ」のリーチ態様が表示されている状態が示されている。この状態でリーチ予告が終了すると、図３２（ｂ）および図３２（ｃ）に例示するように、「ストーリーリーチ」のリーチ状態を伴う図柄変動が開始されることになる。

このように、本実施例のパチンコ機１では、リーチ予告で表示された態様で、実際にリーチ状態の演出が行われる。このため、リーチ予告が発生した後も、予告されたリーチ状態を伴う図柄変動が開始されるまでの間に、遊技者が始動口１７に遊技球を入球させて、特図保留数を増加させることができれば、実際に発生するリーチ状態を昇格させることができる。また逆に、リーチ予告が発生した後に、遊技者が始動口１７に遊技球を入球させることができなければ、特図保留数が次第に減少していくので、実際に発生するリーチ状態が降格してしまう。このため遊技者は、リーチ予告が発生した後は、実際にリーチ状態を伴う図柄変動が開始されるまでの間に、少しでもリーチ状態の態様を昇格させようとして、始動口１７に遊技球を入球させることに集中するので、リーチ予告が行われてからリーチ状態が発生するまでの遊技を、十分に楽しむことが可能となる。

もちろん、リーチ状態の態様を昇格させることができても、その後に遊技球を始動口１７に入球させることができなければ、特図保留数が減少し、それに伴ってリーチ状態の態様も降格してしまう。しかし、図２１を用いて前述したように、本実施例のパチンコ機１では、リーチ予告中（すなわち、リーチ予告が行われてから実際にリーチ状態を伴う図柄変動が開始されるまで）は、リーチ予告を行っていない通常時に選択される特別図柄の変動パターン（図２０参照）に比べ変動時間の長い変動パターンが選択されるようになっており、更に、特図保留数が多くなるほど変動時間の長い変動パターンが選択されるようになっている。このため、リーチ予告が開始されてから、そのリーチ予告の開始契機となった保留（リーチ保留）に対応する図柄変動が開始されるまでの間（つまり、リーチ予告中）は、特別図柄の変動表示の実行頻度、つまり、特図保留数が減少するペース（速度）が、リーチ予告を行っていない通常時に比べ低下する。この結果、リーチ予告中は、リーチ予告を行っていない通常時に比べ特図保留数が増加し易くなるので、リーチ保留に対応する図柄変動で行われるリーチ状態の態様（リーチ態様）を昇格させ得る可能性が高まる。また、リーチ予告中は、特図保留数が多くなるほど（従って、リーチ状態の態様を昇格させるほど）、特別図柄の変動表示の実行頻度（特図保留数が減少するペース）が低下していくので、増加した特図保留数を維持し易くなり、その結果、昇格したリーチ状態の態様を比較的容易に維持しておくことが可能である。

尚、リーチ予告中は、リーチ予告を行っていない場合に比べて変動時間の長い変動パターンを選択する処理は、図１３および図１４を用いて前述した特図変動表示処理の中で行われている。従って、本実施例の特図変動表示処理を実行する主制御基板２００のＣＰＵ２０１は、本発明における「変動頻度低下手段」に対応する。

また、本実施例のパチンコ機１では、リーチ予告が発生した時点で特図保留数が少ない場合には、リーチ状態の態様を昇格させるために遊技者が遊技球の発射を継続し、また、リーチ予告の発生時点で特図保留数が多い場合には、リーチ状態の態様を降格させないために遊技球の発射を継続する。このため、遊技台の稼働を高めることが可能となる。

加えて、本実施例のパチンコ機１では、リーチ予告が行われた後に、遊技球を始動口１７に入球させることによって、発生するリーチ状態の態様を、遊技者がある程度までコントロールすることが可能となる。従って、例えば「スーパーリーチ」の中で未だ見ていないリーチ状態が存在する場合には、リーチ予告が行われた後はできるだけ特図保留数を「３」に保つように遊技を行うことで、そのリーチ状態を発生させ易くすることができる。このように、本実施例のパチンコ機１では、遊技者にリーチ状態の態様を選択させるという新たな遊技性を付加することも可能となる。

Ｄ．変形例 ：
以上の実施例では、予告するリーチ状態の態様は、そのリーチ予告の発生時点で記憶されている特図保留数によって決定されるものとして説明した。この場合、リーチ予告が発生した時に、始めから「スーパーリーチ」や「ストーリーリーチ」の態様、すなわち「特別リーチ類」に含まれるリーチの態様が予告されることも起こり得る。しかし、リーチ予告の発生に伴い、始めは「普通リーチ類」に含まれる「ノーマルリーチ」の態様が予告され、その後、始動口１７に遊技球を入球させる度（特図保留数が増加する度）に、リーチ状態の態様が昇格するようにしても良い。以下では、このような変形例について説明する。

Ｄ−１．変形例の予告リーチ変動パターン決定処理 ：
図３３は、変形例の予告リーチ変動パターン決定処理を示すフローチャートである。この処理は、図１３および図１４を用いて前述した特図変動表示処理の中で、リーチ予告フラグがＯＮであり（図１３のＳ３３１８：ｙｅｓ）、且つ、予告保留消化カウンタが「１」と判断された場合に（図１４のＳ３３２０：ｙｅｓ）、主制御基板２００のＣＰＵ２０１によって実行される処理である。また、この変形例の予告リーチ変動パターン決定処理（Ｓ３６５０）は、図２２を用いて前述した本実施例の予告リーチ変動パターン決定処理（Ｓ３６００）に対して、その時の特図保留数だけでなく、予告保留消化カウンタの値も考慮して、変動パターンテーブルを選択する点が異なっている。以下では、この相違点を中心として、変形例の予告リーチ変動パターン決定処理について説明する。

図３３に示されるように、変形例の予告リーチ変動パターン決定処理（Ｓ３６５０）においても、処理を開始すると先ず始めに、大当り判定の結果が大当りであったか否かを判断する（Ｓ３６５２）。その結果、大当り判定の結果が大当りではなかった場合は（Ｓ３６５２：ｎｏ）、その時点で記憶されている特図保留数から、予告保留消化カウンタの値を減算する（Ｓ３６５８）。ここで、予告保留消化カウンタとは、図１０を用いて前述したように、リーチ予告に従ってリーチ状態が発生するタイミングを示すカウンタである。例えば、予告保留消化カウンタが「２」であれば、２つめの特図保留が、リーチ状態の発生を予告した保留（リーチ保留）であることを表している。また、予告保留消化カウンタは、特図保留が１つ消化される度に「１」ずつ減少していく（図１４のＳ３３２２またはＳ３３２４参照）。従って、現在の特図保留数から予告保留消化カウンタの値を減算して得られる値は、リーチ予告を行った後に、新たに発生した特図保留数を表している。

そして、得られた減算値に応じた予告リーチ外れ変動パターンテーブルを選択する（Ｓ３６６０）。すなわち、前述した実施例では、図２３に示したように、特図保留数に応じて予告リーチ外れ変動パターンテーブルが設定されていたが、変形例では、特図保留数から予告保留消化カウンタの値を減算して得られた減算値に応じて、予告リーチ外れ変動パターンテーブルが設定されている。また、予告リーチ外れ変動パターンテーブルの内容は、図２３に示したテーブルと同様な内容が設定されている。すなわち、減算値が「０」の場合のテーブルには、図２３（ａ）に示した特図保留数が「１」の場合のテーブルと同様な内容が設定されている。また、減算値が「１」の場合のテーブルには、図２３（ｂ）に示した特図保留数が「２」の場合のテーブルと同様な内容が設定されている。更に、減算値が「２」の場合のテーブルには、図２３（ｃ）に示した特図保留数が「３」の場合のテーブルと同様な内容が、そして減算値が「３」の場合のテーブルには、図２３（ｄ）に示した特図保留数が「４」の場合のテーブルと同様な内容が設定されている。

尚、減算値が「０」〜「３」の範囲でしか予告リーチ外れ変動パターンテーブルが設定されていないのは、次の理由による。先ず、図１４を用いて前述したように、予告リーチ変動パターン決定処理は、予告保留消化カウンタが「１」の場合（図１４のＳ３３２０：ｙｅｓ）に行われる処理である。また、このときの特図保留数は「１」〜「４」の値しか取り得ない。このため、特図保留数から予告保留消化カウンタの値を減算した値は、「０」〜「３」の４つの値しか取り得ないので、これらの場合についてだけ、予告リーチ外れ変動パターンテーブルを設定しておけば十分である。

一方、大当り判定の結果が大当りであると判断した場合は（Ｓ３６５２：ｙｅｓ）、その時の特図保留数から予告保留消化カウンタの値を減算した後（Ｓ３６５４）、減算値に応じた予告リーチ大当り変動パターンテーブルを選択する（Ｓ３６５４）。この予告リーチ大当り変動パターンテーブルにも、前述した予告リーチ外れ変動パターンテーブルと同様に、特図保留数から予告保留消化カウンタの値を減算した値に応じて異なる変動パターンテーブルが設定されている。

以上のようにして、大当り判定の結果に応じて、対応する変動パターンテーブルを選択したら（Ｓ３６５６、Ｓ３６６０）、変動パターン決定乱数を取得し（Ｓ３６６２）、取得した変動パターン決定乱数に基づいて、先に選択しておいた変動パターンテーブルを参照することにより、変動パターンを決定する（Ｓ３６６４）。そして、変動パターンを決定したら、図３３の変形例の予告リーチ変動パターン決定処理を終了して、図１３および図１４に示した特図変動表示処理に復帰する。続いて、特図変動表示処理では、サブ制御基板２２０に向かって、保留情報指定コマンドおよび変動開始時コマンドが送信される（図１４のＳ３３３２、Ｓ３３３４）。また、サブ制御基板２２０の側では、以下のようなリーチ予告関連処理を行われる。

Ｄ−２．変形例のリーチ予告関連処理 ：
図３４は、変形例のリーチ予告関連処理を示すフローチャートである。変形例のリーチ予告関連処理（Ｓ１０５０）は、図２５を用いて前述したリーチ予告関連処理（Ｓ１０００）とほとんど同じであるが、図２５を用いて前述したリーチ予告関連処理（Ｓ１０００）では、現在の特図保留数に応じた態様でリーチ予告を行っていたのに対して、変形例のリーチ予告関連処理（Ｓ１０５０）では、現在の特図保留数から予告保留消化カウンタの値を減算した値に応じて、リーチ予告を行う点が異なっている。以下では、この相違点を中心として、変形例のリーチ予告関連処理について簡単に説明する。

図３４に示されるように、変形例のリーチ予告関連処理においても、先ず始めに、現在の遊技状態が大当り中か否かを判断する（Ｓ１０５２）。そして、大当り中であれば（Ｓ１０５２：ｙｅｓ）、そのまま変形例のリーチ予告関連処理を終了して、図２４の遊技演出処理に復帰する。これに対して、現在の遊技状態が大当り中ではなかった場合は（Ｓ１０５２：ｎｏ）、主制御基板２００からの保留情報指定コマンドを受信したか否かを判断する（Ｓ１０５４）。その結果、保留情報指定コマンドを受信していないと判断した場合も（Ｓ１０５４：ｎｏ）、変形例のリーチ予告関連処理を終了して、図２４の遊技演出処理に復帰する。一方、保留情報指定コマンドを受信した場合は（Ｓ１０５４：ｙｅｓ）、そのコマンドに含まれる保留情報を取得した後（Ｓ１０５６）、その保留がリーチ予告を発生させる保留（リーチ保留）であるか否かを判断し（Ｓ１０５８）、リーチ予告を発生させる保留であった場合には（Ｓ１０５８：ｙｅｓ）、リーチ予告演出フラグをＯＮに設定する（Ｓ１０６０）。続いて、現在の特図保留数を予告演出保留消化カウンタに設定した後（Ｓ１０６２）、演出表示装置２７の画面上に、リーチ予告ウィンドウ２７ｆを表示する（Ｓ１０６４）。

以上では、保留情報指定コマンドによって指定された保留が、リーチ予告を発生させる保留であると判断された場合（Ｓ１０５８：ｙｅｓ）の処理について説明した。これに対して、保留情報指定コマンドによって指定された保留が、リーチ予告を発生させる保留ではなかった場合は（Ｓ１０５８：ｎｏ）、これらの処理（Ｓ１０６０〜Ｓ１０６４）は不要となる。

続いて、変形例のリーチ予告関連処理においては、リーチ予告演出フラグがＯＮに設定されているか否かを判断する（Ｓ１０６６）。そして、リーチ予告演出フラグがＯＮに設定されている場合は（Ｓ１０６６：ｙｅｓ）、その時点で記憶されている特図保留数から、予告保留消化カウンタの値を減算し（Ｓ１０６８）、得られた減算値に応じた態様のリーチ予告を、リーチ予告ウィンドウ２７ｆ内で行う（Ｓ１０７０）。

例えば、初めてリーチ予告を行う場合であれば、その時点での特図保留数と、予告保留消化カウンタの値とは等しいから、特図保留数から予告保留消化カウンタを減算した値は「０」となる。そして、減算値が「０」の場合は、図２６に示した態様でリーチ予告を行う。その後、リーチ状態を伴う図柄変動が開始されるまでの間に、特図保留が１つ追加されたのであれば、特図保留数から予告保留消化カウンタを減算した値は「１」となる。この場合は、図２７に示した態様でリーチ予告を行う。更に、特図保留が追加されて、特図保留数から予告保留消化カウンタを減算した値が「２」となった場合には、図２８に示した態様でリーチ予告を行う。更に、もう１つ特図保留が追加されて、特図保留数から予告保留消化カウンタを減算した値が「３」となった場合には、図２９に示した態様でリーチ予告を行う。これに対して、リーチ予告演出フラグがＯＮに設定されていない場合は（Ｓ１０６６：ｎｏ）、リーチ予告ウィンドウ２７ｆの表示を終了する（Ｓ１０７２）。

以上に説明した変形例においては、リーチ予告が発生した時点でのリーチ態様は、必ず「ノーマルリーチ」となっているが、その後、予告したリーチ状態を伴う図柄変動が開始されるまでの間（つまり、リーチ予告中）に、遊技者が始動口１７に遊技球を入球させることにより、リーチ状態の態様を「ロングリーチ」、「スーパーリーチ」、「ストーリーリーチ」と昇格させることができる。このため、遊技者は、リーチ予告が発生した後も、始動口１７に遊技球を入球させてリーチ状態の態様を昇格させる遊技を楽しむことができるので、遊技者の遊技興趣を大きく掻き立てることが可能となる。

以上、本発明について各種の実施の形態を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各請求項に記載した範囲を逸脱しない限り、各請求項の記載文言に限定されず、当業者がそれらから容易に置き換えられる範囲にも及び、かつ、当業者が通常有する知識に基づく改良を適宜付加することができる。

例えば、上述した実施例および変形例では、リーチ予告を行う場合には、リーチ予告を行うための特別の領域であるリーチ予告ウィンドウ２７ｆを演出表示装置２７の画面上に開くとともに、そのリーチ予告ウィンドウ２７ｆ内で「ノーマルリーチ」、「ロングリーチ」、「スーパーリーチ」、「ストーリーリーチ」などのリーチ態様を表示するものとした。しかし、図４を用いて前述したように、演出表示装置２７の画面上には、特図保留数を表す保留表示図柄２７ｅが表示されているので、この保留表示図柄２７ｅを用いてリーチ予告を行うようにしても良い。例えば、通常の保留（リーチ保留ではない保留）については「黄色」に点灯させ、リーチ保留については別の色に点灯させることによって、リーチ予告を行う。そして、リーチ態様が昇格するに従って、「緑色」、「橙色」、「赤色」と色を変化させたり、あるいは特図保留を表す図形（図４では円形の図形）を大きくするなどして、リーチ態様を表示するようにしても良い。

本発明は、遊技ホールで用いられる弾球遊技機に利用することができる。

１…パチンコ機（弾球遊技機）、 １７…始動口、
１７ｓ…始動口スイッチ（遊技球検知装置）、 ２７…演出表示装置（変動表示装置）、 ２８…図柄表示装置、 ２００…主制御基板、
２０１…ＣＰＵ（乱数取得手段、保留記憶手段、事前判定手段、変動頻度低下手段）、
２０２…ＲＯＭ（リーチ態様記憶手段）、
２２０…サブ制御基板、 ２２１…ＣＰＵ（リーチ保留表示手段）

Claims (3)

1. 遊技球を検知可能な遊技球検知装置が設けられた遊技盤に遊技球を発射することによって遊技を行うと共に、
   前記遊技球検知装置で遊技球が検知されたことを契機として複数の図柄の変動表示を開始した後、該複数の図柄を当り態様の図柄組合せまたは外れ態様の図柄組合せの何れかで停止表示させる変動表示装置と、
   前記複数の図柄の中の一つの図柄を除く他の図柄が前記当り態様となる図柄組合せで停止表示し、最後の一つの図柄が変動表示を継続する図柄の表示状態であるリーチ状態を発生させるか否かを判定するために用いられるリーチ判定乱数を、前記遊技球検知装置で遊技球が検知されたことを受けて取得する乱数取得手段と、
   前記リーチ状態の態様であるリーチ態様を複数記憶しているリーチ態様記憶手段と、
   前記変動表示装置で前記図柄の変動表示が開始される際に、前記リーチ状態を発生させるか否かを前記リーチ判定乱数に基づいて判定すると共に、該リーチ状態を発生させる場合には、複数の前記リーチ態様の中から一のリーチ態様を決定するリーチ態様決定手段と、
   前記遊技球検知装置で遊技球が検知されたときに前記変動表示装置で前記図柄が変動表示していた場合には、該変動表示の終了後に新たな変動表示を開始するべく、該遊技球の検知に伴って取得された前記リーチ判定乱数を保留として記憶するとともに、前記保留を複数記憶することが可能な保留記憶手段と、
   前記リーチ判定乱数が前記保留として記憶されるに際して、該リーチ判定乱数が前記リーチ状態を発生させる乱数であるか否かを、前記図柄の変動表示に先立って事前に判定する事前判定手段と、
   前記保留として記憶された前記リーチ判定乱数が前記リーチ状態を発生させる乱数であると前記事前判定手段によって判定された場合には、該リーチ状態を発生させる保留であるリーチ保留が存在する旨を表すリーチ保留表示を、該リーチ保留に基づく前記図柄の変動表示が開始されるまで行うリーチ保留表示手段と
   を備える弾球遊技機において、
   前記リーチ態様記憶手段は、複数の前記リーチ態様を、前記保留の数に応じて設けられたリーチ類別の何れかに分類された状態で記憶しており、
   前記リーチ態様決定手段は、前記リーチ保留に基づく前記図柄の変動表示の開始時に前記リーチ態様を決定するに際して、その時点での前記保留の数に対応する前記リーチ類別に分類された前記リーチ態様の中から一のリーチ態様を決定しており、
   前記リーチ保留表示手段は、前記リーチ保留表示を開始するに際しては、その時点での前記保留の数に対応する前記リーチ類別に応じた態様で前記リーチ保留表示を行い、その後、該リーチ保留表示が行われている状態で前記保留の数が変化した場合には、該リーチ保留表示を、新たな前記保留の数に対応する前記リーチ類別に応じた態様に変更する
   ことを特徴とする弾球遊技機。
2. 遊技球を検知可能な遊技球検知装置が設けられた遊技盤に遊技球を発射することによって遊技を行うと共に、
   前記遊技球検知装置で遊技球が検知されたことを契機として複数の図柄の変動表示を開始した後、該複数の図柄を当り態様の図柄組合せまたは外れ態様の図柄組合せの何れかで停止表示させる変動表示装置と、
   前記複数の図柄の中の一つの図柄を除く他の図柄が前記当り態様となる図柄組合せで停止表示し、最後の一つの図柄が変動表示を継続する図柄の表示状態であるリーチ状態を発生させるか否かを判定するために用いられるリーチ判定乱数を、前記遊技球検知装置で遊技球が検知されたことを受けて取得する乱数取得手段と、
   前記リーチ状態の態様であるリーチ態様を複数記憶しているリーチ態様記憶手段と、
   前記変動表示装置で前記図柄の変動表示が開始される際に、前記リーチ状態を発生させるか否かを前記リーチ判定乱数に基づいて判定すると共に、該リーチ状態を発生させる場合には、複数の前記リーチ態様の中から一のリーチ態様を決定するリーチ態様決定手段と、
   前記遊技球検知装置で遊技球が検知されたときに前記変動表示装置で前記図柄が変動表示していた場合には、該変動表示の終了後に新たな変動表示を開始するべく、該遊技球の検知に伴って取得された前記リーチ判定乱数を保留として記憶するとともに、前記保留を複数記憶することが可能な保留記憶手段と、
   前記リーチ判定乱数が前記保留として記憶されるに際して、該リーチ判定乱数が前記リーチ状態を発生させる乱数であるか否かを、前記図柄の変動表示に先立って事前に判定する事前判定手段と、
   前記保留として記憶された前記リーチ判定乱数が前記リーチ状態を発生させる乱数であると前記事前判定手段によって判定された場合には、該リーチ状態を発生させる保留であるリーチ保留が存在する旨を表すリーチ保留表示を、該リーチ保留に基づく前記図柄の変動表示が開始されるまで行うリーチ保留表示手段と
   を備える弾球遊技機において、
   前記リーチ態様記憶手段は、複数の前記リーチ態様を、前記保留の数の多少に応じて設けられたリーチ類別の何れかに分類された状態で記憶しており、
   前記リーチ態様決定手段は、前記リーチ保留に基づく前記図柄の変動表示の開始時に前記リーチ態様を決定するに際して、前記リーチ保留の以降に前記保留記憶手段に記憶された前記保留の数に対応する前記リーチ類別を選択し、選択した該リーチ類別に分類されている前記リーチ態様の中から一のリーチ態様を決定しており、
   前記リーチ保留表示手段は、前記リーチ保留表示を開始するに際しては、前記保留の数が上限保留数よりも少ない場合に対応する前記リーチ類別を選択して、選択した該リーチ類別に応じた態様で前記リーチ保留表示を行い、その後、該リーチ保留表示が表示されている状態で新たな前記保留が記憶された場合には、該リーチ保留表示を、当該新たに記憶された保留の数に対応する前記リーチ類別に応じた態様に変更する
   ことを特徴とする弾球遊技機。
3. 請求項１または請求項２に記載の遊技機において、
   前記リーチ保留表示手段が前記リーチ保留表示を行っている間、前記変動表示装置で前記図柄の変動表示が開始される頻度を、前記リーチ保留表示手段が前記リーチ保留表示を行っていないときに比べ低くする変動頻度低下手段を備える
   ことを特徴とする弾球遊技機。
   

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