JP5162937B2 - 燃料電池 - Google Patents

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Description

本発明は、燃料電池に関わり、詳しくは、発電セルで発生する熱に対する対策を施した、小型化に適した燃料電池に関するものである。
近年、携帯電話、ノート型パーソナルコンピュータ、デジタルカメラ、カムコーダなどの携帯型電子機器では、高機能化および多機能化が続いており、これにともない、消費電力が増加する傾向にある。このため、その電源にかかる負担も大きくなっている。
これらの携帯型電子機器の電源として一般的に用いられているものは、小型の一次電池または二次電池である。電池の特性を示すものの一つに、エネルギー密度がある。エネルギー密度とは電池の単位質量あるいは単位体積あたりの取り出し可能エネルギー量である。携帯型電子機器に用いられる電池には、電子機器の更なる高機能化および多機能化に対応できるように、エネルギー密度の向上が求められている。
一次電池では、その電池が保有しているエネルギーを放電してしまうと、その電池を再利用することはできない。別の電池に交換すれば、ただちに携帯型電子機器などを再び動作させることができる便利さはあるものの、エネルギー密度は小さく、消費電力の大きい携帯型電子機器を駆動するには多量の電池を持ち運ぶ必要があり、携帯型電子機器の電源としては不向きである。
二次電池を用いれば、その電池が蓄積しているエネルギーを放電してしまっても、充電すれば再生され、再利用できる利点がある。しかし、消費電力の大きい携帯型電子機器を長時間駆動するにはエネルギー密度が不足しており、充電するにはそのための充電装置や電源が必要になるから、使用環境が制限される。また、充電にはかなりの時間がかかるという問題点もある。
以上のように、各種携帯型電子機器を長時間駆動するには、従来の一次電池や二次電池やその延長では対応が難しく、より長時間の駆動に適した、異なる原理に基づいた電源が期待されている。このような電源の一つが燃料電池である。燃料電池は、負極、正極、および電解質などからなり、負極側に燃料が供給され、正極側に酸化剤が供給される。このとき、燃料が酸化剤によって酸化される酸化還元反応が起こり、燃料がもっていた化学エネルギーが効率よく電気エネルギーに変換される。
燃料電池は、燃料と酸化剤との化学反応を利用して発電を行う発電装置であるから、酸化剤として空気中の酸素を用い、燃料を外部から補給し続けることによって、故障しない限り電源として使い続けることができる。従って、小型化できれば、携帯型電子機器に適した、充電不要の高エネルギー密度電源になる。
すでに、様々な種類の燃料電池が提案または試作され、一部は実用化されている。燃料電池は、用いられる電解質によって大きく特性が変化するため、用いられる電解質などに基づいて種々に分類されている。これらのうち、プロトン伝導性高分子膜を電解質とする高分子電解質型燃料電池(PEFC)は、電解液を用いず、30℃〜130℃程度の低い温度で動作するため、小型化が可能で、携帯型電子機器用電源として最適である。
燃料電池の燃料としては、水素やメタノールなど、種々の可燃性物質を用いることができる。しかし、水素などの気体燃料は密度が小さく、密度を上げるには高圧の貯蔵用ボンベなどが必要になるため、小型化には適していない。一方、メタノールなどの液体燃料は、気体に比べて密度が高く、貯蔵しやすいため、小型機器用燃料電池の燃料として圧倒的に有利である。従って、液体燃料を用いる燃料電池が小型化できれば、従来にない長時間駆動が可能な携帯型電子機器用電源を実現できる。
なかでも、PEFCの負極にメタノールを直接供給して反応させるダイレクトメタノール型燃料電池(DMFC)は、燃料から水素を取り出すための改質器を必要とせず、構成がシンプルになり、小型化が容易である。また、メタノールのエネルギー密度は、理論的には一般的なリチウムイオン二次電池のエネルギー密度よりはるかに大きい。以上に述べたように、DMFCは、小型化、多機能化、および高性能化がすすむ携帯型電子機器の電源として最も適していると考えられている。
DMFCでは、燃料のメタノールは、負極触媒層で下記(1)式のように二酸化炭素に酸化される。
負極:CH3OH+H2O → CO2+6H++6e-・・・・・(1)
このとき生じた水素イオンは、負極と正極との間に挟持されたプロトン伝導性高分子電解質膜を通って正極側へ移動し、正極触媒層で酸素と下記(2)式のように反応して水を生成する。
正極:6H++(3/2)O2+6e- → 3H2O・・・・・(2)
DMFC全体で起こる反応は、(1)式と(2)式を合わせた下記の反応式(3)で示される。
DMFC全体:CH3OH+(3/2)O2 → CO2+2H2O・・・・・(3)
DMFCは、負極へメタノールを供給する方法によって、液体供給型と気化供給型とに大別される。液体供給型は液体燃料をそのまま供給する方法で、ポンプを用いてメタノール水溶液などを負極へ供給する。DMFCでは、負極での電極反応(1)によって水が消費される。このため、多くのDMFCでは、負極にメタノール水溶液を供給し、失われる水を補給する。しかし、この方式は、メタノールが負極側から正極側へ高分子電解質膜中を通り抜けてしまうメタノールクロスオーバーが起こり、メタノールの利用効率が低下する問題が生じやすい。
気化供給型は、気化させたメタノールを負極へ供給する方法で、燃料タンクに貯蔵されている液体燃料をポンプで気化室に送り、気化室で燃料を自然蒸発させるか、またはヒーター加熱などで強制的に蒸発させる方法がある(特許第3413111号公報参照。)。また、ポンプを用いず、燃料タンクの燃料を燃料タンク内で自然蒸発させるか、またはヒーター加熱などで強制的に蒸発させる方法もある。
気化供給型では、正極で生成する水を負極側へ逆拡散させ、正極上での水の滞留を防止し、負極での電極反応(1)で消費される水を補給するとともに、自己加湿によって高分子電解質膜中の水分を維持し、高分子電解質膜に高いプロトン伝導性を発揮させる。気化供給型は、メタノールクロスオーバーが比較的起こりにくい方法として知られている。また、高分子電解質膜の膨潤を抑えることができ、膜−電極接合体を安定化することができる。
発電部への空気の供給は,液体供給型でも、気化供給型でも,ポンプやファンによって強制的に行う方法か、これらを用いず、空気が自然に拡散または対流するのを利用する方法で行われる。
メタノールや空気の供給を安定化する方法として、ポンプやブロアやヒーターを用いて供給速度を管理する方法がある。しかし、これらの補助部品は、DMFCを小型化する妨げになり、高エネルギー密度というDMFCの特徴を損なう面がある。従って、携帯型電子機器向け電源としては、ポンプなどの補助部品をできるだけ用いず、メタノールの供給方法として、燃料タンクの燃料を自然蒸発させる気化供給型を用い,空気の供給方法として、自然拡散や自然対流を利用する方法を用いることが好ましい.
しかしながら、この場合、燃料供給速度がメタノールを気化させる空間の温度によって強く影響されるため、この空間の温度が発電に伴って発生する熱によって高くなり過ぎると、燃料が過剰に供給され、メタノールクロスオーバーが発生することになる。また、気化供給型では、正極側で生成する水が電解質膜中を逆拡散して負極側に供給されることが必要であるが、高分子電解質膜が高温になり過ぎると、正極側で生成した水や電解質膜に含まれていた水が蒸発して失われてしまい、負極での反応に必要な水を供給できなくなるという問題が生じる。
発電に伴って発生する熱による過熱は、いったん発生すると状況がしだいに悪化していく性質がある。例えば、メタノールを気化させる空間の過熱によって燃料の過剰供給が起こり、メタノールクロスオーバーが引き起こされたとすると、クロスオーバーしたメタノールは正極で酸化され、このとき発生した熱が更にメタノール気化空間の温度を上昇させ、これによって更なる燃料の過剰供給とメタノールクロスオーバーとが引き起こされるという悪循環に陥りやすい。また、高温になった高分子電解質膜から水分が失われると、高分子電解質膜の内部抵抗が増大し、この結果、抵抗発熱が増大して、その熱によって更に高分子電解質膜の温度が上昇するという悪循環もある。
発電で発生する熱を、ポンプやファンを用いずに管理して温度を安定化する方法として、放熱フィンを有する放熱手段を外気に接する位置に設ける方法がある。放熱フィンを設けた燃料電池の例は、例えば、後述の特許文献1に提案されている。
図4は、特許文献1に示されている燃料電池の起電部の冷却方法を示す断面図である。この起電部100では、3個の発電セル101a〜101cが積層して設けられ、各発電セルに燃料をそれぞれ供給または排出する燃料供給流路105および燃料排出流路106や、各発電セルに空気をそれぞれ供給または排出する空気供給流路107および空気排出流路108などが設けられている。また、発電セル101a〜101cの積層方向に沿って延びた側面をなす側壁103aおよび103bには放熱フィン104が設けられている。一方、発電セルの積層方向に直交する端面をなす端板102aおよび102bには放熱フィンが設けられていない。
特許文献1には、起電部100の冷却方法の特徴が、次のように記載されている。側壁103aおよび103bに設けられた放熱フィン104は、発電セル101a〜101cの熱を周囲に放熱し、これらのセルを冷却する。これにより、セルの過度の加熱が防止される。側壁103aおよび103bは、発電セル101a〜101cの積層方向に沿って延び、複数の発電セルと対向して位置している。そのため、複数の発電セル101a〜101cを均等に冷却し、発電セル間における温度差の発生を防止することができる。更に、温度が最も高くなる排出側の燃料排出流路106および空気排出流路108は、それぞれセルの積層方向に延びているため、起電部100の側面に設けられた放熱フィン104により効率よく冷却される。
この結果、積層された複数の発電セル101a〜101c間における温度差および出力のばらつきが抑制され、安定した発電が可能となる。同時に、発電セルにおける転極などの破損が防止され、信頼性の向上した燃料電池が得られる。
特開2005−108717号公報(第3、5、6及び9頁、特に段落0005及び段落0041、図7)
特許文献1に示されている起電部100では、発電セル101a〜101cの積層方向に直交する端面をなす端板102aおよび102bには放熱フィンが設けられていない。特許文献1には、この理由として、複数の発電セル101a〜101cを積層して構成された起電部100では、端面をなす端板102aおよび102bに放熱フィンを設けて冷却すると、積層方向端部に設けられた発電セル101aおよび101cと、中央部に設けられた発電セル101bとの間に温度差が生じやすく、この結果、発電セル間で出力がばらつき、安定せず、また、温度差に起因して転極などの破損に至る場合もあると記載されている。
すなわち、図4に示した起電部100の冷却方法は、積層された発電セル間のばらつきを最小にすることを最重要課題として採用された冷却方法であって、3個以上の発電セルを積層したために採用せざるを得なくなった次善の方法である。このため、起電部100の構造は、放熱フィンによって1つの発電セルを最も効率よく冷却することを考えた場合の最良の構造にはなっていない。
本発明は、上述したような問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、電気化学デバイス部で発生する熱によって発電が不安定化したり、発電効率が低下したりするのを防止できる燃料電池を提供することにある。
即ち、本発明は、化学反応による発電を行う電気化学デバイス部を有し、前記電気化学デバイス部で発生した熱を放熱するための放熱フィンを備えた放熱部材が外気と接する位置に配置されている燃料電池において、
1つの前記電気化学デバイス部は別の前記電気化学デバイス部から離間して配置され るか、或いは、2つの前記電気化学デバイス部が近接して設けられた1組を形成し、前 記組の1つは別の前記電気化学デバイス部又は別の前記組から離間して配置されており 、
前記電気化学デバイス部で発電された電流を外部とやりとりするための導電部材が、 前記電気化学デバイス部に接して配置され、
前記導電部材に接して前記放熱部材が設けられているか、或いは、前記導電部材のう ち、外気と接している導電部材の少なくとも一部に、前記放熱フィンの一部又は全部が 設けられ、この導電部材が前記放熱部材を兼ねている
ことを特徴とする、燃料電池に係るものである。
一般的に、燃料電池の電気化学デバイス部で発生した熱を、放熱フィンを備えた放熱部材によってできるだけ効率よく放熱することを考えた場合、発熱部である電気化学デバイス部を別の電気化学デバイス部から離して配置し、各電気化学デバイス部ができるだけ外気に近い位置にあるように配置し、燃料電池が外気と接しているすべての位置に放熱フィンを備えた放熱部材を配置するのが理想的であるのは明らかである。
一方、好ましくないのは、発熱部である電気化学デバイス部を多数近接して配置することである。このようにすると、複数の電気化学デバイス部が近接して配置されている領域は外気と接することができなくなり、熱がこもりやすくなる。例えば、図4に示した特許文献1の起電部100では、発電セル101a〜101cが3層に積層されているため、積層方向端部に設けられた発電セル101aおよび101cは主面の1つで外気と接することができるが、中央部に設けられた発電セル101bは、両主面を発電セル101aおよび101cによって塞がれているため、両主面で外気と接することができず、表面積の小さい側面を通じてしか放熱できない。
本発明の燃料電池は、化学反応による発電を行う電気化学デバイス部を有し、前記電気化学デバイス部で発生した熱を放熱するための放熱フィンを備えた放熱部材が外気と接する位置に配置されている燃料電池であるが、
1つの前記電気化学デバイス部は別の前記電気化学デバイス部から離間して配置され るか、或いは、2つの前記電気化学デバイス部が近接して設けられた1組を形成し、前 記組の1つは別の前記電気化学デバイス部又は別の前記組から離間して配置されている 。
このため、前記電気化学デバイス部が単独で配置されている場合には、その周囲を別の前記電気化学デバイス部でふさがれることがなく、周囲のすべての面から十分に放熱することができる。また、2つの前記電気化学デバイス部が近接した前記組を形成して配置されている場合でも、これらの前記電気化学デバイス部が互いにふさぎ合うのは一方の面のみで、この一方の面以外の面から十分に放熱することができる。例えば前記電気化学デバイス部が平板状の形状を有する場合、2つの前記電気化学デバイス部を積層して配置しても、一方の主面は互いにふさぎ合うことになるが、反対側の主面がふさがれることはなく、この反対側主面から十分な放熱をすることができる。
また、本発明の燃料電池では、
前記電気化学デバイス部で発電された電流を外部とやりとりするための導電部材が、 前記電気化学デバイス部に接して配置され、
前記導電部材に接して前記放熱部材が設けられているか、或いは、前記導電部材のう ち、外気と接している導電部材の少なくとも一部に、前記放熱フィンの一部又は全部が 設けられ、この導電部材が前記放熱部材を兼ねている。
この結果、前記電気化学デバイス部で発生した熱は、熱伝導性に優れた前記導電部材を介して、前記電気化学デバイス部から最短距離にある前記放熱部材によって外気に放熱されるので、最も効率よく放熱される。
上記のように、本発明の燃料電池では、発電時に前記電気化学デバイス部で発生する熱が、前記放熱部材を通じて効率よく放熱されるので、熱によって発電が不安定化したり、発電効率が低下したりするのを防止することができる。また、ポンプやファンを用いずに温度を安定化できるので、燃料電池の小型化及び低コスト化に適している。特に、前記導電部材が前記放熱部材を兼ねている場合には、必要な部材を最小限に抑えることができる。
本発明の燃料電池において、前記電気化学デバイス部が平板状の形状を有し、その2つの主面に接して前記導電部材が配置されているのがよい。前記電気化学デバイス部は、対向して配置された2枚の電極とその間に配置された電解質などからなるが、電極間の間隙が狭い方が内部抵抗が小さくなるので、通常、前記電気化学デバイス部は平板状の形状になることが多い。この場合、面積が最も大きい2つの主面に接して前記導電部材が配置されていれば、放熱効果が最も高い。但し、これに限られるのではなく、前記主面以外にも前記導電部材を設ければ、さらに効果的である。
また、前記導電部材に、前記電気化学デバイス部へ空気又は燃料を通過させるための導入孔が設けられているのがよい。
また、前記放熱フィンが前記放熱部材の表面を加工することによって形成されたものであるのがよい。この際、前記放熱フィンのピッチが3mm以下、厚さが1mm以下、高さが3mm以下であるのがよい。このように、燃料電池セルの表面に微細なフィンを多数設けることで、前記電気化学デバイス部で発生する熱を効率よく放熱することができる。
具体的な加工方法としては、例えば、前記放熱フィンが、前記放熱部材の表面を切り起こすか、又は掘り起こすことによって形成されたものであるのがよい。また、前記放熱フィンは,複数条の微細な溝を形成する微細溝の形成方法により形成されているのがよい(例えば、特開2001−102782号公報、特開2005−142247号公報、及び特開2005−254417号公報など参照。)。
また、前記放熱部材が、金属板、又は表面処理を施した金属板からなるのがよい。この金属板は、熱伝導性の大きな金属であるアルミニウム又は銅からなるのがよい。
また、前記電気化学デバイス部への空気の供給が、自然拡散及び/又は自然対流で行われるのがよい。既述したように、ポンプやブロアなどの補助部品は、燃料電池を小型化する上での妨げになり、高エネルギー密度という燃料電池の特徴を損なう面がある。従って、携帯型電子機器向け電源として燃料電池を用いるには、補助部品をできるだけ用いず、空気の供給が、自然拡散及び/又は自然対流で行われるのがよい。
また、液体状で貯蔵された燃料が、気化した状態で電気化学デバイス部へ供給されるのがよい。この際、前記液体状の燃料が、メタノール又はその溶液であるのがよい。既述したように、メタノールは改質器なしに用いることができ、しかもエネルギー密度が大きく、小型携帯機器用の燃料電池に最適な燃料である。気化させたメタノールを負極へ供給する気化供給型は、メタノールクロスオーバーが比較的起こりにくい方法であり、また、高分子電解質膜の膨潤を抑えることができ、膜−電極接合体を安定化することができるので好ましい。また、ポンプやヒーターなどの補助部品は、燃料電池を小型化する上での妨げになるので用いず、燃料タンクなどで燃料を自然蒸発させる方法を用いるのがよい。
上記のような構成の燃料電池では、従来、発電に伴って発生する熱によって発電が不安定化したり、発電効率が低下したりする問題があった。これに対し、本発明の燃料電池では、前記電気化学デバイス部で発生する熱が前記放熱部材を通じて効率よく放熱され、燃料電池の温度が安定化されるため、上記の構成の燃料電池に最も効果的に適用することができる。すなわち、メタノールを気化させる燃料タンクなどの温度が安定しているため、燃料が過剰に供給されてメタノールクロスオーバーが発生することが起こりにくい。高分子電解質膜の温度が安定しているため、電解質膜中の水分が適正に維持され、高いプロトン伝導性を維持できるとともに、正極で生成した水の逆拡散によって、負極での反応に必要な水を安定して供給することができる。
なお、小型携帯機器用の燃料電池の燃料としては、メタノールなどの液体燃料が一般的であるが、水素吸蔵合金に吸蔵された水素なども用いることができる。
以下、本発明の実施の形態に基づく燃料電池として、直接型メタノール燃料電池(DMFC)として構成された例を、図面を参照しながら説明する。但し、本発明はこれに限定されるものではない。
図2は、前記電気化学デバイス部である膜−電極接合体(MEA)4の構造を示す拡大断面図である。図2に示すように、膜−電極接合体(MEA)4では、Nafion(登録商標)などからなるプロトン伝導性高分子電解質膜1の両面に、負極(アノード)2と正極(カソ−ド)3とが接合されている。負極2は、カーボンシートやカーボンクロスなどの導電性多孔質支持体2aの表面に、触媒である白金もしくは白金合金などとNafionなどのプロトン伝導体との混合物からなる酸化触媒層2bが形成されている。導電性多孔質支持体2aは、気体状のメタノールを酸化触媒層2bまで通過させるガス拡散層としての役割と、酸化触媒層2bで発生した電流を導く集電体としての役割をもっている。正極3は、カーボンシートやカーボンクロスなどの導電性多孔質支持体3aの表面に、触媒である白金もしくは白金合金などとNafionなどのプロトン伝導体との混合物からなる還元触媒層3bが形成されている。導電性多孔質支持体3aは、空気を還元触媒層3bまで通過させるガス拡散層としての役割と、還元触媒層3bで発生した電流を導く集電体としての役割をもっている。
図1は、発電セル部10の構造を示す分解斜視図(a)および断面図(b)である。ただし、断面図(b)は斜視図(a)に点線を付して示した位置における断面図である。発電セル部10の中心部には膜−電極接合体4が配置され、この膜−電極接合体4に上下から導電プレート5および6が圧着されている。膜−電極接合体4と接触する導電プレート5および6の表面には、それぞれ、耐食性を高めるためのめっき層5aおよび6aが設けられている。導電プレート5および6は、例えば厚さ1mmのアルミニウム板または銅板からなり、めっき層5aおよび6aは、例えば、耐食性能に優れた金めっき層からなる。膜−電極接合体4と導電プレート5および6との間は、それぞれ、例えば厚さ0.5mmのシリコンゴムシートからなるガスケット7および8によって密閉されている。
導電プレート5および6の中央部には、それぞれ、燃料ガスを取り込むための導入孔5b、および空気(酸素)を取り込むための導入孔6bが設けられている。また、ガスケット7および8の中央部には、それぞれ、開口部7aおよび8aが設けられている。導入孔5bおよび6bの大きさ、形状および配置は、燃料電池の特性に大きな影響を及ぼす。
すなわち、孔面積を大きくすると、より多くの燃料ガスおよび空気(酸素)を膜−電極接合体4へ通過させることができるが、大きくしすぎた場合、導電プレート5および6を介して負極2および正極3に加えられる圧力が小さくなるため、導電プレート5と導電性多孔質支持体2aとの接触抵抗、および、導電プレート6と導電性多孔質支持体3aとの接触抵抗が大きくなってしまい、電池の特性の低下を招く可能性がある。逆に、孔面積を小さくすると、負極2および正極3に加える圧力を大きくすることができ、上記接触抵抗を低減することができるが、小さくしすぎた場合、燃料ガスおよび空気(酸素)を膜−電極接合体4へ通過させる能力が低くなり、電池の特性低下を招く可能性がある。本実施の形態では、図1に示すように導入孔5bおよび6bを配置する。
図1(a)では図示省略したが、図1(b)およびその部分拡大図に、前記導電部材である導電プレート6の表面に放熱フィン9を形成した例を示した。この例は前記導電部材が前記放熱部材を兼ねている例であるが、例えば、前記放熱部材を前記導電部材から電気的に絶縁したい場合には、前記放熱部材を前記導電部材に貼り付けてもよい。また、放熱フィン9を導電プレート5に設けてもよいし、プレート5および6の両方に設けてもよい。
放熱フィン9は導電プレート6の表面を加工することによって形成する。この際、放熱フィン9のピッチが3mm以下、厚さが1mm以下、高さが3mm以下であるのがよい。このように、発電セル部10の外気と接する表面をなす導電プレート6の表面に微細なフィン9を多数設けることで、前記電気化学デバイス部である膜−電極接合体4で発生する熱を効率よく放熱することができる。
具体的な加工方法としては、例えば、放熱フィン9が、導電プレート6の表面を切り起こすか、又は掘り起こすことによって形成されたものであるのがよい。そして、放熱フィン9は,複数条の微細な溝を形成する微細溝の形成方法により形成されているのがよい(特開2005−142247号公報および特開2005−254417号公報など参照。)。微細溝の形成では,移動方向の先端側に刃部が形成された削り起こし工具と、金属材料の表面との間に、所定の角度を有した状態で金属材料と削り起こし工具とを相対移動させ、削り起こし工具の刃部により金属材料の表面を削り起こすことにより、板状のフィンを起立させるとともに微細溝を形成し、フィンの起立形成により形成された被加工面よりも所定のピッチ分の上流側から、金属材料と削り起こし工具とを相対移動させて、削り起こし工具により金属材料の表面を削り起こすことにより次の板状のフィンを起立形成するとともに微細溝を形成し、以後、上記の削り起こし工具により所定ピッチ離間させてフィンと微細溝とを形成する工程を順次繰り返して、フィンの間に複数条の微細溝を連続して形成する。
上記のようにして放熱フィン9を形成した金属板を所定の大きさに切断後,空気導入孔6bを形成して導電プレート6を得る。また、放熱フィン9を形成した金属板を所定の大きさに切断して、他の放熱が必要な面に貼り付けてもよい。この際、適切な接着剤を用い、接着剤が大きな熱抵抗とならないように注意する。
一般に、放熱器の放熱効率は、放熱器全体の表面積にほぼ比例する。従って、放熱器の放熱効果を高めるためには、放熱フィン9を多数形成して表面積を大きくする必要がある。しなしながら、従来の、押し出し成型加工や鋳造加工によって製造される放熱フィンには、フィンの厚さを薄くすることやフィンを多数形成することに限界があった。上記のフィン形成方法は,この問題を解決し、放熱性能を高めることができる。
放熱フィン9としては、この他に、アルミニウムの押出成型素材の凸条を削り起こすことにより、多数の舌状フィンを形成したものでもよい(特開2001−102782号公報参照。)
図3は、小型のDMFCとして構成された燃料電池40の構造を示す分解斜視図(a)、および断面図(b)である。ただし、断面図(b)は、斜視図(a)に点線を付して示した位置における断面図である。
DMFC40は、主として、発電セル部10、燃料タンク部30、および両者の間に介在する隔壁部20によって構成されている。隔壁部20は、発電セル部10と燃料タンク部30との間を断熱性隔壁21で熱的に遮断することによって、発電セル部10において発生する熱によって燃料タンク部30における液体燃料33の蒸発が影響を受けるのを防止するためのものである。
燃料タンク部30の燃料タンク31内には、メタノールなどの液体燃料33が貯蔵されている。燃料タンク31の材料は、燃料タンク31内の液体燃料33が周囲の環境から影響を受けるのを防止できる材料を用いるのがよい。また、小型電子機器や小型携帯電子機器に搭載する場合には、ある程度の頑丈さを有し、より軽量で、より周囲に悪影響を与えないものがよい。
断熱性隔壁21と対接する燃料タンク31の壁部には、蒸発して気体状になった燃料ガスを発電セル部10に供給するための通気孔32が設けられている。単位時間当たりに発電セル部10へ供給される燃料量は、通気孔32の開口面積や形状に依存する。
断熱性隔壁21の材料としては、ポリエチレン、ポリスチレンなどのプラスチック類や多孔質セラミックスなどの無機材料や、コルクなどの天然材料、またはこれらを組み合わせたものなどが挙げられる。熱伝導性が小さく、必要とされる強度や加工性を有するものを選択するのがよい。
液体燃料33は燃料タンク31で蒸発し、燃料ガスが断熱性隔壁21を通過して、発電セル部10に供給されることから、断熱性隔壁21は燃料ガスを通過させる構造を有している必要がある。図3では、断熱性隔壁21に開口部22が設けられている例を示している。開口部22は、通気孔32によって燃料供給量が調節された燃料ガスの空間分布を均一化し、発電セル部10へ供給する。この際、図3に示すように、開口部22の大きさが通気孔32を包含する大きさであると、燃料ガスの空間分布を均一化する効果を高めることができるので好ましい。
液体燃料33としてメタノール又はその水溶液が用いられるのがよい。既述したように、メタノールは改質器なしに用いることができ、しかもエネルギー密度が大きく、小型携帯機器用の燃料電池に最適な燃料である。
燃料電池40では、燃料のメタノールは気体状で負極2に供給され、負極側の酸化触媒層2bで下記(1)式のように二酸化炭素に酸化される。
負極:CH3OH+H2O → CO2+6H++6e-・・・・・(1)
このとき生じた水素イオンは、負極2と正極3を隔てるプロトン伝導性高分子電解質膜1を通って正極側へ移動し、正極3側の還元触媒層3bで酸素と下記(2)式のように反応して水を生成する。
正極:6H++(3/2)O2+6e- → 3H2O・・・・・(2)
燃料電池40全体で起こる反応は、(1)式と(2)式を合わせた、下記の反応式(3)で表される。
DMFC全体:CH3OH+(3/2)O2 → CO2+2H2O・・・・・(3)
以下、本発明を実施例に基づいてより詳細に説明する。ただし、本発明が下記の実施例に限られるものではないことは言うまでもない。
実施例1
<膜−電極接合体(MEA)の作製>
燃料電池を構成する前記電気化学デバイス部として、図2に示した膜−電極接合体(MEA)4を作製した。
負極2を次のようにして作製した。すなわち、まず、白金PtとルテニウムRuの比が所定の比からなる合金触媒がカーボンに担持された触媒(田中貴金属工業株式会社製)と、Nafion(登録商標;デュポン社製)分散水溶液(株式会社ワコーケミカル製)とを、質量比で7:3となるように混合し、イオン交換水を加えて適当な粘度に調整して、ペースト状の混合物を作製した。導電性多孔質支持体2aであるカーボンペーパー(東レ株式会社製)上にこのペースト状の混合物をドクターブレード法で塗布した後、乾燥させて、酸化触媒層2bを形成した。これを13mm×13mmの正方形に切断し、負極2とした。
また、正極3も同様にして作製した。すなわち、まず、白金触媒がカーボンに担持された触媒(田中貴金属工業株式会社製)とNafion分散水溶液(株式会社ワコーケミカル製)とを、質量比で7対3となるように混合し、イオン交換水を加えて適当な粘度に調整して、ペースト状の混合物を作製した。導電性多孔質支持体3aであるカーボンペーパー(東レ株式会社製)上にこのペースト状の混合物をドクターブレード法で塗布した後、乾燥させて、還元触媒層3bを形成した。これを13mm×13mmの正方形に切断し、正極3とした。
次に、プロトン伝導性高分子電解質膜1としてNafion112(商品名;デュポン社製)膜を15mm×15mmの正方形に切断し、これを負極2と正極3で挟持し、温度150℃、圧力1MPaの条件下で10分間熱圧着して、負極2と正極3の全面がプロトン伝導性高分子電解質膜1を間に挟んで対向している膜−電極接合体(MEA)4を作製した。
<発電セル部の作製>
上記膜−電極接合体(MEA)4を用いて、図1に示した発電セル部10を作製した。まず、厚さ0.2mm、高さ2mm、ピッチ1.5mmのフィン9を片側の面の全面に形成したアルミニウム板に、空気導入孔6bを形成し、次に金めっきを施してめっき層6aを形成し、導電プレート6を得た。他方、フィンが形成されていないアルミニウム板に、燃料導入孔5bを形成し、次に金めっきを施してめっき層5aを形成し、導電プレート5を得た。
次に、導電プレート6と導電プレート5との間に、テフロンガスケット7および8で導電プレート6と導電プレート5との短絡を防ぎながら、この膜−電極接合体(MEA)4を挟み込んで、発電セル部10を形成した。
<発電セルの発電試験>
まず、上記の発電セル部10に隔壁部20および燃料タンク部30を連結してDMFC40を形成した。このDMFC40において、燃料タンク31内に80質量%の濃度のメタノール水溶液0.2mLを導入し、燃料タンク31内で気化したメタノールを負極2へ供給して、発電セル部10での発電を行わせた。発電は、室温下で、300mAの定電流発電を行い、電圧が0Vとなったところで発電を終了とした.発電時の発電セル部10の温度は42℃付近で安定し、発電は40分32秒間継続させることができた.
実施例2
導電プレート6の上に形成するフィン9を厚さ0.05mm、高さ0.5mm、ピッチ0.1mmのフィンに変更した。それ以外は実施例1と同様にして、発電セル部10を作製した。実施例1と同様にして発電セル部10の発電試験を行ったところ、発電時の発電セル部10の温度は39℃付近で安定し、47分18秒発電を継続することができた。
比較例1
導電プレート6としてフィン9を形成していない導電プレートを用いた。それ以外は、実施例1と同様にして発電セルを作製した。実施例1と同様にして発電セル部10の発電試験を行ったところ、発電時の発電セル部10の温度は上昇し続け、最終的に62℃付近まで上昇したところで発電試験は終了した。発電時間は15分24秒であった。
これは、発電時の燃料電池セルから発せられる熱の放熱がうまくいかなかったために、酸素取り入れ口から水が蒸発していき、電解質が乾燥したことと、高温により燃料揮発量が多くなりクロスオーバーが引き起こされたことで発電がうまくいかなくなったことが原因であると考えられる。
以上に述べたことから明らかなように、燃料電池の発電セル部10の表面に微細なフィン9を多数設けることで、発電時の電圧損失により発生する熱の放熱がスムーズにいくようになり、熱による電解質乾燥により更なる電圧損失が生じ、発熱の問題を大きくしてしまうという悪循環と、熱によって増大する燃料揮発量が原因となるクロスオーバーが更に発熱の問題を拡大してしまうという悪循環に陥ることを防止できる。
以上、本発明を実施の形態および実施例に基づいて説明したが、上述の例は、本発明の技術的思想に基づき種々に変形が可能である。
本発明が提供する燃料電池は、小型で簡素な構造を有するが、発電時に発生する熱によって発電が不安定化したり、発電効率が低下したりすることがなく、あらゆる携帯型電子機器の電源として利用可能である。
本発明の実施の形態に基づく発電セル部の構造を示す分解斜視図(a)および断面図(b)である。 同、膜−電極接合体(MEA)の構造を示す断面図である。 同、DMFCの構造を示す分解斜視図(a)および断面図(b)である。 特許文献1で提案されている燃料電池の起電部の冷却方法を示す断面図である。
符号の説明
1…プロトン伝導性高分子電解質膜、2…負極(アノード)、
2a…導電性多孔質支持体、2b…酸化触媒層、3…正極(カソ−ド)、
3a…導電性多孔質支持体、3b…還元触媒層、4…膜−電極接合体(MEA)、
5、6…導電プレート、5a、6a…めっき層、5b、6b…導入孔、
7、8…ガスケット、7a、8a…開口部、9…放熱フィン、10…発電セル部、
20…隔壁部、21…断熱性隔壁、22…開口部、30…燃料タンク部、
31…燃料タンク、32…通気孔、33…液体燃料(メタノールなど)、
40…直接メタノール型燃料電池(DMFC)、100…起電部、
101a〜101c…発電セル、102a、102b…端板、
103a、103b…側壁、104…放熱フィン、105…燃料供給流路、
106…燃料排出流路、107…空気供給流路、108…空気排出流路

Claims (10)

  1. 化学反応による発電を行う電気化学デバイス部を有し、前記電気化学デバイス部で発生した熱を放熱するための放熱フィンを備えた放熱部材が外気と接する位置に配置され、
    1つの前記電気化学デバイス部は別の前記電気化学デバイス部から離間して配置され るか、或いは、2つの前記電気化学デバイス部が近接して設けられた1組を形成し、前 記組の1つは別の前記電気化学デバイス部又は別の前記組から離間して配置されており 、
    前記電気化学デバイス部で発電された電流を外部とやりとりするための導電部材が、 前記電気化学デバイス部に接して配置され、
    前記導電部材のうち、外気と接している導電部材の少なくとも一部に、前記放熱フィ ンの一部又は全部が、前記導電部材自体の表面の切り起こし加工又は掘り起こし加工に よって起立した形状に形成されている
    燃料電池。
  2. 前記放熱フィンのピッチが3mm以下、厚さが1mm以下、高さが3mm以下である、請求項に記載した燃料電池。
  3. 前記放熱フィンは複数条の微細な溝を形成ている、請求項に記載した燃料電池。
  4. 前記放熱部材が、金属板、又は表面処理を施した金属板からなる、請求項1に記載した燃料電池。
  5. 前記金属板がアルミニウム又は銅からなる、請求項に記載した燃料電池。
  6. 前記電気化学デバイス部が平板状の形状を有し、その2つの主面に接して前記導電部材が配置されている、請求項1に記載した燃料電池。
  7. 前記導電部材に、前記電気化学デバイス部へ空気又は燃料を通過させるための導入孔が設けられている、請求項1に記載した燃料電池。
  8. 前記電気化学デバイス部への空気の供給が、自然拡散及び/又は自然対流で行われる、請求項1に記載した燃料電池。
  9. 液体状で貯蔵された燃料が、気化した状態で前記電気化学デバイス部へ供給される、請求項1に記載した燃料電池。
  10. 前記液体状の燃料が、メタノール又はその溶液である、請求項に記載した燃料電池。
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