JP5159213B2 - 水性ガスの製造方法 - Google Patents

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本発明は、多価アルコールと水とから水性ガスを製造する方法に関する。
化学原料や自動車などの燃料電池の燃料源としての水素を製造する技術開発が進められている。そして、その水素を製造する技術として、石化原料を利用した反応改質による方法が知られている。
特許文献1には、天然ガス(メタン)及び二酸化炭素を反応管に供給して水素ガスと一酸化炭素ガスとを含む水性ガスを製造する方法が開示されている。また、この文献には、天然ガスに二酸化炭素を添加する際には、モル比で天然ガス中のメタン:二酸化炭素=1:1〜1:3に設定することが好ましいとも記載されている。
特許文献2及び3には、ニッケル等の触媒の存在下、気相においてメタノールと水とを反応させることにより水素ガス及び炭酸ガスを含有する改質ガスを生成する方法が開示されている。また、これらの文献には、反応ガスに対して、必要に応じて炭酸ガス、水素ガス、一酸化炭素ガス、窒素ガスなどをメタノール1モルにつき0.1〜5モル程度加えてもよいと記載されている。しかしながら、これらの文献には、炭酸ガス、水素ガス、一酸化炭素ガス、窒素ガスを加える目的及び効果については記載されていない。
特開2002−60202号公報 特開昭59−131502号公報 特開昭59−189937号公報
また、グリセリンのような多価アルコールと水とを反応させることによって水素を製造する技術も知られている。これは、多価アルコールの分解反応とそれに続く水性ガスシフト反応とにより、水素と一酸化炭素との混合ガスである水性ガスを生成するものである。
ところが、この反応過程ではすす(炭素)を生成する副反応も同時に生じる。そして、生成したすすが触媒表面に付着すると触媒活性の低下を招き、水性ガスの収率が低下する等といった反応面での悪影響が生じ得る。また、反応面での悪影響だけでなく、すすの蓄積により反応装置が閉塞する、或いは、伝熱の効率が低下して反応場の温度制御が困難になる等といった操作上の悪影響も生じ得て、これを放置すれば管の破裂といった反応装置の破壊にまで至ることも想定される。
本発明の目的は、多価アルコールと水とから水性ガスを製造する際のすすの発生を抑制することである。
本発明は、多価アルコールと水とから水性ガスを製造する方法であって、
触媒を設けた反応場に、多価アルコールと水と二酸化炭素とを含む原料流体を導入して流動させることにより、該原料流体を反応させて水性ガスを生成するものである。
本発明によれば、原料流体に二酸化炭素を含有させることですすの発生を抑制する効果を得ることができる。
以下、実施形態について詳細に説明する。
本実施形態の水性ガスの製造方法は、触媒を設けた反応場に、多価アルコールと水と二酸化炭素とを含む原料流体を導入して流動させることにより、下記化学反応式(1)の多価アルコールの分解反応によって、原料流体が反応して水素と一酸化炭素との混合ガスである水性ガスを生成すると共に、それに加えて、下記化学反応式(2)の水性ガスシフト反応によって、その生成した一酸化炭素が水と反応して水素を二次的に生成するものである。
Figure 0005159213
図1〜3は、この水性ガスの製造方法に用いることができる反応器10を示す。なお、反応器10の形状はこれらに図示されたものに限定されるものではない。
反応器10は、原料流体を導入する流体導入部10a及び反応後の流体を排出する流体排出部10bを有すると共に、それらの間に形成された反応流路を内部に有し、この反応流路が、反応流体が流動して反応する反応場11を構成している。
反応器10は、切削等により表面に溝を加工した面体を他の異なる面体を密接させることにより反応流路が構成されたものであっても、また、角管や円管などの既成の管で反応流路が構成されたものであってもよい。
反応流路の断面形状としては、例えば、円形、半円形、楕円形、半楕円形、正方形、長方形、台形、平行四辺形、不定形等が挙げられる。また、反応流路の流体導入部10aから流体排出部10bに至るその長さ方向の軌跡の形状としては、例えば、直線状、円形状、蛇行形状、螺旋形状等が挙げられる。
反応場11を構成する反応流路には触媒12が設けられている。
触媒12としては、多価アルコールと水とによる水蒸気改質に適用される金属を好適に利用でき、これらの中でも8〜12族、好ましくは8〜10族のいずれかの金属が工業的に好適に利用できる。例えば、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム、白金などが挙げられ、これらの中でも8〜10族のものが工業的なコスト、入手容易性、安全性の面から好適であり、特に、ニッケル、ルテニウム、パラジウム、白金がより好ましい。なお、表面積の確保や機械的強度の付与、触媒性能の向上等のために、これらの金属を担体に担持して触媒12を構成してもよい。その場合、担体としては、例えば、シリカ、アルミナ、シリカアルミナ、チタニア、ジルコニア、ケイソウ土、活性炭などを用いることができる。これらは、無論、複合的に利用することも可能であり、また水素などを用いた還元処理や酸素や空気などを用いた酸化処理等の事前な処理を施して、その表面の酸化還元状態を制御して利用することも可能である。
触媒12としては、反応流体の流動方向に沿って延びるように形成された表面を有する形態のものであっても、また、粉状物乃至粒状物の集合体の形態のものであってもよい。
反応流体の流動方向に沿って延びるように形成された表面を有する形態の触媒12は、例えば、図2(a)及び(b)に示すように、金属ワイヤーやワイヤー束或いは撚線といった線状構造体、板状構造体などの細長構造体、図2(c)に示すように、反応器10内部の反応流路の内壁等で構成される。触媒12は、反応流体の流動方向に沿って連続して延びるように形成されていても、また、反応流体の流動方向に沿って間欠的に設けられた複数の部分で構成されていてもよい。なお、反応流体が乱流の場合には反応流体の流動方向は時間的に変動して方向が定まらない。この場合の流動方向は時間で平均化した流動方向を意味する。
細長構造体の触媒12の場合、その外周表面が反応流体の流動方向に沿って延びるように形成された表面に相当する。この場合、面体の組立で反応流路が構成される反応器10については、一方の面体の溝に触媒12を配置すればよく、既成の管で反応流路が構成される反応器10については、反応流路に触媒12を挿入すればよい。また、触媒12は、図3に示すように、反応流体の流動方向にピッチを有する螺旋を形成するように反応流路に設けられていてもよい。なお、反応流体の流動方向に沿って間欠的に複数の触媒12が設けられ、それらが全体として反応流体の流動方向に沿って延びるように形成された表面を構成していてもよい。また、触媒12は、反応器10の流体導入部10aから流体排出部10bまで至るように全部に設けられていても、その一部にだけ設けられていてもいずれでもよい。
反応流路の内壁が触媒12の場合、内壁表面が反応流体の流動方向に沿って延びるように形成された表面に相当する。この場合、反応流路の内壁を形成する金属に触媒金属を適用する、或いは、反応流路の内壁を鍍金、スパッタ、塗布乾燥等の手法により事後的に触媒12で形成すればよい。なお、内壁が反応流体の流動方向に沿って間欠的に触媒金属で形成されていてもよい。また、触媒12は、反応器10の流体導入部10aから流体排出部10bまで至るように全部に設けられていても、その一部にだけ設けられていてもいずれでもよい。
触媒12が反応流体の流動方向に沿って延びるように形成された表面を有することの指標として、触媒構成単位毎の表面積Sで、該触媒構成単位の反応流体の流動方向に垂直な面への投影面積Aを除した(A/S)を用いることができる。なお、触媒構成単位とは、粒子状の触媒ならば1粒子、線状の触媒ならば連続した1本、箔状の触媒ならば連続した1枚をそれぞれ意味する。具体的には、触媒が球粒子の場合にはA/S=0.25(−)である。触媒が直径D及び長さLの円柱状の場合には触媒の設置方向でA/Sの値は異なる。例えば、触媒の長さL方向と反応流体の流動方向を一致させて触媒を設置し、L=2Dの場合にはA/S=0.1(−)である。また、触媒が管内面に存在し、この管内を反応流体が通過して反応する場合は投影面積A=0であることからA/S=0(−)である。なお、不定形の粒子については、xyz方向の各軸における最長値を保有する楕円球とみなすことで、この楕円形状から得られる粒子構成単位の表面積及び投影面積の数値を用いて論ずることができる。
触媒12が複数の触媒構成単位からなる反応デバイスにおいては、触媒構成単位毎の表面積Sの総和ΣSで、該触媒構成単位毎の投影面積Aの総和ΣAを除した、ΣA/ΣSを上記指標として用いることができる。なお、本出願では触媒が単数の場合も含めΣA及びΣSと記載する。
粉状物乃至粒状物の集合体の形態の触媒12は、例えば、図2(e)に示すように、粉状乃至粒状触媒を反応流路に充填することで構成される。単位粒形状として、例えば、ペレット状、ヌードル状、タブレット状、その他従来公知の形状を適宜採用することができる。
この水性ガスの製造方法では、多価アルコールと水と二酸化炭素とを含む原料流体を反応器10内の反応場11に導入する。なお、原料流体に二酸化炭素を含ませる方法として、反応器10への供給前に原料流体に二酸化炭素を含ませても、また、反応器10に結合した二酸化炭素供給管により、反応器10への供給後に原料流体に二酸化炭素を含ませても、さらには、その両方であってもよい。原料流体への二酸化炭素の添加箇所の数は、一箇所であっても、また、複数箇所であってもよい。
ここで、多価アルコールとは、炭素数が2以上で且つ水酸基が2つ以上結合した構造を有する化合物をいう。当該条件を満たせば、水酸基以外にカルボン酸基やアルデヒド基などが結合してもよい。具体的には、多価アルコールとしては、例えば、2価のアルコールとして、エチレンジグリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、2,3−ヒドロキシプロパナール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、酒石酸などが挙げられ、3価のアルコールとして、グリセリン、1,2,4−ブタントリオール、1,2,6−ヘキサントリオールなどが挙げられ、4価のアルコールとして、ペンタエリスリトールなどが挙げられる。これらの中でもグリセリンの利用が経済性の観点より望ましい。
原料流体中の多価アルコールと水との混合比率は、反応を好適に行わせるためには、多価アルコールに含まれる炭素原子に対する水のモル倍率を0.3〜10とすることが好ましく、1〜6とするのがさらに好ましい(例えば、多価アルコールがグリセリンの場合、原料流体中のグリセリンと水との混合比率は、反応を好適に行わせるためには、グリセリンに対する水のモル倍率を0.9〜30とすることが好ましく、3〜18とするのがさらに好ましい。)。
原料流体に含ませる二酸化炭素について、原料流体中の多価アルコールに対するモル比として整理すると、この比が大きいほどすす抑制効果は大きくなることから、この比を0.5以上とすることが好ましく、1.0以上とすることがより好ましく、1.5以上とすることが更に好ましい。一方で水性ガスの生産性を考えると、この比が小さいほど水性ガスの生産性は高くなることから、この比を10以下とすることが好ましく、5以下とすることがより好ましい。
原料流体に含ませる二酸化炭素について、原料流体中に占める体積割合として整理すると、この比が大きいほどすす抑制効果は大きくなることから、この比を3vol%以上とすることが好ましく、16vol%以上とすることがより好ましい。一方で水性ガスの生産性を考えると、この比が小さいほど水性ガスの生産性は高くなることから、この比を84vol%以下とすることが好ましく、23vol%以下とすることがより好ましい。なお、これは、二酸化炭素を分割して供給する場合、二酸化炭素を含む供給ガスの総量を用いて計算されるものである。
原料流体には、反応器10の反応場11から排出される流体における二酸化炭素を含む一部を、反応場11に再導入することにより添加し、それに含まれる二酸化炭素を、反応場11に導入する原料流体の二酸化炭素源として用いてもよい。このようにすれば、生成物に含まれる二酸化炭素を原料流体の二酸化炭素源とすることができる。この場合、原料流体の二酸化炭素の全てを生成物の二酸化炭素から供給しても、また、原料流体の二酸化炭素の一部を生成物の二酸化炭素から供給してもどちらでもよい。
具体的には、例えば、図4(a)に示すように、反応器10の流体導入部10aの上流側と流体排出部10bの下流側との間を流体戻し管13で連結した構成により、排出された二酸化炭素を含む流体の一部をそのまま反応器10に再導入するようにしても、また、図4(b)に示すように、反応器10の流体導入部10aの上流側と流体排出部10bの下流側に設けられたガス分離器14との間を流体戻し管13で連結した構成により、排出された流体に含まれる未反応の多価アルコール、水、水素、一酸化炭素等のうち二酸化炭素を含む特定の物質を選択的に反応器10に再導入するようにしてもよい。また、図4(c)及び(d)に示すように、流体戻し管13を反応器10に結合した構成によって再導入するようにしても、図4(e)及び(f)に示すように、流体戻し管13を分岐して反応器10に結合した構成によって複数箇所で再導入するようにしても、図4(g)及び(h)に示すように、さらにそれに加えて分岐した流体戻し管13を反応器10の流体導入部10aの上流側に結合した構成によって再導入するようにしてもよい。
原料流体に二酸化炭素を含有させるとすすの発生が抑制できる理由は明確ではないが、炭素化の副反応の平衡に二酸化炭素が関係しているものと推定している。
また、原料流体には、さらに水素を含ませてもよい。この場合、原料流体に含ませる水素について、原料流体中の多価アルコールに対するモル比として整理すると、この比が大きいほどすす抑制効果は大きくなることから、この比を0.5以上とすることが好ましく、1.0以上とすることがより好ましく、2.0以上とすることが更に好ましい。一方で水性ガスの生産性を考えると、この比が小さいほど水性ガスの生産性は高くなることから、この比を20以下とすることが好ましく、5以下とすることがより好ましい。
原料流体に含ませる水素について、原料流体中に占める体積割合として整理すると、この比が大きいほどすす抑制効果は大きくなることから、この比を3vol%以上とすることが好ましく、19vol%以上とすることがより好ましい。一方で水性ガスの生産性を考えると、この比が小さいほど水性ガスの生産性は高くなることから、この比を91vol%以下とすることが好ましく、33vol%以下とすることがより好ましい。なお、これは、水素を分割して供給する場合、水素を含む供給ガスの総量を用いて計算されるものである。
さらに、原料流体には、反応性や収率を損なわない範囲で、多価アルコール、水、及び水素以外の物質を適宜混合させてもよい。かかる物質としては、例えば、窒素、アルゴン、ヘリウム、酸素等のガスが挙げられる。また、原料流体には、多価アルコール及び水の他に本質的な反応性を損なわない有機酸、炭化水素、アルコール、アルデヒドなどの有機物やその塩類、或いは、無機塩類等を含有させてもよい。
なお、以上において、原料流体の成分組成比は、反応器10に導入された直後の未反応状態におけるものを意味する。
反応流体の相状態は、液体、気体、超臨界流体のいずれであってもよく、これらが混相する状態であってもよい。この反応流体の相状態は、反応器10の加熱温度設定及び反応流体の圧力の設定により調整することができる。
この水性ガスの製造方法では、反応器10に導入した原料流体を流動させることにより、原料流体を反応させて水性ガスを生成する。
反応流体の多価アルコールと水との反応時間は、0.1秒〜1時間程度が好ましく、1秒〜10分がより好ましい(例えば、多価アルコールがグリセリンの場合、反応流体のグリセリンと水との反応時間は、0.1秒〜1時間程度が好ましく、1秒〜10分がより好ましい。多価アルコールがプロパンジオールの場合、反応流体のプロパンジオールと水との反応時間は、0.1秒〜1時間程度が好ましく、1秒〜10分がより好ましい。)。反応流体の多価アルコールと水との反応時間は、反応流体の反応器10での滞留時間で規定されるので、反応場11の容積に応じて、原料流体の送液速度の設定により調整することができる。
反応流体の多価アルコールと水との反応温度は、200〜1000℃が好ましく、500〜600℃がより好ましい(例えば、多価アルコールがグリセリンの場合、反応流体のグリセリンと水との反応温度は、200〜1000℃が好ましく、500〜600℃がより好ましい。多価アルコールがプロパンジオールの場合、反応流体のプロパンジオールと水との反応温度は、200〜1000℃が好ましく、300〜700℃がより好ましい。)。反応流体の多価アルコールと水との反応温度は、反応器10の加熱温度設定により調整することができる。
この水性ガスの製造方法では、反応器10から排出された水性ガスを含む流体を回収する。
回収した水性ガスは、燃料電池、水素エンジン燃料、化学原料等の用途に応じて、必要な品質を達し得る精製を行う。これらの精製法としては、例えば、ガス透過膜、PSA等を用いた方法が挙げられる。
以下に説明する実施例及び比較例の水性ガスの製造実験のそれぞれについて、反応原料であるグリセリンの反応消費率、水性ガス収率、及び炭素残留率を求めた。なお、反応消費率、水性ガス収率、及び炭素残留量はモル基準であり、それぞれ次のようにして求めた。
−反応消費率(転化率)−
捕集された液体についてガスクロマトグラフ分析にて未反応原料濃度を定量し、液体捕集量との積から求められる未反応原料排出量を算出した。そして、反応原料の投入量に対する未反応原料排出量の比率を100%から減じた数値を反応消費率とした。
−水性ガス収率−
捕集された気体についてガスクロマトグラフ分析にて水素、一酸化炭素、二酸化炭素等のそれぞれのガス成分濃度を定量し、気体捕集量との積から求められる水素と一酸化炭素との合計となる水性ガス排出量を算出した。そして、反応原料の投入量から理論的に求められる水性ガスの収量に対する現実の収量の比率を水性ガス収率とした。なお、グリセリン1モルから理論的に生成できる水性ガスは7モルである。
−炭素残留率−
捕集された気体についてガスクロマトグラフ分析にて一酸化炭素、二酸化炭素、メタン、エタン、エチレン、プロパン、プロピレン等、炭素原子を含むそれぞれのガス成分濃度を定量し、気体捕集量との積からそれぞれのモル数を算出した。また、捕集された液体についてガスクロマトグラフ分析にて未反応原料及び反応生成物のそれぞれの定量を行ってモル数を算出した。そして、各成分のモル数をそれぞれが含む炭素原子のモル数に換算してこれらを合計し、反応原料の投入量を炭素原子のモル数に換算した値に対するこの炭素原子のモル数の合計の比率を100%から減じた数値を炭素残留率とした。
(実施例1)
内径7.53mm及び長さ200mmの円管流路を有するニッケル材製(ニッケル純度>99.0%)の反応器を備えた反応デバイスを用いた。この反応デバイスでは、反応器の内壁が触媒を構成する(ΣA/ΣS=0)。
この反応デバイスに、反応前処理として、水素を流通させつつ600℃に昇温し1時間保持する処理を施した。
そして、この反応前処理後の反応デバイスを用い、グリセリン(キシダ化学(株)製、特級)36.2g及び蒸留水(和光純薬工業(株)製)63.8gを予め混合調製した溶液を1.301mL/hの流量で予熱部に供給し、そこで昇温してガス化したものを反応器に供給すると共に、二酸化炭素ガスを5.0mL/min(0℃、1atm)の流量で反応器に供給し(グリセリンに対するモル比:1.9)、これによってグリセリン、水、及び二酸化炭素からなる原料流体を反応器に導入した。このとき、反応器内での反応温度を600℃に設定した。供給原料が分解等無く理想的にガス化した場合の二酸化炭素濃度を計算すると、およそ16vol%となる。
化学的組成が定常化している反応開始50時間後、反応器から排出された気液混合状態の流体を冷却してテドラーバックに捕集し、液組成及びガス組成をそれぞれ分析した。
グリセリンの反応消費率は100%であった。水性ガス収率は86.5%であった。炭素残留率は3.1%であった。
(実施例2)
二酸化炭素ガスを8.0mL/min(0℃、1atm)の流量で反応器に供給(グリセリンに対するモル比:3.0)したことを除いて実施例1と同様の操作を行った。供給原料が分解等無く理想的にガス化した場合の水素濃度を計算すると、およそ23vol%となる。
化学的組成が定常化している反応開始50時間後のグリセリンの反応消費率は100%であった。水性ガス収率は88.5%であった。炭素残留率は4.8%であった。
(比較例1)
反応器に二酸化炭素ガスを供給しなかったことを除いて実施例1及び2と同様の操作を行った。
化学的組成が定常化している反応開始50時間後のグリセリンの反応消費率は100%であった。水性ガス収率は90.1%であった。炭素残留率は7.6%であった。
(試験結果)
表1は、実施例1〜2及び比較例1のそれぞれの試験結果を示す。
Figure 0005159213
実施例1及び2と比較例1とを比較すると、原料流体に二酸化炭素ガスを含ませた実施例1及び2は、原料流体に二酸化炭素ガスを含ませなかった比較例1に比較して、炭素残留率が低い、つまり、炭素収率が高く、従って、すすの発生が抑制されていることが分かる。
本発明は、多価アルコールと水とから水性ガスを製造する方法について有用である。
反応器の配設構成を示す説明図である。 (a)〜(e)は反応器の一例の横断面図及び縦断面図である。 他の反応器の一例の斜視図である。 (a)〜(h)は別の他の反応器の配設構成を示す説明図である。
符号の説明
11 反応場
12 触媒

Claims (4)

  1. 多価アルコールと水とから水性ガスを製造する方法であって、
    触媒を設けた反応場に、多価アルコールと水と二酸化炭素とを含む原料流体を導入して流動させることにより、該原料流体を反応させて水性ガスを生成し、
    上記触媒を、上記反応場を構成する反応器内部の反応流路の内壁で構成し、
    且つ上記原料流体において、二酸化炭素の多価アルコールに対するモル比を1.5〜5とする水性ガスの製造方法。
  2. 上記多価アルコールがグリセリンである請求項1に記載された水性ガスの製造方法。
  3. 上記触媒が8〜10族の金属を含む請求項1又は2に記載された水性ガスの製造方法。
  4. 上記反応場から排出される流体における二酸化炭素を含む一部を該反応場に再導入することにより、それに含まれる二酸化炭素を、該反応場に導入する原料流体の二酸化炭素源として用いる請求項1乃至のいずれかに記載された水性ガスの製造方法。
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