JP5158829B2 - 電子部品 - Google Patents
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Description
一般に、前記磁気ギャップは空隙として形成されるが、磁気ギャップの間隔がインダクタンス素子の特性に影響を与える。そこで特許文献1のインダクタンス素子では、図4に示すようにU字型磁心6の両磁脚7,8に巻線9,10を巻装し、前記磁脚7,8の開放端間にI字状磁心11がギャップスペ−サ13を介してギャップ12を形成するように配置し、磁気ギャップ寸法のばらつき要因を少なくしている。
しかしながら、このようなインダクタンス素子では、磁気ギャップ12を紙材などからなるギャップスペ−サ13を用い接着剤14で結合し、または接着剤14だけで結合するため、組立時に、ギャップスペ−サ13を配置する手間や、磁気ギャップ12を埋める接着剤14が乾燥硬化するまでに時間がかかる。また硬化までの間、U字状磁心6とI字状磁心11とを保持することが必要であり生産性に劣るものであった。また、多くの接着剤を磁気ギャップに介在させると、膨潤等の経時変化により磁気ギャップ寸法に影響を及ぼしインダクタンス値が変化する問題もあった
この磁心は、フェライト層(磁性体層)と、アルミナを主成分とするセラミック層(非磁性層)と、前記フェライト層と前記セラミック層との間に存在し、FeとAlとが相反する傾斜組成を有する傾斜組成層を備え、前記非磁性層を磁気ギャップとしたものである。前記フェライト層は、例えばMn−Zn系、Ni−Zn系、Ni−Cu−Zn系、Mg−Zn系フェライト等が用いられる。そして前記非磁性層を構成するアルミナを所定の厚みを有するシ−ト状にして供することで、磁気ギャップを精度良く形成できる。また、前記傾斜組成層はフェライト層及びセラミック層を構成する成分を含有することで、焼成収縮率、収縮挙動の異なる前記フェライト層と前記セラミック層との中間層として機能し、層間の接合を容易としている。
通常、磁心が使用される電流範囲ではインダクタンス値の変化が無いのが望まれる。しかしながら非磁性体層が薄いと、磁気飽和するまでの間であっても、電流値が大きくなるに従い、インダクタンス値がなだらかに減少していく。このため磁気ギャップとして形成される非磁性体層は、ある程度の厚みをもって形成するのが好ましいが、非磁性体層が150μm以上となると、磁性体層との焼成収縮率、収縮挙動の差から生じる内部応力が著しく、クラック等の欠陥の無い磁心を形成するのは実質的に困難であった。
またクラック等の内部欠陥に至らないまでも、磁心内部に生じる応力は、磁心の磁気特性を変化させてしまう。そこで本発明は、非磁性層を厚く形成してもクラック等の内部欠陥が生じず、また焼成収縮率、収縮挙動による内部残留応力を低減した磁心及びそれを用いた電子部品を提供することを目的とする。
前記突合せフェライト磁心は、造粒粉からなるキュリ−温度が100℃以上の第1のフェライト磁性材料と、前記突合せ面側に、シート状のキュリ−温度が−40℃未満の第2のフェライト磁性材料を一体的に成形し、
しかる後、一体焼結して、前記第1のフェライト磁性材料からなる第1のフェライト部と、前記第2のフェライト磁性材料からなる第2のフェライト部を接合してなり、少なくとも、前記脚付フェライト磁心との突き合わせ面に前記第2のフェライト磁性材料で構成された磁気ギャップが形成されていることを特徴とする特徴とする電子部品である。
本発明の一実施例に係るフェライト磁心を、図1(a)、(b)に示す。このフェライト磁心は、キュリ−温度が異なるフェライトを一体焼成してなるものであって、フェライト磁心を主に構成する第1のフェライト部と、他の磁心と組み合わせた時、突き合わせ面となる外表面に配置され、磁気ギャップを構成する第2のフェライト部を一体的に形成したものである。図1(a)は、第2のフェライト部を第1のフェライト部の1面に形成するものであり、図1(b)は、第2のフェライト部を第1のフェライト部の対向する2面に形成するものである。
本発明の第1フェライト部に用いる第1のフェライト磁性材料は、キュリ−温度が100℃以上であるフェライト磁性材料であれば、特に限定されるものでは無い。電子部品用の磁心として要求される磁気特性(初透磁率、損失、品質係数等)に応じて、その組成は適宜選定され得るものである。
なお更にBi、V、Bなどの副成分を添加したり、ホウ珪酸ガラスなどのを加えて、1000℃以下の焼結を可能とした低温焼結磁性材料を第1のフェライト磁性材料として使用することが出来る。
例えば、Fe2O3、ZnO、MnOを主成分とし、Fe2O3:53mol%、ZnO:7mol%、MnO:40mol%と副成分として、前記主成分に対してCo3O4:0.2wt%添加したものであれば、その初透磁率μiは1900であり、キュリ−温度Tcは220℃である(A材)。
Mn−Zn系フェライト磁性材料とする場合には、主成分についてFe2O3を30〜40mol%、ZnOを35〜40mol%、残部MnOとするのが好ましい。例えば、Fe2O3:35mol%、ZnO:40mol%、MnO:25mol%のMn−Zn系フェライト磁性材料の場合には、キュリ−温度Tcは−50℃であり、通常電子部品が用いられる温度範囲−20℃〜+85℃では磁性を有さないものとなる(B材)。
他の第2のフェライト磁性材料として、Cu−Zn系フェライト磁性材料とする場合には、主成分についてFe2O3を40〜55mol%、ZnOを40mol%以上、残部CuOとするのが好ましい。例えば、Fe2O3:53mol%、ZnO:44mol%、CuO:3mol%のCu−Zn系フェライト磁性材料とすれば、そのキュリ−温度は−40℃未満となる(C材)。
なお更にBi、V、Bなどの副成分を添加したり、ホウ珪酸ガラスなどのを加えて、1000℃以下の焼結を可能とした低温焼結磁性材料を第2のフェライト磁性材料として使用することが出来る。
第1のフェライト磁性材料の作製手順を説明する。焼結後、前記組成となるように素原料を所定量秤量し、これに水及び分散剤を加えてアトライタ−にて混合して、乾燥後、大気中850℃で1.5時間仮焼し、この仮焼後の原料に水、分散剤を加えてアトライタ−で粉砕してスラリ−を作製した。これに、バインダ−を加えてスプレ−ドライヤ−で乾燥し、造粒粉とした。
本発明においては、第2のフェライト磁性材料(B材、C材)の収縮開始温度を第1のフェライト磁性材料に対して−150℃〜+100℃の範囲に制御し、収縮カ−ブを同等(ほぼ同じ傾き)にすることで、焼結時の収縮差による応力を緩和しクラックや割れの無い磁心を作製することが出来た。さらに、第2のフェライト磁性材料で形成したシ−トを複数積み重ね、第2のフェライト部の厚みが、焼結後、1mmとなるように構成した。得られた磁心を切断し、顕微鏡で断面を観察したが、第1、第2のフェライト部にクラックなどの欠陥は観察されなかった。
比較例として第1のフェライト磁性材料と、厚みが150μmのAl2O3を用い、前記実施例と同様の方法で磁心を作製した。得られた磁心を長手方向に切断し、顕微鏡で断面を観察したところ、僅かではあるがAl2O3層から第1のフェライト磁性材料の層は至るクラックが発生していた。
実施例1と同様の手順にて得られた磁心(第2のフェライト磁性材料はMn−Zn系のB材を用いた)から、長さ30mm、幅5mm、厚み3mmのI字状フェライト磁心1を切り出した。ここで突き合わせ面側に位置する磁気ギャップの厚みは200μmとしている。さらに2つの磁脚3、4を繋ぐ連結部を備えたU字状磁心2を準備し、前記連接部6にコイルボビンを配置した。前記コイルボビン5には線径0.5mmφの線材が10回巻き回されている。前記I字状磁心1をU字状フェライト磁心2の磁脚3、4と実質的に空隙無く当接するように橋架けして配置して、樹脂粘着テ−プによりテ−ピング固定として本実施例に係るインダクタンス素子を構成した。なお、前記U字状フェライト磁心2は、2つの磁脚3、4を繋ぐ連結部が30mm、幅5mm、厚み3mmで、連結部からの立設する磁脚の高さが2.5mmであり、I字状フェライト磁心1を構成する第1のフェライト磁性材料を用いて形成されている。
また焼成収縮率、収縮挙動による内部残留応力を低減し、インダクタンス値のばらつきを抑えることが出来、長期的に電気的特性が安定し、組立が容易で直流重畳特性に優れた電子部品を得ることが出来る。
2 U字状磁心
3、4 磁脚
5 コイルボビン
6 連接部
Claims (1)
- 脚付フェライト磁心と、前記脚付フェライト磁心と突き合わせるフェライト磁心と、前記脚付フェライト磁心及び/又は前記突合せフェライト磁心に配置される巻線を備え、
前記突合せフェライト磁心は、造粒粉からなるキュリ−温度が100℃以上の第1のフェライト磁性材料と、前記突合せ面側に、シート状のキュリ−温度が−40℃未満の第2のフェライト磁性材料を一体的に成形し、
しかる後、一体焼結して、前記第1のフェライト磁性材料からなる第1のフェライト部と、前記第2のフェライト磁性材料からなる第2のフェライト部を接合してなり、少なくとも、前記脚付フェライト磁心との突き合わせ面に前記第2のフェライト磁性材料で構成された磁気ギャップが形成されていることを特徴とする特徴とする電子部品。
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JP2005091519A JP5158829B2 (ja) | 2005-03-28 | 2005-03-28 | 電子部品 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2005091519A JP5158829B2 (ja) | 2005-03-28 | 2005-03-28 | 電子部品 |
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2005091519A Active JP5158829B2 (ja) | 2005-03-28 | 2005-03-28 | 電子部品 |
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