実施の形態1.
図10は、本発明に係る移動体通信システムの全体的な構成を示すブロック図である。図10において、移動端末101は基地局102と制御データ(C-plane)、ユーザデータ(U-plane)の送受信を行う。基地局102は、ユニキャストの送受信のみ扱うユニキャストセル102−1、ユニキャストとMBMSサービス(MTCHとMCCH)の送受信を扱う混合セル102―2、MBMSサービスの送受信のみを扱うMBMS専用セル101−3に分類される。ユニキャストの送受信を扱うユニキャストセル102−1とMBMS/ユニキャスト混合セル(混合セル、ミクスドセル)102−2は、MME103とインタフェースS1_MMEにより接続される。更にユニキャストの送受信を扱うユニキャストセル102−1と混合セル102−2は、ユニキャストのユーザデータの送受信のためにS−GW104とインタフェースS1_Uにより接続される。MME103はインタフェースS11によりPDNGW(Packet Data Network Gateway)902と接続される。MCE801は、マルチセル(MC)送信を行うため、MBSFNエリア中の全ての基地局102に対して無線リソースの割り当てを行う。例えば1つあるいは複数のMBMS/ユニキャスト混合セル102−2にて構成されるMBSFNエリア#1と1つあるいは複数のMBMS専用セル101−3にて構成されるMBSFNエリア#2が存在した場合を考える。MBMS/ユニキャスト混合セル102−2はMBSFNエリア#1中の全ての基地局のための無線リソースを割り当てるMCE801―1とインタフェースM2で接続される。またMBMS専用セル102―3はMBSFNエリア#2中の全ての基地局のための無線リソースを割り当てるMCE801―2とインタフェースM2で接続される。
MBMS GW802は制御データを取り扱うMBMS CP802―1とユーザデータを取り扱うMBMS UP802―2に分類できる。MBMS/ユニキャスト混合セル102―2及びMBMS専用セル102―3は、MBMS関連の制御データの送受信のためにインタフェースM1にてMBMS CP802―1と接続される。また、MBMS/ユニキャスト混合セル102―2及びMBMS専用セル102―3は、MBMS関連のユーザデータの送受信のためにインタフェースM1_UにてMBMS UP802―2と接続される。MCE801はMBMS関連の制御データの送受信のためにインタフェースM3にてMBMS CP802―1と接続される。MBMS UP802―2はインタフェースSGimbにてeBMSC901と接続される。MBMS GW802はインタフェースSGmbにてeBMSC901と接続される。eBMSC901はコンテンツプロバイダと接続される。また、eBMSC901はインタフェースSGiにてPDNGW902と接続される。MCE801は新たなインタフェースであるMME―MCE間インターフェース(IF)にてMME103と接続される。
図11は、本発明で用いる移動端末101の構成を示すブロック図である。図11において、移動端末101の送信処理は以下のとおり実行される。まず、プロトコル処理部1101からの制御データ、アプリケーション部1102からのユーザデータが送信データバッファ部1103へ保存される。送信データバッファ部1103に保存されたデータはエンコーダー部1104へ渡され、誤り訂正などのエンコード処理が施される。エンコード処理を施さずに送信データバッファ部1103から変調部1105へ直接出力されるデータが存在しても良い。エンコーダー部1104でエンコード処理されたデータは変調部1105にて変調処理が行われる。変調されたデータはベースバンド信号に変換された後、周波数変換部1106へ出力され、無線送信周波数に変換される。その後、アンテナ1107から基地局102に送信信号が送信される。また、移動端末101の受信処理は以下のとおり実行される。基地局102からの無線信号がアンテナ1107により受信される。受信信号は、周波数変換部1106にて無線受信周波数からベースバンド信号に変換され、復調部1108において復調処理が行われる。復調後のデータはデコーダー部1109へ渡され、誤り訂正などのデコード処理が行われる。デコードされたデータのうち、制御データはプロトコル処理部1101へ渡され、ユーザデータはアプリケーション部1102へ渡される。移動端末の一連の処理は制御部1110によって制御される。よって制御部1110は、図面では省略しているが、各部(1101〜1109)と接続している。
図12は、基地局102の構成を示すブロック図である。基地局102の送信処理は以下のとおり実行される。EPC通信部1201は、基地局102とEPC(MME103及びS-GW104)間のデータの送受信を行う。他基地局通信部1202は、他の基地局との間のデータの送受信を行う。EPC通信部1201、他基地局通信部1202はそれぞれプロトコル処理部1203と情報の受け渡しを行う。プロトコル処理部1203からの制御データ、またEPC通信部1201と他基地局通信部1202からのユーザデータ及び制御データが送信データバッファ部1204へ保存される。送信データバッファ部1204に保存されたデータはエンコーダー部1205へ渡され、誤り訂正などのエンコード処理が施される。エンコード処理を施さずに送信データバッファ部1204から変調部1206へ直接出力されるデータが存在しても良い。エンコードされたデータは変調部1206にて変調処理が行われる。変調されたデータはベースバンド信号に変換された後、周波数変換部1207へ出力され、無線送信周波数に変換される。その後、アンテナ1208より一つもしくは複数の移動端末101に対して送信信号が送信される。また、基地局102の受信処理は以下のとおり実行される。ひとつもしくは複数の移動端末101からの無線信号がアンテナ1208により受信される。受信信号は周波数変換部1207にて無線受信周波数からベースバンド信号に変換され、復調部1209で復調処理が行われる。復調されたデータはデコーダー部1210へ渡され、誤り訂正などのデコード処理が行われる。デコードされたデータのうち、制御データはプロトコル処理部1203あるいはEPC通信部1201、他基地局通信部1202へ渡され、ユーザデータはEPC通信部1201、他基地局通信部1202へ渡される。基地局102の一連の処理は制御部1211によって制御される。よって制御部1211は図面では省略しているが各部(1201〜1210)と接続している。
図13は、MME(Mobility Management Entity)の構成を示すブロック図である。PDN GW通信部1301はMME103とPDN GW902間のデータの送受信を行う。基地局通信部1302はMME103と基地局102間をS1_MMEインタフェースによるデータの送受信を行う。PDN GW902から受信したデータがユーザデータであった場合、ユーザデータはPDN GW通信部1301からユーザプレイン処理部1303経由で基地局通信部1302に渡され、1つあるいは複数の基地局102へ送信される。基地局102から受信したデータがユーザデータであった場合、ユーザデータは基地局通信部1302からユーザプレイン処理部1303経由でPDN GW通信部1301に渡され、PDN GW902へ送信される。
MCE通信部1304はMME103とMCE801間をMME―MCE間IFによるデータの送受信を行う。PDN GW902から受信したデータが制御データであった場合、制御データはPDN GW通信部1301から制御プレイン制御部1305へ渡される。基地局102から受信したデータが制御データであった場合、制御データは基地局通信部1302から制御プレイン制御部1305へ渡される。MCE801から受信した制御データはMCE通信部1304から制御プレイン制御部1305へ渡される。制御プレイン制御部1305での処理の結果は、PDN GW通信部1301経由でPDN GW902へ送信され、また基地局通信部1302経由でS1_MMEインタフェースにより1つあるいは複数の基地局102へ送信され、またMCE通信部1304経由でMME―MCE間IFにより1つあるいは複数のMCE801へ送信される。制御プレイン制御部1305には、NASセキュリティ部1305−1、SAEベアラコントロール部1305−2、アイドルステート(Idle State)モビリティ管理部1305―3などが含まれ、制御プレインに対する処理全般を行う。NASセキュリティ部1305―1はNAS(Non-Access Stratum)メッセージのセキュリティなどを行う。SAEベアラコントロール部1305―2はSAE(System Architecture Evolution)のベアラの管理などを行う。アイドルステートモビリティ管理部1305―3は、待受け(LTE‐IDLE状態、単にアイドルとも称される)状態のモビリティ管理、待受け状態時のページング信号の生成及び制御、傘下の1つあるいは複数の移動端末101のトラッキングエリア(TA)の追加、削除、更新、検索、トラッキングエリアリスト(TA List)管理などを行う。MMEはUEが登録されている(registered)追跡領域(トラッキングエリア:tracking Area:TA)に属するセルへページングメッセージを送信することで、ページングプロトコルに着手する。MME103の一連の処理は制御部1306によって制御される。よって制御部1306は図面では省略しているが各部(1301〜1305)と接続している。
図14は、MCE(Multi-cell/multicast Coordination Entity)の構成を示すブロック図である。MBMS GW通信部1401はMCE801とMBMS GW802間をM3インタフェースによる制御データの送受信を行う。基地局通信部1402はMCE801と基地局102間をM2インタフェースによる制御データの送受信を行う。MME通信部1403はMCE801とMME103間をMME―MCE間IFによる制御データの送受信を行う。MC送信スケジューラ部1404は、MBMS GW通信部1401経由で渡されたMBMS GW802からの制御データと、基地局通信部1402経由で渡されたMBSFN(Multimedia Broadcast multicast service Single Frequency Network)エリア内の基地局102からの制御データと、MME通信部1403経由で渡されたMME103からの制御データを用いて、自分が管理している1つあるいは複数のMBSFNエリアのマルチセル送信のスケジューリングを行う。スケジューリングの一例としては基地局の無線リソース(時間、周波数など)、無線構造(変調方式、コードなど)などが挙げられる。マルチセル送信のスケジューリング結果は、基地局通信部1402に渡され、MBSFNエリア内の1つあるいは複数の基地局102へ送信される。MCE801の一連の処理は制御部1405によって制御される。よって制御部1405は図面では省略しているが各部(1401〜1404)と接続している。
図15はMBMSゲートウェイの構成を示すブロック図である。図15において、MBMS GW802のeBMSC通信部1501は、MBMS GW802とeBMSC901間のデータ(ユーザデータ、制御データ)の送受信を行う。MCE通信部1502はMBMS GW802とMCE801間をM3インタフェースによる制御データの送受信を行う。eBMSC901から受信した制御データは、eBMSC通信部1501経由で、MBMS CP部1503に渡り、MBMS CP部1503での処理後、MCE通信部1502経由で、1つあるいは複数のMCE801へ送信される。MCE801から受信した制御データは、MCE通信部1502経由で、MBMS CP部1503に渡り、MBMS CP部1503での処理後、eBMSC通信部1501経由で、eBMSC901または/かつMCE801へ送信される。基地局通信部1504はMBMS GW802と1つあるいは複数の基地局へM1_Uインタフェースによるユーザデータ(トラヒックデータとも称される)の送信を行う。eBMSC901から受信したユーザデータは、eBMSC通信部1501経由で、MBMS UP部1505に渡り、MBMS UP部1505での処理後、基地局通信部1504経由で、1つあるいは複数の基地局102へ送信される。MBMS CP部1503とMBMS UP部1505は接続している。MBMS GW802の一連の処理は制御部1506によって制御される。よって制御部1506は図面では省略しているが各部(1501〜1506)と接続している。
次に図16に本発明にかかる移動体通信システムとしての処理の流れの一例を示す。図16は、LTE方式の通信システムにおいて移動端末がMBMSの利用開始から利用修了までの処理の概略を示すフローチャートである。図16のステップST1601にて移動端末は、MBMS/ユニキャスト混合セルでのサービングセルのセルセレクションを行う。以降、ステップ1601の処理を「ユニキャスト側セルセレクション」と称する。ステップST1601−1にてネットワーク側は移動端末に対して「受信可能なMBMSに関する報知」処理を行う。具体的には、現在利用可能なMBMSサービスが存在することや、その周波数に関する情報(周波数のリスト)が、ネットワーク側から移動端末に通知される。ST1601−1の処理によって移動端末は、利用可能なMBMSサービスが存在することやその周波数を知ることができるので、受信可能周波数を総当り的に検索する必要がなくなる。このことは、移動端末が現在の周波数以外の周波数からのサービスを受信するまでの制御遅延を短くするという効果を奏する。
ステップST1602にて移動端末は、ステップST1601でネットワーク側から通知された情報を基に、MBMS送信専用セルのサーチ処理を行う。サーチ処理の具体例としては、タイミング同期(無線フレームタイミングによる同期)や、システム帯域幅、送信アンテナ数、MBSFNエリア識別子(ID)(MBSFNエリア番号とも称される。)、MCCH(マルチキャスト制御チャネル)関連情報などのシステム情報の取得などがある。以降、ステップ1602の処理を「MBMSのサーチ」と称する。ステップST1603にて移動端末は、ネットワーク側からMBMS送信専用セルにおいて、MBMSサービス(MCCH及びMTCH)を受信するための情報を受信する。以降、ステップ1603の処理を「MBMS Area情報取得」と称する。ステップST1604にてユーザ(移動端末)は、ステップST1603にてネットワーク側から受信したMBMSサービスを受信するための情報を用いて、ユーザが所望するMBMSサービスを選択する。以降、ステップ1604の処理を「MBMSサービス選択」と称する。
先に「第四の課題」として説明したとおり、LTE方式による通信システムでは、MBMSサービスが提供する放送データを移動端末に送信するための下りリンクのみを設け、上りリンクを省くことで簡略なシステム構成を実現するMBMS送信専用のセルを設けることが検討されている。上記説明のステップ1601−1からステップST1604は、かかるMBMS送信専用セルによるMBMSサービスを選択するまでの方法を開示した。上記説明の一連の処理により、移動端末がMBMS送信専用セルにて所望のMBMSサービスを受信することが出来るという効果を奏する。
ステップST1605にて移動端末は、ステップST1603にてネットワーク側から受信したMBMSサービスを受信するための情報を用いて、MBMS送信専用セルからMBMSデータを間欠受信するための準備を行う。以降、ステップ1605の処理を「MBMS受信時 間欠受信準備」と称する。ステップST1606にて移動端末は、ネットワーク側にMBMS送信専用セルにおける、MBMSの受信状況を通知する「MBMS側受信状況通知」処理を行う。MBMS送信専用セルは上りリンクを設けていないので、MBMS専用セルでMBMSデータを受信している移動端末はネットワーク側に位置登録を行うことができない。この場合、ネットワーク側は移動端末の存在するセルを特定できないので、当該移動端末宛ての着信が発生した場合にページング信号を送ることが困難であった。本ステップST1606によりネットワーク側は、当該移動端末がMBMS送信専用セルにてMBMSサービスを受信している旨を知ることができ、移動端末を追跡することが可能になるので、MBMS送信専用セルでMBMSサービスを利用中の移動端末宛てに着信が発生したとき、ページング情報をMME103、MCE801−1経由でMBMS送信専用セルに転送し、MBMSサービスを利用中の移動端末に個別着信が発生したことを知らせることができる。したがって、MBMS送信専用セルでMBMSサービスを利用中の移動端末に対するページングに関する第一の課題を解決することができる。
ステップST1607にて、移動端末はユニキャストセル(図10 102-1)または/かつMBMS/ユニキャスト混合セル(図10 102-2)の電解強度測定やセル選択を含む測定(メジャメント)処理を行う。この処理を「Unicast側メジャメント」と称する。ステップST1607により移動端末は、MBMS送信専用セルにおいてMBMSデータを受信中であっても、ユニキャストセル(図10 102-1)やMBMS/ユニキャスト混合セル(図10 102-2)の測定やセル選択、位置登録などの処理を行うことが可能となる。このメジャメント処理を行うことにより、MBMS送信専用セルにてMBMSサービスを利用している移動端末は送信対象となるユニキャストセル、あるいはMBMS/ユニキャスト混合セルを選択、更新しているので、上りリンクが存在しないMBMS専用セルにおけるモビリティを確保することが可能になるという効果を得る。このため、MBMS専用セルでMBMSサービスを利用している移動端末は、確実に位置登録などモビリティに関する処理を、たとえばユニキャストセルまたは、MBMS/ユニキャスト混合セルを介して行うことが可能となり、したがって、ネットワーク側はMBMS送信専用セルでMBMSサービスを利用している移動端末にページング信号を送ることが可能になる。また、当該移動端末は、ユニキャスト/混合周波数レイヤとの測定を通じた下り同期確立をメジャメント周期により行う。これにより、本発明の第二の課題である、上りリンクが存在しないMBMS送信専用セルにおいて、移動端末がMBMS/ユニキャスト混合セルを介してページング信号に対する応答を送信する場合であっても、制御遅延を小さくすることができる。
ステップST1608にて、移動端末は、ページング信号を受信するため間欠受信を行う。より具体的には、当該移動端末宛ての個別着信が発生した場合、ネットワーク側は、MBMS送信専用セルにて構成されるMBMS送信専用の周波数レイヤからMBMSサービスを受信している移動端末に対して、MBMS送信専用セルの下りリンクを介してページング信号を送信する。ステップST1605〜ステップST1608にて、本発明の第一の課題である、MBMS送信専用セルでMBMSサービスを利用している移動端末に、ページングを通知することが可能になる。
ステップST1608の「MBMS受信時 間欠受信」にてページング信号を受信しなかった移動端末は、ステップST1609にてマルチキャストトラヒックチャネル(MTCH)を介してMBMS送信専用セルから送信されたMBMSトラヒックデータを受信する。以降、ステップST1608の処理を「MTCH受信」と称する。「MTCH受信」を行っている移動端末は、「Unicast側メジャメント」のタイミングにてステップST1607へ移行する。あるいは「MTCH受信」を行っている移動端末は、受信感度が悪くなった場合にステップST1602、あるいはステップST1604、あるいはステップST1612へ移行する。一方、ステップST1608の「MBMS受信時 間欠受信」にてページング信号を受信した移動端末は、ステップST1610にて、MBMS送信専用周波数レイヤの周波数(f(MBMS))からユニキャスト/ミクスド周波数レイヤの周波数(f(Unicast))に周波数を変更し、制御データの送受信を行う。以降、ステップST1610の処理を「Unicast側 間欠受信」と称する。これにより当該移動端末は、ユニキャストセルあるいは混合セルを介してネットワーク側へページング信号に対する応答など上りデータを送信することが可能となる。ステップST1611、ステップST1612にて移動端末は、ネットワーク側へMBMS送信専用周波数レイヤ(MBMS送信専用セル)におけるMBMSデータの受信を終了する旨を通知する。ステップST1611によりネットワーク側は、当該移動端末がMBMSサービスの利用を終了する旨を知ることが出来る。MBMS送信専用周波数レイヤによるMBMSサービスの利用を終了した移動端末に対しては、ユニキャストセルあるいは混合セルを介してページング信号を送信すればよいので、ネットワーク側がMBMS送信セルの下りリンクを介してページング信号を通知する処理を中止することができ、MBMS送信専用セルの無線リソースの有効活用を図る。
実施の形態2.
本実施の形態においては、図17を用いて、実施の形態1で述べた移動体通信システムの処理の流れの詳細な具体例について説明する。図17はユニキャスト側のセルセレクションを説明するフローチャートである。ステップST1701にて、ユニキャストセル、MBMS/ユニキャスト混合セル(単に混合セル(Mixed cell)とも称する)は第一同期チャネル(Primary Synchronization Channel: P-SCH)と第二同期チャネル(Secondary Synchronization Channel: S-SCH)、リファレンス信号(リファレンスシンボルとも称される。Reference Symbol :RS)を傘下の移動端末に対して報知する。ステップST1702にて、移動端末は基地局(ユニキャストセルまたは/かつ混合セル)からのP−SCH、S−SCH、RSを受信する。ステップST1703にて、移動端末は受信したP−SCH、S−SCH、RSを用いて初期セルサーチ動作を行う。現在3GPPで議論されているセルサーチ動作の詳細を説明する。第1段階として移動端末は、移動体通信システムとして3種類の規定シーケンスが存在する第一同期チャネル(P-SCH)をブラインド検出する。P−SCHは周波数としてはシステム帯域幅の中心72サブキャリアに、時間的としては無線フレーム毎に1番目(#0)と6番目(#5)にマッピングされる。よってP−SCHをブラインド検出した移動端末は、5msタイミング検出と、セルグループ(先のP−SCHの3週類のシーケンスに対応する1〜3グループ)を知ることが出来る。第2段階として、移動端末は、第二同期チャネル(S-SCH)をブラインド検出する。S−SCHのマッピング位置はP−SCHと同様である。S−SCHをブラインド検出した移動端末は10msタイミング検出(フレーム同期)とセル識別子(Cell ID)を知ることが出来る。
ステップST1704にて移動端末は、セルセレクションを行う。セルセレクションは移動端末が複数の基地局からの下り受信感度を測定した測定結果を用いて、サービング基地局(セル)になり得る条件を満足した基地局を1つ選択する処理である。サービング基地局になり得る条件の具体例としては、複数の基地局からの下り受信感度の中でもっとも受信感度が良いもの、あるいはサービング基地局の受信感度の最低閾値を超えた基地局などが考えられる。実際に移動端末が測定する値としては、リファレンスシンボル受信電力(Reference Symbol received power: RSRP)、E−UTRAキャリア受信信号強度値(E-UTRA carrier received signal strength indicator: RSSI)などがある。サービング基地局とは、当該移動端末のスケジューリングを担当する基地局である。当該移動端末のサービング基地局以外の基地局であっても、他の移動端末にとってはサービング基地局になり得る。つまりユニキャストセルあるいは、MBMS/ユニキャスト混合セルの全ての基地局はスケジューリング機能を有し、いずれかの移動端末のサービング基地局となり得る。ステップST1705にて、ユニキャストセル、MBMS/ユニキャスト混合セルは論理チャネルのひとつである報知制御チャネル(BCCH)を用いて報知情報を送信する。報知情報の具体例は、メジャメント周期、間欠受信周期、トラッキングエリア情報(TA情報)などがある。メジャメント周期とはネットワーク側が傘下の移動端末に通知する周期であって、この周期にしたがって移動端末は電界強度などの測定を行う。間欠受信周期とは、移動端末が待受け状態(Idle State)時にページング信号を受信するために、周期的にページング信号をモニタする周期である。TA情報とは「追跡領域」(Tracking Area)に関する情報である。MMEはUEが登録されている追跡領域に属する各eNBにページングメッセージを送ることにより、ページング処理を開始する(TS36.300 19.2.2.1)。ステップST1706にて、移動端末はサービング基地局からBCCHを介してメジャメント周期、間欠受信周期、TA情報などを受信する。
ステップST1707にてユニキャストセル、MBMS/ユニキャスト混合セルはBCCHを用いて、移動端末に対して、利用可能なMBMSサービスの周波数、つまり受信可能なMBSFN同期エリア(MBSFN Synchronization Area)の周波数(f(MBMS)と称する)を1つあるいは複数報知する。W−CDMA通信システムではプリファード周波数情報(Preferred frequency information: PL情報)というパラメータが存在した。PL情報はネットワーク側で論理チャネルであるマルチキャスト制御チャネル(MCCH)にマッピングされ、傘下の移動端末に対して報知される。しかし、LTEシステムにおいては、MBMSサービスを提供しないユニキャストセルを設けることが予定されており、かかるユニキャストセルでは、MBMS用のチャネルであるMCCHを用いてf(MBMS)を報知する方法は採用できないという問題がある。
ステップST1708にて、移動端末は、サービング基地局からBCCHを用いて送信されたf(MBMS)を受信する。f(MBMS)を移動端末が受信することで、移動端末は現在の周波数以外でサービスが存在する可能性のある周波数について総当り的に検索する必要がなくなる。このことは、移動端末が現在の周波数以外の周波数からのサービスを受信するまでの制御遅延を短くするという効果を奏する。ステップST1707、ステップST1708は実施の形態1で述べた「受信可能なMBMSに関する報知」の詳細な具体例である。ここで、移動体通信システムとしてf(MBMS)が静的(Static)あるいは準静的(Semi-Static)に決定しておけば、基地局よりf(MBMS)を報知せずに上記移動端末が現在の周波数以外の周波数からサービスを受信するまでの制御遅延が短くなるという効果を得ることができる。さらに、f(MBMS)を報知する必要がなくなるので、無線リソースの有効活用という効果も合わせて得ることができる。
一方、ステップST1707とステップST1708において、f(MBMS)に加えて各f(MBMS)におけるシステム帯域幅、送信アンテナ数を基地局からBCCHを用いて報知することも可能である。これにより、ステップST1708にて、移動端末は、サービング基地局からBCCHを用いて送信されたf(MBMS)を受信することにより、MBMS送信専用の周波数レイヤにおいて、システム情報(システム帯域幅、送信アンテナ数)を取得する必要がなくなるので、制御遅延を短くすることができるという効果を得ることができる。なぜならf(MBMS)を受信するためにユニキャスト/周波数レイヤにおいてはサービング基地局からのBCCHを受信する必要があるので、情報(システム帯域幅、送信アンテナ数)が増えたとしても移動端末の処理時間としてはさほど長くはならない。一方、MBMS送信専用の周波数レイヤに移ってから、MBMS送信専用の周波数レイヤのシステム情報を取得するためには、MBMS送信専用の周波数レイヤにおけるBCCHを受信する必要があり、あらたに別のチャネルのデコード処理が必要となるため、制御遅延が発生する。
ステップST1709にて移動端末は、プロトコル処理部1101あるいは制御部1110にて保管している現在のトラッキングエリアリスト(TA List)中に、ステップST1706で受信したサービング基地局のTA情報が含まれているか確認する。含まれている場合、図18のステップST1720へ移行する。含まれていない場合はステップST1710を実行する。ステップST1710にて移動端末は、「アタッチリクエスト」(Attach Request)をサービング基地局へ通知する。「アタッチリクエスト」に含まれる情報としては、移動端末の識別子(IMSI(International Mobile Subscriber Identity)あるいはS-TMSI(S-Temporary Mobile Subscriber Identity, S-TMSIは単にTemporary Mobile Subscriber Identity(TMSI)と称されることもある)、移動端末の能力(Capability)などがある。ステップST1711にて「アタッチリクエスト」を受信したサービング基地局は、ステップST1712にて「アタッチリクエスト」をMME(Mobility Management Entity)あるいはHSS(Home Subscriber Server)へ通知する。ステップST1713にてMMEは「アタッチリクエスト」を受信する。MMEのアイドルステートモビリティ管理部1305−3は、各移動端末のトラッキングエリアリストを管理している。ステップST1714にてMMEは当該移動端末の管理しているトラッキングエリアリストに当該移動端末のサービング基地局が含まれているか確認する。含まれている場合は、図18のステップST1716へ移行する。含まれていない場合はステップST1715を実行する。ステップ1715にてMMEのアイドルステートモビリティ管理部1305−3は、当該移動端末の管理しているトラッキングエリアリストに当該移動端末のサービング基地局のTA情報を追加(あるいは更新)する処理を行う。ステップST1716にてMMEは「アタッチアクセプト」(Attach Accept)をサービング基地局へ通知する。「アタッチアクセプト」に含まれる情報としては、トラッキングエリアリスト、移動端末へ与えられる識別子(S-TMSIなど)などがある。ステップST1717にて「アタッチアクセプト」を受信したサービング基地局は、ステップST1718にて「アタッチアクセプト」を当該移動端末へ通知する。ステップST1719にて移動端末は「アタッチアクセプト」を受信する。
図18は、MBMSサーチ処理を示すフローチャートである。図18のステップ1720〜ステップ1725は、実施の形態1で述べた「MBMSのサーチ」の具体的な処理である。ステップST1720にて移動端末は、ステップST1708にて受信可能なMBSFN同期エリアの周波数(あるいはMBMS送信専用の周波数レイヤの周波数)を受信したか確認する。つまりf(MBMS)を1つ以上受信したか確認する。存在しなかった場合、処理を終了する。存在した場合、ステップST1721を実行する。ステップST1721にて移動端末は、ユーザがf(MBMS)にてMBMSサービスを受信する意思があるかどうかを確認する。確認の具体例としては、ユーザがMBMSサービスを受信する意思が有る場合にユーザインタフェースを用いて移動端末に対して指示を送り、移動端末はユーザの意思をプロトコル処理部1101へ保管する。ステップST1721にて移動端末はプロトコル処理部1101に保管されているMBMSサービスを受信する意思の有無を確認する。MBMSサービスを受信する意思がなければ、ステップST1721の処理を繰り返す。繰り返す方法としては、一定周期で移動端末がステップST1721の判断を行う方法、あるいはユーザからのユーザインタフェースを通じたMBMSサービスを受信する意思の変更通知があった際にステップST1721あるいは、ステップST1720を行う方法などがある。MBMSサービスを受信する意思があれば、ステップST1722へ移行する。ステップST1722にて移動端末は、周波数変換部1107(シンセサイザ)の設定周波数を変更し、中心周波数をf(MBMS)へ変更することによりMBMSのサーチ動作を開始する。周波数変換部1107の設定周波数を変更し、中心周波数を変更することをリチューン(re-tune)と称する。ステップST1723にて、MBMS専用セルは第一同期チャネル(Primary Synchronization Signal: P-SCH)と第二同期チャネル(Secondary Synchronization Signal: S-SCH)、レファレンス信号(RS(MBMS))、BCCHを傘下の移動端末に対して報知する。ステップST1724にて、移動端末はMBMS専用セルからのP−SCH、S−SCH、RS(MBMS)、BCCH(報知制御チャネル)を受信する。
ステップST1725にて移動端末はMBMSのサーチ動作を行う。現在3GPPで議論されているMBMS送信専用の周波数レイヤにおけるサーチ動作について説明する。P−SCHにMBMS送信専用の周波数レイヤにおいて専用的に用いるシーケンスを追加する。追加の専用シーケンスは、静的に規定されたものとする。第一段階として移動端末は、追加の専用のシーケンスにてP−SCHをブラインド検出する。P−SCHは周波数的にはシステム帯域幅の中心72サブキャリアに、時間的としては無線フレーム毎に1番目(#0)と6番目(#5)にマッピングされる。よってP−SCHをブラインド検出した移動端末は、5msタイミング検出することができる。また、P−SCHはマルチセル送信される。第二段階として移動端末は、S−SCHをブラインド検出する。S−SCHのマッピング位置はP−SCHと同様である。S−SCHをブラインド検出した移動端末は10msタイミング検出(フレーム同期)とMBSFNエリアIDを知ることが出来る。またS−SCHはマルチセル送信される。第二段階で得たMBSFNエリアIDと関連付けられているスクランブリングコード(Scrambling Code)を用いてBCCHを受信する。移動端末は、BCCHをデコードすることにより、MCCH(マルチキャスト制御チャネル)のスケジューリングを得ることが出来る。このデコード処理は、前記MBSFNエリアIDと関連付けられているスクランブリングコード(Scrambling Code)を用いる。またBCCHはマルチセル送信される。本発明では、さらにBCCHをデコードすることによりf(MBMS)におけるシステム帯域幅、f(MBMS)における送信アンテナ数を得ることが出来るものとする。ここで、移動体通信システムとしてf(MBMS)におけるシステム帯域幅、送信アンテナ数を静的(Static)あるいは準静的(Semi-Static)に決定しておけば、基地局よりf(MBMS)におけるシステム帯域幅または/かつ送信アンテナ数を報知する必要がなく、無線リソースの有効活用という効果を得ることができる。さらにデコードおよび、パラメータ(f(MBMS)におけるシステム帯域幅または/かつ送信アンテナ数)の変更が不要となるので移動端末の低消費電力化、制御遅延の削減という効果を得ることが出来る。
本発明では、更にMCCHのスケジューリングについて検討する。現在の3GPPの規格においてMBSFN同期エリア(Multimedia Broadcast multicast service Single Frequency Network Synchronization Area f(MBMS))は1つ以上のMBSFNエリア(MBSFN Areas)を支持することができることになっている(図7参照)。一方、ひとつの周波数(Single Frequency)であるf(MBMS)で複数のMBSFNエリアをどのように多重するのかは決まっていない。ここではMBSFNエリアの多重方法が異なった場合であっても本発明が適応可能となるように多重方法ごとに「MBMS サーチ」処理を説明する。
まず、MBSFNエリアが時分割多重(TDM: Time Division Multiplexing)された場合について説明する。MBSFNエリアが複数存在した場合の基地局の地理的なロケーションの概念図を図25に示す。図25はMBSFN同期エリアを構成する複数のMBSFNエリアを示す説明図である。図25において、1つのMBSFN同期エリア中にMBSFNエリア1、MBSFNエリア2、MBSFNエリア3の3つのエリアが存在する。ステップST1725にて得られるBCCH中のMCCHのスケジューリングの具体例については現在の3GPPでは詳細議論がされていない。本発明では第四の課題であるMBMS送信専用の周波数レイヤにて所望のサービスを選択するまでの方法、及びそのための移動体通信システムを開示するために、MBSFNエリアが時分割多重された場合のBCCH中のMCCHのスケジューリングの具体例について示す。図26は、MBSFNエリアが時分割多重された場合のMBSFN同期エリアの物理チャネルへのマッピング概念図である。
図26は、ひとつのMBSFN同期エリアにおいて、複数のMBMFNエリアへのチャネルが時分割多重されている概念を示す。ひとつのMBSFN同期エリアに含まれる各MBFSNエリアは時間的に同期しているため、P−SCH(第一同期チャネル)はMBSFNエリア1内のMBMS専用セル、MBSFNエリア2内のMBMS専用セル、MBSFNエリア3内のMBMS専用セルとも同じタイミングで送信されている。また、追加の専用シーケンスを用いるとすれば全てのMBSFNエリア内のP−SCHのシーケンスは同じとなる。よってP−SCHを用いて、MBSFN同期エリア内にて同じ情報を同じタイミングで送信することになる。また、前記の通り、MBSFNエリアIDがS−SCH(第二同期チャネル)によって送信されることが考えられている。その場合はS−SCHはMBSFNエリア毎に異なる情報がMBSFN同期エリアにて同じタイミングで送信されることになる。この場合、各MBSFNエリア内の全MBMS専用セルからは同じ情報が同じタイミングで送信されることになる。移動体通信システムは、BCCHを用いた送信を行う際に、MBSFNエリアIDと関連付けられたスクランブリングコードを乗算する。このスクランブリングコードは、S−SCH(第二同期チャネル)を用いて移動端末に通知される。よって、MBSFNエリア毎に異なる情報がBCCHを用いてMBSFN同期エリアにて同じタイミングで送信されることになる。一方、BCCHの内容はMBSFNエリア内の全MBMS専用基地局にて同じである。移動端末はBCCHをデコードすることによって、MCCHのスケジューリングを取得することができる。
現在の3GPP通信システムでは、非特許文献2のとおり、MBMS/ユニキャスト混合セルにおけるMBSFNサブフレームの割り当てについて検討されている。LTE方式の通信システムで設けられるMBMS専用セルにはユニキャスト用のサブフレームが存在しないため、全てがMBSFNサブフレームとなる。しかし、MBMS/ユニキャスト混合セルとMBMS専用セルの構成を可能な限りにおいて整合させることは重要である。よって非特許文献2で開示されている「MBSFNフレームクラスタ」(MBSFN frame Cluster)について考え方を踏襲した上で、MBMS専用セルのスケジューリングについての方法を開示する。さらに、MBSFNサブフレーム内のMCCHのスケジューリングについても説明する。図26において、MBSFNフレームクラスタが繰り返される周期をMBSFNフレームクラスタ繰り返し期間(MBSFN frame Cluster Repetition Period)とする。また、MCCHが送信される周期をMCCH繰り返し期間(MCCH Repetiton Period)とする。MBSFNフレームクラスタがMCCH繰り返し期間より小さい場合について説明する。
図26において、MCCHのスケジューリングとしてMCCHがマッピングされる時間のスターティングポイント値およびMCCH繰り返し期間を通知することを考える。更に具体的には、MCCH繰り返し期間の指定には無線フレームを用いる。スターティングポイント値の指定にはSFN(System Frame Number)を用いる。MCCH繰り返し期間の指定に無線フレーム以外を用いても良い、具体例としてサブフレームなどがある。スターティングポイント値の指定にSFN以外を用いても良い、具体例として何らかの基準値からのオフセット値などがある。MCCHが無線フレーム中の一部のサブフレームにマッピングされている場合などは、スターティングポイントとしてSFNかつサブフレーム番号などが通知されても良い。スターティングポイント値を求める具体的な計算式は、スターティングポイント値=(MCCHがマッピングされる先頭のSFN番号)mod(MCCH繰り返し期間)で表される。図26において、MBSFNエリア1のMCCHスターティングポイント値1は、1mod7=1あるいは8mod7=1・・・となり、MBSFNエリア1のMCCHスケジューリングのパラメータはMCCH繰り返し期間1「7」、スターティングポイント値1「1」となる。また、MBSFNエリア2のMCCHスターティングポイント値2は、4mod7=4 ・・・となりMBSFNエリア2のMCCHスケジューリングのパラメータはMCCH繰り返し期間2「7」、スターティングポイント値2「4」となる。また、MBSFNエリア3のMCCHスターティングポイント値3は、6mod7=6 ・・・となりMBSFNエリア3のMCCHスケジューリングのパラメータはMCCH繰り返し期間3「7」、オフセット値3「6」となる。この時のSFNはBCCHにマッピングされているとすれば無線フレームごとに報知され、MCCHスターティングポイント値からMCCHを受信する際にも有効である。
つまりMBSFNエリア1に属する基地局から送信されるデータとしては、次のようになる。前記追加の専用シーケンスであるP−SCH(第一同期チャネル)、MBSFNエリアID1などがマッピングされたS−SCH1(第二同期チャネル)、MCCHスターティングポイント値1「1」、MCCH繰り返し期間1「7」などがマッピングされ、スクランブリングコード1がかけられたBCCH1、MBSFNエリア1のMCCH1とMTCH1が送信される。MBSFNエリア1に属する基地局から3は時分割多重されるので、MBSFNエリア1が送信している期間は、MBSFNエリア2、3に属する基地局からのMCCH2、3とMTCH2、3は送信停止(DTX: Discontinuous transmission)となる。MCCH1とMTCH2にはスクランブリングコード1がかけられても良い。MCCH1とMTCH1にスクランブリングコードをかけることにより、MBSFNエリア固有のデータ(BCCH,MCCH,MTCH)への処理が統一されるという効果を得ることが出来る。反対にMCCH及びMTCHは時分割多重(TDM)であるので、MBSFNエリア固有のスクランブリングコードをかけなくても良い。MCCH1とMTCH1にスクランブリングコードをかけないことにより、基地局側でのエンコード処理、移動端末側でのデコード処理の負荷が軽くなり、データ受信までの遅延が減るという効果を得ることが出来る。
MBSFNエリア1同様にMBSFNエリア2に属する基地局から送信されるデータとしては、次のようになる。前記追加の専用シーケンスであるP−SCH(第一同期チャネル)、MBSFNエリアID2などがマッピングされたS−SCH2(第二同期チャネル)、MCCHスターティングポイント値2「4」、MCCH繰り返し期間2「7」などがマッピングされ、スクランブリングコード2がかけられたBCCH2、MBSFNエリア2に属する基地局のMCCH2とMTCH2が送信される。この期間、MBSFNエリア1、3に属する基地局のMCCH1、3とMTCH1、3は送信停止(DTX)となる。MBSFNエリア1同様にMBSFNエリア3に属する基地局から送信されるデータとしては、次のようになる。前記追加の専用シーケンスであるP−SCH(第一同期チャネル)、MBSFNエリアID3などがマッピングされたS−SCH3(第二同期チャネル)、MCCHスターティングポイント値3「6」、MCCH繰り返し期間3「7」などがマッピングされ、スクランブリングコード3がかけられたBCCH3、MBSFNエリア3のMCCH3とMTCH3が送信される。この期間、MBSFNエリア1、2に属する基地局のMCCH1、2とMTCH1、2は送信停止(DTX)となる。図26においては便宜上MCCHとMTCHが無線フレーム単位で時分割されている例を示しているが、MCCHとMTCHの多重方法が別の方法であっても、時分割多重の単位が無線フレーム単位以外であっても本発明は適用可能である。また移動体通信システムとしてMCCH繰り返し期間を静的(Static)あるいは準静的(Semi-Static)に決定しておけば、基地局よりMCCH繰り返し期間を報知する必要がなくなる。報知する情報が少なくなるので、無線リソースの有効活用という効果を得ることができる。
次にMBSFNエリアが符号分割多重(CDM: Code Division Multiplexing)された場合について説明する。MBSFNエリアが複数存在した場合の基地局のロケーションの概念図は、時分割多重(TDM)の場合と同様である。図27はMBSFNエリアが符号分割多重された場合のMBSFN同期エリアの物理チャネルへのマッピング概念図である。図27において、各MBSFNエリア内ではMBMSサービス(MCCH,MTCH)が連続的に送信されていることを想定している。そのような場合は、MBSFNフレームクラスタは定義しなくてもよい。MBSFNフレームクラスタがMCCH繰り返し期間より小さい場合について説明する。P−SCH(第一同期チャネル)、S−SCH(第二同期チャネル)、BCCHの具体例については時分割多重(TDM)の場合と同様であるため説明を省略する。本発明ではMCCHのスケジューリングとしてMCCHがマッピングされる時間のスターティングポイント値およびMCCH繰り返し期間を通知することを考える。更に具体的には、MCCH繰り返し期間の指定には無線フレーム数を用いる。スターティングポイント値の指定にはSFN(System Frame Number)を用いる。MCCH繰り返し期間の指定に無線フレーム以外を用いても良い、具体例としてサブフレームなどがある。スターティングポイント値の指定にSFN以外を用いても良い、具体例として何らかの基準値からのオフセット値などがある。MCCHが無線フレーム中の一部のサブフレームにマッピングされている場合などは、スターティングポイントとしてSFNかつサブフレーム番号などが通知されても良い。スターティングポイント値を求める具体的な計算式は、スターティングポイント値=(MCCHがマッピングされる先頭のSFN番号)mod(MCCH繰り返し期間)で表される。図27においては、MBSFNエリア1のMCCHスターティングポイント値は、1mod3=1、あるいは4mod3=1・・・となりMBSFNエリア1のMCCHスケジューリングのパラメータはMCCH繰り返し期間1「3」、スターティングポイント値「1」となる。MBSFNエリア2のMCCHスターティングポイント値は、1mod2=1、あるいは3mod2=1・・・となりMBSFNエリア1のMCCHスケジューリングのパラメータはMCCH繰り返し期間2「2」、スターティングポイント値「1」となる。MBSFNエリア3のMCCHスターティングポイント値は、2mod4=2・・・となりMBSFNエリア3のMCCHスケジューリングのパラメータはMCCH繰り返し期間3「4」、スターティングポイント値「2」となる。
つまりMBSFNエリア1に属する基地局から送信されるデータとしては、次のようになる。MBMS送信専用の周波数レイヤ専用のシーケンス(前記追加の専用シーケンス)であるP−SCH(第一同期チャネル)、MBSFNエリアID1などがマッピングされたS−SCH1(第二同期チャネル)、MCCHスターティングポイント値1「1」、MCCH繰り返し期間1「3」などがマッピングされ、スクランブリングコード1がかけられたBCCH1、スクランブリングコード1がかけられたMBSFNエリア1に属する基地局のMCCH1とMTCH1が送信される。MBSFNエリア1同様にMBSFNエリア2に属する基地局から送信されるデータとしては、次のようになる。MBMS送信専用の周波数レイヤ専用のシーケンスであるP−SCH(第一同期チャネル)、MBSFNエリアID2などがマッピングされたS−SCH2(第二同期チャネル)、MCCHスターティングポイント値2「1」、MCCH繰り返し期間2「2」などがマッピングされ、スクランブリングコード2がかけられたBCCH2、スクランブリングコード2がかけられたMBSFNエリア2に属する基地局のMCCH2とMTCH2が送信される。MBSFNエリア1同様にMBSFNエリア3に属する基地局から送信されるデータとしては、次のようになる。MBMS送信専用の周波数レイヤ専用のシーケンスであるP−SCH(第一同期チャネル)、MBSFNエリアID3などがマッピングされたS−SCH3(第二同期チャネル)、MCCHスターティングポイント値3「2」、MCCH繰り返し期間3「4」などがマッピングされ、スクランブリングコード3がかけられたBCCH3、スクランブリングコード3がかけられたMBSFNエリア3に属する基地局のMCCH3とMTCH3が送信される。
図27においては便宜上MCCHとMTCHが無線フレーム単位で時分割された例を示しているが、MCCHとMTCHの多重方法が別の方法であっても、時分割多重の単位が無線フレーム単位以外であっても本発明は適用可能である。また移動体通信システムとしてMCCH繰り返し期間を静的(Static)あるいは準静的(Semi-Static)に決定しておけば、基地局よりMCCH繰り返し期間を報知する必要がなくなる。報知する情報が少なくなるので、無線リソースの有効活用という効果を得ることができる。MBSFNエリアを符号分割多重(CDM)した場合、MBSFNエリアを時分割多重(TDM)する場合と比較して、MBSFNエリア毎に異なる繰り返し期間を設定することが可能となり、MBMSサービスとして自由度の高いスケジューリングが可能となるという効果がある。さらに符号分割多重を用いることにより、移動端末において同時に複数のMBSFNエリアからのMTCH及びMCCHが重なっても分離可能となる(スクランブリングコードにより分離できるため)。よって移動体通信システムとして同時にMBSFNエリア1−3からのMTCH、MCCHを送信することが可能となるため、1つのMBSFNエリアに割り当てられる周波数及び時間的な無線リソースが拡大するという効果を得ることが出来る。
次に現在の3GPPの議論において、複数のMBSFNエリアをカバーするようなMBSFNエリアを設けることが検討されている。図28はMBSFN同期エリアを構成する複数のMBSFNエリアを示す説明図であって、複数のMBSFNエリアをカバーするMBSFNエリアを示す説明図である。図28において、1つのMBSFN同期エリア(MBSFN Synchronization Area)中にMBSFNエリア1〜4が存在する。そのうち、MBSFNエリア4は、MBSFNエリア1〜3をカバーしている。かかるMBSFNエリア4には、カバーされているMBSFNエリア1〜3経由でアクセスすることが議論されているが、詳細は決まっていない。そこで、以下、複数のMBSFNエリアをカバーするMBSFNエリアへのアクセス方法について説明する。
先にも述べたように、現在、MBSFNエリアの多重方法については詳細な決定がなされていないので、まず、MBSFNエリア4とこれにカバーされているMBSFNエリア1〜3が時分割多重され、かつ、カバーされているMBSFNエリア1〜3間が符号分割多重されているケースについて説明する。図28のようなMBSFNエリアの地理的ロケーションであった場合の、ステップST1725(図18参照)の具体例を示す。第一段階として移動端末は、前記専用のシーケンスにてP-SCH(第一同期チャネル)をブラインド検出する。P−SCHをブラインド検出した移動端末は、5msタイミング検出することができる。また、P−SCHはマルチセル送信である。MBSFN同期エリア内に位置する基地局はマルチセル送信のための同期が取られている。よってP-SCHのマルチセル送信は同期エリア内に含まれる基地局が対象となる。第二段階として移動端末は、S−SCH(第二同期チャネル)をブラインド検出する。S−SCHをブラインド検出した移動端末は10msタイミング検出(フレーム同期)とMBSFNエリアIDを知ることが出来る。またS−SCHはマルチセル送信である。この時のMBSFNエリアIDはカバーされているMBSFNエリアIDとする。つまり移動端末が位置している、カバーされている各MBSFNエリアID(MBSFNエリア1〜3のいずれか)である。よってS-SCHのマルチセル送信はカバーされている各MBSFNエリア内に含まれる基地局が対象となる。移動端末は、第二段階で得たMBSFNエリアIDと関連付けられているスクランブリングコードを用いてBCCH(報知制御チャネル)を受信する。BCCHをデコードすることにより、MCCH(マルチキャスト制御チャネル)のスケジューリングを得ることが出来る。またBCCHはマルチセル送信である。第二段階で得られたスクランブリングコードを用いることから、BCCHはカバーされているMBSFNエリアからのBCCHとなる。よってBCCHのマルチセル送信はカバーされている各MBSFNエリア内に含まれる基地局が対象となる。移動端末は、BCCHをデコードすることにより、MCCHのスケジューリング、f(MBMS)におけるシステム帯域幅、送信アンテナ数などを得ることが出来る。
ここで更にMCCHのスケジューリングについて検討する。図29は、カバーしているMBSFNエリア(MBSFNエリア4)とカバーされているMBSFNエリア(MBSFNエリア1〜3)が時分割多重され、カバーされているMBSFNエリア間の多重方法は符号分割多重である場合のMBSFN同期エリアの物理チャネルへのマッピングを示す説明図である。MBSFN同期エリアは時間的に同期しているため、P−SCH(第一同期チャネル)はMBSFNエリア1〜3内のMBMS専用セルとも同じタイミングで送信されている。また、前記MBMS送信専用の周波数レイヤ専用のシーケンス(前記追加の専用シーケンス)を用いるとすれば全てのMBSFNエリア内のP−SCH(第二同期チャネル)のシーケンスは同じとなる。よってP−SCHはMBSFN同期エリア内にて同じ情報を同じタイミングで送信されることになる。S−SCH(第二同期チャネル)によって、前記の通りMBSFNエリアIDが送信されることが考えられている。よってその場合はS−SCHはMBSFNエリア毎に異なる情報がMBSFN同期エリアにて同じタイミングで送信されることになる。この場合、各MBSFNエリア内の全MBMS専用セルからは同じ情報が同じタイミングで送信されることになる。この時、カバーしている方のMBSFNエリア(MBSFNエリア4)特有のS-SCHはないものとする。S−SCHはMBSFN同期エリアにおいて周波数的、時間的に同じ無線リソースを用いる。またS−SCHに各MBSFNエリアスクランブリングコードに関連付けられたMBSFNエリアIDのサーチのために用いられることから、S−SCHには各MBSFNエリアのスクランブリングコードをかけることは出来ない。カバーしているMBSFNエリアS−SCHの送信を行わないことは、地理的なロケーションとしては複数のMBSFNエリアが重なっているが、重なっているMBSFNエリア(例えばMBSFNエリア1と4)において、S-SCHを1種類のみ送信すればよいことになる。これにより、お互いのMBSFNエリアからのS−SCHが干渉になることを防ぐことが出来る。移動体通信システムはS−SCHにて通知するMBSFNエリアIDと関連付けられたスクランブリングコードがかけられたBCCHを送信する。よってその場合BCCHは、カバーされているMBSFNエリア毎に異なる情報がMBSFN同期エリアにて同じタイミングで送信されることになる。BCCHの内容はMBSFNエリア内の全MBMS専用基地局にて同じである。移動端末はBCCHをデコードすることによって、MCCHのスケジューリングを取得することができる。現在の3GPPではMCCHのスケジューリングの具体例については議論されていない。本発明ではMCCHのスケジューリングの具体例を示す。
図29において、MBSFNフレームクラスタがMCCH繰り返し期間より大きい場合についてのMCCHのスケジューリングについてあわせて説明する。カバーしているMBSFNエリアのMCCHのスケジューリングとしては2段階を考える。以下の説明にて便宜上、移動端末がカバーされているMBSFNエリアとしてMBSFNエリア1に位置し、カバーしているMBSFNエリアとしてMBSFNエリア4が存在する場合を説明する。第1段階としてMBSFNエリア1のBCCHにてMBSFNエリア1のMCCHスケジューリングが通知される。本発明ではMCCHのスケジューリングの具体例を示す。本発明ではMCCHのスケジューリングとしてMCCHがマッピングされる時間のスターティングポイント値およびMBSFNフレームクラスタ繰り返し期間、MBSFNフレームクラスタ繰り返し期間内のMCCH送信回数を通知することを考える。更に具体的には、MBSFNフレームクラスタの繰り返し期間には無線フレーム数を用いる。更に具体的には、スターティングポイント値の指定にはSFN(System Frame Number)を用いる。MBSFNフレームクラスタの繰り返し期間の指定に無線フレーム以外を用いても良い、具体例としてサブフレームなどがある。スターティングポイント値の指定にSFN以外を用いても良い、具体例として何らかの基準値からのオフセット値などがある。MCCHが無線フレーム中の一部のサブフレームにマッピングされている場合などは、スターティングポイントとしてSFNかつサブフレーム番号などが通知されても良い。スターティングポイント値を求める具体的な計算式は、スターティングポイント値=(MCCHがマッピングされる先頭のSFN番号)mod(MBSFN FRAME Cluster Repetition Period)が考えられる。更に具体的には,MBSFNフレームクラスタ繰り返し期間内のMCCH送信回数としてMBSFNフレームクラスタ内のMCCH送信回数(以降、NMCCHと称する。)を用いる。NMCCHを求める具体的な計算式は、NMCCH=MBSFNフレームクラスタ/MCCH繰り返し期間(MCCH Repetition Period)で表される。図29においては、MBSFNエリア1のMCCHオフセット値1は、1mod10=1となる。MBSFNエリア2のMCCHスターティングポイント値2は、1mod10=1となる。MBSFNエリア4のMCCHスターティングポイント値4は、7mod10=7となる。次にMBSFNエリア1のNMCCH1は、6/2=3となる。また、MBSFNエリア2のNMCCH2は、6/3=2となる。MBSFNエリア4のNMCCH4は、4/2=2となる。よって、MBSFNエリア1のMCCHのスケジューリングのパラメータはMBSFNフレームクラスタ繰り返し期間1「10」、スターティングポイント値1「1」、NMCCH1「3」となる。この時NMCCH1をパラメータとして通知する代わりに、MBSFNフレームクラスタ1とMCCH繰り返し期間1を通知しても良い。
第二段階としてMBSFNエリア1のMCCHにてMBSFNエリア4のMCCHのスケジューリングが通知される。MCCHのスケジューリングの具体例は上記MBSFNエリア4(MBSFNフレームクラスタ繰り返し期間4「10」、ステーティングポイント4「7」、NMCCH4「2」)のパラメータに加えてカバーしているMBSFNエリアのMBSFNエリアID(MBSFNエリア4)を通知する。MBSFNエリア4のMCCHスケジューリングとして、1段階の場合も考えられる。つまり上記MBSFNエリア4のMCCHスケジューリングもMBSFNエリア1のBCCHにて通知する方法である。これにより、MBSFNエリア4のサービスを受信する移動端末にとっては、MBSFNエリア1のMCCHを受信しデコードする処理が不要となるので、制御遅延が減るという効果を得ることが出来る。MCCHスケジューリングとして、上記スターティングポイント、MBSFNフレームクラスタ繰り返し期間、NMCCH(MBSFNフレームクラスタとMCCH繰り返し期間でもよい)を用いる方法は、MBSFNエリアが時分割多重された場合(図26参照)のMBSFNフレームクラスタ内に複数回MCCHが存在した場合にも用いることが出来る。
つまりMBSFNエリア1に属する基地局から送信されるデータとしては、次のようになる。MBMS送信専用の周波数レイヤ専用のシーケンスであるP−SCH(第一同期チャネル)、MBSFNエリアID1などがマッピングされたS−SCH1(第二同期チャネル)、MCCHスターティングポイント値1「1」、MBSFNフレームクラスタ繰り返し期間1「10」、NMCCH1「3」などがマッピングされ、スクランブリングコード1がかけられたBCCH1、スクランブリングコード1がかけられたMBSFNエリア1のMCCH1とMTCH1が送信される。MCCH1ではMBSFNエリア4のMBSFNエリアID(MBSFNエリア4)とMBSFNエリア4のMCCHスケジューリングである、MCCHスターティングポイント値4「7」、MBSFNフレームクラスタ繰り返し期間4「10」、NMCCH4「2」が送信される。MBSFNエリア1同様にMBSFNエリア2に属する基地局から送信されるデータとしては、次のようになる。MBMS送信専用の周波数レイヤ専用のシーケンスであるP−SCH、MBSFNエリアID2などがマッピングされたS−SCH2、MCCHスターティングポイント値2「1」、MBSFNフレームクラスタ繰り返し期間2「10」、NMCCH2「2」などがマッピングされ、スクランブリングコード2がかけられたBCCH2、スクランブリングコード2がかけられたMBSFNエリア2のMCCH2とMTCH2が送信される。MCCH2ではMBSFNエリア4のMBSFNエリアID(MBSFNエリア4)とMBSFNエリア4のMCCHスケジューリングである、MCCHオフセット値4「7」、MBSFNフレームクラスタ繰り返し期間4「10」、NMCCH4「2」が送信される。
MBSFNエリア4から送信されるデータとしては、先に説明したようにP−SCH、S−SCHの送信はない。更に、MBSFNエリア4のシステム情報としてカバーされているMBSFNエリア(MBSFNエリア1〜3)のBCCHにて送信されたもの以上に通知する必要がなければ、MBSFNエリア4からのBCCHの送信を省略することが出来る。これにより、無線リソースの有効活用という効果を得ることが出来る。スクランブリングコードがかけられないMBSFNエリア4のMCCH4とMTCH4が送信される。
図29においては便宜上MCCHとMTCHが無線フレーム単位で時分割されて例を示しているが、MCCHとMTCHの多重方法が別の方法であっても、時分割多重の単位が無線フレーム単位以外であっても本発明は適用可能である。カバーしているMBSFNエリア(MBSFNエリア4)とカバーされているMBSFNエリア(MBSFNエリア1〜3 )が時分割多重される場合であり、カバーされているMBSFNエリア間は符号分割多重である多重方法は、地理的なロケーションが分離されているMBSFNエリア1〜3の多重方法として符号分割多重を用いている。これにより、周波数及び時間的な無線リソースの有効活用という利点を得られることが出来る。符号分割多重においては、各MBSFNエリアの分離は各MBSFNエリアに割り当てられたスクランブリングコードのみでおこなわれるため、MBSFNエリア間のお互いのデータが干渉となる可能性がある。しかし本多重方法においては、地理的なロケーションが分離されているMBSFNエリア1〜3の多重において符号分割多重を用いてもお互いの送信データによる干渉が起こりにくいという効果がある。地理的なロケーションが分離されていないMBSFNエリア4とMBMSFNエリア1〜3との多重に時分割多重を用いる。これにより、地理的に分離されていないために、より干渉が起こりやすいMBSFNエリア4とMBSFNエリア1〜3の多重方法を互いに干渉を起こしにくい多重方法とすることが出来る。この多重方法により各MBSFNエリア間の干渉をおさえつつ、無線リソースの有効活用が可能となる効果を得ることが出来る。更には、カバーしているMBSFNエリア(MBSFNエリア4)においてMBMSサーチを行わないことにより、P−SCH、S−SCH、BCCHを削減することが出来る。これにより、MBSFNエリア4の無線リソースを有効活用できるという効果を得ることができる。
次にカバーしているMBSFNエリア(MBSFNエリア4)とカバーされているMBSFNエリア(MBSFNエリア1〜3)が時分割多重され、カバーされているMBSFNエリア間の多重方法も時分割多重である場合における具体例について説明する。MBSFNエリアが複数存在した場合の基地局のロケーションの概念図は、カバーしているMBSFNエリア(MBSFNエリア4)とカバーされているMBSFNエリア(MBSFNエリア1〜3)が時分割多重され、カバーされているMBSFNエリア間の多重方法は符号分割多重である場合と同様である。P−SCH、S−SCH、BCCHについては前記の場合と同様であるため説明を省略する。MCCHのスケジューリングの具体例についてもほぼ前記の場合と同様である、異なる部分を中心に説明する。第一段階としてMBSFNエリア1のBCCHにてMBSFNエリア1のMCCHスケジューリングが通知される。本発明ではMCCHのスケジューリングの具体例を示す。本発明ではMCCHのスケジューリングとしてMCCHがマッピングされる時間のスターティングポイント値およびMCCH繰り返し期間を通知することを考える。MCCH繰り返し期間の指定には無線フレーム数を用いる。更に具体的には、スターティングポイント値の指定にはSFN(System Frame Number)を用いる。MCCH繰り返し期間の指定に無線フレーム数以外を用いても良い、具体例としてサブフレームなどがある。スターティングポイント値の指定にSFN以外を用いても良い、具体例として何らかの基準値からのオフセット値などがある。MCCHが無線フレーム中の一部のサブフレームにマッピングされている場合などは、スターティングポイントとしてSFNかつサブフレーム番号などが通知されても良い。スターティングポイント値を求める具体的な計算式は、スターティングポイント値=(MCCHがマッピングされる先頭のSFN番号)mod(MCCH繰り返し期間)となる。第二段階としてMBSFNエリア1のMCCHにてMBSFNエリア4のMCCHのスケジューリングが通知される。MCCHのスケジューリングの具体例は、上記MBSFNエリア1同様のMBSFNエリア4のパラメータに加えてカバーしているMBSFNエリアのMBSFNエリアID(MBSFNエリア4)を通知する。MBSFNエリア4のパラメータの説明は省略する。
次に、カバーしているMBSFNエリア(MBSFNエリア4)とカバーされているMBSFNエリア(MBSFNエリア1〜3)が符合分割多重され、カバーされているMBSFNエリア間の多重方法も符号分割多重である場合における具体例について説明する。MBSFNエリアが複数存在した場合の基地局のロケーションの概念図は、カバーしているMBSFNエリア(MBSFNエリア4)とカバーされているMBSFNエリア(MBSFNエリア1〜3)が時分割多重され、カバーされているMBSFNエリア間の多重方法は符号分割多重である場合と同様である。P−SCH、S−SCH、BCCHについては前記の場合と同様であるため説明を省略する。MCCHのスケジューリングの具体例についてもほぼ前記の場合と同様である、異なる部分を中心に説明する。第一段階としてMBSFNエリア1のBCCHにてMBSFNエリア1のMCCHスケジューリングが通知される。本発明ではMCCHのスケジューリングの具体例を示す。本発明ではMCCHのスケジューリングとしてMCCHがマッピングされる時間のスターティングポイント値およびMCCH繰り返し周期を通知することを考える。MCCH繰り返し期間の指定には無線フレーム数を用いる。更に具体的には、スターティングポイント値の指定にはSFN(System Frame Number)を用いる。MCCH繰り返し期間の指定に無線フレーム数以外を用いても良い,具体例としてサブフレームなどがある。スターティングポイント値の指定にSFN以外を用いても良い、具体例として何らかの基準値からのオフセット値などがある。MCCHが無線フレーム中の一部のサブフレームにマッピングされている場合などは、スターティングポイントとしてSFNかつサブフレーム番号などが通知されても良い。スターティングポイント値を求める具体的な計算式は、スターティングポイント値=(MCCHがマッピングされる先頭のSFN番号)mod(MCCH繰り返し期間)となる。第二段階としてMBSFNエリア1のMCCHにてMBSFNエリア4のMCCHのスケジューリングが通知される。MCCHのスケジューリングの具体例は、上記MBSFNエリア1同様MBSFNエリア4のパラメータに加えてカバーしているMBSFNエリアのMBSFNエリアID(MBSFNエリア4)を通知する。MBSFNエリア4のパラメータの説明は省略する。MBSFNエリア4にて用いられるスクランブリングコードは、MBSFNエリア1のMCCH1で通知されるMBSFNエリアID(MBSFNエリア4)を基に判明する。
次に、カバーしているMBSFNエリア(MBSFNエリア4)とカバーされているMBSFNエリア(MBSFNエリア1〜3)が符合分割多重され、カバーされているMBSFNエリア間の多重方法が時分割多重である場合における具体例について説明する。MBSFNエリアが複数存在した場合の基地局のロケーションの概念図は、カバーしているMBSFNエリア(MBSFNエリア4)とカバーされているMBSFNエリア(MBSFNエリア1〜3)が時分割多重され、カバーされているMBSFNエリア間の多重方法は符号分割多重である場合と同様である。P−SCH、S−SCH、BCCHについては前記の場合と同様であるため説明を省略する。MCCHのスケジューリングの具体例についてもほぼ前記の場合と同様である、異なる部分を中心に説明する。第一段階としてMBSFNエリア1のBCCHにてMBSFNエリア1のMCCHスケジューリングが通知される。本発明ではMCCHのスケジューリングの具体例を示す。本発明ではMCCHのスケジューリングとしてMCCHがマッピングされる時間のスターティングポイント値およびMCCH繰り返し期間を通知することを考える。MCCH繰り返し期間の指定には無線フレーム数を用いる。更に具体的には、スターティングポイント値の指定にはSFN(System Frame Number)を用いる。MCCH繰り返し期間の指定に無線フレーム数以外を用いても良い,具体例としてサブフレームなどがある。スターティングポイント値の指定にSFN以外を用いても良い、具体例として何らかの基準値からのオフセット値などがある。MCCHが無線フレーム中の一部のサブフレームにマッピングされている場合などは、スターティングポイントとしてSFNかつサブフレーム番号などが通知されても良い。スターティングポイント値を求める具体的な計算式は、スターティングポイント値=(MCCHがマッピングされる先頭のSFN番号)mod(MCCH繰り返し期間)となる。第二段階としてMBSFNエリア1のMCCHにてMBSFNエリア4のMCCHのスケジューリングが通知される。MCCHのスケジューリングの具体例は、MCCHのスケジューリングの具体例はMBSFNエリア4のパラメータとしてステーティングポイント、MCCH繰り返し期間、カバーしているMBSFNエリアのMBSFNエリアID(MBSFNエリア4)を通知する。
上記記載のMBSFNエリアの全ての多重方法での,MCCHスケジューリングにおいてMCCHのスターティングポイントはMCHスターティングポイント、あるいはPMCHスターティングポイントとしても良い。MCHスターティングポイントとした場合、MCCHスケジューリングにおけるパラメータMCCH繰り返し期間は、MCH繰り返し期間となる。その際、各MCH中にMCCHが必ずマッピングされている場合は、MCH繰り返し期間=MCCH繰り返し期間となる。一方各MCH中にMCCHが必ずマッピングされていない場合は、MCH繰り返し期間と合わせてMCCH繰り返し期間をパラメータとして持っても良い。PMCHスターティングポイントとした場合、MCCHスケジューリングにおけるパラメータMCCH繰り返し期間は,PMCH繰り返し期間となる。その際、各PMCH中にMCCHが必ずマッピングされている場合は、PMCH繰り返し期間=MCCH繰り返し期間となる。一方各PMCH中にMCCHが必ずマッピングされていない場合は、PMCH繰り返し期間と合わせてMCCH繰り返し期間をパラメータとして持っても良い。
次に3GPPにおいて、MBMS送信専用の周波数レイヤにおいて、シングルセル送信がサポートされる方向で議論が進んでいる。そのサポート方法として、シングルセル送信を1セル構成のMBSFNエリアで実現する方法が議論されている。しかし、具体的な実現方法については何ら議論されていない。本発明では第四の課題であるMBMS送信専用の周波数レイヤにて所望のサービスを選択するまでの方法、及びそのための移動体通信システムを開示するために、シングルセル送信のサポート方法について具体例を示す。上記に、複数のMBSFNエリアを覆うようなMBSFNエリアが存在する場合についての具体的な実現例について説明した。上記の方法において、覆われるMBSFNエリア(MBSFN Area1〜3)をシングルセル(Single-cell)送信を行うセルに置き換え、覆う側のMBSFNエリア(MBSFN Area4)をマルチセル(multi-cell)送信を行うセルに置き換えることによって、シングルセル送信を1セル構成のMBSFNエリアで実現することが可能である。
次に、図18のステップST1726、1727、図19のステップST1728、1729を用いて、実施の形態1で述べた「MBMSエリア情報取得」について更に具体的に説明する。各MBSFNエリアのMCCH(マルチキャスト制御チャネル)はマルチセル送信を考える。よってステップST1726にてMCEは、MBSFNエリア内の基地局に対してMCCHの内容及びMCCHを送信するための無線リソースの割り当てを送信する。ステップST1727にて各MBMS専用基地局はMCEからMCCHの内容及びMCCHを送信するための無線リソースの割り当てを受信する。ステップST1728にて各基地局はMCEから割り当られた無線リソースに従い、MBMSエリア情報、間欠受信(DRX)情報、ページンググループ数Kなどの制御情報を、MCCHを使用してマルチセル送信する。ステップST1729にて移動端末は、MBSFNエリア内の各基地局からMCCHを受信する。MCCH受信にはステップST1725にてネットワーク側より受信したMCCHのスケジューリングを用いる。
受信の方法の具体例について説明する。代表として、複数の基地局が図25に示すように配置され、各MBSFNエリアが図26のように時分割多重されている場合について説明する。移動端末がMBSFNエリア1の傘下に位置していた場合について説明する。移動端末はMBSFNエリア1のBCCH1(報知制御チャネル)をデコードすることで、MCCH1のスケジューリングパラメータとして、スターティングポイント値1「1」、MCCH繰返し周期1(MCCH Repetiton Period)「7」を受信する。またSFN(System Frame Number)がBCCHにマッピングされているとすれば、移動端末は、BCCHをデコードすることでSFN番号を知ることが出来る。移動端末は、以下の式にてMCCHがマッピングされているSFN番号を求めることが出来る。SFN=MCCH繰返し周期1×α+スターティングポイント値1(αは正の整数)。移動端末は、MCCH1がマッピングされるSFN番号の無線リソースを受信してデコードすることによりMCCH1を受信することが出来る。MCCH1には、MBSFNエリア1からマルチセル送信されるMBMSサービス用の制御情報がマッピングされている。制御情報の具体例としては、MBMSエリア情報、DRX情報、MBMS受信時間欠受信用パラメータなどがある。
MBMSエリア情報について更に具体例を図26を用いて説明する。MBMSエリア情報として、各エリアのフレーム構成(MBSFNフレームクラスタ(MBSFN frame Cluster)、MBSFNサブフレームなど)、サービス内容、MTCHの変調情報などが考えられる。MBSFNフレームクラスタ1として1MBSFNフレームクラスタ繰り返し期間内のMBSFNエリア1に割り当てられたフレームの集合中のフレーム数が通知される。MBSFN サブフレーム1としてMBSFNフレームクラスタ1内の1無線フレーム内に実際にMBMSデータ(MTCHまたは/かつMCCH)がマッピングされているサブフレーム番号が通知される。MBMS専用基地局を用いたMBMSサービスの提供においては、MBMS/ユニキャスト混合セルとは異なり、ユニキャストデータとの無線リソースを共有する必要がない。よって1無線フレーム内の全てのサブフレームにMBMSデータをマッピングすることが可能である(但し、P−SCH、S−SCH、BCCHマッピング部分除く)。全てのサブフレームにMBMSデータをマッピングする場合は、MBSFNサブフレームのパラメータをネットワーク側から移動端末側へ通知する必要がない。これにより無線リソースの有効活用を図ることができる。あるいは、無線通信システムとして静的にMBMS専用セルからのMBMSデータの送信時は全てのサブフレームにMBMSデータをマッピングするという方法をとれば、大容量のMBMSデータを送信することが可能となり、またMBSFNサブフレームのパラメータをも通知する必要がなくなるので、更に無線リソースの有効活用が図ることができる。サービス内容として、MBMSエリア1で行われているサービス内容が通知される。MBSFNエリア1において複数のサービス(映画とスポーツ中継など)が行われている場合、複数のサービス内容とその多重パラメータが通知される。
図30は、移動端末へのMBMSデータの送信が停止され、移動端末でのMBMSデータの受信動作が停止するDRX期間と、DRX期間が繰り返される周期であるDRX周期の関係を示す説明図である。DRX(Discontinuous reception)情報について図30を用いて更に具体例を説明する。本発明の第一の課題である、MBMS送信専用セルでMBMSサービスを利用している移動端末にページング信号を通知するためには、MBMS送信専用セルにてMBMSサービスを受信中の移動端末がユニキャストセルないしMBMS/ユニキャスト混合セルを介してネットワークに位置登録などを行う必要がある。そのためには、ユニキャストセルないしMBMS/ユニキャスト混合セルのメジャメント及び位置登録(サービング基地局の再選択(cell re-selection))が必要となる。これにより、上りリンクが存在しないMBMS専用セルにおけるモビリティをユニキャスト/混合セル経由にて確保することが可能になるという効果を得ることができる。このため、MBMS送信専用の周波数レイヤでMBMSサービスを受信している移動端末においても、ページング信号を受信可能になるという効果を奏する。よって、MBMS送信専用セルにてMBMSサービスを受信中の移動端末であっても、一定周期にてユニキャストセル、MBMS/ユニキャスト混合セルのメジャメントを行う必要がある。従来の方法(3GPP W−CDMA)において、メジャメント周期は間欠受信周期の整数倍であり、移動端末に対してネットワーク側より上位レイヤにて通知される。
ここで、MBMS送信専用セルにてMBMSサービスを受信している移動端末が、従来の方法を適用してユニキャストセル、MBMS/ユニキャスト混合セルの上位レイヤより通知されたメジャメント周期にてメジャメントを行うとすれば、MBMS送信専用の周波数セルのMBMSFN同期エリアを構成している基地局とユニキャスト/ミクスド周波数レイヤを構成している基地局は互いに同期していない(非同期)であるため、メジャメントを行うために、MBMS受信を中断しなければならなくなるという課題がある。
そこで、本発明では、上記課題の解決策として、MBSFN同期エリア内で一つのDRX期間を設けることとする(図30参照)。本実施の形態1におけるDRX期間とは、MBSFN同期エリア内で全MBSFNエリアのMBMSサービスに関する、ネットワーク側から移動端末へのMBMSデータの送信を停止する期間、つまり移動端末側から見るとMBMSデータの受信を行わない期間を意味することとする。MBMS送信専用周波数レイヤにおいてMBMSサービスを利用している移動端末は、MBMSデータがネットワーク側から送信されないDRX期間に、ユニキャストセル、MBMS/ユニキャスト混合セルのメジャメントを行うことにより、MBMSサービスの利用を中断する必要がなくなるという効果を得る。また、DRX期間をMBSFN同期エリアに設けることにより、移動端末は、何の制御を付加することなく、MBSFN同期エリア内のMBSFNエリアからのMBMSデータを同時に受信可能となる。
次に図30に示したDRX周期について説明する。DRX周期とは先に説明したDRX期間が繰り返される周期をいう。従来の方法においてメジャメント周期は移動端末に対してネットワーク側から設定(通知)される。この方法をLTEにおいても踏襲するならば、MBMS送信専用の周波数レイヤにおいてMBMSサービスを受信中の移動端末がDRX期間にてユニキャスト/ミクスド周波数レイヤにおけるメジャメントを実施するとすれば、MBMS送信専用の周波数レイヤのDRX周期及びDRX期間の情報をいずれかの経路を通じてユニキャストセル、MBMS/ユニキャスト混合セル側の制御装置(基地局、MME、PDNGWなど)に通知する必要がある。さらにはユニキャスト/ミクスド周波数レイヤを構成する基地局は基本的には非同期で構成されていることより、MBMS送信専用の周波数レイヤのDRX周期及びDRX期間を各ユニキャストセルあるいは各MBMS/ユニキャスト混合セルに通知する必要が出てくる。この方法は、移動体通信システムを複雑化するものであり好ましくない。よって本発明では以下の方法を開示する。MBMS送信専用セルにおけるDRX周期を、ユニキャストセル、ユニキャスト/混合周波数セルでとり得るメジャメント周期の最小値あるいは最小値の約数とする。ユニキャストセルあるいは、MBMS/ユニキャスト混合セルが、MBMS送信専用の周波数レイヤにてMBMSサービスを受信中の移動端末に対して設定可能なメジャメント周期がユニキャスト/ミクスド周波数レイヤで取り得るメジャメント周期と異なる場合は、DRX周期は、MBMS送信専用の周波数レイヤにてMBMSサービスを受信中の移動端末に対して設定可能なメジャメント周期、あるいは前記メジャメント周期の最小値、あるいは前記メジャメント周期の最小値の約数とする。これにより、ユニキャストセル、MBMS/ユニキャスト混合セルにて移動端末にどのメジャメント周期が通知(設定)されたとしても、MBMS送信専用の周波数レイヤにおいてDRX周期にて設けられたDRX期間にて、ユニキャスト/ミクスド周波数レイヤのメジャメントを行えば、ネットワーク側から通知されたメジャメント周期を満足することが可能となる。この方法を採用することにより、MBMS送信専用セルの制御装置(基地局、MCE、MBMSゲートウェイ、eBNSCなど)から、ユニキャストセル、MBMS/ユニキャスト混合セルの制御装置に対して、MBMS送信専用セルのDRX周期やDRX期間を通知する必要がなくなる。よって、移動体通信システムの複雑化を防ぐ、つまり無線インタフェース上あるいはネットワーク内の追加のシグナリングを回避しつつ、MBSFN送信専用周波数レイヤにてMBMSサービス受信中の移動端末がMBMSサービスの受信を中断することなく、ユニキャストセル、MBMS/ユニキャストミクスドセルが当該移動端末に通知(設定)した、メジャメント周期にてメジャメントを実行することが出来るという効果を得ることになる。また、該DRX期間にて、ユニキャスト/ミクスド周波数レイヤのサービングセルから報知情報の取得を行っても良く、例えばサービングセルにおける報知情報が修正された場合などに対応することが可能となる。
DRX情報の具体的なパラメータ例について図30を用いて説明する。具体的には、DRX情報のパラメータは、DRX期間、DRX周期、スターティングポイント値(DRX)が考えられる。具体的には、DRX期間、DRX周期の指定には無線フレーム数を用いる。図30において、DRX期間は「4」無線フレーム(SFN4〜7間での期間)となる。またDRX周期は「7」無線フレーム(SFN4〜10までの期間)となる。更にDRX期間が始まるスターティングポイント値(DRX)の指定にはSFNを用いる。DRX期間、DRX周期の指定に無線フレーム数以外を用いても良い、具体例として、サブフレームなどがある。スターティングポイント値の指定にSFN以外を用いても良い、具体例として何らかの基準値からのオフセット値などがある。MCCHが無線フレーム中の一部のサブフレームにマッピングされている場合などは、スターティングポイントとしてSFNかつサブフレーム番号などが通知されても良い。スターティングポイント値(DRX)を求める具体的な計算式は、スターティングポイント値(DRX)=(DRX期間が始まる先頭のSFN番号)mod(DRX周期)となる。図30においては、スターティングポイント値(DRX)は、4mod7=4 あるいは 11mod7=4・・・となる。ここで、スターティングポイント値(DRX)の指定にSFNを用いる例を示した。ここでは、MBSFN同期エリア内で一つのDRX期間を設ける例について説明した。よってスターティングポイント値(DRX)についても、MBSFN同期エリア内の基地局共通とする。スターティングポイント値(DRX)にSFNを用いた場合を考える。MBSFN同期エリア内の基地局から同じタイミングで同じ番号が送信されるとする。上記では、DRX情報をMCCHにマッピングしてMBSFN Area内の基地局から移動端末に通知する例について説明した。同様にDRX情報をBCCHにマッピングしてMBSFNエリア内の基地局から移動端末に通知しても、同様の効果が得られる。更には、DRX情報をBCCHにマッピングしてサービング基地局から移動端末に通知しても、同様の効果が得られる。更には、DRX情報を静的(Static)あるいは準静的(Semi-Static)に決定しても同様の効果がえられる。これにより報知する必要がなくなるので、無線リソースの有効活用という効果も合わせて得ることができる。
MBMS受信時間欠受信用パラメータについて更に具体例を説明する。先にも述べたが非特許文献1にてページンググループがL1/L2シグナリングチャネル(PDCCH)にて通知されることが開示されている。MBMS専用セルから送信される無線リソースにL1/L2シグナリングチャネルが存在するか否かは、まだ決定されていない。本実施の形態では、MBMS専用セルから送信される無線リソースにはL1/L2シグナリングチャネルが存在しないとして考える。しかし、LTEという同じ移動体通信システム中に存在するユニキャストセル、MBMS/ユニキャスト混合セル、MBMS送信専用セルのページング通知方法は可能な限り統一することが好ましい。統一することにより、移動体通信システムの複雑化を回避できるからである。以下の説明では、MBMS受信時間欠受信時用のパラメータとしてページンググループ数(以降、KMBMS)を考える。次に、複数の基地局が図25に示すように配置され、各MBSFNエリアが図27のように符号分割多重されている場合について説明する。この場合、DRX情報については前記時分割多重の場合と同様であるので説明を省略する。
次に、図19を用いて実施の形態1で述べた「MBMSサービス選択」について更に具体的に説明する。ステップST1730にて移動端末は、該当MBMSエリアにてユーザ所望のサービスが行われているか知るため、MBMSエリア情報に含まれるサービス内容を確認する。当該MBSFNエリアにてユーザ所望のサービスが行われている場合は、ステップST1731へ移行する。ユーザ所望のサービスが行われていない場合は、ステップST1733へ移行する。ステップST1731にて移動端末は当該MBSFNエリアの無線リソースにてレファレンスシグナル(RS)を受信し、受信電力を測定する(RSRP)。受信電力が静的あるいは準静的に決められた、閾値以上であるか否か判断する。前記閾値は、閾値以上であればMBMSサービスを受信するのに満足な感度であることを示し、閾値未満であればMBMSサービスを受信するのに満足な感度を満たしていないことを示す。閾値以上であればステップST1732へ移行し、閾値以下であればステップST1733へ移行する。ステップST1732にて移動端末は、ユーザが所望のMBMSサービスを受信するためのMBMS送信専用の周波数f(MBMS)とMBSFNエリアIDを取得する。一方、ステップST1733にて移動端末は同じ周波数内(f(MBMS))にて受信可能な他のMBMSエリアが存在するか否か判断する。本ステップST1733は、図28に示すような、覆いかぶさるMBSFNエリア(MBSFNエリア4)が存在する場合に特に有効である。同じ周波数内(f(MBMS))にて受信可能な他のMBMSエリアが存在する場合は、ステップST1730へ戻り処理を繰り返す。存在しない場合はステップST1734へ移行する。ステップ1734にて移動端末は、ステップST1708にて受信した受信可能なMBSFN同期エリアの周波数リストにて他の周波数が存在するか否か判断する。存在した場合は、ステップST1722へ戻り、新たな周波数(f2(MBMS))へシンセサイザを切り替えて処理を繰り返す。存在しない場合は、ステップST1720へ戻り処理を繰り返す。またステップ1731にてレファレンスシグナルを受信し、受信電力を測定する代わりに、実際に当該MBSFNエリアのMBMSサービス(MTCHまたは/かつMCCH)を受信し、デコードを行うことも可能である。その場合、ユーザ自身がデコード後のデータを聞くあるいは見ることにより自分自身が許容できる受信感度であるか否かを判断できる。許せる場合ステップST1732へ移行し、許せない場合ステップST1733へ移行する。許せる受信感度には、ユーザ毎に個人差があるので、よりユーザに適合した移動端末になるという効果を得ることが出来る。
図19のステップ1735は、実施の形態1で述べた「MBMS受信時間欠受信準備」を示す処理である。ステップST1735にて移動端末は、ステップST1729にて受信したMBMS受信時間欠受信時用のパラメータを用いてMBMS受信時間欠受信準備を行う。具体的には、ステップST1729にて受信したページンググループ数KMBMSを用いて、自移動端末のページンググループを算出する。ページンググループの算出には、移動端末の識別ID(UE-ID,IMSI)を用いる。ページンググループは、IMSI mod KMBMSで表される。
図20は、MBMS側受信状況通知の処理を説明するフローチャートである。この処理は、図17を用いて実施の形態1で述べた「MBMS側受信状況通知」について更に具体的に説明するものである。図20において、ステップST1736にて移動端末は、周波数変換部1107の設定周波数を変更し、中心周波数をユニキャスト/混合周波数レイヤの周波数(以降、f(unicast)と称する。)へ変更することによりユニキャスト/混合周波数レイヤへ移動する。ステップST1737にて移動端末は、上りスケジューリングリクエスト(UL Scheduling Request)をサービングセルに対して送信する。ステップST1738にてサービングセルは、当該移動端末からの上りスケジューリングリクエストを受信する。ステップST1739にてサービングセルは、当該移動端末に対して上り無線リソースの割り当てを行うべく、上りスケジューリング(UL Scheduling)を行う。ステップST1740にてサービングセルは、ステップST1739における上りスケジューリングの結果である当該移動端末への上り無線リソースの割り当て(UL allocation、あるいはGrantとも称される)を移動端末へ送信する。ステップST1741にて移動端末は、サービングセルよりULアロケーションを受信する。ステップST1742にて移動端末は、ステップST1741にて受信したULアロケーションに従って「MBMS側受信状況通知」をサービングセルへ送信する。「MBMS側受信状況通知」に含まれるパラメータ例としては、移動端末の識別子(UE−ID、IMSI、S−TMSIなど)、MBMSサービスを受信する周波数(f(MBMS))、MBSFN Area番号(ID)などがある。ステップST1743にてサービングセルは、移動端末からステップST1742の「MBMS側受信状況通知」処理により送信された各種パラメータを受信する受信処理を行う。ステップST1743にてネットワーク側は、MBMS専用セルに上りリンクを追加することなく、つまり移動体通信システムとして複雑性を増すことなく、当該移動端末がMBMS送信専用の周波数レイヤにてMBMSサービスを受信している旨を知ることが出来る。これにより、ネットワーク側が通常のページング信号を通知する構成から、MBMS受信時間欠受信構成へ変更することが可能となる効果を奏する。ステップST1744にてサービングセルは、ステップST1742にて移動端末により実行された「MBMS側受信状況通知」で送信されたパラメータをMMEへ送信する。ステップST1745にてMMEはこれを受信する。
ステップST1746にてMMEは、当該移動端末のMBMS送信専用の周波数でのMBMSサービスを受信中のトラッキングエリア(以降、TA(MBMS)と称する)を決定する。トラッキングエリアの決定に際しては、MMEはステップST1742により移動端末からサービングセル経由で通知されたMBMS側受信状況通知(MBMS側受信状況のパラメータ、f(MBMS)とMBSFNエリア番号)を基に決定する。ステップST1747にて当該移動端末のトラッキングエリアリストを更新する。ステップST1747では、TA(unicast)または/かつTA(MBMS)を含むTAリストの管理(保存、追加、更新、削除)をする。TA(unicast)とはユニキャスト/ミクスド周波数レイヤにおける当該移動端末のトラッキングエリアとする。図31はトラッキングエリアリストの詳細を説明する説明図である。以下、図31を用いてトラッキングエリアリスト管理の具体例について説明する。トラッキングエリアリストは図31(a)に示すとおり、移動端末毎に管理される。図31(a)の例ではUE#1のTAは、TA(unicast)#1とTA(unicast)#2であり、UE#2のTAはTA(unicast)#1とTA(MBMS)#1である。更に、MMEでは各トラッキングエリア(TA(unicast))に含まれる基地局も管理している。図31(b)を用いて説明する。TA(unicast)#1には、セル(Cell)ID1、2、3、4、5のMBMS/ユニキャスト混合セルが含まれる。またTA(unicast)#2には、セルID23、24、25のMBMS/ユニキャスト混合セルが含まれる。次に図31(c)を用いて説明する。TA(MBMS)#1は、当該移動端末がMBMS送信専用の周波数レイヤにてMBMSサービスを受信するMBSFNエリアIDが対応する。つまり本発明では、ステップST1742にて、移動端末から「MBMS側受信状況通知」にてパラメータが送信され、ステップST1745にてMMEが、当該パラメータであるf(MBMS)、MBSFNエリアIDを用いてTA(MBMS)が決定することになる。
ステップST1747のTAリストの管理の詳細を説明する。MMEはステップST1745にて受信したf(MBMS)、MBSFNエリアIDを基にMME内で管理しているTA(MBMS)番号を検索する(例えば図31(c)を用いる)。次に、当該移動端末のTAリスト中に検索の結果判明したTA(MBMS)が存在するか否か判断する。存在した場合、現状のTAリストを保存する。存在しなかった場合、当該移動端末のTAリストに前記TA(MBMS)を追加する。ステップST1748にてMMEはMBMS側受信状況通知を受信したことを示す応答信号Ackをサービングセルへ送信する。この応答信号に当該移動端末のTAリストを含めることが考えられる。ステップST1749にてサービングセルはMMEよりMBMS側受信状況通知のAckを受信し、ステップST1750にてMBMS側受信状況通知のAckを移動端末へ送信する。ステップST1751にて移動端末はサービングセルよりMBMS側受信状況通知のAckを受信する。ステップST1752にて移動端末は、周波数変換部1107の設定周波数を変更し、中心周波数をMBMS送信専用の周波数レイヤの周波数(f(MBMS))へ変更することによりMBMS送信専用の周波数レイヤへ移動する。
図21は、ユニキャスト側メジャメント処理を示すフローチャートである。以下、図21を用いて実施の形態1で述べた「Unicast側メジャメント」について更に具体的に説明する。ステップST1753にて移動端末は、図19のステップST1729で受信したDRX情報を用いて、MBMSサービスのDRX期間開始タイミングが到来したか判断する。具体例としては、ステップST1729にて受信するパラメータ例のDRX周期、スターティングポイント値(DRX)を用いてDRX期間が始まる先頭のSFN番号を求め、BCCH(報知制御チャネル)などにマッピングされるSFNを基にDRX期間開始タイミングであるか否かを判断する。具体的な計算例は,SFN=DRX周期×α+スターティングポイント値(DRX) α:正の整数となる。開始タイミングでなかった場合、ステップST1772に移行する。開始タイミングであった場合、ステップST1754へ移行する。ステップST1754にて移動端末は、ステップST1705にて受信したMBMS/ユニキャスト混合セルにおけるメジャメント周期であるか否かを判断する。メジャメント周期でなかった場合、ステップST1772に移行する。メジャメント周期であった場合、ステップST1755へ移行する。ステップST1755にて移動端末は、周波数変換部1107(シンセサイザ)の設定周波数を変更し、中心周波数をf(Unicast)へ変更することによりMBMS/ユニキャスト混合セルの下り信号を受信するようにする。ステップST1756にて移動端末は、ユニキャスト側(ユニキャストセルまたは/かつMBMS/ユニキャスト混合セル)のメジャメントを実行する。実際に移動端末が測定する値としては、サービングセルと周辺セルのRSRP、RSSIなどが考えられる。周辺セルの情報は、周辺セル情報(リスト)としてサービングセルから報知される場合もある。
ステップST1757にて移動端末は、ステップST1756にて測定した結果、サービングセルの再選択(cell re-selection)が必要か否か判断する。判断の具体例としては、周辺セルの中の1つのセルの測定結果が、サービングセルの測定結果を上回った場合などが考えられる。再選択が必要ない場合、ステップST1771へ移行する。再選択が必要な場合、ステップST1758、1759が実行される。ステップ1758にて新しくサービングセルとして選択する基地局(新しいサービングセル:New serving cell)は、ステップST1705同様、BCCH(報知制御チャネル)にてメジャメント周期、間欠受信周期、トラッキングエリア情報(TA情報)を傘下の移動端末に対して報知する。ステップST1759にて移動端末は、移動端末は新しいサービングセルからのBCCHを受信しデコードすることによりメジャメント周期、間欠受信周期、TA情報を受信する。ステップST1761〜ステップST1770までの説明は、ステップST1710〜ステップST1719までの説明と同様であるために省略する。ステップST1771にて移動端末は、周波数変換部1107の設定周波数を変更し、中心周波数をf(MBMS)へ変更することによりMBMS送信専用の周波数レイヤへ移動する。
ステップST1753〜ステップST1771までの「Unicast側メジャメント」処理により、移動端末は、MBMS送信専用の周波数レイヤにてMBMSサービスを受信中であっても、ユニキャストセルまたは/かつMBMS/ユニキャスト混合セルのメジャメントが可能となる。これによりMBMS送信専用の周波数レイヤにてMBMSサービスを受信中の移動端末が、ユニキャストセルまたは/かつMBMS/ユニキャスト混合セルにおいてのモビリティを確保することが可能になるという効果を奏する。これにより、上りリンクが存在しないMBMS専用セルにおけるモビリティをMBMS/ユニキャスト混合セル経由にて確保することが可能になるという効果を得ることができる。このため、MBMS送信専用の周波数レイヤでMBMSサービスを受信している移動端末においても、ページング信号を受信可能になるという効果を奏する。また、MBSFN送信専用周波数レイヤにてサービスを受信中の移動端末においてもユニキャストセルまたはMBMS/ユニキャスト混合セルとの測定を通じた下り同期確立をメジャメント周期により行う。これにより、本発明の第二の課題である、上りリンクが存在しないMBMS送信専用の周波数レイヤにてページング信号を受信した移動端末が、ユニキャストセルまたはMBMS/ユニキャスト混合セルにてページング信号に対する応答を送信する場合であっても、制御遅延少なく実現可能となる効果を得ることが出来る。
図22は、MBMS受信時における間欠受信処理を示すフローチャートである、図22は、図17を用いて実施の形態1で述べた「MBMS受信時 間欠受信」について更に具体的に説明するものである。図21のステップST1772にて移動端末は、MCCHスケジューリング情報により、受信中のMBSFNエリア番号のMCCH受信タイミングであるか判断する。つまり、移動端末はステップST1725にて受信したMCCH(マルチキャスト制御チャネル)のスケジューリングを用いて、MCCH受信タイミングであるか否か判断する。具体的には、ステップST1725にて受信するパラメータ例のMCCH繰り返し期間、スターティングポイント値を用いてMCCHがマッピングされる先頭のSFN番号を求め、BCCHなどにマッピングされるSFNを基にMCCHがマッピングされる先頭であるか否かを判断することにより、MCCHがマッピングされる先頭のSFN番号であるか否かを判断する。MCCHがマッピングされる先頭のタイミングでなかった場合、ステップST1753へ移行する。MCCHがマッピングされる先頭のタイミングであった場合、ステップST1773へ移行する。またステップST1772は、例えば図26であればMCCH Repetition Period1ごとに判断するとしても良い。
ここで、ステップST1772にてMCCHの受信タイミング(MCCHがマッピングされている先頭のSFN番号)とMBMS受信時の間欠受信周期が別々であっても構わない。別々にすることにより、MBMS受信時の間欠受信周期の設定をネットワークの状況などに応じて「長く」「短く」することが可能となり、より自由度の高い移動体通信システムを構築することが可能となる。MBMS受信時の間欠受信周期は、ステップST1707にてサービングセルからBCCHにマッピングされて移動端末へ通知されてもよいし、ステップST1723にてMBMS専用セルからBCCHにマッピングされて移動端末へ通知されてもよい。また、ステップST1728にてMBMS専用セルからMCCHにマッピングされて移動端末へ通知されてもよい。具体的には、ステップST1772にてMBMS受信時の間欠受信タイミングであるか否かを判断し、間欠受信タイミングであれば、ステップ1784へ移行する。間欠受信タイミングでなければ、MCCHの受信タイミングであるか否かを判断し、MCCHの受信タイミングであれば、ステップST1788へ移行する。MCCHの受信タイミングでなければ、図21のステップST1753へ移行する。
ステップST1773にて、当該移動端末へページングが発生すると、ステップST1774にてMMEはページングのあて先となる移動端末の識別子(UE-ID,IMSI,S-TMSIなど)を基に当該移動端末のトラッキングエリア(TA)リストを確認する。ステップST1775にてMMEは、当該移動端末のトラッキングエリアリスト中にTA(MBMS)が含まれているか否か判断する。具体例としては、図31(a)のようなリストにてUE−IDを基に当該移動端末のトラッキングエリアリストを検索する。当該移動端末が図31(a)のUE#1(UE-ID#1)であった場合にはTA(MBMS)は含まれないと判断する。一方当該移動端末が図31(a)のUE#2(UE−ID#2)であった場合には、TA(MBMS)#1が含まれているので、TA(MBMS)は含まれると判断する。TA(MBMS)が含まれていない場合、ステップST1814へ移行する。TA(MBMS)が含まれていた場合、ステップST1776へ移行する。ステップST1776にてMMEはMCEに対してページングリクエスト(Paging Request)を送信する。つまり、図10のMME103はMCE801に対してMME−MCE間インタフェースを用いてページングリクエストを送信する。MMEからページングリクエストを送信するMCEとしては、MMEが管理する基地局と地理的に重なっている基地局を管理する全MCEが考えられる。
ページングリクエスト中のパラメータの具体例としては、移動端末の識別子(UE-ID,IMSI,S-TMSIなど)、TA(MBMS)ナンバなどが考えられる。この時、TA(MBMS)ナンバの代わりにf(MBMS)かつMBSFNエリアIDの両方、あるいはMBSFNエリアIDのみとしても良い。ステップST1777にてMCEはページングリクエストを受信する。ステップST1778にてページングリクエストを受信したMCEのうち、ページングリクエスト中のパラメータとして通知された、TA(MBMS)ナンバと関連付けられたMBSFNエリアIDを制御しているMCEは、ページング送信準備を行う。一方、TA(MBMS)ナンバと関連付けられたMBSFNエリアIDを制御していないMCEはページング送信準備を行わない。ページング送信準備の具体例としては、自基地局(自MBSFNエリア)のページンググループ数KMBMSと受信したページングリクエストを用いて当該移動端末のページンググループを算出する。算出の際には、移動端末側で用いた算出式と同じ式を用いる(Pagingグループ=IMSI mod KMBMS)。上記のように、ページングリクエストを受信したMCE側で、TA(MBMS)ナンバ(MBSFNエリア)とMCEの対応付けを管理する方法は、MBSFNエリアIDとそれを制御するMCEとの関係をMBMSサービスのアーキテクチャ内のみで行えるため、つまりMMEと無関係に行えるため、自由度の高い移動体通信システムを構築することが可能になるという効果を得ることが出来る。
またMMEが図31(c)に示すように、TA(MBMS)ナンバと関係するMBSFNエリアIDを管理し、更には図31(d)に示すように、MBSFNエリアIDとそれを制御するMCEの番号を管理する場合を考える。その場合、ステップST1776にてMMEは、TA(MBMS)ナンバと関係するMBSFNエリアIDを管理するMCEのみにページングリクエストを送信する。その時のページングリクエスト中のパラメータの具体例としては、移動端末の識別子などが考えられる。ステップST1778にてページングリクエストを受信したMCEは、上記同様ページング送信準備を行う。上記のように、MME内でMBSFNエリアIDとそれを制御するMCEとの関係を管理する方法(図31(d))は、MMEからページングリクエストを通知するMCEの数が少なくなるためリソースの有効活用が可能となる効果を得られる。また通知する情報量が少なくなるためにリソースの有効活用が可能となる効果を得られる。
またMMEが図31(c)に示すように、TA(MBMS)ナンバと関係するMBSFNエリアIDを管理し、更に図31(e)に示すように、MBSFNエリアIDとMBSFNエリアIDに含まれるMBMS専用セルまたは/かつMBMS/ユニキャスト混合セルのセルIDを管理する場合を考える。その場合、ステップST1776にてMMEは、MCEではなくMMEが管理するMBSFNエリアIDに含まれるセルに対して、ページングリクエストを送信する。その時のページングリクエスト中のパラメータの具体例としては、移動端末の識別子などが考えられる。上記のように、MME内でMBSFNエリアIDとMBSFNエリアIDに含まれるセルの関係を管理する方法(図31(e))は、MCEにて移動端末のページング信号送信に関する処理を行わなくてもよくなる。このことは、MCEへの機能追加を行わなくても良くなるのでMCEの複雑性を回避できるという効果を得ることができる。またMCEの処理負荷の低減を図れるという効果を得ることが出来る。
図32は、MBMS送信専用周波数レイヤにおけるページング信号をマッピングするチャネル構成例を説明する説明図である。図32(a)はPMCH(Physical multicast channel)上にMBMS関連情報とページング信号を含む構成を示す図である。MBMS関連の情報はMBMS用のロジカルチャネルMTCH、MCCH上にのる。MBMS関連の情報とページング信号は、各々がMTCH、MCCH内の情報要素として存在しても良いし、各々がマッピングされる物理領域(リソース)が時間的に分割多重されても良い。あるMBSFNエリア内の全てのセルは、該MBSFNエリアに対応するPMCHにおいて、MBSFNエリア内でMCCHを周期的にマルチセル送信する。一方、該MBSFNエリア内セルからマルチセル送信されるMBMSサービスを受信している、あるいはしようとしている移動端末は、該MCCHを定期的に受信し、MBMSサービスの内容やフレーム構成等を受信することによって、MBMSサービスを受信可能とする。
ページング信号を該MCCHに含ませることによって、MBMSサービスを受信している、あるいはしようとしている移動端末がMCCHを受信する際にページング情報を受信可能とすることができる。これにより、移動端末はMCCHを受信する以外のタイミングで別途ページングを受信する必要がなくなるため、MBMSサービスの受信を中断することなくページングを受信可能となる。また、MCCHを受信していない時間、MBMSサービスの受信を行っていない持間はDRX動作(受信動作をストップ)することができ、移動端末の消費電力の削減が図ることができる。また、MCCHとページング信号がのるPCCHが同じMBSFNサブフレームに構成されるようにしても良いし、MCCHの乗るMBSFNサブフレームとページング信号ののるMBSFNサブフレームを時間的に隣接するようにしておいても良い。このような構成にすることで、MBMSサービスを受信している、あるいはしようとしている移動端末がMCCHを受信する際にページング信号を連続して受信可能とすることができる。これにより、移動端末はMCCHおよびページング信号ののる連続したMBSFNサブフレームを受信する以外のタイミングでページングのための受信をする必要が無くなるため、MBMSサービスの受信を中断することなくページング信号を受信可能となる。また、MCCHおよびページング信号を受信していない時間、MBMSサービスの受信を行っていない持間はDRX動作することができ、移動端末の消費電力の削減が図れる。
図32(b)に、MBMS制御情報が変更されたかどうかを示すインジケータ、ページング信号が送信されたかどうかを示すインジケータを設けた構成を開示する。MBMS制御情報が変更されたかどうかを示すインジケータをMBMS関連情報の変更有無インジケータとし、ページング信号が送信されたかどうかを示すインジケータをページング信号有無インジケータとする。インジケータがマッピングされる物理領域はPMCHが送信されるMBSFNサブフレームに設けられても良いし、また、PMCHが送信されるMBSFNサブフレームと時間的に隣接する物理領域に設けられても良い。こうすることにより、移動端末はインジケータ受信後ただちにPMCHにのるMCCHやページング信号を受信しデコード可能となる。具体的には、例えば、インジケータとして1ビット(bit)の情報とする。各インジケータはMBSFNエリア固有の拡散コード等が乗じられ、あらかじめ決められた物理領域にマッピングされる。別の方法として例えば、各インジケータはMBSFNエリア固有のシーケンスからなり、予め決められた物理領域にマッピングされても良い。移動端末に着信がかかった場合、例えばページング信号有無インジケータを“1”にセットし、着信がない場合はページング信号有無インジケータを“0”にセットする。また、例えば、MBSFNエリア内で送信されるMBMSサービスの内容が変更されるなどしてMCCHにのるMBMS制御情報が変更された場合、例えばMBMS関連情報の変更有無インジケータを“1”にセットする。1回以上のMBMS制御情報とMBMS関連情報変更有無インジケータを含むMBMS関連情報の変更が可能な周期(MBMS modification periodとする)を決めておき、該周期内でMBMS関連情報変更有無インジケータ“1”を繰り返し送信する。MBMS modification period、スタートタイミング(SFN,スターティングポイント)、等はあらかじめ決められていても良いし、ユニキャストサービスでのサービングセルから、もしくはMBMS専用セルから報知情報で通知されても良い。該MBMS変更期間分経過した後に更にMBMS関連情報の変更が無い場合は、例えばMBMS関連情報の変更有無インジケータを“0”にセットする。移動端末は、所望のMBSFNエリアのMCCH内のインジケータを受信し逆拡散等を行い、インジケータが1か0かを判定することで、MCCH内に存在するMBMS関連の情報に変更が生じたかどうかや、ページング信号が存在するかどうかを判断することが可能となる。
このようにインジケータを設けることで、MBMS制御情報に変更が生じ無い場合や、ページング信号が存在しない場合は、移動端末はPMCH全部の情報を受信または/かつデコードする必要が無くなる。このため、移動端末の受信電力の削減を図ることが可能となる。MBMS関連情報の変更が可能な周期を決めておき、該1周期期間内で1回以上の同じMBMS制御情報が送信されるようにしておくことで、移動端末は同じMBMS制御情報を1回以上受信することが可能となるため、MBMS制御情報の受信誤り率を低下させることができ、従って、MBMSサービスの受信品質を向上することが可能となる。MBMS制御情報が変更されたかどうかを示すMBMS関連情報変更有無インジケータをマッピングする物理領域を、MBMS制御情報がマッピングされるひとつまたは複数のMBSFNサブフレームの最初のMBSFNサブフレームとしても良い。さらに、該最初のMBSFNサブフレームの先頭のOFDMシンボルとしても良い。これにより、移動端末は、最初のOFDMシンボルを受信することで、MBMS制御情報に変更が生じたかどうかを判断することが可能となる。
また、ページング信号が存在するかどうかを示すページング信号有無インジケータをマッピングする物理領域を、ページング信号がマッピングされるひとつまたは複数のMBSFNサブフレームの最初のMBSFNサブフレームとしても良い。さらに、該最初のMBSFNサブフレームの先頭のOFDMシンボルとしても良い。これにより、移動端末は、最初のOFDMシンボルを受信することで、ページング信号が存在するかどうかを判断することが可能となる。各インジケータを上記のような物理領域にマッピングすることで、MBMS制御信号変更無しの場合、ページング情報が存在しない場合、各々その後のOFDMシンボルを受信または/かつデコードする必要が無くなり、さらなる移動端末の受信電力の削減をはかることが可能となる。また、最初のMBSFNサブフレームや先頭のOFDMシンボルで早期に判断できるので、MBMS制御情報をただちに受信することができたり、または、ページング信号をただちに受信することができたりするため、移動端末での制御遅延を低減することが可能となる。
インジケータとして,MBMS関連情報の変更有無インジケータとページング信号有無インジケータを同じ物理領域にマッピングしても良いし、各々異なる物理領域にマッピングしても良い。同じ物理領域にマッピングする場合は、各インジケータのオア(or)演算をとれば良い。これにより移動端末は受信するインジケータがひとつですむため、受信回路構成を間単にできる効果が得られる.各々異なる物理領域にマッピングする場合は、移動端末は、必要なインジケータのみ受信しておけば良く、他のインジケータを受信する必要はなくなる。したがって、移動端末の受信電力のさらなる削減や、必要な情報の受信遅延のさらなる低減が図れる。例えば、MBMSサービスを受信しているが、ページング信号を受信しないように設定している移動端末では、MBMS関連情報の変更有無インジケータのみ受信すればよく、ページング信号有無インジケータを受信する必要をなくすことができる。また、MBMS関連情報の変更有無インジケータとページング信号有無インジケータが異なる物理領域にマッピングされると、ステップST1772にてMCCHの受信タイミング(MCCHがマッピングされている先頭のSFN番号)あるいはMBMS関連変更有無インジケータ繰り返し周期とページング信号有無インジケータ繰り返し周期が別々の値に設定された場合、MCCHの受信タイミングあるいは、MBMS関連変更有無インジケータ繰り返し期間ではMBMS関連情報の変更有無インジケータのみを受信または/かつデコードし、ページング信号有無インジケータ繰り返し周期ではページング信号有無インジケータのみ受信または/かつデコードすることが可能となる。これにより、移動端末の処理時間が短くなり、低消費電力化が可能になるという効果を得ることができる。
各々のインジケータの繰返し周期は同じでも良いし、異なっていても良い。各々のインジケータの繰返し周期はMCCHの繰返し周期と同じでも良いし、異なっていても良い。例えばMBMS関連情報の変更有無インジケータの繰返し周期をMCCHの繰返し周期(MCCH Repetition Period)と同じにし、ページング信号有無インジケータの繰返し周期をMCCHの繰返し周期のn倍(nは2以上の整数)にする。こうすることで、MBMS受信時の間欠受信周期の設定をネットワークの状況などに応じて「長く」「短く」することが可能となり、より自由度の高い移動体通信システムを構築することが可能となる。インジケータの繰返し周期は、各々、ページング信号有無インジケータ繰返し周期(Repetition period)、MBMS関連変更有無インジケータ繰返し周期(Repetition period)とする。インジケータの存在するMBSFNサブフレームのスタートタイミング(SFN,スターティングポイント)、サブフレームナンバ、各々のインジケータの繰り返し周期等はユニキャストサービスのサービングセルの報知情報で通知されても良いし、MBMS専用セルの報知情報で通知されても良いし、あらかじめ決められていても良い。この場合、移動端末はステップST1772、あるいはステップST1788、あるいはステップST1789をMBMS関連変更有無インジケータ繰返し周期ごとに行う。MBMS関連情報の変更有無インジケータ専用のチャネルを、例えばMICH(MBMS Indicating CHannel)としても良く、さらには、MICH内にページング信号有無インジケータを構成するようにしても良い。MICHの繰り返し周期を「MICH繰返し周期」(MICH Repitition period)とする。ページング信号有無インジケータの繰返し周期はMICHの繰返し周期と同じでも良いし異なっていても良い。インジケータの通知に関しては先に記載した同様の方法で行うことができる。この場合、移動端末はステップST1772、あるいはステップST1784をページング信号有無インジケータ繰返し周期ごとに行う。これにより、各々のインジケータが送信される時間がMCCHが送信される時間に限定されず、システムにおいて柔軟に設計することが可能となる。
ページング信号をPMCHに含める場合、着信がかかった移動端末の数が膨大になった場合、自移動端末の宛てのページング信号を検出するのに時間がかかりすぎてしまうという問題が生じる。また、ページング信号ののる所定の物理領域に、着信がかかった全ての移動端末のページング信号をマッピングする領域が確保できないという問題が生じる。これらの問題を解決するため、ページンググループ化する方法を開示する。図32(c)に、ページンググループ化の方法について示す。全移動端末をK個のグループに分け、各グループ毎にページング信号有無インジケータを設ける。MCCH内のページング信号有無インジケータ用の物理領域をK個に分割し、分割した各々の物理領域に各グループのページング信号有無インジケータをマッピングする。ここで、Kは1から全移動端末数の値までをとりうる。ある移動端末に着信がかかった場合、該移動端末が属するグループのページング信号有無インジケータを“1”にセットする。あるグループに属する全ての移動端末に着信がない場合は該グループのページング信号有無インジケータを“0”にセットする。ページング信号有無インジケータは移動端末での所望の受信誤り率を満足するためにリピテーション等が行われても良い。ページング信号をマッピングする物理領域もK個に分割し、上記K個のグループに対応するようにしておく。ページング信号として、移動端末毎の識別子(識別番号、識別コード)であっても良い。K個に分割されたひとつの物理領域は、移動端末1台が必要とするページング信号データが収まる物理領域を、グループ内の移動端末数分加算した物理領域とする。グループ内の移動端末数はグループ全てで同じであっても良いし、グループ毎に異なっていても良い。
グループ内の移動端末数は、例えば、同時に着信が発生する移動端末数の平均値とする方法がある。また、全周波数帯域のひとつのOFDMシンボルに割り当て可能な移動端末台数とし、各OFDMシンボルを各グループに対応させる方法としても良い。ある移動端末に着信がかかった場合、該移動端末が属するグループのページング信号有無インジケータを“1”にセットし、該グループに対応したページング信号有無インジケータ用物理領域にマッピングする。それとともに、着信がかかった移動端末向けのページング信号を、該移動端末が属するグループに対応するページング信号の物理領域にマッピングする。ページング信号の物理領域へのマッピングは、移動端末毎に該移動端末固有の識別コードを乗じる方法とする。ページング信号が移動端末毎の識別子であってもよく、この場合は上記移動端末固有の識別コードを乗じる制御を省略できる。移動端末は、自移動端末が属するグループのページング信号有無インジケータを受信することで、自移動端末が属するグループに着信がかかっているかどうか判定する。着信がかかっていると判定した場合、自移動端末が属するグループに対応づけられたページング信号がマッピングされる物理領域を受信しデコードする。デコード後、移動端末固有の識別コードとの相関演算を行うことによりブラインドディテクションを行い、自移動端末向けのページング信号を特定することで、自移動端末への着信有りと判定することが可能となる。自移動端末向けのページング信号を検出しなかった場合は、自移動端末への着信なしと判定する。
移動端末をK個のグループにグルーピングすることで、移動端末は、ページング信号用領域全てを受信する必要が無くなり、必要な領域のみ、すなわち自移動端末が属するグループが対応する物理領域のみ受信すればよくなるため、移動端末でのページング信号検出時間の短縮が図れ、さらには自移動端末が属さないグループの対応する物理領域を受信する必要がなくなるため移動端末の受信電力の削減が図れる。さらには、グループ毎に対応したページング信号有無インジケータを用いることで、多数の移動端末がある場合も少ない物理リソースでページング信号有無インジケータを設けることができる。さらには、移動端末は必要に応じてページング信号用領域を受信すればよく、移動端末の受信電力の削減が可能となるとともに、ページング信号を受信する必要がない場合はすぐに次の動作に移行できるため、制御遅延を小さくすることが可能となる。
上記実施の形態では、ページング信号をマッピングする、K個に分割されたひとつの物理領域は、移動端末1台が必要とするページング信号データが収まる物理領域を、グループ内の移動端末数分加算した物理領域としていた。しかし、移動端末数が多大になると、必要とする物理領域が多大になり、MBMSサービスを送信するためのオーバーヘッドが多大になるためMBMSサービスデータの送信速度が低下する。これを防ぐため、移動端末向けのページング信号に移動端末毎に該移動端末固有の識別コードを乗じる。これにより、移動端末は自移動端末宛ての情報かどうかを該移動端末固有の識別コードを用いてブラインド検出(Blind Detection)することが可能となるため、各移動端末毎のページング信号をマッピングする物理領域をあらかじめ固定しておく必要がなくなる。したがって、全移動端末分のページング信号用の物理領域を必要とせず、実際に着信が生じると予測される移動端末数分の領域さえあれば良い。例として、グループ内の移動端末数を、同時に着信が発生する移動端末数の平均値とする方法がある。この方法により、限られた物理リソースを有効に利用することが可能となる。また、上記の方法とすることで、たとえ予測以上に着信する移動端末数が多くなった場合でも、新しい着信の移動端末へのページング信号を次のPMCH上で送信することが可能となる等、基地局でのスケジューリングにより柔軟に対応することが可能となる。
全移動端末数が少ない場合、Kの値を全移動端末数として、ページング信号有無インジケータのみ送信しても良い。この場合、ページング関連の物理領域を確保する必要が無く、ページング信号有無インジケータ用の物理領域を全移動端末数分確保しておけばよい。このため、無線リソースの効率化が図れる。また、この場合、移動端末毎に対応するページング信号有無インジケータ用の物理領域が存在することになる。このため、移動端末においては、自移動端末に対応したページング信号有無インジケータ用の物理領域を受信してデコードするだけで、ページング信号用領域を受信せずに、着信の有無が判定でき、移動端末のページング動作での制御遅延が低減できる。
図33に、ページング信号をPMCH上のページング信号ののる物理領域にマッピングする方法の一例を示す。ページンググループnに属する移動端末のうち、着信がかかっている移動端末のn1、n2等に対してページング信号を、該グループnに対する物理領域にマッピングする。基地局は、各々の移動端末のページング信号に該移動端末固有の識別コード(番号、シーケンス)を乗じ、CRC付加を行い、エンコード、レートマッチング等の処理を行う。ページング信号が移動端末毎の識別子である場合は上記移動端末固有の識別コードを乗じる制御を省略できる。これら一連の処理を行った結果を、マッピングする物理領域の大きさに対応した情報要素単位に割当て、着信がかかっている各々の移動端末分連結する。連結した結果を、MBSFNエリア固有のスクランブリングコードによるスクランブリング処理、変調処理等を行う。変調処理は、MBSFNエリア固有であっても良い。これらの処理を行った結果をページンググループnに対応する物理領域へマッピングする。この際、基地局は、ページンググループnのページング信号有無インジケータに“1”をセットし、ページング信号有無インジケータのページンググループnの物理領域にマッピングする。ページンググループnに対応する物理領域は、あらかじめ決められていても良いし、報知情報としてユニキャスト側サービングセルもしくはMBMS専用セルから通知されても良い。移動端末では、自移動端末が属するページンググループのページング信号有無インジケータを受信し、“1”であれば、該ページンググループに対応するページング信号用物理領域を受信する。ページング信号用物理領域を受信し、復調、MBSFNエリア固有のスクランブリングコードによるデスクランブリングを行い、その結果を情報要素単位に分割する。分割した情報要素単位毎にデコード等の処理を行い、自移動端末固有の識別番号により相関演算を行うことによって、自移動端末向けのページング信号をブラインドディテクションする。ある閾値より相関演算結果が大きい場合は自移動端末向けのページングが有ると判定し、ページング信号によりページング着信動作に入る。ある閾値以下の場合は自端末向けのページングは無しと判定し、MBMS関連情報の受信に移行する、またはMBMS関連情報の受信の必要がなければDRX動作に移行する。自移動端末がどのグループに属するかは、あらかじめ決められた計算方法によって導出されても良いし、上位レイヤから、報知情報としてユニキャストサービスのサービングセルもしくはMBMS専用セルから通知されても良い。
図34に、ページング信号をPMCH上のページング信号ののる物理領域にマッピングする方法の別の例を示す。ページンググループnに属する移動端末のうち、着信がかかっている移動端末のn1、n2等に対してページング信号を、該グループnに対する物理領域にマッピングする。基地局は、各々の移動端末のページング信号にCRC(Cyclic Redundancy Check)付加を行い、エンコード、レートマッチング等の処理を行う。それら処理を行った結果に、該移動端末固有の識別コード(番号)を乗じる。該移動端末固有の識別コードを直交性を有す拡散コードとして、移動端末間で直交性が得られるようにする。基地局は、該拡散コードを乗じた結果を、着信がかかっている各々の移動端末分多重する。多重した結果を、MBSFNエリア固有のスクランブリングコードによるスクランブリング処理、変調処理等を行う。変調処理は、MBSFNエリア固有であっても良い。これらの処理を行った結果をページンググループnに対応する物理領域へマッピングする。この際、基地局は、ページンググループnのページング信号有無インジケータに“1”をセットし、ページング信号有無インジケータのページンググループnの物理領域にマッピングする。ページンググループnに対応する物理領域は、あらかじめ決められていても良いし、報知情報としてユニキャスト側サービングセルもしくはMBMS専用セルから通知されても良い。
移動端末では、自移動端末が属するページンググループのページング信号有無インジケータを受信し、“1”であれば、該ページンググループに対応するページング信号用物理領域を受信する。ページング信号用物理領域を受信し、復調、MBSFNエリア固有のスクランブリングコードによるデスクランブリングを行う。その結果を自移動端末固有の識別番号により相関演算を行うことによって、自移動端末向けのページング信号をブラインド検出する。ある閾値より相関演算結果が大きい場合は自移動端末向けのページングが有ると判定し、デコードを行った後のページング信号によりページング着信動作に入る。ある閾値以下の場合は自端末向けのページングはなしと判定し、MBMS関連情報の受信に移行する、またはMBMS関連情報の受信の必要がなければDRX動作に移行する。自移動端末がどのグループに属するかは、あらかじめ決められた計算方法によって導出されても良いし、上位レイヤから、報知情報としてユニキャストサービスのサービングセルもしくはMBMS専用セルから通知されても良い。なお、図33、図34で記載したページング信号は、ページング信号のマッピングされたトランスポートチャネルとしても良い。これは以降の実施例においても適用できる。移動端末がページング受信時に必要となるページング関連の情報であるページング信号ののった情報であれば良い。
ページング信号をPMCHのページング信号ののる領域にマッピングするいくつかの方法を開示したが、該ページング信号ののる領域へのマッピングは、任意のあらかじめ決められた領域でも良いし、ローカライズド(周波数軸上で連続する物理領域)にマッピングしても良いし、ディストリビューテッド(周波数軸上で分散する物理領域)にマッピングしても良い。
上記の例ではページング信号に移動端末固有の識別番号や拡散コードを乗じる構成とした。このような構成とすることで、ページング信号の情報量が各移動端末で同じ場合、エンコード、レートマッチング等の処理を各移動端末間で同じにすることで、割当てる情報要素単位の領域の大きさを同じにすることが可能となる。従って、移動端末においてブラインド検出する情報要素単位の領域の大きさがひとつに限られるため、ブラインド検出の回数が削減でき、検出時間の短縮も図れる。従って、移動端末の回路構成の削減、消費電力の削減、制御遅延の低減を図れる効果が得られる。
上記のように、ページング信号に移動端末固有の識別番号や拡散コードを乗じ、ページンググループ毎にPMCHのページング信号ののる領域にマッピングすることで、移動端末は、ページング信号用領域全てを受信する必要がなくなり、必要な領域のみ、すなわち自移動端末が属するグループが対応する物理領域のみ受信すればよくなるため、移動端末でのページング信号検出時間の短縮が図れ、さらには時移動端末が属さないグループの対応する物理領域を受信する必要がなくなるため移動端末の受信電力の削減が図れる。さらには、グループ毎に対応したページング信号有無インジケータを用いることができ、多数の移動端末がある場合も少ない物理リソースでページング信号有無インジケータを設けることができる。さらには、移動端末は必要に応じてページング信号用領域を受信すればよく、移動端末の受信電力の削減が可能となるとともに、ページング信号を受信する必要がない場合はすぐに次の動作に移行できるため、制御遅延を小さくすることが可能となる。さらには、移動端末は自移動端末宛ての情報かどうかを該移動端末固有の識別コードや拡散コードを用いてブラインド検出することが可能となるため、各移動端末毎のページング信号をマッピングする物理領域をあらかじめ固定しておく必要がなくなり、全移動端末分のページング信号用の物理領域を必要とせず、実際に着信が生じると予測される移動端末数分の領域さえあれば良いため、限られた物理リソースを有効に利用することが可能となる。さらには、たとえ予測以上に着信する移動端末数が多くなった場合でも、新しい着信の移動端末へのページング信号を次のMCCHののるPMCH上で送信することが可能となる等、基地局でのスケジューリングにより柔軟に対応することが可能となる。
上記の例では基地局においてページング信号に移動端末固有の識別番号を乗じることとした。しかし、ページング信号ではなくCRCに移動端末固有の識別番号を乗じる方法を用いることも可能である。CRCに移動端末固有の識別番号を乗じる方法は、各移動端末のページング信号の情報量が異なる場合に有効である。上記で開示したPMCH上にページング信号をのせる方法とすることで、移動体通信システムとして、MBMS専用セルからMBMSサービスを受信しているもしくは受信しようとしている全移動端末のページング信号を送信できるようになり、該移動端末がMBMS専用セルからページング信号を受信することを可能とする。
以降、MBMS送信専用周波数レイヤにおけるページング信号をマッピングするチャネル構成については図32(c)、図33を例にして説明する。ステップST1779にてMCEは、当該移動端末のページング信号のスケジューリングを行う。具体的には、ステップST1778にて算出した当該移動端末のページンググループ番号に割り当てられた物理領域にマッピングされる情報要素の何番目に当該移動端末の識別子を割り当てるかを決定する。このスケジューリングをMCEにて行うことによりMBSFNエリア内に含まれる基地局の同じ物理リソースから当該移動端末の識別子が送信されることになる。これにより、移動端末はMBSFNエリアにてマルチセル送信されているPMCHを受信することにより、SFNゲインの恩恵を受けたページング信号が受信可能となるという効果を得ることができる。ステップST1780にてMCEはMBSFNエリア内の基地局に対して当該移動端末に対するページングリクエストを送信する。ページングリクエストに含まれるパラメータの具体例としては、移動端末の識別子(UE-ID,IMSI,S-TMSIなど)、ステップST1779にて行ったページング信号のスケジューリング結果(具体的にはSFN、MBSFNサブフレームナンバ、情報要素ナンバ)などが考えられる。ステップST1781にてMBSFNエリア内の各基地局はMCEからのページングリクエストを受信する。
図10に示す、MME103とMCE801間にMME―MCE間IFを設ける代わりに、MME103とMBMS GW802(更に詳しくは、MBMS CP802−1)間にMME−MBMS GWインタフェースを設けてもよい。そして、ステップST1776〜ステップST1780までのMCEの処理内容をMBMS GWで行うとしても本発明と同じ効果が得られる。
ステップST1782にてMBSFNエリア内の各基地局は当該移動端末ページンググループを算出する。算出方法の具体例としては、自基地局(自MBSFNエリア)のページンググループ数KMBMSと受信したページングリクエストを用いて当該移動端末のページンググループを算出する。算出の際には、移動端末側で用いた算出式と同じ式を用いる(ページンググループ=IMSI mod KMBMS)。ステップST1780にて当該移動端末のページンググループをも通知していれば、ステップST1782は省略可能である。これにより、MBSFNエリア内の各基地局の制御負荷の軽減等効果を得ることができる。一方ステップST1780にて当該移動端末のページンググループを通知せず、ステップST1782にてMBSFNエリア内の各基地局にてページンググループを算出する方法においては、MCEからMBSFNエリア内の各基地局に対する通知情報を軽減可能となり、リソースの有効活用という効果を得ることができる。ステップST1783にてMBSFNエリア内の各基地局は、ステップST1781にて受信した当該移動端末の識別子、ページング信号のスケジューリング結果、ステップST1782にて算出した当該移動端末のページンググループなどを用いて、ページング信号をのせたPMCHの送信を行う。その際のPMCH内のページング関連領域へのマッピング方法や、具体的な物理チャネルへのマッピング方法などは上記説明した方法を用いることが可能である。
ステップST1784にて移動端末は、PMCH内の自移動端末のステップST1735にて算出したページンググループに対応したページング関連の変更有無インジケータを受信する。ステップST1785にて移動端末は、ページング関連の変更有無インジケータの変更の有無を判断する。変更無しの場合は、ステップST1788へ移行する。変更有りの場合は、ステップST1786へ移行する。ステップST1786にて移動端末は、つづけて自ページンググループのページング関連情報がマッピングされる物理領域を受信しデコードする。その際、移動端末固有の識別コードとの相関演算を行うことによりブラインド検出を行う。ステップST1787にて移動端末は、ステップST1786にて行ったブラインド検出において自移動端末の識別子を検出したか否か判断する。検出しなかった場合はステップST1788へ移行する。検出した場合はステップST1814へ移行する。上記ステップST1773〜ステップST1787までにて説明した内容は、実施の形態1で述べた「MBMS受信時間欠受信構成」の具体例である。これにより、本発明の第一の課題である、MBMS送信専用の周波数レイヤでMBMSサービスを受信している移動端末に対する、ページング信号の通知方法、及びそのための移動体通信システムを開示することができ、これにより、MBMS送信専用の周波数レイヤでMBMSサービスを受信している移動端末においても、ページング信号を受信可能になるという効果を奏する。
次に、図17を用いて実施の形態1で述べた「MTCH受信」について、図22及び図23を用いて更に具体的に説明する。ステップST1788にて移動端末は、当該MBSFNエリアでのMBMSサービスを連続受信中か否か判断する。連続受信中でない場合は、ステップST1792へ移行する。連続受信中である場合には、ステップST1789へ移行する。ステップST1789にて移動端末は、PMCH内のMBMS関連の変更有無インジケータを受信する。ステップST1790にて移動端末は、MBMS関連の変更有無インジケータの変更の有無を判断する。変更無しの場合は、ステップST1791へ移行する。変更有りの場合は、ステップST1792へ移行する。ステップST1791にて移動端末は、本MCCHの受信タイミングにおいてはMCCHの変更はないので、MCCH内のMBMS関連の受信または/かつデコードを行わない。移動端末は、制御情報(MCCH)を更新せずにMTCHの受信、デコードを行う。ステップST1792にて移動端末は、MCCH内のMBMS関連の受信、デコードを行い、制御情報を更新する。ステップST1793にて移動端末は、ステップST1792にて受信した制御情報に従ってMTCHの受信、デコードを行う。
図23のステップST1794にて移動端末は、受信中のMBMSサービスの受信品質を測定する。移動端末は当該MBSFNエリアの無線リソースにてレファレンスシグナル(RS)を受信し、受信電力を測定する(RSRP)。受信電力が静的あるいは準静的に決められた、閾値以上であるか否か判断する。前記閾値は、閾値以上であればMBMSサービスを受信するのに満足な感度であることを示し、閾値未満であればMBMSサービスを受信するのに満足な感度を満たしていないことを示す。閾値以上であればステップST1795へ移行し、閾値以下であればステップST1796へ移行する。またステップ1794にてレファレンスシグナルを受信し、受信電力を測定する代わりに、実際に当該MBSFNエリアのMBMSサービス(MTCHまたは/かつMCCH)を受信し、デコードを行うことも可能である。その場合、ユーザ自身がデコード後のデータを聞くあるいは見ることにより自分自身が許せる受信感度であるか否かを判断できる。許せる場合ステップST1795へ移行し、許せない場合ステップST1796へ移行する。許せる受信感度には、ユーザ毎に個人差があるので、よりユーザに適合した移動端末になるという効果を得ることが出来る。ステップST1795にて移動端末は、ユーザの意思を確認する。ユーザが受信中のMBMSサービスの受信を引き続き望んでいる場合には、ステップST1753へ移行する。ユーザが受信中のMBMSサービスの受信の終了を望んでいる場合には、ステップST1798へ移行する。ステップST1796にて移動端末は、同じ周波数内(f(MBMS))にて受信可能な他のMBMSエリアが存在するか否か判断する。本ステップST1796は、覆いかぶさるMBSFNエリアが存在する場合に特に有効である。存在する場合は、ステップST1730へ戻り処理を繰り返す。存在しない場合はステップST1797へ移行する。
但し、その後ユーザ所望の、受信可能な他のMBMSエリアが見つからなければ、ステップST1798以降の「MBMS受信終了 A」の処理を行う。これにより、ネットワーク側は、当該移動端末がMBMS送信専用の周波数レイヤでのMBMSサービスの受信を終了する旨を知ることが出来る。よって、ネットワーク側がMBMS送信専用の周波数レイヤにて当該移動端末へのページング信号を通知する構成を中止することが出来る。これにより、当該移動端末が受信することがない、MBMS送信専用の周波数レイヤからの当該移動端末へのページング信号を移動体通信システムとして中止することが可能となり、無線リソースの有効活用という効果を奏する。ステップ1797にて移動端末は、ステップST1708にて受信した受信可能なMBSFN同期エリアの周波数リストにて他の周波数が存在するか否か判断する。存在した場合は、ステップST1722へ戻り、新たな周波数(f2(MBMS))へシンセサイザを切り替えて処理を繰り返す。存在しない場合は、ステップST1798へ移行する。
次に、図23を用いて実施の形態1で述べた「MBMS受信終了A」について更に具体的に説明する。ステップST1798にて移動端末は、周波数変換部1107の設定周波数を変更し、中心周波数をf(unicast)へ変更することによりMBMS/ユニキャスト混合セルへ移動する。ステップST1799〜ステップST1803の説明は、ステップST1737〜ステップST1741の説明と同様であるため省略する。ステップST1804にて移動端末は、ステップST1803にて受信したUL(Uplink)アロケーションに従って「MBMS受信終了」をサービングセルへ送信する。「MBMS受信終了」に含まれるパラメータ例としては、移動端末の識別子(UE-ID,IMSI,S-TMSIなど)、MBMSサービス受信を終了する周波数(f(MBMS))、MBSFNエリア番号(ID)などがある。ステップST1805にてサービングセルは、移動端末からMBMS受信終了を受信する。ステップST1805にてネットワーク側は、MBMS専用セルに上りリンクを追加することなく、当該移動端末がMBMS送信専用の周波数レイヤにてMBMSサービスの受信を終了する旨を知ることが出来る。これにより、ネットワーク側がMBMS受信時間欠受信構成から、通常のページング信号を通知する構成へ変更することが可能となる効果を奏する。ステップST1806にてサービングセルは、MBMS受信終了をMMEへ送信する。ステップST1807にてMMEは、MBMS受信終了をサービングセルより受信する。
ステップST1808にてMMEは、当該移動端末のMBMS受信を終了するTA(MBMS)を検索する。MBMS受信終了に含まれるパラメータとTA(MBMS)の関係例は、ステップST1747と同様であるため説明を省略する。ステップST1809にて当該移動端末のトラッキングエリアリストよりステップST1808の検索の結果得られた、TA(MBMS)を削除する。ステップST1810にてMMEは、サービングセル経由で伝達されたMBMS受信終了を通知する信号を受信すると、応答信号であるAckをサービングセルへ送信する。この応答信号Ackに含まれるパラメータ例としては、当該移動端末のトラッキングエリアリストが考えられる。ステップST1811にてサービングセルはMMEより送信された応答信号Ackを受信する。ステップST1812にてサービングセルは、受信した応答信号Ackを移動端末へ送信する。ステップST1813にて移動端末はサービングセル経由で伝達されたMMEからの応答信号Ackを受信する。
次に、実施の形態1で述べた「Unicast側 間欠受信」について、図24を用いて更に具体的に説明する。ステップST1814にてMMEは、ページングが発生した、当該移動端末の識別子(UE-ID,IMSI,S-TMSIなど)を基に、当該移動端末のトラッキングエリアリストを確認する。当該移動端末のトラッキングエリアリスト中にTA(Unicast)を検索する。具体例としては、図31(a)のようなリストにてUE−IDを基に当該移動端末のトラッキングエリアリストを検索する。当該移動端末が図31(a)のUE#1であった場合にはTA(Unicast)は#1、#2が含まれている。次にMMEは、図31(b)のようなリストにてTA(Unicast)に含まれている基地局の識別子(セルID)を検索する。当該移動端末が図31(a)のUE#1であった場合には、当該移動端末のトラッキングエリアリストにふくまれるセルIDは、セルID1、2、3、4、5、23、24、25となる。MMEは当該移動端末のトラッキングエリアリストに含まれる基地局(サービングセルも含まれる)にページングリクエストを送信する。ページングリクエスト中のパラメータの具体例としては、移動端末の識別子(UE-ID,IMSI,S-TMSIなど)などがある。ステップST1815にて当該移動端末のトラッキングエリアリスト(TA(Unicast))内に含まれる基地局(サービングセルも含まれる)はページングリクエストを受信する。
ここで、本発明の第三の課題について説明する。MBMS/ユニキャスト混合セルにて待受け状態(Idle State)にある移動端末においても、ページングメッセージの通知方法の詳細は確立されていない。非特許文献1において、PCHがPDSCHあるいは、PDCCHにマッピングされることが開示されている。また非特許文献1において、ページンググループは、L1/L2シグナリングチャネル(PDCCH)を用いること、及び移動端末の明確な識別子(UE-ID)はPCH上で見つけることが出来ることが開示されている。一方、移動端末がどのようにページンググループに分けられ、ページンググループ毎にどのようにPCHを通知されるのかの開示はない。また移動端末がどのように待ち受け状態にて間欠受信するかの開示もない。本発明では、ユニキャストまたは/かつ混合周波数レイヤにて待ち受け状態にある移動端末へのページング信号の通知方法の詳細、及びそのための移動体通信システムについて開示することを目的とする。
そこで、ページング信号の通知方法の具体例について開示する。移動端末はページンググループに分けられる。従来の技術(W-CDMAシステム)では、PCHがマッピングされるS−CCPCH(Secondary Common Control CHannel)の本数(チャネライゼーションコードの数)をグループ数としていた。しかし、LTEシステムは符号分割多重(CDM)方式ではないので、チャネライゼーションコード数という考え方は、適合できない。現在の3GPPにて非特許文献1において、ページンググループは、L1/L2シグナリングチャネル(PDCCH)を用いること、及び移動端末の明確な識別子(UE-ID)はPCH上で見つけることが出来ることが開示されている。しかし、具体例の開示はない。ページンググループの算出式(IMSI mod KUnicast)のKUnicastとは、MBMS/ユニキャスト混合セルにおけるページンググループ数とする。Kの値の具体例としては、L1/L2シグナリングチャネル(PDCCH)は、毎サブフレームにマッピングされる。サブフレームは1無線フレーム中10個存在する。よってページンググループ数を10個とする。つまり、ページンググループにより無線フレーム中のどのサブフレームに自分が属するグループのページング情報がマッピングされるかが分かる。次にどの無線フレームに自分が属するグループのページング情報がマッピングされるかであるが、これは従来の技術(W−CDMA)を踏襲することが出来る。具体的な算出式は「Paging Occasion=(IMSI div KUnicast)mod(ユニキャスト/混合周波数レイヤにおける間欠受信周期)+n×(ユニキャスト/混合周波数レイヤにおける間欠受信周期) n:0、1、2・・・、ただし、Paging Occasion≦SFNの最大値。」となる。ここでSFNは0からSFNの最大値までの整数である。
次に現在の3GPPでは非特許文献1において、移動端末の明確な識別子(UE-ID)はPCH上で見つけることが出来ることが開示されている。しかし、具体例についての開示はない。PCHへの具体的なページング情報のマッピング方法の具体例としては、PCHは移動端末の識別情報で構成されている、あるいは移動端末の識別情報をかけることによって相関がとれるような構成となっている。PCHはL1/L2シグナリングチャネル上のCCE単位でマッピングされる。また、PCHには、次に移動端末が受信すべき制御チャネルの下り無線リソースの割当が含まれるものとする。これにより、再度の下り割当が不要となり、制御遅延を削減できるという効果を得ることが出来る。PCHにて次に移動端末が受信すべき制御チャネルの下り無線リソースの割当を送らない方法としても良い。この方法として、L1/L2シグナリングチャネル上にページングインジケータをのせて送信し、自分宛のページングインジケータをブラインド検出して受信した移動端末は無線割当を基地局に要求するために上りRACHを送信するようにしておく方法が考えられる。移動端末の明確な識別子(UE-ID)が含まれるPCHをPDSCH上で送信しても良い。この場合、L1/L2シグナリングチャネル上に、ページングインジケータとして、移動端末が受信すべき該PCHがマッピングされるPDSCHの無線リソースの割当て情報をマッピングする。ページングインジケータに移動端末の識別情報をかけることによって相関がとれるような構成としておけば、移動端末においてページングインジケータが自分宛かどうか判断することが可能となる。自分宛のページングインジケータを受信した移動端末は割当て情報を元にPDSCH上のPCHに含まれる識別情報を受信し、自移動端末かどうかを確認する。このような方法とすることで、ページング信号が自移動端末宛かどうかを確実に検出することが可能となり、誤受信動作を無くすことができる。
ステップST1816にて当該移動端末のトラッキングエリアリスト(TA(Unicast))内に含まれる基地局(サービングセルも含まれる)はユニキャスト側間欠受信準備を行う。具体的には、ステップST1815にて受信した当該移動端末の識別子よりページンググループ及び、Paging Occasionを算出する。算出式の具体例は上記の通りである。ステップST1817にて当該移動端末のトラッキングエリアリスト(TA(Unicast))内に含まれる基地局(サービングセルも含まれる)はステップST1816にて算出したページンググループ、Paging Occasionに従って当該移動端末のページング情報をPCHにマッピングする。この時、上記Paging Occasionが示す無線フレーム中の上記ページンググループが示すサブフレーム中のL1/L2シグナリングチャネル内のCCEであれば、どのCCEでも可とする。あるいは、PCHへの割当が決められたCCEへマッピングする。PCHの割当が決められていた場合、当該移動端末がブラインド検出する回数が減るために、制御遅延が低減するという効果を得ることができる。ステップST1818にて当該移動端末のTAリスト(TA(Unicast))内に含まれる基地局(サービングセルも含まれる)は、PCHを送信する。
ステップST1819にて移動端末は、周波数変換部1107の設定周波数を変更し、中心周波数をf(unicast)へ変更することによりユニキャスト/混合周波数レイヤへ移動する。ステップST1820にて移動端末は、ユニキャスト側間欠受信準備を行う。具体的には、自移動端末の識別子よりページンググループ及び、Paging Occasionを算出する。算出式は、ネットワーク側と同様の上記の通りである。ステップST1821にて移動端末は、ステップST1820にて算出したページンググループ及び、Paging Occasionに従って、L1/L2シグナリングチャネル上のPCHをブラインド検出する。ブラインド検出には自移動端末の識別子を用いる。PCHのCCE単位にて自移動端末の識別子を掛け、相関値を得る。相関値が閾値以上であれば、自移動端末へのページング有りと判断する。ステップST1822にて移動端末は、PCHをデコードし、次の制御チャネルの下り割当を得る。その割当に従って制御情報を受信する。
次に、現在の3GPPにおいて、混合セルにおいては、MBSFNフレーム(サブフレーム)において、サブフレーム単位において先頭の1〜2OFDMシンボル以外は、ユニキャスト送信用に用いてはいけないことが決定されている。つまり先頭の1〜2OFDMシンボル以外は、MBMS送信専用のリソースとなる。MBSFNフレームはサブフレーム#0と#5には割当てられない、SCHがマッピングされるサブフレームだからである。ここで、以下の問題が発生する。上記ページンググループ及びPaging Occasionの算出式を用いれば、ページング信号は毎無線フレーム、毎サブフレーム発生の可能性がある。PCHは、L1/L2シグナリングチャネルを用いるため、MBSFNフレームであってもマッピングすることができる。一方、MBSFNフレームにおいては、PCHにて次の制御情報の下り無線リソースの割当をする場合、同じサブフレーム上の下り無線リソースはMBMS送信専用となるため、同じサブフレーム内に制御情報の割当をすることは出来ないという課題が発生する。第一の解決策としては、PCHでの次の制御情報の下り無線リソースの割当は、以降のMBSFNフレーム以外の無線フレームとする。第二の解決策としては、ページング信号を、MBSFNサブフレームを除いたひとつまたは複数のサブフレームに割当てる方法とする。例えば、ページンググループ数を無線フレーム内のMBSFNサブフレームを除いたサブフレーム数以下にする。これにより、MBSFNサブフレームにページング信号を割当てなくてすむことになる。具体例として、ページンググループ数を2とし、ページンググループの算出式を以下のように、「IMSI mod 2」とする。具体的なグループの割当例は、ページンググループ=0となれば、サブフレーム#0を割り当てる。またページンググループ=1となれば、サブフレーム#5を割当る。これにより、MBSFNフレームが割当てられないサブフレーム(#0、#5)のみでページング情報を通知することが可能となるので、上記、ページング信号と同じサブフレームにて次の制御情報の割り当てが出来ないという問題を解決できる。
第三の解決策としては、PCHにて次に移動端末が受信すべき制御チャネルの下り無線リソースの割当を送らない方法とする。この方法として、L1/L2シグナリングチャネル上にページングインジケータをのせて送信し、自分宛のページングインジケータをブラインド検出して受信した移動端末は無線割当を基地局に要求するために上りRACHを送信するようにする。こうすることで、ページング後の通信のためにPDSCHに無線割当て情報をのせる必要がないため、MBSFNサブフレームが存在しても問題なく、ページング信号を送受信することが可能となる。この場合は、ページングインジケータのみで移動端末を特定できるように、移動端末の識別情報をかけることによって相関がとれるような構成とする。MBSFNサブフレームにおいては、ユニキャスト用として割当てられている領域、先頭の1あるいは2OFDMシンボル領域に、ページングインジケータをのせるようにしておけば良い。この場合も同様に、ページングインジケータのみで移動端末を特定できるように、移動端末の識別情報をかけることによって相関がとれるような構成としておく。移動端末側では、該移動端末固有の識別番号から導出した自移動端末が属するグループのページングインジケータがのる無線フレームやサブフレームを受信し、自移動端末固有の識別番号を用いてブラインド検出するようにすれば良い。
具体的なページンググループおよびページングアケージョンの算出式としては、前述したように以下の式が適用できる。
IMSI mod K、KはMBMS/ユニキャスト混合セルにおけるページンググループ数。
Paging Occasion=(IMSI div K)mod(ユニキャスト/混合周波数レイヤにおける間欠受信周期)+n×(ユニキャスト/混合周波数レイヤにおける間欠受信周期) n:0、1、2・・・、ただし、Paging Occasion≦SFNの最大値。」ここでSFNは0からSFNの最大値までの整数。
このような方法とすることで、MBMS/ユニキャスト混合セルの場合においても、MBSFNサブフレームの存在の有無にかかわらず、任意の無線フレーム、サブフレームでページング信号(ページングインジケータ)を送信することが可能となる。
図24には、MBMS受信終了Bの処理詳細が示されている。図24において、ステップST1823〜ステップST1837は、ステップST1799〜ステップST1813と同様であるため、説明を省略する。違いは、ステップST1828において、「Pagingへの応答」が含まれることである。このMBMS受信終了Bの処理によって、ネットワーク側は、MBMS専用セルに上りリンクを追加することなく、当該移動端末がMBMS送信専用の周波数レイヤにてMBMSサービスの受信を終了する旨を知ることが出来る。これにより、ネットワーク側がMBMS受信時間欠受信構成から、通常のページング信号を通知する構成へ変更することが可能となる効果を奏する。本実施の形態2では、MBMS送信専用の周波数レイヤがMBMS専用セルにて構成される場合について記載した。MBMS送信専用の周波数レイヤがMBMS/ユニキャスト混合セルにて構成されたとしても本実施の形態2は適用可能である。実施の形態1のほか、以下説明する実施の形態3、4、5、6についても同様にMBMS送信専用の周波数レイヤがMBMS/ユニキャスト混合セルにて構成されたとしても適用可能である。
実施の形態3.
現在の3GPPの議論において、複数のMBSFNエリアを覆うようなMBSFN(Multimedia Broadcast multicast service Single Frequency Network)エリアの存在が議論されている。複数のMBSFNエリアを覆うMBSFNエリアが存在する場合の基地局の地理的なロケーションの概念図は図28に示される。1つのMBSFN同期エリア(MBSFN Synchronization Area)中にMBSFNエリア1〜4の4つのエリアが存在する。MBSFNエリア4は、MBSFNエリア1〜3をカバーする。MBSFNエリア4について現在の3GPPにて議論されている内容としては、カバーしているMBSFNエリア(MBSFNエリア4)へのアクセスは、カバーされているMBSFNエリア(MBSFNエリア1〜3)経由で行われるということのみであり、MBSFNエリア1〜3を覆うMBSFNエリア4にMCCH(マルチキャスト制御チャネル)を設けるかは決まっていない。MBSFNエリア4側にMCCHが存在する場合については、実施の形態2にて具体的な詳細動作を説明した。本実施の形態においては、覆いかぶさるMBSFNエリア側にMCCHが存在しない場合について説明する。概念図を図35に示す。説明においては、実施の形態2の説明にて参照した図29と異なる部分を中心に説明する。特に説明がない部分については実施の形態2と同様である。
まず、図35と図29の一番目の違いとして、図28に示すMBSFNエリア4側にMCCHが存在しないため、制御情報(MCCH)を通知する方法が実施の形態2とは異なる。MBSFNエリア4のMCCHのマッピング方法として、まずカバーされているMBSFNエリア(MBSFNエリア1)のPMCH(PMCH1)内にMBSFNエリア1と4の領域を確保する方法が考えられる。概念図を図36に示す。図36は、複数のMBSFNエリアを含むMBSFNエリアに制御情報を伝達するため、マルチキャスト制御チャネル(MCCH1)のマッピングされるPMCH(PMCH1)内にページング関連の信号をマッピングする方法を示す説明図である。図36(a)に、MBSFNエリア1と4のページング関連用領域を設けたフィジカルMCH(PMCH)の構成を示す。PMCH(PMCH1)上にMBSFNエリア1と4のMBMS関連の情報とMBSFNエリア1と4のページング関連情報を含む構成とする。各MBSFNエリアのMBMS関連の情報とページング信号は、各々がMTCH、MCCH内の情報要素として存在しても良いし、各々がマッピングされる物理領域(リソース)が時間的に分割多重されても良い。図36(b)に、MBSFNエリア1と4のページング用領域を設けたフィジカルMCH(PMCH)に、MCCH内容が変更されたかどうかを示すMBSFNエリア1と4別々のインジケータを設けた構成を示す。図36(b)では、インジケータとしてMBSFNエリア1と4のMBMS関連情報の変更有無インジケータとMBSFNエリア1と4のページング有無インジケータを持つ場合について示す。図36(c)にてページング関連の変更有無インジケータをK個のグループに分けた場合の構成について記載している。このようにカバーされているMBSFNエリア(MBSFNエリア1)のPMCH(PMCH1)内にMBSFNエリア1と4の領域を確保する方法をとると、BCCH1(報知制御チャネル)で通知するMCCH1のスケジューリングがMBSFNエリア1用のものだけでよいという効果を得ることが出来る。MCCHのスケジューリング方法についての詳細は実施の形態2と同様であるので省略する。
MCCHのスケジューリング方法について説明する。BCCH1で通知するMCCH1のスケジューリングに加えて、MCCH4がのる物理領域のスターティングポイントを通知すればよい。あるいは、BCCH1で通知するスケジューリングは、PMCH1のスケジューリングとしても良い。
二番目の違いとして覆いかぶさるMBSFNエリア(MBSFNエリア4)側にMCCHが存在しないために、MBSFNエリア4にてMBMSサービスを受信している移動端末に対するページング信号を通知する方法が実施の形態2とは異なる。ページング信号を通知する方法の違いについて説明する。まず、ネットワーク側が当該移動端末へのページング信号の通知範囲として、MBSFNエリア4がカバーしているMBSFNエリア1〜3全てに通知する方法が考えられる。この場合、実施の形態2で説明した具体的な方法に何ら追加制御を加えることなく、MBSFNエリア4にMCCHがない場合についても実現可能となる。移動体通信システムとして複雑化を回避するという点において、有効な方法である。
次に、ネットワーク側が当該移動端末へのページング信号の通知範囲として、当該移動端末が位置する、カバーされているMBSFNエリア(MBSFNエリア1〜3のいずれか)に通知する方法が考えられる。具体的な動作について、実施の形態2と異なる点を中心に説明する。「MBMS側受信状況通知」について説明する。図20のステップST1742にて移動端末は、ステップST1741で受信したUL(Uplink)アロケーションに従って「MBMS側受信状況通知」をサービングセルへ送信する。「MBMS側受信状況通知」に含まれるパラメータ例としては、移動端末の識別子(UE-ID,IMSI,S-TMSIなど)、MBMSサービスを受信する周波数(f(MBMS))、MBSFNエリア番号(ID)などがある。ここで、通知するMBSFNエリアIDは、実際にMBMSサービス(MTCH)を受信するMBSFNエリアID(MBSFNエリア4)ではなく、自移動端末が位置している、カバーされているMBSFNエリアIDとする。言い換えれば、MBSFNサーチの際に受信したS−SCH(第二同期チャネル)にマッピングされていたMBSFNエリアIDを通知する。これにより、ネットワーク側は、移動端末が実際に位置している、カバーされているMBSFNエリアを知ることが出来る。さらに、移動端末の処理として、図23のステップST1794の処理の前に、図38のステップST3101を行う。
図38のステップST3101にて移動端末は、受信中のMCCHの受信品質を測定する。移動端末は当該MBSFNエリアの無線リソースにてレファレンスシグナル(RS)を受信し、受信電力を測定する(RSRP)。受信電力が静的あるいは準静的に決められた、閾値以上であるか否か判断する。前記閾値は、閾値以上であればMCCHを受信するのに満足な感度であることを示し、閾値未満であればMCCHを受信するのに満足な感度を満たしていないことを示す。閾値以上であればステップST1794へ移行し、閾値以下であればステップST1724へ移行する。これにより、移動端末は、MCCHがマッピングされている、カバーされているMBSFNエリア間のモビリティを把握することになる。これにより、MBSFNエリア4がカバーしているMBSFNエリア1〜3全てからページング信号を通知する方法に比べて有効な点は以下の通りである。移動体通信システムとして、地理的に当該移動端末が受信可能な基地局以外の基地局(例えば当該移動端末がMBSFNエリア1に位置していた場合、MBSFNエリア2、3)からのページング信号を送信しなくても良くなるので、無線リソースの有効活用という点において効果を得る。
実施の形態3により、複数のMBSFNエリアを含むMBSFNエリアにMCCHが存在しない場合においても、本発明の第一の課題である、MBMS送信専用セルでMBMSサービスを受信している移動端末にページング信号を通知することができるという効果を奏する。また、本発明の第四の課題である、MBMS送信専用セルにて所望のサービスを選択する方法を開示することができ、これにより、移動端末が上りリンクのないMBMS送信専用セルにて所望のサービスを受信することが出来るという効果を奏する。
実施の形態4.
実施の形態1〜3で述べた方法は、MBMS送信専用セルでMBMSサービスを受信している移動端末のページング受信能力(Capability)が低い場合のページング信号の通知方法であった。次に、ページング受信能力が高い移動端末(高能力端末)と低い移動端末(低能力端末)が存在する場合の、ページング信号通知方法を説明する。以下の記載で述べるところの「低能力端末」の具体例としては、受信機が1つの移動端末がある。あるいは、周波数変換部1107の設定周波数を変更して決定できる中心周波数が1つである移動端末である。または、MBMS送信専用セルでMBMSサービスを受信しているときに、MBMS/ユニキャスト混合セルの間欠受信を実行できない移動端末である。
また、「高能力端末」の具体例としては、移動端末の受信機が複数(例えば2つ)備えた移動端末である。あるいは、周波数変換部1107の設定周波数を変更して決定できる中心周波数が複数である移動端末である。あるいは、MBMS送信専用セルでMBMSサービスを受信中であっても、MBMS/ユニキャスト混合セルにおける間欠受信を実行できる移動端末である。図38は移動端末の能力の概念を示す表である。本移動端末の能力(Capability)はステップST1710にて移動端末からサービング基地局へ通知され,ステップST1712にてサービング基地局からMMEへ通知される。これにより当該移動端末のページング受信能力をネットワーク側が認識することが出来る。よってMBMS送信専用の周波数レイヤでMBMSサービスを受信している移動端末へのページング方法を移動端末のページング受信能力によって切り替えることが可能となる。
具体的な動作例について図16及び図17を用いて説明する。高能力端末は、MBMS/ユニキャスト混合セルの受信動作と、MBMS送信専用セルの受信動作を並行して行う。MBMS送信専用セルの受信動作としての具体例としては、ステップST1601−1、ステップST1602、ステップST1603、ステップST1604、ステップST1609がある。各ステップ内の詳細動作は、実施の形態1、実施の形態2、実施の形態3の通りであるので、説明を省略する。また、低能力端末は、実施の形態1、実施の形態2、実施の形態3で説明した動作を行う。この方法により、MBMS送信専用セルでMBMSサービスを受信している低能力端末へのページング信号通知方法を確立しつつ、MBMS送信専用セルでMBMSサービスを受信している高能力端末に対する、ページング信号の通知方法が通常のページング信号を通知する構成とすることが可能となる。これにより、高能力端末がMBMS送信専用の周波数レイヤでMBMSサービスを受信している場合の移動端末での処理、および移動体通信システムとしての処理を簡略化できること。処理の簡略化は、移動端末の低消費電力化という効果を得ることができる。また、移動体通信システムとしてもMBSFNエリア内の基地局から高能力端末へのページング信号を送信する必要がなくなるので、無線リソースの有効活用という効果を得ることができる。
さらに、高能力端末であっても、MBMS/ユニキャスト混合セルの受信動作と、MBMS送信専用セルの受信動作を並行して行うことによる消費電力の増加を防ぐためにユーザの意思で、実施の形態1、実施の形態2、実施の形態3で説明した動作を行う。これにより、高能力端末であっても受信動作を並行して行う必要がなくなり、移動端末の消費電力の増加を防ぐという効果を得ることができる。本ユーザの意思は移動端末ページング受信能力同様ステップST1710で移動端末からネットワーク側へ通知し、移動端末を含む移動体通信システムとして処理は実施の形態2と同様とする。
実施の形態5.
実施の形態1、実施の形態2、実施の形態3で述べた方法は、MBMS送信専用の周波数レイヤでMBMSサービスを受信している移動端末に対する、ページング信号の通知方法であった。本実施の形態5では、MBMS送信専用の周波数レイヤでMBMSサービスを受信している間は、ユーザの意思で「ページングを受信しない」を選択可能とする。ユーザの意思で「ページングを受信しない」を選択した場合の具体的な動作例について図16及び17を用いて説明する。ユーザの意思で「ページングを受信しない」を選択した移動端末は、ステップST1603、詳しくはステップST1742のMBMS側受信状況通知において、「ページングを受信しない」旨を通知する。移動端末としては、ステップST1605、ステップST1608、ステップST1610、ステップST1611を行わない。移動端末の処理が簡略化することにより、移動端末の低消費電力化という効果を得ることが出来る。移動体通信システムとしては、ステップST1745にて当該移動端末の「ページングを受信しない」旨を受信する。ステップST1746にて当該移動端末のTAリストにあるいは、それとは別に当該移動端末に対する「ページング通知ストップ」なる旨を保存する。その後、ステップST1773にて当該移動端末に対するページングが発生する。ステップST1774にてMMEはページングが発生した、当該移動端末の識別子(UE−ID、IMSI、S−TMSIなど)を基に、当該移動端末のトラッキングエリアリストを確認する。そして、MMEは当該移動端末に対する「ページング通知ストップ」を確認する。
移動体通信システムとして、ステップST1775〜ステップST1783及び、ステップST1814〜ステップST1818のページング発生処理を中止する。そしてMMEはネットワーク側に対して、当該移動端末の「ページング受信拒否」を通知する。これにより、ユーザの意思により「ページングを受信しない」移動端末に対する、移動体通信システムとしてのページング発生処理を中止できる。これにより、移動端末が受信する意思のない、ページング信号の通知に用いる移動体通信システムの処理負荷、及び無線リソースを削減することができるという効果を得る。
実施の形態6.
実施の形態1〜4においてMBMS送信専用の周波数レイヤにおいての自移動端末宛のページング信号を受信した場合であっても、再度MBMS/ユニキャスト混合セルにおいて、間欠受信を行う構成となっている(以降、2段階の間欠受信と称する。)。MBMS送信専用セル内の基地局と、MBMS/ユニキャスト混合セル内の基地局は原則非同期である。よって、MBMS送信専用セルの基地局から、MBMS/ユニキャスト混合セル内の基地局のページング信号以降の下り制御信号用の無線リソース割り当てを行うことができないからである。しかし2段階の間欠受信は、MBMS送信専用の周波数レイヤにおいてMBMSサービスを受信している移動端末以外の移動端末に対する通常のページング信号を通知する構成と比較して制御遅延が大きくなるという課題を有する。具体的な動作例について図17を用いて説明する。ステップST1705にてユニキャストセルあるいは、混合セルはBCCHを用いて2種類の間欠受信周期を通知する。具体的には、2段階の間欠受信時用と通常の間欠受信用である。更に具体的には、2つの間欠受信の長さを2段階の間欠受信用の方が通常の間欠受信用以下とする。2段階の間欠受信用の間欠受信周期は連続受信を指し示しても良い。これにより、MBMS送信専用の周波数レイヤにおいての自移動端末宛のページング信号を受信した場合であっても、再度MBMS/ユニキャスト混合セルにおいて、間欠受信を行う場合であっても周期が短くなっているので、制御遅延を削減できるという効果を得ることが出来る。
実施の形態7.
LTEでは新たにMBMS専用セルが設けられることが検討されている。このMBMS専用セルでは、個別の端末宛ての個別通信を行うためのユニキャストサービスは行われない。したがって、MBMS専用セルにおいて、MBMSとユニキャストサービスをともに実行可能な、例えば、3GPPのリリース6規格で規定されたW-CDMAシステムで実行される方法をそのまま適用することは困難である。MBMS専用セルから移動端末がページングを受信するには新たなページングチャネルを設けることが必要である。本発明は、MBMS送信専用の周波数レイヤでMBMSサービスを受信している、もしくは受信しようとしている移動端末が、MBMS専用セルからページング信号を受信するための方法を提供するものである。また、ページング信号を送信するチャネルの構成とマッピング方法、及びそのための移動体通信システムを開示する。
以下、物理マルチキャストチャネル(Physical multicast channel: PMCH)上にページング信号をのせる方法を開示する。図39は、MBSFN(Multimedia Broadcast multicast service Single Frequency Network)エリア毎に設けられた物理マルチキャストチャネルの構成を示す説明図である。図39では、下り論理チャネルであるマルチキャスト制御チャネル(Multicast control channel: MCCH)とマルチキャストトラフィックチャネル(Multicast Traffic channel: MTCH)がマッピングされたPMCHが、MBSFNエリア1〜3ごとに時分割多重(Time Division Multiplexing :TDM)されている。また、図39において、セル#n1はMBSFNエリア1内のセル、セル#n2はMBSFNエリア2内のセル、セル#n3はMBSFNエリア3内のセルである。セル#n1のセルはMBSFNエリア1に属するため、MBSFNエリアに対応したPMCHがある時間に送信される。PMCHはMBSFNエリア内でマルチセル(Multi Cell: MC)送信されるため、MBSFNサブフレーム上で送信される。MBSFNサブフレームが割り当てられるMBSFNフレームの集合を「MBSFNフレームクラスタ」(MBSFN frame cluster)とする。MBMS専用セルではMBSFNフレーム内全てのサブフレームをマルチセル送信に用いられるMBSFNサブフレームとしても良い。MBSFNフレームクラスタが繰り返される周期を「MBSFNフレームクラスタ繰り返し期間」(MBSFN frame cluster Repetition period)とする。
PMCHにはひとつまたは複数のMBMS用のトランスポートチャネルのMCHがマッピングされ、MCHにはMBMS用制御情報の論理チャネルであるMCCHと、MBMS用データの論理チャネルであるMTCHのいずれか、あるいは両方がマッピングされる。MCCHとMTCHは時間的に分割されてPMCH上にマッピングされても良いし、さらに時間的に分割されてマルチセル送信される物理領域にマッピングされても良い。例えば、MTCHとMCCHがマッピングされる物理領域であるMBSFNサブフレームが異なっていても良い。各MBSFNフレームクラスタ上にMCCHがマッピングされても良いし、MTCHのみがマッピングされても良い。MTCHのみがPMCH上にマッピングされている場合、MCCHの繰返し周期はMBSFNフレームクラスタの繰返し周期と異なる。また、MBSFNフレームクラスタ上に複数のMCCHがマッピングされる場合も存在する。MCCHの繰り返し周期を「MCCH繰り返し期間」(MCCH Repetition period)とする。図39で、MCCH1はMBSFNエリア1用のMBMS制御情報で、MTCH1はMBSFNエリア1用のMBMSデータである。セル#n2のセルはMBSFNエリア2に属し、MCCH2はMBSFNエリア2用のMBMS制御情報で、MTCH2はMBSFNエリア2用のMBMSデータである。セル#n3のセルはMBSFNエリア3に属する。し、MCCH3はMBSFNエリア3用のMBMS制御情報で、MTCH3はMBSFNエリア3用のMBMSデータである。各MBSFNエリア毎にMCCHの繰返し期間は異なっていても良い。MBSFNエリア毎のPMCHは時分割多重されている。そのため、セル間の同期が確保されているMBSFN同期エリア(MBSFN Synchronization Area 図7参照)内でMBSFNエリア間のセルの直交性が得られ、他のMBSFNエリアのセルからの干渉を防止することができる。MBSFNエリアではマルチセル送信されるため、各MBSFNエリア内のセルは、各々同一のPMCHにて同一のデータを送信する。一つのセルがに複数のMBSFNエリアに属してが複数重複されていても、MBSFNエリア毎のPMCHが時分割多重されてMBSFNサブフレーム上で送信されるため、上記PMCHの構成は各MBSFNエリア間の直交性を保ったまま適用することが可能である。
移動端末では、自移動端末が存在するMBSFNエリアの複数のセルからマルチセル送信されるPMCHを受信することによってMBMSを受信でき、またマルチセル送信によるSFN利得により受信品質が改善される。一つのセルが複数のMBSFNエリアに属するような場合も、移動端末は各々のMBSFNエリアのPMCHを受信することによって、複数のMBMSサービスを受信することが可能である。また、ある所望のMBSFNエリアのPMCHを受信している移動端末は、該PMCH以外のPMCHは受信する必要がないため、該PMCH以外の時間、間欠受信(Discontinuous Reception: DRX)動作が可能となり消費電力を削減可能となる。MBSFNエリア毎にPMCHを連続して送信し、そのMBSFNフレームをMBSFNフレームクラスタとすることで、移動端末は連続して間欠受信動作を行うことが可能となるため、さらに消費電力を削減することが可能となる。
図40は、MBSFN(Multimedia Broadcast multicast service Single Frequency Network)エリア毎に設けられた物理マルチキャストチャネルの構成を示す説明図である。図39では、PMCHがMBSFNエリア1〜3ごとに時分割多重(Time Division Multiplexing :TDM)されていた。図40では、PMCHがMBSFNエリア1〜3ごとに符号分割多重(Code Division Multiplexing :CDM)されている場合が示される。セル#n1はMBSFNエリア1内のセル、セル#n2はMBSFNエリア2内のセル、セル#n3はMBSFNエリア3内のセルである。セル#n1のセルではMBSFNエリア1に対応したPMCHが送信される。ここで、該PMCHは時間的に連続していても良いし、不連続でも良い。不連続の場合はMBSFNエリアに対応したPMCHが送信されるMBSFNフレームクラスタが繰り返される周期が「MBSFNフレームクラスタ繰り返し期間」(MBSFN frame cluster Repetition period)になる。また、連続の場合のMBSFNフレームクラスタ繰り返し期間は0としても良いし、明示しなくても良い。MCCHとMTCHは時間的に分割されてPMCH上にマッピングされても良いし、さらに時間的に分割されてマルチセル送信される物理領域にマッピングされても良い。例えば、MTCHとMCCHが、結果としてマッピングされる物理領域であるMBSFNサブフレームが異なっていても良い。MCCHが繰り返される周期を「MCCH繰り返し期間」(MCCH Repetition period)とする。同様に、セル#n2のセルではMBSFNエリア2に対応したPMCHが送信され、セル#n3のセルではMBSFNエリア3に対応したPMCHが送信される。各MBSFNエリア毎にMCCHの繰返し期間は異なっていても良い。MBSFNエリア毎のPMCHには、MBSFNエリア固有の拡散符号が乗じられたデータがマッピングされるため、セル間の同期が確保されているMBSFN同期エリア内でMBSFNエリア間の干渉が抑圧できる。MBSFNエリアではマルチセル送信が用いられるため、各MBSFNエリア内のセルは、各々同一のPMCHにて同一のデータ、すなわちMBSFNエリア固有の拡散符号(Scrambling Code)が乗じられたデータを送信する。一つのセルが複数のMBSFNエリアに属していても、上記PMCHの構成は各MBSFNエリア間の干渉を抑制したまま適用することが可能である。
移動端末では、自移動端末が存在するMBSFNエリアの複数のセルからマルチセル送信されるPMCHを受信し、MBSFNエリア固有の拡散符号によって逆拡散(Descramble)することにより、他MBSFNエリアからの干渉の影響を除去しながらMBMSを受信でき、またマルチセル送信によるSFN利得により受信品質の向上が図れる。一つのセルが複数のMBSFNエリアに属するような場合も、移動端末は各々のMBSFNエリアのPMCHを受信し、各々のMBSFNエリア固有の拡散符号によって逆拡散することにより、複数のMBMSサービスを受信することが可能である。また、ある所望のMBSFNエリアのPMCHが時間的に連続でない場合、移動端末は該PMCH以外の時間は受信する必要がないため、該PMCH以外の時間、間欠受信動作が可能となり消費電力を削減可能となる。PMCHが時間的に連続であっても、該PMCHにマッピングされるサービスが複数存在し、該サービスがPMCH上に時間的に多重されている場合は、移動端末は所望のサービスがマッピングされた該PMCH内の時間領域のみ受信すればよく、その他の時間領域は受信する必要がない。従って、該PMCH内のその他の時間、間欠受信動作が可能となり消費電力を削減可能となる。
図41は、ページング信号をのせた物理マルチキャストチャネル(PMCH)の構成を示す説明図である。図41に、ページング信号をのせた物理マルチキャストチャネル(PMCH)の構成を示す。図41(a)はページング信号用領域を設けたPMCHを示す図であり、PMCH上にMBMS関連情報とページング信号を含む点が示される。MBMS関連情報とページング信号は、各々がMTCH、MCCH内の情報要素として存在しても良いし、各々がマッピングされる物理領域(リソース)が時間的に分割多重されても良い。図56はMBMS関連情報とページング信号をマルチキャスト制御チャネル(MCCH)に情報要素として乗せる場合のマッピング方法を示す説明図である。MBMS関連情報のうちMBMS制御情報をページング信号とともに論理チャネルMCCH上にのせる。MCCHはMTCHとともにトランスポートチャネルであるマルチキャストチャネル(MCH)にマッピングされ、MCHは物理チャネルである物理マルチキャストチャネル(PMCH)にマッピングされる。このように、MBMSサービスを受信している、あるいはしようとしている移動端末がMCCHを受信する際にページング信号を受信することが可能となる。
また他の例を説明する。図57は、論理チャネルPCCHを論理チャネルMTCH、MCCHと多重してトランスポートチャネルMCHに載せる場合のマッピング方法を示す説明図である。図57において、ページング信号は論理チャネルPCCHにのせられており、MBMS関連情報はMTCH、MCCHにのせられている。基地局は、MTCHのみのMBSFNサブフレームと、MCCHとPCCHがマッピングされるMBSFNサブフレームとを設けるようにしても良い。さらに、MCCHのみのMBSFNサブフレームと、PCCHのみのMBSFNサブフレームとを設けるように制御しても良い。こうすることで、MTCHとMCCHかつPCCHが、さらにはMCCHとPCCHが各々時間的に分割されて送信可能となる。移動端末は、必要な情報のMBSFNサブフレームのみ受信すれば良く、必要のない情報のMBSFNサブフレームの期間DRX動作をすることが可能となる。さらに、MCCHとPCCHののるMBSFNサブフレームを時間的に隣接するようにしても良い。基地局は、例えばMCCHののるMBSFNサブフレームの後(もしくは前)に連続してPCCHののるMBSFNサブフレームを構成するようにスケジューリングする。MBMSを受信中もしくは受信しようとしている移動端末はMCCHを受信するため、MCCHとPCCHを連続にしておくことで、MCCH繰返し期間によりMCCHかつPCCHの受信タイミングがわかることになる。従って、MBMSサービスを受信している、あるいはしようとしている移動端末がMCCHを受信する際に連続してページング信号を受信することが可能となる。また、MCCHとPCCHの間にMTCHが入らないためMTCHを受信していない端末がDRX動作に移行することなくPCCHを受信できるようになる。さらに別の例として、図58にMCHとPCHを用いる方法を示す。図58は、論理チャネルPCCHをトランスポートチャネルPCHにのせ、論理チャネルMTCHとMCCHを多重してトランスポートチャネルMCHにのせ、さらにPCHとMCHとを多重化して物理マルチキャストチャネルに乗せる場合のマッピング方法を示す説明図である。図58において、ページング信号はPCCHにのせられており、このPCCHはトランスポートチャネルPCHにマッピングされている。このPCHはMCHと多重されてPMCHにマッピングされる。こうすることで、基地局は、PCHとMCHを時間的に分割して送信可能となり、さらには、エンコーディングを別々に行うことが可能となる。従って、移動端末においては、受信時にデコードを別々に行うことが可能となる。
あるMBSFNエリア内の全てのセルは、該MBSFNエリアに対応するMCCHをPMCHにのせてMCCH繰り返し期間(MCCH repetition period)で周期的にマルチセル送信する。該MBSFNエリア内セルからマルチセル送信されるMBMSサービスを受信している、あるいはしようとしている移動端末は、該MCCHを定期的に受信し、MBMSサービスの内容やフレーム構成等を受信することによって、MBMSサービスを受信可能とする。従って、図56で開示したようにページング信号を該MCCHに含ませることによって、MBMSサービスを受信している、あるいはしようとしている移動端末がMCCHを受信する際にページング信号を受信可能とすることができる。これにより、移動端末はMCCHを受信する以外のタイミングで別途ページングを受信する必要がなくなるため、MBMSサービスの受信を中断することなくページングを受信可能となる。また、MCCHを受信していない時間、MBMSサービスの受信を行っていない持間は間欠受信動作することができ、移動端末の消費電力の削減が図ることができる。
図57で開示したマッピング方法の場合は、MCCHとPCCHが同じMBSFNサブフレームに構成されるようにしても良いし、MCCHののるMBSFNサブフレームとページング信号ののるMBSFNサブフレームを時間的に分割し、さらに隣接するようにしておいても良い。本発明の特徴として「MCCHを見た時にPCCHもみれるようにする」がある。従って、MCCHとPCCHが同じMBSFNサブフレームにのる場合はそのサブフレームを受信すれば良いが、MCCHののるMBSFNサブフレームとPCCHののるサブフレームを時分割した場合は隣接させておくことが好ましい。また、図58で開示したマッピング方法の場合は、MCCHののるMBSFNサブフレームとページング信号ののるMBSFNサブフレームを時間的に隣接するようにしておけば良い。基地局は、例えばMCCHののるMBSFNサブフレームの後(もしくは前)に連続してPCCHののるMBSFNサブフレームを構成するようにスケジューリングする。このような構成にすることで、MBMSサービスを受信している、あるいはしようとしている移動端末がMCCHを受信する際にページング信号を連続して受信可能とすることができる。これにより、移動端末はMCCH及びPCCHののるサブフレームを受信する以外のタイミングで別途ページング信号を受信する必要がなくなるため、MBMSサービスの受信を中断することなくページング信号を受信可能となる。また、MCCHを受信していない時間、MBMSサービスの受信を行っていない持間は間欠受信動作することができ、移動端末の消費電力の削減を図ることができる。
図41(b)に、MBMS制御情報が変更されたかどうかを示すインジケータ、ページング信号が送信されたかどうかを示すインジケータを設けた構成を開示する。これらのインジケータはいずれかが設けられていても良いし、両方が設けられていても良い。MBMS制御情報が変更されたかどうかを示すインジケータを「MBMS関連情報の変更有無インジケータ」とし、ページング信号が送信されたかどうかを示すインジケータを「ページング信号有無インジケータ」とする。インジケータがマッピングされる物理領域はPMCHが送信されるMBSFNサブフレームに設けられても良いし、また、PMCHが送信されるMBSFNサブフレームと時間的に隣接する物理領域に設けられても良い。こうすることにより、移動端末はインジケータ受信後ただちにPMCHに乗るMCCHやページング信号を受信しデコード可能となる。例えば、インジケータとして1ビットの情報とする。各インジケータはMBSFNエリア固有の拡散コード等が乗じられ、あらかじめ決められた物理領域にマッピングされる。別の方法として例えば、各インジケータはMBSFNエリア固有のシーケンスからなり、予め決められた物理領域にマッピングされても良い。移動端末に着信がかかった場合、ページング信号有無インジケータを“1”にセットし、着信がない場合はページング信号有無インジケータを“0”にセットする。また、例えば、MBSFNエリア内で送信されるMBMSサービスの内容が変更されるなどしてMCCHにのるMBMS制御情報が変更された場合、MBMS関連情報の変更有無インジケータを“1”にセットする。MBMS関連情報の変更が可能な周期(MBMS modification periodとする)を決めておき、該周期内で変更有無インジケータ“1”を繰り返し送信する。該周期(MBMS modification period)、スタートタイミング(SFN、スターティングポイント)等はあらかじめ決められていても良いし、ユニキャストサービスでのサービングセルから、もしくはMBMS専用セルから報知情報で通知されても良い。該周期経過した後に更にMBMS関連情報の変更がない場合は、MBMS関連情報の変更有無インジケータを“0”にセットする。
移動端末は、所望のMBSFNエリアのPMCHがマルチセル送信されるMBSFNサブフレームもしくは隣接するMBSFNサブフレーム内のインジケータを受信し逆拡散等を行い、インジケータが1か0かを判定することで、MCCH内に存在するMBMS制御情報に変更が生じたかどうかや、ページング信号が存在するかどうかを判断することが可能となる。このようにインジケータを設けることで、MBMS制御情報に変更が生じない場合や、ページング信号が存在しない場合は、移動端末はPMCH全部の情報を受信または/かつデコードする必要がなくなる。このため、移動端末の受信電力の削減を図ることが可能となる。MBMS制御情報が変更されたかどうかを示すMBMS関連情報変更有無インジケータをマッピングする物理領域を、MBMS制御情報がマッピングされるひとつまたは複数のMBSFNサブフレームの最初のMBSFNサブフレームとしても良い。さらに、該最初のMBSFNサブフレームの先頭のOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)シンボルとしても良い。これにより、移動端末は、最初のOFDMシンボルを受信することで、MBMS制御情報に変更が生じたかどうかを判断することが可能となる。
また、ページング信号が存在するかどうかを示すページング信号有無インジケータをマッピングする物理領域を、ページング信号がマッピングされるひとつまたは複数のMBSFNサブフレームの最初のMBSFNサブフレームとしても良い。さらに、該最初のMBSFNサブフレームの先頭のOFDMシンボルとしても良い。これにより、移動端末は、最初のOFDMシンボルを受信することで、ページング信号が存在するかどうかを判断することが可能となる。各インジケータを上記のような物理領域にマッピングすることで、MBMS制御信号変更無しの場合、ページング情報が存在しない場合、各々その後のOFDMシンボルを受信または/かつデコードする必要がなくなり、さらなる移動端末の受信電力の削減をはかることが可能となる。また、最初のMBSFNサブフレームや先頭のOFDMシンボルで早期に判断できるので、MBMS制御情報をただちに受信することができたり、または、ページング信号をただちに受信することができたりするため、移動端末での制御遅延を低減することが可能となる。インジケータとして、MBMS関連情報の変更有無インジケータとページング信号有無インジケータを同じ物理領域にマッピングしても良いし、各々異なる物理領域にマッピングしても良い。同じ物理領域にマッピングする場合は、各インジケータのオア(or)演算をとれば良い。これにより移動端末は受信するインジケータがひとつですむため、受信回路構成を間単にできる効果が得られる。各々異なる物理領域にマッピングする場合は、これにより、移動端末は、必要なインジケータのみ受信しておけば良く、他のインジケータを受信する必要はなくなる。したがって、移動端末の受信電力のさらなる削減や、必要な情報の受信遅延のさらなる低減が図ることができる。例えば、MBMSサービスを受信しているが、ページング信号を受信しないように設定している移動端末では、MBMS関連情報の変更有無インジケータのみ受信すればよく、ページング信号有無インジケータを受信する必要をなくすことができる。各々のインジケータの繰返し周期は同じでも良いし、異なっていても良い。各々のインジケータの繰返し周期はMCCHの繰返し周期と同じでも良いし、異なっていても良い。例えばMBMS関連情報の変更有無インジケータを何回かに1回MCCHののるPMCHに設けても良い。
インジケータの繰り返し周期は、各々、ページング信号有無インジケータ繰り返し期間(Repetition period)、MBMS関連変更有無インジケータ繰り返し期間(Repetition period)とする。インジケータの存在するMBSFNサブフレームのスタートタイミング(SFN、スターティングポイント)、サブフレームナンバ、各々のインジケータの繰り返し周期等はユニキャストサービスのサービングセルの報知情報で通知されても良いし、MBMS専用セルの報知情報で通知されても良いし、あらかじめ決められていても良い。MBMS関連情報の変更有無インジケータ専用のチャネルを、例えばMICH(MBMS Indicating CHannel)としても良く、さらには、MICH内にページング信号有無インジケータを構成するようにしても良い。ページング信号有無インジケータの繰り返し周期はMICHの繰り返し周期(MICH Repitition period)と同じでも良いし異なっていても良い。インジケータの通知に関しては先に記載した同様の方法で行うことができる。これにより、各々のインジケータが送信される時間がMCCHが送信される時間に限定されず、システムにおいて柔軟に設計することが可能となる。
ページング信号をPMCHに含める場合、着信がかかった移動端末の数が膨大になった場合、自移動端末の宛てのページング信号を検出するのに時間がかかりすぎてしまうという問題が生じる。また、ページング信号ののる所定の物理領域に、着信がかかった全ての移動端末のページング信号をマッピングする領域が確保できないという問題が生じる。これらの問題を解決するため、ページンググループ化する方法を開示する。図41(c)に、ページンググループ化の方法について示す。全移動端末をK個のグループに分け、各グループ毎にページング信号有無インジケータを設ける。ページング信号有無インジケータ用の物理領域をK個に分割し、分割した各々の物理領域に各グループのページング信号有無インジケータをマッピングする。ここで、Kは1から全移動端末数の値までをとりうる。ある移動端末に着信がかかった場合、該移動端末が属するグループのページング信号有無インジケータを“1”にセットする。あるグループに属する全ての移動端末に着信がない場合は該グループのページング信号有無インジケータを“0”にセットする。ページング信号有無インジケータは移動端末での所望の受信誤り率を満足するためにリピテーション等が行われても良い。ページング信号をマッピングする物理領域もK個に分割し、上記K個のグループに対応するようにしておく。ページング信号として、移動端末毎の識別子(識別番号、識別コード)であっても良い。K個に分割されたひとつの物理領域は、移動端末1台が必要とするページング信号データが収まる物理領域を、グループ内の移動端末数分加算した物理領域とする。グループ内の移動端末数はグループ全てで同じで合っても良いし、グループ毎に異なっていても良い。グループ内の移動端末数は、例えば、同時に着信が発生する移動端末数の平均値とする方法がある。また、ひとつのOFDMシンボルに割当て可能な移動端末台数とし、各OFDMシンボルを各グループに対応させる方法としても良い。ある移動端末に着信がかかった場合、該移動端末が属するグループのページング信号有無インジケータを“1”にセットし、該グループに対応したページング信号有無インジケータ用物理領域にマッピングする。それとともに、着信がかかった移動端末向けのページング信号を、該移動端末が属するグループに対応するページング信号の物理領域にマッピングする。ページング信号の物理領域へのマッピングは、移動端末毎に該移動端末固有の識別コードを乗じる。ページング信号が移動端末毎の識別子である場合は上記移動端末固有の識別コードを乗じる制御を省略できる。
移動端末は、自移動端末が属するグループのページング信号有無インジケータを受信することで、自移動端末が属するグループに着信がかかっているかどうか判定する。着信がかかっていると判定した場合、自移動端末が属するグループに対応づけられたページング信号がマッピングされる物理領域を受信し復号化(Decode)する。復号化処理後、移動端末固有の識別コードとの相関演算を行うことによりブラインド検出を行い、自移動端末向けのページング信号を特定することで、自移動端末への着信有りと判定することが可能となる。自移動端末向けのページング信号を検出しなかった場合は、自移動端末への着信なしと判定する。移動端末をK個のグループにグルーピングすることで、移動端末は、ページング信号用領域全てを受信する必要がなくなり、必要な領域のみ、すなわち自移動端末が属するグループが対応する物理領域のみ受信すればよくなるため、移動端末でのページング信号検出時間の短縮が図れ、さらには時移動端末が属さないグループの対応する物理領域を受信する必要がなくなるため移動端末の受信電力の削減が図ることができる。さらには、グループ毎に対応したページング信号有無インジケータを用いることで、多数の移動端末がある場合も少ない物理リソースでページング信号有無インジケータを設けることができる。さらには、移動端末は必要に応じてページング信号用領域を受信すればよく、移動端末の受信電力の削減が可能となるとともに、ページング信号を受信する必要がない場合はすぐに次の動作に移行できるため、制御遅延を小さくすることが可能となる。
上記実施の形態では、ページング信号をマッピングする、K個に分割されたひとつの物理領域は、移動端末1台が必要とするページング信号データが収まる物理領域を、グループ内の移動端末数分加算した物理領域としていた。しかし、移動端末数が多大になると、必要とする物理領域が多大になり、MBMSサービスを送信するためのオーバーヘッドが多大になるためMBMSサービスデータの送信速度が低下する。これを防ぐため、移動端末向けのページング信号に移動端末毎に該移動端末固有の識別コードを乗じる。これにより、移動端末は自移動端末宛ての情報かどうかを該移動端末固有の識別コードを用いてブラインド検出することが可能となるため、各移動端末毎のページング信号をマッピングする物理領域をあらかじめ固定しておく必要がなくなる。したがって、全移動端末分のページング信号用の物理領域を必要とせず、実際に着信が生じると予測される移動端末数分の領域さえあれば良い。例として、グループ内の移動端末数を、同時に着信が発生する移動端末数の平均値とする方法がある。この方法により、限られた物理リソースを有効に利用することが可能となる。また、上記の方法とすることで、たとえ予測以上に着信する移動端末数が多くなった場合でも、新しい着信の移動端末へのページング信号を次のPMCH上で送信することが可能となる等、基地局でのスケジューリングにより柔軟に対応することが可能となる。
全移動端末数が少ない場合、Kの値を全移動端末数として、ページング信号有無インジケータのみ送信しても良い。この場合、ページング関連の物理領域を確保する必要がなく、ページング信号有無インジケータ用の物理領域を全移動端末数分確保しておけばよい。このため、無線リソースの効率化が図れる。また、この場合、移動端末毎に対応するページング信号有無インジケータ用の物理領域が存在することになる。このため、移動端末においては、自移動端末に対応したページング信号有無インジケータ用の物理領域を受信してデコードするだけで、ページング信号用領域を受信せずに、着信の有無が判定でき、移動端末のページング動作での制御遅延が低減できる。
図42は、ページング信号を物理マルチキャストチャネル上の領域にマッピングする方法を示す説明図である。図42において、ページンググループnに属する移動端末のうち、音声通話などの着信が発生した移動端末n1、n2などに対するページング信号を、該グループnに対する物理領域にマッピングする。基地局は、各々の移動端末のページング信号に該移動端末固有の識別コード(番号、シーケンス)を乗じ、CRC(Cyclic Redundancy Check)付加を行い、符号化(Encode)、レートマッチング等の処理を行う。これら一連の処理を行った結果を、マッピングする物理領域の大きさに対応した制御情報要素(CCE:Control Channel Element)単位に割り当て、着信が発生した各々の移動端末分だけ連結する。連結した結果を、MBSFNエリア固有の拡散符号(Scrambling code)による拡散処理、変調処理等を行う。変調処理は、MBSFNエリア固有であっても良い。これらの処理を行った結果をページンググループnに対応する物理領域へマッピングする。この際、基地局は、ページンググループnのページング信号有無インジケータに“1”をセットし、ページング信号有無インジケータのページンググループnの物理領域にマッピングする。
ページンググループnに対応する物理領域は、あらかじめ決められていても良いし、報知情報としてユニキャスト側サービングセルもしくはMBMS専用セルから通知されても良い。移動端末では、自移動端末が属するページンググループのページング信号有無インジケータを受信し、“1”であれば、該ページンググループに対応するページング信号用物理領域を受信する。ページング信号用物理領域を受信し、復調、MBSFNエリア固有の拡散符号による逆拡散(Descramble)を行い、その結果を制御情報要素単位に分割する。分割した制御情報要素単位毎に復号化(Decode)等の処理を行い、自移動端末固有の識別番号により相関演算を行うことによって、自移動端末向けのページング信号をブラインド検出する。ある閾値より相関演算結果が大きい場合は自移動端末向けのページングが有ると判定し、ページング信号によりページング着信動作に入る。ある閾値以下の場合は自端末向けのページングはなしと判定し、MBMS関連情報の受信に移行する、またはMBMS関連情報の受信の必要がなければ間欠受信動作に移行する。自移動端末がどのグループに属するかは、あらかじめ決められた計算方法によって導出されても良いし、上位レイヤから、報知情報としてユニキャストサービスのサービングセルもしくはMBMS専用セルから通知されても良い。
図43は、ページング信号をPMCH上のページング信号ののる物理領域にマッピングする方法の別の例を示す。ページンググループnに属する移動端末のうち、着信がかかっている移動端末のn1、n2などに対してページング信号を、該グループnに対する物理領域にマッピングする。基地局は、各々の移動端末のページング信号にCRC付加を行い、エンコード、レートマッチング等の処理を行う。それら処理を行った結果に、該移動端末固有の識別コード(番号)を乗じる。該移動端末固有の識別コードを直交性を有す拡散コードとして、移動端末間で直交性が得られるようにする。基地局は、該拡散コードを乗じた結果を、着信がかかっている各々の移動端末分多重する。多重した結果を、MBSFNエリア固有の拡散符号による拡散処理、変調処理等を行う。変調処理は、MBSFNエリア固有であっても良い。これらの処理を行った結果をページンググループnに対応する物理領域へマッピングする。この際、基地局は、ページンググループnのページング信号有無インジケータに“1”をセットし、ページング信号有無インジケータのページンググループnの物理領域にマッピングする。ページンググループnに対応する物理領域は、あらかじめ決められていても良いし、報知情報としてユニキャスト側サービングセルもしくはMBMS専用セルから通知されても良い。移動端末では、自移動端末が属するページンググループのページング信号有無インジケータを受信し、“1”であれば、該ページンググループに対応するページング信号用物理領域を受信する。ページング信号用物理領域を受信し、復調、MBSFNエリア固有の拡散符号による逆拡散を行う。その結果を自移動端末固有の識別番号により相関演算を行うことによって、自移動端末向けのページング信号をブラインド検出する。ある閾値より相関演算結果が大きい場合は自移動端末向けのページングが有ると判定し、デコードを行った後のページング信号によりページング着信動作に入る。ある閾値以下の場合は自端末向けのページングはなしと判定し、MBMS関連情報の受信に移行する、またはMBMS関連情報の受信の必要がなければ間欠受信動作に移行する。自移動端末がどのグループに属するかは、あらかじめ決められた計算方法によって導出されても良いし、上位レイヤから、報知情報としてユニキャストサービスのサービングセルもしくはMBMS専用セルから通知されても良い。なお、図42、14で記載したページング信号は、ページング信号のマッピングされたトランスポートチャネルとしても良い。これは以降の実施例においても適用できる。移動端末がページング受信時に必要となるページング関連の情報であるページング信号ののった情報であれば良い。
ページング信号をPMCHのページング信号ののる物理領域にマッピングするいくつかの方法を開示したが、該ページング信号ののる物理領域へのマッピングは、任意のあらかじめ決められた領域でも良いし、ローカライズド(周波数軸上で連続する物理領域)にマッピングしても良いし、ディストリビューテッド(周波数軸上で分散する物理領域)にマッピングしても良い。
上記の例ではページング信号に移動端末固有の識別番号や拡散コードを乗じる構成とした。このような構成とすることで、ページング信号の情報量が各移動端末で同じ場合、符号化(Encode)、レートマッチング等の処理を各移動端末間で同じにすることで、割り当てる制御情報要素単位の領域の大きさを同じにすることが可能となる。従って、移動端末においてブラインド検出する制御情報要素単位の領域の大きさがひとつに限られるため、ブラインド検出の回数が削減でき、検出時間の短縮も図れる。従って、移動端末の回路構成の削減、消費電力の削減、制御遅延の低減を図れる効果が得られる。
上記のように、ページング信号に移動端末固有の識別番号や拡散コードを乗じ、ページンググループ毎にPMCHのページング信号ののる物理領域にマッピングすることで、移動端末は、ページング信号用領域全てを受信する必要がなくなり、必要な領域のみ、すなわち自移動端末が属するグループが対応する物理領域のみ受信すればよくなるため、移動端末でのページング信号検出時間の短縮が図れ、さらには時移動端末が属さないグループの対応する物理領域を受信する必要がなくなるため移動端末の受信電力の削減が図ることができる。さらには、グループ毎に対応したページング信号有無インジケータを用いることができ、多数の移動端末がある場合も少ない物理リソースでページング信号有無インジケータを設けることができる。さらには、移動端末は必要に応じてページング信号用領域を受信すればよく、移動端末の受信電力の削減が可能となるとともに、ページング信号を受信する必要がない場合はすぐに次の動作に移行できるため、制御遅延を小さくすることが可能となる。さらには、移動端末は自移動端末宛ての情報かどうかを該移動端末固有の識別コードや拡散コードを用いてブラインド検出することが可能となるため、各移動端末毎のページング信号をマッピングする物理領域をあらかじめ固定しておく必要がなくなり、全移動端末分のページング信号用の物理領域を必要とせず、実際に着信が生じると予測される移動端末数分の領域さえあれば良いため、限られた物理リソースを有効に利用することが可能となる。さらには、たとえ予測以上に着信する移動端末数が多くなった場合でも、新しい着信の移動端末へのページング信号を次のMCCHののるPMCH上で送信することが可能となる等、基地局でのスケジューリングにより柔軟に対応することが可能となる。
上記の例では基地局においてページング信号に移動端末固有の識別番号を乗じることとした。しかし、ページング信号ではなくCRCに移動端末固有の識別番号を乗じる方法を用いることも可能である。CRCに移動端末固有の識別番号を乗じる方法は、各移動端末のページング信号の情報量が異なる場合に有効である。
本実施の形態7で開示したPMCH上にページング信号をのせる方法とすることで、移動体通信システムとして、MBMS専用セルからMBMSサービスを受信しているもしくは受信しようとしている全移動端末のページング信号を送信できるようになり、該移動端末がMBMS専用セルからページング信号を受信することを可能とする。
以下、本実施の形態7の変形例を説明する。実施の形態7では、MBMS専用セルからページング信号を受信するため、MBSFNエリア毎のPMCH上にページング信号をのせる方法を開示した。PMCHの構成として、MBSFNエリア毎に時分割多重(TDM)、MBSFNエリア毎にコード分割多重(CDM)とする方法を開示した。以下説明する第一の変形例では、PMCHの構成として、MBSFNエリア毎に時分割多重(TDM)とコード分割多重(CDM)とを混在させる方法を開示する。
図44は、MBSFNエリア毎に設けられたPMCHの構成を示す説明図である。図44において、MBSFNエリア毎に時分割多重(TDM)とコード分割多重(CDM)がともに用いられている。セル#n1はMBSFNエリア1内のセル、セル#n2はMBSFNエリア2内のセル、セル#n3はMBSFNエリア3内のセルである。また、セル#1、セル#2、セル#3のセルはMBSFNエリア4内のセルでもある。MBSFNエリア1、2、3のPMCHはコード分割多重され、MBSFNエリア1、2、3のPMCHとMBSFNエリア4のPMCHは時分割多重される。セル#n1のセルはMBSFNエリア1に属するため、MBSFNエリア1に対応したPMCHがある時間に送信される。PMCHはMBSFNエリア内でマルチセル送信されるため、MBSFNサブフレーム上で送信される。MBSFNサブフレームが割当てられるMBSFNフレームの集合を「MBSFNフレームクラスタ」(MBSFN frame cluster)とする。MBMS専用セルではMBSFNフレーム内全てのサブフレームをマルチセル送信に用いられるMBSFNサブフレームとしても良い。あるMBSFNエリアに対応したMBSFNフレームクラスタが繰り返される周期を「MBSFNフレームクラスタ繰り返し周期」(MBSFN frame cluster Repetition period)とする。PMCHにはMBMS用のトランスポートチャネルのMCHがマッピングされ、MCHにはMBMS用制御情報のロジカルチャネルMCCH、MBMS用データのロジカルチャネルMTCHのいずれかあるいは両方がマッピングされる。
MCCHとMTCHは時間的に分割されてPMCH上にマッピングされても良いし、さらに時間的に分割されてマルチセル送信される物理領域にマッピングされても良い。例えば、MTCHとMCCHが、結果としてマッピングされる物理領域であるMBSFNサブフレームが異なっていても良い。各MBSFNフレームクラスタ上にMCCHがマッピングされても良いし、MTCHのみでも良い。MTCHのみが存在する場合、MCCHの繰返し周期はMBSFNフレームクラスタの繰り返し周期と異なる。また、MBSFNフレームクラスタ上に複数のMCCHがマッピングされる場合も存在する。MCCHの繰り返し周期を「MCCH繰り返し期間」(MCCH Repetition period)とする。図44で、MCCH1はMBSFNエリア1用のMBMS制御情報で、MTCH1はMBSFNエリア1用のMBMSデータである。同様に、MCCH2はMBSFNエリア2用のMBMS制御情報で、MTCH2はMBSFNエリア2用のMBMSデータ、MCCH3はMBSFNエリア3用のMBMS制御情報で、MTCH3はMBSFNエリア3用のMBMSデータである。セル#n1とセル#n2とセル#n3のPMCHは符合分割多重され同じタイミングで送信される。セル#n1(セル#n2、セル#n3)のセルはMBSFNエリア1(2、3)とMBSFNエリア4に属するため、MBSFNエリア1(2、3)のPMCHとMBSFNエリア4のPMCHは時分割多重される。MBSFNエリア4のPMCHはMBSFNエリア4でマルチセル送信されるため、PMCHの送信タイミングはセル#n1、#n2、#n3で全て同じである。このように、MBSFNエリア毎のPMCHを、時分割多重とコード分割多重を混在させることで、例えば、MBSFNエリア間で重複するMBSFNエリアには時分割多重を、重複しないMBSFNエリアにはコード分割多重を用いることが可能となる。従って、時間分割多重のみの場合に比べてコード分割多重を用いているため無線リソースの効率化が図ることができる。さらには、コード分割多重のみの場合に比べ、重複するMBSFNエリア間での相互干渉を低減することが可能となり、移動端末でのMBMSデータの受信誤りの低減が図ることができる。
次に、移動端末がMBMS専用セルからページングを受信するための各PMCHの構成について述べる。MBSFNエリア毎に時分割多重とコード分割多重とが混在している。従って、各セルから送信されるMBSFNエリア毎のPMCHも複数存在することになる。このように、あるひとつのセルにおいてMBSFNエリア毎のPMCHが複数存在する場合に対応するため、ページング信号を、全てのMBSFNエリアに対応するPMCH上にのせる構成とする。各々のMBSFNエリアのPMCHには、図41で示したようなページング信号を含める方法が適用できる。このような構成とすることで、複数のMBSFNエリアのMBMSサービスを受信可能なエリアにいる移動端末は、MBMSサービスを受信しているもしくは受信しようとしているいずれかひとつのMBSFNエリアのMCCHを受信することで、該MCCHを受信する際にページングを受信することが可能となる。移動端末は、受信しているMBMSサービスと異なるMBSFNエリアのMCCHを受信する必要がなくなり、間欠受信が可能となるため消費電力の削減が図れる。別の方法として、一つのMBSFNエリアのPMCH上にのせる構成を述べる。例えば、あるひとつのセルが属する最も小さいMBSFNエリアのPMCHにのみMCCH(P-MCCH)をマッピングすることとし、その他のMBSFNエリアのPMCHにはMCCHをマッピングしない構成とし、最も小さいMBSFNエリアのPMCHには、図41で示したようなページング信号をのせる方法を適用する。最も小さいMBSFNエリアのPMCHにマッピングされたMCCH(P-MCCH)に、他のMBSFNエリアのMBMS制御情報を含ませておく。
このような構成とすることで、例えば、移動端末が複数のどのMBSFNエリアのMBMSサービスを受信していたとしても、最も小さいMBSFNエリアのMCCH(P-MCCH)を受信することで、該MCCH(P-MCCH)を受信する際にページングを受信することが可能となる。さらに、移動端末は、受信するMBMSサービスの変更に伴ってページング受信周期、ここではMCCH繰り返し期間(MCCH repetition period)を変更する必要がなく、制御を簡易にすることが可能となる。さらに、その他のMBSFNエリアのPMCHにはMTCHのみマッピングすることが可能となるため、システムとして無線リソースの効率化が図ることができるという効果が得られる。また、別の方法として、最も小さいMBSFNエリアのPMCHに他のMBSFNエリアに対応するMCCHもマッピングするようにしておいても良い。この場合も該PMCHには図41で示したようなページング信号をのせる方法を適用することができる。これにより、同様の効果が得られるとともに、各MCCHは時分割して物理領域にマッピングすることが可能となる。従って、移動端末は所望のMBSFNエリアのMCCHを受信し、それ以外のMCCHが送信される物理領域は間欠受信することが可能となる。さらに別の方法として、一つのMBSFNエリアのPMCH上にのせる構成を述べる。例えば、あるひとつのセルが属するMBSFNエリアのPMCHに主MCCH(P-MCCH)をマッピングすることとし、その他のMBSFNエリアのPMCHには副MCCH(S-MCCH)をマッピングする構成とし、P―MCCHののるPMCHには、図41で示したようなページング信号を含める方法を適用する。このような構成とすることで、例えば、移動端末が複数のどのMBSFNエリアのMBMSサービスを受信していたとしても、P―MCCHを受信することで、該P―MCCHを受信する際にページングを受信することが可能となる。さらに、移動端末は、受信するMBMSサービスの変更に伴ってページング受信周期、ここではMCCH繰り返し期間(MCCH repetition period)を変更する必要がなく、制御を簡易にすることが可能となる。ページング信号をPMCH上のページング信号ののる物理領域へマッピングする方法については、図42、図43で開示した方法が適用できる。
上記実施の形態7および変形例では、MBSFNエリア内のセルは複数存在する場合を示した。しかし、本発明はMBSFNエリア内のセルが一つのみであっても適用可能である。該一つのセルにおいて、図41で開示したPMCHの構成とし、図42で開示したページング信号をPMCH上のページング信号ののる物理領域へマッピングする方法を適用することが可能である。一つのセルのみの場合、PMCHを用いる送信といえども通常のマルチセル送信に伴うSFN利得は得られないが、MBMSサービスをある狭い地区に限定でき、いわゆるスポット的なサービスを提供することが可能となる。さらに、MBSFNエリア内のセルが一つのみで、該一つのセルにおいて、該MBSFNエリアに対応するMBMSサービスのデータが送信されず、MBMS制御情報のみ送信されていても良い。この場合、PMCH上にMTCHがマッピングされず、MCCHのみマッピングされる。該MCCHに、該一つのセルが属する他のMBSFNエリアのMBMS制御情報(MCCH)が含まれても良い。これにより、他のMBSFNエリアのPMCHに各々のMCCHをマッピングする必要がなくなるため、無線リソースの効率化が図れる。さらに、移動端末は、該MBSFNエリアに対応するMCCHのみ受信することで、他のPMCHを受信することなく、受信可能なひとつまたは複数のMBSFNエリアの全てのMCCHを受信することが可能となるため、MBMSサービス受信時の制御遅延時間が削減できる。さらには、他のMBSFNエリアのMBMSサービス情報を受信する必要のない場合は、間欠受信動作が可能になり、受信電力の削減が図ることができる。
実施の形態8.
移動端末が、ユニキャストサービスがサポートされていないMBMS専用セルからページングを受信するため、実施の形態1では、MBSFN(Multimedia Broadcast multicast service Single Frequency Network)エリア毎の物理マルチキャストチャネル(PMCH)上にページング信号をのせる方法を開示した。本実施の形態8では、MBSFNエリア内でマルチセル送信されるページング専用の物理チャネルを設け、該物理チャネル上にページング信号をのせる方法を開示する。
図45は、MBSFNエリア内でマルチセル送信されるページング専用の物理チャネルの構成を示す説明図である。あるセルにおいて、該セルが属するMBSFNエリアに対応したMBSFNサブフレームの一部をページング専用の物理チャネル(Dedicated Physical Channel: DPCH)とし、DPCHをサブフレーム毎に設ける構成とした。実施の形態1でも示したが、MBMS専用チャネルではユニキャストサービスがサポートされないため、MBSFNフレームの全てのサブフレームをMBSFNサブフレームとしても良い。一例として、図59にページング信号をページング専用の物理チャネルにマッピングする方法を示す。図59は、ページング信号を含む論理チャネルPCCHをトランスポートチャネルPCHにのせ、論理チャネルMTCHとMCCHを多重してトランスポートチャネルMCHにのせ、さらにPCHをページング専用の物理チャネルに乗せる場合のマッピング方法を示す説明図である。ページング信号がのる論理チャネルPCCHはトランスポートチャネルPCHにマッピングされ、ページング専用の物理チャネルであるDPCHにマッピングされる。一方、従来どおりMBMS関連情報は論理チャネルMTCHとMCCHにのり、それらはトランスポートチャネルMCHにマッピングされ、物理チャネルPMCHにマッピングされる。DPCHはMBSFNエリア内でマルチセル送信される構成とし、DPCHとPMCHが同じMBSFNサブフレームに多重されて送信される。
MBSFNエリア毎のPMCH構成が、例えば図40に示した符号分割多重されている場合、連続したMBSFNサブフレームでPMCHが送信される。この場合、DPCHは時間軸上全サブフレームに設けることが可能となる。従って、実施の形態1に比べて、ページング信号が送信可能となる回数が増大する。このようにMBSFNエリア内でマルチセル送信されるMBSFNサブフレームの毎サブフレームの一部をページング信号送信用のDPCHとすることで 、システムとしてページング信号の送信頻度を多くして、MBMS専用セルからのページングを可能とする移動端末の台数を増大させることができる。さらには、ページング可能な移動端末へのページング発生時に、ページング用領域不足を避けることができるため、ページング情報送信遅延時間を短縮することが可能となる。上記例ではMBSFNエリア毎のPMCH構成が符号分割多重(CDM)の場合について記載したが 、時分割多重(TDM)の場合、あるいは時分割多重と符号分割多重がともに適用される場合でも、あるセルが属するひとつまたは複数のMBSFNエリアに対応したPMCHが送信される全てのMBSFNサブフレームにDPCHを設ければ良い。これにより、実施の形態1に比べて、ページング信号が送信可能となる回数が増大させることができるため同様の効果を得ることができる。
図46は、MBSFNサブフレームの構成を示す説明図である。図46において、MBSFNサブフレーム内でDPCHとPMCHが時間分割されて多重されている。DPCHにはページング信号がマッピングされ、PMCHにはMBMS関連情報がマッピングされる。各々がマッピングされる物理チャネルを別にすることで、基地局においてページング信号とMBMS関連情報のエンコーディングを別々にすることが可能で、移動機での受信において別々にデコードを行うことが可能となる。また、物理領域を時分割多重とすることが可能で、MBMSサービスを受信しておらず、ページング情報のみを受信している移動端末はPMCHを受信する必要がなく、PMCHが送信されている間は間欠受信(Discontinuous Reception)することが可能となり、移動端末の消費電力を削減可能となる。一方、ページング情報を受信する必要の無い移動端末は、DPCHを受信する必要がなく、DPCHが送信されている間は間欠受信動作を行うことが可能であるため、移動端末の消費電力を削減することが可能となる。DPCHは、各MBSFNサブフレームのkOFDMシンボル内で送信される。kの値は予め決められていても良いし、MBMS専用セルの報知情報で通知しても良い。また、ユニキャストセルの報知情報で通知しても良い。
DPCHが送信されるOFDMシンボル数kの値を示すチャネルとしてPCFICH(Physical control format indicator channel)をサブフレーム毎に設けても良い。PCFICHは各サブフレームの1番目のOFDMシンボルで送信される。移動端末へのPCFICHの物理リソースのアロケーション情報の通知は、MBMS専用セルの報知情報で通知しても良いし、ユニキャストセルの報知情報でMBMS専用セルの周波数レイヤ情報と関連して通知しても良い。また、あらかじめ決めておいても良い。あらかじめ決めておくことによって通知に必要となる情報量を削減することが可能となる。このようにkの値をサブフレーム毎にインジケートすることで、サブフレーム毎にkの値を変更することが可能となり、ダイナミックにMBMS情報の送信領域とDPCHの送信領域を変更することが可能となる。kの値は0から1サブフレーム内最大OFDMシンボル数までとりうる。例えば、ユニキャストセルのPDCCH(Physical downlink control channel)と同じ1〜3OFDMシンボルとしても良い。この場合、PCFICHは2ビットとなる。また、例えば、MBMS/ユニキャスト混合セルのMBSFNサブフレームにおけるPDCCHと同じ1〜2OFDMシンボルとしても良い。この場合、PCFICHは2ビットまたは1ビットとなる。ユニキャストセルのPCFICHはセル固有のスクランブリングコードが乗じられるが、本発明では、PCFICHもMBSFNエリア内でマルチセル送信可能とするためMBSFNエリア固有のスクランブリングコードが乗じられる構成とする。上記のような構成とすることで、移動端末はユニキャストセルと同じ方法で復号化(Decode)することが可能となり移動端末の受信回路の簡略化を図ることができる。
ユニキャストセルではページング信号を送信するのにPDSCHあるいはPDCCHを用いるが、ページング信号に無線割り当て(Resource Allocation)情報を含む必要がある。これは、ページング後の通信のための無線割り当てが必要だからである。ページング後の通信のためのリソースはPDSCHを用いて送信する。該PDSCHはサブフレーム内のPDCCHを送信するOFDMシンボル領域を除いた残りのOFDMシンボル領域で送信される。本発明におけるページング方法では、ページング後の通信はユニキャストセルで行うため、DPCHで送信するページング情報として着信の有無を通知するページングインジケータ(Paging Indicator :PI)のみとしても良い。なぜならば、ページング後の通信のための無線割り当て情報を送信する必要がないためである。ページングインジケータのみで移動端末を特定できるようにするには、ある移動端末へのページングインジケータの存在するMBSFNフレームやMBSFNサブフレームを該移動端末固有の識別番号(ID)から一意に算出できるようにしておけば良い。また別の方法として、基地局でページングインジケータに移動端末固有の識別番号を乗じて、移動端末側で該移動端末固有の識別番号を用いてブラインド検出するようにしても良い。さらに、上記二つの方法を複合させても良い。例えば、移動端末を該移動端末固有の識別番号(ID)によってグルーピングし、該グループへのページングインジケータの存在するMBSFNフレームやMBSFNサブフレームを該グループに一意に対応するようにしておき、さらに、基地局でページングインジケータに移動端末固有の識別番号を乗じておくようにする。
移動端末側では、該移動端末固有の識別番号から導出した自移動端末が属するグループのページングインジケータがのるMBSFNフレームやMBSFNサブフレームを受信し、自移動端末固有の識別番号を用いてブラインド検出するようにしても良い。移動端末固有の識別番号から移動端末やグループのページングインジケータの存在するMBSFNフレームやMBSFNサブフレームの導出方法は予め決められていても良いし、上位レイヤからMBMS専用セルの報知情報で通知しても良いし、ユニキャストセルの報知情報で通知しても良い。ページングインジケータの存在するMBSFNフレームやMBSFNサブフレームは周期的に存在するようにしても良い。無線割り当て情報を送信する必要がないので、少ない情報量でDPCHを構成することが可能となり、同じサブフレーム内の残りの領域でMBMS関連情報を送信することが可能となる。ページングインジケータを図59に示すようなPCCHにマッピングするのではなく、直接物理レイヤにおいてPDCHにマッピングするようにしても良い。また、サブフレーム内全てのOFDMシンボルでDPCHを送信することも可能となる。例えば、サブフレーム内のOFDMシンボル数が最大7シンボルの場合、PCFICHを3ビットとしてkの値を示すようにしておくことで、k=0から7までの任意のOFDMシンボルをDPCH送信に用いることができる。このように、MBMS情報の送信領域とDPCHの送信領域をサブフレーム単位で柔軟に変更し、組み合せることが可能となり、無線リソースの効率化を図ることができる。
本発明ではMBMS専用セルの場合について述べたが、MBMS/ユニキャスト混合セルの場合は、ユニキャストとMBMSの両方のサービスが可能であり、従って、MBMS/ユニキャスト混合セルの場合におけるページングでは、ページング後の通信のための無線割り当てを必要とする。しかし、一方、MBMS/ユニキャスト混合セルではMBMSを実行可能であるので、放送型のMBMS用データをMC送信するためのMBSFNサブフレームが存在する。MBSFNサブフレームではPDSCHがないため、MBMS/ユニキャスト混合セルにおいて、ユニキャストセルでのページング方法を適用した場合、MBSFNサブフレーム内に、個別移動端末宛の無線割り当て情報をマッピングする領域を確保できないという問題が生じる。この場合、あらかじめページングインジケータを送信するサブフレームをPDSCHの存在するサブフレームに限定する方法や、ページング信号が送信された後の最初のPDSCHが存在するサブフレームのPDCCHでアロケーション情報を送信する方法をとることによって、MBMS/ユニキャスト混合セルでのページングを可能とすることができる。
MBMS/ユニキャスト混合セルの場合におけるページングで、ページング後の通信のためにPDSCHに無線割当て情報をのせる必要がない場合は、前記のページングインジケータのみで移動端末を特定できるようにする方法を適用することが可能である。この場合、ページングインジケータをPDCCHの領域にのせるようにしておけばよい。MBSFNサブフレームにおいては、ユニキャスト用として割当てられている領域、先頭の1あるいは2OFDMシンボル領域に、ページングインジケータをのせるようにしておけば良い。その具体的方法として、前記のページング専用チャネル(DPCH)を用いた方法が適用できる。使用するシンボル数も前記のPCFICHを用いた方法が適用でき、k=0、1とすれば良い。移動端末側では、該移動端末固有の識別番号から導出した自移動端末が属するグループのページングインジケータがのる無線フレームやサブフレームを受信し、自移動端末固有の識別番号を用いてブラインド検出するようにすれば良い。MBMS/ユニキャスト混合セルの場合におけるページングで、ページング後の通信のためにPDSCHに無線割当て情報をのせる必要がない場合として、例えば、移動端末がページングインジケータを受信後、無線割当を基地局に要求するために上りRACHを送信するようにしておく方法が考えられる。こうしておけば、基地局はページングインジケータをのせた同じサブフレームのPDSCHに無線割当て情報をのせる必要は無い。このような方法とすることで、MBMS/ユニキャスト混合セルの場合においても、MBSFNサブフレームの存在の有無にかかわらず、任意の無線フレーム、サブフレームでページング信号(ページングインジケータ)を送信することが可能となる。
図47は、ページング信号をページング専用チャネル(DPCH)にマッピングする方法を示す説明図である。図47は、ページング信号としてページングインジケータ(Paging Indicator: PI)のみについて示す。ページングインジケータは1ないし0の1ビットで表現されるページング情報であり、着信の有無を示す。基地局は、着信がかかっている移動端末に対するページングインジケータに“1”をセットして、ページング専用物理チャネルにマッピングする。基地局は、着信がかかっている各移動端末mへのページングインジケータに該移動端末固有の識別番号を乗算する。次に、該乗算結果にCRC(Cyclic Redundancy Check)付加を行い、符号化(Encode)、レートマッチング、インタリーブ等の符号化(Coding)処理を行う。これら一連の処理を行った結果を、マッピングする物理領域の大きさに対応した制御情報要素単位に割り当て、着信がかかっている各々の移動端末分連結する。連結した結果を、MBSFNエリア固有の拡散コード(Scrambling Code)による拡散処理、変調処理等を行う。変調処理は、MBSFNエリア固有であっても良い。これらの処理を行った結果を、先頭からkOFDMシンボル内へマッピングする。その際に、基地局は 、着信がかかっている各々の移動端末分連結した結果をもとに 、必要となるOFDMシンボル数kを導出し 、該kに対応するインジケータにエンコーディング等の処理を行い 、PCFICHにマッピングする。これらはMBSFNエリア内の全セルにて同一の方法で行われ、MBSFNエリア内でマルチセル送信されることになる。本実施の形態ではDPCHを送信するOFDMシンボル数(k)を1とした場合を示す。DPCHはサブフレームの1番目のOFDMシンボルに、PCFICH、リファレンスシンボルとともにマッピングされる。
マルチセル送信された信号を受信している移動端末においては、受信したPCFICHのデコード結果をもとにページングに使用されるOFDMシンボル数を判定し、復調処理、逆拡散(Descrambling)処理等を行う。それらの処理後、ある領域毎に分割し、逐次デインタリーブ、復号化(Decoding)、誤り検出、訂正処理等を行い、端末固有の識別番号でブラインド検出を行う。ブラインド検出により自移動端末の識別番号を検出した場合は、ページングがあったと判断できる。PCFICH、リファレンスシンボル等については、例えばあらかじめ決められた方法で物理リソースへのマッピングを行う。ユニキャストセルと同様の方法を用いてもよい。ユニキャストセルと同様の方法を用いることで、基地局の構成や移動端末の受信回路の構成を簡略化することが可能となる。ページング信号がページングインジケータのみの場合のように、各移動端末で同じ情報量の場合、コーディングの結果を割り当てるための制御情報要素単位の大きさを一つにしておいても良い。ページングを受信する全ての移動端末でエンコーディング処理等を同じにすることでエンコーディング後の制御情報要素の大きさを一つにすることができる。これにより、移動端末は自移動端末固有の識別番号をブラインド検出する際、ひとつの大きさの制御情報要素単位毎にデコーディング等の処理を行えばよく、ブラインド検出のための時間を削減することができ、検出速度を高めることが可能となる。また、移動端末固有の識別番号を乗じるかわりに、ページングインジケータとして各移動端末固有のコードとしておいても良く、同等の効果を得ることができる。
図48は、ページング信号をページング専用チャネル(DPCH)にマッピングする方法を示す説明図である。図48は、ページング信号としてページングインジケータ(PI)のみについて示す。ページングインジケータは1/0の1ビットで表されたページング情報であり、着信の有無を示す。基地局は、着信がかかっている移動端末に対してページングインジケータに“1”をセットし、ページング専用物理チャネルにマッピングする。基地局は、各々の移動端末のページング信号にCRC付加を行い、符号化(Encode)、レートマッチング、インタリーブ等の処理を行う。これらの処理を行った結果に、該移動端末固有の識別コード(番号)を乗じる。該移動端末固有の識別コードを直交性を有す拡散コードとして、移動端末間で直交性が得られるようにする。基地局は、該拡散コードを乗じた結果を、着信がかかっている各々の移動端末分多重する。多重した結果をMBSFNエリア固有の拡散コード(Scrambling Code)による拡散処理、変調処理等を行う。変調処理は、MBSFNエリア固有であっても良い。これらの処理を行った結果を先頭からkOFDMシンボル内へマッピングする。移動端末数が多い場合は複数のグループに分けて、グループ内の移動端末間で直交性が得られるように移動端末固有の識別コードを乗じて移動端末分多重して、MBSFNエリア固有の拡散コードによる拡散処理、変調処理等を行う。これらの処理をグループ毎に行った後、異なるOFDMシンボルへマッピングするようにしても良い。その際に、基地局は着信がかかっている各々の移動端末多重した結果をもとに、必要となるOFDMシンボル数kを導出し、該kに対応するインジケータにエンコーディング等の処理を行い、PCFICHにマッピングする。これらはMBSFNエリア内の全セルにて同一の方法で行われ、MBSFNエリア内でマルチセル送信されることになる。本実施の形態ではDPCHを送信するOFDMシンボル数(k)を1とした場合を示す。DPCHはサブフレームの1番目のOFDMシンボルに、PCFICH、リファレンスシンボル等とともにマッピングされる。マルチセル送信された信号を受信している移動端末においては、受信した物理リソースから、PCFICHのデコード結果をもとにページングに使用されるOFDMシンボル数を判定し復調処理、デスクランブリング処理等を行う。それらの処理後、ある領域毎に分割し、端末固有の識別番号で相関演算を行い、ブラインド検出を行う。ブラインド検出により自移動端末の識別コードを検出した場合は、ページングがあったと判断でき、デインタリーブ、デコーディング、誤り検出、訂正処理等を行いページング信号を受信する。
ページング信号をページング専用チャネル(DPCH)にマッピングするいくつかの方法を開示したが、該ページング専用チャネル領域へのマッピングは、任意のあらかじめ決められた領域でも良いし、ローカライズド(周波数軸上で連続する物理領域)にマッピングしても良いし、ディストリビューテッド(周波数軸上で分散する物理領域)にマッピングしても良い。
本実施の形態は、MBSFNエリア毎のPMCH構成が符号分割多重されている場合だけでなく、時分割多重、及び時分割多重と符号分割多重がともに適用される場合であってもかまわない。
移動端末において、自移動端末向けのページング信号がどのタイミングのMBSFNフレームもしくはMBSFNサブフレームのDPCH上にマッピングされるか知る必要があるが、その方法として、あらかじめ決められた計算方法によって導出されても良いし、上位レイヤから、報知情報としてユニキャストサービスのサービングセルもしくはMBMS専用セルから通知されても良い。そのタイミングは周期的であっても良い。ある周期にてページング信号が送信されることによって、移動端末は該ページング信号が送信されていない時間は、もしMBMSサービスを受信しない場合は間欠受信動作することが可能である。従って、移動端末の消費電力の削減を図ることができる。
移動端末は自移動端末宛ての情報かどうかを該移動端末固有の識別コードや拡散コードを用いてブラインド検出することが可能となるため、各移動端末毎のページング信号をマッピングする物理領域をあらかじめ固定しておく必要がなくなり、全移動端末分のページング信号用の物理領域を必要とせず、実際に着信が生じると予測される移動端末数分の領域さえあれば良いため、限られた物理リソースを有効に利用することが可能となる。上記の例では基地局においてページング信号に移動端末固有の識別番号を乗じることとした。しかし、ページング信号ではなくCRCに移動端末固有の識別番号を乗じる方法を用いることも可能である。CRCに移動端末固有の識別番号を乗じる方法は、各移動端末のページング信号の情報量が異なる場合に有効である。
実施の形態1で開示したMBSFNエリア毎のPMCH上にページング信号をのせる方法の場合、ページング信号をのせることができるPMCHの頻度は時間的に少なくなる。従って、ページング信号がのる1回のPMCHに多数のもしくは全移動端末分のページング信号をマッピングしなければならないという問題が生じる。この問題を解消するため、実施の形態1ではページンググループ化等の方法を開示した。本実施の形態8では、MBSFNエリア内でマルチセル送信されるページング専用の物理チャネルを設け、該物理チャネル上にページング信号をのせることにより、上記問題を解消することができた。また、移動体通信システムとして、MBMS専用セルからMBMSサービスを受信中の、または受信しようとしている移動端末のページング信号を送信できるので、MBMS専用セルにおいて移動端末はページング信号を受信することが可能となる。
本実施の形態における例では、あるセルにおいて、該セルが属するMBSFNエリアに対応したMBSFNサブフレームの一部をページング専用の物理チャネル(DPCHと称す)とし、DPCHをサブフレーム毎に設ける構成としたが、サブフレーム毎に送信するのではなく、周期的に送信しても良い。例えば、2サブフレームに1回とか、1無線フレームに1回、各MBSFNエリアに対応したMBSFNサブフレームの一部をページング専用の物理チャネル(DPCHと称す)として送信しても良い。システムで考慮する移動端末の数によって、同時にページングを送信可能な移動端末数とページングの頻度をもとに各MBSFNエリアのDPCHとして送信する繰り返し周期を決めても良い。これによって、DPCHを送信しないサブフレームをMBMSサービス用データ領域とすることができ、MBMSサービスの高速化を図ることができる。
実施の形態9.
実施の形態8では、MBSFN(Multimedia Broadcast multicast service Single Frequency Network)エリア内でマルチセル送信されるページング専用の物理チャネルを設け、該物理チャネル上にページング信号をのせる方法を開示した。以下、実施の形態9では、MBSFN同期エリア内でマルチセル(multi cell)送信される物理チャネルを設け、該物理チャネル上にページング信号をのせる方法を開示する。
図49は、MBSFN同期エリア内でマルチセル送信される物理チャネル(メインPMCHと称す)の構成を示す説明図である。MBSFNエリア毎に設けられたPMCHとして時分割多重とコード分割多重が混在している場合について示している。セル#n1はMBSFNエリア1内のセル、セル#n2はMBSFNエリア2内のセル、セル#n3はMBSFNエリア3内のセルである。また、セル#n1、#n2、#n3のセルはMBSFNエリア4内のセルでもある。MBSFNエリア1、2、3のPMCHは符号分割多重され、MBSFNエリア1、2、3のPMCHとMBSFNエリア4のPMCHは時分割多重される。メインPMCHは、MBSFNエリア毎のPMCHと時分割多重される。セル#n1では、MBSFNエリア1とMBSFNエリア4に属するため、PMCH1とPMCH4は時分割多重され、さらにメインPMCHが時分割多重されて設けられる。セル#2、セル#3でも同様である。メインPMCHはMBSFN同期エリア内でマルチセル送信されるため、SFN合成がなされるMBSFNサブフレーム上で送信される。MBSFNサブフレームが割り当てられるMBSFNフレームの集合をMBSFNフレームクラスタとする。MBMS専用セルではMBSFNフレーム内全てのサブフレームをマルチセル送信に用いられるMBSFNサブフレームとしても良い。メインPMCHが繰り返される周期を「メインPMCH繰り返し期間」(Main PMCH Repetition period)とする。メインPMCHには、MBMS用のトランスポートチャネルであるMCHがマッピングされる。MCHにはMBMS用制御情報を伝達する論理チャネルであるMCCHと、MBMS用データを伝達する論理チャネルであるMTCHのいずれか、あるいは両方がマッピングされる。MCCHとMTCHは時間的に分割されてメインPMCH上にマッピングされても良いし、時間的に分割されてマルチセル送信される物理領域にマッピングされても良い。
例えば、MTCHとMCCHが、結果としてマッピングされる物理領域であるMBSFNサブフレームが異なっていても良い。メインPMCHが送信される各MBSFNフレームクラスタにMCCHがマッピングされても良いし、MTCHのみがマッピングされても良い。MTCHのみが存在する場合、MCCHの繰り返し周期は、メインPMCHの繰り返し周期と異なる。また、メインPMCHが送信されるMBSFNフレームクラスタ上に複数のMCCHがマッピングされる場合も存在する。MCCHの繰り返し周期を「MCCH繰り返し期間」(MCCH Repetition period)とする。図49において、MCCH1(MCCH2,3,4)はMBSFNエリア1(MBSFNエリア2,3,4)用のMBMS制御情報、MTCH1(MTCH2,3,4)はMBSFNエリア1(MBSFNエリア2,3,4)用のMBMSデータを伝送する。各PMCH上に各々MCCHがマッピングされても良いし、MTCHのみでも良い。MTCHのみが存在する場合、各々のMBSFNエリアのMCCHは、メインPMCHにマッピングされても良い。また、メインPMCHにマッピングされるMCCHの情報要素として含まれても良い。メインPMCHはMBSFN同期エリア内でマルチセル送信されるため、メインPMCHにおいては、各MBSFNエリアのPMCHにおいてのようにMBSFNエリア固有の拡散符号(Scrambling Code)を乗じることが不可能である。なぜならば、異なるMBSFNエリアのセルからメインPMCHは同じタイミングで送信されているため、メインPMCHにおいてMBSFNエリア固有の拡散符号を乗じた場合、移動端末の受信機において、各MBSFNエリアから送信された該メインPMCHの位相がランダムになってしまいSFN合成できなくなるためである。従って、上記に示したように、メインPMCHと各MBSFNエリアのPMCHとを時分割多重することで、各MBSFNエリア固有の拡散符号を乗じるのをサブフレーム単位で行えるようにでき、メインPMCHのみに各MBSFNエリア固有の拡散符号を乗じないようにできる。これにより、メインPMCHはMBSFN同期エリア内でマルチセル送信されることができ、移動端末は該MBSFN同期エリア内のどのMBMSサービスを受信しているもしくは受信しようとしていても、メインPMCHを受信することができ、さらにはSFN利得を得ることが可能となる。メインPMCHにおいては、固有の拡散符号を乗じないことを述べたが、MBSFN同期エリア固有の拡散符号であれば乗じても良い。この場合、他のMBSFN同期エリア内セルからの干渉を抑圧でき、移動端末におけるMBMSサービスの受信誤差を低減することが可能となる。
図50は、メインPMCHが送信される無線フレームの構成について示す説明図である。図50において、メインPMCHが送信されるサブフレームを#0と#5を除いたサブフレーム#k1〜#k2とする(k1〜k2≠1、5)。MBMS専用セルにおいて、1無線フレーム内の#0と#5のサブフレームで同期チャネル(Synchronization Channel: SCH)が送信されることが検討されている。また、#0のサブフレームにおいて報知チャネル(Broadcast Channel :BCH)が送信されることが検討されている。同期チャネル(SCH)にはセル固有のシーケンスもしくはMBSFNエリア固有のシーケンスが含まれ、報知チャネル(BCH)においてはセル固有の拡散符号もしくはMBSFNエリア固有の拡散符号が乗じられることが考えられている。従って、メインPMCHが送信されるサブフレームを、#0と#5を除いたサブフレームとすることで、MBSFN同期エリア内でマルチセル送信されることができ、移動端末は該MBSFN同期エリア内のどのMBMSサービスを受信しているもしくは受信しようとしていても、メインPMCHを受信することができ、さらにはSFN利得を得ることが可能となる。図ではメインPMCHが送信されるサブフレームを連続としたが、連続でなくても良い。#0と#5を除いたサブフレームにおいて連続にすることで、それ以外の受信不要なサブフレーム期間、移動端末は間欠受信することが可能となり、受信電力の削減を図ることができる。メインPMCHは毎無線フレーム毎になくてもよく、例えば、2無線フレーム毎、10無線フレーム毎のように周期的にあっても良い。メインPMCHの周期を「メインPMCH繰り返し期間」(Main PMCH repetition period)であらわす。これによって、メインPMCHを送信しないサブフレームのPMCHをMBMSサービス用データ領域とすることができ、MBMSサービスの高速化を図ることができるという効果がある。メインPMCHの存在する無線フレームやサブフレームのスタートタイミング(SFN、スターティングポイント)、サブフレームナンバ、メインPMCH繰り返し期間はユニキャスト側サービングセルの報知情報で通知されても良いし、MBMS専用セルの報知情報で通知されても良い。あらかじめ決められていても良い。なお、メインPMCHはマルチセル送信されるので、メインPMCHが存在するサブフレームはMBSFNサブフレーム、無線フレームはMBSFNフレームであるとしても良い。
図51は、同期チャネルSCHと同じサブフレーム内でメインPMCHが送信される無線フレームの構成について示す説明図である。図51は、メインPMCHが送信されるサブフレームを#5とし、同期チャネルSCHがマッピングされる領域外にメインMCHをマッピングする構成を示す。図50ではサブフレームを#0と#5を除いたサブフレームにマッピングする構成を示した。これにより、サブフレーム内の全てのOFDMシンボルをMBSFN同期エリア内でマルチセル送信することが可能となるからである。従って、基地局の送信機、移動端末の受信機を簡易にすることが可能となる。図51では、さらに、メインPMCHを#5のサブフレームの同期チャネルSCHがマッピングされている物理領域を除いた領域の全部もしくは一部に構成する。同期チャネルSCHはMBMS専用セルにおいて、1無線フレーム内の#0と#5のサブフレームで送信されることを述べた。ここで、#5のサブフレームで報知チャネルBCHは送信されないため、セル固有の拡散符号もしくはMBSFNエリア固有の拡散符号を乗じる必要がない。従って、#5のサブフレームの、同期チャネルSCHがマッピングされている物理領域を除いた領域の全部もしくは一部を、メインPMCH用にすることは可能である。例えば、SCHが#5のサブフレームの6番目および7番目のOFDMシンボルにマッピングされている場合、1番目から5番目と8番目から最後までのOFDMシンボルをメインPMCH用の領域とする。こうすることで、メインPMCHはMBSFN同期エリア内でマルチセル送信されることができ、移動端末は該MBSFN同期エリア内のどのMBMSサービスを受信しているもしくは受信しようとしていても、メインPMCHを受信することができ、さらにはSFN利得を得ることが可能となる。#5のサブフレームをメインPMCHにも使用することを可能とすることで、システムの柔軟性が増大し、無線リソースの効率化を図ることができる。
図52はページング信号用領域を設けたメインPMCHの構成を示す説明図である。図52(a)はメインPMCH上にMBMS関連情報とページング信号を含む構成を示す図である。MBMS関連情報とページング信号は、各々がMTCH、MCCH内の情報要素として存在しても良いし、各々がマッピングされる物理領域(リソース)が時間的に分割多重されても良い。情報要素としてのせる場合のマッピング方法の場合は、一例として図56に開示した方法が適用できる。図56の物理チャネルPMCHをメインPMCHとすれば良い。MBMS関連情報のうち、MBMS制御情報とともにページング信号を情報要素として論理チャネルMCCH上にのせる。MCCHはMTCHとともにトランスポートチャネルMCHにマッピングされ、MCHは物理チャネルであるメインPMCHにマッピングされることになる。こうすることで、MBMSサービスを受信している、あるいはしようとしている移動端末がMCCHを受信する際にページング信号を受信することが可能となる。また他の例として、図57に開示した方法が適用できる。図57の物理チャネルであるPMCHをメインPMCHとすれば良い。ページング信号ののる論理チャネルPCCHをMBMS関連情報の論理チャネルMTCH、MCCHと多重してトランスポートチャネルMCHにのせる。基地局は、MTCHのみのMBSFNサブフレームとMCCHとPCCHのマッピングされるMBSFNサブフレームを設けるようにしても良いし、さらに、MCCHのみのMBSFNサブフレーム、PCCHのみのMBSFNサブフレームを設けるように制御しても良い。こうすることで各々時間的に分割されて送信可能となる。また、MCCHとPCCHの乗るMBSFNサブフレームを時間的に隣接するようにしても良い。こうすることで、MBMSサービスを受信している、あるいはしようとしている移動端末がMCCHを受信する際にページング信号を受信することが可能となる。
さらに別の例として、図58に開示した方法が適用できる。図58の物理チャネルPMCHをメインPMCHとすれば良い。ページング信号ののるPCCHはトランスポートチャネルPCHにマッピングされ、MCHと多重されてメインPMCHにマッピングされる。こうすることで、基地局は、PCHとMCHを時間的に分割して送信可能となり、さらには、エンコーディングを別々に行うことが可能となる。従って、移動端末においては、受信時にデコードを別々に行うことが可能となる。上記の例において、実施の形態1と異なるのは、メインPMCHにマッピングされるMTCH、MCCH、PCCHはMBSFNエリア内ではなくMBSFN同期エリア内でマルチセル送信されることである。従って、MBSFNエリア内でマルチセル送信されるPMCHとMBSFN同期エリア内でマルチセル送信されるメインPMCHを明確にわけておいても良い。図60は、MBSFN同期エリア共通の物理チャネルとしてメインPMCHを設けた場合のマッピング方法を示す説明図である。図60にPMCHとメインPMCHを設けた場合のマッピングについて開示する。本例は、図58のMCHとPCHを用いる場合について示してある。MBSFNエリア内へ送信するMBMS関連情報であるMTCH、MCCHはトランスポートチャネルMCHにマッピングされ、物理チャネルPMCHにマッピングされる。PMCHはMBSFNエリアに対応するMBSFNサブフレームで送信される。MBSFN同期エリア内へ送信するMBMS関連情報であるMTCH、MCCHはトランスポートチャネルMCHにマッピングされ、物理チャネルであるメインPMCHにマッピングされる。MBSFN同期エリア内へ送信するページング信号ののるPCCHはトランスポートチャネルPCHにマッピングされ、物理チャネルであるメインPMCHにマッピングされる。メインPMCHはMBSFN同期エリアにマルチセル送信されるMBSFNサブフレームで送信される。
また、論理チャネルかつまたはトランスポートチャネルについてもMBSFNエリア内用とMBSFN同期エリア内用とを個別に設けておいても良い。例えば、MBSFN同期エリア内に送信するMBMS関連情報がMBMS制御情報のみの場合について図60の破線で示す。MBSFN同期エリア内に送信する論理チャネルMCCHを例えばメインMCCH、トランスポートチャネルMCHを例えばメインMCHとしても良い。メインMCHは物理チャネルであるメインPMCHにマッピングされる。このように個別にすることによって、基地局でのスケジューリングやHARQ(Hybrid Automatic Repeat reQuest)処理やエンコード処理やAMC(Adaptive Modulation Coding)処理等がMBSFN同期エリアとMBSFNエリアで個別に行えるようになるため、基地局と移動端末間の電波環境の変動に柔軟に対応することが可能となり、無線リソースの効率化を図ることが可能となる。MBSFN同期エリア内でマルチセル送信されるMCCHには、MBSFN同期エリアに含まれる各MBSFNエリアのサービス情報、フレーム構成情報等が含まれる。また、MBSFNエリア毎のMBMSサービス用制御情報が含まれていても良い。この場合は、各MBSFNエリア毎のPMCHでMCCHを送信しなくてすむため、MBMS用データ領域を増大することが可能となり、MBMS送信の高速化を図ることができる。MBSFN同期エリア内でマルチセル送信されるMCCHは、各MBSFN同期エリア内でメインPMCH繰り返し期間(Main PMCH repetition period)で周期的にマルチセル送信される。
一方、あるMBSFNエリア内セルからマルチセル送信されるMBMSサービスを受信している、あるいはしようとしている移動端末は、メインPMCH上のMCCHを定期的に受信し、MBMSサービスの内容やフレーム構成等を受信することによって、MBMSサービスを受信可能とする。従って、移動端末はメインPMCH上のMCCHを受信してデコードした後に、所望のサービスがない場合は他のMBSFNエリアに対応したPMCHを受信することなく、次のメインPMCHまで間欠受信動作することが可能となる。従って、移動端末の消費電力の削減が図ることができる。さらに、ページング信号を該MCCHに含ませることによって、MBMSサービスを受信している、あるいはしようとしている移動端末がMCCHを受信する際にページング信号を受信可能とすることができる。これにより、移動端末はMCCHを受信する以外のタイミングで別途ページングを受信する必要がなくなるため、MBMSサービスの受信を中断することなくページングを受信可能となる。また、MCCHを受信していない時間、MBMSサービスの受信を行っていない持間は間欠受信することができ、移動端末の消費電力の削減を図ることができる。図57に開示した方法を適用した場合、MCCHとPCCHを同じMBSFNサブフレームに構成されるようにしても良いし、MCCHの乗るMBSFNサブフレームとページング信号ののるMBSFNサブフレームを時間的に隣接するようにしておいても良い。また、図58で開示した方法を適用した場合は、MCCHののるMBSFNサブフレームとページング信号ののるMBSFNサブフレームを時間的に隣接するようにしておけば良い。このような構成にすることで、MBMSサービスを受信している、あるいはしようとしている移動端末がMCCHを受信する際にページング信号を連続して受信可能とすることができる。これにより、移動端末はMCCH及びPCCHののるサブフレームを受信する以外のタイミングで別途ページング信号を受信する必要がなくなるため、MBMSサービスの受信を中断することなくページング信号を受信可能となる。また、MCCHを受信していない時間、MBMSサービスの受信を行っていない持間は間欠受信することができ、移動端末の消費電力の削減を図ることができる。
図52(b)に、MBMS制御情報が変更されたかどうかを示す「MBMS関連情報の変更有無インジケータ」、ページング信号が送信されたかどうかを示す「ページング信号有無インジケータ」を設けた構成を開示する。これらのインジケータがマッピングされる物理領域はメインPMCHが送信されるMBSFNサブフレームに設けられても良いし、また、メインPMCHが送信されるMBSFNサブフレームと時間的に隣接する物理領域に設けられても良い。こうすることにより、移動端末はインジケータ受信後ただちにメインPMCHに乗るMCCHやページング信号を受信しデコード可能となる。例えば、インジケータとして1ビットの情報とする。各インジケータはエンコードされるか、またはMBSFN同期エリア固有の拡散コードが乗じられる等されてあらかじめ決められた物理領域にマッピングされる。例えば、移動端末に着信が発生した場合、ページング信号有無インジケータを“1”にセットし、着信がない場合はページング信号有無インジケータを“0”にセットする。また、例えば、MBSFN同期エリア内で送信されるMBMSサービスの内容が変更されるなどしてMCCHにのるMBMS制御情報が変更された場合、MBMS関連情報の変更有無インジケータを“1”にセットする。MBMS関連情報の変更が可能な周期(MBMS modification period)を決めておき、その周期内で変更有無インジケータ“1”を繰り返し送信する。MBMS関連情報の変更が可能な周期(MBMS modification period)、スタートタイミング(SFN、スターティングポイント)等はあらかじめ決められていても良いし、ユニキャストサービスでのサービングセルから、もしくはMBMS専用セルから報知情報で通知されても良い。該周期(MBMS modification period)経過した後に更にMBMS関連情報の変更がない場合は、MBMS関連情報の変更有無インジケータを“0”にセットする。
移動端末は、メインPMCHがマルチセル送信されるMBSFNサブフレームもしくは隣接するMBSFNサブフレーム内のインジケータを受信し逆拡散等を行い、インジケータが1か0かを判定することで、MCCH内に存在するMBMS関連の情報に変更が生じたかどうかや、ページングが存在するかどうかを判断することが可能となる。このようにインジケータを設けることで、MBMS制御情報に変更が生じない場合や、ページングが存在しない場合は、移動端末はメインPMCH全部の情報を受信、デコードする必要がなくなる。このため、移動端末の受信電力の削減を図ることが可能となる。MBMS制御情報が変更されたかどうかを示すMBMS関連情報変更有無インジケータをマッピングする物理領域を、MBMS制御情報がマッピングされるひとつまたは複数のMBSFNサブフレームの最初のMBSFNサブフレームとしても良い。さらに、該最初のMBSFNサブフレームの先頭のOFDMシンボルとしても良い。これにより、移動端末は、最初のOFDMシンボルを受信することで、MBMS制御情報に変更が生じたかどうかを判断することが可能となる。また、ページング信号が存在するかどうかを示すページング信号有無インジケータをマッピングする物理領域を、ページング信号がマッピングされるひとつまたは複数のMBSFNサブフレームの最初のMBSFNサブフレームとしても良い。さらに、該最初のMBSFNサブフレームの先頭のOFDMシンボルとしても良い。これにより、移動端末は、最初のOFDMシンボルを受信することで、ページング信号が存在するかどうかを判断することが可能となる。
各インジケータを上記のような物理領域にマッピングすることで、MBMS制御信号変更無しの場合、ページング情報が存在しない場合、各々その後のOFDMシンボルを受信、デコードする必要がなくなり、さらなる移動端末の受信電力の削減をはかることが可能となる。また、最初のMBSFNサブフレームや先頭のOFDMシンボルで早期に判断できるので、MBMS制御情報をただちに受信することができたり、または、ページング信号をただちに受信することができたりするため、移動端末での制御遅延を低減することが可能となる。インジケータとして、MBMS関連情報の変更有無インジケータとページング信号有無インジケータを異なる物理領域にマッピングしても良いし、各々異なる物理領域にマッピングしても良い。同じ物理領域にマッピングする場合は、各インジケータのオア(or)演算をとれば良い。これにより移動端末は受信するインジケータがひとつですむため、受信回路構成を簡単にできる効果が得られる。各々異なる物理領域にマッピングする場合は、これにより、移動端末は、必要なインジケータのみ受信しておけば良く、他のインジケータを受信する必要はなくなる。したがって、移動端末の受信電力のさらなる削減や、必要な情報の受信遅延のさらなる低減が図ることができる。例えば、MBMSサービスを受信しているが、ページングを受信しないように設定している移動端末では、MBMS関連情報の変更有無インジケータのみ受信すればよく、ページング信号有無インジケータを受信する必要をなくすことができる。各々のインジケータの繰り返し周期は同じでも良いし、異なっていても良い。各々のインジケータの繰り返し周期はメインPMCHの繰り返し周期と同じでも良いし、異なっていても良い。例えばMBMS関連情報の変更有無インジケータを何回かに1回メインPMCHに設けても良い。インジケータの繰り返し周期は、各々、「ページング信号有無インジケータ繰り返し期間」、「MBMS関連変更有無インジケータ繰り返し期間」とする。インジケータの存在するMBSFNサブフレームのスタートタイミング(SFN、スターティングポイント)、サブフレームナンバ、各々のインジケータの繰り返し周期等はユニキャストサービスのサービングセルの報知情報で通知されても良いし、MBMS専用セルの報知情報で通知されても良いし、あらかじめ決められていても良い。
さらに、MBMS関連情報の変更有無インジケータ専用のチャネルをメインPMCH上に構成して、例えばMICH(MBMS Indicating CHannel)としても良い。MICH内にページング信号有無インジケータを構成し、MICHの繰り返し周期を「MICH繰り返し期間」(MICH Repetition period)とする。ページング信号有無インジケータの繰返し周期はMICHの繰り返し周期と同じでも良いし異なっていても良い。インジケータの通知に関しては先に記載した同様の方法で行うことができる。これにより、各々のインジケータが送信される時間がMCCHが送信される時間に限定されず、システムにおいて柔軟に設計することが可能となる。上記のように構成した場合、MBMS関連情報の変更有無インジケータはメインPMCH上のMBMS制御情報が変更されたかどうかを示すため、所望のMBSFNエリア内で送信されるMBMSサービスが変更されたかどうかについては、該インジケータを検出しただけでは不明である。所望のMBSFNエリア内で送信されるMBMSサービスが変更されたかはメインPMCH上のMBMS制御情報を受信、デコードしなければならない。メインPMCH上のMBMS制御情報として、さらにどのMBSFNエリア内で送信されるMBMSサービスが変更されたかを示すインジケータを設けても良い。該インジケータ用の物理領域をメインPMCH上のMBMS制御情報がのるMBSFNサブフレームの直前に設けても良い。こうすることで、メインPMCH上のMBMS制御情報を全て受信、デコードする必要なく、所望のMBSFNエリア内で送信されるMBMSサービスが変更されたかどうかを検出することができる。従って、移動端末での制御遅延を低減することが可能となる。
ページング信号をメインPMCHにのせる場合、着信がかかった移動端末の数が膨大になった場合、自移動端末宛てのページング信号を検出するのに時間がかかりすぎてしまうという問題が生じる。また、ページング信号ののる所定の物理領域に、着信がかかった全ての移動端末のページング信号をマッピングする領域が確保できないという問題が生じる。これらの問題を解決するため、ページンググループ化する方法を開示する。図52(c)に、ページング信号有無インジケータの構成例を示す。全移動端末をK個のグループに分け、各グループ毎にページング信号有無インジケータを設ける。ページング信号有無インジケータ用の物理領域をK個に分割し、分割した各々の物理領域に各グループのページング信号有無インジケータをマッピングする。ここで、Kは1から全移動端末数の値までをとりうる。ある移動端末に着信がかかった場合、該移動端末が属するグループのページング信号有無インジケータを“1”にセットする。あるグループに属する全ての移動端末に着信がない場合は該グループのページング信号有無インジケータを“0”にセットする。ページング信号有無インジケータは移動端末での所望の受信誤り率を満足するために“1”(あるいは“0”)を複数個繰返して物理領域にマッピングするリピテーション等が行われても良い。ページング信号をマッピングする物理領域もK個に分割し、上記K個のグループに対応するようにしておく。ページング信号として、移動端末毎の識別子(識別番号、識別コード)であっても良い。K個に分割されたひとつの物理領域は、移動端末1台が必要とするページング信号データが収まる物理領域を、グループ内の移動端末数分加算した物理領域とする。グループ内の移動端末数はグループ全てで同じで合っても良いし、グループ毎に異なっていても良い。グループ内の移動端末数は、例えば、同時に着信が発生する移動端末数の平均値とする方法がある。また、ひとつのOFDMシンボルに割当て可能な移動端末台数とし、各OFDMシンボルを各グループに対応させる方法としても良い。
ある移動端末に着信が発生した場合、該移動端末が属するグループのページング信号有無インジケータを“1”にセットし、該グループに対応したページング信号有無インジケータ用物理領域にマッピングする。それとともに、着信が発生した移動端末向けのページング信号を、該移動端末が属するグループに対応するページング関連の物理領域にマッピングする。ページング信号の物理チャネル領域へのマッピングは、移動端末毎に該移動端末固有の識別コードを乗じる。ページング信号が移動端末毎の識別子である場合は上記移動端末固有の識別コードを乗じる制御を省略できる。移動端末は、自移動端末が属するグループのページング信号有無インジケータを受信することで、自移動端末が属するグループに着信がかかっているかどうか判定する。着信がかかっていると判定した場合、自移動端末が属するグループに対応づけられたページング信号がマッピングされる物理領域を受信しデコードする。デコード後、移動端末固有の識別コードとの相関演算を行うことによりブラインド検出を行い、自移動端末向けのページング信号を特定することで、自移動端末への着信有りと判定することが可能となる。自移動端末向けのページング信号を検出しなかった場合は、自移動端末への着信なしと判定する。移動端末をK個のグループにグルーピングすることで、移動端末は、ページング信号用領域全てを受信する必要がなくなり、必要な領域のみ、すなわち自移動端末が属するグループが対応する物理領域のみ受信すればよくなるため、移動端末の受信電力の削減を図ることができる。さらには、グループ毎に対応したページング信号有無インジケータを用いることで、多数の移動端末がある場合も少ない物理リソースでページング信号有無インジケータを設けることができる。さらには、移動端末は必要に応じてページング信号用領域を受信すればよく、移動端末の受信電力の削減が可能となるとともに、ページング信号を受信する必要がない場合はすぐに次の動作に移行できるため、制御遅延を小さくすることが可能となる。
上記実施の形態では、ページング信号をマッピングする、K個に分割されたひとつの物理領域は、移動端末1台が必要とするページング信号データが収まる物理領域を、グループ内の移動端末数分加算した物理領域とすしていた。しかし、移動端末数が多大になると、必要とする物理領域が多大になり、MBMSサービスを送信するためのオーバーヘッドが多大になるためMBMSサービスデータの送信速度が低下する。これを防ぐため、移動端末向けのページング信号に移動端末毎に該移動端末固有の識別コードを乗じる。これにより、移動端末は自移動端末宛ての情報かどうかを該移動端末固有の識別コードを用いてブラインド検出することが可能となるため、各移動端末毎のページング信号をマッピングする物理領域をあらかじめ固定しておく必要がなくなる。したがって、全移動端末分の物理領域を必要とせず、実際に着信が生じると予測される移動端末数分の領域さえあれば良い。例として、グループ内の移動端末数を、同時に着信が発生する移動端末数の平均値とする方法がある。この方法により、限られた物理リソースを有効に利用することが可能となる。また、上記の方法とすることで、予測以上に着信する移動端末数が多くなった場合は、新しい着信の移動端末へのページング信号は、次のメインPMCH上で送信する等、基地局でのスケジューリングにより柔軟に対応することが可能となる。
全移動端末数が少ない場合、Kの値を全移動端末数として、ページング信号有無インジケータのみ送信しても良い。この場合、ページング信号用領域を確保する必要がなく、ページング信号有無インジケータ用の物理領域を全移動端末数分確保しておけばよい。このため、無線リソースの効率化を図ることができる。また、この場合、移動端末毎に対応するページング信号有無インジケータ用の物理領域が存在することになる。このため、移動端末においては、自移動端末に対応したページング信号有無インジケータ用の物理領域を受信してデコードするだけで、ページング信号用領域を受信せずに、着信の有無が判定でき、移動端末のページング動作での制御遅延が低減できる。
ページング信号をメインPMCHのページング関連の物理領域にマッピングする方法は、実施の形態1で開示した方法が適用できる。例えば図42や図43の方法である。ただし、変調処理、拡散処理等において、MBSFNエリア固有の拡散符号を乗じるステップは適用できず、MBSFNエリア固有の拡散符号は乗じないようにする、もしくは、MBSFN同期エリア固有の拡散符号を乗じる必要がある。
上記の例では、メインPMCHの構成およびページング信号をメインPMCHへマッピングする方法として、実施の形態1で開示した方法を適用した。同様に、例えば、メインPMCHが送信される頻度が時間的に高い場合、メインPMCHの構成およびページング信号をメインPMCHへマッピングする方法として実施の形態8で開示した方法を適用することも可能である。
本実施の形態9で開示したMBSFN同期エリア内でマルチセル送信される物理チャネルを設け、該物理チャンル上にページング信号をのせる方法とすることで、移動体通信システムとして、MBMS専用セルからMBMSサービスを受信しているもしくは受信しようとしている全移動端末のページング信号を送信できるようになり、該移動端末がMBMS専用セルからページング信号を受信することを可能とする。
実施の形態10.
以上の実施の形態では、ページング信号はMBSFNエリアもしくはMBSFN同期エリアの全てのセルからマルチセル送信されるように設けられる方法を開示した。MBSFNエリアやMBSFN同期エリアは地理的に広大な範囲となることも考えられる。このような場合、移動端末においてSFN合成に寄与しないセルから該移動端末向けのページング信号を送信することは、無線リソースの無駄となりシステム容量の低下を引き起こす。従って、ページング信号を送信するセルを移動端末が存在するセルおよび近傍のセルに限定する必要性が生じる。ページング信号を送信するセルを移動端末が存在するセルおよび近傍のセルに限定した場合、同じMBSFNエリアもしくは同じMBSFN同期エリア内で、ある移動端末へのページング信号を送信するセルと送信しないセルが生じ、セル間で異なる信号を送信することとなり、マルチセル送信ではなくなる。移動端末は受信するセルを選択的に限定できないため、マルチセル送信でない信号も受信することになり、受信誤りが引き起こされる。ページング信号を送信しないセルから送信された異なる信号により、所望のページング信号の受信品質が劣化することになる。特に、ページング信号を送信するセルとページング信号を送信しないセルとの境界付近に存在する移動端末にとっては受信誤りが増大し、ページング信号を受信できなくなるという問題が生じる。そこで、本実施の形態では、ページング信号を送信するセルとページング信号を送信しないセルを設ける構成について開示する。
移動端末でのページング信号の受信誤りを低減するため、ページング信号をマッピングする方法をページング信号を送信するセルとしないセルで変更する。図53は、MBSFNエリアもしくはMBSFN同期エリア内の一部のセルにページング信号を送信する方法を示す説明図である。図53に示すように、ページング信号を送信するセルでは、図42または図47を参照して説明したように、信号に当該移動端末固有の識別番号を乗じる処理を行い、一連の処理を行った結果を制御情報要素単位に割り当て、着信がかかっている各々の移動端末分連結するまでの処理を行う。一方、ページング信号を送信しないセルでは、かかる処理は行わない。ページング信号ののる物理領域としては、上記実施の形態で示した、PMCH、DPCH、メインPMCHがある。MBSFNエリア内もしくはMBSFN同期エリア内で、着信が発生した移動端末に対してページング信号を送信するセルと送信しないセルが存在する場合、ページング信号を送信するセルでは、基地局は、図中のスイッチ2401を端子aに接続する。移動端末へのページング信号に該移動端末固有の識別番号を乗じ、CRC付加を行い、エンコード、レートマッチング等の処理を行う。スイッチ2401が端子aに接続されているので、移動端末毎の上記処理後の情報が、ある制御情報要素単位に割り当てられる。
一方、ページング信号を送信しないセルでは、基地局は、図中のスイッチ2401を端子bに接続する。移動端末へのページング信号を用いることなく、セル毎のパディング用コードを設け、該パディング用コードがある制御情報要素単位に割り当てられる。ここで、ある移動端末に対して割り当てられる制御情報要素単位の領域は、ページング信号を送信するセルと送信しないセルとで同一とする。これにより基地局は、ページング信号を送信するセルと送信しないセルとで割り当てる情報をスイッチによって簡単に切替え可能とできる。さらに、ある移動端末に対して割り当てられる制御情報要素単位の領域の大きさを、全ての移動端末で同じにしておくことで、セル毎のパディング用コード長をあらかじめ決めておくことが可能となる。これにより、パディング用コードの埋めこみ制御を簡易に構成することが可能となる。一方、あるMBSFNエリア内もしくはMBSFN同期エリア内のセルからマルチセル送信されるMBMSサービスを受信しているあるいはしようとしている移動端末は、ページング信号がマッピングされるPMCHもしくはDPCHもしくはメインPMCHを受信し、復調処理、逆拡散処理等を行い、制御情報要素単位の領域に分割する。分割した制御情報要素単位の領域を、デコード等行い、自端末固有の識別番号により相関演算を行うことによって、自移動端末向けのページング信号をブラインド検出する。ある閾値より相関演算結果が大きい場合は自移動端末向けのページングが有ると判定し、ページング信号によりページング着信動作に入る。ある閾値以下の場合は自端末向けのページングはなしと判定し、MBMS関連情報の受信に移行する、またはMBMS関連情報の受信の必要がなければ間欠受信動作に移行する。
もし、ページング信号を送信しないセルからの送信信号がページング信号を送信するセルからの送信信号と異なる場合は、マルチセル送信とならず、マルチセル送信によりSFN利得を得られないだけでなく、ページング信号を送信しないセルからの送信信号が雑音となり、移動端末での相関演算結果に誤りが増大することとなる。本実施の形態で開示したように、ページング信号を送信しないセルにおいて、パディング(埋めこみ、設定)用コードを予め決めておき、該パディング用コードをページング信号がマッピングされる領域に埋めこむことによって、移動端末での相関演算での誤りを低減することが可能となる。図54は、ページング信号を送信しないセルで設けたセル毎のパディング用コードの例を示す説明図である。例えば、ページング信号を送信しないセルはパディング用コードを「オール0」(all0)とする。この場合、ページング信号を送信しない全てのセルで同じコードすなわち「オール0」とする。こうすることによって、移動端末において受信機に干渉キャンセラなどの干渉除去機能を持つことで、移動端末はページング信号を送信しないセルから送信された“0”の成分をキャンセルすることができ、ページング信号を送信するセルから送信されたページング信号のみをSFN合成することが可能となり、移動端末での相関演算におけるページング信号の受信誤りを低減することが可能となる。ページングを送信しないセルのパディング用コードを「オール1」(all1)としてもよい。この場合、ページングを送信しない全てのセルで同じコードすなわちオール1とする。この場合も、移動端末が干渉キャンセラなどの干渉除去機能を持つことによって“1”の成分をキャンセルすることができ、移動端末でのページング信号の受信誤りを低減することが可能となる。なお、オール0、オール1でなく、既知の特定のコードであっても良い。ページング信号を送信しないセルのパディング用コードをランダム値としてもよい。この場合、各セル毎でランダムな値を導出し、パディングする。こうすることによって、移動端末において、ページング信号を送信しないセルから送信された信号が異なるランダム信号のためお互いにキャンセルされることになり、ページング信号を送信するセルから送信されたページング信号成分が相対的に強くなるため、相関演算におけるページング信号の受信誤りを低減することが可能となる。
ページング信号を送信するセルと送信しないセルを識別するためのページング送信セル識別用コードを用いても良い。ページング送信セル識別用コードは直交もしくは擬似直交コードとしても良い。また、スクランブリングコードでも良いし拡散コードでも良い。図55は、ページング送信セル識別用コードを用いる方法を示す説明図である。基地局は、ページング信号に移動端末識別用コードを乗算し、CRC付加、エンコード、レートマッチング、MCS(Modulation Coding Scheme)反映等の符号化(Coding)処理を行い、ページング送信セル識別用コードを乗じる。ページング送信セル識別用コードとして、ページング信号を送信するセルにおいてはページング信号送信セル用の拡散コードを用いる。ページング信号を送信しないセルにおいてはページング信号非送信セル用の拡散コードを用いる。ページング送信セル識別用コードである、ページング信号送信セル用の拡散コードとページング信号非送信セル用の拡散コードは直交コードとしておく。これらページング送信セル識別用コードを乗じた結果を、制御情報要素単位に割当て、着信がかかっている各々の移動端末分連結する。一方、あるMBSFNエリア内もしくはMBSFN同期エリア内のセルからマルチセル送信されるMBMSサービスを受信している、あるいはしようとしている移動端末は、ページング信号がマッピングされるPMCH、DPCH、もしくはメインPMCHを受信し、復調処理、逆拡散処理等を行い、制御情報要素単位の領域に分割する。分割した制御情報要素単位の領域を、ページング信号送信セル用拡散コードにより逆拡散を行う。同一の物理領域において、ページング信号を送信するセルと送信しないセルとで直交する拡散コードが乗じられて送信されているため、ページング信号送信セル用の拡散コードを用いて逆拡散を行うことによって、ページング信号を送信しないセルからの信号の影響を排除することが可能となり、受信誤差の低減を図ることができる。
逆拡散後のデータを、デコーディング等の処理を行い、自移動端末識別用コードにてブラインド検出を行う。ある閾値より相関演算結果が大きい場合は自移動端末向けのページングが有ると判定し、ページング信号によりページング着信動作に入る。ある閾値以下の場合は自端末向けのページングは無しと判定し、MBMS関連情報の受信に移行する、またはMBMS関連情報の受信の必要がなければ間欠受信動作に移行する。ページング送信セル識別用コードは各々あらかじめ決められていても良いし、MBMS専用セルの報知情報や、ユニキャストセルの報知情報で通知されても良い。このように、ページング信号を送信するセルと送信しないセルとで直交する拡散コードを乗じ、受信側で逆拡散を行うことによって、ページング信号を送信しないセルからの信号の影響を排除し、ページング信号を送信するセルからのページング信号を低い受信誤差で抽出することが可能となる。なお、本発明において、移動端末識別用コードとページング送信セル識別用コードを乗じる順序は逆であっても良い。移動端末識別用コードを後で乗じた場合は、移動端末において、先に自移動端末固有の識別番号で相関演算を行うことによって、早期に自移動端末向けのページング信号があるかどうかを判断することが可能となるという利点が生じる。
本実施の形態において、各セルはパディング用コードやページング送信セル識別用コードを初期設定としてページング信号を送信しないコードとしておいても良い。MME、MCEもしくはMBMS-GWからページングリクエスト等によるページング発生の通知が来た場合のみ、そのセルは、該通知が来た移動端末のみに、パディング用コードやページング送信セル識別用コードをページング信号を送信するコードとするようにしておいても良い。こうすることで、ページングが発生しない旨の通知を、MME、MCEもしくはMBMS-GWから各セルに送信する必要がなくなるため、シグナリング量の削減を図ることができる。
本実施の形態のような構成にすることで、ページング信号を送信するセルと送信しないセルを設けることが可能となり、MBSFNエリアもしくはMBSFN同期エリアが地理的に広大な範囲となった場合にも、ページング信号を送信するセルを移動端末が存在するセルおよび近傍のセルに限定することが可能となる。ページング信号を送信するセルを移動端末が存在するセルおよび近傍のセルに限定した場合も、移動端末において、ページング信号を送信しないセルから送信された異なる信号により、所望のページング信号の受信品質を劣化させることなくページング信号を受信できるという効果が得られる。特に、ページング信号を送信するセルとページング信号を送信しないセルとの境界付近に存在する移動端末にとっては高品質なページング信号を受信できるという効果が得られる。さらに、例えばユニキャストセルのトラッキングエリアに地理的に近いひとつまたは複数のMBSFNエリア内のセルのみにページング信号を送信する場合、ページングリクエストを受信したMMEは、MBSFN同期エリア内全てのMBSFNエリアに各々対応した全てのMCEに対してページングリクエスト信号を送信する必要がなく、該MBSFNエリアを制御するMCEに対してのみページングリクエスト信号を送信すれば良い。ページングリクエスト信号を受信したMCEはそのMCEが制御するMBSFNエリア内のセルにページング信号を送信し、ページングリクエスト信号を受信しないMCEはそのMCEが制御するMBSFNエリア内でページング信号を送信しないようにすることが可能となる。従って、MMEとMCE間のシグナリング量の削減を図ることができるという効果が得られる。さらに、ページング信号を送信するセルを移動端末が存在するセルおよび近傍のセルに限定することで、ある移動端末のページング信号送信に使用した物理リソースを、地理的に離れた場所においては他の移動端末へのページング信号送信に使用することが可能となり、無線リソースの効率化を図ることができる。
実施の形態11.
実施の形態2では、ページング信号はMCCH繰り返し期間(MCCH repetition period)毎やページング信号有無インジケータ繰り返し期間毎に基地局から送信され、ページング信号を受信する移動端末はそれらの繰り返し期間において間欠受信動作を行う方法を開示した。ここでは、ページング信号の通知方法として別の新たな方法を開示する。実施の形態2でも述べたが、従来の技術(W-CDMA)では、PCHがマッピングされるS−CCPCHの本数(チャネライゼーションコードの数)をグループ数とし、移動端末の識別子(UE-IDD,IMSI)、間欠受信タイミングを用いてページングインジケーションが送信されるタイミング、すなわちSFN(System Frame Number)を計算する方法としていた。しかし、LTEシステムのMBMS送信専用周波数レイヤにおいてはページング信号の通知方法の開示はまだない。MBMS送信専用周波数レイヤにおいてはマルチセル送信であり、さらには、任意の一つのセルが複数のMBSFNエリアに属することも許されているため、ページング信号をどの無線フレーム上、または、どのサブフレーム上にマッピングするかといった方法について、従来の技術のページングインジケーションを送信する方法を適用することはできず、さらには、LTEシステムはCDM方式ではないので、チャネライゼーションコード数という考え方はないため、従来の技術を適用することは不可能である。そこで、ここでは、LTEシステムのMBMS送信専用周波数レイヤでページング信号を通知する方法を開示する。説明においては、実施の形態2と異なる部分を中心に説明する。特に説明がない部分については実施の形態2と同様である。
LTEシステムのMBMS送信専用周波数レイヤでMBMS専用セルがページング信号を通知する方法として、該セルが属するMBSFNエリアに対応する全無線フレームでページング信号が送信される構成とする。具体例として、図40で示すように、各セルにおいて重複する(覆いかぶさる)MBSFNエリアが存在せず、MBSFNエリアに対応したMBSFNサブフレームがCDMされている場合のページング信号の通知方法を開示する。まず、ページンググループの算出式について開示する。ページンググループの算出式(IMSI mod Ksf)のうち、Ksfをページンググループ数とする。Ksfの値の具体例としては、1無線フレーム中のMBSFNサブフレームの数とする。1無線フレーム中のMBSFNサブフレーム数が10の場合は、Ksf=10となる。また、1無線フレーム中SCHがマッピングされる#0、#5を除いたMBSFNサブフレーム数とした場合は、Ksf=8である。Ksfの値(Ksfでの剰余値)と、無線フレーム中のサブフレームナンバを関係付けておくことで、上記の式で算出されたページンググループの値により無線フレーム中のどのサブフレームに、自移動端末が属するグループのページング情報がマッピングされるかが分かることになる。
次に、どの無線フレームに自分が属するグループのページング信号がマッピングされるかを関連付けておく。具体例として算出式は以下のとおりとなる。「ページング発生無線フレーム」(Paging Occasion)=(IMSI div Ksf)mod(MBMS送信専用周波数レイヤにおける間欠受信周期)+n×(MBMS送信周波数レイヤにおける間欠受信周期)、n:0、1、2・・・ただし、Paging Occasion≦SFNの最大値。SFNは0からSFNの最大値までの整数。
「ページング発生無線フレーム」(以下、ページングアケージョン)は、ページング信号がマッピングされるSFNである。この式からもわかるように、ページングアケージョンは0からSFNの最大値まで全ての値をとりうる。従って、実施の形態2で開示した方法に比べ、ページング信号をのせるMBSFNサブフレーム数やそれを有する無線フレーム数を多くすることができる。このため、ひとつのMBSFNサブフレームにのせる移動端末数を少なくすることが可能となり、ひとつのMBSFNサブフレーム上の該移動端末数のページング信号をのせるのに必要な物理領域は少なくてすむことになる。また、MBMS送信周波数レイヤにおける間欠受信周期をMCCHが送信される周期に依存して決める必要がないため、システムとして柔軟に間欠受信周期を設定することが可能となる。次に、ページング信号をのせる物理領域について述べる。セルが属するMBSFNエリアに対応する全無線フレームで送信される構成とする。実施の形態8で開示した、MBSFNエリア内でマルチセル送信されるページング専用の物理チャネル(DPCH)を設け、該物理チャネル上にページング信号をのせる方法を適用する。図45に示されるように、MBSFNエリアに対応するMBSFNサブフレームの一部にページング信号をのせるためのDPCHを設ける構成とする。DPCHはMBSFNエリアに対応する全無線フレームに構成され、DPCHは1無線フレーム内の全MBSFNサブフレームに構成されても良いし、1無線フレーム中SCHがマッピングされる#0、#5を除いたMBSFNサブフレームに構成されても良い。DPCHが、1無線フレーム内の全MBSFNサブフレームに構成された場合はKsf=10とすれば良く、1無線フレーム中SCHがマッピングされる#0、#5を除いたMBSFNサブフレームに構成された場合はKsf=8とすれば良い。また、Ksfは1無線フレーム内のサブフレーム数であれば他の値であっても良い。ページング専用チャネル上のページング信号について、ページング信号をページング信号専用チャネルにマッピングする方法については実施の形態8で開示した方法が適用できるのでここでは説明を省略する。
上記のようなページング信号の通知方法、ページング信号をのせるチャネル構成とすることで、MBMS専用セルが属するMBSFNエリアに対応する全無線フレームでページング信号が送信されることが可能となり、LTEシステムのMBMS送信専用周波数レイヤでMBMS専用セルがページング信号を通知することが可能となるという効果が得られる。
別の具体例として、DRX期間を考慮に入れた場合のページング信号の送信方法を開示する。実施の形態2で、ページング信号をMBMS送信専用セルで通知するためにユニキャスト/混合周波数レイヤにおける同期維持や報知情報の取得やセルリセレクションを可能にするため、ユニキャスト/混合周波数レイヤのメジャメント用のDRX期間を設ける方法を開示した。ここでは、該DRX期間を設けた場合について、該DRX期間も考慮に入れた場合のページング信号の送信方法について示す。該DRXに関する詳細の説明は実施の形態2で開示してあるのでここでは省略する。本具体例においては、該DRX期間はMBSFN同期エリア(MBSFN Synchronization Area)に一つ設けられることとする。図61にDRX期間も考慮に入れた場合の各セルにおけるMBSFNエリア毎のMBSFNサブフレーム構成例を示す。SFNが0からSFNmaxとし、DRX期間をd無線フレームとする。各セルから、SFN=0〜SFNmax−dの無線フレームでMBMS用データが送信される。SFN=SFNmax−d+1〜SFNmaxはDRX期間とし、送信オフとなる。DRX期間はMBSFN同期エリアに一つ設けられるとしている。従って、各MBSFNエリアに属するセルは同じタイミング(SFN)で送信オフとなる。ページング信号は、MBMS用データが送信されるSFN=0〜SFNmax−dの無線フレームで実施の形態8で開示したDPCHにのせて送信される。まず、ページンググループの算出式について開示する。ページンググループの算出式を以下に示す。
IMSI mod Ksf
Ksfをページンググループ数とする。Ksfの値の具体例としては、1無線フレーム中のMBSFNサブフレームの数とする。1無線フレーム中のMBSFNサブフレーム数が10の場合は、Ksf=10となる。また、1無線フレーム中SCHがマッピングされる#0、#5を除いたMBSFNサブフレーム数とした場合は、Ksf=8である。Ksfの値と、無線フレーム中のサブフレームナンバを関係付けておくことで、ページンググループにより無線フレーム中のどのサブフレームに、自移動端末が属するグループのページング情報がマッピングされるかが分かることになる。
次に、どの無線フレームに自分が属するグループのページング信号がマッピングされるかであるが、具体的な算出式として二つの方法を開示する。まず、一つ目の方法を開示する。ページングアケージョン(Paging Occasion)を次のようにする。
ページングアケージョン=(IMSI div Ksf)mod(SFNmax−ΣDRX)、
MBMS送信専用周波数レイヤにおける間欠受信周期=SFNmax、
ただし、ページングアケージョンは、DRXを除く無線フレームをリナンバリングした値とする。
ここで、SFNmaxはSFNの最大値、ΣDRXは、0からSFNmaxまでに存在するDRX期間全ての和である。つまり、(SFNmax−ΣDRX)はDRX期間を除いた無線フレーム数を示している。従って、この式からもわかるように、ページング信号がマッピングされるSFNはDRXを除いたMBSFNエリア毎のMBSFNサブフレームが存在する無線フレームの値をとりうることになる。また、間欠受信周期はSFNmaxとしているので、ある一つの移動端末にとっては、SFNが0からSFNmax中に1回のページングアケージョンが発生することになる。こうすることによって、移動端末が受信中もしくは受信しようとしているMBSFNエリアに対応するMBSFNサブフレームにページング信号を設けることが可能となり、移動端末は該ページング信号をMBMS受信中もしくは受信しようとしている際にページング信号を受信することが可能となる。ページング信号をのせる物理領域の構成方法およびページング信号をページング信号専用チャネルにマッピングする方法については前述の方法が適用できるのでここでは説明を省略する。
どの無線フレームに自分が属するグループのページング信号がマッピングされるかについて、二つ目の方法を開示する。MBMS送信専用周波数レイヤにおける間欠受信周期として2種類の周期を有する方法とする。一つはSFNの最大値内で間欠受信が繰り返される周期、もう一つはSFNの最大値毎に間欠受信が繰り返される周期である。具体的なページングアケージョン(Paging Occasion)を次のようにする。
Paging Occasion=(IMSI div Ksf)mod(MBMS送信専用周波数レイヤにおける間欠受信周期#1)+n×(MBMS送信専用周波数レイヤにおける間欠受信周期#1)、
MBMS送信専用周波数レイヤにおける間欠受信周期#1≦(SFNmax-ΣDRX)、
MBMS送信専用周波数レイヤにおける間欠受信周期#2=SFNmax、
n:0、1、2・・・ ただし、∀Paging Occasion≦(SFNmax-ΣDRX)。
ただし、ページングアケージョンは、DRXを除く無線フレームをリナンバリングした値とする。
ここで、MBMS送信専用周波数レイヤにおける間欠受信周期#1はSFNの最大値内で間欠受信が繰り返される周期である。MBMS送信専用周波数レイヤにおける間欠受信周期#2はSFNの最大値毎に間欠受信が繰り返される周期である。MBMS送信専用周波数レイヤにおける間欠受信周期#2は、該MBMS送信専用周波数レイヤにおける間欠受信周期#1で算出される0からSFNmaxの間の無線フレームの値のパターンを、SFNの最大値毎に繰り返すように設定するための周期である。ページングアケージョンの計算結果のとりうる全ての値が(SFNmax-ΣDRX)以下となるようにnを決めることで、各移動端末のページング機会は均等に与えられることになる。もし、各移動端末のページング機会は均等に与える必要のない場合は、
n:0、1、2・・・ ただし、Paging Occasion≦(SFNmax-ΣDRX)としても良い。
こうすることによって、各移動端末のページング機会に差が生じることになるが、ページング信号通知に使用されない無線フレームはなくなり、移動端末としてはなるべく多くの機会をページング信号を受信することが可能となり、ページング信号の受信誤差、着信動作の遅延等を削減することが可能となる。
MBMS送信専用周波数レイヤにおける間欠受信周期#1の具体的な設定例を示す。例えば、
a×2(k−1)≦SFNmax−ΣDRX、ただし、a、kは正の整数、
とし、あらかじめ、a、a×2、a×22、・・・、a×2(k−1) をMBMS送信専用周波数レイヤにおける間欠受信周期#1としておき、その中から選択できるようにしておけば良い。a、kの値を上位レイヤにて選択し、ユニキャスト/混合周波数レイヤのセルの報知情報、あるいはMBMS専用周波数レイヤのセルの報知情報、あるいは移動端末が受信中もしくは受信しようとしているMBSFNエリア内のMBMSサービスに対応するMCCHで移動端末に通知しておき、移動端末はその通知された値を元に算出するようにしても良い。本方法においても、ページング信号をのせる物理領域の構成方法およびページング信号をページング信号専用チャネルにマッピングする方法については前述の方法が適用できるのでここでは説明を省略する。
以上に、DRX期間を考慮に入れた場合のページング信号の送信方法を開示した。このMBMS送信専用周波数レイヤにおける間欠受信周期として2種類の周期を有する方法は、MBSFNエリアに対応したMBSFNサブフレームがTDMされている場合についても適用可能である。例えば、図49に示した様に、各セルにおいて重複するMBSFNエリアが存在せず、MBSFNエリアに対応したMBSFNサブフレームがTDMされている場合でDRX期間がある場合には、(SFNmax-ΣDRX)のかわりに、各セルが属するMBSFNエリアに対応したMBSFNサブフレームを有する無線フレーム数とし、1無線フレーム内のMBSFNサブフレーム数をKsfとすれば良い。例えば、図49に示したように、各セルにおいて重複するMBSFNエリアが存在しており、重複していないMBSFNエリアに対応したMBSFNサブフレームがCDMされており、重複しているMBSFNエリアに対応したMBSFNサブフレームがTDMされている場合でDRX期間がある場合には、いくつかの方法が考えられる。
各セルが属するひとつのMBSFNエリア上でページング信号を送信する場合は、同じように、(SFNmax-ΣDRX)のかわりに、該MBSFNエリアに対応したMBSFNサブフレームを有する無線フレーム数とし、1無線フレーム内のMBSFNサブフレーム数をKsfとすれば良い。覆っているMBSFNエリア(エリア4)でもページング信号を送信する場合は、覆っているMBSFNエリアの#0、#5のサブフレームにDPCHを設け、覆われているMBSFNエリア(例えばエリア1)のスクランブリングコードを乗じて送るようにすれば良い。実施の形態2で開示したように、覆われているMBSFNエリアに対応するMBSFNサブフレームの#0、#5のサブフレームでは、SCHが送信されるため、MBSFNエリア1のスクランブリングコードやリファレンスシグナル(RS)が用いられるよう構成される。従って、覆っているMBSFNエリアの#0、#5のサブフレームにDPCHを設け、MBSFNエリア1のスクランブリングコードを乗じて送るようにすることでDRX期間を除く全ての無線フレームにDPCHを設けることが可能となる。従って、(SFNmax-ΣDRX)はそのまま用い、Ksfを2(#0,#5のサブフレームに対応)にすれば良い。覆っているMBSFNエリア(エリア4)において覆われているMBSFNエリア(例えばエリア1)のスクランブリングコードが乗じられるサブフレームがない場合は、DRX期間を除く全無線フレームで同じページング信号を送信することは不可能となる。従って、MBSFNエリア1もしくはMBSFNエリア4のみのMBSFNサブフレームにDPCHを設け、ページング信号を送信する。この場合は、ひとつのMBSFNエリア上でページング信号を送信する場合と同じように、(SFNmax−ΣDRX)のかわりに、どれかひとつのMBSFNエリアに対応したMBSFNサブフレームを有する無線フレーム数とし、1無線フレーム内のMBSFNサブフレーム数をKsfとすれば良い。
また、上記では、MBSFNエリアに対応したMBSFNサブフレームがTDMされている場合についても本ページング信号の送信方法は適用可能であることを説明したが、この場合にさらにDRX期間が設けられる場合であっても適用可能である。上記のようなページング信号の通知方法、ページング信号をのせるチャネル構成とすることで、MBMS送信専用周波数レイヤにおいてDRX期間が設けられた場合にも、LTEシステムのMBMS送信専用周波数レイヤでMBMS専用セルがページング信号を通知することが可能となるという効果が得ることができる。さらには、DRX期間として、上記でユニキャスト/混合周波数レイヤにおける同期維持や報知情報の取得やセルリセレクションを可能にする用途でDRX期間を設けた場合を述べたが、この用途に限らず、DRX期間が設けられた場合においても本実施の形態で開示したページング信号の通知方法、ページング信号をのせるチャネル構成は適用可能であるため、ユニキャスト/混合周波数レイヤ、MBMS送信専用周波数レイヤ、さらにはその他のシステムの並存、共用を可能とし、移動体通信システムを柔軟に構成、運用できるという効果が得られる。
本実施の形態における移動体通信システムの処理の流れについて説明する。実施の形態2で開示した方法と異なる点を主に示す。まず、MCCH繰り返し期間(MCCH repetition period)等のMCCHのスケジューリングに関する情報やユニキャスト/混合周波数レイヤの測定用のDRX情報に加えて、MBMS受信時間欠受信時用のパラメータ、具体的にはMBMS送信専用周波数レイヤにおける間欠受信周期、MBMS送信専用周波数レイヤにおける間欠受信周期#1、#2、a、k、Ksfが移動端末に通知されなくてはならない。これらの情報は全て通知される必要がなく、使用されるページンググループやページングアケージョン(paging occasion)の算出式に応じて必要なパラメータが通知されれば良い。これらMBMS受信時間欠受信時用のパラメータは、MCCHのスケジューリングに関する情報とともに、ST1723、ST1724でMBMS専用セルからBCCHにて移動端末に通知されるようにしても良い。また、MBMSエリア情報やユニキャスト/混合周波数レイヤのメジャメント用のDRX情報やページンググループ数とともに、ST1728、ST1729でMBMS専用セルからMCCHにて移動端末に通知されるようにしても良い。ここで、ページングアケージョン算出式に必要なパラメータが通知されれば良いとしたが、ページングアケージョンに限らず、移動端末が間欠受信動作の際どのタイミング(SFN)を受信したら良いかを示すパラメータであれば良い。具体例として、明示的な受信タイミング(SFN)、間欠受信周期があげられる。
次に、移動端末における間欠受信準備動作を説明する。図62に本実施の形態における移動端末における間欠受信準備動作処理を示す。図19中のST1735のかわりにST6201が行われる。ST6201にて移動端末は、ステップST1729にて受信したMBMS受信時間欠受信時用のパラメータを用いてMBMS受信時間欠受信準備を行う。具体的には、ステップST1729にて受信したページンググループ数Ksf、MBMS送信専用周波数レイヤにおける間欠受信周期、a、k、DRX情報等を用いて、前述した自移動端末のページンググループとページングアケージョンを算出する。また、ページンググループとページングアケージョンの算出には、移動端末の識別ID(UE-ID,IMSI)を用いる。SFNmaxはシステムとしてあらかじめ決められておけば良く、その値を用いる。
次に、MBMS受信時の間欠受信処理について説明する。図63に本実施の形態におけるMBMS受信時間欠受信処理を示す。ステップST6301にて移動端末は、ステップST6201で行ったページングアケージョン算出結果よりページング信号の受信タイミングかどうか判断する。さらに具体的には自移動端末宛のページングアケージョンのSFN番号であるか否かを判断する。ページングアケージョンのSFN番号でなかった場合、ST6306に移行する。ST6306にて移動端末はST1725にて受信したMCCHのスケジューリングを用いて、MCCH受信タイミングであるか否か判断する。さらに具体的には、MCCHがマッピングされる先頭のSFN番号であるか否かを判断する。具体例としては、ステップST1725にて受信するパラメータ例のMCCH繰り返し期間、スターティングポイント値を用いてMCCHがマッピングされる先頭のSFN番号を求め、BCCHなどにマッピングされるSFNを基にMCCHがマッピングされる先頭であるか否かを判断する。MCCHがマッピングされる先頭のタイミングでなかった場合、ステップST1753へ移行する。MCCHがマッピングされる先頭のタイミングであった場合、ステップST1788へ移行する。ステップST1722は、例えば図26であればMCCH繰り返し期間1ごとに判断するとしても良い。また例えば図27、図29であればMCCH繰り返し期間ごとに判断するとしても良い。ST6301でページングアケージョンのSFN番号であった場合は、ST6302に移行する。
ステップST6307にて当該移動端末へページングが発生する。ステップST6308にてMMEはページングが発生した、当該移動端末の識別子(UE-ID,IMSI,S-TMSIなど)をもとに、当該移動端末のTA(Tracking Area)リストを確認する。ステップST6309にてMMEは、当該移動端末のTAリスト中にTA(MBMS)が含まれているか否か判断する。具体例としては、図31[a]のようなリストにてUE−IDを基に当該移動端末のTAリストを検索する。当該移動端末が図31[a]のUE#1(UE−ID#1)であった場合にはTA(MBMS)は含まれないと判断する。一方当該移動端末が図31[a]のUE#2(UE−ID#2)であった場合には、TA(MBMS)#1が含まれているので、TA(MBMS)は含まれると判断する。TA(MBMS)が含まれていない場合、ステップST1814へ移行する。TA(MBMS)が含まれていた場合、ステップST6310へ移行する。ステップST6310にてMMEはMCEに対してページングリクエスト(Paging Request)を送信する。MMEからページングリクエストを送信するMCEとしては、MMEが管理する基地局と地理的に重なっている基地局を管理する全MCEが考えられる。ページングリクエスト中のパラメータの具体例としては、移動端末の識別子(UE-ID,IMSI,S-TMSIなど)、TA(MBMS)ナンバなどが考えられる。この時、TA(MBMS)ナンバの代わりにf(MBMS)かつMBSFNエリアID、あるいはMBSFNエリアIDとしても良い。
ステップST6311にてMCEはページングリクエストを受信する。ステップST6312にてページングリクエストを受信したMCEのうち、ページングリクエスト中のパラメータとして通知された、TA(MBMS)ナンバと関連付けられたMBSFNエリアIDを制御しているMCEは、ページング送信準備を行う。ページング送信準備の具体例としては、MBMS受信時間欠受信時用のパラメータを用いて当該移動端末のページンググループとページングアケージョン(paging occasion)を算出する。MBMS受信時間欠受信時用のパラメータとして具体的には、自基地局(自MBSFN Area)のページンググループ数Ksf、MBMS送信専用周波数レイヤにおける間欠受信周期、a、k、DRX情報等である。ページンググループとページングアケージョンの算出の際は、移動端末側で用いた算出式と同じ式を用いる。具体的な算出式は前述したのでここでは省略する。上記のように、ページングリクエストを受信したMCE側でTA(MBMS)ナンバ(MBSFN Area)とMCEのくくりつけを管理する方法は、MBSFNエリアIDとそれを制御するMCEとの関係をMBMSサービスのアーキテクチャ内のみで行えるため、つまりMMEと無関係に行えるため、自由度の高い移動体通信システムを構築することが可能になるという効果を得ることが出来る。
またMMEが図31[c]に示すように、TA(MBMS)ナンバと関係するMBSFNエリアIDを管理し、更には図31[d]に示すように、MBSFNエリアIDとそれを制御するMCEの番号を管理する場合を考える。その場合、ステップST6310にてMMEは、TA(MBMS)ナンバと関係するMBSFNエリアIDを管理するMCEのみにページングリクエストを送信する。その時のページングリクエスト中のパラメータの具体例としては、移動端末の識別子などが考えられる。ステップST6311にてページングリクエストを受信したMCEは、上記同様ページング送信準備を行う。上記のように、MME内でMBSFNエリアIDとそれを制御するMCEとの関係を管理する方法(図31[d])は、MMEからMCEへ通知するMCEの数が少なくなるためリソースの有効活用が可能となる効果を得られる。また通知する情報量が少なくなるためにリソースの有効活用が可能となる効果を得られる。
またMMEが図31[c]に示すように、TA(MBMS)ナンバと関係するMBSFNエリアIDを管理し、更に図31[e]に示すように、MBSFNエリアIDとMBSFNエリアIDに含まれるMBMS専用セル、MBMS/ユニキャスト混合セルのセルIDを管理する場合を考える。その場合、ステップST6310にてMMEは、MCEではなくMMEが管理するMBSFNエリアIDに含まれるセルに対して、ページングリクエストを送信する。その時のページングリクエスト中のパラメータの具体例としては、移動端末の識別子などが考えられる。上記のように、MME内でMBSFNエリアIDとMBSFNエリアIDに含まれるセルの関係を管理する方法(図31[e])は、MCEにて移動端末のページング信号送信に関する処理を行わなくてもよくなる。このことは、MCEへの機能追加を行わなくても良くなるのでMCEの複雑性を回避できるという効果を得ることができる。またMCEの処理負荷の低減を図れるという効果を得ることが出来る。
実際にMBMS送信専用周波数レイヤにおけるページング信号をマッピングするチャネル構成例については実施の形態8で開示したページング専用チャネル(DPCH)のチャネル構成およびページング信号をページング信号専用チャネルにマッピングする方法が適用できる。図46、図47、図48にそれらの構成及び方法が示されている。これらの詳細の説明は実施の形態8で開示されているのでここでは省略する。
以降、MBMS送信専用周波数レイヤにおけるページング信号をマッピングするチャネル構成については図46、図47を例にして説明する。ステップST6313にてMCEは、当該移動端末のページング信号のスケジューリングを行う。具体的には、ページングが発生した移動端末の台数に応じて必要となるページング信号用の物理領域(OFDMシンボル数)からPCFICHの値を決定する。また、ステップST6312にて算出した当該移動端末のページンググループ番号とページングアケージョンから得られるSFNナンバのMBSFNサブフレームナンバ上のページング信号用の物理領域にマッピングされる情報要素の何番目に当該移動端末の識別子を割り当てるかを決定する。このスケジューリングをMCEにて行うことによりMBSFNエリア内に含まれる基地局の同じ物理リソースから当該移動端末の識別子が送信されることになる。これにより、移動端末はMBSFNエリアにてマルチセル送信されているDPCHを受信することにより、SFNゲインの恩恵を受けたページング信号が受信可能となるという効果を得ることができる。ステップST6314にてMCEはMBSFNエリア内の基地局に対して当該移動端末に対するページングリクエストを送信する。ページングリクエストに含まれるパラメータの具体例としては、移動端末の識別子(UE-ID、IMSI,S-TMSIなど)、ステップST6313にて行ったページング信号のスケジューリング結果(具体的にはSFN,MBSFNサブフレームナンバ、情報要素ナンバ、PCFICH値)などが考えられる。ステップST6315にてMBSFNエリア内の各基地局はMCEからのページングリクエストを受信する。
MME103とMCE801間にMME―MCE間IFを設ける代わりに、MME103とMBMS GW802(更に詳しくは、MBMS CP802−1)間にMME−MBMS GWインタフェースを設けてもよい。そして、ステップST6311〜ステップST6314までのMCEの処理内容をMBMS GWで行うとしても本発明と同じ効果が得られる。
ステップST6316にてMBSFNエリア内の各基地局は当該移動端末ページンググループとページングアケージョンを算出する。算出の際には、移動端末側で用いた算出式と同じ式を用いる。ステップST6314にて当該移動端末のページンググループとページングアケージョンも通知していれば、ステップST6316は省略可能である。これにより、MBSFNエリア内の各基地局の制御負荷の軽減効果を得ることができる。一方ステップST6314にて当該移動端末のページンググループもしくはページングアケージョンを通知せず、ステップST6316にてMBSFNエリア内の各基地局にてページンググループとページングアケージョンを算出する方法においては、MCEからMBSFNエリア内の各基地局に対する通知情報を軽減可能となり、リソースの有効活用という効果を得ることができる。ステップST6317にてMBSFNエリア内の各基地局は、ステップST6315にて受信した当該移動端末の識別子、ページング信号のスケジューリング結果などを用いて、ページング信号を送信する無線フレームナンバ、MBSFNサブフレームナンバを導出する。ステップST6318にて、導出した無線フレームナンバ、MBSFNサブフレームナンバのPCFICHの物理領域にPCFICH値をマッピングし、かつ、導出した無線フレームナンバ、MBSFNサブフレームナンバのDPCHの物理領域に、当該移動端末の識別子を、当該情報要素ナンバに割り当ててマッピングして送信を行う。その際のDPCH内のページング関連領域へのマッピング方法や、具体的な物理チャネルへのマッピング方法などは実施の形態8で開示した方法を用いることが可能である。
ステップST6302にて移動端末は、ページンググループ算出結果より得た自グループのMBSFNサブフレームのPCFICHを受信する。ステップST6303にて移動端末は、PCFICHより、DPCH用OFDMシンボル数を判定する。ステップST6304にて移動端末は、判定したDPCH用OFDMシンボル数をもとに、同じMBSFNサブフレームのDPCHがのる物理領域を受信しデコードする。その際、移動端末固有の識別コードとの相関演算を行うことによりブラインド検出を行う。ステップST6305にて移動端末は、ステップST6304にて行ったブラインド検出において自移動端末の識別子を検出したか否か判断する。検出しなかった場合はステップST1788へ移行する。検出した場合はステップST1819へ移行する。
これにより、本発明の第一の課題である、MBMS送信専用の周波数レイヤでMBMSサービスを受信している移動端末に対する、ページング信号の通知方法、及びそのための移動体通信システムを開示することができ、これにより、MBMS送信専用の周波数レイヤでMBMSサービスを受信している移動端末においても、ページング信号を受信可能になるという効果を奏する。
本実施の形態に開示したMBMS送信専用周波数レイヤでページング信号を通知する方法とすることにより、ページング信号をのせるMBSFNサブフレーム数やそれを有する無線フレーム数を多くすることができる。このため、ひとつのMBSFNサブフレームにのせる移動端末数を少なくすることが可能となり、ひとつのMBSFNサブフレーム上の該移動端末数のページング信号をのせるのに必要な物理領域は少なくてすむことになる。また、MBMS送信周波数レイヤにおける間欠受信周期をMCCHが送信される周期に依存して決める必要がないため、システムとして柔軟に間欠受信周期を設定することが可能となる。
上記では、ページング信号の通知方法として、ページングアケージョンがDRX期間を除く全ての無線フレームに存在する場合について述べた。ページングアケージョンをDRX期間を除く無線フレームの内、ひとつまたは複数個としても良い。これによって、全無線フレームにページング信号をのせるためのページング専用チャネル(DPCH)を設けておく必要が無くなり、ページング信号をのせない無線フレームではMBMSサービス用のデータを送信することが可能となり、MBMSサービスの高速、大容量化が図れる。ページングアケージョンをDRX期間を除く無線フレームの内、ひとつまたは複数個とする具体的な方法を開示する。ページンググループの算出式は同じように、Kはページンググループ数として、IMSI mod K とする。
Kの値の具体例としては、1無線フレーム中のMBSFNサブフレームの数とする。例えば、1無線フレーム中のMBSFNサブフレーム数が10の場合は、K=10となる。また、1無線フレーム中SCHがマッピングされる#0、#5を除いたMBSFNサブフレーム数とした場合は、K=8である。Kの値(Kでの剰余値)と、無線フレーム中のサブフレームナンバを関係付けておくことで、上記の式で算出されたページンググループの値により無線フレーム中のどのサブフレームに、自移動端末が属するグループのページング情報がマッピングされるかが分かることになる。次に、どの無線フレームに自分が属するグループのページング信号がマッピングされるかを関連付けておく。具体例として算出式は以下のとおりとなる。まずは、DRX期間が無い場合について開示する。
「ページング発生無線フレーム」(Paging Occasion)=(IMSI div K)mod X +n×(MBMS送信周波数レイヤにおける間欠受信周期)、n:0、1、2・・・ただし、Paging Occasion≦SFNの最大値。SFNは0からSFNの最大値までの整数。XはMBMS送信周波数レイヤにおける間欠受信周期内でページングが発生する無線フレームの数で、X≦MBMS送信周波数レイヤにおける間欠受信周期(無線フレーム数)である。なお、Xの値(Xでの剰余値)と、無線フレームナンバ(SFN)を関係付けておく。
こうすることで、ページングが、MBMS送信周波数レイヤにおける間欠受信周期内のX個の無線フレームで発生するようにでき、上記の式で算出されたページングアケージョンの値により、どの無線フレームに自移動端末のページング情報がのるかがわかることとなる。Xの値と関係付けられた無線フレーム以外の無線フレームではページングアケージョンは発生せず、MBMSサービス用のデータを送信させることが可能となる。ページングが発生する無線フレームが、周期的になっている場合は、例えば、該周期をTXとすると次式のようにすれば良い。
「ページング発生無線フレーム」(Paging Occasion)=((IMSI div K)mod(Int(T/TX)))×TX +n×(MBMS送信周波数レイヤにおける間欠受信周期)、n:0、1、2・・・ただし、Paging Occasion≦SFNの最大値。SFNは0からSFNの最大値までの整数。TX≦MBMS送信周波数レイヤにおける間欠受信周期(無線フレーム数)である。
周期的にすることによって、前述したXの値(Xでの剰余値)と無線フレームナンバ(SFN)を関係付けておく必要がなくなるため、算出演算を簡単にすることができる。次にDRX期間がある場合について開示する。「ページング発生無線フレーム」(Paging Occasion)=(IMSI div K)mod X +n×(MBMS送信周波数レイヤにおける間欠受信周期)、n:0、1、2・・・ただし、Paging Occasion≦SFNの最大値。SFNは0からSFNの最大値までの整数。XはMBMS送信周波数レイヤにおける間欠受信周期内でページングが発生する無線フレームの数で、X≦(SFNmax−ΣDRX)。なお、Xの値(Xでの剰余値)と、無線フレームナンバ(SFN)を関係付けておく。
または、「ページング発生無線フレーム」(Paging Occasion)=((IMSI div K)mod(Int(T/TX)))×TX +n×(MBMS送信周波数レイヤにおける間欠受信周期)、n:0、1、2・・・ただし、Paging Occasion≦SFNの最大値。SFNは0からSFNの最大値までの整数。TX≦(SFNmax−ΣDRX)。ただし、ページングアケージョンは、DRXを除く無線フレームをリナンバリングした値とする。
上記のMBMS受信時間欠受信時用のパラメータは使用されるページンググループやページングアケージョン(paging occasion)の算出式に応じて必要なパラメータが通知されれば良い。例えばMBMS受信時間欠受信時用のパラメータとして、上記ページングアケージョンの算出式ではMBMS送信専用周波数レイヤにおける間欠受信周期、X、X値(Xの剰余値)と無線フレームナンバ(SFN)の関係付け、TX、K、K値(Kの剰余値)とサブフレームの関係付け等がある。これらMBMS受信時間欠受信時用のパラメータは、MCCHのスケジューリングに関する情報とともに、ST1723、ST1724でMBMS専用セルからBCCHにて移動端末に通知されるようにしても良い。また、MBMSエリア情報やユニキャスト/混合周波数レイヤのメジャメント用のDRX情報やページンググループ数とともに、ST1728、ST1729でMBMS専用セルからMCCHにて移動端末に通知されるようにしても良い。ここで、ページングアケージョン算出式に必要なパラメータが通知されれば良いとしたが、ページングアケージョンに限らず、移動端末が間欠受信動作の際どのタイミング(SFN)を受信したら良いかを示すパラメータであれば良い。具体例として、明示的な受信タイミング(SFN)、間欠受信周期があげられる。X値(Xの剰余値)と無線フレームナンバ(SFN)の関係付けや、K値(Kの剰余値)とサブフレームの関係付けについては、パラメータとせずに、あらかじめ決められていても良い。例えば、ページング信号をのせるサブフレーム数をKとしたとき、Kの剰余値が0の場合は無線フレーム中のページング信号がのる最初のサブフレーム、Kの剰余値が1の場合はページング信号がのる2番目のサブフレーム、・・・、Kの剰余値がK−1の場合は無線フレーム中のページング信号がのる最後のK番目のサブフレームとする。こうすることによって、シグナリング量を削減することが可能となり、MBMSサービスの伝送容量を増大させることが可能となる。
ページング信号をのせる物理領域については前述したように、実施の形態8で開示した、MBSFNエリア内でマルチセル送信されるページング専用の物理チャネル(DPCH)を設け、該物理チャネル上にページング信号をのせる方法が適用可能である。この場合は、DPCHはMBSFNエリアに対応する全無線フレームに構成される必要は無く、ページングアケージョンが発生する無線フレームに構成されれば良い。また、DPCHは1無線フレーム内の全MBSFNサブフレームに構成されても良いし、KこのMBSFNサブフレームに構成されても良い。これにより、DPCHを構成しない無線フレームではMBMSサービス用のデータを送信することが可能となるため、MBMSサービスの高速化、大容量化が図れる。このようなページング信号の通知方法とすることで、MBMS送信専用周波数レイヤにおいてDRX期間が設けられた場合にも、LTEシステムのMBMS送信専用周波数レイヤでMBMS専用セルがページング信号を通知することが可能となるという効果が得ることができる。本発明におけるページング方法では、ページング後の通信はユニキャストセルで行うため、基地局が送信するページング情報として着信の有無を通知するページングインジケータ(Paging Indicator :PI)のみとしても良い。この場合も、実施の形態8で開示したDPCHの構成を適用することが可能である。
実施の形態12.
実施の形態2では移動端末が受信中もしくは受信しようとしているMBMSサービスを送信するMBSFNエリア内全セルからページング信号を送信する方法について開示した。ここでは、複数のMBSFNエリアを覆うようなMBSFNエリアの存在の有無にかかわらず、移動端末がMBMS専用周波数レイヤにおいてページング信号を受信することを可能とするため、メインPMCHを用いて、ページング信号をMBSFN同期エリア(MBSFN Synchronization Area)内全セルから送信する方法を開示する。説明においては、実施の形態2と異なる部分を中心に説明する。特に説明がない部分については実施の形態2と同様である。
ページング信号をのせる物理チャネルとして、MBSFN同期エリア内の全セルでマルチセル送信されるのに使用されるメインPMCHを用いる。メインPMCHについては実施の形態9で開示した。メインPMCHはMBSFN同期エリア内全セルにて同期がとられるように構成されSFN合成がなされる。これは、MBSFN同期エリア内の全セルが属するひとつのMBSFNエリアが設けられ、該MBSFNエリアに対応するMBSFNサブフレームをメインPMCHとしても良い。ここでは、MBSFNエリア毎に設けられたPMCHとして時分割多重とコード分割多重が混在している場合を例にとって説明する。図49に、MBSFN同期エリア(MBSFN Synchronization area)内でマルチセル送信される物理チャネル(メインPMCH)の構成を示す。セル#n1はMBSFNエリア1内のセル、セル#n2はMBSFNエリア2内のセル、セル#n3はMBSFNエリア3内のセルである。また、セル#n1、セル#n2、セル#n3のセルはMBSFNエリア4内のセルでもある。メインPMCHは、他のMBSFNエリア用のMBSFNサブフレームと時分割多重して設けられ、繰り返し周期メインPMCH繰り返し期間で送信される。具体的な構成については実施の形態9で開示してあるので説明を省略する。
本実施の形態における移動体通信システムの処理の流れについて説明する。ページング信号がMBSFN同期エリア内全セルでマルチセル送信されるメインPMCHにのるため、移動端末に対するページング信号を通知する方法が実施の形態2とは異なる。実施の形態2で開示した方法と異なる点を主に示す。まず、MCCH繰り返し期間等のMCCHのスケジューリングに関する情報に加えて、メインPMCHのスケジューリング情報が移動端末に通知されなくてはならない。メインPMCHのスケジューリング情報として具体的には、メインPMCHのスタートタイミング(SFN、スターティングポイント)、メインPMCH繰り返し期間、サブフレームナンバ、ページング信号有無インジケータ繰り返し期間、MBMS関連変更有無インジケータ繰り返し期間、それらインジケータの存在するMBSFNサブフレームのスタートタイミング(SFN、スターティングポイント)、サブフレームナンバ等である。メインPMCHのスケジューリング情報はMCCHのスケジューリングに関する情報とともに、ST1723、ST1724でDMBMSからBCCHにて移動端末に通知されるようにしても良いし、また、MBMSエリア情報やユニキャスト/混合周波数レイヤのメジャメント用のDRX情報やページンググループ数とともに、ST1728、ST1729でMBMS専用セルからMCCHにて移動端末に通知されるようにしても良い。
メインPMCHにマッピングされるMCH/PCH/メインPCHで使用されるスクランブリングコードはMBSFN同期エリア内でマルチセル送信されるため、サーチしたMBMS専用セルが属するMBSFNエリア(例えばMBSFNエリア1)に対応するスクランブリングコードとは異なる。従って、該スクランブリングコードも移動端末に通知される必要がある。該スクランブリングコードは、メインPMCHのスケジューリング情報と一緒に、ST1723、ST1724でMBMS専用セルからBCCHにて移動端末に通知されるようにしても良いし、また、ST1728、ST1729でMBMS専用セルからMCCHにて移動端末に通知されるようにしても良い。移動端末は、ST1724あるいはST1729で受信したメインPMCHスケジューリング情報をもとにメインPMCHを受信し、ST1724あるいはST1729で受信した該スクランブリングコードを用いてメインPMCHを逆拡散(descramble)して復号化(decode)することが可能となる。該スクランブリングコードはMBSFN同期エリア内全セルで用いられるため、予め決められておいても良いし、または、ST1707、ST1708の受信可能なMBMSに関する報知において、サービングセルから自セル内で受信可能なf(MBMS)と一緒に移動端末に送信されても良い。実施の形態9で説明した、メインPMCHのチャネル構成で用いられるページンググループ数K(Kmpとする)は、実施の形態2と同様に、ST1728、ST1729において、サーチしたMBMS専用セルが属するMBSFNエリア(例えばMBSFNエリア1)のMCCHに含まれてMBMS専用セルから移動端末に送信される。移動端末は該ページンググループ数Kmpを用いて、ST1735でMBMS受信時間欠受信準備としてページンググループの算出を行う。
次に、MBMS送信専用の周波数でのトラッキングエリア(TA)リストについて説明する。メインPMCHはMBSFN同期エリア内全セルでマルチセル送信されるため、移動端末へのページング信号の通知範囲としてMBSFN同期エリア内全てにできる。このため、MBMS送信専用セルのトラッキングエリアをMBSFN同期エリア内全てとすることができる。実施の形態2で、図31[a]に各移動端末のTAリストが示され、図31[b]にユニキャスト/混合周波数レイヤにおけるTA(unicast)と属するセルの対応表を示した。本実施の形態においてもこれらは適用することができる。次に、本実施の形態においては新たにMBMS送信専用の周波数でのトラッキングエリア(TA)とMBMS同期エリアを関連付ける表を設ける。図64に、MBMS送信専用の周波数でのトラッキングエリア(TA)を示す表の具体例を示す。図64[a]にMBSFNエリアIDおよびf(MBMS)番号とそれが属するMBMS同期エリア番号(ID)の表を示す。この表を用いて、MBSFNエリアIDおよびf(MBMS)番号からMBMS同期エリア番号が関係付けられる。図64[b]にMBMS同期エリアIDとTA(MBMS)番号との関係を示す表を示す。これらによって、移動端末が受信しているMBSFNエリアが属するMBMS専用周波数レイヤでのTA(MBMS)番号が関連付けられることになる。
TAリストの管理の詳細を説明する。実施の形態2において、MBMS側の受信状況で開示した方法が適用可能である。図20に示すように、ステップST1742にて移動端末は、ステップST1741にて受信したULアロケーションに従って「MBMS側受信状況通知」をサービングセルへ送信する。「MBMS側受信状況通知」に含まれるパラメータ例としては、移動端末の識別子(UE-ID,IMSI,S-TMSIなど)、MBMSサービスを受信する周波数(f(MBMS))、MBSFNエリア番号(ID)などがある。ステップST1743にてサービングセルは、移動端末からMBMS側受信状況通知を受信する。ステップST1743にてネットワーク側は、MBMS専用セルに上りリンクを追加することなく、つまり移動体通信システムとして複雑性を増すことなく、当該移動端末がMBMS送信専用の周波数レイヤにてMBMSサービスを受信している旨を知ることが出来る。これにより、ネットワーク側が通常のページング信号を通知する構成から、MBMS受信時間欠受信構成へ変更することが可能となる効果を奏する。ステップST1744にてサービングセルは、MBMS側受信状況通知をMMEへ送信する。ステップST1745にてMMEは、MBMS側受信状況通知をサービングセルより受信する。ステップST1746にてMMEは、当該移動端末のMBMS送信専用の周波数でのMBMSサービスを受信中のトラッキングエリア(以降、TA(MBMS)と称する)を決定する。トラッキングエリアの決定に際しては、MBMS側受信状況通知を基に、更に具体的にはMBMS側受信状況のパラメータを基に、更に具体的にはパラメータ中のf(MBMS)とMBSFNエリア番号を基に決定する。f(MBMS)とMBMS同期エリアが1対1対応である場合は、MBSFNエリア番号を用いなくても良い。具体的には、図64[a]の表中にMBSFNエリアIDを含めない。また、ST1742〜ST1745のMBMS側受信状況のパラメータの中にもMBSFNエリア番号を含めない。こうすることにより、移動端末とサービングセル間およびサービングセル間とMME間のシグナリング量を削減することが可能となり、無線資源の効率化が図れる。
ステップST1747にて当該移動端末のトラッキングエリアリストを更新する。現在の3GPPにおいてユニキャスト/混合周波数レイヤにおいて1つの移動端末に対して、複数のトラッキングエリアを持つことが決定されている(以降、TA(unicast)と称する)。しかし、MBMS専用セルからのあるいはMBMS送信専用の周波数レイヤにおける、移動端末に対するページング信号の送信を行うか否か決定されていない現段階において、複数のトラッキングエリアについてもMBMS専用セル、MBMS送信専用の周波数レイヤなどのことは考慮されていない。ステップST1747では、TA(unicast)または/かつTA(MBMS)を含むTAリストの管理(保存、追加、更新、削除)をする。ステップST1747のTAリストの管理の詳細を説明する。MMEはステップST1745にて受信したf(MBMS)、MBSFNエリアIDを基にMME内で管理しているTA(MBMS)番号を検索する。具体的な検索方法として例えば図64の表を用いる。受信したf(MBMS)、MBSFNエリアIDから、図64[a]を用いて対応するMBMS同期エリア番号(ID)を検索し、図64[b]を用いて対応するTA(MBMS)番号を検索する。次に、当該移動端末のTAリスト中に検索の結果判明したTA(MBMS)が存在するか否か判断する。
存在した場合、現状のTAリストを保存する。存在しなかった場合、当該移動端末のTAリストに前記TA(MBMS)を追加する。ステップST1748にてMMEはMBMS側受信状況通知のAckをサービングセルへ送信する。MBMS側受信状況通知のAckに含まれるパラメータ例としては、当該移動端末のTAリストが考えられる。ステップST1749にてサービングセルはMMEよりMBMS側受信状況通知のAckを受信する。ステップST1750にてサービングセルはMBMS側受信状況通知のAckを移動端末へ送信する。ステップST1751にて移動端末はサービングセルよりMBMS側受信状況通知のAckを受信する。ステップST1752にて移動端末は、周波数変換部1107の設定周波数を変更し、中心周波数をMBMS送信専用の周波数レイヤの周波数(f(MBMS))へ変更することによりMBMS送信専用の周波数レイヤへ移動する。
次に、本実施の形態における当該移動端末へページングが発生した場合の処理について詳細を説明する。ステップST1773にて当該移動端末へページングが発生する。ステップST1774にてMMEはページングが発生した、当該移動端末の識別子(UE-ID,IMSI,S-TMSIなど)を基に、当該移動端末のTAリストを確認する。ステップST1775にてMMEは、当該移動端末のTAリスト中にTA(MBMS)が含まれているか否か判断する。具体例としては、図31[a]のようなリストにてUE−IDを基に当該移動端末のTAリストを検索する。当該移動端末が図31[a]のUE#1(UE-ID#1)であった場合にはTA(MBMS)は含まれないと判断する。一方当該移動端末が図31[a]のUE#2(UE-ID#2)であった場合には、TA(MBMS)#1が含まれているので、TA(MBMS)は含まれると判断する。TA(MBMS)が含まれていない場合、ステップST1814へ移行する。TA(MBMS)が含まれていた場合、ステップST1776へ以降する。ステップST1776にてMMEはMCEに対してページングリクエストを送信する。MMEからページングリクエストを送信するMCEとしては、MMEが管理する基地局と地理的に重なっている基地局を管理する全MCEが考えられる。ページングリクエスト中のパラメータの具体例としては、移動端末の識別子(UE−ID、IMSI、S−TMSIなど)、TA(MBMS)ナンバなどが考えられる。この時、TA(MBMS)ナンバの代わりにf(MBMS)かつMBSFNエリアID、あるいはMBSFN同期エリアIDとしても良い。
ステップST1777にてMCEはページングリクエストを受信する。ステップST1778にてページングリクエストを受信したMCEの内、ページングリクエスト中のパラメータとして通知された、TA(MBMS)ナンバと関連付けられたMBSFN同期エリアID、あるいはf(MBMS)かつMBSFNエリアIDを制御しているMCEは、ページング送信準備を行う。ページング送信準備の具体例としては、メインPMCHで用いられるページンググループ数Kmpと、受信したページングリクエストを用いて当該移動端末のページンググループを算出する。算出の際には、移動端末側で用いた算出式と同じ式を用いる。具体例としてはステップST1735と同様のページンググループ=IMSI mod Kmp を用いる。上記のように、ページングリクエストを受信したMCE側で、例えば図64の表のようなTA(MBMS)ナンバとMCEのくくりつける情報を有し、そのくくりつけを管理する方法は、MBSFN同期エリアID、あるいはf(MBMS)かつMBSFNエリアIDと、それを制御するMCEとの関係をMBMSサービスのアーキテクチャ内のみで行えるため、つまりMMEと無関係に行えるため、自由度の高い移動体通信システムを構築することが可能になるという効果を得ることが出来る。
またMMEが図64に示すように、TA(MBMS)ナンバと関係するf(MBMS)かつMBSFNエリアIDを管理し、更には図65[a]に示すように、f(MBMS)かつMBSFNエリアIDとそれを制御するMCEの番号を管理する場合を考える。その場合、ステップST1776にてMMEは、TA(MBMS)ナンバと関係するf(MBMS)かつMBSFNエリアIDを管理するMCEのみにページングリクエストを送信する。その時のページングリクエスト中のパラメータの具体例としては、移動端末の識別子などが考えられる。図65[a]ではf(MBMS)かつMBSFNエリアIDとそれを制御するMCEの番号の対応表を示したが、f(MBMS)かつMBSFNエリアIDではなく、MBSFN同期エリアIDとそれを制御するMCEの番号の対応表であっても良い。ステップST1778にてページングリクエストを受信したMCEは、上記同様ページング送信準備を行う。上記のように、MME内でf(MBMS)かつMBSFNエリアIDとそれを制御するMCEとの関係を管理する方法は、MMEからMCEへ通知する通知するMCEの数が少なくなるためリソースの有効活用が可能となる効果を得られる。また通知する情報量が少なくなるためにリソースの有効活用が可能となる効果を得られる。
またMMEが図64に示すように、TA(MBMS)ナンバと関係するf(MBMS)かつMBSFNエリアIDを管理し、更に図65[b]に示すように、f(MBMS)かつMBSFNエリアIDと、それに含まれるMBMS専用セルまたは/かつミクスドセルのセルIDを管理する場合を考える。その場合、ステップST1776にてMMEは、MCEではなくMMEが管理するMBSFNエリアIDに含まれるセルに対して、ページングリクエストを送信する。その時のページングリクエスト中のパラメータの具体例としては、移動端末の識別子などが考えられる。この場合も図65[a]と同様に、図65[b]でf(MBMS)かつMBSFNエリアIDではなく、MBSFN同期エリアIDとそれをそれに含まれるMBMS専用セルまたは/かつミクスドセルのセルIDの対応表であっても良い。上記のように、MME内でf(MBMS)かつMBSFNエリアIDとそれに含まれるセルの関係を管理する方法は、MCEにて移動端末のページング信号送信に関する処理を行わなくてもよくなる。このことは、MCEへの機能追加を行わなくても良くなるのでMCEの複雑性を回避できるという効果を得ることができる。またMCEの処理負荷の低減を図れるという効果を得ることが出来る。MBMS送信専用周波数レイヤにおけるページング信号をマッピングするチャネル構成については実施の形態9で開示した方法が適用できるのでここでは説明は省略する。
ステップST1779にてMCEは、当該移動端末のページング信号のスケジューリングを行う。具体的には、ステップST1778にて算出した当該移動端末のページンググループ番号に割り当てられた物理領域にマッピングされる情報要素の何番目に当該移動端末の識別子を割り当てるかを決定する。ここで、実施の形態2で開示した方法と異なり、ページング信号がのる物理領域は、MBSFN同期エリアでマルチセル送信されるメインPMCH用の物理領域である。このスケジューリングを、ST1777で受信したTA(MBMS)と関連付けられたMBSFN同期エリアID、あるいはf(MBMS)かつMBSFNエリアIDを制御しているMCEにて行うことにより、MBSFN同期エリア内に含まれる基地局の同じ物理リソースから当該移動端末の識別子が送信されることになる。これにより、移動端末はMBSFN同期エリアにてマルチセル送信されているメインPMCHを受信することにより、SFNゲインの恩恵を受けたページング信号が受信可能となるという効果を得ることができる。ステップST1780にてMCEはMBSFNエリア内の基地局に対して当該移動端末に対するページングリクエストを送信する。ページングリクエストに含まれるパラメータの具体例としては、移動端末の識別子(UE-ID,IMSI,S-TMSIなど)、ステップST1779にて行ったページング信号のスケジューリング結果(具体的にはメインPMCHのSFN、MBSFNサブフレームナンバ、情報要素ナンバ)などが考えられる。ステップST1781にてMBSFNエリア内の各基地局はMCEからのページングリクエストを受信する。
ステップST1782にてMBSFNエリア内の各基地局は当該移動端末ページンググループを算出する。算出方法の具体例としては、メインPMCHで用いられるページンググループ数Kmpと、受信したページングリクエストを用いて当該移動端末のページンググループを算出する。算出の際には、移動端末側で用いた算出式と同じ式を用いる。具体例としてはステップST1735と同様のページンググループ=IMSI mod Kmpを用いる。ステップST1780にて当該移動端末のページンググループをも通知していれば、ステップST1782は省略可能である。これにより、MBSFNエリア内の各基地局の制御負荷の軽減とう効果を得ることができる。一方ステップST1780にて当該移動端末のページンググループを通知せず、ステップST1782にてMBSFNエリア内の各基地局にてページンググループを算出する方法においては、MCEからMBSFNエリア内の各基地局に対する通知情報を軽減可能となり、リソースの有効活用という効果を得ることができる。ステップST1783にてMBSFNエリア内の各基地局は、ステップST1781にて受信した当該移動端末の識別子、ページング信号のスケジューリング結果、ステップST1782にて算出した当該移動端末のページンググループなどを用いて、PMCHではなく、ページング信号をのせたメインPMCHの送信を行う。その際のメインPMCH内のページング関連領域へのマッピング方法や、具体的な物理チャネルへのマッピング方法などは実施の形態9で説明した方法を用いることが可能である。
ステップST1784にて移動端末は、PMCH内ではなく、メインPMCH内の自移動端末のステップST1735にて算出したページンググループに対応したページング関連の変更有無インジケータを受信する。ステップST1785にて移動端末は、ページング関連の変更有無インジケータの変更の有無を判断する。変更無しの場合は、ステップST1788へ移行する。変更有りの場合は、ステップST1786へ移行する。ステップST1786にて移動端末は、つづけて自ページンググループのページング関連情報がマッピングされる物理領域を受信しデコードする。その際、移動端末固有の識別コードとの相関演算を行うことによりブラインド検出を行う。ステップST1787にて移動端末は、ステップST1786にて行ったブラインド検出において自移動端末の識別子を検出したか否か判断する。検出しなかった場合はステップST1788へ移行する。検出した場合はステップST1814へ移行する。以上のような方法とすることで、複数のMBSFNエリアを覆うようなMBSFNエリアの存在の有無にかかわらず、移動端末がMBMS専用周波数レイヤにおいてページング信号を受信することが可能となる。
本実施の形態において、実施の形態2と同様にMMEからMCEに対してページングリクエストを送信する方法を示した。別の方法として、ページングリクエストをMMEからMCEに対してではなく、MMEからMBMSGWに対して送信するようにしても良い。さらに具体的にはMMEからMBMSGW内のMBMSCPに対して送信するようにしても良い。これはページング信号をのせるチャネルがMBSFN同期エリア内でマルチセル送信されるためである。ページングリクエストを受信したMBMSCPはMCEを介さずに直接eNBへページングリクエストを送信する。この場合、図10で開示した、本発明で用いる移動体通信システムの全体的なアーキテクチャにおいて、MME103とMBMSGW802もしくはMBMSCP802−1間のIFを新たに設けておけば良い。このIFを使用して、上記ページングリクエストをMMEからMBMSGWもしくはMBMSCPへ送信する。ページングリクエストを受信したMBMSGWもしくはMBMSCPはM1のIFを用いてMBSFN同期エリア内の全eNBに対してページングリクエスト信号を送信する。
次に、この場合の当該移動端末へページングが発生した場合の処理について説明する。ステップST1773にて当該移動端末へページングが発生する。ステップST1774にてMMEはページングが発生した、当該移動端末の識別子(UE-ID,IMSI,S-TMSIなど)を基に、当該移動端末のTAリストを確認する。ステップST1775にてMMEは、当該移動端末のTAリスト中にTA(MBMS)が含まれているか否か判断する。TA(MBMS)が含まれていない場合、ステップST1814へ移行する。TA(MBMS)が含まれていた場合、ステップST1776へ以降する。ステップST1776にて、MMEはMCEではなく、MBMSCPに対してページングリクエストを送信する。MMEからページングリクエストを送信するMBMSCPとしては、MMEが管理する基地局から受信可能なMBMS送信専用の周波数レイヤを管理する全MBMSCPが考えられる。ページングリクエスト中のパラメータの具体例としては、移動端末の識別子(UE−ID、IMSI、S−TMSIなど)、TA(MBMS)ナンバなどが考えられる。この時、TA(MBMS)ナンバの代わりにf(MBMS)かつMBSFNエリアID、あるいはMBSFN同期エリアIDとしても良い。ステップST1777にて、MCEではなく、MBMSCPがページングリクエストを受信する。ステップST1778にてページングリクエストを受信したMBMSCPの内、ページングリクエスト中のパラメータとして通知された、TA(MBMS)ナンバと関連付けられたMBSFN同期エリアID、あるいはf(MBMS)かつMBSFNエリアIDを制御しているMBMSCPは、ページング送信準備を行う。ページング送信準備の具体例としては、メインPMCHで用いられるページンググループ数Kmpと、受信したページングリクエストを用いて当該移動端末のページンググループを算出する。算出の際には、移動端末側で用いた算出式と同じ式を用いる。
具体例としてはステップST1735と同様のページンググループ=IMSI mod Kmp を用いる。MBMS送信専用周波数レイヤにおけるページング信号をマッピングするチャネル構成については実施の形態9で開示した方法が適用できるのでここでは説明は省略する。ステップST1779にてMBMSCPは、当該移動端末のページング信号のスケジューリングを行う。具体的には、ステップST1778にて算出した当該移動端末のページンググループ番号に割り当てられた物理領域にマッピングされる情報要素の何番目に当該移動端末の識別子を割り当てるかを決定する。このスケジューリングをMBMSCPにて行うことによりMBSFNエリア内ではなく、MBSFN同期エリア内に含まれる基地局の同じ物理リソースから当該移動端末の識別子が送信されることになる。これにより、移動端末はMBSFN同期エリアにてマルチセル送信されているメインPMCHを受信することにより、SFNゲインの恩恵を受けたページング信号が受信可能となるという効果を得ることができる。ステップST1780にてMBMSCPはMBSFN同期エリア内の基地局に対して当該移動端末に対するページングリクエストを送信する。ページングリクエストに含まれるパラメータの具体例としては、移動端末の識別子(UE-ID,IMSI,S-TMSIなど)、ステップST1779にて行ったページング信号のスケジューリング結果(具体的にはSFN,MBSFNサブフレームナンバ、情報要素ナンバ)などが考えられる。ステップST1781にてMBSFN同期エリア内の各基地局はMBMSCPからのページングリクエストを受信する。
ステップST1782にてMBSFN同期エリア内の各基地局は当該移動端末ページンググループを算出する。算出方法の具体例としては、メインPMCHで用いられるページンググループ数Kmpと、受信したページングリクエストを用いて当該移動端末のページンググループを算出する。算出の際には、移動端末側で用いた算出式と同じ式を用いる。具体例としてはステップST1735と同様の、ページンググループ=IMSI mod Kmpを用いる。ステップST1780にて当該移動端末のページンググループを通知していれば、ステップST1782は省略可能である。これにより、MBSFN同期エリア内の各基地局の制御負荷の軽減等の効果を得ることができる。一方ステップST1780にて当該移動端末のページンググループを通知せず、ステップST1782にてMBSFN同期エリア内の各基地局にてページンググループを算出する方法においては、MBMSCPからMBSFN同期エリア内の各基地局に対する通知情報を軽減可能となり、リソースの有効活用という効果を得ることができる。
ステップST1783にてMBSFN同期エリア内の各基地局は、ステップST1781にて受信した当該移動端末の識別子、ページング信号のスケジューリング結果、ステップST1782にて算出した当該移動端末のページンググループなどを用いて、ページング信号をのせたメインPMCHの送信を行う。その際のメインPMCH内のページング関連領域へのマッピング方法や、具体的な物理チャネルへのマッピング方法などは実施の形態9で説明した方法を用いることが可能である。
ステップST1784にて移動端末は、PMCH内でなく、メインPMCH内の自移動端末のステップST1735にて算出したページンググループに対応したページング関連情報有無インジケータを受信する。ステップST1785にて移動端末は、ページング関連情報有無インジケータによりページング関連情報の有無を判断する。変更無しの場合は、ステップST1788へ移行する。変更有りの場合は、ステップST1786へ移行する。ステップST1786にて移動端末は、つづけて自ページンググループのページング関連情報がマッピングされる物理領域を受信しデコードする。その際、移動端末固有の識別コードとの相関演算を行うことによりブラインド検出を行う。ステップST1787にて移動端末は、ステップST1786にて行ったブラインド検出において自移動端末の識別子を検出したか否か判断する。検出しなかった場合はステップST1788へ移行する。検出した場合はステップST1814へ移行する。
以上のような方法とすることで、複数のMBSFNエリアを覆うようなMBSFNエリアの存在の有無にかかわらず、移動端末がMBMS専用周波数レイヤにおいてページング信号を受信することが可能となる。上記では、MMEとMBMSCPが個別に存在する場合を示したが、MBMSCPがMMEの機能をもっても良い。こうすることで、MME(もしくはEPC)とMBMSGWもしくはMBMSCP間の長距離の物理的IFの敷設が必要なくなるため、システムとして安価に高い安全性で構成でき、さらには、MME(もしくはEPC)とMBMSGWもしくはMBMSCP間の信号の遅延も低減できるため制御遅延、ここではページングの制御遅延を低減することが可能となる。
本実施の形態や実施の形態2のように、MBMS送信専用周波数レイヤでのトラッキングエリアがMBSFN同期エリア や、MBSFNエリアである場合は、MMEにおいてTA(MBMS)番号を導出して各移動端末のTAリストに加える方法を開示したが、TAリストにはこだわらず、各移動端末と該移動端末が受信しているf(MBMS)かつMBSFNエリアIDを直接リスト化しておいても良い。この場合は、ST1774で該当UEのTAリストではなく、該直接リスト化したものを確認すれば良い。また、この場合、ST1776、ST1777においては、TA(MBMS)を送受信するのではなく、f(MBMS)かつMBSFNエリアIDを送受信すればよい。これは、TAがセル単位ではなくMBSFNエリア単位もしくはMBSFN同期エリア単位であるために可能となる。
なお、本実施の形態では、MBSFNエリア毎に設けられたPMCHとして時分割多重とコード分割多重が混在している場合を例にとって説明したが、重複するMBSFNエリアが無く、MBSFNエリア毎に設けられたPMCHとしてTDMの場合やCDMの場合においても適用することは可能である。
これにより、本発明の第一の課題である、MBMS送信専用の周波数レイヤでMBMSサービスを受信している移動端末に対する、ページング信号の通知方法、及びそのための移動体通信システムを開示することができ、これにより、MBMS送信専用の周波数レイヤでMBMSサービスを受信している移動端末においても、ページング信号を受信可能になるという効果を奏する。
本実施の形態に開示したMBMS送信専用周波数レイヤでページング信号を通知する方法とすることにより、移動端末がどのMBSFNエリアのMBMSサービスを受信中もしくは受信しようとしていても同じようにメインPMCHののるMBSFNサブフレームを受信することでページング信号を受信できるので、移動端末が受信するMBSFNエリアを変更してMBMSサービスを受信する場合にも、処理を簡略化できるという効果が生じる。
実施の形態13.
実施の形態2では移動端末が受信中もしくは受信しようとしているMBMSサービスを送信するMBSFNエリア内全セルからページング信号を送信する方法について開示した。また、実施の形態12ではMBSFN同期エリア内全セルからページング信号を送信する方法について開示した。しかし、MBSFNエリアやMBSFN同期エリアは地理的に広大な範囲となることも考えられる。このような場合、移動端末においてSFN合成に寄与しないセルから該移動端末向けのページング信号を送信することは、無線リソースの無駄となりシステム容量の低下を引き起こす。従って、ページング信号を送信するセルを移動端末が存在するセルおよび近傍のセルに限定する必要性が生じてくる。これらの必要性を満たすため、ここでは、移動端末のユニキャスト側のサービングセルと地理的に対応した任意のMBMS専用セルをトラッキングエリアとし、該トラッキングエリアに属する、MBSFNエリア内(もしくはMBSFN同期エリア内)の一部のセルからページング信号を送信する方法について開示する。説明においては、実施の形態2と異なる部分を中心に説明する。特に説明がない部分については実施の形態2と同様である。
ページング信号を送信するセルを移動端末が存在するセルおよび近傍のセルに限定するため、移動端末のユニキャスト側のトラッキングエリアと地理的に対応した、移動端末が受信中もしくは受信しようとしているMBSFNエリア内あるいはMBSFN同期エリア内の、任意のMBMS専用セルをトラッキングエリアとする。MBMS専用周波数レイヤ用基地局の配置として、ユニキャスト/混合周波数レイヤのセルと同じにするよう、基地局の配置位置は共用するが装置(アンテナ等)をMBMS専用周波数レイヤ用とユニキャスト/混合周波数レイヤ用と両方備えるように構成したり、スポット的にMBMSサービスを行うためユニキャスト/混合周波数レイヤのセルのある一部にMBMS専用周波数レイヤ用基地局を配置位置することが考えられる。ユニキャスト側のトラッキングエリアとMBMS専用セルのトラッキングエリアを地理的に対応させるため、前者の場合には、ユニキャスト/混合周波数レイヤでのトラッキングエリア内のセルと同じMBMS専用周波数レイヤ用のセルをトラッキングエリア内のセルとすれば良い。後者の場合には、ユニキャスト/混合周波数レイヤでのトラッキングエリア内に存在するMBMS専用周波数レイヤ用のセルをトラッキングエリア内のセルとすれば良い。図66に一例としてひとつのMBSFNエリア内の任意のMBMS専用セルをトラッキングエリアとした図を示す。MBMS送信専用周波数レイヤのひとつのMBSFNエリア(MBSFNエリア1)内で斜線で示したMBMS専用セル(MBMS送信専用周波数レイヤでのトラッキングエリアTA(MBMS)#1)とそうでないMBMS専用セルを構成する。図では、ユニキャスト/混合周波数レイヤでのトラッキングエリア(TA(unicast)#1)と地理的に対応したTA(MBMS)を構成している。TA(MBMS)#1内のMBMS専用セルからページング信号を送信し、その他のMBMS専用セルではページング信号を送信しない。この場合、同じMBSFNエリア(もしくは同じMBSFN同期エリア内)で、ある移動端末へのページング信号を送信するセルと送信しないセルが生じてしまい、セル間で異なる信号を送信することとなりマルチセル送信ではなくなってしまう。移動端末は受信するセルを選択的に限定できないため、マルチセル送信ではなくなってしまった信号も受信してしまうことになり、受信誤りが引き起こされる。
ページング信号を送信しないセルから送信された異なる信号により、所望のページング信号の受信品質が劣化することになる。特に、ページング信号を送信するセルとページング信号を送信しないセルとの境界付近に存在する移動端末にとっては受信誤りが増大し、ページング信号を受信できなくなるという問題が生じる。これらの問題を解決するためのページング信号用のチャネル構成については実施の形態10で開示した。ここではページング信号用のチャネル構成については実施の形態10で開示した方法を適用する。MBSFNエリア毎に設けられたPMCHとしてコード分割多重している場合を例にとって説明する。図40に、MBSFNエリア毎に設けられたPMCHの構成を示す。セル#n1はMBSFNエリア1内のセル、セル#n2はMBSFNエリア2内のセル、セル#n3はMBSFNエリア3内のセルである。セル#n1のセルではMBSFNエリア1に対応したPMCHが送信され、セル#n2のセルではMBSFNエリア2に対応したPMCHが送信され、同様に、セル#n3のセルではMBSFNエリア3に対応したPMCHが送信される。PMCHは時間的に連続していても良いし、不連続でも良い。不連続の場合はMBSFNエリアに対応したPMCHが送信されるMBSFNフレームクラスタ(MBSFN frame cluster)が繰り返される周期がMBSFNフレームクラスタ繰り返し期間になる。また、連続の場合のMBSFNフレームクラスタ繰り返し期間は0としても良いし、明示しなくても良い。MCCHとMTCHは時間的に分割されてPMCH上にマッピングされても良いし、さらに時間的に分割されてマルチセル送信される物理領域にマッピングされても良い。例えば、MTCHとMCCHが、結果としてマッピングされる物理領域であるMBSFNサブフレームが異なっていても良い。MCCHが繰り返される周期をMCCH繰り返し期間とする。
ページング信号用の物理領域の構成については、図41で開示したような、ページング信号をMCCHとともにPMCHにのせる方法、ページング信号をMCCHの情報要素のひとつとしてPMCHにマッピングする方法、インジケータを用いる方法、移動端末をページンググループ化する方法、また、図45で開示したような、ページング専用チャネルを設けてページング信号をのせる方法、また、図52で開示したような、メインPMCHを設けてページング信号をのせる方法が適用できる。ページング信号をページング信号ののる物理領域にマッピングする場合に、ページング信号を送信するセルとしないセルとでマッピングする方法を変える。例えばMBSFNエリア内に着信がかかっている移動端末に対してページング信号を送信するセルと送信しないセルが存在する場合、具体的には、着信がかかっている移動端末にページング信号を送信するセルでは、基地局は、図53で開示したように、スイッチ2401を用いて該スイッチを端子aに接続する。移動端末へのページング信号に該移動端末固有の識別番号を乗じ、CRC付加を行い、エンコード、レートマッチング等の処理を行う。スイッチ2401が端子aに接続されているので、移動端末毎の上記処理後の情報が、ある情報要素単位に割り当てられる。着信がかかっている移動端末にページング信号を送信しないセルでは、基地局は、図53で開示したように、スイッチ2401を用いて該スイッチを端子bに接続する。移動端末へのページング信号を用いることなく、セル毎のパディング用コードを設け、該パディング用コードがある情報要素単位に割り当てられる。
ここで、ある移動端末に対して割り当てられる情報要素単位の領域は、ページング信号を送信するセルと送信しないセルとで同一とする。これにより基地局は、ページング信号を送信するセルと送信しないセルとで割り当てる情報をスイッチによって簡単に切替え可能とできる。さらに、ある移動端末に対して割り当てられる情報要素単位の領域の大きさを、全ての移動端末で同じにしておくことで、セル毎のパディング用コード長をあらかじめ決めておくことが可能となる。これにより、パディング用コードの埋めこみ制御を簡易に構成することが可能となる。ページング信号を送信しないセルで設けたセル毎のパディング用コードの具体例としては、図54に示したように、例えば、all0、all1とする。こうすることによって、移動端末において受信機に干渉キャンセラなどの干渉除去機能を持つことで、移動端末はページング信号を送信しないセルから送信された“0”もしくは“1”の成分をキャンセルすることができ、ページング信号を送信するセルから送信されたページング信号のみをSFN合成することが可能となる。また、ランダム値としてもよく、この場合、各セル毎でランダムな値を導出し、パディングする。こうすることによって、移動端末において、ページング信号を送信しないセルから送信された信号が異なるランダム信号のためお互いにキャンセルされることになり、ページング信号を送信するセルから送信されたページング信号成分が相対的に強くなるため、相関演算におけるページング信号の受信誤りを低減することが可能となる。従って、MBSFNエリア内で移動端末に対してページング信号を送信するセルと送信しないセルが存在する場合も、ページング信号を受信することが可能となる。さらに詳細なページング信号用のチャネルの構成については実施の形態10で説明しているのでここでは省略する。
次に、MBMS送信専用の周波数でのトラッキングエリア(TA)リストについて説明する。ページング信号を送信するセルを移動端末が存在するセルおよび近傍のセルに限定するため、移動端末のユニキャスト側のサービングセルと地理的に対応した、移動端末が受信中もしくは受信しようとしているMBSFNエリア内あるいはMBSFN同期エリア内の、任意のMBMS専用セルをトラッキングエリア(TA(MBMS))とする。ここでは、移動端末が受信中もしくは受信しようとしているMBSFNエリア内の任意のMBMS専用セルをTAとする方法について説明する。実施の形態2で、図31[a]に各移動端末のTAリストが示され、図31[b]にユニキャスト/混合周波数レイヤにおけるトラッキングエリア(TA(unicast))と属するセルの対応表を示した。本実施の形態においてもこれらは適用することができる。実施の形態2では、図31[c]に示すような、f(MBMS)かつMBSFNエリアIDとTA(MBMS)番号とを関連付ける表を設けて、移動端末が受信中もしくは受信しようとしているf(MBMS)かつMBSFNエリアIDから、MBMS送信専用周波数レイヤでのトラッキングエリアを導出できるようにしている。本実施の形態では、MBSFNエリア内にページング信号を送信するセルと送信しないセルが存在するので、単純にf(MBMS)かつMBSFNエリアIDから、MBMS送信専用周波数レイヤでのトラッキングエリアを対応づけることはできない。この問題を解決するため、ここでは、TA(MBMS)IDとf(MBMS)かつTA(unicast)IDを関連付ける表を設けることとし、さらに、TA(MBMS)IDと、TA(unicast)と地理的に対応したMBMS送信専用セルとを関連付けた表を設けることとする。図67に、TA(MBMS)を示す表の具体例を示す。図67[a]にTA(MBMS)IDとf(MBMS)かつTA(unicast)IDを関連付ける表を、図67[b]にTA(MBMS)IDと、TA(unicast)と地理的に対応したMBMS送信専用セルを関連付ける表を示す。これらの表により、TA(unicast)と地理的に対応したMBMS送信専用セルがTA(MBMS)を用いて特定し、該TA(MBMS)内のセルにページング信号送信を限定することにより、MBSFNエリア内のセルにおいてページング信号を送信するセルと送信しないセルを設けることが可能となる。
TAリストの管理の詳細を説明する。実施の形態2においてMBMS側の受信状況で開示した方法を適用できる。その際に、図20のステップST1746にて、MMEが、当該移動端末のTA(MBMS)を決定する処理において、トラッキングエリアの決定に際しては、TA(unicast)IDとMBMS側受信状況通知内容を基に決定するように変更する。MBMS側受信状況通知内容として更に具体的にはMBMS側受信状況のパラメータを基に、更に具体的にはパラメータ中のf(MBMS)を基に決定するようにすれば良い。また、ステップST1747にて当該移動端末のトラッキングエリアリストの管理において、MMEはステップST1745にて受信したf(MBMS)とST1714からST1716にて決定したTA(unicast)を基にMME内で管理しているTA(MBMS)番号を検索するように変更する。具体的な検索方法として例えば図67[a]の表を用いる。次に、当該移動端末のTAリスト中(図31[a])に検索の結果判明したTA(MBMS)が存在するか否か判断する。存在した場合、現状のTAリストを保存する。存在しなかった場合、当該移動端末のTAリストに前記TA(MBMS)を追加する。上記のように、実施の形態2で開示したMBMS側受信状況通知の処理の一部を変更することで、本実施の形態のTAの管理を行うことが可能となる。
上記の例では、ST1742において、実施の形態2と同じく移動端末が、受信中もしくは受信しようとしているMBSFNエリア番号をサービングセルへ通知し、さらにはST1744にてサービングセルはMMEへ該MBSFNエリア番号を通知するようにした。しかし、本実施の形態にかかる発明においては、TA(MBMS)の管理においてMBSFNエリア番号情報は必要ない。従って、ST1742、ST1744にてMBSFNエリア番号を通知する必要は無く、移動端末とサービングセル間およびサービングセルとMME間のシグナリング量を低減することが可能となる。
次に、本実施の形態における当該移動端末へページングが発生した場合の処理について詳細を説明する。ここでは、ページング信号を送信するセルを移動端末が存在するセルおよび近傍のセルに限定するため、移動端末のユニキャスト側のサービングセルと地理的に対応した、MBSFNエリア内の任意のMBMS専用セルからページング信号を送信する場合について説明する。実施の形態2で開示したMBMS受信時間欠受信の処理において、前述したように、MBMS送信専用周波数レイヤのトラッキングエリア(TA(MBMS))をユニキャスト/混合周波数レイヤのトラッキングエリア(TA(unicast))に関連付けるように構成し、また、ページング信号のマッピング方法をページング信号を送信するセルとしないセルとで異なる情報を割り当てるように変更することで実現する。さらに具体的に説明する。ステップST1773にて当該移動端末へページングが発生する。ステップST1774にてMMEはページングが発生した、当該移動端末の識別子(UE−ID、IMSI、S−TMSIなど)を基に、当該移動端末のTAリストを確認する。ステップST1775にてMMEは、当該移動端末のTAリスト中にTA(MBMS)が含まれているか否か判断する。具体例としては、図31[a]のようなリストにてUE−IDを基に当該移動端末のTAリストを検索する。当該移動端末が図31[a]のUE#1(UE−ID#1)であった場合にはTA(MBMS)は含まれないと判断する。一方当該移動端末が図31[a]のUE#2(UE−ID#2)であった場合には、TA(MBMS)#1が含まれているので、TA(MBMS)は含まれると判断する。TA(MBMS)が含まれていない場合、ステップST1814へ移行する。TA(MBMS)が含まれていた場合、ステップST1776へ移行する。
ステップST1776にてMMEはMCEに対してページングリクエストを送信する。MMEからページングリクエストを送信するMCEとしては、MMEが管理する基地局と地理的に重なっている基地局を管理する全MCEが考えられる。また、MMEにおいて各MBMS送信専用周波数レイヤ(f(MBMS))に対応したひとつまたは複数のMCE情報を有するようにしておき、移動端末から通知されたf(MBMS)をもとに、それと対応したひとつまたは複数のMCEにページングリクエストを送信するようにしても良い。これは実施の形態2においても可能である。ページングリクエスト中のパラメータの具体例としては、移動端末の識別子(UE-ID,IMSI,S-TMSIなど)、TA(MBMS)ナンバなどが考えられる。この時、TA(MBMS)ナンバの代わりにf(MBMS)かつTA(unicast)ナンバとしても良い。ステップST1777にてMCEはページングリクエストを受信する。ステップST1778にてページングリクエストを受信したMCEの内、ページングリクエスト中のパラメータとして通知された、TA(MBMS)ナンバと関連付けられた、あるいはf(MBMS)かつTA(unicast)ナンバと関連付けられたMBMS専用セルを制御しているMCEは、ページング送信準備を行う。ページング送信準備の具体例としては、実施の形態2と同じ方法を適用できる。自基地局(自MBSFNエリア)のページンググループ数KMBMSと受信したページングリクエストを用いて当該移動端末のページンググループを算出する。算出の際には、移動端末側で用いた算出式と同じ式を用いる。具体例としてはステップST1735と同様の、ページンググループ=IMSI mod KMBMS
を用いる。上記のように、ページングリクエストを受信したMCE側でTA(MBMS)ナンバとMBMS専用セルのくくりつけを管理する方法、具体的には、実施の形態2では図31[c]であったが、本実施の形態においてはMCE内に図67[b]に示した関連付け情報を示した表を構成しておき、それを用いて導出する方法は、MBMS専用セルとそれを制御するMCEとの関係をMBMSサービスのアーキテクチャ内のみで行なえるため、つまりMMEと無関係に行えるため、自由度の高い移動体通信システムを構築することが可能になるという効果を得ることが出来る。
ステップST1779にてMCEは、当該移動端末のページング信号のスケジューリングを行う。具体的には、ステップST1778にて算出した当該移動端末のページンググループ番号に割り当てられた物理領域にマッピングされる情報要素の何番目に当該移動端末の識別子を割り当てるかを決定する。このスケジューリングをMCEにて行うことによりMBSFNエリア内に含まれる基地局の同じ物理リソースから当該移動端末の識別子が送信されることになる。これにより、移動端末はMBSFNエリアにてマルチセル送信されているMCCHを受信することにより、SFNゲインの恩恵を受けたページング信号が受信可能となるという効果を得ることができる。ステップST1780にてMCEは該MCEが制御するMBSFNエリア内に含まれるMBMS専用セルの基地局に対して当該移動端末に対するページングリクエストを送信する。ページングリクエストに含まれるパラメータの具体例としては、移動端末の識別子(UE-ID,IMSI,S-TMSIなど)、ステップST1779にて行ったページング信号のスケジューリング結果(具体的にはSFN、MBSFNサブフレームナンバ、情報要素ナンバ)などの実施の形態2で開示した情報に加え、ページング送信可否情報が考えられる。本実施例において新たに設けた、ページング送信可否情報は、各MBMS専用セルがページング信号を送信するかしないかを示す情報である。ページング送信可否情報の具体例としては1ビット(“1”、“0”)とする。ST1780において、MCEは図67[b]の表を用いて表中に存在するMBMS専用セルに対してはページング送信可の情報“1”を送信する。図67[b]の表中に存在しないMBMS専用セルに対してはページング送信否の情報“0”を送信する。ページング送信可否のための情報を設け、MCEから各MBMS専用セルに対して送信することでページング信号を送信するセルと送信しないセルを設けることが可能となる。
ステップST1781にて該MCEが制御するMBSFNエリア内の各基地局は、該MCEからのページングリクエストを受信する。図67[b]で示すTA(MBMS)のMBMS専用セルの基地局はページング信号可を、そうでないMBMS専用セルの基地局はページング信号否を受信する。
MME103とMCE801間にMME―MCE間IFを設ける代わりに、MME103とMBMS GW802(更に詳しくは、MBMSCP802-1)間にMME−MBMS GWインタフェースを設けてもよい。そして、ステップST1776〜ステップST1780までのMCEの処理内容をMBMS GWで行うとしても本発明と同じ効果が得られる。
またMMEが図67[b]に示すように、TA(MBMS)ナンバと関係するMBMS専用セルまたは/かつミクスドセルのセルIDを管理する場合を考える。その場合、ステップST1776にてMMEは、MCEではなくMMEが管理するMBSFNエリア内の各MBMS専用セルに対して、ページングリクエストを送信する。その時のページングリクエスト中のパラメータとして、移動端末の識別子などに加え、前述したページング送信可否情報を有するようにする。MMEは図67[b]に示すTA(MBMS)ナンバに含まれるMBMS専用セルにはページング送信可の情報“1”を、含まれないMBMS専用セルにはページング送信否の情報“0”を送信する。上記のように、MME内でTA(unicast)に加えて、TA(MBMS)ナンバとTA(MBMS)ナンバに含まれるセルの関係を管理する方法(図67)は、MCEにて移動端末へのページング信号を送信するセルと送信しないセルの認識や、その結果によって各セルに対して個別のページング送信可否情報を送信する処理を行わなくてもよくなる。このことは、MCEへの機能追加を行わなくても良くなるのでMCEの複雑性を回避できるという効果を得ることができる。またMCEの処理負荷の低減を図れるという効果を得ることが出来る。
ステップST1782にてMBSFNエリア内の各基地局は当該移動端末ページンググループを算出する。算出方法の具体例としては、実施の形態2と同じ方法を適用できる。自基地局(自MBSFNエリア)のページンググループ数KMBMSと受信したページングリクエストを用いて当該移動端末のページンググループを算出する。算出の際には、移動端末側で用いた算出式と同じ式を用いる。具体例としてはステップST1735と同様の、ページンググループ=IMSI mod KMBMSを用いる。ステップST1780にて当該移動端末のページンググループをも通知していれば、ステップST1782は省略可能である。これにより、MBSFNエリア内の各基地局の制御負荷の軽減効果を得ることができる。一方ステップST1780にて当該移動端末のページンググループを通知せず、ステップST1782にてMBSFNエリア内の各基地局にてページンググループを算出する方法においては、MCEからMBSFNエリア内の各基地局に対する通知情報を軽減可能となり、リソースの有効活用という効果を得ることができる。ステップST1783にてMBSFNエリア内の各基地局は、ステップST1781にて受信した当該移動端末の識別子、ページング信号のスケジューリング結果、ステップST1782にて算出した当該移動端末のページンググループなどを用いて、ページング信号もしくはパディング用コード等をのせて送信を行う。ST1781でページング送信可否情報として送信可の情報“1”を受信したセルはページング信号をPMCH上にのせてMBSFNエリアに対応したMBSFNサブフレームにマッピングして送信する。ST1781でページング送信可否情報として送信否の情報“0”を受信したセルはページング信号ではなくパディング用コードを同じ情報要素ナンバにパディングしてMBSFNエリアに対応したMBSFNサブフレームにマッピングして送信する。PMCH内のページング関連領域へのマッピング方法や、ページング信号をページング信号ののる物理領域にマッピングする場合に、ページング信号を送信するセルとしないセルとでマッピングする方法を変える方法については、実施の形態2および実施の形態10で詳細を説明したのでここでは省略する。
ステップST1784にて移動端末は、ST1783でMBSFNエリア内全セルから送信するページング関連情報有無インジケータを受信する。実施の形態2と同じように、ST1783で各MBMS専用セルは、ST1782で算出した該当の移動端末のページンググループに対応した物理領域にページング関連情報有無インジケータをマッピングしている。従って、移動端末はステップST1735にて同じ式を用いて算出した自移動端末のページンググループに対応した物理領域を受信すれば良い。ページング関連情報有無インジケータの繰返し周期や物理領域はユニキャストサービスのサービングセルの報知情報で通知されても良いし、MBMS専用セルの報知情報で通知されても良いし、あらかじめ決められていても良い。ステップST1785にて移動端末は、ページング関連の変更有無インジケータの変更の有無を判断する。変更無しの場合は、ステップST1788へ移行する。変更有りの場合は、ステップST1786へ移行する。ステップST1786にて移動端末は、つづけて自ページンググループのページング関連情報がマッピングされる物理領域を受信しデコードする。その際、移動端末固有の識別コードとの相関演算を行うことによりブラインド検出を行う。MBSFNサブフレームはMBSFN内でマルチセル送信されているため、移動端末で受信時にページング信号を送信しないセルから送信された信号は雑音となる。しかし、上記に開示したような方法とすることで、移動端末は受信機に干渉キャンセラなどの干渉除去機能を持つことで、ページング信号を送信しないセルから送信されたパディング用コードの成分をキャンセルすることができ、ページング信号を送信するセルから送信されたページング信号のみをSFN合成することが可能となる。パディング用コードがランダム値の場合は移動端末で受信機に干渉キャンセラなどの干渉除去機能を持つ必要が無い。各セルが各セル毎でランダムな値を導出してパディングするため、移動端末において、ページング信号を送信しないセルから送信された信号が異なるランダム信号のためお互いにキャンセルされることになり、ページング信号を送信するセルから送信されたページング信号成分が相対的に強くなるため、相関演算におけるページング信号の受信誤りを低減することが可能となる。ステップST1787にて移動端末は、ステップST1786にて行ったブラインド検出において自移動端末の識別子を検出したか否か判断する。検出しなかった場合はステップST1788へ移行する。検出した場合はステップST1814へ移行する。
以上のような方法とすることで、本発明の第一の課題である、MBMS送信専用の周波数レイヤでMBMSサービスを受信している移動端末に対する、ページング信号の通知方法、及びそのための移動体通信システムを開示することができ、これにより、MBMS送信専用の周波数レイヤでMBMSサービスを受信している移動端末においても、ページング信号を受信可能になるという効果を奏する。さらには、ページング信号を送信するセルと送信しないセルが混在しても移動端末においてページング信号受信時の受信誤差の低減を少なくすることが可能となるため、システムとしてページング信号を送信するセルと送信しないセルを設けることで、ページング信号を送信するエリアを移動端末が存在するセルおよび近傍のセルに限定することが可能となり、無線リソースの無駄を削減することができシステム容量の増大が図れる。
上記の具体例では、MBSFNエリア毎に設けられたPMCHとしてコード分割多重している場合について説明した。コード分割多重だけでなく、MBSFNエリア毎に時分割多重している場合にも適用可能である。
ひとつのMBSFNエリア内の任意のMBMS専用セルによってトラッキングエリア(TA(MBMS))が構成されている場合だけでなく、図68[a]に示すような、複数のMBSFNエリア内の任意のMBMS専用セルによってトラッキングエリア(TA(MBMS))が構成されている場合にも、本実施の形態で開示した方法は適用可能である。この場合、ステップST1778にてページングリクエストを受信したMCEの内、ページングリクエスト中のパラメータとして通知された、TA(MBMS)ナンバと関連付けられた、あるいはf(MBMS)かつTA(unicast)ナンバと関連付けられたMBMS専用セルを制御しているMCEが複数となる。また、この場合、移動端末は、TA(MBMS)内の全てのMBMS専用セルからのページング信号を受信せず、自移動端末が受信中もしくは受信しようとしているひとつまたは複数のMBSFNエリアに属する、TA(MBMS)内のMBMS専用セルからのページング信号を受信する。各MBSFNエリアで用いられるページンググループ数Kは、ST1728で、移動端末が受信中もしくは受信しようとしている各MBSFNエリアに属するMBMS専用セルからMCCHにマッピングされて送信される。移動端末はST1729で該ページンググループ数Kを受信する。
図68[b]に示すような、ひとつのセルが複数のMBSFNエリアに属しており、複数のMBSFNエリア内の任意のMBMS専用セルによってトラッキングエリア(TA(MBMS))が構成されている場合にも、上記の方法は適用可能である。なお、この場合は、ページング信号あるいはパディング用コードをのせるチャネル構成として実施の形態7変形例に開示した方法が適用でき、ページング信号あるいはパディング用コードをPMCH上のページング信号ののる物理領域へマッピングする方法については、実施の形態10で開示した方法が適用できる。
上記の具体例では、移動端末のユニキャスト側のサービングセルと地理的に対応したMBMS送信専用周波数レイヤのトラッキングエリアとするため、TA(MBMS)がMBSFNエリア内の任意のMBMS専用セルによって構成される方法について開示した。このため、本実施の形態で示したページング動作においては、ST1742〜ST1745、ST1776、ST1777にて移動端末が受信中もしくは受信しようとしているMBSFNエリアID情報の送受信を必要としなかった。しかし、ST1742〜ST1745、ST1776、ST1777にて送受信される情報に、上記の具体例で示した情報に加えてさらに該MBSFNエリアIDを含めるようにしても良い。該MBSFNエリアIDを含めた場合、複数のMBSFNエリア内の任意のMBMS専用セルによってトラッキングエリア(TA(MBMS))が構成されている場合や、ひとつのセルが複数のMBSFNエリアに属しており、複数のMBSFNエリア内の任意のMBMS専用セルによってトラッキングエリア(TA(MBMS))が構成されている場合において、さらにページング信号を送信するMBMS専用セルを該MBSFNエリアIDのMBSFNエリアに限定することが可能となる。
ST1777でMBSFNエリアID情報も含めたページングリクエストを受信したMCEは、該MBSFNエリアIDにより、ページングリクエストをMBMS専用セルに送信するかどうかを判断できるようになり、制御が簡易化できる。該MBSFNエリアID内のMBMS専用セルを制御するMCEはMBMS専用セルに送信すると判断し、該MCEのみがST1780でページングリクエストをMBMS専用セルに送信する。ページングリクエストをMBMS専用セルを受信したMBMS専用セルは、ページング送信可否情報をもとに、図67[b]に示すTA(MBMS)ナンバに含まれるMBMS専用セルはページング信号を送信し、含まれないMBMS専用セルはページング信号をではなくパディング用コードを送信する。このような方法とすることで、移動端末が受信中では無くかつ受信しようとしていないMBSFNエリア内のセルはページング信号を送信しなくて良いことになるため、無駄な無線リソースの使用を削減でき、システム容量が増大するという効果が得られる。