本発明は、シールを行うシール材が配置される燃料電池セパレータに関する。
特許文献1,2には、セパレータの角部を面取りして接着材溜まりの空所を形成した燃料電池のシール構造が開示されている。このものによれば、セパレータ間の接着材はセパレータの面方向に沿って流れて接着材溜まりの空所に至る。特許文献3には、燃料電池に使用されるセパレータの外縁部を形成する外端面に開口する流出孔をもつ誘導経路が形成されたセパレータが開示されている。このものによれば、過剰な接着材を誘導経路に誘導し、誘導経路の先端の流出孔からセパレータの外方に流出させる。このものでは、接着材のバリ取り工程が簡素化されるとされている。
特許文献4には、セパレータ間に介在する過剰な接着材を収容する収容部がセパレータの表面に形成されている。このものによれば、過剰な接着材がセパレータの面方向に沿って流れ、収容部に収容される。特許文献5には、ガス流路溝の外側に配置されたシール溝内に接着材を設け、流体圧をガス流路溝に供給し、流体圧によって接着材をセパレータの面方向に沿って移動させてシール必要部分に押しつける技術が開示されている。特許文献6には、セルの組付中に、セパレータの外縁面に治具をあてがい、2枚のセパレータ間の過剰の接着材をセパレータの面方向に沿って流出させると共に、セパレータの外縁面と治具との間の隙間から流出させる燃料電池製造方法および治具が開示されている。このものによれば、接着材流出用の空所がセパレータの厚み方向に貫通するように形成されているものではない。
特開2002−367631号公報(図6〜図8)
特開2006−156176号公報(図7〜図9)
特開2005−317407号公報(図2)
特開2005−317252号公報(図2)
特開2005−216733号公報(図2,図3)
特開2005−216802号公報(図3)
上記した技術によれば、接着材の流出と共に空気等のガスが抜かれると考えられる。しかし産業界では、燃料電池の性能を向上させるべく、接着材等のシール材をセパレータに配置するにあたり、ガスの排出性、接着材等のシール材等の抜き性の更なる向上が要請されている。
本発明は上記した実情に鑑みてなされたものであり、接着材等のシール材をセパレータのシール配置面に配置するにあたり、ガスおよび/またはシール材の一部(過剰部分)の排出性の向上に有利な燃料電池セパレータを提供することを課題とする。
様相1に係る燃料電池セパレータは、活物質または冷媒が流れる流路とシール材が配置されるシール配置面とをもつセパレータにおいて、セパレータは、ガスおよび/または前記シール材の一部を前記セパレータの厚み方向に逃がすための前記セパレータの厚み方向に貫通する逃がし孔を具備する。この場合、ガスおよび/またはシール材の一部(過剰部分)を逃がし孔によりセパレータの厚み方向に逃がすことができる。シール材としては、一般的には、流動性を有する塗布材であるが、場合によっては、所定の形状に成形されたガスケットでも良い。ガスケットとセパレータとの間に残留する空気などのガスを逃がすことができる。シール材としては、隣接するセパレータ間に位置しセパレータに対面するように配置されても良いし、あるいは、プロトン伝導膜または他の要素を介してセパレータに対面して、隣接するセパレータ間をシールするものでも良い。
様相2に係る燃料電池セパレータによれば、上記した様相において、セパレータの外縁面と逃がし孔との間には、セパレータの外縁面と逃がし孔とを遮断して非連通とする強化壁部が設けられている。この場合、セパレータの外縁面側の強度および剛性が確保される。
様相3に係る燃料電池セパレータによれば、上記した様相において、逃がし孔は、セパレータの厚み方向に連通すると共に、セパレータの外縁面に切欠状に開放されている。この場合、ガスの抜け面積が増加する。
様相4に係る燃料電池セパレータによれば、上記した様相において、逃がし孔が形成されている領域には、セパレータおよび/または燃料電池に関する情報を表示する情報表示部が設けられている。この場合、ガスおよび/またはシール材を逃がすための逃がし孔が形成されている領域には情報表示部が設けられている。このため逃がし孔を有効利用することにより、セパレータおよび/または燃料電池に関する情報が表示される。
セパレータの厚み方向にガスおよび/またはシール材の一部を、セパレータの逃がし孔によりセパレータの外部に逃がすことができる。このため空気等のガスの残り、シール材の過剰部分が排出される。従ってセパレータ間におけるシール性が良好に維持される。
セパレータは、活物質または冷媒が流れる流路とシール材が配置されるシール配置面とを備える。活物質としては、水素等の燃料、酸素等の酸化剤が挙げられる。冷媒としては、冷却水等の冷却液、空気等の冷却ガスが挙げられる。セパレータのシール配置面にはシール材が配置される。シール材は互いに隣接するセパレータ同士の境界をシールするものである。この場合、シール材は、セパレータ間を直接的にシールしても良いし、あるいは、プロトン伝導膜あるいは他の要素を介してセパレータ間をシールしても良い。シール材としては、シール機能を有すれば良い。しかしシール材としては、シール機能の他に、セパレータ同士を接着させる接着機能を有していても良いし、隣接するセパレータ同士の電気絶縁性を高める電気絶縁機能を有していても良い。
セパレータの材質としては、特に限定されず、金属系、炭素系、樹脂系、セラミックス系、炭素−樹脂混合系、金属−樹脂混合系、セラミックス−樹脂系が例示される。ガスおよび/またはシール材をセパレータの厚み方向に逃がすための前記セパレータの厚み方向に貫通する逃がし孔がセパレータに形成されている。これによりシール材を介してセパレータ同士を積層させるとき、ガスおよび/またはシール材の過剰部分をセパレータの厚み方向に逃がすことができる。
セパレータは、厚み方向に貫通する酸化剤流入孔、厚み方向に貫通する酸化剤流出孔、厚み方向に貫通する燃料流入孔、厚み方向に貫通する燃料流出孔とを備えており、逃がし孔は、酸化剤流入孔、酸化剤流出孔、燃料流入孔および燃料流出孔に対して独立した位置に設けられている形態が例示される。
逃がし孔は、セパレータの厚み方向に連通すると共に、セパレータの外縁面に非開放である形態が例示される。この場合、セパレータの外縁面の強度、剛性が確保される。セパレータの外縁面と逃がし孔との間には、セパレータの外縁面と逃がし孔とを遮断して非連通とする強化壁部が設けられている形態が例示される。この場合、強化壁部によりセパレータの外縁面の強度および剛性が確保される。逃がし孔は、セパレータの厚み方向に連通すると共に、セパレータの外縁面に切欠状に開放されている形態が例示される。この場合、逃がし孔の開口面積が確保される。
セパレータにこれを貫通する酸化剤入口孔が形成されている場合には、酸化剤入口孔の投影面積を100と相対表示すると、逃がし孔の投影面積は100〜1の範囲内、70〜2の範囲内、50〜5の範囲内が例示される。但しこれに限定されるものではない。また、逃がし孔としてはセパレータの厚み方向にピンホール状に貫通している形態が例示される。ピンホール状の逃がし孔をセパレータにおいて単数あるいは多数分散させて形成することができる。この場合、ピンホールの径は径小であるため、セパレータの強度および剛性が確保される。ピンホールの径は5ミリメートル以下、3ミリメートル以下、1ミリメートル以下が例示される。
更に、逃がし孔が形成されている領域には、セパレータおよび/または燃料電池に関する情報を表示する情報表示部が設けられている形態が例示される。情報表示部は、セパレータや燃料電池に関する情報を表示するものである。具体的には、生産者情報(生産地、生産者、生産日等)、販売者情報(販売地、販売者、販売日等)、製品情報(型式、材質、仕様、商品名等、製造過程情報)が例示される。情報表示部は、光学的特性、磁気的特性、視覚的特性、凹および/または凸による凹凸特性のうちの少なくともひとつによる情報表示部である。光学的特性は、光吸収性および/または光反射性に基づく識別性である。磁気的特性は磁極、磁束密度等による識別性である。視覚的特性は人の肉眼による識別性である。識別情報表示部としては、文字、数字、記号、模様等が例示される。バーコード、QRコードが例示される。情報表示部の形成手段としては、印刷、機械的刻印、切削加工、レーザビーム(高エネルギ密度ビーム)の照射、インクジェット、熱による刻印、インクスタンプ、エッチング等が挙げられ、これらのうちの少なくとも一つが採用される。印刷は、凸版印刷、オフセット印刷、活字等を***させる***印刷、発泡印刷等の公知の印刷方法が例示される。情報表示部は、逃がし孔が形成される領域に設けられている場合には、セパレータが摩耗したとしても、情報表示部の摩耗が抑制される。故に、長期にわたって情報表示部はその機能を発揮することができる。燃料電池は、高分子電解質形燃料電池であっても良いし、リン酸形燃料電池でも良いし、固体酸化物形燃料電池であっても良い。プロトン伝導膜としては高分子型膜または酸化物型膜が例示される。
以下、図1〜図4を参照して本発明の実施例1を説明する。図1は燃料電池構成部品として機能するセパレータ1の概念を示す平面図である。図2はセパレータ1と積層される他のセパレータ1Bの概念を示す平面図である。図3はセパレータ1および他のセパレータ1Bを接着する過程を模式的に示す断面図である。図1および図2に示すように、セパレータ1,1Bを構成するセパレータ本体10は、炭素系、金属系、樹脂系、炭素−樹脂系のいずれでも良い。炭素系は、黒鉛等の炭素系材料を固めたものが例示される。金属系は、ステンレス鋼、金属間化合物が例示される。樹脂系は射出成形品、圧縮成形品等が例示される。炭素−樹脂系は、樹脂をバインダとして炭素系材料を固めたものが例示される。
セパレータ1,1Bは、後述する逃がし孔3(空所)を除いて基本的には同一形状、同一材質である。従って以下、セパレータ1について説明する。セパレータ1を構成するセパレータ本体10は、ほぼ四角の平板形状をなしている。セパレータ本体10は、セパレータ本体10の2次元的な面方向に沿った複数(2個)の表面11と、セパレータ本体10の輪郭形状を規定する複数(4個)の外縁面15とをもつ。外縁面15はセパレータ本体10の厚み方向に沿っている。セパレータ1のセパレータ本体10の表面11には、貫通窓状の酸化剤入口孔20、貫通窓状の酸化剤出口孔21、貫通窓状の燃料入口孔22、貫通窓状の燃料出口孔23、貫通窓状の冷媒入口孔24、貫通窓状の冷媒出口孔25が流路として形成されている。なお、酸化剤入口孔20、酸化剤出口孔21、燃料入口孔22、燃料出口孔23、冷媒入口孔24、冷媒出口孔25の位置は、図1および図2に示す形態に限定されるものではなく、適宜選択される。
更に、セパレータ1の一方の表面11には、凹状をなす一方の表面流路17が流路として形成されている。セパレータ1の他方の表面11(裏面)には、凹状をなす他方の表面流路18が流路として形成されている。一方の表面流路17および他方の表面流路18は、セパレータ1において表裏の関係とされている。表面11において、表面流路17,18の底面にはシール材は塗布されない。
表面流路17の内縁部17xで包囲される部分には、流れる活物質または冷媒(水)に対応する所定のパターンをもつ案内溝が形成されている。表面流路18の内縁部18xで包囲される部分には、流れる活物質または冷媒(水)に対応する所定のパターンをもつ案内溝(図4参照)が形成されている。スタックでは、セパレータ1,1Bは複数種類用意されている。即ち、一方の表面流路17及び他方の表面流路18の関係としては、次の(1)〜(3)形態が例示される。
(1)表面流路17および表面流路18のうちいずれかが燃料流路であり、残りが酸化剤流路である。
(2)表面流路17および表面流路18のうちいずれかが燃料流路であり、残りが冷媒流路である。冷媒としては冷却水が例示される。
(3)表面流路17および表面流路18のうちいずれかが酸化剤流路であり、残りが冷媒流路である。
図1に示すように、セパレータ1のセパレータ本体10は、セパレータ本体10の面方向に沿った平坦な表面11をもつ。表面11は、セパレータ1の組付時に別のセパレータ1B(他の部材)の表面11と接触する部位であり、凹状の表面流路17,18の底面を含まない。表面11において、前記した酸化剤入口孔20、酸化剤出口孔21、燃料入口孔22、燃料出口孔23、冷媒入口孔24、冷媒出口孔25、表面流路17,18以外の部分は、接着面16(シール材配置面)とされている。流動性をもつ接着材8aが接着面16に塗布配置され、相手側のセパレータに接着される。ここで、酸化剤入口孔20、酸化剤出口孔21、燃料入口孔22、燃料出口孔23、冷媒入口孔24、冷媒出口孔25、表面流路17,18には、接着材8aは塗布されない。なお、セパレータ1において、接着面16は比較的に投影面積が大きいため、接着材の消費量が多く、接着材コストも無視できない。
本実施例によれば、図1に示すように、セパレータ1には、逃がし孔となる逃がし孔3が複数個(2個)形成されている。逃がし孔3は、セパレータ1において表面流路17,18の外側に形成されている。つまり、逃がし孔3は、セパレータ1の外縁面15と表面流路17,表面流路18の縁部17x,18xとの間に位置している。具体的には、一方の逃がし孔3は、燃料入口孔22と冷媒入口孔24との間に配置されている。他方の逃がし孔3は、燃料出口孔23と冷媒出口孔25との間に配置されている。但し、逃がし孔3の位置はこれに限定されるものではない。また、逃がし孔3の数は単数としても良い。
逃がし孔3はセパレータ1の厚み方向(図3の矢印t方向)に貫通する開口窓形状とされている。逃がし孔3は内壁面34をもつ。セパレータ1が成形型で形成される場合には、逃がし孔3は一般的にはセパレータ1を成形型で形成するときに同時に形成される。但し、場合によっては、セパレータ1に対して切削加工、レーザビームに代表される高エネルギビーム加工等で後処理で形成しても良い。
次に、セパレータ組100を組付ける工程について説明する。上記したセパレータ1(図1参照)を用意する。更に別のセパレータ1B(図2参照)を用意する。セパレータ1,1Bには、酸化剤入口孔20、酸化剤出口孔21、燃料入口孔22、燃料出口孔23、冷媒入口孔24、冷媒出口孔25がそれぞれ対応する位置に形成されている。しかし、別のセパレータ1Bには逃がし孔3が形成されていない。
図3(A)に示すように、シール材として機能する流動性をもつ固化可能な接着材8aをセパレータ1の表面11のうち接着面16に塗布する。必要に応じて、図3(A)に示すように、別のセパレータ1Bのうちセパレータ1に対面する表面11の接着面16にも接着材8aを塗布する。接着材8aは、セパレータ1,1B間におけるシール性、接着性および電気絶縁性を図る機能をもつ。ここで、接着材8aは、基本的には、逃がし孔3、酸化剤入口孔20、酸化剤出口孔21、燃料入口孔22、燃料出口孔23、冷媒入口孔24、冷媒出口孔25、表面流路17,18には塗布されない。
その後、セパレータ1,1Bの間に膜電極接合体を配置し、その状態で、セパレータ1の表面11(接着面16)と別のセパレータ1Bの表面11(接着面16)とを互いに対面させて、両者を密着させる。これにより図3(B)に示すように、セパレータ1と別のセパレータ1Bとは、接着材層8により接着されて一体化される。これにより2枚1組のセパレータ組100が形成される。
図4は上記したように形成した2枚1組のセパレータ組100の要部の概念の断面を模式的に示す。セパレータ組100では、セパレータ1,1B間に膜電極接合体6が挟持されて保持されている。膜電極接合体6は、多孔質性および導電性をもつ燃料極60と、プロトン伝導性をもつ固体高分子型のプロトン伝導膜63と、多孔質性および導電性をもつ酸化剤極64とを厚み方向に順に積層して形成されている。燃料極60は、カーボン繊維等の導電繊維の集積体を撥水性をもつバインダで固めた燃料側ガス拡散層61と、プロトン伝導膜63に対面する燃料側触媒層62とで形成されている。酸化剤極64は、カーボン繊維等の導電繊維の集積体を撥水性をもつバインダで固めた酸化剤側ガス拡散層66と、プロトン伝導膜63に対面する酸化剤側触媒層65とで形成されている。プロトン伝導膜63としては、炭化フッ素系のポリマー(例えばパーフルオロスルホン酸樹脂)で形成しても良いし、炭化水素系のポリマーで形成しても良い。
図4に示すように、プロトン伝導膜63の外縁63wは、燃料側ガス拡散層61の外縁、燃料側触媒層62の外縁、酸化剤側触媒層65の外縁、酸化剤側ガス拡散層66の外縁よりも、面方向に沿った外方に突出している。外縁63wは接着材層8で固定されている。燃料側ガス拡散層61および酸化剤側ガス拡散層66は、カーボン繊維等の導電性繊維の集積体でペーパー状またはクロス状に形成されている。導電性繊維は、撥水性をもつフッ素樹脂等のバインダで互いに接合されている。
本実施例によれば、逃がし孔3は、セパレータ1にこれの厚み方向に沿って(矢印t方向)形成されている。従って、セパレータ組100の組付工程の際に、接着材8aに入り込んだ空気等のガスを逃がし孔3からセパレータ1の厚み方向(矢印t方向)に沿って矢印A1方向にセパレータ1の外部に逃がすことができる。同様に、未硬化の接着材8aを逃がし孔3からセパレータ1の厚み方向に沿って矢印A1方向にセパレータ1の外部に逃がすことができる。この結果、接着材層8におけるガス溜まりが抑制され、接着材層8におけるシールラインの途切れ、接着ラインの途切れが抑制され、セパレータ組100の高品質化に有利である。
本実施例によれば、図1に示すように、逃がし孔3は、セパレータ1において余っているスペース(デッドスペース)を有効利用すべく、余っているスペースに形成されている。ここで、余っているスペースとは、セパレータ1において、酸化剤入口孔20、酸化剤出口孔21、燃料入口孔22、燃料出口孔23、冷媒入口孔24、冷媒出口孔25、表面流路17,18が形成されていない領域を意味する。このように逃がし孔3は、セパレータ1のうち、酸化剤入口孔20、酸化剤出口孔21、燃料入口孔22、燃料出口孔23、冷媒入口孔24、冷媒出口孔25、表面流路17,18に対面していない領域に、接着材層8は形成されている。
セパレータ1,1Bを接着材層8で接着させるとき、ガスや過剰の接着材8aは、セパレータ1,1Bの合わせ面において、酸化剤入口孔20、酸化剤出口孔21、燃料入口孔22、燃料出口孔23、冷媒入口孔24、冷媒出口孔25から排出できるため、逃がし孔3を形成せずとも別段の支障はない。しかしながら酸化剤入口孔20、酸化剤出口孔21、燃料入口孔22、燃料出口孔23、冷媒入口孔24、冷媒出口孔25が形成されていないデッドスペースの領域では、前記したガスの抜けや過剰の接着材8aの抜けが期待できないため、逃がし孔3を形成することは有意義である。
ここで、セパレータ1のうち逃がし孔3、酸化剤入口孔20、酸化剤出口孔21、燃料入口孔22、燃料出口孔23、冷媒入口孔24、冷媒出口孔25といった空間に対面する領域には、接着材層8は形成されていないので、接着材層8を構成する接着材8aの塗布量が低減され、コスト低減に有利となる。本実施例によれば、逃がし孔3は開口窓形状をなしており、その投影サイズはLA×LB(図1参照)であり、酸化剤入口孔20の投影面積を100として相対表示すると、逃がし孔3の投影面積は40〜10程度であり、比較的大きい。このような比較的大きめの逃がし孔3が形成されているため、セパレータ1の軽量化、セパレータ1の材料節減に有利である。そればかりか、セパレータ1に塗布される接着材8aの塗布量もかなり低減され、生産コスト低減に大いに有利となる。殊に、燃料電池スタックを構成するにあたり、セパレータ組100は多数枚厚み方向に積層されるため、接着材8aの塗布量の低減は、コスト低減に有利となる。
本実施例によれば、図1に示すように、逃がし孔3は、セパレータ本体10の厚み方向(矢印t方向)に連通すると共に、セパレータ本体10の外縁面15に非開放である。換言すると、セパレータ本体10の外縁面15と逃がし孔3との間には、セパレータ本体10の外縁面15と逃がし孔3とを遮断して非連通とする強化壁部27が設けられている。このためセパレータ本体10の外縁面15側における強度および剛性を確保するのに有利である。
更に本実施例によれば、セパレータ1において表面流路17,18と逃がし孔3との間には壁部28が形成されている。また燃料電池の発電時において、表面流路17,18における活物質等が逃がし孔3に逃げることは、壁部28により抑えられている。なお、接着面16に塗布されたシール材が表面流路17,18に流入しないように流入防止用の堰や流入防止用の溝を設けることができる。
なお図4に示すように、セパレータ1,1B間に、逃がし孔3に対面するように接着材8aが塗布されず、接着材層8が配置されていない領域M1が存在する。この領域M1において、電気絶縁性が高いシート状の絶縁部材48を貼り付け等により配置させることもできる。この場合、セパレータ1と別のセパレータ1Bとの電気絶縁性を一層高めたい場合に有利である。
図5は実施例2を示す。本実施例は実施例1と基本的には同様の構成であり、同様の作用効果を有する。図5に示すように、一方の逃がし孔3Bは、橋架状をなす仕切壁部29で外側の第1逃がし孔3fと内側の第2逃がし孔3sとに分割されている。他方の逃がし孔3Cは、セパレータ1の厚み方向に貫通する複数のスリットで形成されている。スリット間には仕切壁部29cが形成されている。仕切壁部29,29cにより逃がし孔3B,3C付近は補強されている。この場合、仕切壁部29,29cにより逃がし孔3B,3C付近が補強されるため、セパレータ1の厚みが薄い場合に適する。
図6は実施例3を示す。本実施例は実施例1と基本的には同様の構成であり、同様の作用効果を有する。図6に示すように、別のセパレータ1Bの表面11のうち、セパレータ1の逃がし孔3に対面する領域には、情報表示部4が設けられている。情報表示部4は、セパレータ組100または燃料電池に関する情報を表示するものである。具体的には、生産者情報(生産地、生産者、生産日等)、販売者情報(販売地、販売者、販売日等)、製品情報(型式、原材料、仕様、商品名等、製造過程)が例示される。情報表示部4の形成手段としては、印刷、機械的刻印、切削加工、レーザビームの照射、インクジェット、熱による刻印、インクスタンプ、エッチング等のうちの少なくとも一つが挙げられる。
情報表示部4は、セパレータ1とセパレータ1Bとを接着する前に形成しても良いし、あるいは、セパレータ1とセパレータ1Bとを接着した後に形成しても良い。情報表示部4が接着工程前に形成されるときであっても、逃がし孔3への接着材8aの漏れは少ないため、情報表示部4の表示機能が損なわれることが抑制される。情報表示部4はセパレータ1の逃がし孔3の内部に形成されているため、情報表示部4と他の部材との接触、衝突が抑制される。よって、情報表示部4の摩耗が抑制される。酸化剤入口孔20の投影面積を100として相対表示すると、逃がし孔3の投影面積は40〜10程度であり、比較的大きい。このように逃がし孔3の投影面積は比較的大きいため、情報表示部4を設ける表示スペースが確保され、表示する情報量を増加させることができる。
図7は実施例4を示す。本実施例は実施例1と基本的には同様の構成であり、同様の作用効果を有する。図7に示すように、別のセパレータ1Bのうちセパレータ1の逃がし孔3に対面する領域には、接着材層8の接着材部分82が配置されている。接着材層8は高い電気絶縁性をもつ。このため逃がし孔3においてセパレータ1の母材と別のセパレータ1Bの母材とが直接的に対面することが接着材部分82により抑えられる。故に、逃がし孔3においてセパレータ2と別のセパレータB1との電気絶縁性を高めたい場合に有利である。
図8は実施例5を示す。本実施例は実施例1と基本的には同様の構成であり、同様の作用効果を有する。図8に示すように、セパレータ1のうち、酸化剤入口孔20、酸化剤出口孔21、燃料入口孔22、燃料出口孔23、冷媒入口孔24、冷媒出口孔25、表面流路17,18が形成されていない領域において、セパレータ1を厚み方向に貫通する微小なピンホール状をなす逃がし孔3Dが複数個形成されている。この場合、セパレータ1の強度を確保しつつ、空気等のガスをセパレータ1の外部に逃がすのに有利である。このようにセパレータ1の強度が確保されるため、セパレータ1が薄肉の場合に適する。セパレータ1の接着面16において、ガスが溜まり易い部位が認められたときには、先端が尖った針部材等をセパレータ1の厚み方向に貫通させることができる。この場合、ピンホール状をなす逃がし孔3Dが形成される。
図9は実施例6を示す。本実施例は実施例1と基本的には同様の構成であり、同様の作用効果を有する。図9に示すように、逃がし孔3をもつ二枚のセパレータ1同士が接着材層8が接着されることにより、セパレータ組100Eが形成されている。この場合においても、接着工程の際に、接着材8aに入り込んだガス、過剰の接着材8aを逃がし孔3からセパレータ1の厚み方向に沿って矢印A1方向にセパレータ1の外部に逃がすことができる。この結果、接着材層8におけるシールラインの途切れ、接着ラインの途切れが抑制され、セパレータ組100Eの高品質化に有利である。
図10は実施例7を示す。本実施例は実施例1と基本的には同様の構成であり、同様の作用効果を有する。図10に示すように、逃がし孔3をもつ二枚のセパレータ1の間に、逃がし孔3を有しない別のセパレータ1Bを配置する。これにより各セパレータ1,1Bが接着材層8で接着されることにより、セパレータ組100Fが形成されている。ここで、一方のセパレータ1の表面11とセパレータ1Bの表面11との間に、一方の接着材層8Bが配置されている。他方のセパレータ1の表面11とセパレータ1Bの表面11との間に、他方の接着材層8Cが配置されている。この場合においても、接着工程の際に、接着材8aに入り込んだガス、過剰の接着材8aを逃がし孔3からセパレータ1の厚み方向に沿って矢印A1方向にセパレータ1の外部に逃がすことができる。この結果、接着材層8B,8Cにおけるシールラインの途切れ、接着ラインの途切れが抑制され、セパレータ組100Fの高品質化に有利である。
図11は実施例8を示す。本実施例は実施例1と基本的には同様の構成であり、同様の作用効果を有する。図11に示すように、別のセパレータ1Bの表面11のうち、セパレータ1の逃がし孔3に対面する領域には、情報表示部4が設けられている。情報表示部4はセパレータ1の逃がし孔3の内部に形成されているため、情報表示部4と他の部材との接触、衝突が抑制され、情報表示部4の摩耗が抑制される。図11に示すように、情報表示部4は別のセパレータ1Bの厚み方向の両側に設けられているため、表示される情報量が増加する。
図12は実施例9を示す。本実施例は実施例1と基本的には同様の構成であり、同様の作用効果を有する。図12に示すように、逃がし孔3が形成されていない別のセパレータ1Bの表面11に接着材8aを塗布させる。必要に応じて、逃がし孔3をもつセパレータ1の表面11に接着材8aを塗布しても良い。二枚のセパレータ1と、その間に配置されている別のセパレータ1Bとを接着させて一体化させる。これにより3枚1組のセパレータ組100Fが形成される。別のセパレータ1Bのうちセパレータ1の逃がし孔3に対面する領域には、高い電気絶縁性をもつ接着材層8B,8Cの接着材部分82が配置されている。このためセパレータ1と別のセパレータ1Bとの電気絶縁性を高めたい場合に有利である。
図13は実施例10を示す。本実施例は実施例1と基本的には同様の構成であり、同様の作用効果を有する。図13(A)に示すように、セパレータ1,1Bの表面11間には接着材層8が配置されている。接着材層8はプロトン伝導膜63の外縁63wも接着で固定している。しかしセパレータ1,1Bの表面11間に、電気絶縁性が高い接着材層8が配置されていない領域M1が存在する。この領域M1において、電気絶縁性が高いシート状の絶縁部材48が、逃がし孔3に対面するように貼り付け等により保持されて配置されている。このためセパレータ1と別のセパレータ1Bとの電気絶縁性を高めたい場合に有利である。更にガス抜き用の逃がし孔3はピンホール状とされており、セパレータ1の厚み方向に貫通している。
図14および図15(A)(B)は実施例11を示す。図15(A)(B)は図14のW15−W15線に沿った断面を示す。本実施例は実施例1と基本的には同様の構成であり、同様の作用効果を有する。図14に示すように、セパレータ1の外縁面15には逃がし孔3Kが形成されている。実施例1と同様に、逃がし孔3Kはデッドスペースに形成されている。図15(A)(B)に示すように、逃がし孔3Kは、セパレータ本体10の厚み方向(矢印t方向)に貫通して連通する第1開口31fと、セパレータ本体10の外縁面15に開放されている第2開口31sとをもつ。更に、逃がし孔3Kは、互いに対向する一対の対向面33kと、対向面33k同士を繋ぐ底面35kとをもつ。
接着工程の際に、接着材8aに入り込んだガス、過剰の接着材8aを逃がし孔3Kの第1開口31fからセパレータ1の厚み方向に沿って矢印A1方向にセパレータ1の外部に逃がすことができる。更に、接着材8aに入り込んだガス、過剰の接着材8aを逃がし孔3Kの第2開口31sから矢印A2方向にセパレータ1の外部に逃がすことができる。
図15(A)(B)に示すように、別のセパレータ1Bのうちセパレータ1の逃がし孔3Kに対面する領域には、高い電気絶縁性をもつ接着材層8の接着材部分82が配置されている。この場合、接着材部分82によりセパレータ1の母材と別のセパレータ1Bの母材との直接対面が抑えられている。このため、セパレータ1とセパレータ1Bとの電気絶縁性を一層高めたい場合に有利である。
図15(B)に示す形態によれば、セパレータ1の逃がし孔3の底面35kには情報表示部4が設けられている。情報表示部4をセパレータ1の側方から矢印WA方向に視認することができる。情報表示部4はセパレータ1の底面35kに位置しており、逃がし孔3Kの内部に形成されているため、情報表示部4と他の部材との接触、衝突が抑制され、情報表示部4の摩耗が抑制される。
図16および図17(A)(B)は実施例12を示す。図17(A)(B)は図16のW17−W17線に沿った断面を示す。本実施例は実施例1と基本的には同様の構成であり、同様の作用効果を有する。図16に示すように、セパレータ1の外縁面15には段付きの逃がし孔3Nが形成されている。図15(A)(B)に示すように、逃がし孔3Nは、相対的に大きな空洞をもつ第1逃がし孔3Naと、相対的に小さな空洞をもつ第2逃がし孔3Nbとを備えている。このように逃がし孔3Nは、セパレータ1の厚み方向に貫通する段付き構造とされている。第2逃がし孔3Nbはセパレータ1の表面11に露出しているが、第2逃がし孔3Nbの投影面積は第1逃がし孔3Naの投影面積よりも小さい。
第1逃がし孔3Naは、セパレータ1の外縁面15に開放されている開口31nと、互いに対向する一対の対向面33nと、一対の対向面33n同士を繋ぐ底面35nとを備えている。図17(A)(B)に示すように、第2逃がし孔3Nbは、第1逃がし孔3Naと外部とをセパレータ1の厚み方向(矢印t方向)に沿って貫通させており、セパレータ1の表面11において開放する開口36nをもつ。
接着工程の際に、接着材8aに入り込んだガス、過剰の接着材8aを逃がし孔3Nの開口31nからセパレータ1の外縁面15側へセパレータ1の外部に矢印A4方向に逃がすことができる。更に、接着材8aに入り込んだガス、過剰の接着材8aを逃がし孔3Nの開口36nからセパレータ1の厚み方向(矢印t方向)に沿って矢印A3方向にセパレータ1の外部に逃がすことができる。
図17(B)に示す形態によれば、セパレータ1の逃がし孔3Nのうち大きな空洞側の第第1逃がし孔3Naの底面35nには、情報表示部4が設けられている。ユーザー等は、情報表示部4をセパレータ1の外縁面15の側方から矢印WA方向に視認することができる。情報表示部4はセパレータ1の逃がし孔3Nの内部に形成されているため、情報表示部4と他の部材との接触、衝突が抑制され、情報表示部4の摩耗が抑制される。
図18および図19(A)(B)は実施例13を示す。図18(A)(B)は図18のW19−W19線に沿った断面を示す。本実施例は実施例1と基本的には同様の構成であり、同様の作用効果を有する。図18に示すように、実施例1と同様に、セパレータ1の表面11にはこれを厚み方向に貫通する内壁面34をもつ逃がし孔3が形成されている。更に、セパレータ1の外縁面15に開口する逃がし孔3Rが外縁面15に形成されている。図19(A)(B)に示すように、逃がし孔3Rは、セパレータ本体10の厚み方向(矢印t方向)には貫通しておらず、表面11側に未貫通壁部27rをもつため、外縁面15における強度および剛性が確保される。逃がし孔3Rは、セパレータ1の外縁面15に開放されている開口31rと、互いに対向する一対の対向面33rと、対向面33r同士を繋ぐ底面35rとをもつ。
図19(B)に示す形態によれば、セパレータ1の逃がし孔3Rの底面35rには情報表示部4が設けられている。情報表示部4をセパレータ1の外縁面15の側方から矢印WA方向に視認することができる。情報表示部4はセパレータ1の逃がし孔3Rの内部に形成されているため、情報表示部4と他の部材との接触、衝突が抑制され、情報表示部4の摩耗が抑制される。
上記した実施例によれば、シール材として、セパレータ1,1B間におけるシール性、接着性および電気絶縁性を図る機能を接着材8aが採用されている。しかしこれに限らず、シール材としては、シール性および電気絶縁性を有するものの、必ずしも接着性を有せずとも良い、更に、隣接するセパレータが電気的に導通しても良いセパレータ組の場合には、シール材は、電気絶縁性を備えずとも良い。要するに、シール材は、セパレータ1,1B間におけるシール性を維持するものであれば良い。本発明は上記し且つ図面に示した実施形態および実施例のみに限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施可能である。ある実施例で採用されている特有の構造は、他の実施例にも適用することもできる。即ち、上記した実施例はあくまでも例示であり、実施例特有の構造を、その構造を有しない実施例に適用することもできる。
上記した記載から次の技術的思想も把握される。
(付記項1)活物質または冷媒が流れる流路とシール材が配置されるシール配置面とをもつセパレータにおいて、セパレータは、ガスおよび/またはシール材の一部をセパレータの外部に逃がす逃がし孔を具備しており、逃がし孔は、セパレータの外縁面において、セパレータの厚み方向の一方または双方に貫通する切欠状に開放されている燃料電池セパレータ。この場合、ガスおよび/またはシール材の一部を逃がし孔を介してセパレータの外部に逃がすことができる。
(付記項2)複数のセパレータと、複数のセパレータ間に介在するシール材で形成されたシール層とを備える燃料電池セパレータ組において、複数のセパレータのうち少なくとも一つは、ガスおよび/またはシール材の一部をセパレータの厚み方向に逃がすための前記セパレータの厚み方向に貫通する逃がし孔を具備する燃料電池セパレータ組。シール材はシール性を有するものであればよく、更に、接着性または電気絶縁性を有していても良い。
(付記項3)複数のセパレータと、複数のセパレータ間に介在する電気絶縁性をもつシール材で形成されたシール層とを備える燃料電池セパレータ組において、シール材が配置されていない領域において、電気絶縁性を有する絶縁部材が配置されている燃料電池セパレータ組。セパレータ間の電気絶縁性を高めることができる。シール層は、セパレータ間に直接介在していても良いし、あるいは、プロトン伝導膜などの他の要素を介してセパレータ間に介在していても良い。
本発明は例えば車両用、定置用、電気機器用、電子機器用、携帯用の燃料電池システムに利用することができる。
実施例1に係り、セパレータを模式的に示す平面図である。
実施例1に係り、別のセパレータを模式的に示す平面図である。
実施例1に係り、二枚のセパレータを接着材層により接着した状態の逃がし孔付近を模式的に示す断面図である。
実施例1に係り、二枚のセパレータを接着材層により接着しつつ膜電極接合体をセパレータで挟持した状態の逃がし孔付近を模式的に示す断面図である。
実施例2に係り、セパレータを模式的に示す平面図である。
実施例3に係り、二枚のセパレータを接着材層により接着した状態の逃がし孔付近を模式的に示す断面図である。
実施例4に係り、二枚のセパレータを接着材層により接着した状態の逃がし孔付近を模式的に示す断面図である。
実施例5に係り、セパレータを模式的に示す平面図である。
実施例6に係り、二枚のセパレータを接着材層により接着した状態の逃がし孔付近を模式的に示す断面図である。
実施例7に係り、二枚のセパレータを接着材層により接着した状態の逃がし孔3付近を模式的に示す断面図である。
実施例8に係り、二枚のセパレータを接着材層により接着した状態の逃がし孔付近を模式的に示す断面図である。
実施例9に係り、二枚のセパレータを接着材層により接着した状態の逃がし孔付近を模式的に示す断面図である。
(A)(B)は実施例10に係り、二枚のセパレータを接着材層により接着しつつ膜電極接合体をセパレータで挟持した状態の逃がし孔付近を模式的に示す断面図である。
実施例11に係り、セパレータを模式的に示す平面図である。
(A)(B)は実施例11に係り、二枚のセパレータを接着材層により接着した状態の逃がし孔付近を模式的に示す断面図である。
実施例12に係り、セパレータを模式的に示す平面図である。
(A)(B)は実施例12に係り、二枚のセパレータを接着材層により接着した状態の逃がし孔付近を模式的に示す断面図である。
実施例13に係り、セパレータを模式的に示す平面図である。
(A)(B)は実施例13に係り、二枚のセパレータを接着材層により接着した状態の逃がし孔付近を模式的に示す断面図である。
符号の説明
図中、1,1Bはセパレータ、10はセパレータ本体、11は表面、15は外縁面、16は接着面(シール材配置面)、17,18は表面流路(流路)、20は酸化剤入口孔(流路)、21は酸化剤出口孔(流路)、22は燃料入口孔(流路)、23は燃料出口孔(流路)、24は冷媒入口孔(流路)、25は冷媒出口孔(流路)、27は強化壁部、3は逃がし孔3(空所)、4は接着材層(シール材層)、6は膜電極接合体、60は燃料極、61は燃料側ガス拡散層、62は燃料側触媒層、63はプロトン伝導膜、64は酸化剤極、65は酸化剤側触媒層、66は酸化剤側ガス拡散層、100はセパレータ組を示す。