JP5150966B2 - 非水電解液二次電池用正極およびそれを用いた非水電解液二次電池 - Google Patents

非水電解液二次電池用正極およびそれを用いた非水電解液二次電池 Download PDF

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Description

本発明は、非水電解液二次電池用正極およびそれを用いた非水電解液二次電池に関し、詳細には、高出力でかつ長寿命特性、特に高温におけるサイクル特性を改善したリチウムイオン電池等に用いる非水電解液二次電池用正極およびそれを用いた非水電解液二次電池に関する。
リチウムイオン二次電池は、リチウムをドープ、脱ドープすることができる炭素質材料等やリチウムおよびリチウムと合金を形成する金属材料を活物質とした負極と、リチウムと遷移金属酸化物との複合酸化物を活物質とした正極が用いられており、それぞれ帯状の負極集電体、正極集電体に塗布してセパレータを介して積層したものを、外装材で被覆するか、あるいはこれらを積層したものを渦巻状に巻回した巻回体を電池缶内に収容して電池を製造している。この正極に用いられる正極活物質としては、コバルト酸リチウム、ニッケル酸リチウム、マンガン酸リチウム等のリチウムと遷移金属との複合酸化物が用いられる。
リチウムイオン二次電池等の非水電解液二次電池は、携帯電話、ノート型パソコン、カムコーダ等の電源として広く用いられている。これらの非水電解液二次電池は、従来の鉛蓄電池、アルカリ蓄電池等の水性電解液を用いた二次電池に比べて、体積、あるいは重量容量密度が大きく、しかも高電圧を取り出すことが可能であるので、小型の機器用の電源として広く採用され、今日のモバイル機器の発展に大きく寄与している。
一方、近年では環境問題への意識の高まりからクリーンエネルギー社会への移行、環境技術の確立が注目を集めており、電力貯蔵用途、無停電電源(UPS)用途、移動体向け電源用途などに適した高性能二次電池の早期実現が求められている。リチウムイオン二次電池は前述の高エネルギー密度という特性から、こうした大型電池への展開にも積極的に検討されているものの、適用製品の幅広い普及のためには、現有製品に対するライフサイクルコスト上の優位性が必須であり、単位エネルギーあたりの低価格化が不可欠な要素である。
換言すると、動作電圧の高いリチウムイオン二次電池において、大充放電電流を流すことのできるものが長期間持続して使用することが出来れば、高性能のUPSあるいはハイブリッド自動車(HEV)、電気自動車(EV)の実現、ひいては高度情報化社会、クリーンエネルギー社会の構築に寄与できる。こうした背景から、リチウムイオン二次電池の高容量・高出力化と長寿命化は積極的に検討されている。
高出力化への検討として、電極反応面積の増大を狙い、正極活物質の比表面積を大きくすることが特許文献1、2で提案されている。具体的に比表面積を大きくするということは、平均粒子径を小さくすることである。しかし、平均粒子径の小さい粉末では、目的の出力は得られるものの、反応面積の増大のため、電極表面における含有水分により生成した酸の影響を受けやすく、活物質粒子の出力特性の悪化を引き起こす。また、活物質粒子の遊離による不活性化を抑制するために、集電体へ結着させるためのバインダー量が大量に必要となるため、エネルギー密度低下の原因ともなる。また、集電体に塗布するためのスラリー作製時の溶剤が大量に必要となるため、生産性の悪化に繋がる問題があった。
正極活物質内の粒子径を制御する技術として、正極活物質の粒度分布に二つのピークを持つ粉体を用いることが特許文献3で提案されている。しかし、この場合、電極表面に存在する粒径の小さい粒子が、含有水分により生成した酸の影響を受けやすく、また、活物質粒子の遊離による不活性化により、寿命性能はある程度望めるが、出力特性が著しく劣化してしまう恐れがあった。
また、高出力化に向けての内部抵抗の低減を狙い、正極活物質間の電子伝導性を確保するために、正極活物質であるリチウム含有複合酸化物表面に導電材としてカーボンブラック等の炭素材料を付着させ、良好な導電パスを形成させるという提案が特許文献4に記載されている。粒子表面に導電材としての炭素材料を付着させ、粒子間に介在させることにより、電極の直流抵抗の低減が実現できるものの、充放電に寄与しない導電性炭素を多く含むことになるため電極自体のエネルギー密度の低下に繋がる問題があった。
正極活物質の平均粒子径を大きくした場合、比表面積を低く抑えることができ、電極反応面積が小さくなるため、電極表面での活物質の劣化や溶出を抑制することができ、長寿命化に繋がる。しかし、大電流値での電池の充放電を行うと、正極活物質層の厚さ方向に活物質の反応ムラが大きく生じる場合がある。すなわち、充放電反応に伴うリチウムイオンの挿入・脱離反応が、集電体に近い側に位置する活物質に集中し、集電体から遠い側に位置する活物質が有効に寄与できず、結果として出力の低下を招く。
特開平7−335220号公報 特開2002−373654号公報 特開2000−82466号公報 特開2001−250553号公報
以上述べてきたように、自動車用途などの高出力が必要とされる使用条件において、リチウム二次電池の高出力と長寿命との両立については、積極的に検討されているものの、両者の満足のいく両立は困難であった。そこで本発明は、優れた高出力特性及び長期寿命特性の両立を可能にする非水電解液二次電池用正極およびそれを用いた非水電解液二次電池を提供することを目的とする。
本発明者らは、従来の技術を精査し、上記の目的を達成するために種々の検討を重ねた結果、正極活物質粉末のうち平均粒子径の小さい小粒子径の粉末と平均粒子径の大きい大粒子径の粉末を中心として成る正極活物質層の上に、小粒子径の粉末と大粒子径の粉末の中間の平均粒子径を有する粉末を中心として成る正極活物質層を形成した二層構造を有する正極を使用することにより、高出力特性及び長期寿命特性の両立に極めて大きな影響を与えることを見出し、本発明に至ったものである。
本発明によれば、正極集電体の表面に形成された第一の正極活物質層と、前記第一の正極活物質層上に形成された第二の正極活物質層とを有し、前記第一の正極活物質層には平均粒子径が0.5μm以上4μm未満である正極活物質粉末Aと平均粒子径が12μm以上50μm以下である正極活物質粉末Cのみが正極活物質として含まれ、前記第二の正極活物質層には平均粒子径が4μm以上12μm未満である正極活物質粉末Bのみが正極活物質として含まれ、前記正極活物質粉末Aと前記正極活物質粉末Cの混合後の粒子のBET比表面積Pが前記正極活物質粉末BのBET比表面積Qに対し、0.5≦P/Q≦2となり、前記正極活物質粉末A、前記正極活物質粉末Bおよび前記正極活物質粉末Cが同じ正極材料であることを特徴とする非水電解液二次電池用正極が得られる。
さらに本発明によれば、少なくとも、リチウムを挿入・脱離可能な負極と、非水電解液を介して該負極と対向配置された正極を備えた非水電解液二次電池において、該正極が、本発明に係る非水電解液二次電池用正極であることを特徴とする非水電解液二次電池が得られる。
本発明の正極は、集電体側に配置された第一の正極活物質層に含まれる平均粒子径の小さい粉末、すなわち平均粒子径0.5μm以上4μm未満の粉末Aを含むことにより、大電流値における電池の充放電を行う際、平均粒子径の小さい粉末A、つまり、比表面積の大きい粉末Aが速やかにリチウムイオンの挿入・脱離反応を起こすため、高出力を達成することができる。第一の正極活物質層に含まれる平均粒子径の大きい粉末、すなわち平均粒子径12μm以上50μm以下の粉末Cは、第一の正極活物質層を集電体に結着させるためのバインダー量を少量にすることができ、また集電体に塗布するためのスラリー作製時の溶剤を低減することができる。また、粉末Cは、集電体側に配置された第一の正極活物質層にのみ含まれるため、大電流における電池の充放電の際には、正極活物質層の厚さ方向に伴うリチウムイオンの挿入・脱離反応のムラは生じず、すべての粒子が効率的に充放電に寄与することができる。
また、本発明の第二の正極活物質層が、第一の正極活物質層の上に配置されることにより、前記の効果を有効に発揮できるようにしている。平均粒子径の中間の粉末、すなわち平均粒子径4μm以上12μm未満の粉末Bは、第二の正極活物質層にのみ含まれることにより、電池の長期使用による平均粒子径の小さい粉末Aの遊離による不活性化を抑制し、含有水分により生成した酸の影響も最小限にすることができる。また、大電流での電池の充放電によるリチウムイオンの挿入・脱離反応の反応ムラを緩和することができる。
次に本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1は本発明の非水電解液二次電池用正極の構成を示す模式図である。正極集電体11と、正極活物質粉末A14および正極活物質粉末C16を含有する第一の正極活物質層12と、第一の正極活物質層の上に形成された正極活物質粉末B15を含有する第二の正極活物質層13から構成されている。なお、本発明においては、説明の都合上、図面を誇張して表現しており、本発明の技術的範囲は、図面に示す形態に限定されない。
図2は本発明の非水電解液二次電池の構成を示す模式図である。正極集電体21と、リチウムイオンを吸蔵、放出し得る正極活物質を含有する図1で説明した正極22と、リチウムイオンを吸蔵、放出する負極活物質を含有する負極23と、負極集電体24と、電解液25、およびこれを含むセパレータ26から構成されている。
(正極)
本発明の実施形態の非水電解液二次電池用正極においては、4V級の正極材料、またはそれ以外の充放電電位を示す正極材料を正極活物質として用いることができる。
4V級の正極材料としては、たとえばLiCoO2、LiNiO2、LiMn24等のリチウム含有金属酸化物を用いることができる。この中でも、LiMn24で表されるスピネル型のリチウムマンガン複合酸化物が好ましく用いられる。LiMn24を用いた場合、Li量を過剰にすることや、3価のMnを他元素で置換することもできる。たとえば、組成式Lix1 yMn2-xーy4(M1はAl、B、Cr、Co、Ni、Ti、Fe、Mg、Ba、Zn、Ge、Nbから選ばれる1種以上、0≦x≦0.3、0≦y≦0.3、)で表されるリチウムマンガン複合酸化物を用いることができる。これにより、構造安定性を向上させることができる。
上記4V級の正極材料以外の正極材料としては、たとえばリチウム含有複合酸化物が好適に用いられる。リチウム含有複合酸化物としては、LiMn1-x2 x4(0≦x<1、M2=Ni、Co、Cr、Cu、Fe)で表されるスピネル型リチウムマンガン複合酸化物、LiM3PO4(M3=Co、Ni、Fe)で表されるオリビン型リチウム含有複合酸化物、LiNiVO4などの逆スピネル型リチウム含有複合酸化物などが例示される。
第一の正極活物質層に含まれる正極活物質粉末Aと正極活物質粉末Cの混合の比率については、正極活物質粉末Aと正極活物質粉末Cとの混合後に得られる混合正極活物質のBET比表面積Pが、正極活物質粉末BのBET比表面積Qに対して、0.5≦P/Q≦2となる範囲で混合されることが好ましい。比表面積Pが前記の範囲を逸脱する場合では、出力特性及び寿命特性の最適な両立は困難であるが、出力特性及び寿命特性のどちらか一方を優先する場合に限り、上記の範囲を逸脱する場合があってもよい。
また、正極活物質層に含まれる成分比は、特に限定されるものではない。また、正極活物質は複数の種類の正極活物質が含まれていても良い。
尚、導電性付与剤としては特に制限は無く、カーボンブラック、アセチレンブラック、天然黒鉛、人工黒鉛、炭素繊維等の通常用いられるものを用いることができる。また、バインダーとしても、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)等の通常用いられるものを用いることができる。
好ましくは導電性付与剤の添加量は合剤の質量に対し1〜10質量%程度であり、結着剤の添加量も合剤の質量に対し1〜10質量%程度である。これは、非水電解液二次電池用の正極活物質の割合が大きい方が重量当たりの容量が大きくなるためである。導電性付与剤と結着剤の割合が小さすぎると、導電性が保てなくなったり、電極剥離の問題が生じたりすることがある。また、形成された二次電池正極を構成する、集電体を除いた、合剤の密度は、2.55〜3.05g/cm3とするのが好ましい。合剤の密度を上記値とすると、高放電レートでの使用時における放電容量が向上し好ましい。
(負極)
負極活物質はリチウム金属または炭素材料などのリチウムを吸蔵、放出できる材料により構成されている。炭素材料としては、リチウムを吸蔵する黒鉛、非晶質炭素、ダイヤモンド状炭素、フラーレン、カーボンナノチューブ、カーボンナノホーンなど、あるいはこれらの複合物を用いることができる。負極活物質としてリチウム金属を用いる場合には融液冷却方式、液体急冷方式、アトマイズ方式、真空蒸着方式、スパッタリング方式、プラズマCVD方式、光CVD方式、熱CVD方式、ゾル‐ゲル方式、などの適宜な方式により負極となる層23を得ることができる。また、炭素材料の場合には、カーボンとポリビニリデンフルオライド(PVDF)等の結着剤を混合し、NMP等の溶剤中に分散混錬し、これを銅箔等の基体上に塗布するなどの方法や、蒸着法、CVD法、スパッタリング法などの方法により負極23を得ることができる。
(集電体)
正極集電体11、21としてはアルミニウム、ステンレス鋼、ニッケル、チタンまたはこれらの合金などを用いることができ、負極集電体24としては銅、ステンレス鋼、ニッケル、チタンまたはこれらの合金を用いることができる。
(セパレータ)
セパレータ26としては、織布、不織布、多孔膜等を用いることができる。特にポリプロピレン、ポリエチレン系の多孔膜が薄膜でかつ大面積化、膜強度や膜抵抗の面で好ましく用いられる。
(電解液)
本発明における電解液としては、プロピレンカーボネート(PC)、エチレンカーボネート(EC)、ブチレンカーボネート(BC)、ビニレンカーボネート(VC)等の環状カーボネート類、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、ジプロピルカーボネート(DPC)等の鎖状カーボネート類、ギ酸メチル、酢酸メチル、プロピオン酸エチル等の脂肪族カルボン酸エステル類、γ−ブチロラクトン等のγ−ラクトン類、1、2−ジエトキシエタン(DEE)、エトキシメトキシエタン(EME)等の鎖状エーテル類、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン等の環状エーテル類、ジメチルスルホキシド、1、3−ジオキソラン、ホルムアミド、アセトアミド、ジメチルホルムアミド、ジオキソラン、アセトニトリル、プロピルニトリル、ニトロメタン、エチルモノグライム、リン酸トリエステル、トリメトキシメタン、ジオキソラン誘導体、スルホラン、メチルスルホラン、1、3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、3−メチル−2−オキサゾリジノン、プロピレンカーボネート誘導体、テトラヒドロフラン誘導体、エチルエーテル、1、3−プロパンスルトン、アニソール、N−メチルピロリドン、フッ素化カルボン酸エステルなどの非プロトン性有機溶媒を一種又は二種以上を混合して使用できる。このうち、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、γ−ブチルラクトン、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネートなどを単独もしくは混合して用いることが好ましい。
これらの有機溶媒には支持塩としてリチウム塩を溶解させる。リチウム塩としては、例えばLiPF6、LiAsF6、LiAlCl4、LiClO4、LiBF4、LiSBF6、LiCF3SO3、LiC49CO3、LiC(CF3SO22、LiN(CF3SO22、LiN(C25SO22、LiB10Cl10、低級脂肪族カルボン酸カルボン酸リチウム、クロロボランリチウム、四フェニルホウ酸リチウム、LiBr、LiI、LiSCN、LiCl、イミド類などがあげられる。また、電解液に代えてポリマー電解質を用いてもよい。電解質濃度は、たとえば0.5mol/Lから1.5mol/Lとする。濃度が高すぎると密度と粘度が増加する。濃度が低すぎると電気電導率が低下することがある。
本発明に係るリチウム二次電池は、乾燥空気または不活性ガス雰囲気において、負極23および正極22を、セパレータ26を介して積層、あるいは積層したものを捲回した後に、外装体に挿入し、電解液25を含浸させた後、電池外装体を封止することで得られる。
電池形状には制限がなく、セパレータを挟んで対向した正極、負極を巻回型、積層型などの形態を取ることが可能であり、セルにも、コイン型、ラミネートパック、角型セル、円筒型セルを用いることができる。
以下に本発明を、以下の実施例及び比較例を用いて説明する。なお、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
(正極の作製)
正極活物質粉末Bとして、平均粒子径9.8μm、BET比表面積0.8m2/gのスピネル型マンガン酸リチウム(LiMn24)を準備し、導電性付与剤としてのカーボンブラックと乾式混合し、バインダーであるフッ化ビニリデン樹脂(PVDF)を溶解させたN−メチル−2−ピロリドン(NMP)中に均一に分散させスラリーを作製しスラリーBとした。スラリーB中の固形分比率は正極活物質:導電性付与剤:PVDF=89:4:7(質量%)とした。
続いて、正極活物質Aとして平均粒子径1.4μm、比表面積3.1m2/gのスピネル型マンガン酸リチウムを準備し、また、正極活物質Cとして平均粒子径21.2μm、比表面積0.3m2/gのスピネル型マンガン酸リチウムを準備した。正極活物質粉末Aと正極活物質粉末Cを正極活物質粉末A:正極活物質粉末C=20:80となるように混合した。得られた混合正極活物質粉末の比表面積Pは0.86m2/gであった。次いで、スラリーBの作製と同様の手法により、スラリーAを作製した。
スラリーAを正極集電体となるアルミ金属箔(厚さ20μm)上に塗布後、NMPを蒸発させることにより、正極活物質粉末Aと正極活物質粉末Cとを有する第一の正極活物質層(膜厚55μm)をアルミ金属箔上作製し、これを正極シートAとした。次いで、上記で作製したスラリーBを正極シートA上に塗布後、NMPを蒸発させることにより、第一の正極活物質層の上層に正極活物質粉末Bを有する第二の正極活物質層(膜厚55μm)を作製し、膜厚110μmの正極シートとした。また、同様の方法を用いて、正極活物質粉末Aと正極活物質粉末Cの混合比を変更することにより、混合正極活物質粉末の比表面積Pを変えた正極シートを作製し実施例1〜5とした。表1に実施例で作製した正極シートの混合正極活物質粉末の比表面積Pを示す。なお前述で具体的に例示したものは実施例3である。また、表1には第一の正極活物質層に含まれる混合正極活物質の比表面積Pおよび、比表面積Pと正極活物質Bの比表面積Qの比(P/Q)も同時に記載した。また、表1には後述の電池の評価結果もまとめて記載した。
比較例として、正極活物質粉末A、B、およびCのみを用いて作製したスラリー、または、スラリーAから膜厚110μmの正極シートをそれぞれ作製した。いずれも上記のスラリー作製と同様の手法を用いた。比較例1〜3は、それぞれ正極活物質粉末A、B、Cのみを用いて正極シートを作製し、比較例4〜8は実施例1〜5に用いた正極活物質粉末A、Cの混合正極活物質粉末を用いて正極シートを作製したものである。
負極活物質は炭素材料よりなり、カーボン:PVDF=90:10(質量%)の比率となるように混合しNMPに分散させ、負極集電体となる銅箔(厚さ10μm)上に塗布して膜厚65μmの負極シートを作製した。電解質溶液は、電解質としての1mol/LのLiPF6を用いた。その後、負極と正極シートとをポリエチレンからなるセパレータを介して積層し、円筒型非水電解液二次電池を作製した。
作製した円筒型非水電解液二次電池の高温サイクル特性を評価した。温度60℃において、充電レート1.0C、放電レート1.0C、充電終止電圧4.3V、放電終止電圧2.5V、とした。容量維持率(%)は300サイクル後の放電容量(mAh)を、10サイクル目の放電容量(mAh)で割った値である。結果を表1に示す。
また、作製した円筒型非水電解液二次電池の出力特性を評価した。室温下において0.2Cで4.2Vまで定電流充電し、続いて2時間の定電圧充電を行った。その後、0.1Cで定電流放電を行って、このときの容量(以下、「低電流放電容量」という。)を各円筒型非水電解液二次電池について測定した。引き続き、室温下において0.2Cで4.2Vまでの定電流充電と2時間の定電圧充電とを行い、その後、10Cで定電流放電を行って、このときの容量(以下、「高電流放電容量」という。)を各リチウムイオン二次電池について測定した。なお、各リチウムイオン二次電池の設計容量が1.4Ahであることから、上記の充放電を行う際の1Cは1.4Aとした。上記の測定結果を基に低電流放電容量に対する高電流放電容量の百分率(以下、「放電容量比」という。)を算出した。結果を表1に示す。この放電容量比が大きい程、出力特性が高いといえる。
Figure 0005150966
各実施例と比較例との比較から、本発明の正極活物質粉末のうち平均粒子径の小さい小粒径粉末と平均粒子径の大きい大粒径を中心として成る第一の正極活物質層の上に、小粒径粉末と大粒径粉末の中間の平均粒子径を有する粉末を中心として成る第二の正極活物質層の二層構造を有する正極を使用することにより、従来の正極シートより高出力特性及び長期寿命特性の両立がなされていることが分かる。従って、本発明により、電池の出力特性および長期寿命特性の向上に有効に寄与しうることがわかる。
本発明の非水電解液二次電池用正極の構成を示す模式図。 本発明の非水電解液二次電池の構成を示す模式図。
符号の説明
11、21 正極集電体
12 第一の正極活物質層
13 第二の正極活物質層
14 正極活物質粉末A
15 正極活物質粉末B
16 正極活物質粉末C
22 正極
23 負極
24 負極集電体
25 電解液
26 セパレータ

Claims (2)

  1. 正極集電体の表面に形成された第一の正極活物質層と、前記第一の正極活物質層上に形成された第二の正極活物質層とを有し、前記第一の正極活物質層には平均粒子径が0.5μm以上4μm未満である正極活物質粉末Aと平均粒子径が12μm以上50μm以下である正極活物質粉末Cのみが正極活物質として含まれ、前記第二の正極活物質層には平均粒子径が4μm以上12μm未満である正極活物質粉末Bのみが正極活物質として含まれ、前記正極活物質粉末Aと前記正極活物質粉末Cの混合後の粒子のBET比表面積Pが前記正極活物質粉末BのBET比表面積Qに対し、0.5≦P/Q≦2となり、前記正極活物質粉末A、前記正極活物質粉末Bおよび前記正極活物質粉末Cが同じ正極材料であることを特徴とする非水電解液二次電池用正極。
  2. 少なくとも、リチウムを挿入・脱離可能な負極と、非水電解液を介して該負極と対向配置された正極を備えた非水電解液二次電池において、該正極が、請求項に記載の非水電解液二次電池用正極であることを特徴とする非水電解液二次電池。
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