JP5149558B2 - 過冷却水の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、冷凍機等のブラインと水とをガスケットタイプのプレート式熱交換器を用いて熱交換することで、0℃以下の過冷却水を製造する方法に関するものである。
氷蓄熱システムにおいては、0℃以下の過冷却水を過冷却器によって連続製造し、当該過冷却水の過冷却状態を解除することで、シャーベット状の氷が連続して製造されている。かかる場合、過冷却水を製造するための方法としては、たとえば特許文献1のように、シェルアンドチューブ型の熱交換器を用いて水を冷却して、伝熱面の温度を例えば−5.8℃〜0℃に維持する方法が実用化されている。
その一方、シェルアンドチューブ型の熱交換器よりも小型化が可能で熱交換効率がより高いプレート式熱交換器が、装置の小型化、低コスト化の観点から、近年用いられるようになっている。
特開平1−114682号公報
しかしながら、プレート式熱交換器を用いて過冷却水を製造するシステムでは、2流体の伝熱面間差圧(プレート間差圧)が近接するようなシステム構成・配置で運転すると、たとえ伝熱面温度を−5.8℃〜0℃に維持しても、熱交換器内で過冷却状態が壊れ、その結果過冷却器内が凍結して過冷却水の製造が維持できないという問題があった。
これは次の事が原因であると考えられる。すなわち特に大型のシステムで用いるプレート式過冷却器は、ガスケットを用いてプレート同士を仕切る構造のものが使用されているが、ガスケットタイプのプレート式熱交換器では、二流体(水とブライン)間の混合と外部への漏洩を防止するために、プレートの外周部と二流体間の仕切りにガスケットが使用されており、両端に位置するエンドプレートを締め付けることによってガスケットを潰し、所定のシール能を得ている。そしてガスケットは通常、プレート面同士が完全に接触する圧着力よりも小さい圧着力で所定のシール能を発揮できるように設計されているため、プレート間(プレート面上の山−谷間)には隙間が生じている。一方プレート式熱交換器に使用するプレートは、伝熱性を向上させる目的で、非常に薄い金属を波板状に加工したものが使用されている。
このように、プレート間に隙間があり、しかも薄い金属を波板状に加工したプレートが、例えばポンプの脈動や自動バルブの開閉等によりブラインや水の圧力に変動が生ずると、当該変動に応じてプレート面が膨出するなどして移動、変形し、その結果プレートの表面同士が衝突することになる。過冷却水中での固体同士の衝突は過冷却解除のトリガーとなることが判っているので(斉藤、大河、宇根、田之頭、戸敷:「過冷却水の凝固に影響を及ぼす外的要因に関する研究」 日本冷凍協会論文集、8(2)、 151(1991)、発明者らの知見によれば、前記したような過冷却器内部でのプレート同士の衝突が、凍結の原因となっていると考えられる。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、ブラインと水に何らかの理由で圧力変動が生じても、過冷却器内部でプレート同士が衝突することを回避するような状態で過冷却器を運転するようにして、過冷却器内部での凍結を防止することを目的としている。
前記目的を達成するため、本発明は、ガスケットタイプのプレート式熱交換器を過冷却器として用いて冷却ブラインと水とを熱交換させて過冷却水を製造する方法において、冷却ブラインまたは水の圧力を調整し、プレート式熱交換器におけるプレート間差圧を所定の差圧以上にして、圧力変動によるプレートの変形を抑えることを特徴としている。
過冷却水を製造する場合、水及びブラインの流量は調節器によって常に一定値に保持されているため、プレートの移動が無ければプレート式熱交換器の抵抗係数および圧力損失は、一定になる。しかし実際にはプレート間に隙間が存在するため、水側の圧力がブライン側の圧力よりも高いときには水側流路が広がってブライン側流路を狭め、逆にブライン側の圧力が水側の圧力よりも高いときにはブライン側流路が広がって水側流路を狭める。発明者らの知見では、プレート間差圧の絶対値が十分大きくなければプレート式熱交換器の抵抗係数はプレート間差圧によって変化し、その結果圧力損失も変化する。しかしながら、プレート間差圧がある程度十分に大きいところでは、抵抗係数が一定になるところがあることが判明した。したがって、冷却ブラインまたは水の圧力を調整して、そのような差圧の下で運転するようにすれば、圧力損失を一定にして、ポンプの脈動等によって運転中に圧力変動が変動しても、プレートの変形を抑えることができる。
前記所定の差圧は、水とブラインを過冷却水の製造に必要な流量に設定して水を循環させた状態で、過冷却器に流入するブラインの圧力調整を行ない、過冷却器に対する水の出入りの抵抗係数が水又はブラインの圧力変動によらず一定となるプレート間差圧としてもよい。
また前記所定の差圧は、水とブラインを過冷却水の製造に必要な流量に設定して水を循環させた状態で、過冷却器に流入するブラインの圧力調整を行ない、過冷却器に対して並列に流れる水のバイパス流路の流量と、過冷却器を流れる水の流量との流量比が水又はブラインの圧力変動によらず一定となるプレート間差圧としてもよい。
プレート間差圧を所定の差圧以上となるように調整するにあたっては、水とブラインを過冷却器において両者を向流で熱交換させるか、あるいは並流で熱交換させるかによって、具体的な手法が異なる。
発明者らの知見では、ガスケットタイプのプレート式熱交換器を過冷却器として用いて冷却ブラインと水とを熱交換させる際には、両者を向流で熱交換させるか、あるいは並流で熱交換させるかの2つのケースがあり、各々のケースにおいて、差圧(水圧力及び/又はブライン圧力)が変動してもブラインまたは水流路の抵抗係数が変動しない(すなわち、プレートが変形しない)圧力条件は、図1の模式図で示したような、4通りがある。なお図中、Brはブラインを意味しており,縦軸は圧力損失を知るための圧力値を示している。ここでブラインと水の圧力降下を示す傾きがブラインと水とでは異なって描図しているのは,一般にブライン側と水側とでは,スケットタイプのプレート式熱交換器においては,各々の圧力損失が同じではないからである。
まず向流でブラインと熱交換する場合には、図1のA、Bのケースがあり、ケースAにおいては、ブライン出口(A3)の圧力が水の入口(A4)の圧力よりも大きいことが条件となり、かかる場合、ブライン出口(A3)の圧力>水の入口(A4)の圧力と設定することで、過冷却器内全域で局所的なプレート間差圧が常に同じ符号となる(過冷却器内部で大小関係が逆転しない)圧力状態になることがわかった。したがって、ブライン出口(A3)と水の入口(A4)の2点で大小関係を規定すれば、プレート間差圧を所定の差圧以上となるように調整することができる。
同様に、ケースBにおいては、水の出口(B1)>ブラインの入口(B2)を満たせば、過冷却器内の全域で水圧力>ブライン圧力となり、プレート間差圧を所定の差圧以上となるように調整することができる。
このようなことから、プレート間差圧を所定の差圧以上となるように前記冷却ブラインまたは水の圧力を調整するにあたっては、水とブラインを向流で熱交換させる場合には、過冷却器に対する水の入口圧力よりもブラインの出口圧力を大きくするか(ケースA)、又は過冷却器に対する水の出口圧力をブラインの入口圧力よりも大きくする(ケースB)ことを提案できる。
次に並流でブラインと熱交換する場合には、図1のC、Dのケースがある。ケースCにおいては,過冷却器内の全域でブライン圧力>水圧力とするには,ブラインの入口(C1)の圧力>水の入口(C2)の圧力であって,かつブラインの出口(C3)の圧力>水の出口(C4)の圧力となるように調整すればよいと考えられる。同様にして、ケースDにおいては、過冷却器内の全域でブライン圧力>水圧力とするには,水の入口(D1)の圧力>ブラインの入口(D2)の圧力であって,かつ水の出口(D3)の圧力>ブラインの出口(D4)の圧力となるように調整すればよいと考えられる。
このようなことから、プレート間差圧を所定の差圧以上となるように前記冷却ブラインまたは水の圧力を調整するにあたっては、水とブラインを並流で熱交換させる場合には、過冷却器に対するブラインの入口圧力を水の入口圧力よりも大きくするとともに過冷却器に対するブラインの出口圧力を水の出口圧力よりも大きくするか(ケースC)、又は過冷却器に対する水の入口圧力をブラインの入口圧力よりも大きくするとともに過冷却器に対する水の出口圧力をブラインの出口圧力よりも大きくする(ケースD)ことを提案できる。
図1に示したケースA、ケースCを実現するにあたっては、例えばブラインの膨張タンクの位置を高くしたり、ブラインの配管に密閉式膨張タンクを取り付け、当該密閉式膨張タンク内のガス圧を調整することでブラインの静圧を調整したり、あるいはブラインポンプの揚程を、定格流量及び配管システムの抵抗に対して大きく選定し、過冷却器のブライン出口に設置した弁を絞ることで定格流量に調整することが提案できる。
また図1に示したケースB、ケースDを実現するにあたっては、過冷却器に対する水の出口圧力が、当該過冷却器の水側損失圧力とブライン側損失圧力の和よりも高くなるように、当該過冷却器の設置位置を、過冷却器からの過冷却水によって製造された氷を蓄える氷蓄熱槽の水面よりも低い位置に設置することが提案できる。
本発明によれば、プレート式熱交換器を用いて過冷却水を製造する際、ブラインや水に何らかの理由で圧力変動が生じても、過冷却器内部でプレート同士が衝突することを抑えて、過冷却器内部での凍結を防止することができる。
以下、本発明の好ましい実施の形態について説明する。図2は、実施の形態にかかる過冷却水製造方法が実施される氷蓄熱システムの全体の概要を示しており、氷蓄熱槽1からポンプ2によって水を取水し、予熱装置3によって氷核を完全に無くした後に、プレート式熱交換器で構成された過冷却器4において、冷凍機5からポンプ6によって送られた低温のブラインと熱交換することで、氷蓄熱槽1から取水された水は0℃以下の過冷却水となる。
過冷却水は、伝播防止装置7を経て、例えば密閉系の過冷却解除装置8によって氷水に変換され、再び氷蓄熱槽1に戻される。氷水は氷蓄熱槽1内で氷と水の比重差から分離する。このサイクルを繰り返すことで、氷蓄熱槽1内の水が氷に変換されて、冷熱が蓄熱される。過冷却器4は、図3に示すようなプレート式熱交換器が用いられている。
すなわちこの過冷却器4は、多数のプレート11を、ガスケット12を挟んで両端のエンドプレート13、14間に積層した構造を有し、プレート11、ガスケット12を貫通したシャフト15の端部をエンドプレート14の外側からナット16で締め付けることによって一体化されている。そして各プレート11の上端近傍を貫通する水流路17からの水と、各プレート11の下端近傍を貫通するブライン流路18からのブラインは、各プレート11とガスケット12とによって形成された空間内に交互に流れており、プレート11を介して両者が熱交換されるようになっている。
次に過冷却器4周りの系統について図4に基づいて説明する。この過冷却器4に対しては、氷蓄熱槽1と過冷却器4との間で循環する水配管系20と、冷凍機5と過冷却器4との間で循環するブライン配管系30とが配管されている。またこの例では、向流でブラインと水とを熱交換する構成となっている。
水配管系20は、過冷却器4から氷蓄熱槽1に向かう水往管21と、氷蓄熱槽1から過冷却器4に向かう水還管22とを有している。水往管21には、過冷却器4から出る水の出口側の圧力を計測する第1の圧力計23、バルブ24、過冷却解除装置8が設けられている。水還管22には、ポンプ2、予熱装置3、バルブ25、過冷却器4に流入する水の流量を計測する流量計26、過冷却器4に流入する水の入口側の圧力を計測する第2の圧力計27が設けられている。そして流量計26によって計測された水の流量は、制御装置29へと出力され、制御装置29は、これに基づいて所定の流量値となるように、バルブ25を制御するようになっている。
ブライン配管系30は、過冷却器4から冷凍機5に向かうブライン往管31と、冷凍機5から過冷却器4に向かうブライン還管32とを有している。ブライン往管31には、過冷却器4から出るブラインの出口側の圧力を計測する第3の圧力計33、バルブ34、ポンプ6が設けられている。またブライン還管32には、過冷却器4に流入するブラインの流量を計測する流量計35、過冷却器4に流入するブラインの入口側の圧力を計測する第4の圧力計36が設けられている。そしてブライン往管31におけるポンプ6と過冷却器4との間の配管には(すなわちポンプ6のサクション側には)、膨張タンク37が設けられている。
図4に示した氷蓄熱システムは以上の構成を有しており、次にこのシステムにおいて、圧力変動によってプレートが変形、移動しないレベルの差圧の求め方について説明する。まず水とブラインの流量を制御する制御装置29、38における設定値を、水とブラインを過冷却水の製造に必要な流量に設定して水を循環させる。この例では、水の流量は700l/min、ブラインの流量は600l/minである。
そしてバルブ25を操作して水の流量を一定に調整し、過冷却器4におけるプレート11の差圧ΔP(すなわち各プレート11の両面におけるブライン圧力−水の圧力の差)を徐々にマイナス側に下げ、下げた時のΔP(第3の圧力計33の計測値−第2の圧力計27の計測値、または第4の圧力計36の計測値−第1の圧力計23)と、過冷却器4の水側圧力損失(第1の圧力計23の計測値−第2の圧力計27の計測値)の関係を記録する。
そして水の流量を徐々に増加させて、過冷却器4の水側圧力損失(第1の圧力計23の計測値−第2の圧力計27の計測値)が減少し始めた時のΔPをΔPmax、過冷却器4の水側圧力損失(第1の圧力計23の計測値−第2の圧力計27の計測値)の減少が止まった時のΔPをΔPminとする。
図5にプレート式熱交換器である過冷却器4プレート間の差圧ΔP(ブラインの出口圧力(第3の圧力計33の計測値−第2の圧力計23の計測値)に対する水側の圧力損失(第1の圧力計23の計測値−第2の圧力計27の計測値)の変化を実測した結果を示す。実測結果は図中の曲線Xで示した。
これによれば、プレート間差圧ΔPを変化させると、図5における領域(1)、すなわちΔPminよりもさらに水の圧力が大きい領域と、領域(3)すなわちΔPmaxよりもさらにブラインの圧力が大きい領域では、圧力損失は変化しないが、領域(2)では差圧の変化と共に圧力損失が変化することがわかる。したがってΔPmax以上あるいはΔPmin以下の差圧に設定すれば、水流路の圧力損失が圧力変動に対して変化しなくなることが判る。ここでは水流量が一定であるので、圧力損失が変化しなくなることは、抵抗係数が一定になっていることを意味する。水流路の抵抗係数が圧力変動に対して変化しなくなれば、ポンプの脈動等によってプレート間差圧が変動しても、プレートが変形、移動することはなく、安定した過冷却水の連続製造が可能になる。したがって、過冷却器4を運転しての氷蓄熱システムの立ち上げ時に、当該システムに使用した過冷却器4の適正な差圧運転条件を設定すれば、後はその差圧運転条件にしたがって、当該氷蓄熱システムを本運転させればよい。
なお図5に示した結果によれば、領域(1)、すなわちΔPminよりもさらに水の圧力が大きい領域、又は領域(3)すなわちΔPmaxよりもさらにブラインの圧力が大きい領域となるように差圧設定条件を定めることになるが、領域(1)、すなわちΔPminよりもさらに水の圧力が大きい領域となるように差圧を設定するには、水量を定格よりも多くした状態で、水配管系20の配管において、適当な位置に絞り弁やオリフィスを設けることが提案できる。また過冷却器4の設置位置を、過冷却器4からの過冷却水によって製造された氷を蓄える氷蓄熱槽1の水面よりも低い位置に設置し、過冷却器4に対する水の出口圧力をブラインの入口圧力よりも大きくするようにしてもよい。なおこの領域(1)は、図1に示したケースBに該当する。
一方領域(3)すなわちΔPmaxよりもさらにブラインの圧力が大きい領域となるように差圧を設定するには、密閉式の膨張タンク37を通常より高い位置に設けるか、膨張タンク37内のガス圧を高くしてブラインの静圧を調整することが提案できる。またさらにブライン配管系30のポンプ6の揚程を、定格流量及び配管システムの抵抗に対して大きく設定し、過冷却器4のブライン往管31における出口側に設置したバルブ34を絞って定格流量に調整することが提案できる。なおこの領域(3)は、図1に示したケースAに該当する。
次に他のプレート間差圧決定方法について説明する。図6は、その際に使用する機器等を備えた氷蓄熱システムの系統の概略を示しており、図6において図4と同一の符号で示される部材、機器等は、図4に示したものと同一のものである。そしてこの図6に示した氷蓄熱システムでは、図4に示した氷蓄熱システムから第2の圧力計27、第3の圧力計33を撤去し、代わって水配管系20における水往管21と水還管22との間にバイパス管41を設け、このバイパス管41を流れる水の流量を計測するバイパス流量計42と、バルブ43とをバイパス管41に設けたものである。すなわち、水配管系20において過冷却器4に対して並列にバイパス管41を配管したもので、被冷却熱媒の循環路でなく、バイパス流路に流量計測と流量制御の機能を持たせている。バイパス管41は、鋼管、硬質塩ビ管、ステンレス鋼管、銅管などの剛性の高い材料で構成されている。その他の構成は、図4に示した氷蓄熱システムと同一である。なお、図4に示した氷蓄熱システムから第2の圧力計27、第3の圧力計33を撤去する代わりに、第1の圧力計23、第4の圧力計36を撤去して、第2の圧力計27、第3の圧力計33をそのまま設置してもよい。
このような図6に示した氷蓄熱システムにおいては、まず水とブラインの制御装置29、38の設定値を水とブラインを過冷却水の製造に必要な流量に設定して水を循環させ、バルブ25を操作して水の流量を徐々に増加させ、差圧ΔPを徐々に下げた時の、ΔP(第4の圧力計36の計測値−第1の圧力計23の計測値)と、バイパス流量計42の計測値(G)と流量計26の計測値(G)の関係を記録する。計測結果は図5のグラフに、小さい○でプロット表示した。図5の左縦軸は、図の右側のΔPでG/Gを定格流量(G10/G)に調整した後(G10はGの定格流量)、ΔPを下げていった場合の、G/Gの減少割合{(G/G)/(G10/G)}を示している。ここでは、G(水の流量)は700L/minに制御しているので、G/Gの減少割合は「G/G10」の表現になる。
これによれば、領域(1)と領域(3)ではG/G10は変化しないが、領域(2)では差圧の変化と共にG/G10が変化することがわかる。これは、領域(2)では差圧の変動と共にプレート式熱交換器である過冷却器4内のプレートが移動、変形することを意味する。このことから、プレート間の差圧変動が起きてもプレート同士の衝突が起こらないようにするには、領域(1)と(3)内で運転圧力を選定すれば良いことがわかる。
以上説明した他のプレート間差圧の決定手法は、プレート式熱交換器である過冷却器4とバイパス管41との流量比の変化からプレートの移動、変形を観測するものである。このような測定系では、水の流路は過冷却器4とバイパス管41並列に接続されているが、過冷却器4を構成するプレート熱交換器と、バイパス流路とを複数の絞りによって構成された一種のラビリンス流路と考えた場合、それぞれの抵抗係数ξ及び損失水頭hは一般に式(1)で表される。
すなわち、h = a・ξ・v /2g・・・(1)
i=1(バイパス管41の流路)又は2(過冷却器4の水側流路)(a:無次元定数(流路の形状に応じた定数),v:流速,g:重力加速度)である。
したがってバイパス管41の損失水頭hは、
= a・ξ・v /2g、
そして過冷却器4の水側流路の損失水頭hは、
= a・ξ・v /2g、
となる。
またプレート式熱交換器の過冷却器4の入口とバイパス管41の入口の断面積と流速をそれぞれv,Aとすると、それぞれの流量Gは式(2)で表される。
= v・A ・・・(2)
i=1(バイパス管41の流路)又は2(過冷却器4の水側流路)である。
すなわち、
バイパス管41の流量Gは、
= v・A
過冷却器4の水側流路の流量Gは、
= v・A
となる。
この測定系では、プレート式熱交換器である過冷却器4とバイパス管41の損失水頭は常に同じ(h=h)であるため、式(1),(2)より、式(3)が得られる。
Figure 0005149558
なおプレート熱交換器の過冷却器4の入口とバイパス管41の入口の断面積は一定であるため、式(4)に示したように、bは定数となる。
Figure 0005149558
ここでバイパス管41は剛性の高い材料で作られているので抵抗係数ξは変化しない。このため、G、Gを計測すれば、プレート式熱交換器内のプレートの移動、変形に伴う抵抗係数ξの変化を検出することができる。
すなわちG、Gを計測の変動は抵抗係数ξの変化に起因するものであり、かかる抵抗係数ξの変化はプレートの変形、移動が起きていることを示すものに他ならない。したがって、抵抗係数ξが一定の値を示すようなプレート間差圧を、過冷却器4の運転条件とし、後はその差圧運転条件にしたがって、当該氷蓄熱システムを本運転させればよい。
図7には、プレート間差圧を変化させた時の凍結頻度を実測した結果を示す。なお凍結頻度は領域(2)での値を基準とした比で表示してある。この図より、領域(3)にてプレート間差圧の運転圧力を決定した場合には、領域(2)で決定した場合に比べて凍結頻度が減少することがわかる。
前記実施の形態で採用された過冷却器4は、水とブラインを向流で熱交換する形式のものであったが、本発明は、水とブラインを並流で熱交換するタイプのものにおいても適用可能である。
本発明は、氷蓄熱システム等に用いるガスケットタイプのプレート式熱交換器によって過冷却水を製造する際に有用である。
本発明において差圧が変動しても抵抗係数が変動しない圧力条件を向流、並流について模式的に示した説明図である。 本発明が適用される氷蓄熱システムの概要を模式的に示した説明図である。 図2の氷蓄熱システムに使用したガスケットタイプのプレート式熱交換器の構成を模式的に示した説明図であり、左側の図は正面、右側の図は右側面を示している。 図2の氷蓄熱システムにおいて圧力損失によって差圧を決定する際の系統の概略を模式的に示した説明図である。 図4の氷蓄熱システムの過冷却器におけるブライン出口圧−水入口圧と、水側圧力損失およびバイパス流量/過冷却器の水流量との関係を示すグラフである。 図2の氷蓄熱システムにおいて、バイパス流量/過冷却器の水流量によって差圧を決定する際の系統の概略を模式的に示した説明図である。 ブラインと水とのプレート間差圧と、凍結頻度、積算製氷時間との関係を示すグラフである。
符号の説明
1 氷蓄熱槽
2、6 ポンプ
4 過冷却器
5 冷凍機
8 過冷却解除装置
11 プレート
12 ガスケット
15 エンドプレート
20 水配管系
21 水往管
22 水還管
23 第1の圧力計
24、25 バルブ
26、35 流量計
27 第2の圧力計
28 膨張タンク
30 ブライン配管系
31 ブライン往管
32 ブライン還管
33 第3の圧力計
36 第4の圧力計
37 膨張タンク
41 バイパス管
42 バイパス流量計

Claims (13)

  1. ガスケットタイプのプレート式熱交換器を過冷却器として用いて冷却ブラインと水とを熱交換させて過冷却水を製造する方法において、
    冷却ブラインまたは水の圧力を調整し、プレート式熱交換器におけるプレート間差圧を所定の差圧以上にして、圧力変動によるプレートの変形を抑えることを特徴とする、過冷却水の製造方法。
  2. ガスケットタイプのプレート式熱交換器を過冷却器として用いて冷却ブラインと水とを熱交換させて過冷却水を製造する方法において、
    前記冷却ブラインまたは水の圧力を調整して、プレート式熱交換器におけるプレート間差圧が所定の差圧以上の状態で過冷却水を製造するようにし、
    前記所定の差圧は、水とブラインを過冷却水の製造に必要な流量に設定して水を循環させた状態で、過冷却器に流入するブラインの圧力調整を行ない、過冷却器内の水流路の抵抗係数が水又はブラインの圧力変動や流量変動によらず一定となるプレート間差圧であることを特徴とする、過冷却水の製造方法。
  3. ガスケットタイプのプレート式熱交換器を過冷却器として用いて冷却ブラインと水とを熱交換させて過冷却水を製造する方法において、
    前記冷却ブラインまたは水の圧力を調整して、プレート式熱交換器におけるプレート間差圧が所定の差圧以上の状態で過冷却水を製造するようにし、
    前記所定の差圧は、水とブラインを過冷却水の製造に必要な流量に設定して水を循環させた状態で、過冷却器に流入するブラインの圧力調整を行ない、過冷却器に対して並列に流れる水のバイパス流路の流量と、過冷却器を流れる水の流量との流量比が水又はブラインの圧力変動によらず一定となるプレート間差圧であることを特徴とする、過冷却水の製造方法。
  4. ガスケットタイプのプレート式熱交換器を過冷却器として用いて冷却ブラインと水とを熱交換させて過冷却水を製造する方法において、
    前記冷却ブラインまたは水の圧力を調整して、プレート式熱交換器におけるプレート間差圧が所定の差圧以上の状態で過冷却水を製造するようにし、
    プレート間差圧を所定の差圧以上となるように前記冷却ブラインまたは水の圧力を調整するにあたっては、水とブラインを向流で熱交換させる場合には、過冷却器に対する水の入口圧力よりもブラインの出口圧力を大きくするか、又は過冷却器に対する水の出口圧力をブラインの入口圧力よりも大きくすることを特徴とする、過冷却水の製造方法。
  5. ガスケットタイプのプレート式熱交換器を過冷却器として用いて冷却ブラインと水とを熱交換させて過冷却水を製造する方法において、
    前記冷却ブラインまたは水の圧力を調整して、プレート式熱交換器におけるプレート間差圧が所定の差圧以上の状態で過冷却水を製造するようにし、
    プレート間差圧を所定の差圧以上となるように前記冷却ブラインまたは水の圧力を調整するにあたっては、水とブラインを並流で熱交換させる場合には、過冷却器に対するブラインの入口圧力を水の入口圧力よりも大きくするとともに過冷却器に対するブラインの出口圧力を水の出口圧力よりも大きくするか、又は過冷却器に対する水の入口圧力をブラインの入口圧力よりも大きくするとともに過冷却器に対する水の出口圧力をブラインの出口圧力よりも大きくすることを特徴とする、過冷却水の製造方法。
  6. ブラインの膨張タンクの位置を高くして、過冷却器に対する水の入口圧力よりもブラインの出口圧力を大きくして向流で熱交換させることを特徴とする、請求項4に記載の過冷却水の製造方法。
  7. ブラインの膨張タンクの位置を高くして、過冷却器に対するブラインの出口圧力を水の出口圧力よりもよりも大きくするとともに過冷却器に対するブラインの入口圧力を水の入口圧力よりも大きくして並流で熱交換することを特徴とする、請求項5に記載の過冷却水の製造方法。
  8. ブラインの配管に密閉式膨張タンクを取り付け、当該密閉式膨張タンク内のガス圧を調整することでブラインの静圧を調整して、過冷却器に対する水の入口圧力よりもブラインの出口圧力を大きくして向流で熱交換させることを特徴とする、請求項4に記載の過冷却水の製造方法。
  9. ブラインの配管に密閉式膨張タンクを取り付け、当該密閉式膨張タンク内のガス圧を調整することでブラインの静圧を調整して、過冷却器に対するブラインの出口圧力を水の出口圧力よりもよりも大きくするとともに過冷却器に対するブラインの入口圧力を水の入口圧力よりも大きくして並流で熱交換することを特徴とする、請求項5に記載の過冷却水の製造方法。
  10. ブラインポンプの揚程を、定格流量及び配管システムの抵抗に対して大きく選定し、過冷却器のブライン出口に設置した弁を絞ることで定格流量に調整して、過冷却器に対する水の入口圧力よりもブラインの出口圧力を大きくして向流で熱交換させることを特徴とする、請求項4に記載の過冷却水の製造方法。
  11. ブラインポンプの揚程を、定格流量及び配管システムの抵抗に対して大きく選定し、過冷却器のブライン出口に設置した弁を絞ることで定格流量に調整して、過冷却器に対するブラインの出口圧力を水の出口圧力よりもよりも大きくするとともに過冷却器に対するブラインの入口圧力を水の入口圧力よりも大きくして並流で熱交換することを特徴とする、請求項5に記載の過冷却水の製造方法。
  12. 過冷却器に対する水の出口圧力が、当該過冷却器の水側損失圧力とブライン側損失圧力の和よりも高くなるように、当該過冷却器の設置位置を、過冷却器からの過冷却水によって製造された氷を蓄える氷蓄熱槽の水面よりも低い位置に設置し、過冷却器に対する水の出口圧力をブラインの入口圧力よりも大きくして向流で熱交換させることを特徴とする、請求項4に記載の過冷却水の製造方法。
  13. 過冷却器に対する水の出口圧力が、当該過冷却器の水側損失圧力とブライン側損失圧力の和よりも高くなるように、当該過冷却器の設置位置を、過冷却器からの過冷却水によって製造された氷を蓄える氷蓄熱槽の水面よりも低い位置に設置し、過冷却器に対する水の出口圧力をブラインの出口圧力よりも大きくするとともに過冷却器に対する水の入口圧力をブラインの入口圧力よりも大きくして並流で熱交換することを特徴とする、請求項5に記載の過冷却水の製造方法。
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