JP5147784B2 - ファンおよび軸流送風機 - Google Patents

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Description

本発明は、ファンおよび該ファンを有する軸流送風機に関する。
従来より、ファンの翼の形状を改良して騒音を小さくした軸流送風機が知られている。例えば、特許文献1に記載されているファンの翼は、翼の形状を定義する無数の翼素それぞれの最大反り位置が、回転中心から遠い翼素ほど、回転中心に近い翼素に比べて後縁側に位置するように形成されている。これにより、軸流送風機の騒音が小さくされている。
特開2001−227498号公報
しかしながら、上述の特許文献1に記載のファンの翼は、各翼素の最大反り位置が、回転中心から遠い翼素ほど、回転中心に近い翼素に比べて後縁側に位置するように形成されている。言い換えると、各翼素の最大反り位置を結ぶ線が、回転中心線方向から見て概ね直線(緩やかな曲線)である。そのため、最大反り位置から後縁側に発達する境界層内に発生する複数の渦において、ファンの径方向に隣接し合う渦が略同一サイズの渦および/または同一回転方向の渦になりやすい。隣接し合う渦が略同一サイズの渦および/または同一回転方向の渦になると、これらの渦が合体して大きなサイズの渦になることがある。この大きなサイズの渦は、騒音を増大させる原因になる。
そこで、本発明は、ファンの翼の最大反り位置から後縁側に発達する境界層内に大きなサイズの渦が発生することを抑制し、それによりファンを有する軸流送風機の騒音を小さくすることを課題とする。
上述の課題を達成するために、本発明は、回転中心線を中心にして回転するボスと、該ボスの外周面に設けられた複数の翼とを有し、回転中心線方向に送風するファンであって、
ファンの各翼は、回転中心線から所定の径方向距離までの中心側領域内において、翼の形状を定義する無数の翼素それぞれの最大反り位置を結ぶ線が、回転中心線方向から見て、前縁側と後縁側とに交互に突出しながら回転中心線側から外周側に向かって延びる波状の線になるように、形成されていることを特徴とする。
また、別の態様の本発明は、上記ファンを有する軸流送風機であることを特徴とする。
本発明によれば、ファンの翼の最大反り位置から後縁側に発達する境界層内において、大きな渦の発生が抑制される。その結果、このファンを有する軸流送風機の騒音が小さくされる。
第1の実施形態に係るファンの回転中心線方向視の図である。 図1のファンの斜視図である。 図1のファンのA−A断面図である。 図1のファンのB−B断面図である。 図3に示す断面における境界層と、図4に示す断面における境界層との違いを示す図である。 第1の実施形態に係るファンによる効果を示す図である。 第2の実施形態に係るファンの回転中心線方向視の図である。 図7のD−D断面図である。 図7のE−E断面図である。 第3の実施形態に係るファンによる効果を示す図である。 第4の実施形態に係るファンの回転中心線方向視の図である。 第4の実施形態に係るファンによる効果を示す図である。 第5の実施形態に係るファンの回転中心線方向視、前縁正面視、および後縁正面視を示す図である。 第6の実施形態に係るファンの回転中心線方向視、前縁正面視、および後縁正面視を示す図である。 第7の実施形態に係るファンの回転中心線方向視、前縁正面視、および後縁正面視を示す図である。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係るファンを回転中心線方向(送風方向上流側)から見た図であって、図2は該ファンの斜視図である。
図1や図2において符号10に示されているファンは、軸流送風機の動力源、例えばモータ(図示せず)によって回転中心線Cを中心として回転される。そして、回転中心線C方向に送風する。
このファン10は、動力源に取り付けられて回転中心線Cを中心として回転する円筒形状のボス20と、該ボス20の外周面に設けられた複数の翼(本実施形態においては3枚の翼)30とを有する。
翼30は、前縁31、後縁32、内周端33、および外周端34を備えた形状に形成されている。また、翼30は、図2に示すように、前縁31が後縁32に比べて上流側に位置し、前縁31と後縁32との間の部分が上流側に凸に反った形状に形成されている。
さらに、翼30は、翼の詳細形状を定義する無数の各翼素(blade element)の最大反り位置を結ぶ線RLが、回転中心線C方向から見て、前縁31側と後縁32側とに交互に突出しながら回転中心線C側から外周側に向かって延びる波状の線になるように形成されている。
ここで言う「翼素」は、1つの翼に無数個あって、径方向厚さが実質的にゼロで、径方向に並んで翼の詳細形状を定義する形体を言い、任意の径方向位置の翼素の形状は、回転中心線Cから該任意の径方向位置までを半径とする円筒の外周面に投影される翼の断面形状に対応する。
また、ここで言う「波状の線」は、回転中心線C側から外周側に向かって延びるにあたり、前縁31側または後縁32側のいずれか一方側に向かった後に他方側に向かう部分を少なくとも1つ含む線を言う。
このように、最大反り位置を結ぶ線RLが、回転中心線C方向から見て、前縁31側と後縁32側とに交互に突出しながら回転中心線C側から外周側に向かって延びる波状の線になるように、翼30を形成する理由を説明する。
例として、図1に示す、線RLの前縁31側に突出する部分に対応する径方向位置Aにおける翼断面(翼素形状)を図3に示す。また、この径方向位置Aと隣接し、線RLの後縁32側に突出する部分に対応する径方向位置Bにおける翼断面(翼素形状)を図4に示す。なお、図3,4は、実際の翼断面を平面に投影したときの形状を示している。
図3に示すように、径方向位置Aにおける翼断面の最大反り位置(線RL)は、図4に示す径方向位置Bにおける翼断面の最大反り位置に比べて前縁31側に位置している。言い換えると、径方向位置Aにおける翼断面の最大反り位置は、前縁31と後縁32とを結ぶ翼弦線(chord line)CLの長さLに対する前縁31から最大反り位置までの距離L0A(翼弦線CLと平行な方向の距離)との比、すなわちL0A/Lが、径方向位置Bにおける翼断面のL0B/Lに比べて小さくなる位置に存在する。
これにより、図5に示すように、径方向位置Aの翼30の部分と位置Bの翼30の部分とに発生する境界層(boundary layer)BLが異なる。径方向位置Aの翼30の部分に発生する境界層BLは、図3に示すように最大反り位置(線RL)が前縁31側に位置するので、前縁31近傍から後縁32に向かって広い範囲に発生している。一方、径方向位置Bの翼30の部分に発生する境界層BLは、図4に示すように最大反り位置(線RL)が後縁32側に位置するので、前縁31から離れた翼30の概ね中央から後縁32に向かって狭い範囲に発生している。
そのため、径方向に隣接し合う、境界層BLの部分と境界層BLの部分とは、その厚さが異なる。また、そのため、境界層BL内に発生している渦Vと、これと径方向に隣接する境界層BL内の渦Vは、そのサイズが異なり、場合によっては回転方向も異なる。径方向に隣接し合う渦の回転方向やサイズが異なると、互いに相手の勢い(サイズ)が増大するのを抑制するので、合体して大きなサイズの渦が発生し難くなる(すなわち、合体せず、そのまま維持される。)。
しかしながら、最大反り位置を結ぶ線RLが、全体に亘って波状の線であってはならない。具体的には、図1に示すように、回転中心線Cから径方向距離rまでの領域(一点鎖線内の領域であって、請求の範囲に記載の「所定の中心側領域」に対応。)の内部に位置する線RLの部分が波状の線であって、その外部に位置する線RLの部分が、概ね直線、例えば各翼素の翼弦線CLの中心位置を結んだ線CLCに略一致するように、翼30は形成されている。そして、径方向距離rは、ファン10の半径Rの80%より小さい値にされている。
その領域内では最大反り位置を結ぶ線RLが波状の線とされる中心側領域を定義する径方向距離rがファンの径Rの80%より小さい値であるという条件は、発明者が実験によって見出した条件である。この条件を導き出した、発明者が実施した実験の結果を、図6に示す。図6には、r/Rを横軸とし、基準化騒音値を縦軸とするグラフが示されている。「基準化騒音値」は、dB値であって、上述したような各翼素の最大反り位置が回転中心から離れるほど後縁側に位置するような従来のファンの騒音値を0dB(基準値)としたときの、本発明に係るファンの騒音値である。
図6に示すように、r/Rが0から0.8までの範囲では、基準化騒音値は0より小さくなる。一方、r/Rが0.8より大きくなると、基準化騒音値は、0より大きくなる。
この実験結果から、その領域内では最大反り位置を結ぶ線RLが波状の線とされる中心側領域を定義する径方向距離rがファン10の径Rの80%より小さいときに、ファン10の騒音が小さくなることがわかる。
以上説明してきた本実施形態によれば、ファン10の翼30の最大反り位置から後縁側に発達する境界層内において、ファン10の径方向に隣接し合う渦が略同一サイズの渦および/または同一回転方向の渦になることが抑制される、すなわち大きな渦の発生が抑制される。その結果、このファン10を有する軸流送風機の騒音が小さくされる。
(第2の実施形態)
第2の実施形態は、概ね第1の実施形態と同じであるが、各翼素の最大反り位置を結ぶ線RLの位置が異なる。この異なる点と、それによる効果とを説明する。
図7は、第2の実施形態に係るファン110を、回転中心線方向(送風方向上流側)から見た図である。
図7に示すように、ファン110の翼130は、各翼素の最大反り位置を結ぶ線RLが、各翼素の翼弦線CLの中心位置を結んだ線CLCより前縁131側に位置するように、形成されている(第1の実施形態では、図1に示すように、線RLは、線CLC上に位置している。)。
最大反り位置が第1の実施形態に比べて前縁131側に位置するため、翼130の後縁132側は第1の実施形態の翼30の後縁31側に比べて平坦に近くなる(曲率が小さくなる)。そのため、最大反り位置から後縁132側に発生する境界層の厚さは、第1の実施形態に比べて小さくなる。そして、境界層内に発生する渦のサイズも小さくなる。
以上説明してきた本実施形態によれば、大きなサイズの渦の発生が、第1の実施形態に比べて、より抑制される。その結果、第2の実施形態に係るファン110を有する軸流送風機は、第1の実施形態に係るファン10を有するものに比べて、騒音がより小さくされる。
(第3の実施形態)
第3の実施形態は、第1および第2の実施形態のファンの改良形態であって、該ファンを有する軸流送風機の騒音をより小さくするものである。ここでは、第2の実施形態のファンを一例として参照しながら第3の実施形態の特徴とその効果を説明する。
例として、図7に示す最大反り位置が前縁131側の径方向位置Dにおける翼断面を図8に、位置Dと隣接し、最大反り位置が後縁132側の径方向位置Eにおける翼断面を図9に示す。
図8に示すように、径方向位置Dにおける翼断面の最大反り位置(線RL)は、図9に示す径方向位置Eにおける翼断面の最大反り位置に比べて前縁131側に位置している。言い換えると、径方向位置Dにおける翼断面の最大反り位置は、前縁131と後縁132とを結ぶ翼弦線CLの長さLに対する前縁131から最大反り位置までの距離L0Dとの比、すなわちL0D/L(=α)が、径方向位置EにおけるL0E/L(=β)に比べて小さくなる位置に存在している。
それに加えて、L0E/L−L0D/L(すなわちβ−α)が、0.15より小さくなるように翼130は形成されている。
このように、後縁132側に突出する線RLの部分における翼弦線CLの長さに対する前縁131から最大反り位置までの距離との比βと、隣接する前縁131側に突出する線RLの部分における翼弦線CLの長さに対する前縁131から最大反り位置までの距離との比αとの差を0.15より小さくする条件は、発明者が実験によって見出した条件である。この条件を導き出した、発明者が実施した実験の結果を、図10に示す。図10には、β−αを横軸とし、基準化騒音値を縦軸としたグラフが示されている。「基準化騒音値」は、図6に示す基準化騒音値と同一である。
図10に示すように、β−αが0.15より小さい範囲では、基準化騒音値は0から離れた0より小さい値になる。一方、β−αが0.15より大きくなると、基準化騒音値は、略0になる。
これは、β−αが0.15より小さい範囲では、前縁131側に突出する線RLの部分に発生する境界層内の渦と、該渦と径方向に隣接する、後縁132側に突出する線RLの部分に発生する境界層内の渦とのサイズの差が、互いに相手の勢い(サイズ)が増大するのを抑制でき、合体せずにそのまま維持できる適当な差になるためである。
この実験結果から、後縁132側に突出する線RLの部分における翼弦線CLの長さに対する前縁131から最大反り位置までの距離との比βと、隣接する前縁131側に突出する線RLの部分における翼弦線CLの長さに対する前縁131から最大反り位置までの距離との比αとの差が0.15より小さくなるように、翼を形成すれば、ファン10の騒音がより小さくなることがわかる。
以上説明してきた本実施形態によれば、ファンを有する軸流送風機の騒音がより小さくされる。
(第4の実施形態)
第4の実施形態は、第1から第3の実施形態のファンの改良形態であって、該ファンを有する軸流送風機の騒音をより小さくするものである。ここでは、第2の実施形態のファンを一例として参照しながら第4の実施形態の特徴とその効果を説明する。
図11に示すように、第4の実施形態に係るファン110の翼130は、各翼素の最大反り位置を結ぶ線RLの後縁132側に突出する部分と、前縁131側に突出する部分を挟んで径方向に隣接する、別の後縁132側に突出する部分との径方向の間隔(ピッチ)tが、翼130の径方向寸法T(ファン10の径からボス20の径を引いた寸法)に対する該間隔tとの比が0.1より小さくなるように形成されている。なお、同様に、複数の前縁131側に突出する部分も、同じ間隔tをあけて配置されている。
このように、線RLの複数の後縁132側に突出する部分(または複数の前縁131側に突出する部分)の径方向の配置間隔tを、翼130の径方向寸法Tに対する該間隔tとの比が0.1より小さくなるようにするという条件は、発明者が実験によって見出した条件である。この条件を導き出した、発明者が実施した実験の結果を、図12に示す。図12には、t/Tを横軸とし、基準化騒音値を縦軸としたグラフが示されている。「基準化騒音値」は、図6や図10に示す基準化騒音値と同一である。
図12に示すように、t/Tが0.1より小さい範囲では、基準化騒音値は0から離れた0より小さい値になる。一方、t/Tが0.1より大きくなると、基準化騒音値は、略0になる。
これは、t/Tが0.1より小さい範囲では、線RLの前縁131側に突出する部分に発生する境界層内の渦と、該渦と径方向に隣接する、後縁132側に突出する線RLの部分に発生する境界層内の渦との間の距離が、互いに相手の勢い(すなわちサイズ)が増大するのを抑制でき、合体せずにそのまま維持できる適当な距離になるためである。
この実験結果から、線RLの複数の後縁132側に突出する部分(または複数の前縁131側に突出する部分)の径方向の配置間隔tが、翼130の径方向寸法Tに対する該間隔tとの比が0.1より小さくなるように、翼130を形成すれば、ファン10の騒音がより小さくなることがわかる。
以上説明してきた本実施形態によれば、ファンを有する軸流送風機の騒音がより小さくされる。
(第5の実施形態)
第5の実施形態は、第1から第4の実施形態のファンを改良したものであって、該ファンを有する軸流送風機の騒音がより小さくなるものである。
図13は、第5の実施形態に係るファンを示す図であって、回転中心線方向(送風方向上流側)から見た様子と、前縁正面から見た様子と、および後縁正面から見た様子とを示している。
図13に示すように、ファン210の複数の翼230それぞれは、各翼素の最大反り位置を結ぶ線RLの前縁231側に突出している部分と径方向位置が同一の前縁231の部分が送風方向(気流)の上流側に凸に湾曲し、該線RLの後縁232側に突出している部分と径方向位置が同一の前縁231の部分が気流の下流側に凸に(上流側に凹に)湾曲するような形状にされている。すなわち、前縁231は、図13に示すように、正面から見れば波形状になるように形成されている。
線RLの前縁231側に突出する部分と同一径方向位置の翼230の前縁231の部分が気流の上流側に凸に湾曲しているため、この径方向位置での翼230の反りが小さくされる。その結果、この径方向位置に発生する境界層の厚さが小さくなり、その内部に発生する渦のサイズも小さくなる。
具体的に説明すると、上述したようにまたは例えば図3や図4に示すように、前縁と後縁との間の翼部分が上流側に凸に反っているので、最大反り位置が前縁側にある径方向位置の前縁部分が下流側に凸に湾曲していると、上流側に凸に湾曲している場合に比べて、この径方向位置での反りが大きくなる。その結果、境界層の厚さが大きくなり、好ましくない大きなサイズの渦が発生してしまう。
また、前縁231が上流側に凸に湾曲する部分と下流側に凸に湾曲する部分とが交互に配置された波形状であるので、前縁231に気流が流入する際に発生する、上流側に凸に湾曲する前縁231の部分に発生する剥離渦と下流側に凸に湾曲する前縁231の部分に発生する剥離渦とが径方向に隣接しない。これにより、隣接し合う剥離渦が合体して大きなサイズの剥離渦が発生することを抑制し、大きなサイズの剥離渦を原因とする騒音の増大を抑制している。
以上説明してきた本実施形態によれば、ファンを有する軸流送風機の騒音がより小さくされる。
(第6の実施形態)
第6の実施形態は、第1から第4の実施形態のファンを改良したものであって、該ファンを有する軸流送風機の騒音がより小さくなるものである。
図14は、第6の実施形態に係るファンを示す図であって、回転中心線方向(送風方向上流側)から見た様子と、前縁正面から見た様子と、および後縁正面から見た様子とを示している。
図14に示すように、ファン310の複数の翼330それぞれは、各翼素の最大反り位置を結ぶ線RLの前縁331側に突出している部分と径方向位置が同一の後縁332の部分が送風方向(気流)の下流側に凸に(上流側に凹に)湾曲し、該線RLの後縁332側に突出している部分と径方向位置が同一の後縁332の部分が気流の上流側に凸に湾曲するような形状にされている。すなわち、後縁332は、図14に示すように、正面から見れば波形状になるように形成されている。
線RLの後縁332側に突出する部分と同一径方向位置の翼330の後縁332の部分が気流の上流側に凸に湾曲しているため、この径方向位置での翼330の反りが小さくされる。その結果、この径方向位置に発生する境界層の厚さが小さくなり、その内部に発生する渦のサイズも小さくなる。
具体的に説明すると、上述したようにまたは例えば図3や図4に示すように、前縁と後縁との間の翼部分が上流側に凸に反っているので、最大反り位置が後縁側にある径方向位置の後縁部分が下流側に凸に湾曲していると、上流側に凸に湾曲している場合に比べて、この径方向位置での反りが大きくなる。その結果、境界層の厚さが大きくなり、好ましくない大きなサイズの渦が発生してしまう。
また、後縁332が上流側に凸に湾曲する部分と下流側に凸に湾曲する部分とが交互に配置された波形状であるので、後縁332近傍において、上流側に凸に湾曲する後縁332の部分に発生する渦と下流側に凸に湾曲する後縁332の部分に発生する渦とが径方向に隣接しない。これにより、後縁332近傍において、隣接し合う渦が合体して大きなサイズの渦が発生することを抑制し、大きなサイズの渦を原因とする騒音の増大を抑制している。
以上説明してきた本実施形態によれば、ファンを有する軸流送風機の騒音がより小さくされる。
(第7の実施形態)
第7の実施形態は、第1から第4の実施形態のファンを改良したものであって、具体的には第5の実施形態と第6の実施形態を組みあわせたものである。
図15は、第7の実施形態に係るファンを示す図であって、回転中心線方向(送風方向上流側)から見た様子と、前縁正面から見た様子と、および後縁正面から見た様子とを示している。
図15に示すように、ファン410の複数の翼430それぞれは、各翼素の最大反り位置を結ぶ線RLの前縁431側に突出している部分と径方向位置が同一の前縁431の部分が送風方向(気流)の上流側に凸に湾曲し、該線RLの後縁432側に突出している部分と径方向位置が同一の前縁431の部分が気流の下流側に凸に(上流側に凹に)湾曲するような形状にされている。すなわち、前縁431は、図15に示すように、正面から見れば波形状になるように形成されている。
また、ファン410の複数の翼430それぞれは、各翼素の最大反り位置を結ぶ線RLの前縁431側に突出している部分と径方向位置が同一の後縁432の部分が送風方向(気流)の下流側に凸に(上流側に凹に)に湾曲し、該線RLの後縁432側に突出している部分と径方向位置が同一の後縁432の部分が気流の上流側に凸に湾曲するような形状にされている。すなわち、後縁432は、図15に示すように、正面から見れば波形状になるように形成されている。
線RLの前縁431側に突出する部分と同一径方向位置の翼430の前縁431の部分が気流の上流側に凸に湾曲しているため、この径方向位置での翼430の反りが小さくされる。その結果、この径方向位置に発生する境界層の厚さが小さくなり、その内部に発生する渦のサイズも小さくなる。
また、線RLの後縁432側に突出する部分と同一径方向位置の翼430の後縁432の部分が気流の上流側に凸に湾曲しているため、この径方向位置での翼430の反りが小さくされる。その結果、この径方向位置に発生する境界層の厚さが小さくなり、その内部に発生する渦のサイズも小さくなる。
さらに、前縁431が上流側に凸に湾曲する部分と下流側に凸に湾曲する部分とが交互に配置された波形状であるので、前縁431に気流が流入する際に発生する、上流側に凸に湾曲する前縁431の部分に発生する剥離渦と下流側に凸に湾曲する前縁431の部分に発生する剥離渦とが径方向に隣接しない。これにより、隣接し合う剥離渦が合体して大きなサイズの剥離渦が発生することを抑制し、大きなサイズの剥離渦を原因とする騒音の増大を抑制している。
さらにまた、後縁432が上流側に凸に湾曲する部分と下流側に凸に湾曲する部分とが交互に配置された波形状であるので、後縁432近傍において、上流側に凸に湾曲する後縁432の部分に発生する渦と下流側に凸に湾曲する後縁432の部分に発生する渦とが径方向に隣接しない。これにより、後縁432近傍において、隣接し合う渦が合体して大きなサイズの渦が発生することを抑制し、大きなサイズの渦を原因とする騒音の増大を抑制している。
以上説明してきた本実施形態によれば、ファンを有する軸流送風機の騒音がより小さくされる。
10,110,210,310,410 ファン、 20,120,220,320,420 ボス、 30,130,230,330,430 翼、 31,131,231,331,431 前縁、 32,132,232,332,432 後縁、 33,133 内周端、 34,134 外周端、 RL 最大反り位置を結ぶ線、 CL 翼弦線、 CLC 翼弦線の中点を結ぶ線

Claims (4)

  1. 回転中心線を中心にして回転するボスと、該ボスの外周面に設けられた複数の翼とを有し、回転中心線方向に送風するファンであって、
    ファンの各翼は、回転中心線から所定の径方向距離までの中心側領域内において、翼の形状を定義する無数の翼素それぞれの最大反り位置を結ぶ線が、回転中心線方向から見て、前縁側と後縁側とに交互に突出しながら回転中心線側から外周側に向かって延びる波状の線になるように、形成されていることを特徴とするファン。
  2. 上記最大反り位置を結ぶ線の前縁側に突出している部分と径方向位置が同一の前縁の部分が送風方向上流側に凸に湾曲し、
    上記最大反り位置を結ぶ線の後縁側に突出している部分と径方向位置が同一の前縁の部分が送風方向下流側に凸に湾曲していることを特徴とする請求項1に記載のファン。
  3. 上記最大反り位置を結ぶ線の前縁側に突出している部分とファンの径方向位置が同一の後縁の部分が送風方向下流側に凸に湾曲し、
    上記最大反り位置を結ぶ線の後縁側に突出している部分と径方向位置が同一の後縁の部分が送風方向上流側に凸に湾曲していることを特徴とする請求項1または2に記載のファン。
  4. 請求項1から3のいずれか一項に記載のファンを有する軸流送風機。
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