JP5146913B2 - モータ、電動機器、モータの駆動方法、およびモータの駆動回路 - Google Patents
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Description
とで、永久磁石や強磁性体からなるロータを回転させ、或いはスライダを移動させる各種
モータに関し、さらに、このモータに利用される磁気構造体に係わり、さらに、このモー
タを駆動源として利用した駆動体に関するものである。本発明は、このような駆動体とし
ての電気自動車、電動カート、電動車椅子等や、その他電動玩具、電動飛行機、小型電動
機器、MEMSに利用することができる。
ス(同期)モータとインダクション(誘導)モータの2種類がある。シンクロナスモータ
は、ロータに永久磁石や鉄などの強磁性体の積層コアを使い、電源周波数によって決まる
回転磁界の速さと同じ回転速度で回転するモータである。
などの強磁性体を使ったリアクタンス形がある。このうちマグネット型は、ロータの永久
磁石がステータの回転磁界に引かれて回転する。一方、インダクションモータは、導線が
カゴのような形のロータに、電磁誘導作用によって別の磁界を発生させることで回転する
モータである。
タも存在する。この種のモータは、広くリニアモータと呼ばれ、磁極を発生するコイルを
直線状に並べ、流す電流を順次切替えることで、その上に載った永久磁石や強磁性体を移
動させている。直線状に配置されたコイル列はステータであって、ロータは平たくなって
その上を滑動するのでスライダに相当する。
(特許文献1)に記載された小型同期モータが存在する。この小型同期モータは、特許文
献1の図1に示されるように、励磁コイル7を巻回したステータコア6と、内部にマグネ
ット1を内蔵し周面にNS極が等間隔に配列されたロータコア2を有するロータ3とを備
えた構成を持っている。
複数の磁極要素が交互に異極になるように配置される永久磁石と、コイル体と永久磁石との相対移動による磁気変動を検出するセンサと、複数のコイルを交互に異極に励磁する駆動信号として、矩形波またはセンサにより検出されたコイルに発生する逆起電圧パターンの波形信号に対応する三角波のいずれかに切り替えてコイル体に供給する駆動回路と、を備え、交互に異極となる複数の磁極要素が接して配置されており、駆動回路は、モータの安定動作時には、コイルに発生する逆起電圧パターンの波形信号を三角波に成形してコイル体に供給し、モータを始動する場合またはモータのトルクが必要な場合には、矩形波をコイル体に供給することを特徴とする。
、第1のコイル組(A相コイル)10及び第2のコイル組(B相コイル)12の間に第3
の永久磁石14を介在した構成を備えている。これらコイルと永久磁石は環状(円弧状、
円状)或いは直線状のいずれに構成されても良い。これら環状に形成された場合は、永久
磁石又はコイル相のいずれかがロータとして機能し、これらがリニアに形成された場合に
は、いずれかがスライダとなる。
均等間隔を介して順番に配列された構成を備えている。この第1のコイル組の等価回路図
を図5に示す。図1及び図2によれば、後述のとおり、2相の励磁コイルには、始動回転
中(2π)中常時全コイルを既述した極性で交互励磁させている。したがって、ロータや
スライダ等の被駆動手段を高トルクで回転・駆動することが可能となる。
)が等間隔に直列に接続されている。符号18Aはこの磁気コイルに周波数パルス信号を
印加する駆動回路を示すブロックである。この駆動回路から電磁コイル16にコイルを励
磁させるための励磁信号を流したとき、隣接するコイル間で交互に磁極の向きが変わるよ
うに、各コイルが励磁されるように予め設定されている。図3(2)に示すように、電磁
コイル16が並列に接続されていても良い。このコイルの構造は、A,B相コイルについ
て同様である。
周期で交互に切り替えるための周波数を持った信号を印加すると、図1及び図2に示すよ
うに、ロータ14と面する側の極性がN極→S極→N極と交互に変化する磁気パターンが
A相コイル組10に形成される。周波数信号が逆極性になると、第1磁性体の第3磁性体
側の極性がS極→N極→S極と交互に変化する磁気パターンが発生する。この結果、A相
コイル組10に現れる励磁パターンは周期的に変化する。
はA相コイル組の16に対して位置的にずれて配列されている点が異なる。すなわち、A
相コイル組におけるコイルの配列ピッチとB相コイル組の配列ピッチとが所定のピッチ差
(角度差)を持つようにオフセット配置されている。このピッチ差は、永久磁石14がコ
イル16,18に対して励磁電流の周波数の1周期(2π)に対応して動く角度の(1回
転)、例えば、π/(2/M):Mは永久磁石(N+S)のセット数でM=3である、π
/6が好適である。
ータ14は、二相のコイル組間に配置されており、交互に逆の極性を持った複数の永久磁
石20(黒く塗り潰されている。)が線状(円弧状)に、所定間隔、好適には均等間隔を
介して配列されている。円弧状とは、完全な円、楕円など閉じられたループの他、不特定
環状構造や、半円、扇型をも包含する。
組とB相コイル組との中間に第3の磁性体14が配置されている。永久磁石20の永久磁
石の配列ピッチは、殆どA相コイル10及びB相コイル12における磁気コイルの配列ピ
ッチと同じである。
体構造の動作を、図1及び図2を利用して説明する。既述の励磁回路(図3の18である
。後に説明する。)によって、ある瞬間においてA相コイルとB相コイルの電磁コイル1
6,18には、図1(1)に示すような励磁パターンが発生しているとする。
S→N→S→のパターンで磁極が生じ、B相コイル12の永久磁石14側に臨む表面のコ
イル18には、→N→S→N→S→N→のパターンで磁極が生じる。永久磁石と各相コイ
ルとの磁気的な関係が図示されており、同極間では反発力が発生し、異極間では吸引力が
働く。
波の極性が反転すると、(1)のA相コイル10のコイル16に発生する磁極と永久磁石
20の磁極との間に反発力が発生し、一方、B相コイル12のコイル18に発生している
磁極と永久磁石20の表面の磁極との間に引力が発生しているために、図1(1)乃至図
2(5)に示すように、永久磁石14は、図示右方向に順次移動する。
加されており、図2の(6)乃至(8)に示すように、B相コイル12のコイル18の磁
極と永久磁石20の表面の磁極とが反発して永久磁石14をさらに右方向に移動させる。
(1)乃至(8)はロータ14がπに対応する回転をした場合を示し、(9)以降は同様
にして残りのπ→2πに対応する回転をする。このようにロータはA相コイル列とB相コ
イル列に位相がずれた所定周波数の駆動電流(電圧)信号を供給することにより、回転す
るようになる。
構造は回転モータを構成するものとなり、これらを直線状に形成すると、この磁気構造は
リニアモータを構成するものとなる。ケース、ロータ等の永久磁石と電磁コイルを除く部
分は、非磁性体である樹脂(カーボン系含み)、セラミックス系により軽量化し、ヨーク
を用いないで磁気回路の開放状態にすることにより鉄損失を発生させずパワー・ウエイト
比に優れた回転駆動体が実現できる。
ができるために、永久磁石が発生するトルクが大きくなり、トルク/重量バランスに優れ
、したがって高トルクで駆動可能な小型軽量モータを提供することが可能となる。
励磁電流を印加するための励磁回路18Aの一例を示すブロック図である。この励磁回路
は、A相電磁コイル16及びB相電磁コイル18にそれぞれ制御されたパルス周波数信号
を供給するように構成されている。符号30は水晶発振器であり、符号31はこの発振周
波数信号をM分周して基準パルス信号を発生させるためのM−PLL回路31である。
センサ(例えば、後述のように永久磁石の磁界変化を検出するホール素子センサ)である
。符合34Aは、A相電磁コイルのドライバ回路に検出信号を供給するためのA相側セン
サであり、符号34Bは、B相電磁コイルのドライバ回路に検出信号を供給するためのB
相側センサである。
ためのドライバ32に出力されている。符号33はCPUであり、M―PLL回路31及
びドライバ32に所定の制御信号を出力する。前記ドライバ32はセンサからの検出信号
を直接又はPWM制御して電磁コイルに供給するように構成されている。符号31Aはド
ライバにPWM制御用の基準波を供給するための制御部である。A相コイル列用の磁気セ
ンサ34AとB相コイル列用の磁気センサ34Bは既述のとおり位相差を設けて永久磁石
の磁界をそれぞれ検出しているが、必要におうじて検出信号の位相制御がされて、ドライ
バ32に供給される。符号35はセンサ位相制御部である。
面図、(3)はその側面図、(4)はA相電磁コイル列(5)はB相電磁コイル列を示し
たものである。付された符号は、既述の図において対応する構成部分と同じものである。
、そしてロータを構成する既述の永久磁石14とを備え、A相コイル列とB相コイル列と
の間にロータ14が軸37を中心に回転自在に配置されている。ロータと回転軸は一体に
回転するように、回転軸37はロータの中心にある回転軸用開口孔に圧入されている。図
5の(2)、(4)、(5)に示すように、ロータには6つの永久磁極要素20が円周方
向に均等に設けられ、そして永久磁極要素の極性は交互に反対になるようになっており、
ステータには6つの電磁コイルが円周方向に均等に設けられている。
離)A相コイル列のケース内面側壁に設けられている。A相センサ34AとB相センサ3
4Bとは、A相コイル16に供給される周波数信号とB相コイル18に供給される周波数
信号とに所定の位相差を設けるために互いに位相をシフトさせている。
り、ホール効果を利用したホール素子が好ましい。このセンサを用いることにより、永久
磁石のS極から次のS極までを2πとしたときに、永久磁石がこのどこにあっても永久磁
石の位置をホール素子によって検出可能である。
図6(1)は、コイルに矩形波を供給した場合のコイル両端の電位変化を示している。(
2)はコイル両端の逆起電圧波形を示している。(3)は、コイル両端の消費電流波形を
示している。図7は、二つの相のコイル列間に置かれた永久磁石が、図示右方向に運動し
た場合におけるコイルに発生する逆起電力を説明するための原理図である。
)であり、Cl(m)はコイル長さであり、P[m/s]はコイルの移動速度を示している
。A相コイル16には8−1で示す正弦波様の逆起電圧波形が発生し、B相コイル18に
は8−2で示す、A相コイル列の配列とB相コイル列の配列の位相差に基づく位相差を持
った正弦波用逆起電圧波形が発生する。
いので電流が大きくなる。そのためにモータの発生トルクは大きくなるが、モータの効率
は低下する。効率(η)は、
η=(機械的出力/入力電圧)*100(%)で定義される。
を印加した場合のコイル両端の電圧波形である。(2)はコイルの消費電圧波形を示した
ものである。(2)の領域TTで示されるコイル両端電圧は、供給電圧波形と逆起電圧波
形の差で波形歪のみが発生しコイル両端の消費電流波形は、図6(2)の縦軸のスケール
と図8(2)の縦軸のスケールを比較してみると明らかなように、非常に小さい電流値と
なる。そのために、既述の効率が大きく改善される。波形歪みを改善することによって効
率は一層向上される。アナログ出力型のホール素子は、逆起電圧波形に相当する波形を出
力することができる。このように逆起電力の波形と同波形でコイルを励磁することにより
、効率は矩形波でコイルを励磁することに比較して2−3倍向上される。したがって、こ
のモータを負荷に適用した場合、負荷の動作始動や急加速時での始動トルクを重要視する
局面では、矩形波形をコイルに供給し、モータの安定動作時は正弦波をコイルに供給する
ことによって駆動特性と効率の両立を図ることができる。
駆動回路のブロック図である。すなわち、このセンサは後述の図10(1)に示すように
、逆起電力波形に最も近い正弦波様の出力波を発生するので、このセンサからの出力を直
接コイルに供給することによって、最大効率でモータを運転することができる。符号10
0はセンサ出力の増幅器である。101はロータの正転又は反転制御回路である。A相又
はB相のコイルに供給されるセンサからの検出波形の極性を強制的に反転させることによ
ってロータの回転方向制御することができる。93はこの制御回路に供給される指令信号
の形成部である。A相センサ34Aからの検出信号が増幅されてA相コイルに供給される
。B相センサ34Bからの検出信号が増幅されてB相コイルに供給される。
のアナログ出力波形(正弦波形)を示す。(2)はB相センサからの出力波形である。既
述のとおり、二つのセンサは位相差を持って配置されているために、位相がずれている。
(3)はA相コイルに供給されるA1相駆動波形(図3の端子A1→A2の向きの電圧波
形)であり、(4)はA相コイルに供給されるA2相駆動波形(図3の端子A2→A1の
向き)である。(5)はB相コイルに供給されるB1相駆動波形であり、(6)はB2相
駆動波形である。(7)はA相コイル組間の両端(A1−A2間)波形であり、(8)は
B相コイル組間の両端(B1−B2間)波形である。センサの正弦波出力波形がそれぞれ
の相のコイル組に供給される。
動回路のブロック図である。既述のようにモータを高トルクで運転することが必要な場合
では、コイルに矩形波を供給することの意義がある。モータの回転速度を図示しない回転
速度センサで検出し、モータの回転速度が所定値以上になった場合(安定駆動時)に、駆動
回路は矩形波に代えてセンサのアナログ出力値を直接コイル列に供給するようにする。
また、マルチプレクサ122は、回転方向制御部123からの出力に基づいて、B相センサ34Bの出力とヒステリシスレベルの上限値との比較値TPおよびB相センサ34Bの出力とヒステリシスレベルの下限値との比較値BPの一方をB1相の駆動信号として出力し、B相センサ34Bの出力とヒステリシスレベルの上限値との比較値TPおよびB相センサ34Bの出力とヒステリシスレベルの下限値との比較値BPの他方をB2相の駆動信号として出力する。
示しない基本波と比較して、各相コイルに供給される矩形波のデューティ比が制御される
(PWM制御される)ことを示す、駆動回路のブロック図である。すなわち、図14に示す
ように、各相センサ(1)及び(2)の出力がデューティ制御されて、(3)及び(4)
に示すように、各相コイル組に供給される両端電圧となる。
図を示すものである。図1及び2では、ロータの各永久磁極要素間は非磁性体で形成され
ているのに対して、この実施形態のロータでは各永久磁極要素150の間に掛る介在領域
を経ることなく、永久磁極要素同士が密着している。152はロータの回転軸であり、1
54は回転子である。この回転子の円周縁部に連続的に複数の永久磁極要素が配列されて
いる。図15のものでは、図16に示すように、三角波の逆起電力が発生する。したがっ
て、各相コイル列用センサの検出信号を3角波に成形してこれを各相コイルに供給すれば
モータを最大効率で運転することができる。
有特性ではなく電動モータから発生する逆起電力の波形と同波形を用いてモータのコイル
を励磁させることにより、モータそのものを高効率で駆動させることができる。すなわち
、本発明によれば、高効率なモータの駆動システム及び駆動方法を実現することが出来る
。
Claims (6)
- 複数のコイルを有するコイル体と、
複数の磁極要素が交互に異極になるように配置される永久磁石と、
前記コイル体と前記永久磁石との相対移動による磁気変動を検出するセンサと、
前記複数のコイルを交互に異極に励磁する駆動信号として、矩形波または前記センサにより検出された前記コイルに発生する逆起電圧パターンの波形信号に対応する三角波のいずれかに切り替えて前記コイル体に供給する駆動回路と、を備え、
交互に異極となる前記複数の磁極要素が接して配置されており、
前記駆動回路は、
前記モータの安定動作時には、前記コイルに発生する逆起電圧パターンの波形信号を三角波に成形して前記コイル体に供給し、
前記モータを始動する場合または前記モータのトルクが必要な場合には、前記矩形波を前記コイル体に供給する、
ことを特徴とするモータ。 - 前記センサはホールセンサである、請求項1に記載のモータ。
- 前記磁気変動を前記矩形波に変換するPWM変換部を備える、請求項1または2に記載のモータ。
- 請求項1ないし3のいずれか1項に記載のモータを備えた電動機器。
- 複数のコイルを有するコイル体と、複数の磁極要素が交互に異極になるように、かつ、接して配置される永久磁石と、駆動回路と、センサと、を備え、
前記センサが前記コイル体と前記永久磁石との相対移動によって前記コイルに発生する逆起電圧パターンの波形信号を検出する工程と、
前記駆動回路が、矩形波または前記センサにより検出された前記コイルに発生する逆起電圧パターンの波形信号に対応する三角波のいずれかに切り替えて、前記複数のコイルを交互に異極に励磁する駆動信号として前記コイル体に供給する工程と、を有し、
前記供給する工程では、
前記モータの安定動作時には、前記コイルに発生する逆起電圧パターンの波形信号を三角波に成形して前記コイル体に供給し、
前記モータを始動する場合または前記モータのトルクが必要な場合には、前記矩形波を前記コイル体に供給する、
モータの駆動方法。 - 複数のコイルを有するコイル体と、
複数の磁極要素が交互に異極になるように、かつ、接して配置される永久磁石と、
前記コイル体と前記永久磁石との相対移動によって前記コイルに発生する逆起電圧パターンの波形信号を検出するセンサと、
を有するモータを駆動させる駆動回路であって、
前記複数のコイルを交互に異極に励磁する駆動信号として、矩形波または前記センサにより検出された前記コイルに発生する逆起電圧パターンの波形信号に対応する三角波のいずれかに切り替えて前記コイル体に供給するものであり、
前記モータの安定動作時には、前記コイルに発生する逆起電圧パターンの波形信号を三角波に成形して前記コイル体に供給し、
前記モータを始動する場合または前記モータのトルクが必要な場合には、前記矩形波を前記コイル体に供給する、
モータの駆動回路。
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