JP5145806B2 - ロバスト最適化方法、ロバスト最適化装置、および、プログラム - Google Patents

ロバスト最適化方法、ロバスト最適化装置、および、プログラム Download PDF

Info

Publication number
JP5145806B2
JP5145806B2 JP2007196519A JP2007196519A JP5145806B2 JP 5145806 B2 JP5145806 B2 JP 5145806B2 JP 2007196519 A JP2007196519 A JP 2007196519A JP 2007196519 A JP2007196519 A JP 2007196519A JP 5145806 B2 JP5145806 B2 JP 5145806B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
control variable
storage unit
robust optimization
generation
characteristic value
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2007196519A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2009032104A (ja
Inventor
暁生 川口
国仁 小名
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2007196519A priority Critical patent/JP5145806B2/ja
Publication of JP2009032104A publication Critical patent/JP2009032104A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5145806B2 publication Critical patent/JP5145806B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明は、ロバスト最適化方法、ロバスト最適化装置、および、プログラムに関し、特に、機能とロバスト性を両立する解を探索するためのロバスト最適化方法、ロバスト最適化装置、および、プログラムに関する。
従来、工業製品の設計等の支援ツールとして、CAE(コンピュータ エイデッド エンジニアリング:Computer Aided Engineering)が用いられている。
例えば、特許文献1〜3に記載の方法は、エンジンの吸排気の流れをシミュレーションする方法であり、システムダウンを防ぐために、助走期間を設けたり、計算が発散する条件を推定したり、境界条件を与えて3次元解析を行うよう工夫されている。
また、近年では、CAEにおいて品質工学(タグチ・メソッド)の考え方が取り入れられ、従来のような機能性の評価のみならず、ロバスト(Robust)性を考慮した品質の評価も行われるようになってきた。
また、品質工学(タグチ・メソッド)における重要なアプローチ手段として、直交表への割付けがある。例えば、特許文献4においては、製造工程のバラツキや使用条件の変動等にロバストな対象物を設計するために、モデル計算時に、誤差変動を直交表に割付けてシミュレーションする方法が開示されている。また、特許文献5においては、設計パラメータ等の最適値を、少ない計算回数や試行回数で得るために、繰り返し処理毎に直交表への割付けを行うことが開示されている。
しかしながら、従来の方法においては、交互作用や非線形性を排除できない対象の場合、直交表の再現性を確保することが難しく、実用上困難を伴っていた。すなわち、直交表への割付けにおいては、交互作用がない因子を選定する必要があるが、交互作用の有無を予め予測しておくことは困難であり、CAEの自動化を行う上において、直交表を利用することは現実的ではない。
ここで、直交表を用いることなく、機能とロバスト性の双方を改善させるような設計制御変数を得る方法が、特許文献6に記載されている。すなわち、特許文献6の方法は、機能とロバスト性の双方を目的とする多目的関数を設定し、進化的アルゴリズム等を用いて候補を探索し、複数個のロバスト最適解を求め、機能とロバスト性のトレードオフ情報を得る方法である。
特開2005−249418号公報 特開2005−249419号公報 特開2005−249422号公報 特開2002−99579号公報 特開2006−48120号公報 特開2006−293483号公報
しかしながら、特許文献6に記載の方法においては、1つの機能と1つのロバスト性とのトレードオフ情報を得ることができるが、複数の機能を目的としながらロバスト性を改善することができないという問題がある。また、特許文献6の方法においては、処理の負荷を適切に抑制することやCAEにおける多様な設計候補を得ることができない、という問題があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたもので、複数の機能を目的とした最適化を行う一方で、ロバスト性の最適化を図ることができる、ロバスト最適化方法、ロバスト最適化装置、および、プログラムを提供することを目的とする。また、本発明は、CAEにおける処理の負担を軽減することができ、多様な設計候補を得ることができる、ロバスト最適化方法、ロバスト最適化装置、および、プログラムを提供することを目的とする。
このような目的を達成するため、請求項1に記載のロバスト最適化方法は、対象物の複数の機能を目的とした多目的関数についてCAE計算を実行するロバスト最適化方法において、上記対象物に所定の誤差条件を付与して上記CAE計算を行うことにより上記複数の機能の特性値とSN比とを算出し、上記特性値に基づく機能と上記SN比に基づくロバスト性とを両立する、上記多目的関数の制御変数の解を、上記制御変数の各世代を創出しながら探索することを特徴とする。
本発明によれば、CAE計算による最適化手法において、誤差を故意に与えてSN比を求めロバスト性の指標に用いるので、複数の機能を目的とした最適化を行う一方で、ロバスト性の最適化を図ることができる。
また、請求項2に記載のロバスト最適化方法は、制御部と記憶部を少なくとも備えたロバスト最適化装置において実行されるロバスト最適化方法であって、上記記憶部は、対象物の複数の機能を目的とした多目的関数の制御変数の基準値を記憶する基準値記憶手段を備えており、上記制御部において実行される、上記基準値記憶手段に記憶された上記基準値に基づいて、実験計画法により初期世代となる制御変数を上記記憶部に設定する初期世代設定ステップと、(i)上記記憶部に設定された上記制御変数に基づいてCAE計算を行い、上記CAE計算による上記対象物の上記複数の機能の特性値をそれぞれ算出する特性値算出ステップと、(ii)当該制御変数に基づいて次世代の上記制御変数を創出し、上記記憶部に設定する次世代探索ステップと、の(i)と(ii)を予定世代数まで繰り返し行うよう制御する特性値最適化ステップと、上記特性値最適化ステップにおいて算出された上記特性値に基づいてパレート解を選択し、上記パレート解付近の解を導出した上記制御変数を、ロバスト最適化初期世代候補として上記記憶部に設定するパレート解選択ステップと、(iii)上記記憶部に設定された上記制御変数に基づく上記対象物に所定の誤差条件を付与し上記CAE計算を行い、SN比を算出するSN比算出ステップと、(iv)当該制御変数に基づいて次世代の上記制御変数を創出し、上記記憶部に設定する次世代探索ステップと、の(iii)と(iv)を予定世代数まで繰り返し行うよう制御するロバスト最適化ステップと、を含むことを特徴とする。
本発明によれば、複数の機能を目的とした最適化を行う一方で、ロバスト性の最適化を図ることができる。また、特性値の最適化とロバスト性の最適化の処理を分けたことにより、処理の負担を軽減することができ、処理速度を向上させることができる。
また、請求項3に記載のロバスト最適化方法は、請求項2に記載のロバスト最適化方法において、上記次世代探索ステップは、遺伝的アルゴリズム、モンテカルロ法、焼きなまし法、または、ゲーム理論を用いて、上記次世代の上記制御変数を創出すること、を特徴とする。
本発明によれば、交互作用・非線形性を排除できず直交表を用いることができない対象であっても、目的の探索を効率よく行うことができる。
また、請求項4に記載のロバスト最適化方法は、請求項2に記載のロバスト最適化方法において、上記制御変数は、フィレットの再生順序、または、モーフィングの設定順序を規定する変数を含むこと、を特徴とする。
本発明によれば、順序を入れ替えることにより形状が変わる可能性があるため、より候補の多様性をもたせることができる。
また、請求項5に記載のロバスト最適化方法は、請求項2に記載のロバスト最適化方法において、上記CAE計算は、FEM構造解析、衝突解析、鍛造流れ解析、樹脂成形解析、流体解析、磁場解析、光学系解析、音響解析、噴霧・燃焼解析、1次元流れ解析、機構解析、または、これらの連性解析を用いること、を特徴とする。
本発明によれば、対象物の機能または目的に合わせた適切なCAE計算を行うことができる。
また、請求項6に記載のロバスト最適化方法は、請求項2に記載のロバスト最適化方法において、上記所定の誤差条件は、中央値と、上記特性値が最大となる誤差条件と、上記特性値が最小となる誤差条件と、の3つの誤差条件であること、を特徴とする。
本発明によれば、従来技術では型ずれパターンをL4直交表に割当て4諸元計算を行っていたのに対し、2パターンの型ずれでほぼ上下限のばらつきが評価できるので、処理の負担を軽減し、計算速度を向上させることができる。
また、請求項7に記載のロバスト最適化装置は、制御部と記憶部を少なくとも備えたロバスト最適化装置において、上記記憶部は、対象物の複数の機能を目的とした多目的関数の制御変数の基準値を記憶する基準値記憶手段を備え、上記制御部は、上記基準値記憶手段に記憶された上記基準値に基づいて、実験計画法により初期世代となる制御変数を上記記憶部に設定する初期世代設定手段と、上記記憶部に設定された上記制御変数に基づいてCAE計算を行い、上記CAE計算による上記対象物の上記複数の機能の特性値をそれぞれ算出する特性値算出ステップと、当該制御変数に基づいて次世代の上記制御変数を創出し、上記記憶部に設定する次世代探索ステップと、を予定世代数まで繰り返し行うよう制御する特性値最適化手段と、上記特性値最適化手段によって算出された上記特性値に基づいてパレート解を選択し、上記パレート解付近の解を導出した上記制御変数を、ロバスト最適化初期世代候補として上記記憶部に設定するパレート解選択手段と、上記記憶部に設定された上記制御変数に基づく上記対象物に所定の誤差条件を付与し上記CAE計算を行い、SN比を算出するSN比算出ステップと、当該制御変数に基づいて次世代の上記制御変数を創出し、上記記憶部に設定する次世代探索ステップと、を予定世代数まで繰り返し行うよう制御するロバスト最適化手段と、を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、複数の機能を目的とした最適化を行う一方で、ロバスト性の最適化を図ることができる。また、特性値の最適化とロバスト性の最適化の処理を分けたことにより、処理の負担を軽減することができ、処理速度を向上させることができる。
また、請求項8に記載のプログラムは、制御部と記憶部を少なくとも備えたロバスト最適化装置にロバスト最適化方法を実行させるためのプログラムであって、上記記憶部は、対象物の複数の機能を目的とした多目的関数の制御変数の基準値を記憶する基準値記憶手段を備えており、上記制御部において実行される、上記基準値記憶手段に記憶された上記基準値に基づいて、実験計画法により初期世代となる制御変数を上記記憶部に設定する初期世代設定ステップと、(i)上記記憶部に設定された上記制御変数に基づいてCAE計算を行い、上記CAE計算による上記対象物の上記複数の機能の特性値をそれぞれ算出する特性値算出ステップと、(ii)当該制御変数に基づいて次世代の上記制御変数を創出し、上記記憶部に設定する次世代探索ステップと、の(i)と(ii)を予定世代数まで繰り返し行うよう制御する特性値最適化ステップと、上記特性値最適化ステップにおいて算出された上記特性値に基づいてパレート解を選択し、上記パレート解付近の解を導出した上記制御変数を、ロバスト最適化初期世代候補として上記記憶部に設定するパレート解選択ステップと、(iii)上記記憶部に設定された上記制御変数に基づく上記対象物に所定の誤差条件を付与し上記CAE計算を行い、SN比を算出するSN比算出ステップと、(iv)当該制御変数に基づいて次世代の上記制御変数を創出し、上記記憶部に設定する次世代探索ステップと、の(iii)と(iv)を予定世代数まで繰り返し行うよう制御するロバスト最適化ステップと、を含むロバスト最適化方法を実行させることを特徴とする。
本発明によれば、複数の機能を目的とした最適化を行う一方で、ロバスト性の最適化を図ることができる。また、特性値の最適化とロバスト性の最適化の処理を分けたことにより、処理の負担を軽減することができ、処理速度を向上させることができる。
また、本発明は記録媒体に関するものであり、上記請求項8に記載のプログラムを記録したことを特徴とする。
この記録媒体によれば、当該記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータに読み取らせて実行することによって、請求項8に記載されたプログラムをコンピュータを利用して実現することができ、この方法と同様の効果を得ることができる。
この発明によれば、複数の機能を目的とした最適化を行う一方で、ロバスト性の最適化を図ることができる。
以下に、本発明にかかる、ロバスト最適化方法、ロバスト最適化装置、および、プログラム、並びに、記録媒体の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
[本発明の概要]
以下、本発明の概要について説明し、その後、本発明の構成および処理等について詳細に説明する。
本発明は、概略的に、対象物の複数の機能を目的とした多目的関数についてCAE計算を実行するロバスト最適化方法において、対象物に所定の誤差条件を付与してCAE計算を行うことにより複数の機能の特性値とSN比とを算出し、特性値に基づく機能とSN比に基づくロバスト性とを両立する、多目的関数の制御変数の解を、制御変数の各世代を創出しながら探索することを基本的特徴とする。ここで、図1は、本発明の基本原理の一例を示すフローチャートである。
図1に示すように、本発明は、複数の機能の特性値について最適化するための繰り返し処理(ステップSA−2〜4(以下「特性値最適化処理」と呼ぶ。))と、SN比に基づくロバスト性の最適化のための繰り返し処理(ステップSA−6〜8(以下「ロバスト最適化処理」と呼ぶ。))と、の2段階の最適化処理で構成される。
すなわち、本発明のロバスト最適化装置は、制御部と記憶部を少なくとも備え、記憶部は、対象物の複数の機能を目的とした多目的関数の制御変数の基準値を記憶する。
そして、図1に示すように、ロバスト最適化装置は、記憶部に記憶された基準値に基づいて、実験計画法により制御変数を特性値最適化初期世代として記憶部に設定する(ステップSA−1)。
そして、ロバスト最適化装置は、記憶部に設定された制御変数に基づいてCAE計算を行い、CAE計算による対象物の複数の機能の特性値をそれぞれ算出する(ステップSA−2)。
そして、ロバスト最適化装置は、予定世代まで処理が完了したか否かを判断する(ステップSA−3)。
そして、ロバスト最適化装置は、予定世代まで処理が完了していない場合には(ステップSA−3、No)、当該制御変数に基づいて次世代の制御変数を創出し記憶部に設定し(ステップSA−4)、ステップSA−2に処理を戻す。すなわち、ロバスト最適化装置は、予定世代数までステップSA−2〜4を繰り返し行うことにより、特性値最適化処理を実行する。
そして、予定世代数までの処理が完了すると(ステップSA−3、Yes)、ロバスト最適化装置は、算出された特性値に基づいてパレート解を選択し、パレート解付近の解を導出した制御変数を、ロバスト最適化初期世代候補として記憶部に設定する(ステップSA−5)。ここで、図2は、ロバスト最適化初期世代候補の一例を説明するための図であり、fおよびfは、複数の機能を目的とした多目的関数のうちのそれぞれ一方であり、機能の特異値の大きさを表す。
図2に示すように、対象物の複数の機能の特性値のそれぞれが大きければ大きいほど高く評価される場合、パレート解は、世代を経る毎に上方向または右方向に収束していく。一例として、ロバスト最適化装置は、パレート解が収束する線(パレート解ライン)を判断して、パレート解付近の解を導出した制御変数を、ロバスト最適化初期世代候補として記憶部に設定する。
再び図1に戻り、ロバスト最適化装置は、記憶部に設定された制御変数に基づく対象物に所定の誤差条件を付与しCAE計算を行い、SN比を算出する(ステップSA−6)。ここで、所定の誤差条件は、中央値(誤差なし)と、特性値が最大となる誤差条件と、特性値が最小となる誤差条件と、の3つの誤差条件であってもよい。また、「SN比」とは、ロバスト性の指標であり、特性値に対するばらつきの小ささを表している。
そして、ロバスト最適化装置は、予定世代までの処理が完了したか否かを判断する(ステップSA−7)。
そして、予定世代までの処理が完了していない場合には(ステップSA−7、No)、当該制御変数に基づいて次世代の制御変数を創出し記憶部に設定し(ステップSA−8)、ステップSA−6に処理を戻す。すなわち、ロバスト最適化装置は、予定世代数までステップSA−6〜8を繰り返し行うことにより、ロバスト最適化処理を実行する。
そして、ロバスト最適化装置が予定世代までロバスト最適化処理を完了すると(ステップSA−5、Yes)、複数の機能とSN比に基づくロバスト性とを両立する解が求められ、利用者は、設計要求と一致する解を選択することができる(ステップSA−6)。
以上が、本発明の概要である。ここで、次世代の制御変数の創出には、遺伝的アルゴリズム(多目的GA法(MOGA:Multiple−Objective Genetic Algorithm)を含む。)、モンテカルロ法、焼きなまし法(多目的SA法(MOSA:Multiple−Objective Simulated Anealing)を含む。)、または、ゲーム理論を用いてもよい。また、制御変数は、フィレットの再生順序、または、モーフィングの設定順序を規定する変数を含んでもよい。また、CAE計算は、FEM構造解析、衝突解析、鍛造流れ解析、樹脂成形解析、流体解析、磁場解析、光学系解析、音響解析、噴霧・燃焼解析、1次元流れ解析、機構解析、または、これらの連性解析を用いてもよい。
[ロバスト最適化装置の構成]
まず、ロバスト最適化装置の構成について説明する。図3は、本発明が適用される本システム構成の一例を示すブロック図であり、該構成のうち本発明に関係する部分のみを概念的に示している。
図3においてロバスト最適化装置100は、概略的に、ロバスト最適化装置100の全体を統括的に制御するCPU等の制御部102、および、各種のデータベースやテーブルなどを格納する記憶部106を備えて構成されており、これら各部は任意の通信路を介して通信可能に接続されている。
記憶部106に格納される各種のデータベースやテーブル(基準値ファイル106a〜世代別データファイル106b)は、固定ディスク装置等のストレージ手段であり、各種処理に用いる各種のプログラムやテーブルやファイルやデータベース等を格納する。
これら記憶部106の各構成要素のうち、基準値ファイル106aは、対象物の複数の機能を目的とした多目的関数の制御変数(パラメータ)の基準(ベース)値を記憶する基準値記憶手段である。
また、世代別データファイル106bは、世代毎またはサンプル毎に制御変数の値や特性値やSN比を記憶する世代別データ記憶手段である。
また、図3において、制御部102は、OS(Operating System)等の制御プログラム、各種の処理手順等を規定したプログラム、および所要データを格納するための内部メモリを有し、これらのプログラム等により、種々の処理を実行するための情報処理を行う。制御部102は、機能概念的に、初期世代設定部102a、CAE解析部102b、次世代探索部102c、パレート解選択部102e、誤差設定部102f、SN比算出部102gを備えて構成されている。
このうち、初期世代設定部102aは、基準値ファイル106aに記憶された基準値に基づいて、実験計画法により特性値最適化初期世代として制御変数を世代別データファイル106bに設定する初期世代設定手段である。
また、CAE解析部102bは、世代別データファイル106bに設定された現在の世代の制御変数に基づいてCAE計算を行い、対象物の複数の機能の特性値をそれぞれ算出するCAE解析手段である。ここで、CAE解析部102bは、FEM構造解析、衝突解析、鍛造流れ解析、樹脂成形解析、流体解析、磁場解析、光学系解析、音響解析、噴霧・燃焼解析、1次元流れ解析、機構解析、または、これらの連性解析を用いてCAE計算を行ってもよい。
また、次世代探索部102cは、現在の世代が予定世代数に到達していない場合に、世代別データファイル106bに設定された現在の世代の制御変数に基づいて次世代の制御変数を創出し、世代別データファイル106bに設定する次世代探索手段である。ここで、次世代探索部102cは、遺伝的アルゴリズム、モンテカルロ法、焼きなまし法、または、ゲーム理論を用いて、次世代の制御変数を創出してもよい。また、ここで、次世代探索部102cは、現在の世代のうちのパレート解を次世代創出のためのサンプルとしてもよい。
ここで、次世代探索部102cは、図3に示すように、設計順序変更部102dを備えて構成されている。設計順序変更部102dは、制御変数として、フィレットの再生順序、または、モーフィングの設定順序を規定する変数が含まれる場合に、順序を変更して次世代の制御変数を創出する設計順序変更手段である。これにより、フィレットのR寸法やモーフィングの変形係数のみならず、フィレットの再生順序やモーフィングの設定順序を入れ替えることにより形状を変えることができ、より候補の多様性を創出することができる。
また、図3に示すように、パレート解選択部102eは、CAE解析部102bにより算出された特性値に基づいて、パレート解を選択し、パレート解付近の解を導出した制御変数を、ロバスト最適化初期世代候補として世代別データファイル106bに設定するパレート解選択手段である。
また、誤差設定部102fは、世代別データファイル106bに設定された現在の世代の制御変数に基づく対象物に所定の誤差条件を付与する誤差設定手段である。ここで、誤差設定部102fは、所定の誤差条件として、中央値と、特性値が最大となる誤差条件と、特性値が最小となる誤差条件と、の3つの誤差条件を設定してもよい。
また、SN比算出部102gは、誤差設定部102fにより付与された所定の誤差条件に基づいてCAE解析部102bによりCAE計算された特性値に基づき、SN比を算出するSN比算出手段である。ここで、SN比算出部102gは、以下の式によりSN比を算出してもよい。
SN比:η=10log(μ/σ)
ここで、μは、特性値の平均であり、σは、特性値のばらつきの大きさを示す。
以上で、制御部102の各構成の説明を終える。ここで、2段階で最適化処理を行う実施の形態においては、特性値最適化処理において、CAE解析部102bが、世代別データファイル106bに設定された制御変数に基づいてCAE計算を行い、CAE計算による対象物の複数の機能の特性値をそれぞれ算出し、次世代探索部102cが、予定世代数まで到達していないと判断した場合に、当該制御変数に基づいて次世代の制御変数を創出し、世代別データファイル106bに設定し、これらの処理を各部が予定世代数まで繰り返し行うことにより特性値最適化手段として機能する。また、2段階の最適化処理のうちロバスト最適化処理において、誤差設定部102fが、世代別データファイル106bに設定された制御変数に基づく対象物に所定の誤差条件を付与し、CAE解析部102bが、CAE計算を行い、SN比算出部102gが、SN比を算出し、次世代探索部102cが、予定世代数まで到達していないと判断した場合に、当該制御変数に基づいて次世代の制御変数を創出し、世代別データファイル106bに設定し、これらの処理を各部が予定世代数まで繰り返し行うことによりロバスト最適化手段として機能する。以上が、本ロバスト最適化装置の構成である。
[ロバスト最適化装置の処理]
次に、このように構成された本実施の形態における本ロバスト最適化装置の処理(特性値最適化処理〜ロバスト最適化処理)の一例について、以下に図4〜図7を参照して詳細に説明する。ここで、図4は、3Dで表したパレート解のイメージ図である。
対象物の複数の機能の特性値(例えば、図4において、特性値Aと特性値B)とSN比との3者のパレート解は、図4に示すような集合となる。ここで、以下に示す実施の形態1においては、これら3者を同時に最適化するよう構成する。一方、後述する実施の形態2においては、3者を同時に最適化するのではなく、特定値Aと特性値Bのパレート解を求めるための特性値最適化処理と、更にSN比を最適化するロバスト最適化処理と、を分けて実行するよう構成する。
[実施の形態1]
実施の形態1におけるロバスト最適化装置の処理の一例について、以下に図5を参照して詳細に説明する。ここで、図5は、実施の形態1におけるロバスト最適化装置の処理の一例を示すフローチャートである。
図5に示すように、初期世代設定部102aは、基準値ファイル106aに記憶された基準(ベース)値に基づいて、実験計画法により特性値最適化初期世代として制御変数(パラメータ)を世代別データファイル106bに設定する(ステップSB−1)。
そして、誤差設定部102fは、世代別データファイル106bに設定された現在の世代の制御変数に基づく対象物に所定の誤差条件(中央値、誤差条件1、誤差条件2、・・・、誤差条件n)を付与する(ステップSB−2、3)。
そして、CAE解析部102bは、誤差設定部102fにより付与された誤差条件のそれぞれについてCAE計算を行い、対象物の特性値を算出する(ステップSB−4)。
そして、SN比算出部102gは、CAE解析部102bによってCAE計算された特性値に基づき、SN比を算出する(ステップSB−5)。すなわち、SN比算出部102gは、各誤差条件により計算された特性値の平均μを算出し、最大の特性値と最小の特性値の差分σを算出し、以下の式によりSN比を算出する。
SN比:η=10log(μ/σ)
そして、次世代探索部102cは、現在の世代が予定世代数に到達しているか否かを判断する(ステップSB−6)。
予定世代数に到達していないと判断した場合は(ステップSB−6、No)、次世代探索部102cは、世代別データファイル106bに設定された現在の世代の制御変数に基づいて次世代の制御変数を創出し、世代別データファイル106bに設定し(ステップSB−7)、処理をステップSB−2に戻す。ここで、次世代探索部102cは、制御変数に、フィレットの再生順序、または、モーフィングの設定順序を規定する変数が含まれる場合に、設計順序変更部102dの処理により、順序を変更して次世代の制御変数を創出してもよい。
そして、予定世代数までステップSB−2〜7の処理が完了すると(ステップSB−6、Yes)、複数の機能とSN比に基づくロバスト性とを両立する解が求められ、利用者は、設計要求と一致する解を選択することができる(ステップSB−8)。以上で、実施の形態1におけるロバスト最適化装置の処理の説明を終える。
[実施の形態2]
実施の形態2におけるロバスト最適化装置の処理の一例について、以下に図6および図7を参照して詳細に説明する。図6は、実施の形態2におけるロバスト最適化装置の処理の一例を示すフローチャートである。
実施の形態2においては、一方の特定値と他方の特性値とのパレート解を求めるための特性値最適化処理と、更にSN比を最適化するロバスト最適化処理と、を分けて実行するよう構成する。SN比の計算には、候補諸元数に誤差条件(中央値を含む。)の数を乗じた数の計算が必要になるので、これにより、膨大な計算量となることを抑制し、処理負担の軽減を図ることができる。
まず、図6に示すように、初期世代設定部102aは、基準値ファイル106aに記憶された基準(ベース)値に基づいて、実験計画法により特性値最適化初期世代として制御変数(パラメータ)を世代別データファイル106bに設定する(ステップSC−1)。
そして、CAE解析部102bは、世代別データファイル106bに設定された現在の世代の制御変数に基づいてCAE計算を行う(ステップSC−2)。
そして、CAE解析部102bは、対象物の複数の機能の特性値をそれぞれ算出する(ステップSC−3)。例えば、CAE解析部102bは、ディーゼルエンジンの吸気ポートを対象物とした場合、スワールと流量という2種類の特性値を求めてもよい。
そして、次世代探索部102cは、現在の世代が予定世代数に到達しているか否かを判断する(ステップSC−4)。
予定世代数に到達していないと判断した場合は(ステップSC−4、No)、次世代探索部102cは、世代別データファイル106bに設定された現在の世代の制御変数に基づいて次世代の制御変数を創出し、世代別データファイル106bに設定し(ステップSC−5)、処理をステップSC−2に戻す。本実施の形態においては、次世代探索部102cは、現在の世代の解の中から親となるサンプルを選択し(例えば、現在世代のパレート解を選択する等)、遺伝的アルゴリズムに基づいてサンプルの淘汰または交差を行うことにより次世代を創出する。ここで、次世代探索部102cは、制御変数に、フィレットの再生順序、または、モーフィングの設定順序を規定する変数が含まれる場合に、設計順序変更部102dの処理により、順序を変更して次世代の制御変数を創出してもよい。
そして、予定世代数までステップSC−2〜5の処理が完了すると(ステップSC−4、No)、パレート解選択部102eは、CAE解析部102bにより算出された特性値に基づいて、パレート解を選択し、パレート解付近の解を導出した制御変数を、ロバスト最適化初期世代候補として世代別データファイル106bに設定する(ステップSC−6)。
そして、誤差設定部102fは、世代別データファイル106bに設定された現在の世代の制御変数に基づく対象物に所定の誤差条件(中央値、誤差条件1、誤差条件2、・・・、誤差条件n)を付与する(ステップSC−7、8)。
そして、CAE解析部102bは、誤差設定部102fにより付与された誤差条件のそれぞれについてCAE計算を行い、対象物の特性値を算出する(ステップSC−9)。
そして、SN比算出部102gは、CAE解析部102bによってCAE計算された特性値に基づき、SN比を算出する(ステップSC−10)。本実施の形態においては、SN比算出部102gは、各誤差条件により計算された特性値の平均μを算出し、最大の特性値と最小の特性値の差分σを算出し、以下の式によりSN比を算出する。
SN比:η=10log(μ/σ)
そして、次世代探索部102cは、現在の世代が予定世代数に到達しているか否かを判断する(ステップSC−11)。
予定世代数に到達していないと判断した場合は(ステップSC−11、No)、次世代探索部102cは、世代別データファイル106bに設定された現在の世代の制御変数に基づいて次世代の制御変数を創出し、世代別データファイル106bに設定し(ステップSC−12)、処理をステップSC−7に戻す。本実施の形態においては、次世代探索部102cは、現在の世代の解の中から親となるサンプルを選択し(例えば、現在世代のパレート解を選択する等)、遺伝的アルゴリズムに基づいてサンプルの淘汰または交差を行うことにより次世代を創出する。ここで、次世代探索部102cは、制御変数に、フィレットの再生順序、または、モーフィングの設定順序を規定する変数が含まれる場合に、設計順序変更部102dの処理により、順序を変更して次世代の制御変数を創出してもよい。
そして、予定世代数までステップSC−7〜12のロバスト最適化処理が完了すると(ステップSC−11、Yes)、複数の機能とSN比に基づくロバスト性とを両立する解が求められ、利用者は、設計要求と一致する解を選択することができる(ステップSC−13)。ここで、図7は、ロバスト最適化処理後のSN比の分布の一例を表す図であり、fおよびfは、複数の機能を目的とした多目的関数のうちのそれぞれ一方であり、機能の特異値の大きさを表す。
図7に示すように、利用者は、fとfとのパレート解付近のサンプルからSN比の比較的高いものを選択することにより、複数の機能を目的とした最適化を行う一方で、ロバスト性の最適化を図ることができる諸元(例えば、図7の実機試作サンプル)を見出すことができる。以上で、実施の形態2におけるロバスト最適化装置の処理の説明を終える。
[実施例]
対象物としてディーゼル吸気ポートを適用した実施例について説明する。
ディーゼルエンジンの吸気ポートにおいては、スワール[rpm]と流量[g/s]という2種類の特性値の向上が要求される。これらは、ポート形状が構成されるシリンダヘッドの製造時において発生する中子ずれの寸法誤差により変動が生じやすい、という問題がある。本実施例においては、このような寸法誤差が生じる場合であっても、スワール・流量特性がロバストかつ効率的なポートの設計手法を見出すことを目的とする。
まず、初期世代設定部102aは、形状パラメータの設定として、AD系号口ポートをベースに、モーフィング技術を適用した本体形状変更パラメータを検討し、タンジェンシャル4種((1)入口高さ、(2)入口横位置、(3)横曲げ、(4)首下絞り)、ヘリカル8種((1)入口高さ、(2)入口横位置、(3)横曲げ、(4)首下絞り、(5)外周高さ、(6)ヘリカル高さ、(7)ヘリカル内側絞り、(8)ヘリカル外側絞り)の本体形状パラメータを選定する。さらに、初期世代設定部102aは、各シート部マスク径・角度の4パラメータを加えて、合計16パラメータ(制御変数)を設定し、世代別データファイル106bに設定する。
第2段階のロバスト最適化処理では、誤差の調合において、従来技術では型ずれパターンをL4直交表に割当て4諸元計算(ベースを加え5回計算)を行っていたが、2パターンの型ずれでほぼ上下限のばらつきを評価できると判断し(ベースを加えて3回計算)、本実施例の誤差設定部102fは、所定の誤差条件として中央値を含む3パターンの誤差条件を設定する。
また、SN比算出部102gは、望目特性のSN比算出方法を利用し、以下の式に基づいてSN比を算出する。
SN比:η=10log(μ/σ)
ここで、μは、特性値の平均であり、σは、特性値のばらつきの大きさを示す。
本実施例のロバスト最適化装置は、第2段階のロバスト最適化処理を実行し、スワール・流量のベース比優位を維持しながら、ベース比SN比利得15db(41以上)のロバスト性を持つ諸元を得ることができた。
これにより、ポート形状を変更しながら第1ステップでは特性値が優れた候補を探索し、第2ステップではこれに加えて型ずれという誤差因子に対してSN比が高い、すなわちロバスト性が高い候補を探索することができる。利用者は、最終的なパレート解(非劣解、トレードオフ上はこれより優れたものがない候補)の中から設計要求に見合った候補を選択することができ、有望な候補について対象物であるポートボックスを試作することができる。以上が、本実施例の説明である。
[他の実施の形態]
さて、これまで本発明の実施の形態について説明したが、本発明は、上述した実施の形態以外にも、上記特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施の形態にて実施されてよいものである。
特に、上述の実施の形態においては、本発明を対象物の設計に適用した例について説明したが、この場合に限られず、製造工程など全てのロバスト最適化の対象において、同様に適用することができる。
また、ロバスト最適化装置100がスタンドアローンの形態で処理を行う場合を一例に説明したが、ロバスト最適化装置100とは別筐体で構成されるクライアント端末からの要求に応じて処理を行い、その処理結果を当該クライアント端末に返却するように構成してもよい。
また、実施の形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
このほか、上記文献中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データ等のパラメータを含む情報、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
また、ロバスト最適化装置100に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
例えば、ロバスト最適化装置100の各装置が備える処理機能、特に制御部102にて行われる各処理機能については、その全部または任意の一部を、CPU(Central Processing Unit)および当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現することができ、あるいは、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現することも可能である。尚、プログラムは、後述する記録媒体に記録されており、必要に応じてロバスト最適化装置100に機械的に読み取られる。すなわち、ROMまたはHDなどの記憶部106などは、OS(Operating System)として協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部を構成する。
また、このコンピュータプログラムは、ロバスト最適化装置100に対して任意のネットワークを介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記憶されていてもよく、必要に応じてその全部または一部をダウンロードすることも可能である。
また、本発明に係るプログラムを、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM、EEPROM、CD−ROM、MO、DVD等の任意の「可搬用の物理媒体」、あるいは、LAN、WAN、インターネットに代表されるネットワークを介してプログラムを送信する場合の通信回線や搬送波のように、短期にプログラムを保持する「通信媒体」を含むものとする。
また、「プログラム」とは、任意の言語や記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードやバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OS(Operating System)に代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、実施の形態に示した各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成、読み取り手順、あるいは、読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
記憶部106に格納される各種のデータベース等(基準値ファイル106a〜世代別データファイル106b)は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、光ディスク等のストレージ手段であり、各種のプログラムやテーブルやデータベース等を格納する。
また、ロバスト最適化装置100は、既知のパーソナルコンピュータ、ワークステーション等の情報処理装置を接続し、該情報処理装置に本発明の方法を実現させるソフトウェア(プログラム、データ等を含む。)を実装することにより実現してもよい。
更に、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷等に応じた任意の単位で、機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
以上詳述に説明したように、本発明によれば、複数の機能を目的とした最適化を行う一方で、ロバスト性の最適化を図ることができる、ロバスト最適化方法、ロバスト最適化装置、および、プログラムを提供することができる。
また、本発明によれば、CAEにおける処理の負担を軽減することができ、多様な設計候補を得ることができる。
本発明の基本原理の一例を示すフローチャートである。 ロバスト最適化初期世代候補の一例を説明するための図である。 本発明が適用される本システム構成の一例を示すブロック図である。 3Dで表したパレート解のイメージ図である。 実施の形態1におけるロバスト最適化装置の処理の一例を示すフローチャートである。 実施の形態2におけるロバスト最適化装置の処理の一例を示すフローチャートである。 ロバスト最適化処理後のSN比の分布の一例を表す図である。
符号の説明
100 ロバスト最適化装置
102 制御部
102a 初期世代設定部
102b CAE解析部
102c 次世代探索部
102d 設計順序変更部
102e パレート解選択部
102f 誤差設定部
102g SN比算出部
106 記憶部
106a 基準値ファイル
106b 世代別データファイル

Claims (7)

  1. 制御部と記憶部を少なくとも備えたロバスト最適化装置において実行されるロバスト最適化方法であって、
    上記記憶部は、対象物の複数の機能を目的とした多目的関数の制御変数の基準値を記憶する基準値記憶手段を備えており、
    上記制御部において実行される、
    上記基準値記憶手段に記憶された上記基準値に基づいて、実験計画法により初期世代となる上記制御変数を上記記憶部に設定する初期世代設定ステップと、
    上記記憶部に設定された上記制御変数に基づいてCAE計算を行い、上記CAE計算による上記対象物の上記複数の機能の特性値をそれぞれ算出する特性値算出ステップと、当該制御変数に基づいて次世代の上記制御変数を創出し、上記記憶部に設定する次世代探索ステップと、を予定世代数まで繰り返し行うよう制御する特性値最適化ステップと、
    上記特性値最適化ステップにおいて算出された上記特性値に基づいてパレート解を選択し、上記パレート解付近の解を導出した上記制御変数を、ロバスト最適化初期世代候補として上記記憶部に設定するパレート解選択ステップと、
    上記パレート解選択ステップにて上記記憶部に設定または次世代探索ステップにて上記記憶部に再設定された上記制御変数に基づく上記対象物に所定の誤差条件を付与し上記CAE計算を行い、SN比を算出するSN比算出ステップと、当該制御変数に基づいて次世代の上記制御変数を創出し、上記記憶部に再設定する上記次世代探索ステップと、を予定世代数まで繰り返し行うよう制御するロバスト最適化ステップと、
    を含むことを特徴とするロバスト最適化方法。
  2. 請求項に記載のロバスト最適化方法において、
    上記次世代探索ステップは、
    遺伝的アルゴリズム、モンテカルロ法、焼きなまし法、または、ゲーム理論を用いて、上記次世代の上記制御変数を創出すること、
    を特徴とするロバスト最適化方法。
  3. 請求項に記載のロバスト最適化方法において、
    上記制御変数は、フィレットの再生順序、または、モーフィングの設定順序を規定する変数を含むこと、
    を特徴とするロバスト最適化方法。
  4. 請求項に記載のロバスト最適化方法において、
    上記CAE計算は、FEM構造解析、衝突解析、鍛造流れ解析、樹脂成形解析、流体解析、磁場解析、光学系解析、音響解析、噴霧・燃焼解析、1次元流れ解析、機構解析、または、これらの連性解析を用いること、
    を特徴とするロバスト最適化方法。
  5. 請求項に記載のロバスト最適化方法において、
    上記所定の誤差条件は、中央値と、上記特性値が最大となる誤差条件と、上記特性値が最小となる誤差条件と、の3つの誤差条件であること、
    を特徴とするロバスト最適化方法。
  6. 制御部と記憶部を少なくとも備えたロバスト最適化装置において、
    上記記憶部は、
    対象物の複数の機能を目的とした多目的関数の制御変数の基準値を記憶する基準値記憶手段を備え、
    上記制御部は、
    上記基準値記憶手段に記憶された上記基準値に基づいて、実験計画法により初期世代となる制御変数を上記記憶部に設定する初期世代設定手段と、
    上記記憶部に設定された上記制御変数に基づいてCAE計算を行い、上記CAE計算による上記対象物の上記複数の機能の特性値をそれぞれ算出する特性値算出ステップと、当該制御変数に基づいて次世代の上記制御変数を創出し、上記記憶部に設定する次世代探索ステップと、を予定世代数まで繰り返し行うよう制御する特性値最適化手段と、
    上記特性値最適化手段によって算出された上記特性値に基づいてパレート解を選択し、上記パレート解付近の解を導出した上記制御変数を、ロバスト最適化初期世代候補として上記記憶部に設定するパレート解選択手段と、
    上記パレート解選択手段にて上記記憶部に設定または次世代探索ステップにて上記記憶部に再設定された上記制御変数に基づく上記対象物に所定の誤差条件を付与し上記CAE計算を行い、SN比を算出するSN比算出ステップと、当該制御変数に基づいて次世代の上記制御変数を創出し、上記記憶部に再設定する上記次世代探索ステップと、を予定世代数まで繰り返し行うよう制御するロバスト最適化手段と、
    を備えたことを特徴とするロバスト最適化装置。
  7. 制御部と記憶部を少なくとも備えたロバスト最適化装置にロバスト最適化方法を実行させるためのプログラムであって、
    上記記憶部は、対象物の複数の機能を目的とした多目的関数の制御変数の基準値を記憶する基準値記憶手段を備えており、
    上記制御部において実行される、
    上記基準値記憶手段に記憶された上記基準値に基づいて、実験計画法により初期世代となる制御変数を上記記憶部に設定する初期世代設定ステップと、
    上記記憶部に設定された上記制御変数に基づいてCAE計算を行い、上記CAE計算による上記対象物の上記複数の機能の特性値をそれぞれ算出する特性値算出ステップと、当該制御変数に基づいて次世代の上記制御変数を創出し、上記記憶部に設定する次世代探索ステップと、を予定世代数まで繰り返し行うよう制御する特性値最適化ステップと、
    上記特性値最適化ステップにおいて算出された上記特性値に基づいてパレート解を選択し、上記パレート解付近の解を導出した上記制御変数を、ロバスト最適化初期世代候補として上記記憶部に設定するパレート解選択ステップと、
    上記パレート解選択ステップにて上記記憶部に設定または次世代探索ステップにて上記記憶部に再設定された上記制御変数に基づく上記対象物に所定の誤差条件を付与し上記CAE計算を行い、SN比を算出するSN比算出ステップと、当該制御変数に基づいて次世代の上記制御変数を創出し、上記記憶部に再設定する上記次世代探索ステップと、を予定世代数まで繰り返し行うよう制御するロバスト最適化ステップと、
    を含むロバスト最適化方法を実行させることを特徴とするプログラム。
JP2007196519A 2007-07-27 2007-07-27 ロバスト最適化方法、ロバスト最適化装置、および、プログラム Expired - Fee Related JP5145806B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007196519A JP5145806B2 (ja) 2007-07-27 2007-07-27 ロバスト最適化方法、ロバスト最適化装置、および、プログラム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007196519A JP5145806B2 (ja) 2007-07-27 2007-07-27 ロバスト最適化方法、ロバスト最適化装置、および、プログラム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009032104A JP2009032104A (ja) 2009-02-12
JP5145806B2 true JP5145806B2 (ja) 2013-02-20

Family

ID=40402527

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007196519A Expired - Fee Related JP5145806B2 (ja) 2007-07-27 2007-07-27 ロバスト最適化方法、ロバスト最適化装置、および、プログラム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5145806B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5151733B2 (ja) * 2008-06-27 2013-02-27 富士通株式会社 多目的最適化設計の設計改善支援装置、方法、及びプログラム
CN107623979B (zh) * 2017-09-26 2019-06-28 中国科学院高能物理研究所 超导腔失效补偿方法、装置、设备及存储介质
JP6947229B2 (ja) * 2018-02-02 2021-10-13 日本電気株式会社 最適化装置、最適化方法および最適化プログラム

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001325307A (ja) * 2000-03-08 2001-11-22 Hitachi Ltd 設計支援装置及び方法
JP4362572B2 (ja) * 2005-04-06 2009-11-11 独立行政法人 宇宙航空研究開発機構 ロバスト最適化問題を解く問題処理方法およびその装置
JP4829674B2 (ja) * 2005-11-04 2011-12-07 住友化学株式会社 成形条件の設定方法、プログラムおよび射出成形機
JP2007188215A (ja) * 2006-01-12 2007-07-26 Ishikawajima Harima Heavy Ind Co Ltd 最適化設計方法及び最適化設計装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2009032104A (ja) 2009-02-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Rennen et al. Nested maximin Latin hypercube designs
Yildiz et al. Optimal design of vehicle components using topology design and optimisation
JP4969590B2 (ja) 第一のコンピュータ援用3dモデルを第二のコンピュータ援用3dモデルと比較するための方法
JP2017111826A (ja) 積層造形可能な構造をコスト有利に設計するための変数を設計する設計変数のペナルティ関数
JP5145806B2 (ja) ロバスト最適化方法、ロバスト最適化装置、および、プログラム
CN115544815B (zh) 一种风扇模型的生成方法和装置
CN114119804A (zh) 平面模型包围多边形生成方法、装置及家具轮廓识别方法
JP5141050B2 (ja) 設計方法及びプログラム
JP2010146224A (ja) 解析モデルの変形方法および計算機
JP5056079B2 (ja) 設計方法及びプログラム
Fu et al. A graph grammar based approach to automated manufacturing planning
JP2007164393A (ja) 設計支援方法および設計支援システム
JP2003141192A5 (ja) 機械構造物の設計支援システム
JP4936660B2 (ja) 機械ベクトルループ抽出のための方法及び装置
JP5899323B2 (ja) 流れパターンの語表現方法、語表現装置、および、プログラム
CN113673042B (zh) 基于声环境仿真的船舶降噪***设计方法、***、介质及终端
JP2022106186A (ja) 情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラム
JP7029056B2 (ja) 分割領域生成プログラム、分割領域生成装置、および分割領域生成方法
CN109271659B (zh) 一种基于响应面的替代曲面拟合方法
KR101527343B1 (ko) 가용 브릭들을 사용하여 3차원 모델의 형상을 모델링하는 방법 및 장치
WO2023233759A1 (ja) 多孔体設計方法、多孔体製造方法
JP5332954B2 (ja) 設計対象形状の幾何特性を考慮した多目的最適化設計支援装置、方法、及びプログラム
JP3815909B2 (ja) 有穴ポリゴンのブリッジ生成システム、有穴ポリゴンのブリッジ生成方法およびその方法を実行させるための記録媒体
CN115481500A (zh) 基于全局灵敏度分析的多级叶轮机械优化方法
JP2021194670A (ja) 目標形状生成装置及び目標形状生成方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20091007

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20111027

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20111122

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120117

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120807

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20121003

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20121030

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20121112

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5145806

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20151207

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees