JP5145051B2 - 硬質皮膜被覆部材及びその製造方法 - Google Patents

硬質皮膜被覆部材及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、硬質皮膜被覆部材およびその製造方法に関し、特に、最表面にダイヤモンドライクカーボン(diamond−like carbon(ダイヤモンド状カーボン))皮膜などの硬質皮膜が形成されて自動車用または産業機械用などの部品や金型などに使用される部材およびその製造方法に関する。
ダイヤモンドライクカーボン(以下、「DLC」という)皮膜は、気相合成法により合成されるダイヤモンドに類似した高硬度や電気絶縁性などの特性を有するカーボン皮膜である。DLC皮膜の構造は、通常、非晶質(アモルファス)構造であり、ダイヤモンド結合やグラファイト結合などを有している。DLC皮膜は、硬く(例えば、マイクロビッカース硬度Hv1000〜5000)、耐摩耗性に優れた皮膜であるため、ハードディスク用記録媒体や磁気記録用ヘッドの他、各種の機械部品を被覆するために使用されている。このDLC皮膜と母材との密着性を向上させるため、母材とDLC皮膜の間に炭化チタニウム層からなる中間層を介在させる方法(例えば、特許文献1参照)、母材を水素を含まない第1のDLC皮膜で被覆した上に水素を含む第2のDLC皮膜で被覆する方法(例えば、特許文献2参照)、母材をカーボンイオン注入層で被覆した上に炭素と珪素を含むガスによるプラズマガスを用いてDLC皮膜を形成する方法(例えば、特許文献3参照)などの様々な方法が提案されている。
しかし、DLC皮膜は硬い皮膜であり、アルミニウムのような軟らかい材質からなる母材とDLC皮膜との硬さや熱膨張係数の差や組織の相違が非常に大きいため、上述した特許文献1〜3の方法では、母材とDLC皮膜との密着性を十分に向上させることができない場合がある。また、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる母材を窒化クロム(CrN)皮膜、窒化チタン(TiN)皮膜、炭化チタン(TiC)皮膜、TiAlN皮膜などの硬い皮膜で被覆する場合にも同様の問題がある。したがって、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる母材の表面を処理して最大表面粗さを3μm以下にし、その母材上に窒素含有クロム皮膜を形成した後、この窒素含有クロム皮膜上にDLC皮膜などの硬質皮膜を形成することにより、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる母材とDLC皮膜などの硬質皮膜との密着性を向上させるようにした方法(例えば特許文献4)が知られている。
国際公開WO92/006234号公報(第3頁) 特開2000−128516号公報(段落番号0004−0005) 特開2000−319784号公報(段落番号0008−0009) 特開2007−100133号公報(段落番号0006−0007)
しかし、DLC皮膜は硬い皮膜であり、非鉄材料であるアルミニウムのような軟らかい材質からなる母材とDLC皮膜との硬さや熱膨張係数の差や組織の相違が非常に大きいため、上述した方法では、母材とDLC皮膜との密着性を十分に向上させることができない場合がある。したがって、本発明は、このような従来の問題点に鑑み、非鉄材料からなる母材とDLC皮膜などの硬質皮膜との密着性が良好な硬質皮膜被覆部材およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究した結果、アルミニウム合金に所定の複合構造の皮膜を成膜させることによって、適切な膜質の場合には軟質な基材に対しても実用可能な密着性が得られることが確認できた。即ち、基材に比較して硬質皮膜ではあるが、複合させる皮膜の機械的特性、即ち、硬さ及び膜厚を適切に設計することによって、高密着性が達成できることを見出して、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の硬質皮膜被覆部材は、非鉄材料からなる母材と、この母材上に順次形成された窒素含有クロム皮膜、炭素含有クロム皮膜、ダイヤモンドライクカーボン皮膜とより成り、上記窒素含有クロム皮膜のビッカース硬さHvが400〜1700、厚さが3〜30μmであることを特徴とする。
上記母材と窒素含有クロム皮膜の間には、金属クロム皮膜が形成されていることを特徴とする。
上記窒素含有クロム皮膜に接する側の上記炭素含有クロム皮膜中の炭素濃度は、上記ダイヤモンドライクカーボン皮膜に接する側の上記炭素含有クロム皮膜中の炭素濃度よりも低いことを特徴とする。
また、本発明の硬質皮膜被覆部材の製造方法は、非鉄材料からなる母材上に窒素含有クロム皮膜をスパッタリング法により形成する工程と、この窒素含有クロム皮膜の表面に炭素含有クロム皮膜をスパッタリング法により形成する工程と、この炭素含有クロム皮膜の表面にダイヤモンドライクカーボン皮膜をスパッタリング法により形成する工程とより成り、上記窒素含有クロム皮膜のビッカース硬さHvが400〜1700、厚さが3〜30μmになるように、スパッタリング雰囲気中の窒素濃度及びスパッタリングの時間を制御することを特徴とする。
また、本発明の硬質皮膜被覆部材の製造方法は、非鉄材料からなる母材上に金属クロム皮膜をスパッタリング法により形成する工程と、この金属クロム皮膜上に窒素含有クロム皮膜をスパッタリング法により形成する工程と、この窒素含有クロム皮膜の表面に炭素含有クロム皮膜をスパッタリング法により形成する工程と、この炭素含有クロム皮膜の表面にダイヤモンドライクカーボン皮膜をスパッタリング法により形成する工程とより成り、上記窒素含有クロム皮膜のビッカース硬さHvが400〜1700、厚さが3〜30μmになるように、スパッタリング雰囲気中の窒素濃度及びスパッタリングの時間を制御することを特徴とする。
上記非鉄材料が、アルミニウム、アルミニウム合金、マグネシウム、マグネシウム合金、チタン、チタン合金、樹脂のいずれかであることを特徴とする。
上記スパッタリング法により各皮膜を形成する際に、上記母材の温度を、250℃以下とすることを特徴とする。
上記金属クロム皮膜および上記窒素含有クロム皮膜は、マグネトロンスパッタリング法により形成されることを特徴とする。
本発明によれば、非鉄材からなる母材とDLC皮膜などの硬質皮膜との密着性が良好な硬質皮膜被覆部材を提供することができる。
本発明による硬質皮膜被覆部材の実施の形態は、図1に示す処理装置10を使用して製造することができる。この処理装置10は、真空処理室12と、この真空処理室12内を減圧して真空にするための真空ポンプ14と、真空処理室12内の底部の中心部に配設された回転テーブル16と、この回転テーブル16上に治具18を介して載置された被処理部材としての非鉄材料として、例えばアルミニウムまたはアルミニウム合金からなる母材20と、この母材20を取り囲むように配置された蒸発源としてのターゲット22、23と、これらのターゲット22、23の各々に接続された直流のスパッタ電源24と、回転テーブル16に接続された直流のイオンボンバードおよびバイアス電源26と、真空処理室12内にアルゴンガス、炭化水素系ガスまたは窒素ガスを単独であるいは混合した状態で導入するためのガス導入パイプ28とを備えている。
この処理装置10のターゲット22としてクロムターゲットおよびターゲット23としてカーボンターゲットを使用して、母材20を窒素含有クロム皮膜で被覆した後、炭素含有クロム皮膜及びDLC皮膜を形成する。以下、各皮膜の形成方法について詳細に説明する。
(窒素含有クロム皮膜の形成方法)
まず、処理装置10のターゲット22としてクロムターゲットを使用し、真空ポンプ14を作動させて真空処理室12内の真空排気を行った後、ガス導入パイプ28を介して真空処理室12内にアルゴンガスを導入して真空処理室12内をスパッタリング雰囲気にする。なお、必要に応じて、スパッタリングを行う前にアルゴンガス雰囲気中でイオンボンバード処理を行って、母材20の表面をアルゴンイオンで活性化しておくのが好ましい。なお、母材は予め研磨等により最大表面粗さRmaxを3μm以下、好ましくは1μm以下に調整するのが良い。
次に、ターゲット22にスパッタ電源24の高電圧を印加して、ターゲット22の近傍にグロー放電(低温プラズマ)を生じさせる。これにより、放電領域内のアルゴンガスがイオン化してターゲット22に高速で衝突し、この衝突によってターゲット22からクロム原子が叩き出される。
このスパッタリングの開始から所定時間を経過した後、あるいはスパッタリングの開始時点から、ガス導入パイプ28を介して真空処理室12内に前記アルゴンガスに加えて窒素ガスの導入を開始すると、ターゲット22から叩き出されたクロム原子は、真空処理室12内の雰囲気中の窒素濃度がゼロの間はクロム単独で、真空処理室12内の雰囲気中に窒素ガスが導入された後には窒素原子とともに、母材20の表面に叩きつけられて堆積する。なお、皮膜の厚さを均一にするため、且つ母材20の軟化を抑えるために、母材の温度を250℃以下、好ましくは200℃以下さらには180℃以下にするのが好ましい。また皮膜の密着強度を上げるために、母材の温度を少なくとも120℃以上、好ましくは150℃以上とするのが好ましい。
この窒素含有クロム皮膜は、クロム中に窒素が固溶されている組織、クロム中に窒化クロムが分散している組織、あるいはクロム中に窒素が固溶され且つ窒化クロムが分散している組織を有するが、この組織の調整は、スパッタリングの際に真空処理室12内の雰囲気中の窒素濃度を制御することによって行うことができ、この雰囲気中の窒素濃度の制御は、ガス導入パイプ28を介して真空処理室12内に導入する窒素ガスの供給量を制御することによって行うことができる。窒素ガスの供給量を増加して雰囲気中の窒素濃度を高くすれば、ターゲット22から叩き出されたクロム原子と結合して母材20の表面に堆積する窒素含有クロム皮膜に含まれる窒素の量が多くなり、逆に、窒素ガスの供給量を減少させて雰囲気中の窒素濃度を低くすれば、窒素含有クロム皮膜に含まれる窒素の量が減少する。
本願発明における窒素含有クロム皮膜の硬度は、窒素の導入流量によって制御され、窒素の導入流量が多いほどクロム皮膜中の窒素の濃度も高く窒化クロムの生成量も多くなり、ビッカース硬度を高くすることができる。逆にクロム皮膜中の窒素の濃度が低いとビッカース硬度を小さくすることができる。以上のようにして、窒素含有クロムのビッカース硬度を制御することができる。
スパッタリング時間は、母材20の種類や必要とする膜厚に応じて適宜設定することができ、例えば、0.5〜15時間に設定することができ時間を長くすることにより皮膜を厚くすることができる。
なお、スパッタリングの開始から所定時間経過後に窒素ガスを導入した場合は、窒素ガスを導入する前に母材上に金属クロム層が形成し、窒素ガス導入後その上に窒素含有クロム層が形成する。この金属クロム層は窒素含有クロム皮膜と母材20の熱膨張率の差から生じる熱応力を緩和する、すなわち、熱応力の発生を減少させて、母材20と窒素含有クロム皮膜の密着強度を増大させることができると考えられる。
また、皮膜形成時に上記金属クロム層を形成する、あるいは窒素濃度を緩やかに変化(増加)させて母材20との接触面における熱膨張率と皮膜の熱膨張率との差による応力を小さく(緩和)することにより、上記密着強度の増大とともに、耐摩耗性を保持しつつ、耐熱衝撃性も向上させることができる。なお、上記金属クロム層の厚さは0.1〜5.0μmであることが好ましい。0.1μm未満であると、上記効果は得られず、5μmをこえるとスパッタリングコストが大きくなるが前記効果の向上もないからである。さらに好ましくは0.3〜3μm、0.3〜1.5μmである。
具体的には例えば、真空処理室12内の雰囲気中のアルゴンガスの分圧を1.2×10-3 torr程度にし、窒素ガスの分圧を0〜0.5×10-3 torr程度になるように雰囲気中の窒素濃度(窒素ガス供給量)を変化させることにより、Hv400〜1700の窒素含有クロム層を形成することができる。このようにして形成された窒素含有クロム皮膜中の窒素濃度の測定は、通常の物理分析法を適用して行うことができ、例えば、グロー放電発光表面分析(GDS)を利用し、皮膜の表面から膜厚方向にアルゴンでスパッタリングして膜厚方向の窒素含有量を測定することにより行うことができる。また、断面を研磨して、X線マイクロアナライザー(EPMA)や オージェ電子分光分析(AES)によって、各層、各部分の窒素濃度を測定しても良い。
また、窒素含有クロム皮膜の厚さは、スパッタリングの時間を変えることにより数μm程度から最大100μmにすることができる。しかし、窒素含有クロム皮膜が厚過ぎると、皮膜の応力によって皮膜にクラックが入り易くなる傾向があり、母材との熱膨張率の差による熱応力が増大するので、実際には膜厚を3〜30μm程度にするのが好ましい。良好な耐摩耗性を必要とする自動車用部品等の場合には、膜厚5〜25μm、好ましくは5〜15μm程度である。また、ビッカース硬さHvは400〜1700、好ましくは500〜1500であることが良い。
(炭素含有クロム皮膜の形成)
上述したように母材20を窒素含有クロム皮膜で被覆した後、この窒素含有クロム皮膜上に炭素含有クロム皮膜をスパッタリング法により形成する。炭素含有クロム皮膜の形成の前に、窒素含有クロム皮膜をイオンエッチングすることが好ましい。炭素含有クロム皮膜は、厚さが0.1〜2.0μm、さらには0.3〜1.5μmであることが好ましい。炭素含有クロム皮膜はDLCと窒素含有クロム皮膜との密着性を向上するとともに、本発明の複合皮膜のクラックの発生を抑制し、さらには耐摺動性も向上させる。厚さが0.1未満または2.0μmを超えるときは上記効果が得られない。さらに炭素含有クロム皮膜は、窒素含有クロム皮膜側に金属クロム皮膜および/または炭素濃度の低いクロムの傾斜組成を有することが好ましい。すなわち、窒素含有クロム皮膜に接する側の炭素含有クロム皮膜中の炭素濃度が、後記のDLC皮膜に接する側の炭素含有クロム皮膜中の炭素濃度よりも低い、ということである。各皮膜(窒素含有クロム皮膜、DLC皮膜)と炭素含有クロム皮膜の接する側とは、各皮膜と炭素含有クロム皮膜の界面から炭素含有クロム皮膜側へ厚さが約0.05〜0.1μmの部分の範囲を意味する。それぞれ前記部分の範囲を例えばオージェ電子分光分析(AES)によって炭素の原子の濃度を測定し比較する。この金属クロム皮膜および/または炭素濃度の低いクロムの傾斜組成は、前記窒素含有クロム皮膜と炭素含有皮膜、DLC皮膜との密着強度を増大させ且つ複合皮膜のクラックの発生を抑制し、さらには耐摺動性も向上させる。炭素含有クロム皮膜は処理装置10の真空処理室12内にアルゴンガスと炭化水素系ガスをガス導入パイプ28から導入して、ターゲット22にスパッタ電源24の高電圧を印加して、スパッタリング法により形成する。あるいは、アルゴンガスまたはアルゴンガスと炭化水素系ガス中で、カーボンターゲット23にも電圧を印加して炭素含有クロム皮膜を作成しても良い。また、前記炭素含有クロム皮膜中の炭素濃度を変化させるためには、前記炭化水素系ガスの導入量を変化させることや、カーボンターゲットを使用したスパッタリング法の場合は印加する電圧を変化させることで実現できる。なお、上記炭素含有クロム皮膜中に金属クロム皮膜を形成する代わりに、チタン皮膜、タングステン皮膜、シリコン皮膜を形成しても良い。
(DLC皮膜の形成)
この炭素含有クロム皮膜上に硬質皮膜としてDLC皮膜を形成する場合には、処理装置10のカーボンターゲット23を使用し、アルゴンガスまたはアルゴンガスと炭化水素系ガスを導入して真空処理室12内をスパッタリング雰囲気にする。
次に、ターゲット23にスパッタ電源24の高電圧を印加して、ターゲット23の近傍にグロー放電(低温プラズマ)を生じさせスパッタリングを行う。これにより、放電領域内のアルゴンガスがイオン化してターゲット23に高速で衝突し、この衝突によってターゲット23からカーボン原子が叩き出され、このカーボン原子が炭素含有クロム皮膜の表面に叩き付けられて、炭素含有クロム皮膜の表面にDLC皮膜が形成される。なお、DLC皮膜はビッカース硬さHvが800〜5000、さらには900〜4000、また1500〜3500であることが好ましい。また厚さが0.5〜10μm、さらには0.5〜4μmであることが好ましい。この範囲をはずれると、良好な密着性が得られないことがある。またDLC皮膜の硬度の調整は、前記炭化水素ガス濃度の変更および/またはスパッタ電源の電圧の変更により実施する。なお、スパッタリングはマグネトロンスパッタリングが好ましい。
このようにして、母材20が窒素含有クロム皮膜、炭素含有クロム皮膜及びDLC皮膜で被覆された硬質皮膜被覆部材を製造することができる。
炭素含有クロム皮膜およびDLC皮膜の成膜の具体的条件としては、おおよそ次の様な条件下の中で実施するのが好ましい。真空処理質の真空度が1〜5 ×10-1 Pa,Ar:CH4(メタン)の流量比が10〜8:0〜2,カーボンターゲットへのバイアス電圧の印加が−50〜−100V,クロムターゲットへのバイアス電圧印加が0〜−100Vである。
以上、本発明においては全てのスパッタリングの工程を母材温度が250℃、好ましくは200℃以下また120℃以上好ましくは150℃以上で実施するため、非鉄材料の母材としてアルミニウム、アルミニウム合金の他にもマグネシウム、マグネシウム合金、チタン、チタン合金、樹脂にも適用できる。なお、母材の加熱はターゲットからの輻射熱や、装置内に装着したヒーター等で行うことができ、制御される。
なお、皮膜のビッカース硬度Hvは、マイクロビッカース硬度計を使用して、研磨した皮膜の断面に荷重25gで圧子を押し付け、通常の方法により測定することができる。皮膜が薄くて断面の硬度を測定することができない場合には、その部分と同じ成膜条件で成膜時間(スパッタリングの時間)を長くして測定可能な程度まで厚くした皮膜の断面の硬度を測定すればよい。
(実験方法)
図2に示すように母材には、強度の高い市販のアルミニウム合金として直径20mm×厚さ10mmのA7075T6材(超々ジュラルミン時効処理材)を使用した。表面粗度Ra=0.01μm以下にラッピング研磨を施し以下の試験への共試材とした。
図2に示すように複合皮膜形成処理については前述の スパッタリング プロセスとその条件範囲により先ず前述のイオンボンバード処理を行った後金属クロム皮膜を約1μm形成し、窒素含有クロム皮膜(Cr−N膜)を形成させた後、窒素含有クロム皮膜の表面をイオンエッチングしてから炭素含有クロム皮膜を形成し、その上にDLC皮膜を成膜した。なお本実施例においては何れもマグネトロン スパッタリングにより成膜した。この際、Cr−N皮膜については、ビッカース硬さ水準をHvが600、1200、1800の3水準とし、皮膜厚を各々で2μm及び10μmとした。さらにDLCに関しては、膜厚は2μmで一定とし、硬さ水準を1000、2000、3000Hvの3水準として、これらを組み合わせた計18種の試料(No.1〜9,13〜21)を作成し評価を行った。また炭素含有クロム皮膜の厚さを約1μmとしたが、このうち窒素含有クロム皮膜側から約0.2μmはカーボンを含まない金属クロム皮膜とし、残りの約0.8μmについてカーボンを徐々に増加させ、DLC皮膜と接する部分はCrとCの比が略1:1となるようにした。さらに、図3に示すように、窒素含有クロム皮膜のみの試料(No.10〜12,22〜24)、DLC皮膜のみの試料(No.25〜27)も作製し同様に評価を行った。なお、マグネトロンスパッタリング時には真空処理室にアルゴンガスを導入し、窒素含有クロム皮膜を作製するときはさらに窒素ガスを導入し、窒素ガス導入量(窒素濃度)により皮膜硬度を制御し、スパッタリング時間により、厚さを制御した。また、炭素含有皮膜をマグネトロンスパッタリングで形成するときは、アルゴンガス中で、クロムターゲット、カーボンターゲットに電圧をかけて作製し、クロムターゲットに一定のバイアス電圧をかけておきカーボンターゲットへのバイアス電圧を変えることで上記金属クロム層(電圧ゼロ)とCr/C傾斜組成皮膜(電圧を増加させていく)を作製した。さらにDLC膜は、アルゴンガスとメタンガスの混合雰囲気中でマグネトロンスパッタリングを行い、その硬度はカーボンターゲットのバイアス電圧を変えることで制御した。何れの膜も厚さはスパッタリング時間で制御し、また母材の温度はターゲットからの熱により加熱し200℃とした。
各皮膜について、先ず単層膜(試料No.10〜12,22〜27)について微小硬さ試験機(マイクロビッカース硬度計)によって前述の測定方法で硬さを確認したのち、スクラッチ試験機によって基材密着性の基礎データーを取得した。さらに複合膜(No.1〜9,13〜21)については、同様に微小硬さ試験を行いビッカース硬度を測定したのち、スクラッチ試験によって密着性を評価し各試料間における比較を行った。さらに、スクラッチ試験の他に、ロックウェル硬さ試験機及びマクロビッカース試験機による圧痕観察による皮膜そのものの強度(クラック発生)の比較も行い、スクラッチ試験による評価との関連性も検討した。
ロックウェル硬さ試験機による圧痕は、試料の表面にロックウェルCスケール(JIS Z 2245で測定:先端の極率半径0.2mm,円錐角120°のダイヤモンド,初試験力98.07N,全試験力1471N)の試験条件で負荷して形成した。
スクラッチ試験は、試料表面において、Berkovich圧子0.2mm
R,スクラッチ長さ5mm,スクラッチスピード10mm/min,スクラッチ荷重0〜100Nで実施した。
(実験結果)
スクラッチ試験では、摩擦力変化とAE信号の発生を捉え、さらに試験後の圧子走行痕の光学顕微鏡観察を加えて同一基準にて剥離臨界荷重を評価している。その結果からNo.13〜18皮膜構造の試験片が他の試験片と比較して明らかに高い剥離臨界荷重を示しており、且つ自動車用等の部品に使用するに十分な密着強度を有している。共試材の一覧と、スクラッチ試験の結果をまとめて図3に示す。また実施例においては、ロックウェルの圧痕による皮膜の破壊や剥離、クラックの発生はみられなかった。
なおスクラッチ試験の結果として、実施例(試料No.16)と比較例(試料No.1)の光学顕微鏡の写真を図4A、図4Bに示す。また、ロックウェル硬さ試験機を利用した実施例(試料No.16)と比較例(試料No.1)の圧痕試験後の皮膜の光学顕微鏡写真を図5A、図5Bに示す。図4B、図5Bには皮膜の圧痕の周囲にクラック(破壊、剥離)Cがみ見られる。また、スクラッチ走行痕の矢印部はスクラッチ試験による剥離臨界荷重(密着強度)の箇所でありAE信号と光学顕微鏡の写真から特定している。なお、AE信号と光学顕微鏡の写真の剥離発生箇所は一致している。
比較例(試料No.1)は、実施例(No.16)に比べて剥離臨界荷重が著しく小さく、また皮膜にクラックが発生し、自動車用部品、特に摺動用や耐磨耗性を必要とする部品には不適格である。
窒素含有クロム皮膜の厚さが、5μm、25μmであること以外は、実施例(試料No.18)の構造と同一の皮膜を形成した。このときスクラッチ試験の剥離強度は何れも40N以上であり、ロックウェルの圧痕によるクラックの発生もみられなかった。
(比較例1)
炭素含有クロム皮膜の形成をしない以外は実施例14、17の構造の皮膜を形成した。この皮膜に上記ロックウェルの圧痕を同条件でうけたところ、いずれも皮膜の周囲にクラックの発生が観察され、耐圧力、耐磨耗性、摺動性が低いことがわかる。
本発明によれば、窒素含有クロム皮膜と炭素含有クロム皮膜を、母材上に形成した後、その上にDLC皮膜などの硬質皮膜を形成することによって、母材と硬質皮膜の密着性を向上させることができる。また、母材と窒素含有クロム皮膜の間に窒素含有クロム皮膜より軟らかい金属クロム皮膜を形成すれば、母材と硬質皮膜の密着性をさらに向上させることができる。また、炭素含有クロム皮膜の形成により、ロックウェル試験によるクラックの発生もみられず、すなわち耐磨耗性、摺動性を向上させることができる。また、窒素含有クロム皮膜中の窒素濃度や硬質皮膜の硬度を調整することによって、母材と硬質皮膜の密着性をさらに向上させることができる。
本発明による硬質皮膜被覆部材は、鉄系材料と比べ軽量であり、優れた耐磨耗性、摺動性および高密着性などの特性を有することから、自動車用部品や航空機部品、エアコンなどのコンプレッサの部品などの材料として使用することができる。
本発明による硬質皮膜被覆部材を製造するための処理装置の概略図である。 本発明の硬質皮膜被覆部材の説明図(断面図)である。 共試体と、スクラッチ試験結果の説明図である。 本発明の実施例のスクラッチ試験の結果としての光学顕微鏡写真である。 比較例のスクラッチ試験の結果としての光学顕微鏡写真である。 本発明の実施例の圧痕試験後の皮膜の光学顕微鏡写真である。 比較例の圧痕試験後の皮膜の光学顕微鏡写真である。
符号の説明
10 処理装置
12 真空処理室
14 真空ポンプ
16 回転テーブル
18 治具
20 母材
22 ターゲット
23 ターゲット
24 スパッタ電源
26 イオンボンバードおよびバイアス電源
28 ガス導入パイプ

Claims (9)

  1. 非鉄材料からなる母材と、この母材上に順次形成された窒素含有クロム皮膜、炭素含有クロム皮膜、ダイヤモンドライクカーボン皮膜とより成り、上記窒素含有クロム皮膜のビッカース硬さHvが400〜1700、厚さが3〜30μmであることを特徴とする硬質皮膜被覆部材。
  2. 上記非鉄材料が、アルミニウム、アルミニウム合金、マグネシウム、マグネシウム合金、チタン、チタン合金、樹脂のいずれかであることを特徴とする請求項1記載の硬質皮膜被覆部材。
  3. 上記母材と窒素含有クロム皮膜の間に、金属クロム皮膜が形成されていることを特徴とする請求項1または2記載の硬質皮膜被覆部材。
  4. 上記窒素含有クロム皮膜に接する側の上記炭素含有クロム皮膜中の炭素濃度が、上記ダイヤモンドライクカーボン皮膜に接する側の上記炭素含有クロム皮膜中の炭素濃度よりも低いことを特徴とする請求項1、2または3記載の硬質皮膜被覆部材。
  5. 非鉄材料からなる母材上に窒素含有クロム皮膜をスパッタリング法により形成する工程と、この窒素含有クロム皮膜の表面に炭素含有クロム皮膜をスパッタリング法により形成する工程と、この炭素含有クロム皮膜の表面にダイヤモンドライクカーボン皮膜をスパッタリング法により形成する工程とより成り、上記窒素含有クロム皮膜のビッカース硬さHvが400〜1700、厚さが3〜30μmになるように、スパッタリング雰囲気中の窒素濃度及びスパッタリングの時間を制御することを特徴とする硬質皮膜被覆部材の製造方法
  6. 非鉄材料からなる母材上に金属クロム皮膜をスパッタリング法により形成する工程と、この金属クロム皮膜上に窒素含有クロム皮膜をスパッタリング法により形成する工程と、この窒素含有クロム皮膜の表面に炭素含有クロム皮膜をスパッタリング法により形成する工程と、この炭素含有クロム皮膜の表面にダイヤモンドライクカーボン皮膜をスパッタリング法により形成する工程とより成り、上記窒素含有クロム皮膜のビッカース硬さHvが400〜1700、厚さが3〜30μmになるように、スパッタリング雰囲気中の窒素濃度及びスパッタリングの時間を制御することを特徴とする硬質皮膜被覆部材の製造方法。
  7. 上記非鉄材料が、アルミニウム、アルミニウム合金、マグネシウム、マグネシウム合金、チタン、チタン合金、樹脂のいずれかであることを特徴とする請求項5または6記載の硬質皮膜被覆部材の製造方法。
  8. 上記スパッタリング法により各皮膜を形成する際に、上記母材の温度を250℃以下とすることを特徴とする請求項5、6または7記載の硬質皮膜被覆部材の製造方法。
  9. 上記金属クロム皮膜および上記窒素含有クロム皮膜がマグネトロンスパッタリング法により形成されることを特徴とする請求項8記載の硬質皮膜被覆部材の製造方法。
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