JP5142804B2 - 内燃機関の動弁装置 - Google Patents

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Description

本発明は、動弁カムを備えるカム軸に支持されて、機関の圧縮行程で排気弁作動部材を排気弁の開き方向に作動する作動位置及び、排気弁動弁部材を解放する不作動位置間を移動するデコンプカム部材と、カム軸に支持されて、排気弁作動部材を解放する不作動位置及び、機関の吸気行程で排気弁作動部材を排気弁の開き方向に作動し得る作動位置間を移動する排気還流カム部材と、クランク軸より駆動されて動弁カムと一体回転する従動タイミング回転部材に取り付けられて、前記デコンプカム部材を、機関の始動回転域で作動位置に、始動後に不作動位置に作動すると共に、前記排気還流カム部材を、機関の低速運転域で不作動位置に、高速運転域で作動位置に作動する遠心機構とを備える、内燃機関の動弁装置の改良に関する。
かゝる内燃機関の動弁装置は、下記特許文献1に開示されているように既に知られている。
特開2005−240793号公報
従来のかゝる内燃機関の動弁装置では、従動タイミング回転部材に、排気カム及び吸気カムを備えるカム軸を連結し、このカム軸に支持されるデコンプカム部材及び排気還流カム部材を、従動タイミング回転部材及び排気カム間に配設していたので、従動タイミング回転部材及び排気カム間には、デコンプカム部材及び排気還流カム部材を配設するための充分なスペースを確保しなければならず、これが動弁装置のコンパクト化を妨げることになっていた。
本発明は、かゝる事情に鑑みてなされたもので、従動タイミング回転部材及び排気カムの設置にも拘わらず、コンパクトに構成し得る、内燃機関の動弁装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、動弁カムを備えるカム軸に支持されて、機関の圧縮行程で排気弁作動部材を排気弁の開き方向に作動する作動位置及び、排気弁動弁部材を解放する不作動位置間を移動するデコンプカム部材と、カム軸に支持されて、排気弁作動部材を解放する不作動位置及び、機関の吸気行程で排気弁作動部材を排気弁の開き方向に作動し得る作動位置間を移動する排気還流カム部材と、クランク軸より駆動されて動弁カムと一体回転する従動タイミング回転部材に取り付けられて、前記デコンプカム部材を、機関の始動回転域で作動位置に、始動後に不作動位置に作動すると共に、前記排気還流カム部材を、機関の低速運転域で不作動位置に、高速運転域で作動位置に作動する遠心機構とを備える、内燃機関の動弁装置において、動弁カムの軸方向一端部に従動タイミング回転部材を一体に成形し、その動弁カムに、カム軸を囲繞し且つ従動タイミング回転部材の、動弁カムとは反対側の側面動弁カムのベースに開口する凹部を、該凹部の軸方向一端側が動弁カムで塞がれるように設け、この凹部にデコンプカム部材及び排気還流カム部材を収容すると共に、前記遠心機構の遠心重錘を、それが該凹部の軸方向他端側の開口面の一部を塞ぐようにして従動タイミング回転部材に揺動可能に軸支し、動弁カムへの前記凹部の形成をカム軸に邪魔されずに行い得るように、動弁カムを、これと別体に形成したカム軸に嵌合して固着したことを第1の特徴とする。
尚、前記吸気弁作動部材及び排気弁作動部材は、後述する本発明の実施例中の吸気ロッカアーム29i及び排気ロッカアーム29eにそれぞれ対応し、また前記従動タイミング回転部材は従動タイミングプーリ32に対応する。また本発明で「軸方向」とは、カム軸の軸線に沿う方向をいう。
さらに本発明は、第1の特徴に加えて、前記遠心機構を、従動タイミング回転部材に軸支されて遠心力の増大に応じて収縮位置から中間拡張位置へと揺動し、それ以上の揺動を阻止される第1遠心重錘と、同じく従動タイミング回転部材に軸支されて遠心力の増大に応じて収縮位置から中間拡張位置へと第1遠心重錘と共に揺動し、第1遠心重錘が中間拡張位置で停止した後は、遠心力の増大に応じて単独で拡張位置へと揺動する第2遠心重錘と、この第2遠心重錘及び従動タイミング回転部材間に、第2遠心重錘を収縮位置側に付勢する戻しばねとで構成し、第2遠心重錘をデコンプカム部材及び排気還流カム部材に連動連結して、第2遠心重錘が収縮位置を占めるときは、デコンプカム部材を作動位置に制御すると共に排気還流カム部材を不作動位置に制御し、また第2遠心重錘が中間拡張位置を占めるときは、デコンプカム部材及び排気還流カム部材を共に不作動位置に制御し、さらに第2遠心重錘が拡張位置を占めるときは、デコンプカム部材を不作動位置に制御すると共に排気還流カム部材を作動位置に制御するようにしたことを第の特徴とする。
さらにまた本発明は、第の特徴に加えて、前記動弁カム外周面には、吸気弁作動部材及び排気弁作動部材を互いに位相をずらして摺接させたことを第の特徴とする。
本発明の第1の特徴によれば、デコンプカム部材及び排気還流カム部材を動弁カム内にコンパクトに収めることができて、動弁装置のコンパクト化を図ることができる。
また動弁カム及びカム軸を個別に構成することにより、動弁カムへ前記凹部の形成を、カム軸に邪魔されることなく行うことができ、動弁装置のコスト低減を図ることができる。
本発明の第の特徴によれば、第1及び第2遠心重錘の収縮位置及び中間拡張位置、並びに第2遠心重錘の拡張位置の設定により、デコンプカム部材及び排気還流カム部材の作動タイミングを容易、確実に図ることができる。
本発明の第の特徴によれば、共通一個の動弁カムで吸気及び排気弁の開閉が可能となり、動弁装置のより一層のコンパクト化を図ることができる。
本発明の実施の形態を、図面に示す本発明の好適な実施例に基づき以下に説明する。
図1は本発明の実施例に係る動弁装置を備えた内燃機関の要部縦断正面図、図2は図1の2−2線断面図、図3は図1の3部拡大図、図4は図の4矢視図、図5は図3の5矢視図、図6は上記動弁装置の要部分解斜視図、図7は図3の7−7線断面図、図8は図3の8−8線断面図、図9は図3の9−9線断面図、図10はデコンプ解除及び排気還流停止状態を示す動弁装置の作用図、図11は排気還流状態を示す動弁装置の作用図、図12はデコンプカム部材及び排気還流カム部材の作動領域を示す線図、図13はクランク軸の回転角度と吸気弁及び排気弁の開閉タイミングとの関係を示す線図である。
先ず、図1において、内燃機関Eの機関本体1は、第1ケース半体2a及び第2ケース半体2bを、クランク軸6の軸線と斜めに交差する斜面においてボルト接合されるクランクケース2と、第2ケース半体2bから上方に延出するシリンダブロック3と、このシリンダブロック3の上端部に一体成形されるシリンダヘッド4とからなっている。クランクケース2には、その左右両側壁に支承されるクランク軸6が収容され、シリンダブロック3のシリンダボア3aに嵌装されるピストン7に上記クランク軸6がコンロッド8を介して連接される。機関本体1の一側には、クランク軸6をクランキングし得る公知のリコイル式スタータ13が付設される
図1及び図2において、シリンダヘッド4には、シリンダボア3aに連なる燃焼室15と、この燃焼室15に内端を開口する吸気ポート16i及び排気ポート16eとが形成されると共に、これら吸気ポート16i及び排気ポート16eを開閉する吸気弁17i及び排気弁17eが設けられ、これら吸気及び排気弁17i,17eには、これらをそれぞれ閉弁方向に付勢する吸気及び排気弁ばね30i,30eがそれぞれ装着される。これら弁ばね30i,30eとの協働で上記吸気弁17i及び排気弁17eを開閉駆動する動弁装置20がクランクケース2からシリンダヘッド4にかけて配設される。この動弁装置20については後で詳述する。
シリンダヘッド4には、また、電極を燃焼室15に臨ませる点火プラグ21が螺着され、さらに吸気ポート16i及び排気ポート16eの外端にそれぞれ連なる気化器22及び排気マフラ23が取り付け、気化器22の吸気道入口にエアクリーナ19が装着される。
またクランクケース2に上部には、気化器22及び排気マフラ23に隣接する燃料タンク24が取り付けられる。
さて、動弁装置20について説明する。
図1〜図3に示すように、シリンダブロック3からシリンダヘッド4にかけて、クランクケース2の内部から上方に延びてシリンダボア3aの一側に隣接する動弁室20aが形成されており、この動弁室20aに動弁装置20が配設される。この動弁装置20は、動弁室20aの上部を横切るようにクランク軸6と平行に配置される支軸27と、この支軸27に回転自在に支持される中空円筒状のカム軸26とを備えている。支軸27は、動弁室20aの相対向する側壁の一対の支孔28,28に両端を嵌合され、シリンダヘッド4の外側にボルト51で固着される押え板52が支軸27の外端部を押えることで、シリンダヘッド4に固定される。
図3〜図6に示すように、カム軸26の一端部外周には単一の動弁カム25が圧入等により嵌合、固着される。この動弁カム25の軸方向一端には、カム軸26の他端部を囲繞する従動タイミングプーリ32が一体に成形されており、この従動タイミングプーリ32は、クランク軸6に固着される駆動タイミングプーリ31からタイミングベルト33を介して2分の1の減速比をもって駆動されるようになっている。
シリンダヘッド4には、吸気及び排気弁17i,17eの両側に配置される、カム軸26と平行な吸気ロッカ軸34i及び排気ロッカ軸34eが取り付けられ、これら吸気ロッカ軸34iには、動弁カム25及び吸気弁17i間を連接する吸気ロッカアーム29iが、また排気ロッカ軸34eには、動弁カム25及び排気弁17e間を連接する排気ロッカアーム29eがそれぞれ揺動自在に支持される。これら吸気及び排気ロッカアーム29i,29eは、動弁カム25との接触位相を相互に相違させていて、所定のタイミングで動弁カム25のリフト作用を受けて、吸気及び排気弁ばね30i,30eとの協働により吸気及び排気弁17i,17eをそれぞれ開閉するようになっている。
以上により動弁装置20が構成され、これを上方から覆うヘッドカバー18がシリンダヘッド4の上端面に接合される。
図4〜図6に示すように、従動タイミングプーリ32は、動弁カム25の一端部から半径方向に広がるアーム壁32aと、このアーム壁32aの外周に形成される歯付きリム32bとからなっており、そのアーム壁32aに固設されてその外側面に突出する単一の枢軸36によって、カム軸26を半周取り囲むように略U字状に形成される第1及び第2遠心重錘351,352の各一端部がそれぞれ揺動可能に支持される。第1及び第2遠心重錘351,352は板状をなして互いに重ねられており、第1遠心重錘351の、枢軸36と反対側の揺動端には、第2遠心重錘352の揺動端が当接し得る当接片351aが形成されている。
而して、第1遠心重錘351は、そのU字状屈曲部がカム軸26上のディスタンスカラー49の外周面に当接する収縮位置A(図5参照)から、当接片351aがディスタンスカラー49の外周面に当接する中間拡張位置M(図10参照)へと枢軸36周りに揺動し、この中間拡張位置M以上には揺動し得ない。また第2遠心重錘352は、収縮位置Aから中間作動位置Mを経て拡張位置Bへと枢軸36周りに揺動し得るようになっており、第2遠心重錘352の収縮位置A(図5参照)は、第1遠心重錘351が収縮位置Aにあるときその当接片351aに第2遠心重錘352の揺動端を当接させることで規定され、第2遠心重錘352の中間拡張位置M(図10参照)は、第1遠心重錘351が中間拡張位置Mにあるときその当接片351aに第2遠心重錘352の揺動端を当接させることで規定され、第2遠心重錘352の拡張位置B(図11参照)は、第1遠心重錘351が中間拡張位置Mに拘束されるとき、第2遠心重錘352が当接片351aから所定距離離れて第1遠心重錘351の、当接片351aと反対側の側縁に形成されたストッパ片351bに当接することで規定される。そして、この第2遠心重錘352を、収縮位置A側に所定のセット荷重をもって付勢する戻しばね43が、第2遠心重錘352の係止爪40とアーム壁32aの係止ピン41との間に張設される。上記第1遠心重錘351、第2遠心重錘352及び戻しばね43により、後述する駆動リング45を作動する遠心機構46が構成される。
図3、図7〜図9に示すように、動弁カム25には、カム軸26を囲繞し且つ従動タイミングプーリ32の外側面(即ち動弁カム25とは反対側の側面)及び動弁カム25のベース円面25aに開口する凹部39が、該凹部39の軸方向一端側(即ち動弁カム25側)が動弁カム25で塞がれるように設けられ、この凹部39において、カム軸26には、動弁カム25側から排気還流カム部材48、デコンプカム部材47、駆動リング45及びディスタンスカラー49が順次嵌装される。したがって、排気還流カム部材48、デコンプカム部材47及び駆動リング45は、全て、動弁カム25の凹部39に収容されることになる。
図3、図5〜図9において、駆動リング45は、カム軸26の外周面に回転自在に嵌合されるもので、この駆動リング45には、その外周面から突出して第1及び第2遠心重錘351,352側に延びる連結突起45aが一体に形成されており、この連結突起45aは、第2遠心重錘352の揺動端部内周に設けられる連結溝352aに係合される。而して、第2遠心重錘352が半径方向へ揺動すると、この連結突起45aを介して駆動リング45を回動させるようになっている。また駆動リング45は、その内周面に軸方向の保持溝45bを有しており、この保持溝45bによって、従動タイミングプーリ32及び動弁カム26e間に亙ってカム軸26の軸方向に延びるローラ44を保持している。このローラ44は、駆動リング45のカム軸26との相対回転によりカム軸26の外周面上を転動することができる。
図7〜図11において、デコンプカム部材47及び排気還流カム部材48は、カム軸26の両側面に形成された互いに平行な一対のガイド面55,55に、カム軸26の直径線に沿って摺動し得るように嵌合される。これによりデコンプカム部材47は、ガイド面55,55に沿って作動位置C(図8)及び不作動位置D(図10)間を摺動可能であり、その作動位置C及び不作動位置Dは、デコンプカム部材47の、ガイド面55,55と直交する方向の内端面56a,56bがカム軸26の外周面に当接することにより規定される。また排気還流カム部材48は、ガイド面55,55に沿って不作動位置F(図7)及び作動位置G(図11)間を摺動可能であり、その作動位置F及び不作動位置Gは、排気還流カム部材48の、ガイド面55,55と直交する方向の内端面57a,57bがカム軸26の外周面に当接することにより規定される。
デコンプカム部材47及び排気還流カム部材48は、それぞれの外周面に、動弁カム25のノーズ部より遥かに低い凸状カム47a,48aを一体に有しており、これら凸状カム47a,48aは、それぞれの作動位置C、Gで動弁カム25のベース円面25aより外方に突出し、不作動位置D、Fで該ベース円面25a内方に退去するようになっている。またデコンプカム部材47の凸状カム47aは、これが作動位置Cを占めるとき機関の圧縮行程で排気ロッカアーム29eを押し上げるように配置され、排気還流カム部材48の凸状カム48aは、これが作動位置Gを占めるとき機関の吸気行程で排気ロッカアーム29eを押し上げるように配置される。
図8に示すように、デコンプカム部材47の、凸状カム47a側の内端面56b中央部には、前記ローラ44と協働する凹状カム58が形成される。この凹状カム58は、戻しばね43の付勢力により第2遠心重錘352が収縮位置Aに保持されるとき、ローラ44に押圧されることでデコンプカム部材47を作動位置Cに強制する斜面58aと、第2遠心重錘352が前記中間拡張位置Mまで揺動したとき、ローラ44の干渉を避けてデコンプカム部材47の不作動位置Dへの移行を許容する円弧状底面58bとからなっている。デコンプカム部材47は、その重心がデコンプカム部材47の中心より凹状カム58と反対側にオフセットしていて、ローラ44が円弧状底面58bとの対向位置に来ると、デコンプカム部材47は、上記重心に作用する遠心力により不作動位置Dへ移行するようになっている。
図7及び図11に示すように、他方、排気還流カム部材48の、凸状カム48a側の内端面57b中央部には、前記ローラ44と協働する凹状カム59が形成される。この凹状カム59は、第2遠心重錘352が収縮位置Aから中間拡張位置Mまで回転する間には、ローラ44との干渉を避けて排気還流カム部材48の不作動位置Fへの移行を許容する円弧状底面59aと、第2遠心重錘352が拡張位置Bまで揺動したとき、ローラ44に押圧されることで排気還流カム部材48を作動位置Gに強制する斜面59bとからなっている。排気還流カム部材48は、その重心が排気還流カム部材48の中心より凹状カム59と反対側にオフセットしていて、ローラ44が円弧状底面59aとの対向位置にあると、排気還流カム部材48は、上記重心に作用する遠心力により不作動位置Gへ移行するようになっている。
次に、この実施例の作用について説明する。
クランク軸6が回転すると、駆動タイミングプーリ31がタイミングベルト33を介して従動タイミングプーリ32を駆動するので、従動タイミングプーリ32と一体の動弁カム25も回転駆動される。そして吸気行程では、動弁カム25のノーズ部が吸気ロッカアーム29iを揺動して吸気弁17iを吸気弁ばね30iの付勢力に抗して押し開く。また排気行程では、同じく動弁カム25のノーズ部が排気ロッカアーム29eを揺動して排気弁17eを押し開く。このような吸気弁17i、排気弁17eの開閉タイミングを図13に示す。
図12において、機関回転数Neが0から、アイドリング回転数より低い所定回転数Ne1までの間にある機関の始動回転域aでは、図4、図5及び図8に示すように、第1及び第2遠心重錘351,352は、戻しばね43のセット荷重により共に収縮位置Aに保持される。このとき、第2遠心重錘352に連結突起45aを介して連結した駆動リング45は、ローラ44をデコンプカム部材47の凹状カム58の斜面58aを押圧するので、デコンプカム部材47は、その凸状カム47aを動弁カム25のベース円面25aより外方へ突出させた作動位置Cに保持される。
したがって、いま、内燃機関Eを始動すべくリコイル式スタータ13を操作すると、そのスタータ13から始動筒軸12を介してクランク軸6がクランキングされると同時にタイミングベルト33等を介して動弁カム25が回転駆動されるので、前述のように、ピストン7の圧縮行程ではデコンプカム部材47の凸状カム47aが排気ロッカアーム29eを僅かに押し上げて、排気弁17eを僅かに開くことになる。このときのタイミングを図10に示す。その結果、シリンダボア3a内の圧縮ガスの一部が排気ポート16eへ排出され、その圧縮圧力の上昇が抑えられるため、スタータ13の操作荷重が軽減されることになり、クランク軸6を比較的軽快に勢いよくクランキングすることができ、したがって機関を容易に始動することができる。
機関が始動して、機関回転数Neが始動回転域aから脱出するように上昇すると、図10に示すように、第1及び第2遠心重錘351,352の総合遠心力による枢軸36周りのモーメントが、戻しばね43のセット荷重による第1遠心重錘351の枢軸36周りのモーメントに打ち勝って、第1及び第2遠心重錘351,352は一体となって収縮位置Aから半径方向外方に揺動し、第1遠心重錘351の当接片351aがカム軸26上のディスタンスカラー49の外周面に当接することで、第1及び第2遠心重錘351,352は共に中間拡張位置Mに到達し、第1遠心重錘351のみがそれ以上の拡張が阻止される。この間の第2遠心重錘352の、収縮位置Aから中間拡張位置Mまでの揺動が連結突起45aに伝達して駆動リング45を図10で反時計方向に回転させ、ローラ44をデコンプカム部材47の凹状カム58の底面58bとの対向位置に移す。したがって、デコンプカム部材47は、ローラ44に邪魔されることなく遠心力の作用により不作動位置Dに移行して、その凸状カム47aを動弁カム25のベース円面25a内方に退去させる。
この間、排気還流カム部材48では、図7に示すように、その凹状カム59の底面59aが駆動リング45のローラ44に対向しているので、排気還流カム部材48も、ローラ44に拘束されることなく遠心力により不作動位置Fに保持され、その凸状カム48aを動弁カム25のベース円面25a内方に退去させている。
以上により、排気弁17eは、通常通り、動弁カム25本来の形状のみに依存して開閉制御される。
ところで、第1遠心重錘351が中間拡張位置Mに到達すると、それ以上の拡張揺動がカム軸26により阻止されるので、機関回転数NeがNe1以上に上昇した後は、第2遠心重錘352が第1遠心重錘351の当接片351aから離間しない間、戻しばね43に働く荷重は一定となる。したがって、第2遠心重錘352の遠心力のみでは戻しばね43を変形させ得ない機関回転数領域Ne1〜Ne2、即ちアイドリングを含む低速運転域bでは、第2遠心重錘352は中間拡張位置Mに保持されることになる。
機関回転数NeがNe2以上になると、即ち高速運転域cに入ると、第2遠心重錘352の遠心力が充分に増加し、その遠心力による第2遠心重錘352の枢軸36周りのモーメントが戻しばね43の荷重による第2遠心重錘352のモーメントより大となるので、図11に示すように、第2遠心重錘352は拡張位置Bに到達し、それに伴なう駆動リング45の反時計方向の回転により、ローラ44が排気還流カム部材48の凹状カム59の斜面59bを押圧して、排気還流カム部材48を、その遠心力に抗して作動位置Gに移動させるので、排気還流カム部材48は、その凸状カム48aが動弁カム25のベース円面25aより突出させることになる。したがって、前述のように、ピストン7の吸気行程では排気還流カム部材48の凸状カム48aが排気ロッカアーム29eを僅かに押し上げることにより、排気弁17eを僅かに開く。その結果、排気ポート16eに残留する排ガスが燃焼室15に引き込まれ、即ち排ガスの還流が行われる。この排ガスは後段の膨張行程での混合気の燃焼時、その燃焼温度の過度の上昇を抑制して、排ガス中のNOx濃度を下げると共に、HC濃度の低減延いては低燃費性の向上に寄与する。
以上のように、第1、第2遠心重錘351,352及び戻しばね43よりなる遠心機構46により、共通の駆動リング45を作動して、デコンプカム部材47及び排気還流カム部材48を順次作動することができ、相互干渉のない所望特性のデコンプ機能及び排気還流機能を持った動弁装置20の構造の簡素化及びコンパクト化を図ることができる。
しかも、遠心機構46は従動タイミングプーリ32の外側面に取り付けられ、デコンプカム部材47及び排気還流カム部材48は、従動タイミングプーリ32に一体に形成される動弁カム25の前記凹部39に収容されると共に、カム軸26で支持されるので、デコンプカム部材47及び排気還流カム部材48を動弁カム25内にコンパクトに収めることができて、動弁装置20の一層のコンパクト化を図ることができる。
また遠心機構46においては、第1及び第2遠心重錘351,352の収縮位置A及び中間拡張位置M、並びに第2遠心重錘352の拡張位置Bの設定により、デコンプカム部材47及び排気還流カム部材48の作動タイミングを容易、確実に図ることができる。
さらに動弁カム25の外周面には、吸気弁17i及び排気弁17eをそれぞれ開閉作動する吸気ロッカアーム29i及び排気ロッカアーム29eを互いに位相をずらして摺接させたことで、共通一個の動弁カム25で吸気及び排気弁17i,17eの開閉が可能となり、動弁装置20のより一層のコンパクト化を図ることができる。
本発明は、上記実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更が可能である。例えば、第2遠心重錘52の拡張位置Bを規制するストッパ片51bを廃止して、ローラ44がデコンプカム部材47の凹状カム58の底面58b側端壁に当接させることにより、第2遠心重錘52の拡張位置Bを規制することもできる。
またカム軸26に吸気用カム及び排気用カムを設けた動弁装置に本発明を適用する場合には、従動タイミングプーリ32に近接したカムにデコンプカム部材47及び排気還流カム部材48を収容すればよい。また駆動タイミングプーリ31、従動タイミングプーリ32及びタイミングベルト33よりなる調時伝動装置をギヤ式に構成することもできる。この場合、本発明の従動タイミング回転部材は、従動タイミングギヤで構成されることになる。
本発明の実施例に係る動弁装置を備えた内燃機関の要部縦断正面図。 図1の2−2線断面図。 図1の3部拡大図。 の4矢視図。 図3の5矢視図。 上記動弁装置の要部分解斜視図。 図3の7−7線断面図。 図3の8−8線断面図。 図3の9−9線断面図。 デコンプ解除及び排気還流停止状態を示す動弁装置の作用図。 排気還流状態を示す動弁装置の作用図。 デコンプカム部材及び排気還流カム部材の作動領域を示す線図。 クランク軸の回転角度と吸気弁及び排気弁の開閉タイミングとの関係を示す線図。
E・・・・・・内燃機関
A・・・・・・第1、第2遠心重錘の収縮位置
M・・・・・・第1、第2遠心重錘の中間拡張位置
B・・・・・・第2遠心重錘の拡張位置
C・・・・・・デコンプカム部材の作動位置
D・・・・・・デコンプカム部材の不作動位置
F・・・・・・排気還流カム部材の不作動位置
G・・・・・・排気還流カム部材の作動位置
6・・・・・・クランク軸
17e・・・・排気弁
20・・・・・動弁装置
25・・・・・動弁カム
26・・・・・カム軸
29i・・・・吸気弁作動部材(吸気ロッカアーム)
29e・・・・排気弁作動部材(排気ロッカアーム)
32・・・・・従動回転部材(従動タイミングプーリ)
351・・・・第1遠心重錘
352・・・・第2遠心重錘
39・・・・・凹部
43・・・・・戻しばね
46・・・・・遠心機構
47・・・・・デコンプカム部材
48・・・・・排気還流カム部材

Claims (3)

  1. 動弁カム(25)を備えるカム軸(26)に支持されて、機関の圧縮行程で排気弁作動部材(29e)を排気弁(17e)の開き方向に作動する作動位置(C)及び、排気弁動弁部材(29e)を解放する不作動位置(D)間を移動するデコンプカム部材(47)と、カム軸(26)に支持されて、排気弁作動部材(29e)を解放する不作動位置(F)及び、機関の吸気行程で排気弁作動部材(29e)を排気弁(17e)の開き方向に作動し得る作動位置(G)間を移動する排気還流カム部材(48)と、クランク軸(6)より駆動されて動弁カム(25)と一体回転する従動タイミング回転部材(32)に取り付けられて、前記デコンプカム部材(47)を、機関の始動回転域(a)で作動位置(C)に、始動後に不作動位置(D)に作動すると共に、前記排気還流カム部材(48)を、機関の低速運転域(b)で不作動位置(F)に、高速運転域(c)で作動位置(G)に作動する遠心機構(46)とを備える、内燃機関の動弁装置において、
    動弁カム(25)の軸方向一端部に従動タイミング回転部材(32)を一体に成形し、 その動弁カム(25)に、カム軸(26)を囲繞し且つ従動タイミング回転部材(32)の、動弁カム(25)とは反対側の側面動弁カム(25)のベース(25a)とに開口する凹部(39)を、該凹部(39)の軸方向一端側が動弁カム(25)で塞がれるように設け、
    この凹部(39)にデコンプカム部材(47)及び排気還流カム部材(48)を収容すると共に、前記遠心機構(46)の遠心重錘(351,352)を、それが該凹部(39)の軸方向他端側の開口面の一部を塞ぐようにして従動タイミング回転部材(32)に揺動可能に軸支し、
    動弁カム(25)への前記凹部(39)の形成をカム軸(26)に邪魔されずに行い得るように、動弁カム(25)を、これと別体に形成したカム軸(26)に嵌合して固着したことを特徴とする、内燃機関の動弁装置。
  2. 請求項1記載の内燃機関の動弁装置において、
    前記遠心機構(46)を、従動タイミング回転部材(32)に軸支されて遠心力の増大に応じて収縮位置(A)から中間拡張位置(M)へと揺動し、それ以上の揺動を阻止される第1遠心重錘(351)と、同じく従動タイミング回転部材(32)に軸支されて遠心力の増大に応じて収縮位置(A)から中間拡張位置(M)へと第1遠心重錘(351)と共に揺動し、第1遠心重錘(351)が中間拡張位置(M)で停止した後は、遠心力の増大に応じて単独で拡張位置(B)へと揺動する第2遠心重錘(352)と、この第2遠心重錘(352)及び従動タイミング回転部材(32)間に、第2遠心重錘(352)を収縮位置(A)側に付勢する戻しばね(43)とで構成し、第2遠心重錘(352)をデコンプカム部材(47)及び排気還流カム部材(48)に連動連結して、第2遠心重錘(352)が収縮位置(A)を占めるときは、デコンプカム部材(47)を作動位置(D)に制御すると共に排気還流カム部材(48)を不作動位置(F)に制御し、また第2遠心重錘(352)が中間拡張位置(M)を占めるときは、デコンプカム部材(47)及び排気還流カム部材(48)を共に不作動位置(D、F)に制御し、さらに第2遠心重錘(352)が拡張位置(B)を占めるときは、デコンプカム部材(47)を不作動位置(D)に制御すると共に排気還流カム部材(48)を作動位置(G)に制御するようにしたことを特徴とする、内燃機関の動弁装置。
  3. 請求項記載の内燃機関の動弁装置において、
    前記動弁カム(25)外周面には、吸気弁作動部材(29i)及び排気弁作動部材(29e)を互いに位相をずらして摺接させたことを特徴とする、内燃機関の動弁装置。
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