JP5142039B2 - トナー付着量算出装置、画像形成装置およびトナー粒径推定方法 - Google Patents

トナー付着量算出装置、画像形成装置およびトナー粒径推定方法 Download PDF

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Description

本発明は、トナー付着量算出装置、画像形成装置およびトナー粒径推定方法に関するものである。
この種の画像形成装置においては、従来、形成する画像の画像濃度が適切になるように所定の作像条件で感光体や転写ベルトなどの像担持体に形成されたトナーパターンを光学的検知手段である光学センサによって検出し、その検出結果と所定の付着量算出アルゴリズムとを用いて各トナーパッチのトナー付着量を算出する。そして、この算出した各トナーパッチのトナー付着量に基づいて画像形成条件の制御が行なわれている。
トナーパッチを検知する光学センサとしては、LEDなどの発光素子とフォトトランジスタなどの受光素子とからなり、発光素子の正反射光を受光素子で検知する正反射型の光学センサが一般的に用いられている。正反射型の光学センサは、検知面が平滑な場合は正反射光が多いので受光素子の出力値が高く、検知面が粗くなるにつれて正反射光が少なくなり受光素子の出力値が低くなる。すなわち、トナー付着量が少ないときは、平滑な像担持体表面を反射する光が多いため、正反射光が多くなり、受光素子の出力値が高い。一方、トナー付着量が多くなると、トナー粒子により検知面が凹凸状となるため、正反射光が少なくなり、受光素子の出力値が低くなる。このように、受光素子の出力値とトナー付着量との間に相関関係があるので、受光素子の出力値から、トナー濃度を検知することができるのである。
しかし、正反射型の光学センサは、高濃度部(トナー付着量の多い)のトナーパッチの濃度を正確に検知できないという不具合があった。これは、トナーパッチが形成される検知面をほとんどトナー粒子で覆うようなトナーパッチの凹凸状態と、さらに付着量が増加してトナー粒子が何層にも重なったときのトナーパッチの凹凸状態とにさほど違いがないからである。
拡散反射光においては、トナー付着量が少ないときは、トナーからの拡散反射光量が少ないため、受光素子の出力値が低くなる。一方、トナー付着量が多いときは、トナーからの拡散反射光量が多くなるため、受光素子の出力値が高くなる。このように、拡散反射光の場合も、受光素子の出力値とトナー付着量との間に相関関係があるので、受光素子の出力値から、トナー濃度を検知することができるのである。さらに、拡散反射光の場合は、トナーパッチが形成される検知面をトナー粒子で覆った場合でも、トナー付着量に応じて受光素子の出力値が増加するという特性を有しているので、付着量が増加してトナー粒子が何層にも重なったときのトナーパッチの付着量も検知可能となる。
このような光学センサにおいては、経時使用や環境変動などによって発光素子の発光光量の変動や、受光素子の出力値の変動によって、光学センサの出力特性が変動してしまうという問題があった。正反射型の光学センサにおいては、像担持体表面を検知することによって、光学センサの出力特性の変動を補正することができる。正反射型の光学センサにおける出力特性の変動補正は、予め像担持体表面から得られる受光素子の出力値を記憶しておき、像担持体表面を検知したときの出力値が、予め記憶しておいた出力値となるように、発光光量などを調整することで、出力特性の変動を補正することができる。
しかし、拡散反射光を検知する光学センサの場合は、像担持体表面を検知したときの出力値はゼロであるので、正反射型センサのようなセンサの出力特性変動の補正を行うことができない。
特許文献1には、正反射光を受光する受光素子と、拡散反射光を受光する受光素子とを備えた光学センサを備え、正反射光出力値を用いて拡散反射光の出力特性の変動を補正する画像形成装置が記載されている。
特許文献1に記載の画像形成装置においては、まず、像担持体表面を検知して正反射光出力の特性変動を補正する。具体的には、像担持体表面を検知したときの正反射受光素子の出力値(以下、正反射光検出値という)と、予め記憶しておいた正反射光検出値とから、正反射光検出値の変動率を算出する。次に、像担持体にトナーパッチを形成し、光学センサで検知し、トナーパッチを検知したときの正反射光検出値を変動率で正規化する。正規化した正反射光検出値と、正反射光付着量変換テーブルとに基づいて、トナー付着量を算出する。正反射光検出値を変動率で正規化することにより、正規化した正反射光出力値は、発光素子の変動や正反射光受光素子の変動が補正された値となる。正規化した正反射光検出値から算出されたトナー付着量は、正確な付着量である。次に、この算出した正確な付着量と、拡散反射光付着量変換テーブルとに基づいて、目標拡散反射光検出値を求める。次に、トナーパッチを検知したときの拡散反射受光素子の出力値(以下、拡散反射光検出値という)と目標拡散反射光検出値とから、拡散反射光検出値を補正するための補正値を算出する。
トナーパッチを検知したときの拡散反射受光素子の出力値は、発光素子の発光光量の変動や拡散反射光受光素子の出力変動が含まれた出力値である。一方、目標拡散反射光出力値は、上記の発光光量の変動や拡散反射光受光素子の出力変動が含まれていない値である。よって、トナーパッチを検知したときの拡散反射受光素子の出力値が、目標拡散反射光出力値となるための拡散反射受光素子の出力値を補正する補正値で、拡散反射光出力値を補正することによって、拡散反射受光素子の出力値から、発光光量の変動や拡散反射光受光素子の出力変動を除去することができる。
そして、トナーパッチを検知したときの拡散反射光検出値を補正値で補正し、補正した拡散反射光検出値と拡散反射光付着量変換テーブルとに基づいて、トナー付着量を算出することで、拡散反射光検出値から精度のよい付着量を算出することができる。
特開2002−236402号公報
しかしながら、特許文献1に記載のように拡散反射光検出値を補正しても、正確なトナー付着量が検知できない場合があった。
そこで、本発明者は、鋭意研究した結果、トナーの粒径が異なると、同一の付着量であるにもかかわらず、光学センサの検出値が異なることがわかった。その結果、使用するトナーの粒径が異なると、正確な付着量算出を行うことができなくなることがわかった。
特に、1成分現像方式の場合は、現像剤使用初期と経時とで画像形成に使用されるトナー粒径が異なるため、使用初期から経時にかけて正確な付着量算出を行うことができなかった。これは、1成分現像方式は、現像ローラと対向配置された規制ブレードを通過する際に規制ブレードによって層厚が規制されて、現像領域へトナーが搬送される。この規制ブレードを通過する際、機械的なフィルタ(ふるい)のような効果がはたらき、現像ローラ上の粒径の大きなトナーよりも粒径の小さなトナーの方が規制ブレードを通過しやすくなる。その結果、現像剤使用初期時においては、画像形成に用いられるトナー平均粒径が小さくなり、使用するに従って画像形成に用いられるトナー平均粒径が大きくなるのである。その結果、1成分現像方式の場合は、使用初期から経時にかけて正確な付着量算出を行うことができない。
本発明は以上の問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、使用するトナーの粒径を推定することのできるトナー付着量算出装置、画像形成装置、トナー粒径推定方法を提供することである。
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、像担持体上にトナーパッチを形成するトナーパッチ形成手段と、前記像担持体上に形成されたトナーパッチからの正反射光と拡散反射光とを検出する光学検知手段とを有し、該光学検知手段の正反射光検出値と拡散反射光検出値とに基づいてトナーパッチの付着量を算出するトナー付着量算出装置において、正反射光検出値を正規化する正反射光正規化手段と、前記トナーパッチ形成手段で、前記光学的検知手段の検出値がトナー粒径に依存する粒径依存性トナーパッチを像担持体上に形成し、前記粒径依存性トナーパッチを前記光学検知手段で検出し、前記粒径依存性トナーパッチの正規化された正反射光検出値と、トナー粒径に対応した付着量変換テーブルとに基づいて、前記拡散反射光検出値を補正するための補正値を算出する補正値算出手段と、前記補正値算出手段で予め決められた規定のトナー粒径に対応した付着量変換テーブルを用いて仮補正値を算出し、トナーパッチ形成手段で、前記光学的検知手段の拡散反射光検出値がトナー粒径および付着量に依存しない飽和トナーパッチを像担持体上に形成し、前記飽和トナーパッチを前記光学検知手段で検出し、飽和トナーパッチの拡散反射光検出値を前記仮補正値で補正した値と、予め実験で求めた前記飽和トナーパッチの拡散反射光検出値に基づいてトナー像の形成に用いられるトナー粒径を推定するトナー粒径推定手段とを備えたことを特徴とするものである。
また、請求項2の発明は、請求項1のトナー付着量算出装置において、トナー粒径毎の付着量変換テーブルを記憶する記憶手段を備え、前記トナー粒径推定手段で推定したトナー粒径に対応する付着量変換テーブルを特定し、特定した付着量変換テーブルと前記光学的検知手段の検知結果とに基づいて、トナー付着量を算出することを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、請求項2のトナー付着量算出装置において、前記補正値算出手段は、前記トナー粒径推定手段実行後、前記トナー粒径推定手段で推定したトナー粒径に対応する付着量変換テーブルを特定し、特定した付着量変換テーブルに基づいて、前記補正値を算出しなおすことを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、請求項1乃至3いずれかのトナー付着量算出装置において、前記正反射光正規化手段は、像担持体表面を検知したときの正反射光検出値に基づいて、正規化値を算出し、算出した正規化値に基づいて検知した正反射光検出値を正規化することを特徴とするものである。
また、請求項5の発明は、請求項1乃至4いずれかのトナー付着量算出装置において、前記粒径依存性トナーパッチは、トナー層が1層未満のトナーパッチであることを特徴とするものである。
また、請求項6の発明は、像担持体上に複数色のトナー像を形成する画像形成手段と、前記像担持体上のトナー像を光学的に検知して、該トナー像の付着量を算出するトナー付着量算出手段と、該トナー付着量算出手段で算出したトナー像のトナー付着量を用いて所定の制御を実行する制御手段とを備える画像形成装置において、前記トナー付着量算出手段として、請求項1乃至5いずれかのトナー付着量算出装置を用いたことを特徴とするものである。
また、請求項7の発明は、像担持体上にトナー像を形成する画像形成手段と、前記像担持体上のトナー像からの反射光を検出する光学的検知手段と、前記像担持体上に少なくと低付着量のトナーパッチを含んだ画質調整用パターンを形成し、前記光学的検知手段の前記画質調整用パターンを検知したときの検出値とトナー粒径に対応した付着量変換テーブルとに基づいて、前記画質調整用パターンにおけるトナーパッチのトナー付着量を算出し、算出したトナー付着量に基づいて画像形成条件を設定する画像形成条件設定手段とを備える画像形成装置において、予め決められた規定のトナー粒径に対応した付着量変換テーブルを用いて前記画像形成条件設定手段を実行して、仮の画像形成条件設定し、仮の画像形成条件で光学的検知手段の拡散反射光検出値がトナー粒径に依存しない粒径非依存性トナーパッチを形成し、粒径非依存性トナーパッチのトナー付着量に基づいてトナー粒径を推定するトナー粒径推定手段を備えたことを特徴とするものである。
また、請求項8の発明は、請求項7の画像形成装置において、トナー粒径毎の付着量変換テーブルを記憶する記憶手段を備え、前記トナー粒径推定手段を実行した後、前記トナー粒径推定手段で推定したトナー粒径に対応する付着量変換テーブルを特定し、特定した付着量変換テーブルを用いて前記画像形成条件設定手段を実行するように構成したことを特徴とするものである。
また、請求項9の発明は、請求項7または8の画像形成装置において、前記粒径非依存性トナーパッチが、1層以上のトナー層からなることを特徴とするものである。
また、請求項10の発明は、請求項6乃至9いずれかの画像形成装置において、前記光学検知手段として、赤外光を検出するものを用い、前記粒径非依存性トナーパッチが、複数色のトナー像を重ね合わせることで形成されるようにしたことを特徴とするものである。
また、請求項11の発明は、トナーの粒径を推定するトナー粒径推定方法において、光学的検知手段の検出値が粒径に依存する粒径依存性トナーパッチを作成する工程と、粒径依存性トナーパッチを正反射光と拡散反射光とを検知できる光学的検知手段で検知する工程と、粒径依存性トナーパッチを検知したときの正反射光検出値と、予め決められた規定のトナー粒径に対応した付着量変換テーブルとに基づいて算出された拡散反射光検出値と、粒径依存性トナーパッチを検知したときの拡散反射光検出値とから比率を算出する工程と、前記光学的検知手段の拡散反射光検出値がトナー粒径および付着量に依存しない飽和トナーパッチを作成する工程と、飽和トナーパッチを前記光学的検知手段で検知する工程と、飽和トナーパッチを検知したときの拡散反射光検出値に前記比率を乗算した値から、トナーの粒径を推定する工程とを有することを特徴とするものである。
また、請求項12の発明は、トナーの粒径を推定するトナー粒径推定方法において、画像形成条件を設定するための複数のトナーパッチからなる画質調整パターンを作成する工程と、画質調整用パターンを正反射光と拡散反射光とを検知できる光学的検知手段で検知する工程と、画質調整用パターンの検知結果と、予め決められた規定のトナー粒径に対応した付着量変換テーブルとに基づいて画質調整用パターン各トナーパッチのトナー付着量を算出する工程と、算出したトナー付着量に基づいて画像形成条件を設定する工程と、設定した画像形成条件に基づいて、前記光学的検知手段の拡散反射光検出値がトナー粒径に依存しない粒径非依存性トナーパッチを作成する工程と、粒径非依存性トナーパッチのトナー付着量に基づいて、トナーの粒径を推定する工程とを有することを特徴とするものである。
上記粒径依存性トナーパッチ、上記粒径非依存性トナーパッチ、上記飽和トナーパッチについて説明する。
まず、粒径依存性トナーパッチについて説明する。
粒径依存性トナーパッチとは、光学的検知手段の検出値がトナー粒径に依存するトナーパッチであり、例えば、トナー層が1層未満のトナーパッチは、これに該当する。以下に、トナー層が1層未満のトナーパッチを検知したときにおける光学的検知手段の検出値が、なぜトナー粒径に依存するのか説明する。
図1は、光学的検知手段の検出値がトナー粒径に依存する粒径依存性トナーパッチについて説明する図である。図1(a)は、粒径の大きなトナーを用いて形成されたトナーパッチの概略構成図である。図1(b)は、粒径の小さなトナーを用いて形成されたトナーパッチの概略構成図である。図1(a)、図1(b)のトナーパッチのトナー付着量[g/m]は、同じであり、粒径の大きなトナーの粒径は、粒径の小さなトナーの粒径の2倍となっている。
図1に示すように粒径の大きいトナー粒径は、粒径の小さなトナーの粒径の2倍であるので、粒径の大きいトナーの像担持体表面からの高さが、粒径の小さなトナーよりも2倍高くなっている。付着量は、単位面積当りの重さであるので、付着量が同じである場合、図1(b)の粒径が小さいものは、図1(a)の粒径の大きなトナーの場合に比べて、高さが低く、その高さの差の分、水平に広がっている。このため、粒径の小さいトナーの方が、粒径の大きいトナーに比べて、像担持体表面を覆う面積が大きくなる。従って、同じ付着量でも、トナー粒径の小さいものの方が、像担持体表面の露出率が小さい。その結果、同じ付着量であるにもかかわらず、トナー粒径が小さいものは、トナー粒径が大きいものに比べて拡散反射光の場合は多くなり、正反射光の場合は少なくなるのである。よって、トナー粒径が小さい場合と、トナー粒径が大きい場合とで実際は同じ付着量であるにもかかわらず、光学的検知手段の検出値が異なり、検出値から算出される付着量が異なってしまうのである。
上記したように、トナー層が1層未満のトナーパッチにおいては、拡散反射光検出値および正反射光検出値がトナー粒径に依存する。よって、トナー層が1層未満のトナーパッチは、光学的検知手段の検出値がトナー粒径に依存する粒径依存性トナーパッチに該当する。
次に、粒径非依存性トナーパッチについて説明する。
粒径非依存性トナーパッチとは、光学的検知手段の拡散反射光検出値がトナー粒径に依存しないトナーパッチであり、例えば、トナー層が1層以上のトナーパッチはこれに該当する。以下に、トナー層が1層以上のトナーパッチを検知した拡散反射光検出値がなぜトナー粒径に依存しないのかを説明する。
図2は、光学的検知手段の検出値がトナー粒径に依存しない粒径非依存性トナーパッチについて説明する図である。図2(a)は、粒径の大きなトナーが2層となるように形成されたトナーパッチの概略構成図である。図2(b)は、粒径の小さなトナーを用いて、粒径の大きなトナーが2層となるように形成されたトナーパッチのトナー付着量と同じ付着量で形成されたトナーパッチの概略構成図である。この図2においても、粒径の大きなトナーの粒径は、粒径の小さなトナーの粒径の2倍となっている。図2(b)ではトナー層が約4層となっており、層厚は、図2(a)とほぼ同じとなっている。
トナーパッチに光を照射すると、両者とも、まず第1層目のトナーの表面で拡散反射する。この反射量は両者ともに同程度となる。トナーパッチのトナー層厚が一層以上だと、正反射光がなくなり、拡散反射光のみとなる。また、一部の光はトナー層内に入り込み内部で拡散反射を複数回繰り返してまた表面に戻ってくる。トナー層の厚みが1層以上だと、トナー層の厚みによってトナー層内部の反射による拡散反射光の検出値が変化する。よって、拡散反射光検出値がトナー層の厚みに依存する。また、図2(a)、(b)を見るとわかるように、付着量が同じ場合、トナー粒径の大きいときとトナー粒径小さいときとで層厚がかわらない。よって、トナー層の厚みが1層以上だと、トナー粒径の影響はなくなる。すなわち、トナー層の厚みが一層以上であると、拡散反射光検出値がトナー層の厚みにのみ依存するのである。
上記したように、トナー層が1層以上のトナーパッチにおいては、拡散反射光検出値がトナー粒径に依存しない。よって、トナー層が1層以上のトナーパッチは、光学的検知手段の拡散反射光検出値がトナー粒径に依存しない粒径非依存性トナーパッチに該当する。
トナー層の厚みとトナー付着量とは相関関係にあるので、トナー層が一層以上の粒径非依存性トナーパッチの拡散反射光検出値から、トナー粒径の影響を受けることなく、トナー付着量が算出可能になる。
次に、飽和トナーパッチについて説明する。飽和トナーパッチとは、光学的検知手段の拡散反射光検出値がトナー粒径やトナー付着量に依存しなくなるトナーパッチであり、例えば、トナー層がある厚みを超えるトナーパッチは、これに該当する。
トナー層厚がある厚みを超えると、それ以上トナー付着量を増やして、トナー層を厚くしても拡散反射光検出値が同じ値となる。これは、入射した光が最下層までほとんど届かず、また最下層で反射した光が表面までほとんど届かなくなる。つまり、トナー層厚(トナー付着量)に関係なく反射光量は一定になる。
よって、上記したように、トナー層がある厚みを超えたトナーパッチにおいては、拡散反射光検出値がトナー粒径およびトナー付着量に依存しない。よって、トナー層がある厚みを越えるトナーパッチは、光学的検知手段の拡散反射光検出値がトナー粒径やトナー付着量に依存しない飽和トナーパッチに該当する。
上述の粒径非依存性トナーパッチおよび飽和トナーパッチにおける現象は、クベルカムンクの理論として知られている。
請求項1の発明によれば、正規化された正反射光検出値と、予め決められた規定のトナー粒径に対応した付着量変換テーブルと用いて、拡散反射光出力値を補正するための仮補正値を算出し、像担持体表面に飽和トナーパッチを形成して光学検知手段で検出し、飽和トナーパッチの拡散反射光検出値を仮補正値で補正した値に基づいてトナー像の形成に用いられるトナー粒径を推定している。
仮補正値を算出するときに用いた付着量変換テーブルが対応する予め決められた規定のトナー粒径と、粒径依存性トナーパッチに用いられたトナー粒径とが同じ場合は、仮補正値で補正された拡散反射光検出値は、光学的検知手段の特性変動が除去された精度の高い拡散反射光検出値となる。
一方、仮補正値を算出するときに用いた付着量変換テーブルが対応する規定のトナー粒径と、粒径依存性トナーパッチに用いられたトナー粒径とが異なる場合は、仮補正値で補正された拡散反射光検出値は、トナー粒径誤差により、精度の高い拡散反射光検出値とはならない。
上述したように、飽和トナーパッチを検知した拡散反射光検出値は、光学的検知手段の特性変動がない場合、所定の値となるはずである。よって、仮補正値を算出するときに用いた付着量変換テーブルが対応する予め決められた規定のトナー粒径と、粒径依存性トナーパッチに用いられたトナー粒径とが同じ場合は、仮補正値で補正された飽和トナーパッチの拡散反射光検出値は、所定の値となる。
一方、仮補正値を算出するときに用いた付着量変換テーブルが対応する規定のトナー粒径と、粒径依存性トナーパッチに用いられたトナー粒径とが異なる場合は、仮補正値で補正された飽和トナーパッチの拡散反射光検出値は、所定の値とはならない。よって、仮補正値で補正された飽和トナーパッチの拡散反射光検出値が、所定の値からどのくらいずれているかを調べることで、トナー像の形成に用いられるトナー粒径を推定できる。
また、請求項6の発明によれば、規定のトナー粒径に対応した付着量変換テーブルを用いて画像形成条件設定手段を実行して、仮の画像形成条件設定し、仮の画像形成条件で粒径非依存性トナーパッチを形成し、光学的検知手段の粒径非依存性トナーパッチのトナー付着量に基づいてトナー粒径を推定する。
仮の画像形成条件を設定するときに用いた付着量変換テーブルが対応する規定のトナー粒径と、画質調整用トナーパターンの形成に用いられたトナー粒径とが同じ場合には、良好な画質が得られるような画像形成条件に設定されている。よって、仮の画像形成条件によって形成される粒径非依存性トナーパッチは、所望のトナー付着量になる。
一方、仮の画像形成条件を設定するときに用いた付着量変換テーブルが対応する規定のトナー粒径と、画質調整用トナーパターンの形成に用いられたトナー粒径とが異なると、算出されるトナー付着量にトナー粒径による誤差が生じてしまう。これは、画質調整用トナーパターンが少なくとも粒径依存性のトナーパッチである低付着量のトナーパッチを含んでいるからである。このため、トナー粒径誤差のある付着量に基づいて設定される仮の画像形成条件にはトナー粒径誤差が含まれ、この仮の画像形成条件によって形成された粒径非依存性トナーパッチは、トナー粒径誤差によって所望のトナー付着量にはならない。
従って、仮の画像形成条件で形成された粒径非依存性トナーパッチの付着量が所望の付着量からどの程度異なっているかを調べることで、トナー粒径を推定することができる。
本発明によれば、使用するトナーの粒径を推定することができるので、トナー粒径に対応したトナー付着量の算出が可能となり、精度の高い付着量の算出が可能となる。
以下、本発明を適用した画像形成装置として、電子写真方式のプリンタ(以下、単にプリンタという)の一実施形態について説明する。
まず、本プリンタの基本的な構成について説明する。図3は、本プリンタを示す概略構成図である。同図において、このプリンタは、画像形成手段であり、トナーパッチ形成手段であるイエロー、マゼンタ、シアン、ブラック(以下、Y、M、C、Kと記す)のトナー像を形成するための4つのプロセスユニット1Y,M,C,Kを備えている。これらは、画像形成物質として、互いに異なる色のY,M,C,Kトナーを用いるが、それ以外は同様の構成になっており、寿命到達時に交換される。Kトナー像を形成するためのプロセスユニット1Kを例にすると、図4に示すように、潜像担持体たるドラム状の感光体2K、ドラムクリーニング装置3K、除電装置(不図示)、帯電装置4K、現像装置5K等を備えている。プロセスユニット1Kは、プリンタ本体に脱着可能であり、一度に消耗部品を交換できるようになっている。
上記帯電装置4Kは、図示しない駆動手段によって図中時計回りに回転せしめられる感光体2Kの表面を一様帯電せしめる。一様帯電せしめられた感光体2Kの表面は、レーザ光Lによって露光走査されてK用の静電潜像を担持する。このK用の静電潜像は、Kトナーを用いる現像装置5KによってKトナー像に現像される。そして、後述する中間転写ベルト36上に中間転写される。ドラムクリーニング装置3Kは、中間転写工程を経た後の感光体2K表面に付着している転写残トナーを除去する。また、上記除電装置は、クリーニング後の感光体2Kの残留電荷を除電する。この除電により、感光体2Kの表面が初期化されて次の画像形成に備えられる。他色のプロセスユニット(1Y,M,C)においても、同様にして感光体(2Y,M,C)上に(Y,M,C)トナー像が形成されて、後述する中間転写ベルト36上に中間転写される。
上記現像装置5Kは、図示しないKトナーを収容する縦長のホッパ部6Kと、現像部7Kとを有している。ホッパ部6K内には、図示しない駆動手段によって回転駆動されるアジテータ8K、これの鉛直方向下方で図示しない駆動手段によって回転駆動される撹拌パドル9K、これの鉛直方向下方で図示しない駆動手段によって回転駆動されるトナー供給ローラ10Kなどが配設されている。ホッパ部6K内のKトナーは、アジテータ8Kや撹拌パドル9Kの回転駆動によって撹拌されながら、自重によってトナー供給ローラ10Kに向けて移動する。トナー供給ローラ10Kは、金属製の芯金と、これの表面に被覆された発泡樹脂等からなるローラ部とを有しており、ホッパ部6K内のKトナーをローラ部の表面に付着させながら回転する。
現像装置5Kの現像部7K内には、感光体2K及びトナー供給ローラ10Kに当接しながら回転する現像ローラ11Kや、これの表面に先端を当接させる薄層化ブレード12Kなどが配設されている。ホッパ部6K内のトナー供給ローラ10Kに付着したKトナーは、現像ローラ11Kとトナー供給ローラ10Kとの当接部で現像ローラ11Kの表面に供給される。供給されたKトナーは、現像ローラ11Kの回転に伴ってローラと薄層化ブレード12Kとの当接位置を通過する際に、ローラ表面上での層厚が規制される。そして、層厚規制後のKトナーは、現像ローラ11Kと感光体2Kとの当接部である現像領域において、感光体2K表面のK用の静電潜像に付着する。この付着により、K用の静電潜像がKトナー像に現像される。
図4を用いてK用のプロセスユニットについて説明したが、Y,M,C用のプロセスユニット1Y,M,Cにおいても、同様のプロセスにより、感光体2Y,M,C表面にY,M,Cトナー像が形成される。
先に示した図3において、プロセスユニット1Y,M,C,Kの鉛直方向上方には、光書込ユニット90が配設されている。潜像書込手段たる光書込ユニット90は、画像情報に基づいてレーザーダイオードから発したレーザ光Lにより、プロセスユニット1Y,M,C,Kにおける一様帯電後の感光体2Y,M,C,Kを光走査する。この光走査により、感光体2Y,M,C,K上にY,M,C,K用の静電潜像が形成される。なお、光書込ユニット90は、光源から発したレーザ光(L)を、図示しないポリゴンモータによって回転駆動したポリゴンミラーで主走査方向に偏向せしめながら、複数の光学レンズやミラーを介して感光体に照射するものである。LEDアレイの複数のLEDから発したLED光によって光書込を行うものを採用してもよい。
プロセスユニット1Y,M,C,Kの鉛直方向下方には、無端状の中間転写ベルト16を張架しながら図中反時計回り方向に無端移動せしめる転写ユニット35が配設されている。転写手段たる転写ユニット35は、中間転写ベルト36の他に、駆動ローラ37、従動ローラ38、4つの1次転写ローラ39Y,M,C,K、2次転写ローラ40、ベルトクリーニング装置41、クリーニングバックアップローラ42などを備えている。
中間転写ベルト36は、そのループ内側に配設された駆動ローラ37、従動ローラ38、クリーニングバックアップローラ42及び4つの1次転写ローラ39Y,M,C,Kによって張架されている。そして、図示しない駆動手段によって図中反時計回り方向に回転駆動される駆動ローラ37の回転力により、同方向に無端移動せしめられる。
4つの1次転写ローラ39Y,M,C,Kは、このように無端移動せしめられる中間転写ベルト36を感光体2Y,M,C,Kとの間に挟み込んでいる。この挟み込みにより、中間転写ベルト36のおもて面と、感光体2Y,M,C,Kとが当接するY,M,C,K用の1次転写ニップが形成されている。
1次転写ローラ39Y,M,C,Kには、図示しない転写バイアス電源によってそれぞれ1次転写バイアスが印加されており、これにより、感光体2Y,M,C,Kの静電潜像と、1次転写ローラ39Y,M,C,Kとの間に転写電界が形成される。なお、1次転写ローラ39Y,M,C,Kに代えて、転写チャージャーや転写ブラシなどを採用してもよい。
Y用のプロセスユニット1Yの感光体2Y表面に形成されたYトナーは、感光体2Yの回転に伴って上述のY用の1次転写ニップに進入すると、転写電界やニップ圧の作用により、感光体2Y上から中間転写ベルト36上に1次転写される。このようにしてYトナー像が1次転写せしめられた中間転写ベルト36は、その無端移動に伴ってM,C,K用の1次転写ニップを通過する際に、感光体2M,C,K上のM,C,Kトナー像が、Yトナー像上に順次重ね合わせて1次転写される。この重ね合わせの1次転写により、中間転写ベルト36上には4色トナー像が形成される。
転写ユニット35の2次転写ローラ40は、中間転写ベルト36のループ外側に配設されて、ループ内側の従動ローラ38との間に中間転写ベルト36を挟み込んでいる。この挟み込みにより、中間転写ベルト36のおもて面と、2次転写ローラ40とが当接する2次転写ニップが形成されている。2次転写ローラ40には、図示しない転写バイアス電源によって2次転写バイアスが印加される。この印加により、2次転写ローラ40と、アース接続されている従動ローラとの間には、2次転写電界が形成される。
転写ユニット35の鉛直方向下方には、記録紙Pを複数枚重ねた紙束の状態で収容している給紙カセット50がプリンタの筐体に対してスライド着脱可能に配設されている。この給紙カセット50は、紙束の一番上の記録紙Pに給紙ローラ50aを当接させており、これを所定のタイミングで図中反時計回り方向に回転させることで、その記録紙Pを給紙路51に向けて送り出す。
給紙路51の末端付近には、レジストローラ対52が配設されている。このレジストローラ対52は、給紙カセット50から送り出された記録紙Pをローラ間に挟み込むとすぐに両ローラの回転を停止させる。そして、挟み込んだ記録紙Pを上述の2次転写ニップ内で中間転写ベルト36上の4色トナー像に同期させ得るタイミングで回転駆動を再開して、記録紙Pを2次転写ニップに向けて送り出す。
2次転写ニップで記録紙Pに密着せしめられた中間転写ベルト36上の4色トナー像は、2次転写電界やニップ圧の影響を受けて記録紙P上に一括2次転写され、記録紙Pの白色と相まって、フルカラートナー像となる。このようにして表面にフルカラートナー像が形成された記録紙Pは、2次転写ニップを通過すると、2次転写ローラ40や中間転写ベルト36から曲率分離する。そして、転写後搬送路53を経由して、後述する定着装置54に送り込まれる。
2次転写ニップを通過した後の中間転写ベルト36には、記録紙Pに転写されなかった転写残トナーが付着している。これは、中間転写ベルト36のおもて面に当接しているベルトクリーニング装置41によってベルト表面からクリーニングされる。中間転写ベルト36のループ内側に配設されたクリーニングバックアップローラ42は、ベルトクリーニング装置41によるベルトのクリーニングをループ内側からバックアップする。
定着装置54は、図示しないハロゲンランプ等の発熱源を内包する定着ローラ54aと、これに所定の圧力で当接しながら回転する加圧ローラ54bとによって定着ニップを形成している。定着装置54内に送り込まれた記録紙Pは、その未定着トナー像担持面を定着ローラ54aに密着させるようにして、定着ニップに挟まれる。そして、加熱や加圧の影響によってトナー像中のトナーが軟化さしめられて、フルカラー画像が定着せしめられる。
定着装置54内から排出された記録紙Pは、定着後搬送路55を経由した後、排紙路56と反転前搬送路61との分岐点にさしかかる。定着後搬送路55の側方には、回動軸62aを中心にして回動駆動される切替爪62が配設されており、その回動によって定着後搬送路55の末端付近を閉鎖したり開放したりする。定着装置54から記録紙Pが送り出されるタイミングでは、切替爪62が図中実線で示す回動位置で停止して、定着後搬送路55の末端付近を開放している。よって、記録紙Pが定着後搬送路55から排紙路56内に進入して、排紙ローラ対57のローラ間に挟み込まれる。
図示しないテンキー等からなる操作部に対する入力操作や、図示しないパーソナルコンピュータ等から送られてくる制御信号などにより、片面プリントモードが設定されている場合には、排紙ローラ対57に挟み込まれた記録紙Pがそのまま機外へと排出される。そして、筐体の上カバー70の上面であるスタック部にスタックされる。
一方、両面プリントモードに設定されている場合には、先端側を排紙ローラ対57に挟み込まれながら排紙路36内を搬送される記録紙Pの後端側が定着後搬送路55を通り抜けると、切替爪62が図中一点鎖線の位置まで回動して、定着後搬送路55の末端付近が閉鎖される。これとほぼ同時に、排紙ローラ対57が逆回転を開始する。すると、記録紙Pは、今度は後端側を先頭に向けながら搬送されて、反転前搬送路61内に進入する。
図3は、本プリンタを左側方から示している。図紙面に直交する方向の手前側がプリンタの左側面であり、奥側が右側面である。また、本プリンタの図中右側が正面、左側が背面である。本プリンタの筺体の右端部は、回動軸60aを中心に回動することで筐体本体に対して開閉可能な反転ユニット60になっている。
排紙ローラ対57が逆回転すると記録紙Pがこの反転ユニット60の反転前搬送路61内に進入して、鉛直方向上側から下側に向けて搬送される。そして、反転搬送ローラ対63のローラ間を経由した後、半円状に湾曲している反転搬送路64内に進入する。更に、その湾曲形状に沿って搬送されるのに伴って上下面が反転せしめられながら、鉛直方向上側から下側に向けての進行方向も反転して、鉛直方向下側から上側に向けて搬送される。その後、上述した給紙路51内を経て、2次転写ニップに再進入する。そして、もう一方の面にもフルカラー画像が一括2次転写された後、転写後搬送路53、定着装置54、定着後搬送路55、排紙路56、排紙ローラ対57を順次経由して、機外へと排出される。
上述の反転ユニット60は、外部カバー65と揺動体66とを有している。具体的には、反転ユニット60の外部カバー65は、プリンタ本体の筺体に設けられた回動軸60aを中心にして回動するように支持されている。この回動により、外部カバー65は、その内部に保持している揺動体66とともに筺体に対して開閉する。図中点線で示すように、外部カバー65がその内部の揺動体66とともに開かれると、反転ユニット60とプリンタ本体側との間に形成されていた給紙路51、2次転写ニップ、転写後搬送路53、定着ニップ、定着後搬送路55、排紙路56が縦割りに2分されて、外部に露出する。これにより、給紙路51、2次転写ニップ、転写後搬送路53、定着ニップ、定着後搬送路55、排紙路56内のジャム紙を容易に取り除くことができる。
また、揺動体66は、外部カバー65が開かれた状態で、外部カバー65に設けられた図示しない揺動軸を中心にして回動するように外部カバー65に支持されている。この回動により、揺動体66が外部カバー65に対して開かれると、反転前搬送路61や反転搬送路64が縦に2分されて外部に露出する。これにより、反転前搬送路61内や反転搬送路64内のジャム紙を容易に取り除くことができる。
K色の一次転写部よりも中間転写ベルト表面移動方向下流側で、2次転写部よりも中間転写ベルト表面移動方向上流側には、光学的検知手段たる光学センサ69が中間転写ベルト36のおもて面に対して所定の間隙を介して対向するように配設されている。
図5は、光学センサ69の概略断面図である。図に示すように、光学センサ69は、主に、発光手段としての発光素子311と、正反射光を受光するための第1の受光手段としての正反射受光素子312と、拡散反射光を受光するための第2の受光手段としての拡散反射受光素子313とから構成されている。発光素子311から発した光を、中間転写ベルト36の表面に向けて出射する。そして、中間転写ベルト36の表面や、その表面に転写されたトナーパッチで正反射した正反射光を正反射受光素子312によって受光して、受光量に応じた電圧を出力する。更に、中間転写ベルト36の表面や、その表面に転写されたトナーパッチで拡散反射した拡散反射光を拡散反射受光素子313によって受光して、受光量に応じた電圧を出力する。
光学センサ69の発光素子311としては、ピーク発光波長が940[nm]のGaAs発光ダイオードが用いられている。また、正反射受光素子312及び拡散反射受光素子313としては、ピーク分光感度波長が850[nm]のSiフォトトランジスタとを有したものを使用している。すなわち、この光学センサは、色による反射率に顕著な差のない830[nm]以上の赤外光を検出するものである。このような光学センサを用いることで、一つのセンサで、Y,M,C,K全色のトナーパッチを検知することができる。
図6は本複写機の電気回路の要部を示すブロック図である。同図において制御手段たる制御部100は、演算手段たるCPU(Central Processing Unit)101、データ記憶手段たる不揮発性のRAM(Random Access Memory)102、データ記憶手段たるROM(Read Only Memory)103等を有している。この制御部100には、プロセスユニット1Y,M,C,K、光書込ユニット90、転写ユニット50、光学センサ69などが電気的に接続されている。そして、制御部100は、RAM102やROM103内に記憶している制御プログラムに基づいて、これらの各種の機器を制御するようになっている。また、制御部は、光学センサ69の出力値に基づいて、トナー付着量を算出するトナー付着量算出手段として機能する。
制御部100は、画像を形成するための画像形成条件の制御も行っている。具体的には、制御部100は、プロセスユニット1Y,M,C,Kにおける各帯電部材に対して、帯電バイアスをそれぞれ個別に印加する制御を実施する。これにより、各色の感光体2Y,M,C,Kが、Y,M,C,K用ドラム帯電電位に一様帯電せしめられる。また、制御部100は、光書込ユニット68のプロセスユニット1Y,M,C,Kに対応する4つの半導体レーザーのパワーをそれぞれ個別に制御する。また、制御部100は、プロセスユニット1Y,M,C,Kにおける各現像ローラに、Y,M,C,K用現像バイアス値の現像バイアスを印加する制御を実施する。これにより、感光体2Y,M,C,Kの静電潜像と、現像スリーブとの間に、トナーをスリーブ表面側から感光体側に静電移動させる現像ポテンシャルを作用させて、静電潜像を現像する。
本実施形態のプリンタは、電源投入時あるいは所定枚数のプリントを行う度に、各色の画像濃度を適正化するための画像濃度制御たるプロセスコントロールを実行する。
プロセスコントロールは、まず、先に図3に示した感光体2Y,M,C,Kを回転させながら一様帯電せしめる。このときの帯電電位については、プリントプロセスにおける一様なドラム帯電電位とは異なり、値を徐々に大きくする。そして、レーザー光の走査によって階調パターン像を形成するための8個のパッチ静電潜像を感光体2Y,M,C,Kにそれぞれ形成せしめながら、それらをY,M,C,K用の現像装置によって現像する。この現像の際、制御部100は、Y,M,C,K用の現像スリーブに印加される現像バイアスの値を徐々に大きくしていく。このような現像により、感光体2Y,M,C,K上にはY,M,C,K階調パターン像が形成される。これらは、ベルト移動方向下流側から上流側に向けてK,C,M,Yという順で並ぶように中間転写ベルト36上に1次転写される。これにより、K,C,M,Yという4つの階調パターン像が順に並ぶトナー付着量検知用のテストパターン画像が形成される。
図7は、中間転写ベルト36上に形成されるトナー付着量検知用のテストパターン画像を示す平面模式図である。同図に示す矢印は、図示しない中間転写ベルト(36)の表面移動方向を示している。テストパターン画像Pt1は、ベルト移動方向下流側から上流側に向けて順に並ぶK階調パターン像Pk、C階調パターン像Pc、M階調パターン像Pm、Y階調パターン像Pyを具備している。更に、それぞれの階調パターン像は、ベルト移動方向に所定のピッチで並ぶ8個のトナーパッチ(500K、C、M、Y)を具備している。
Y,M,C,Kの各色において、それぞれ階調パターン(Py,m,c,k)内の8個のトナーパッチ(500Y,M,C,K)は、それぞれ異なるドラム帯電電位及び現像バイアスの組合せで現像されたものであり、単位面積あたりのトナー付着量(画像濃度)が徐々に多くなっている。このトナー付着量は、ドラム帯電電位と現像バイアスとの差である現像ポテンシャルと相関関係にあるため、両者の関係は2次元座標上でほぼ直線グラフとなる。よって、各トナーパッチにおけるトナー付着量を検知した結果に基づいてその直線グラフを示す関数(y=ax+b)を回帰分析によって計算することで、所望の画像濃度(トナー付着量)が得られる現像バイアス値を求めることが可能である。
トナー付着量検知用のテストパターン画像Pt1は、図示のように、中間転写ベルト36のおもて面におけるベルト幅方向の中央部に形成される。テストパターン画像Pt1の各階調パターン像(Pk,c,m,y)における各トナーパッチ(500K,C,M,Y)は、中間転写ベルト36の無端移動に伴って、光学センサ69との対向位置を通過する。この際、光学センサ69は、そのトナーパッチに対する単位面積あたりのトナー付着量に応じた量の光を受光する。このため、光学センサ69からの出力信号がデジタル信号として入力される制御部100は、デジタル信号と、そのデジタル信号(反射光検出値)とトナー付着量との関係に基づき構築された付着量変換テーブルとを用いて単位面積あたりのトナー付着量(画像濃度)に変換処理する。なお、付着量算出についての詳細については、後述する。
制御部100は、光学センサ69から順次送られてくる各トナーパッチに対応する出力信号に基づいて、各トナーパッチの画像濃度(トナー付着量)を順次演算してRAM102に記憶していく。そして、Y,M,C,Kの各色について、各現像バイアス値と、8個のトナーパッチにおける画像濃度データとを用いて回帰分析を行い、2次元座標上で直線グラフを示す関数(回帰式)を求める。更に、この関数に画像濃度の目標値を代入することで適切な現像バイアス値を演算し、Y、M、C、K用の補正現像バイアス値としてRAM102に記憶する。
RAM102内には、数十通りの現像バイアス値と、それぞれに個別に対応する適切なドラム帯電電位とが予め関連付けられている作像条件データテーブルが格納されている。制御部100は、プロセスユニット1Y,M,C,Kについて、それぞれこの作像条件テーブルの中から、上記補正現像バイアス値に最も近い現像バイアス値を選び出し、これに関連付けられたドラム帯電電位を特定する。特定したドラム帯電電位については、Y、M、C、K用の補正ドラム帯電電位としてRAMに格納する。そして、全ての補正現像バイアス値及び補正ドラム帯電電位をRAM102に格納し終えると、Y,M,C,K用現像バイアス値のデータを、それぞれ対応する補正現像バイアス値と同等の値に補正して格納し直す。また、Y,M,C,K用ドラム帯電電位についても、それぞれ対応する補正ドラム帯電電位と同等の値に補正して格納し直す。このような補正により、画像を形成するための画像形成条件が、それぞれ所望の画像濃度のトナー像を形成し得る条件に補正される。
なお、ベルトの無端移動に伴って光学センサ69との対向位置を通過した後のトナー付着量検知用のテストパターン画像Pt1は、先に図1に示したベルトクリーニング装置41によってベルトおもて面から除去される。
次に、本実施形態の特徴点であるトナー付着量算出について説明する。
本実施形態においては、特許文献1に記載のように、Y,M,C色のトナー付着量の算出を、トナーパッチで正反射した正反射光と、拡散反射した拡散反射光とを用いてトナー付着量を算出する。正反射光と拡散反射光とを用いてトナー付着量を算出することで、正反射光のみを用いてトナー付着量を算出するものに比べて、高付着量の検知範囲を広げることができる。また、特許文献1に記載のトナー付着量算出方法を用いることで、温度変化、経時劣化などによる発光素子や受光素子の出力が変化しても、正確なトナー付着量を求めることができる。
一方、K色トナーの場合、照射した光は、トナー表面で吸収されてしまうため、拡散反射光の感度が得られないとった特性がある。そのため、K色トナーでは正反射光のみを用いてトナー付着量の検知を行っている。
次に、Y,M,C色のトナー付着量の算出について、詳細に説明する。
K色トナーの場合は上述したように照射した光は、トナー表面で吸収されてしまうため、拡散反射光成分がほとんど含まれず、無視できる。よって、光学センサ69の正反射光出力Vregをそのまま正反射光成分とし用いて付着量の検知を行える。
しかし、Y,M,C色のカラーの場合、トナー表面に照射した光が拡散反射するため、光学センサ69の正反射光出力Vregには、正反射成分以外に多くの拡散反射成分が含まれる。よって、Y,M,Cのカラートナーの場合は、正反射光出力Vregをそのまま用いても、正反射光成分として用いることができない。一方、同時に計測する光学センサ69の拡散反射出力Vdifは、拡散反射光成分のみであるので、拡散反射出力Vdifを使って、光学センサ69の正反射光出力Vregから拡散反射成分を除去することで、正反射成分を取り出せる。これにより、Y,M,C色もK色と同様、正反射光成分から付着量を算出することができる。
しかしながら、正反射光成分を用いた付着量算出では、付着量が多くなると付着量検知が行えなくなるという問題があった。すなわち、先の図2に用いて説明したように、トナーパッチが中間転写ベルト36を完全に覆ってしまうと、拡散反射光成分のみとなり、正反射光成分が0となるからである。一方、拡散反射光成分は、先の図2を用いて説明したように、トナーパッチが中間転写ベルト36を完全に覆ってしまっても、拡散反射光成分は、層厚に依存するため、拡散反射光成分からトナー付着量を求めることができる。
トナー粒径が0.01[mm]の場合、トナー付着量4.5[g/m]まで正反射光成分で検知することができる。また、トナー粒径が0.006[mm]の場合は、トナー付着量2.5[g/m]まで正反射光成分で検知することができる。しかし、本プリンタにおけるべた画像の付着量として設定されるトナー付着量は5.0[g/m]以上であるので、正反射光成分では、ベタ画像の付着量は検知できない。
このため、Y,M,C色に関しては、拡散反射光成分を用いて付着量を算出し、高付着量までトナー付着量を算出できるようにしている。
光学センサ69の拡散反射光出力Vdifは、発光素子311の発光光量に大きく依存する。このため、発光素子311の発光光量が、温度変化や経時変化によって変動すると、拡散反射光出力Vdifが、大きく変動してしまい、拡散反射光成分を用いて、正確なトナー付着量を算出することができない。
このため、本プリンタでは、次のようにして、拡散反射光出力Vdifから、発光光量の変動成分を除去している。以下に、具体的に説明する。
図8は、カラートナーパッチの付着量算出の基本的な制御フローである。
まず、中間転写ベルト表面を検知し、その正反射光出力Vregと、予め記憶された所定値との比率(変動率α)を計算する(S1)。
次に、階調パターンのうち、中間転写ベルト表面が露出する低付着量のトナーパッチを検知したときの正反射光出力Vregと拡散反射光出力Vdifとから正反射光成分のみを抽出した正規正反射光出力Vreg1を算出し、算出した正規正反射光出力Vreg1に変動率αを乗算して、正反射光出力を正規化する。(S2)。この正規化された正反射光出力Vreg2は、光学センサの発光光量や正反射光受光素子の変動が除去された値となる。次に、拡散反射光出力Vdifを補正するための補正値Kを算出する(S3)。
補正値Kの算出は、次のように行う。まず、求めた正規化した正反射光出力Vreg2と、正反射光出力とトナー付着量とが関連づけられた正反射光付着量変換テーブルとからトナー付着量を算出する。次に、算出したトナー付着量と、拡散反射光出力とトナー付着量とが関連づけられた拡散反射光付着量変換テーブルとから、目標の拡散反射光出力を算出する。そして、拡散反射光出力Vdifと目標の拡散反射光出力との比率から、補正値Kを算出する。
補正値Kを算出したら、階調パターンのトナーパッチを検知したときの拡散反射光出力Vdifに算出した補正値Kを乗算し、補正後の拡散反射光出力Vdif1と、拡散反射光トナー付着量変換テーブルとに基づいて、付着量を算出する(S4)。
このように、補正値Kを算出して、階調パターンの各トナーパッチを検知したときの拡散反射光出力Vdifを補正値Kで補正することによって、補正後の拡散反射光出力Vdif1に発光光量の変動成分を除去することができる。これにより、正確なトナー付着量を算出することができる。
なお、拡散反射光出力Vdifの補正方法は、これに限られず、例えば、特開2005−77685号に記載された方法でもよい。
本実施形態のプリンタは、1成分現像方式であり、ホッパ部6のトナーがなくなると、プロセスユニット1が交換される。プロセスユニット新品時には、画像形成に使用されるトナーがいわゆる粒径選別効果により小粒径化される。本実施形態のプリンタにおいては、プロセスユニット使用初期時においては、平均0.006[mm]のトナーが画像形成に用いられ、使用していくに従って画像形成に用いられるトナーの粒径が大きくなる。そして、ホッパ部6のトナーが減った状態の交換間近のときにおいては、平均0.01[mm]の大粒径のトナーが画像形成に使用される。
このように、プロセスユニットの使用時期によって画像形成に用いられるトナー粒径が異なってしまうのであう。従って、先の図1で説明したように、トナーパッチが低付着量のときは、粒径によって同じ付着量であっても正反射光出力Vreg、拡散正反射光出力Vdifが異なってきてしまう。
図9は、トナー付着量と光学センサの正反射光出力との関係を示したグラフである。また、図10は、トナー付着量と光学センサの拡散反射光出力との関係を示したグラフである。図中実線は、トナー粒径が0.006[mm]のときであり、図中点線は、トナー粒径が0.01[mm]のときである。なお、トナー付着量は、中間転写ベルト上で光学センサ69がトナーパッチを検知したのち、エアで中間転写ベルト69からトナーを吸引して天秤で精密に測定したものである。
図9に示すように、同じ付着量でも粒径によって正反射光出力が異なることがわかる。また、図10に示すように、トナー付着量が6[g/m]以下においては、同じ付着量でも粒径によって正反射光出力が異なることがわかる。
上述のY、M、C色のトナー付着量の算出においては、粒径が考慮されていなかったため、例えば、デフォルトの正反射光成分とトナー付着量との関係および、デフォルトの拡散反射光成分とトナー付着量との関係がトナー粒径0.01[mm]で設計されていたと考えたときは、次のような結果となる。すなわち、例えば、算出した正反射光出力Vreg2が0.3であったとき、算出されるトナー付着量は、3.5[g/m]となる(図9参照)。しかしながら、実際のトナー粒径は、0.01[mm]ではなく、プロセスユニット使用初期時で使用されるトナー粒径が0.006[mm]であった場合は、真のトナー付着量は、2.0[m/g]であり、トナー粒径の誤差によって1.5[g/m]の付着量算出誤差が生じてしまう。その結果、プロセスユニット使用初期時においては、精度の高い画像濃度制御を行うことができず、画像濃度制御を行っても良好な画質が得られなくなってしまう。
そこで、本実施形態は、以下の実施例1、2に示すような方法で、トナー粒径を推定し、推定したトナー粒径に基づいて、Y,M,C色のトナー付着量の算出を行っている。これにより、トナー粒径誤差のない精度の高いトナー付着量算出を行うことができる。
[実施例1]
まず、実施例1について、説明する。
この実施例1は、規定のトナー粒径に対応したトナー付着量変換テーブルを用いて仮補正値を算出する。次に、飽和トナーパッチを形成し、飽和トナーパッチの拡散反射光出力Vdifを仮補正値で補正した値Vdif1´に基づいて、トナー粒径を推定する。
具体的には、図11に示すように、トナー付着量検知用のテストパターン画像Pt1の後に、3つの飽和トナーパッチPS1〜PS3を形成する。なお、本実施例1では飽和トナーパッチを3つ(PS1〜PS3)形成しているが、ひとつでもトナー粒径の推定を行うことができる。この飽和トナーパッチの付着量は、図10に示すように、トナー付着量や粒径が変化しても拡散反射光出力Vdifが変化しない飽和領域の付着量(付着量12[g/m]以上)となっている。具体的には、PS1の目標付着量を12[g/m]、PS2の目標付着量を15[g/m]、PS3の目標付着量を18[g/m]に設定している。これら目標付着量は、単色では多すぎて実現しないため、C、M、Yの3色のトナーを中間転写ベルト上で重ね合わせることで実現している。例えば、飽和トナーパッチPS1においては、各色の目標付着量を4.0[g/m]とし、飽和トナーパッチPS2においては、各色の目標付着量を5.0[g/m]とし、飽和トナーパッチPS3においては、各色の目標付着量を6.0[g/m]としている。各色のトナー付着量が目標付着量となるように画像形成条件(現像バイアスVbまたはレーザパワーLP)を調整して、各感光体上にトナーパッチを形成する。それらのトナーパッチを中間転写ベルト36上で重ねあわせて所望の目標付着量の飽和トナーパッチPS1〜PS3を得る。
図11に示すように、中間転写ベルト上のトナー付着量検知用のテストパターン画像Pt1の後に形成された3個の飽和トナーパッチは、階調パターン検知後に光学センサ69によって検知される。光学センサ69は、先に説明したように、色による反射率に顕著な差のない赤外光を検出するので、3色重ね合わせて作成された飽和トナーパッチも良好に検知することができる。また、これら飽和トナーパッチは、画像濃度制御の前段階で作成されているため、トナー付着量が目標付着量と異なっている可能性がある。しかし、飽和トナーパッチは、上述したとおり、飽和領域の付着量となっているため、付着量が目標付着量に対して多少変動していても問題はない。
Y、M、C色の階調パターンの粒径依存性トナーパッチである低付着量トナーパッチから、各色の仮の補正値Ky,Km,Kcを算出する。この各色の仮の補正値Ky,Km,Kcは、規定のトナー粒径に対応したトナー付着量変換テーブルから算出する。すなわち、正規化された階調パターン中の低付着量トナーパッチの正反射光出力値Vreg2と、規定のトナー粒径に対応した正反射光トナー付着量変換テーブルとに基づいて、階調パターン中の低付着量トナーパッチの付着量を算出する。次に、算出した付着量と規定のトナー粒径に対応した拡散反射光トナー付着量変換テーブルとに基づいて、仮の目標拡散反射光出力値を算出する。低付着量トナーパッチを検知したときの拡散反射光出力値Vdifと仮の目標拡散反射光出力値の比率を計算して、仮の補正値を算出する。
例えば、規定のトナー粒径が0.01[mm]、階調パターンの作成に用いられたトナー粒径が0.006[mm]、低付着量トナーパッチの実際の付着量が1.8[g/m]であったとすると、図9に示すように、正規化された正反射出力値Vreg2は、0.4となる。その結果、正規化された正反射出力値Vreg2(0.4)と、規定のトナー粒径0.01[mm]に対応した正反射光トナー付着量変換テーブルとから算出されるトナー付着量は、3[g/m]となる。従って、図10からわかるように、目標拡散反射光出力値は、0.6となる。一方、図10の実線(トナー粒径0.06[mm]のときの拡散反射光出力値とトナー付着量との関係)と、実際のトナー付着量1.8[g/m]とからわかるように、低付着量トナーパッチを検知したときの拡散反射光出力値Vdifは、0.5となる。その結果、算出される仮の補正値は、(0.6/0.5)となるのである。なお、ここでは、発光光量などに変動がないと仮定して説明しており、実際の拡散反射光出力値Vdifは、0.5に発光光量変動成分が加わったものとなり、算出される仮の補正値も、発光光量変動成分が加わったものとなる。
その結果、仮補正後の拡散反射光出力Vdif1´と実際のトナー付着量との関係は、図12の点線で示したようになる。すなわち、規定のトナー粒径が0.006[mm]であるならば、補正後の拡散反射光出力Vdif1と、トナー付着量との関係は、先の図10に示した実線に示す関係となるはずである。しかし、規定のトナー粒径が、0.01[mm]と階調パターンの形成に使用されたトナー粒径とが異なる場合は、仮補正後の拡反射光出力Vdif1´とトナー付着量との関係が、図12に示す点線のようになる。
次に、飽和トナーパッチの拡散反射光出力Vdifに仮の補正値Kyを乗算して、Y色の仮補正後の飽和トナーパッチの拡散反射光出力Vdify1´を算出する。同様にして、C色の仮補正後の飽和トナーパッチの拡散反射光出力Vdifc1´、M色の仮補正後の飽和トナーパッチの拡散反射光出力Vdifm1´を算出する。
図12に示すように、トナー粒径が出力値に影響しない粒径非依存領域や飽和領域において、規定トナー粒径であるトナー粒径0.01[mm]のときの拡反射光出力とトナー付着量との関係と、仮補正値で補正後の拡反射光出力Vdif1´とトナー付着量との関係が大きく異なることがわかる。これは、粒径非依存領域や飽和領域においては、拡散反射光出力がトナー粒径によって変化しない。すなわち、図10に示すように、トナー付着量が同じであるならば、トナー粒径が0.006[mm]のときも、粒径が0.01[mm]のときも拡散反射出力は、同じ値となるのである。従って、粒径非依存領域や飽和領域における補正後拡散反射光出力Vdif1とトナー付着量との関係は、本来ならば0.01[mm]の線と重なるはずであるが、仮補正値に含まるトナー粒径誤差成分によって仮補正後の拡散反射光出力Vdif1´とトナー付着量との関係は重ならないのである。そして、図10に示すように飽和領域に着目すると、拡散反射光出力値は、トナー付着量に関係なく、ほぼ1.62[V]となっている。
よって、この1.62[V]から仮補正後の拡散反射光出力Vdif1´が、どのくらい異なるかを調べることによって、トナー粒径を推定することができる。あらかじめ実験して出力差とトナー粒径とが関連づけられたテーブルを記憶しておけば、容易にトナー粒径の推定を行うことができる。具体的には、算出した出力差とテーブルとから、トナー粒径を推定する。
このような出力差を、Y色の仮補正後の飽和トナーパッチの拡散反射光出力Vdify1´、M色の仮補正後の飽和トナーパッチの拡散反射光出力Vdifm1´、C色の仮補正後の飽和トナーパッチの拡散反射光出力Vdifc1´に対してそれぞれ行い、Y色の出力差、M色の出力差、C色の出力差をそれぞれ算出する。本実施形態においては、3個の飽和トナーパッチを作成しているので、各飽和パッチそれぞれについて、出力差を算出し、それを平均化する。そして、平均化されたY色の出力差と、出力差とトナー粒径とが関連づけられたテーブルとから、Y色のトナー粒径を推定する。同様にして、平均化されたM色の出力差と、出力差とトナー粒径とが関連づけられたテーブルとから、M色のトナー粒径を推定する。平均化されたC色の出力差と、出力差とトナー粒径とが関連づけられたテーブルとから、C色のトナー粒径を推定する。
また、上記では、出力差を算出して、トナー粒径を推定しているが、比率を算出して、比率からトナー粒径を推定してもよい。具体的には、予め実験で求められた規定値である1.62[V]と、仮補正後の拡散反射光出力Vdif1´との比率を算出する。そして、算出された比率とあらかじめ実験で求められた比率とトナー粒径とが関連づけられたテーブルとから、トナー粒径を推定する。
また、仮補正後の拡散反射光出力Vdif1´に基づいて、トナー粒径を算出してもよい。すなわち、仮補正後の拡散反射光出力Vdif1´が1.62[V]であるなら、トナー粒径が0.01[mm]であると推定でき、仮補正後の拡散反射光出力Vdif1´が1.94[V]であるなら、トナー粒径が0.006[mm]であると推定できる。また、仮補正後の拡散反射光出力Vdif1´が1.94〜1.62[V]の間であるなら、トナー粒径が0.006〜0.01[mm]の間の粒径であることが推定される。
このようにして、トナー粒径を推定したら、Y色、M色、C色の補正値Ky、Km、Kcを算出しなおす。本実施形態においては、トナー粒径に対応した付着量変換テーブルがそれぞれ記憶手段であるROMなどのメモリに記憶しており、推定したトナー粒径に基づいて、対応する付着量変換テーブルを特定する。そして、特定した付着量変換テーブルを用いて、補正値Ky、Km、Kcを算出しなおす。例えば、推定したトナー粒径が0.006[mm]の場合、この推定したトナー粒径に対応する付着量変換テーブルを用いて算出された正規の補正値で補正された拡散反射光出力Vdif1とトナー付着量との関係は、先の図10の実線に示す粒径0.006[mm]の拡散反射光出力Vdif1とトナー付着量との関係と同じとなる。
Y,M,C色の階調パターンの各トナーパッチの拡散反射光出力を算出しなおした正規の補正値で補正し、これら補正した拡散反射光出力値Vdif1と、推定したトナー粒径に基づいて特定したトナー付着量変換テーブルとに基づいて、各トナーパッチの付着量を算出する。
これにより、Y、M、Cの階調パターンにおけける各トナーパッチの付着量を精度よく算出することができ、プロセスユニット使用初期時から経時にわたり、良好な画像濃度調整を行うことができる。
また、上述では、Y、M、C色のトナーを用いて、飽和トナーパッチを形成しているが、1色で飽和トナーパッチを形成してもよい。この場合は、2次転写ローラ40、ベルトクリーニング装置41のクリーニングブレードを中間転写ベルト36から離間させる。一層目のトナーパッチを形成してから、所定のタイミングで2層目のトナーパッチを形成して、中間転写ベルト上の1周してきた1層目のトナーパッチに重ねあわせる。同様な動作を行って、中間転写ベルト上の2層のトナーパッチ上に3層目のトナーパッチを重ね合わせる。これにより、一色のトナーからなる飽和トナーパッチを作成することができる。この1色のトナーからなる飽和トナーパッチを光学センサ69で検知し、上述同様な方法で、トナー粒径を推定する。光学センサ69で飽和トナーパッチ検知後は、クリーニングブレードを中間転写ベルト36に当接させて、中間転写ベルト上の飽和トナーパッチを除去した後、2次転写ローラ40を中間転写ベルト36に当接させる。このように、飽和トナーパッチを1色で作ることで、さらに精度の高いトナー粒径の推定を行うことができる。
図13は、実施例1のトナー粒径推定のフローチャートを示す図である。
図に示すように、まず、粒径依存性トナーパッチであるトナー層が一層未満の低付着量トナーパッチを中間転写ベルトに形成して(S11)、光学センサで検知する(S12)。次に、低付着量トナーパッチを検知したときの正反射光検出値と、予め決められた規定のトナー粒径に対応した付着量変換テーブルとに基づいて目標拡散反射光検出値を算出する(S13)。すなわち、低付着量トナーパッチを検知したときの正反射光検出値と予め決められた規定のトナー粒径に対応した正反射光付着量変換テーブルとに基づいて、トナー付着量を算出し、算出したトナー付着量と予め決められた規定のトナー粒径に対応した拡散反射光付着量変換テーブルとに基づいて、目標拡散反射光検出値を算出する。次に、目標拡散反射光検出値と、低付着量トナーパッチを検知したときの拡散反射光検出値とから、比率(仮補正値K)を算出する(S14)。
次に、飽和トナーパッチを作成し(S15)、光学センサで検知する(S16)。飽和トナーパッチを検知したときの拡散反射光検出値Vdifに上記比率(仮補正値K)を乗算し(S17)、乗算した値から、トナーの粒径を推定する(S18)。具体的には、比率(仮補正値K)が乗算された拡散反射光検出値Vdif3と、予め記憶された飽和トナーパッチの拡散反射光出力値Vdifとを比較してトナー粒径を推定する。
本プリンタにおいては、粒径依存性トナーパッチであるトナー層が一層未満の低付着量トナーパッチとして、画質調整用トナーパッチを用いている。また、図13のフローでは、仮補正値Kを算出した後、飽和トナーパッチを作成しているが、低付着量トナーパッチと同時に形成してもよい。また、光学センサの発光光量などに変動がある場合は、特許文献1や、特開2005−77685号に記載された方法で、正反射光検出値を正規化処理し、正規化処理された正反射光検出値Vreg2に基づいて、目標拡散反射光を算出すればよい。
[実施例2]
次に、実施例2について説明する。
この実施例2においては、規定のトナー粒径に対応した付着量変換テーブルを用いて階調パターンの各トナーパッチの付着量を算出して、仮の画像形成条件(現像バイアスなど)を設定する。そして、仮の画像形成条件で粒径非依存性トナーパッチを形成し、粒径非依存性トナーパッチの検出値に基づいてトナー粒径の推定を行う。
まず、先の図7に示すようなトナー付着量検知用のテストパターン画像Pt1を中間転写ベルト36に形成して、画像濃度制御を実行する。このとき、Y、M、C色の階調パターンにおける各トナーパッチのトナー付着量算出には、規定のトナー粒径に対応するトナー付着量変換テーブルが用いられる。
各トナーパッチの付着量を算出する際に用いられた付着量変換テーブルに対応する規定のトナー粒径が0.01[mm]で、階調パターンの作成に用いられたトナー粒径が0.006[mm]のときは、算出されたトナー付着量は、実際の付着量よりも多くなる。その結果、実際のトナー付着量と現像バイアスとの関係と、算出されたトナー付着量と現像バイアスとの関係が異なる。従って、算出されたトナー付着量と現像バイアスとの関係からそれぞれ所望の画像濃度のトナー像を形成し得るよう補正される仮の画像形成条件には、トナー粒径誤差の影響が現れる。
このようにして、仮の画像形成条件が設定されたら、仮の画像形成条件に基づいて、中間転写ベルト36に3個の粒径非依存性トナーパッチPT1、PT2、PT3を作成する。これら粒径非依存性トナーパッチの目標付着量は、図10に示すように、トナー付着量によっては出力値が変化するが、粒径が変化しても拡散反射光出力Vdifが変化しない粒径非依存性領域の付着量(6〜12[g/m])となっている。本実施形態では、粒径非依存性トナーパッチの目標付着量を、9.0[g/m]に設定している。PT1は、目標付着量4.5[g/m]のM色のトナーパッチと、目標付着量4.5[g/m]のY色のトナーパッチとを重ね合わせて形成され、R(レッド)色のトナーパッチとなっている。PT2は、目標付着量4.5[g/m]のY色のトナーパッチと、目標付着量4.5[g/m]のC色のトナーパッチとを重ね合わせて形成され、G(グリーン)色のトナーパッチとなっている。PT3は、目標付着量4.5[g/m]のC色のトナーパッチと、目標付着量4.5[g/m]のM色のトナーパッチとを重ね合わせて形成され、B(ブルー)色のトナーパッチとなっている。
付着量を算出する際に用いられた付着量変換テーブルに対応する規定のトナー粒径と、階調パターンの作成に用いられたトナー粒径とが同じ場合は、仮の画像形成条件は所望の画像濃度のトナー像を形成し得るよう正しく補正されているため、仮の画像形成条件で作像される粒径非依存性トナーパッチのトナー付着量は、目標付着量となっている。しかし、付着量を算出する際に用いられた付着量変換テーブルに対応する規定のトナー粒径と、階調パターンの作成に用いられたトナー粒径とが異なる場合は、仮の画像形成条件で作像される粒径非依存性トナーパッチのトナー付着量は、目標付着量から大幅にずれている。
一例を挙げて説明すると、規定のトナー粒径が0.01[mm]で、階調パターンの作成に用いられたトナー粒径が0.006[mm]で設定された仮の画像形成条件で目標付着量4.5[g/m]となるように各色のトナーパッチを作像しても、実際の付着量は、その(2/3)倍の3.0[g/m]となる。従って、粒径非依存性トナーパッチの実際の付着量は、6.0[g/m]となる。
先の図10に示すように、粒径非依存性領域の付着量(6〜12[g/m])を検知したときの光学センサの拡散反射光出力Vdifは、トナー粒径の影響を受けないので、粒径非依存性トナーパッチで用いられたトナー粒径が0.01[mm]のときでも、0.006[mm]のときでも、粒径非依存性トナーパッチの付着量が9.0[g/m]であれば、約1.5[V]となる。また、粒径非依存性トナーパッチの付着量が6.0[g/m]であれば、トナー粒径が0.01[mm]のときでも、0.006[mm]のときでも、光学センサの拡散反射光出力値は、約1.3[V]となる。従って、トナー粒径0.01[mm]に対応するトナー付着量変換テーブルで、付着量を算出しても、トナー粒径0.006[mm]に対応するトナー付着量変換テーブルで、付着量を算出しても同じ算出結果となる。
よって、粒径非依存性トナーパッチの拡散反射光出力Vdifから算出したトナー付着量に基づいて、トナー粒径を推定することができる。すなわち、算出したトナー付着量が9.0[g/m]であれば、粒径非依存性トナーパッチのトナー粒径が0.01[mm]と推定できる。また、算出したトナー付着量が6.0[g/m]であれば、粒径非依存性トナーパッチのトナー粒径が0.006[mm]と推定できる。また、算出したトナー付着量が6.0[g/m]から9.0[g/m]の間であれば、トナー粒径が0.006[mm]から0.01[mm]の間のトナー粒径であることが推定される。
Y、M、C色のトナー粒径は、それぞれ異なるので、トナー粒径による付着量誤差は色によって異なる。そこで、以下のようにして、各色のトナー粒径を求める。Y色のトナー付着量をTy、M色のトナー付着量Tm、C色のトナー付着量をTcとすると、各色の付着量は、次のようにして求められる。
Ty=(Tr+Tg−Tb)/2
Tm=(Tb+Tr−Tg)/2
Tc=(Tg+Tb−Tr)/2
上記Trは、粒径依存性トナーパッチPT1のトナー付着量であり、Tgは、粒径依存性トナーパッチPT2のトナー付着量であり、Tbは、粒径依存性トナーパッチPT3のトナー付着量である。
この各色のトナー付着量Ty、Tm、Tcから、各色のトナー粒径を求めることができる。すなわち、トナー付着量が、目標付着量の4.5[g/m]であるならば、この色のトナー粒径は、0.01[mm]であると推定できる。また、トナー付着量が、3.0[g/m]であるならば、この色のトナー粒径は、0.006[mm]であると推定できる。また、トナー付着量が、3.0〜4.5[g/m]の間であるならば、トナー粒径は、0.006〜0.01[mm]の間であると推定できる。
このようにして、トナー粒径を推定できたら、この推定したトナー粒径に対応する付着量変換テーブルを用いて、Y、M、C色の画像形成条件を設定しなおす。トナー粒径を推定するために形成したY,M,C色の階調パターンの各トナーパッチを検知したときの拡散反射光出力値をメモリに記憶しておき、推定したトナー粒径に基づき特定した推定したトナー粒径に対応するトナー付着量変換テーブルで各トナーパッチの付着量を算出しなおす。これら算出した付着量は、推定したトナー粒径に対応した付着量変換テーブルから算出されているので、精度の高い付着量算出結果となっている。そして、算出した各トナーパターンの付着量に基づいて、Y、M、C色それぞれについて、画像形成条件を設定しなおすのである。これにより、高画質の画像を得ることができる。
図14は、実施例2のトナー粒径推定のフローチャートを示す図である。
画像形成条件を設定するための複数のトナーパッチからなる階調パターンを作成し(S21)、光学センサで検知する(S22)。階調パターンの検知結果と、予め決められた規定のトナー粒径に対応した付着量変換テーブルとに基づいて階調パターン各トナーパッチのトナー付着量を算出する(S23)。算出したトナー付着量に基づいて画像形成条件を設定し(S24)、設定した画像形成条件に基づいて、粒径非依存性トナーパッチを作成する(S25)。そして、粒径非依存性トナーパッチのトナー付着量に基づいて、トナーの粒径を推定する(S26)。
本実施形態においては、像担持体たる中間転写ベルト上にトナーパッチを形成するトナーパッチ形成手段たるプロセスユニットと、トナーパッチからの正反射光と拡散反射光とを検出する光学検知手段たる光学センサと、光学センサの正反射光検出値と拡散反射光検出値とに基づいてトナーパッチの付着量を算出するトナー付着量算出する付着量算出手段たる制御部とで、トナー付着量算出装置を構成している。このトナー付着量算出装置によれば、規定のトナー粒径に対応した付着量変換テーブルを用いて拡散反射光出力値を補正するための仮補正値を算出し、飽和トナーパッチを中間転写ベルト上に形成して、飽和トナーパッチを光学センサで検出し、飽和トナーパッチの拡散反射光検出値を仮補正値で補正した値と、予め実験で求めた前記飽和トナーパッチの拡散反射光検出値に基づいてトナー粒径を推定する。このように、トナー像の形成に使用されたトナーのトナー粒径を推定することができるので、推定したトナー粒径に対応したトナー付着量の算出が可能となる。これにより、精度の高い付着量算出が可能となる。
また、推定したトナー粒径に対応する付着量変換テーブルを特定し、特定した付着量変換テーブルと光学センサの検知結果とに基づいて、トナー付着量を算出することによって、精度の高い付着量を算出を行うことができる。
また、トナー粒径を推定した後、推定したトナー粒径に対応した付着量変換テーブルに基づいて、補正値を算出しなおすことで、補正値で補正された拡散反射光出力値をトナー粒径誤差のない値にすることができる。
また、中間転写ベルト表面を検知したときの正反射光検出値に基づいて、正規化値を算出し、算出した正規化値に基づいて検知した正反射光検出値を正規化することで、正反射光検出値を発光素子の変動や正反射光受光素子を除去した値にすることができる。
また、本実施形態の画像形成装置によれば、上記したトナー付着量算出装置を備えることによって、精度の高い付着量算出を行うことができる。
また、本実施形態の画像形成装置によれば、規定のトナー粒径に対応した付着量変換テーブルを用いて画像形成条件設定手段である画像濃度制御を実行して、仮の画像形成条件設定し、仮の画像形成条件で粒径非依存性トナーパッチを形成し、光学センサの粒径非依存性トナーパッチの検出値から算出したトナー付着量に基づいてトナー粒径を推定する。これにより、トナー粒径を推定することができる。
トナー粒径を推定した後、推定したトナー粒径に対応する付着量変換テーブルを特定し、特定した付着量変換テーブルを用いて画像濃度制御を実行することで、精度の高い画像濃度制御を行うことができる。これにより、良好な画像を得ることができる。
また、粒径非依存性トナーパッチが、1層以上のトナー層からなるので、粒径によって光学センサの出力値が変動しなくなり、トナー粒径を推定することが可能となる。
また、光学センサとして、赤外光を検出するものを用いることによって、色による反射率に顕著な差を無くすことができる。また、粒径非依存性トナーパッチが、複数色のトナー像を重ね合わせることで形成することによって、複数色のトナー粒径を推定することができる。
光学的検知手段の検出値がトナー粒径に依存する粒径依存性トナーパッチについて説明する図。 光学的検知手段の検出値がトナー粒径に依存しない粒径非依存性トナーパッチについて説明する図。 本発明を適用した画像形成装置としての電子写真方式のプリンタの概略構成図。 K用のプロセスユニットを示す拡大構成図。 光学センサの概略断面図。 電気回路の要部を示すブロック図。 中間転写ベルトに形成されるトナー付着量検知用のテストパターン画像を示す平面模式図。 カラートナーパッチの付着量算出の基本的な制御フロー図。 トナー付着量と光学センサの正反射光出力との関係を示したグラフ。 トナー付着量と光学センサの拡散射光出力との関係を示したグラフ。 トナー付着量検知用のテストパターン画像の後に形成される3個の飽和トナーパッチを示す平面模式図。 仮補正後の拡散反射光出力Vdifとトナー付着量との関係を示すグラフ。 実施例1のトナー粒径推定のフローチャート。 実施例2のトナー粒径推定のフローチャート。
符号の説明
1Y,M,C,K:プロセスユニット
2Y,M,C,K:感光体
5K:現像装置
36:中間転写ベルト
69:光学センサ

Claims (12)

  1. 像担持体上にトナーパッチを形成するトナーパッチ形成手段と、
    前記像担持体上に形成されたトナーパッチからの正反射光と拡散反射光とを検出する光学検知手段とを有し、
    該光学検知手段の正反射光検出値と拡散反射光検出値とに基づいてトナーパッチの付着量を算出するトナー付着量算出装置において、
    正反射光検出値を正規化する正反射光正規化手段と、
    前記トナーパッチ形成手段で、前記光学的検知手段の検出値がトナー粒径に依存する粒径依存性トナーパッチを像担持体上に形成し、前記粒径依存性トナーパッチを前記光学検知手段で検出し、前記粒径依存性トナーパッチの正規化された正反射光検出値と、トナー粒径に対応した付着量変換テーブルとに基づいて、前記拡散反射光検出値を補正するための補正値を算出する補正値算出手段と、
    前記補正値算出手段で予め決められた規定のトナー粒径に対応した付着量変換テーブルを用いて仮補正値を算出し、トナーパッチ形成手段で、前記光学的検知手段の拡散反射光検出値がトナー粒径および付着量に依存しない飽和トナーパッチを像担持体上に形成し、前記飽和トナーパッチを前記光学検知手段で検出し、飽和トナーパッチの拡散反射光検出値を前記仮補正値で補正した値と、予め実験で求めた前記飽和トナーパッチの拡散反射光検出値に基づいてトナー像の形成に用いられるトナー粒径を推定するトナー粒径推定手段とを備えたことを特徴とするトナー付着量算出装置。
  2. 請求項1のトナー付着量算出装置において、
    トナー粒径毎の付着量変換テーブルを記憶する記憶手段を備え、
    前記トナー粒径推定手段で推定したトナー粒径に対応する付着量変換テーブルを特定し、特定した付着量変換テーブルと前記光学的検知手段の検知結果とに基づいて、トナー付着量を算出することを特徴とするトナー付着量算出装置。
  3. 請求項2のトナー付着量算出装置において、
    前記補正値算出手段は、前記トナー粒径推定手段実行後、前記トナー粒径推定手段で推定したトナー粒径に対応する付着量変換テーブルを特定し、特定した付着量変換テーブルに基づいて、前記補正値を算出しなおすことを特徴とするトナー付着量算出装置。
  4. 請求項1乃至3いずれかのトナー付着量算出装置において、
    前記正反射光正規化手段は、像担持体表面を検知したときの正反射光検出値に基づいて、正規化値を算出し、算出した正規化値に基づいて検知した正反射光検出値を正規化することを特徴とするトナー付着量算出装置。
  5. 請求項1乃至4いずれかのトナー付着量算出装置において、
    前記粒径依存性トナーパッチは、トナー層が1層未満のトナーパッチであることを特徴とするトナー付着量算出装置。
  6. 像担持体上に複数色のトナー像を形成する画像形成手段と、
    前記像担持体上のトナー像を光学的に検知して、該トナー像の付着量を算出するトナー付着量算出手段と、
    該トナー付着量算出手段で算出したトナー像のトナー付着量を用いて所定の制御を実行する制御手段とを備える画像形成装置において、
    前記トナー付着量算出手段として、請求項1乃至5いずれかのトナー付着量算出装置を用いたことを特徴とする画像形成装置。
  7. 像担持体上にトナー像を形成する画像形成手段と、
    前記像担持体上のトナー像からの反射光を検出する光学的検知手段と、
    前記像担持体上に少なくと低付着量のトナーパッチを含んだ画質調整用パターンを形成し、前記光学的検知手段の前記画質調整用パターンを検知したときの検出値とトナー粒径に対応した付着量変換テーブルとに基づいて、前記画質調整用パターンにおけるトナーパッチのトナー付着量を算出し、算出したトナー付着量に基づいて画像形成条件を設定する画像形成条件設定手段とを備える画像形成装置において、
    予め決められた規定のトナー粒径に対応した付着量変換テーブルを用いて前記画像形成条件設定手段を実行して、仮の画像形成条件設定し、仮の画像形成条件で光学的検知手段の拡散反射光検出値がトナー粒径に依存しない粒径非依存性トナーパッチを形成し、粒径非依存性トナーパッチのトナー付着量に基づいてトナー粒径を推定するトナー粒径推定手段を備えたことを特徴とする画像形成装置。
  8. 請求項7の画像形成装置において、
    トナー粒径毎の付着量変換テーブルを記憶する記憶手段を備え、
    前記トナー粒径推定手段を実行した後、
    前記トナー粒径推定手段で推定したトナー粒径に対応する付着量変換テーブルを特定し、特定した付着量変換テーブルを用いて前記画像形成条件設定手段を実行するように構成したことを特徴とする画像形成装置。
  9. 請求項7または8の画像形成装置において、
    前記粒径非依存性トナーパッチが、1層以上のトナー層からなることを特徴とするトナー付着量算出装置。
  10. 請求項6乃至9いずれかの画像形成装置において、
    前記光学検知手段として、赤外光を検出するものを用い、
    前記粒径非依存性トナーパッチが、複数色のトナー像を重ね合わせることで形成されるようにしたことを特徴とする画像形成装置。
  11. トナーの粒径を推定するトナー粒径推定方法において、
    光学的検知手段の検出値が粒径に依存する粒径依存性トナーパッチを作成する工程と、
    粒径依存性トナーパッチを正反射光と拡散反射光とを検知できる光学的検知手段で検知する工程と、
    粒径依存性トナーパッチを検知したときの正反射光検出値と、予め決められた規定のトナー粒径に対応した付着量変換テーブルとに基づいて算出された拡散反射光検出値と、粒径依存性トナーパッチを検知したときの拡散反射光検出値とから比率を算出する工程と、
    前記光学的検知手段の拡散反射光検出値がトナー粒径および付着量に依存しない飽和トナーパッチを作成する工程と、
    飽和トナーパッチを前記光学的検知手段で検知する工程と、
    飽和トナーパッチを検知したときの拡散反射光検出値に前記比率を乗算した値から、トナーの粒径を推定する工程とを有することを特徴とするトナー粒径推定方法。
  12. トナーの粒径を推定するトナー粒径推定方法において、
    画像形成条件を設定するための複数のトナーパッチからなる画質調整パターンを作成する工程と、
    画質調整用パターンを正反射光と拡散反射光とを検知できる光学的検知手段で検知する工程と、
    画質調整用パターンの検知結果と、予め決められた規定のトナー粒径に対応した付着量変換テーブルとに基づいて画質調整用パターンの各トナーパッチのトナー付着量を算出する工程と、
    算出したトナー付着量に基づいて画像形成条件を設定する工程と、
    設定した画像形成条件に基づいて、前記光学的検知手段の拡散反射光検出値がトナー粒径に依存しない粒径非依存性トナーパッチを作成する工程と、
    粒径非依存性トナーパッチのトナー付着量に基づいて、トナーの粒径を推定する工程とを有することを特徴とするトナー粒径推定方法。
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