JP5141991B2 - モータ制御装置 - Google Patents
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Description
従来のモータ制御装置、例えばインバータ装置は、図5および図6に示すように構成されている。
図5および図6において、11はヒートシンクで、例えば四隅にスタッド12を取り付け、前記スタッド12上に基板15を載置し、ネジ16で取り付けられている。前記基板15には、下面にIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor )などのパワー半導体モジュール13、および温度センサ14が実装されている。なお、前記パワー半導体モジュール13は、ネジ17でヒートシンク11の上面に密着して取り付けられている。前記温度センサ14は、パワー半導体モジュール13の温度を検出し、異常発熱等が生じた際にモータ制御装置を保護するための検出素子であり、ネジ18でヒートシンク11に密着し、なおかつ前記パワー半導体モジュール13の近傍に取り付けられており、電線14aにて前記基板15に接続されている。
このような構成におけるパワー半導体モジュール13の基板15への位置決め・取付けは、次のようにして行う。
まず、ヒートシンク11の上面に、パワー半導体モジュール13をネジ17にて仮固定する。
次に、パワー半導体モジュール13の端子を基板15のスルーホール(図示せず)に合わせつつ、基板15のネジ通し穴15aとスタッド12の位置が合致するかどうかを確認する。合致していなければ、パワー半導体モジュール13の位置をずらせて位置修正をする。合致していれば、あるいはパワー半導体モジュール13の位置修正をして基板15の取り付け穴とスタッド12の位置が合致すれば、基板15を、ネジ16を用いて、スタッド12に締め付け固定する。その後、基板15に設けたネジ締め用の穴15bにドライバー等を通してネジ17を本締めし、ヒートシンク11の上面にパワー半導体モジュール13を確実に固定する。
前記基板15をスタッド12に締め付け固定した後、パワー半導体モジュール13の端子を基板15に半田付けする。
モータ制御装置はAC200VやAC400V等の高圧交流電源で動作するため、ヒートシンクと基板、およびヒートシンクとパワー半導体モジュールの絶縁距離を十分に確保する必要があり、これらの間の絶縁距離を短くしてモータ制御装置の小型化を実現するのには限界がある。
本発明は、このような問題を解決するためになされたもので、装置の小型化が容易にできるとともに、組立性を向上させることができるモータ制御装置を提供することを目的とするものである。
請求項1に記載の発明は、平面状に形成された上面を有し、前記上面にパワー半導体モジュールが密着して取り付けられたヒートシンクと、前記パワー半導体モジュールの側面から突出し、かつ途中から上方に向かって伸びて構成されているパワー半導体モジュール端子と、前記パワー半導体モジュールの上方に位置する第1の基板及び前記第1の基板の上方に位置する第2の基板と、前記ヒートシンクと前記第1の基板との間に前記間を絶縁するスペーサを介在させるとともに、前記スペーサ内に、前記パワー半導体モジュールを配置させるための係合部を形成し、前記係合部の縁部を、前記側面から突出している端子の下に配置したことを特徴とするものである。
請求項2に記載の発明は、平面状に形成された上面を有し、前記上面にパワー半導体モジュールが密着して取り付けられたヒートシンクと、前記パワー半導体モジュールの側面から突出し、かつ途中から上方に向かって伸びて構成されているパワー半導体モジュール端子と、前記パワー半導体モジュールの上方に位置する第1の基板及び前記第1の基板の上方に位置する第2の基板と、前記ヒートシンクと前記第1の基板との間に前記間を絶縁するスペーサを介在させるとともに、前記スペーサは、前記側面から突出している端子の下と前記ヒートシンクとの間も絶縁したことを特徴とするものである。
請求項3に記載の発明は、平面状に形成された上面を有し、前記上面にパワー半導体モジュールが密着して取り付けられたヒートシンクと、前記パワー半導体モジュールの側面から突出し、かつ途中から上方に向かって伸びて構成されているパワー半導体モジュール端子と、前記パワー半導体モジュールの上方に位置する第1の基板及び前記第1の基板の上方に位置する第2の基板と、前記ヒートシンクと前記第1の基板との間に前記間を絶縁するスペーサを介在させるとともに、前記ヒートシンク上面のうち、前記側面から突出している端子の下に位置する表面部分に凹部を形成したことを特徴とするものである。
ヒートシンクと基板、およびヒートシンクとパワー半導体モジュールの絶縁距離を確保することができ、装置を小形化することができる。
ヒートシンクとパワー半導体モジュールの端子との間の空間を確実に遮断することができるので、ヒートシンクと基板、およびヒートシンクとパワー半導体モジュールの絶縁距離の確保が確実に行われ絶縁の信頼性をより高めることができる。
図1〜図4において、1はヒートシンク、2は例えば熱伝導率の悪い断熱性の樹脂で一体化されて構成されたスペーサ、3はIGBTやダイオードなどのパワー半導体モジュールで、複数本の端子が、例えば側面から真横に突出し、かつ途中から上方に向かって伸びて構成されている。4は第1の基板、5は第2の基板である。
また、前記スペーサ2は、内部に各パワー半導体モジュール3を位置決め配置するための係合部2hを設けている。前記係合部2hは、例えばスペーサ2に形成された穴あるいは切欠きで構成されている(実施例では穴)。
また、下面においては、前記ヒートシンク1の絶縁用凹部1bに対応する位置に凸部2jを形成し、断熱性の樹脂からなるスペーサで、ヒートシンク表面を覆い、ヒートシンクからの熱輻射を低減している。さらに、全面に(少なくとも一部に)空気層形成用凹部2kを形成して、前記ヒートシンク1とスペーサ2との間に、熱抵抗が大きい空気層2mを意図的に作り、ヒートシンク1から装置内部へ熱が伝達されにくくしている。これにより、装置の内部容積を減少させて、装置を小型化している。
さらに、図4に示すように、前記ヒートシンク1の、前記パワー半導体モジュール3の端子の下に位置する表面部分に絶縁用凹部1bを形成することにより、前記パワー半導体モジュール3の端子とヒートシンク1との絶縁距離が増して絶縁性が向上する。この場合、前記スペーサ2の係合部2hの縁部を下方に延ばし、前記絶縁用凹部1bに挿入すれば、前記パワー半導体モジュール3の端子とヒートシンク1との間の空間をよりよく遮断することができる。
さらに、前記絶縁用凹部1bを、パワー半導体モジュール3の下部まで広げるとともに、前記スペーサ2の係合部2hの縁部を、パワー半導体モジュール3の下部まで延ばすようにすれば、ヒートシンク1とパワー半導体モジュール3の端子との間の空間は完全に遮断され沿面絶縁性が大きく向上する。
前記第1の基板4の上方には、間隔をあけて第2の基板5が配置されることになるが、第2の基板5を載置するための第2のボス2c、および第2の支持部2eが、前記スペーサ2に形成されているので、第1の基板4は、前記第2のボス2c、および前記第2の支持部2eとの干渉を避けるために、切欠き4bを設けている。
また、第1の基板4の上面あるいは下面(本実施例では上面)には、温度センサ4cが取り付けられている。前記温度センサ4cは、前記パワー半導体モジュール3の温度を監視するためのものであり、前記パワー半導体モジュール3にできるだけ近いほうが望ましいが、前記ヒートシンク1と前記第1の基板4との間に前記スペーサ2を介在させることにより、前記ヒートシンク1と前記第1の基板4と絶縁性を確保でき、前記ヒートシンク1と前記第1の基板4との距離を小さくすることが可能となるため、前記温度センサ4cを前記パワー半導体モジュール3に近づけることができる。なお、空きスペースを有効活用する狙いも持たせて、前記温度センサ4cを、前記第1の基板の反パワー半導体モジュール側の上面に取り付ける場合(本実施例の場合)は、前記温度センサの近傍に、前記第1の基板4上に空気穴4dを設けることにより、前記パワー半導体モジュール3の発熱を前記温度センサ4cに効率的に伝えることができる。
前記パワー半導体モジュール3の端子が前記第1の基板4には取り付かず、第2の基板に半田付けされる場合には、前記パワー半導体モジュール3の端子に対応する位置に、前記第1の基板4上に端子通し穴4eを設けておく。前記端子通し穴4eは、前記パワー半導体モジュール3を位置決め配置するためのものである。また、前記パワー半導体モジュール3を前記ヒートシンク1に螺合させるためのネジ8のネジ締め用穴4fを設けておく。
まず、第1の基板4を反転させ、適当な治具にて固定させる。
次に、パワー半導体モジュール3を反転させ、端子を反転させた第1の基板4のスルーホールあるいは端子通し穴4eに通し、反転させた第1の基板4の上面に仮置きして載置する。次に、スペーサ2を反転させ、第1のボス2bを反転させた第1の基板4のネジ通し穴4aに係合させるとともに、第1の係止部2fにて係止させ、反転させた第1の基板4の上面に載置する。
次に、ヒートシンク1を反転させ、ネジ穴1cを反転させたスペーサ2の第1のボス2bに係合させるとともに、係合凹部1dを反転させたスペーサ2の係合凸部2aに係止させ、反転させたスペーサ2の上面に載置する。この状態を保ったまま、第1の基板4、パワー半導体モジュール3、スペーサ2、ヒートシンク1を反転させて元の状態に戻した後、ネジ6を第1の基板4のネジ通し穴4aとスペーサ2の第1のボス2dのネジ通し穴に通すとともに、ヒートシンク1のネジ穴1cに螺合させて、第1の基板4を、スペーサ2を介してヒートシンク1に締付固定する。
次に、ネジ8をパワー半導体モジュール3のネジ通し穴に通すとともに、ヒートシンク1のネジ穴1cに螺合させて、パワー半導体モジュール3を、第1の基板4に設けたネジ締め用穴4fにドライバー等を通してヒートシンク1に締付固定する。この状態で、第1の基板4に半田付けされるパワー半導体モジュール3(図4に示す右側のパワー半導体モジュール3)の端子を、第1の基板4に半田付けする。
パワー半導体モジュール3を、ヒートシンク1に締付固定した後、第2の基板5を、ネジ通し穴5aをスペーサ2の第2のボス2cに係合させるとともに、スペーサ2の第2の係止部2gにて係止させ、スペーサ2の第2のボス2c上面に載置する。その後、ネジ7を第2の基板5のネジ通し穴5aと第2のボス2cのネジ通し穴に通すとともに、ヒートシンク1のネジ穴1cに螺合させて、第2の基板5を、スペーサ2を介してヒートシンク1に締付固定する。なお、このとき、ネジ7は樹脂製のスペーサ2の第2のボス2cにより覆われているため、第1の基板4との絶縁距離が確保できる。この状態で、第2の基板5に半田付けされるパワー半導体モジュール3の端子を、第2の基板5に半田付けする。ここで、第2の基板5に半田付けされるパワー半導体モジュール3は、パワー半導体モジュール3の端子を第1の基板4の端子通し穴4eに通しておくことによって既に位置決めされているため、パワー半導体モジュール3を位置合わせするための作業は必要ない。
なお、前述したパワー半導体モジュール3の第1の基板4および第2の基板5への位置決め・取付けは、ヒートシンク1を抱えて反転させるものであったが、ヒートシンク1を抱えて反転させずとも、第1の基板4とスペーサ2でパワー半導体モジュール3を挟み、挟んだままひっくり返して元に戻し、そのままヒートシンク1に載せるようにしてもかまわない。ヒートシンク1が大きな機種の場合や、女性作業者の場合は、こちらの作業方法がよい。
自動半田装置は、通常、スポット半田、あるいはマルチポイントソルダと呼ばれており、その構成は次のようになっている。
装置の底部より半田ノズルが複数個伸びており、基板まで取り付けた状態のユニットを素子ピン位置と半田ノズル位置が係合するように反転させて固定するようになっている。
この状態で自動半田装置を稼動させると、半田ノズルへ半田が一定時間、一定温度で充てんされ、素子ピンに半田が供給される。これにより、手半田では1点ずつしか半田を行うことができなかったのが、自動半田装置では、複数点まとめて半田を行うことができる。したがって、時間短縮(工数削減)ができるだけでなく、人手作業の廃止による工数削減・品質安定が可能となる。
しかしながら、自動半田装置には次のような障害となるものがある。
(1)半田ノズルと基板との係合部分には基板に部品を実装できない。
半田ノズルは熱くなるので、部品(コンデンサの被覆など)が半田ノズルに接触したら溶けてしまう。そのため、半田ノズルに部品が接触しないようにしなければならないので、ある程度の係合部周囲には部品を実装することができない。
(2)基板実装部品に高さが高い部品(特に障害となるのは電解コンデンサの場合が多い)があると、半田ノズルの高さが高くなり、温度制御が難しくなり、歩止まりが悪くなる。
上述した障害を排除するために、次のような構成としている。
前記(1)の障害に対しては、基板を複数枚(実施例では2枚)使用し、充分な基板実装面積を確保している。また、それとともに、パワー半導体モジュール端子を半田付け接続する基板は、パワー半導体モジュール端子の接続位置を、周りに部品が少ない基板の周辺部に配置するようにしている。
また、前記(2)の障害に対しては、高さの高い部品を複数の高さの低い部品に置き換えるなどして、パワー半導体モジュール端子を半田付け接続する基板の半田面側の接続位置周辺部において、所定の高さを有する部品実装を排除している。
(1)基板に対するパワー半導体モジュールの位置決めが簡単にでき、パワー半導体モジュールの端子と基板の穴合わせの作業をなくすことができる。また、位置決めのための部品をスペーサのみで行えるため部品点数を削減することができる。
(2)スペーサは絶縁材で構成されているので、第1の基板とパワー半導体モジュールの間隔を大きく取らなくても、スペーサによって絶縁距離を確実に確保することができる。それにより、装置を小形化することができる。また、第1の基板および第2の基板の取り付けのための部品をスペーサのみで行えるため部品点数を削減することができる。
(3)スペーサは熱伝導率の悪い樹脂で作られているので、ヒートシンクと基板との間に介在させることによって、ヒートシンクからの熱放射を防ぐことができる。それにより、基板とヒートシンクの距離を短くでき、装置を小形化することができるとともに、簡単な構成で複数枚の基板をヒートシンク上に載置することができる。
また、パワー半導体モジュールを最初に基板に仮置きして組み立てることにより、従来非常に面倒であったパワー半導体モジュールの端子と基板の穴合わせの作業をなくすことができるため、組立工数を削減することができる。
1a フィン
1b 絶縁用凹部
1c ネジ穴
1d 係合凹部
2 スペーサ
2a 係合凸部
2b 第1のボス
2c 第2のボス
2d 第1の支持部
2e 第2の支持部
2f 第1の係止部
2g 第2の係止部
2h 係合部
2j 下面凸部
2k 下面凹部
2m 空気層
3 パワー半導体モジュール
4 第1の基板
4a ネジ通し穴
4b 切欠き
4c 温度センサ
4d 空気穴
4e 端子通し穴
4f ネジ締め用穴
5 第2の基板
5a ネジ通し穴
6 第1の基板固定用のネジ
7 第2の基板固定用のネジ
8 パワー半導体モジュール固定用のネジ
11 ヒートシンク
12 スタッド
13 パワー半導体モジュール
14 温度センサ
14a 電線
15 基板
15a ネジ通し穴
15b ネジ締め用穴
16 基板固定用のネジ
17 パワー半導体モジュール固定用のネジ
18 温度センサ固定用のネジ
Claims (3)
- 平面状に形成された上面を有し、前記上面にパワー半導体モジュールが密着して取り付けられたヒートシンクと、
前記パワー半導体モジュールの側面から突出し、かつ途中から上方に向かって伸びて構成されているパワー半導体モジュール端子と、
前記パワー半導体モジュールの上方に位置する第1の基板及び前記第1の基板の上方に位置する第2の基板と、
前記ヒートシンクと前記第1の基板との間に前記間を絶縁するスペーサを介在させるとともに、前記スペーサ内に、前記パワー半導体モジュールを配置させるための係合部を形成し、前記係合部の縁部を、前記側面から突出している端子の下に配置したことを特徴とするモータ制御装置。 - 平面状に形成された上面を有し、前記上面にパワー半導体モジュールが密着して取り付けられたヒートシンクと、
前記パワー半導体モジュールの側面から突出し、かつ途中から上方に向かって伸びて構成されているパワー半導体モジュール端子と、
前記パワー半導体モジュールの上方に位置する第1の基板及び前記第1の基板の上方に位置する第2の基板と、
前記ヒートシンクと前記第1の基板との間に前記間を絶縁するスペーサを介在させるとともに、前記スペーサは、前記側面から突出している端子の下と前記ヒートシンクとの間も絶縁したことを特徴とするモータ制御装置。 - 平面状に形成された上面を有し、前記上面にパワー半導体モジュールが密着して取り付けられたヒートシンクと、
前記パワー半導体モジュールの側面から突出し、かつ途中から上方に向かって伸びて構成されているパワー半導体モジュール端子と、
前記パワー半導体モジュールの上方に位置する第1の基板及び前記第1の基板の上方に位置する第2の基板と、
前記ヒートシンクと前記第1の基板との間に前記間を絶縁するスペーサを介在させるとともに、前記ヒートシンク上面のうち、前記側面から突出している端子の下に位置する表面部分に凹部を形成したことを特徴とするモータ制御装置。
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