JP5141282B2 - 熱間スラブの幅圧下用金型および幅圧下方法 - Google Patents

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Description

本発明は、幅プレス装置(幅圧下装置)による熱間スラブの幅圧下において、スリップを防止して安定的に幅圧下を可能とする熱間スラブの幅圧下用金型および幅圧下方法に関するものである。
熱間スラブの幅変更手段として、連続鋳造プロセスにて製造されたスラブを温度が低下しないうちに、あるいは一旦温度が低下した後に加熱炉に投入して所定の温度まで加熱した状態にて、該熱間スラブの板幅方向に相対峙して設置された1対の金型にて熱間スラブを板幅方向に間欠的に圧下する板幅プレス装置が用いられている。
この板幅プレス装置による幅圧下では、通常、900〜2000mm程度の幅の熱間スラブに対して最大300〜350mm程度の幅圧下が行われており、連続鋳造にて同一幅に鋳造されたスラブより異なる幅の鋼板製品の製造を可能としている。これにより、連続鋳造プロセスでの幅変更回数の低減、熱間圧延プロセスでのスケジュールフリー圧延の拡大、コイル単重の増大など、鋼板製造プロセスの生産性向上や合理化に大きく寄与しており、そのメリットは板幅プレス装置による幅圧下能力が大きいほど拡大する。
しかしながら、従来の傾斜部が1段しかない金型(以後この金型を平金型とよぶ)にて幅圧下量を増大させていくと、当該パスでは前パスにて金型傾斜部で圧下されたスラブ傾斜面と金型傾斜部から接触が開始されるようになることから、摩擦係数が小さい条件では圧下時にスラブがスリップする現象が発生し、従来の幅圧下用金型および幅圧下方法では熱間スラブの幅圧下量をあまり大きくできないという問題点があった。なお、金型とスラブの間の摩擦係数は鋼種や加熱温度による酸化スケールの状態や金型表面の状態に大きく左右されることから、スリップを防止する目的にて定常的に摩擦係数を高く維持することは困難である。
このことから、金型形状や送りピッチの設定によって大幅圧下時のスリップを防止する方法が提案されている(例えば、特許文献1、2参照)。
すなわち、特許文献1では、下式を満たすように送りピッチPあるいは金型の傾斜角αを設定することを特徴としている。
P>ΔW/(2・tanα)
ここで、ΔWは片側の金型による幅圧下量(mm)である。通常、板幅プレス装置による幅圧下では、傾斜部の傾斜角αが12°程度であり、例えば幅圧下量を300mmとすると、上式による設定では送りピッチPは706mm以上となり、本条件では金型平行部がスラブ側面の未圧下部と接触を開始することから、幅圧下開始時にスリップが発生することはない。
また、特許文献1では、金型傾斜部の途中に中間平行部(第2の平行部)を形成して、金型傾斜部を第1の傾斜部と第2の傾斜部に分け、当該パスでは、前パスにてこの第2の平行部にて圧下された部分と金型平行部(第1の平行部)が接触を開始するように金型形状と送りピッチを設定することにより、幅圧下時のスリップを防止する方法が開示されている。以後、第1の傾斜部と第2の傾斜部を有する金型形状を2段金型とよぶ。
そして、特許文献2では、同様にスリップ防止の観点から用いる2段金型の形状に関して、幅圧下荷重の観点から下死点における金型と材料の接触長さを所定長さ以下に規定する方法が提案されている。
特開平9−253780号公報 特開2007−222894号公報
しかしながら、前記した幅圧下時のスリップ防止に関する従来技術(特許文献1、2)では、幅圧下時の通板安定性等の観点から大きな問題点を有していた。
まず、特許文献1に開示されている送りピッチを調整する技術では、例えば金型傾斜角度αを12°、幅圧下量Wを300mmとすると、送りピッチPを706mm以上としなければならず、通常350〜400mmに設定されている送りピッチの2倍程度となってしまうことから幅圧下荷重の大幅な増大が避けられない。このことから、幅圧下量が制限されてしまい、前記した大幅圧下によってえられるメリットの縮小が避けられない。
また、従来技術による2段金型では、理想的な幅圧下条件が満たされた状態ではスリップ防止に大きな効果を有するが、幅圧下にて生ずるドッグボーン高さが進行方向に不均一となりやすく、送りピッチの周期にて進行方向に凹凸形状を形成することから、凹凸形態のドッグボーンがピンチロールや搬送ロールに突っかかり、所定のピッチのパス間送りが困難となることによってスリップを引き起こす原因となっている。このことを説明するため、図10、図11に、進行方向のドッグボーンの凹凸部の断面形状を模式的に示す。なお、凸部ドッグボーン高さH1と凹部ドッグボーン高さH2との差を以後はドッグボーン凹凸量とよぶ。通常、図12に示すように、幅プレス装置では幅圧下を行う金型12の前後位置に上下のピンチロール9、9’、10、10’と、入出側搬送ロール7、8とを具備しており、圧下パス間でのスラブ13の搬送に使用されている。ピンチロールの形式として、上下の駆動ピンチロールにてスラブを狭圧してドッグボーンを軽圧下しながら所定の送りピッチの間欠運動をする形式、また上ピンチロールは非駆動とし、駆動ロールである下ピンチロールにスラブを押し付けて摩擦力を確保してスラブのパス間送りを行う形式のものがある。いずれの形式のピンチロール装置においても、ドッグボーンが大きくなると搬送中にドッグボーンがピンチロール10、10’へ突っかかって進行不良となり、圧下パス間での所定の送りピッチの確保が困難となる。なお、図12中の11、11’は、上下の座屈防止ロールである。
前記した従来技術では、図5に示すように、当該圧下パスでは前圧下パスにて中間平行部にて圧下された部分と金型平行部が接触を開始するように金型形状と送りピッチfを設定することにより幅圧下時のスリップを防止するものであるが、進行不良により送りピッチが所定の値より小さくなった場合(p<f)には、図6に示すように前圧下パスにて第1の傾斜部にて圧下された部分が、当該圧下パスにおいても同じく第1の傾斜部と接触を開始するようになる。そうすると、2段金型でのスリップ防止効果を発揮することできないという問題点を有している。
本発明は、上記のような事情に鑑みてなされたものであり、幅プレス装置(幅圧下装置)による熱間スラブの幅圧下において、スリップを防止して安定的に幅圧下を可能とする熱間スラブの幅圧下用金型および幅圧下方法を提供することを目的とするものである。
上記課題を解決するため、本発明者らは板幅プレス装置でのスリップを防止するための金型形状と幅圧下条件について鋭意検討を重ねた結果、2段金型によるドッグボーン凹凸に起因する通板性の悪化を改善するための金型形状と幅圧下条件を見出した。すなわち、後に詳述するように、2段金型によるドッグボーンの凹凸発生メカニズムは、当該圧下パスでは前圧下パスにて中間平行部で圧下された部分と金型平行部が接触を開始するように金型形状と送りピッチを設定してスリップを防止するという、従来技術での2段金型の基本思想自体に起因していることを知見した。
本発明はこれらの知見に基づきなされたもので、以下のような特徴を有する。
[1]熱間スラブの板幅方向に相対峙して設置され、熱間スラブを板幅方向に間欠的に圧下する幅圧下用金型であり、
熱間スラブの進行方向出側の圧下面に熱間スラブ側面に平行な金型平行部を有し、この金型平行部に連続して熱間スラブの進行方向入側方向に向かって一直線状に広がる第1の傾斜部と、第1の傾斜部の熱間スラブの進行方向入側端に連続して熱間スラブの側面に略平行な第1の中間平行部と、第1の中間平行部の熱間スラブ進行方向入側端に連続して熱間スラブの進行方向入側方向に向かって一直線状に広がる第2の傾斜部と、第2の傾斜部の熱間スラブの進行方向入側端に連続して熱間スラブの側面に略平行な第2の中間平行部と、第2の中間平行部の熱間スラブ進行方向入側端に連続して熱間スラブの進行方向入側方向に向かって一直線状に広がる第3の傾斜部とを有し、
当該圧下パスでは、予め設定されたスラブ送りピッチでスラブが搬送された場合には、前圧下パスにて第2の中間平行部で圧下された領域と金型平行部とから接触を開始し、予め設定されたスラブ送りピッチの1/2でスラブが搬送された場合には、前圧下パスにて第2の中間平行部で圧下された領域と第1の中間平行部とから接触を開始し、予め設定されたスラブ送りピッチの1/3でスラブが搬送された場合には、前圧下パスにて第1の中間平行部で圧下された領域と金型平行部とから接触を開始する金型形状であることを特徴とする熱間スラブの幅圧下金型。
[2]第1の傾斜部の傾斜角をα1、第1の傾斜部の高さをw1、予め設定された送りピッチをfとした時に、
1/3×f>w1/tanα1
の関係を満たすことを特徴とする前記[1]に記載の熱間スラブの幅圧下金型。
[3]前記[1]または[2]に記載の熱間スラブの幅圧下用金型を用いて熱間スラブの幅圧下を行うことを特徴とする熱間スラブの幅圧下方法。
本発明においては、熱間スラブの幅圧下を行う際に、スリップを防止して安定的した幅圧下が可能となる。
熱間スラブの幅圧下に用いられる2段金型は、一般的に図5に示すように進行方向出側の圧下面に熱間スラブ13の側面に平行な金型平行部3’を有し、この金型平行部3’に連続して熱間スラブ13の進行方向入側方向に向かって傾斜角αで広がる第1の傾斜部1’と、第1の傾斜部1’の熱間スラブ13の進行方向入側端に連続して熱間スラブ13の側面に略平行な中間平行部4’と、中間平行部4’の熱間スラブ13の進行方向入側端に連続して熱間スラブ13の進行方向入側方向に向かって傾斜角αで広がる第2の傾斜部2’を有している。
そして、従来技術では、当該圧下パスでは金型平行部3’を前圧下パスにて金型中間平行部4’にて圧下された面に当てることによりスラブ13が進行方向にスリップすることを防止するものであるが、前述したように、この従来技術ではドッグボーンが長手方向に不均一な凹凸形状となるので、そのメカニズムについて詳しく説明する。
実際のスラブ内部の材料流れは複雑であるが、従来技術では図9に模式的に示すように金型平行部3’で圧下される領域A’および中間平行部4’で圧下される領域C’では材料は圧下方向に流れるが、第1の傾斜部1’で圧下される領域B’および第2の傾斜部2’で圧下される領域D’では材料はそれぞれ傾斜角α、αに略垂直方向に流れることとなる。したがって、領域A’、C’では、材料は圧下方向だけに流れようとするが、領域B’、D’では進行方向にも流れることから、領域A’、C’の圧下方向の流れは領域B’、D’にて若干拘束されることとなる。塑性変形では体積変化は起こらないことから、圧下方向の流れが拘束された場合には、その分の体積は進行方向と板厚方向に流れることとなるが、同様に変形部周囲の材料の拘束により進行方向には材料は流れにくいため、端部が自由表面である板厚方向に材料は大きく流れることとなる。すなわち、領域A’、C’では領域B’,D’に比べて板厚方向の流れが増加することによりドッグボーンの高さが高くなることが不可避である。それに加え、従来技術では当該圧下パスにて中間平行部4’にて圧下された領域C’は、次の圧下パスにて金型平行部3’で圧下されることとなるため、周囲に比べて更にドッグボーンが高くなるものである。すなわち、従来技術ではスリップを防止する目的にて金型30とスラブ13の平行部同士にて圧下を開始するように送りピッチf、第1傾斜部角度α、第1傾斜部の高さwを決定していたものであるが、実はこの関係自体がドッグボーンの進行方向の凹凸を拡大する原因となっている。そして、この進行方向のドッグボーンの凹凸が搬送ロール8やピンチロール10、10’に突っかかることにより搬送不良を引き起こし、結果として、図6のような幅圧下形態となってしまうことから進行方向のスリップを引き起こす大きな原因となっているものである。
本発明者等は、この従来の2段金型30による幅圧下での搬送不良を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、従来の2段金型30の第1の傾斜部1’に新たに1組の傾斜部と平行部を付け加えた3段金型とすることにより、ドッグボーンの進行方向の凹凸を低減し、かつ搬送ロール8やピンチロール10、10’への突っかかりなどよって圧下パス間の送りピッチが不安定となった場合においても、当該圧下パスでは確実にスリップの発生を防止可能であることを見出した。
以下、図面をもとに本発明の一実施形態を説明する。
図4に示すように、この実施形態における幅圧下用金型20は、進行方向出側の圧下面に熱間スラブ13の側面に平行な金型平行部4を有し、この金型平行部4に連続して熱間スラブ13の進行方向入側方向に向かって傾斜角αで広がる第1の傾斜部1と、第1の傾斜部1の熱間スラブ13の進行方向入側端に連続して熱間スラブ13の側面に略平行な第1の中間平行部5と、第1の中間平行部5の熱間スラブ13の進行方向入側端に連続して熱間スラブ13の進行方向入側方向に向かって傾斜角αで広がる第2の傾斜部2と、第2の傾斜部2の熱間スラブ13の進行方向入側端に連続して熱間スラブ13の側面に略平行な第2の中間平行部6と、第2の中間平行部6の熱間スラブ13の進行方向入側端に連続して熱間スラブ13の進行方向入側方向に向かって傾斜角αで広がる第3の傾斜部3を有している。
そして、図1〜3はこの実施形態による幅圧下用金型20を用いた際のその金型20とスラブ13が接触を開始する時点を表す図であり、図1は圧下パス間にスラブ13が設定通りの送りピッチ(設定距離)fにて進行方向に進んだ場合である(すなわち、進行量p=設定距離f)。これに対し、図2は搬送不良により圧下パス間にスラブ13の進行量pが設定距離fの略1/2、そして図3は圧下パス間のスラブ13の進行量pが設定距離fの略1/3であった場合を示している。
図1では、前圧下パスにて第2の中間平行部6で圧下された進行方向に平行な部分と金型平行部4とから圧下が開始されていることから、圧下時に金型20とスラブ13のスリップは発生しない。図2では、圧下パス間でのスラブ13の搬送不良によって送り量pが小さくはなっているが、前圧下パスにて第2の中間平行部6によって圧下された進行方向に平行な部分と第1の中間平行部5とから圧下が開始されていることから、圧下時に金型20とスラブ13のスリップは発生しない。同様に、図3では圧下パス間でのスラブ13の搬送不良によって送り量pが小さくはなっているが、前圧下パスにて第1の中間平行部5によって圧下された進行方向に平行な部分と金型平行部4とから圧下が開始されていることから、圧下時に金型20とスラブ13のスリップは発生しない。
このように、この実施形態による幅圧下用金型20では、圧下パス間でのスラブ13の搬送不良によって送り量pが小さくなった場合においても、前圧下パスにて第1の中間平行部5あるいは第2の中間平行部6にて圧下された進行方向に平行な部分と、金型平行部4あるいは第1の中間平行部5あるいは第2の中間平行部6にて接触が開始することから、金型20とスラブ13の間のスリップを格段に防止することができる。
なお、搬送不良にて圧下パス間のスラブ13の搬送量pが小さくなった場合に上記した作用を発揮させるためには、第1の傾斜部1の進行方向長さを、短くなったスラブ搬送量pより若干小さくする必要がある。
図7は、金型20の第1の傾斜部1の高さ(第1傾斜部圧下量)wと進行方向の長さ(第1傾斜部長さ=w/tanα)の関係を示した図であり、例えば図中に例示したごとく、圧下パス間のスラブ搬送量pが100mm程度となることを想定すると、第1傾斜部高さwは30mm程度とすればよい。第2の傾斜部2の高さは、所定のスラブ送りピッチにて、当該圧下パスでは前圧下パスにて第2の中間平行部6で圧下された部分と金型平行部4が接触を開始するように決定すればよい。
また、この実施形態による幅圧下用金型20では、従来の2段金型30に比べて各中間平行部と傾斜部の長さを短することが可能であるため、図8に示すように各部での圧下領域B〜Dが小さくなることから、従来の2段金型30での課題であった進行方向のドッグボーン高さの凹凸量が格段に低減するという効果を有する。
このことから、この実施形態による幅圧下用金型20では、従来の2段金型30にて問題であった進行方向のドッグボーンの凹凸量の低減により圧下パス間でのスラブ13の搬送性が大幅に改善し、かつ圧下パス間でのスラブ13の進行不良が発生した場合においても、前圧下パスにて第1の中間平行部5あるいは第2の中間平行部6にて圧下された進行方向に平行な部分と、金型平行部4あるいは第1の中間平行部5あるいは第2の中間平行部6にて接触が開始することから、金型20とスラブ13の間のスリップを格段に防止でき、幅プレス装置による幅圧下での安定性を総合的に向上させることができる。
以下、本発明の実施例を述べる。ここでは、幅プレス装置を用い、厚み235mm、幅1500mm、長さ9000mmの普通鋼スラブに対し、設定送りピッチ400mm、加熱温度1200℃、幅圧下サイクル毎分50回として、(イ)〜(ニ)の条件にて幅圧下を実施した。なお、幅圧下量は全て350mmである。
(イ)実施例1は、本発明による幅圧下用金型Aによる幅圧下での結果であり、金型に潤滑剤を塗布しないで幅圧下を実施した。
(ロ)実施例2は、本発明による幅圧下用金型Aによる幅圧下での結果であり、圧下パス間に金型圧下面に潤滑剤(グリース系の熱間潤滑剤)を塗布して幅圧下を実施した。
(ハ)比較例1は、従来の2段金型Bによる幅圧下での結果であり金型に潤滑剤を塗布しないで幅圧下を実施した。
(ニ)比較例2は、従来の2段金型Bによる幅圧下での結果であり、圧下パス間に金型圧下面に潤滑剤(グリース系の熱間潤滑剤)を塗布して幅圧下を実施した。
表1は(イ)〜(ニ)の条件における幅圧下の結果を示す表である。
本発明による幅圧下用金型である金型Aを用いた実施例1、2では、従来の2段金型である金型Bを用いた比較例1、2に比べて、幅圧下によって生ずる進行方向のドッグボーンの凹凸量が半減している。また、実施例1、2では、潤滑剤使用の有無にかかわらず圧下パス間のスラブ搬送が安定しており、特に実施例1ではスラブ全長の幅圧下が終了するまでに金型とスラブの間のスリップは皆無であった。また、潤滑剤を使用した実施例2では、スラブ尾端部近辺において1回だけ進行不良が発生したものの、金型とスラブの間のスリップは発生しなかった。
これに対し、従来の2段金型である金型Bでは、潤滑剤を使用していない比較例1の場合においても、進行方向のドッグボーン凹凸量が大きかったことからドッグボーンがプレス装置出側の搬送ロールにつっかかって進行不良が発生した上に、スラブ全長の幅圧下を完了するのに実施例1、2に比べて6パス余分に必要であった。また、従来の2段金型に潤滑剤を使用した比較例2の場合では、まず進行方向のドッグボーン凹凸により進行不良が発生した後、金型とスラブ間のスリップが連続して発生し、圧下を中止せざるを得なかった。
Figure 0005141282
以上のように、本発明によれば、幅圧下にて生ずる進行方向のドッグボーンの凹凸量が低減して搬送が安定化するとともに、圧下パス間でのスラブの進行不良が発生した場合においても、非常に安定した板幅圧下が可能であった。
本発明の一実施形態による幅圧下用金型での圧下状況を示す図である。 本発明の一実施形態による幅圧下用金型での圧下状況を示す図であり、圧下パス間の送り量が設定値の略1/2の状況を示す図である。 本発明の一実施形態による幅圧下用金型での圧下状況を示す図であり、圧下パス間の送り量が設定値の略1/3の状況を示す図である。 本発明の一実施形態による幅圧下用金型の形状を説明する図である。 従来の2段金型による圧下開始点における状況を示す図である。 従来の2段金型にて、送りピッチが短くなった場合の状況を示す図である。 第1傾斜部の高さw1と第1傾斜部の長さの関係を示す図である。 本発明の一実施形態による幅圧下用金型の各部にて圧下される領域を示す模式図である。 従来の2段金型の各部にて圧下される領域を示す模式図である。 従来の2段金型にて幅圧下した際の、進行方向のドッグボーン凸部の断面形状を表す模式図である。 従来の2段金型にて幅圧下した際の、進行方向のドッグボーン凹部の断面形状を表す模式図である。 幅プレス装置の各種ロールの配置を示す模式図である。
符号の説明
1 本発明の一実施形態による幅圧下用金型(3段金型)の第1傾斜部
2 本発明の一実施形態による幅圧下用金型(3段金型)の第2傾斜部
3 本発明の一実施形態による幅圧下用金型(3段金型)の第3傾斜部
4 本発明の一実施形態による幅圧下用金型(3段金型)の金型平行部
5 本発明の一実施形態による幅圧下用金型(3段金型)の第1の中間平行部
6 本発明の一実施形態による幅圧下用金型(3段金型)の第2の中間平行部
1’ 2段金型の第1傾斜部
2’ 2段金型の第2傾斜部
3’ 2段金型の金型平行部
4’ 2段金型の中間平行部
7 幅プレス装置の入側搬送ロール
8 幅プレス装置の出側搬送ロール
9 幅プレス装置の入側上ピンチロール
9’ 幅プレス装置の入側下ピンチロール
10 幅プレス装置の出側上ピンチロール
10’ 幅プレス装置の出側下ピンチロール
11 幅プレス装置の上座屈防止ロール
11’ 幅プレス装置の下座屈防止ロール
12 幅プレス装置の金型
13 スラブ
20 本発明の一実施形態による幅圧下用金型(3段金型)
30 2段金型

Claims (3)

  1. 熱間スラブの板幅方向に相対峙して設置され、熱間スラブを板幅方向に間欠的に圧下する幅圧下用金型であり、
    熱間スラブの進行方向出側の圧下面に熱間スラブ側面に平行な金型平行部を有し、この金型平行部に連続して熱間スラブの進行方向入側方向に向かって一直線状に広がる第1の傾斜部と、第1の傾斜部の熱間スラブの進行方向入側端に連続して熱間スラブの側面に略平行な第1の中間平行部と、第1の中間平行部の熱間スラブ進行方向入側端に連続して熱間スラブの進行方向入側方向に向かって一直線状に広がる第2の傾斜部と、第2の傾斜部の熱間スラブの進行方向入側端に連続して熱間スラブの側面に略平行な第2の中間平行部と、第2の中間平行部の熱間スラブ進行方向入側端に連続して熱間スラブの進行方向入側方向に向かって一直線状に広がる第3の傾斜部とを有し、
    当該圧下パスでは、予め設定されたスラブ送りピッチでスラブが搬送された場合には、前圧下パスにて第2の中間平行部で圧下された領域と金型平行部とから接触を開始し、予め設定されたスラブ送りピッチの1/2でスラブが搬送された場合には、前圧下パスにて第2の中間平行部で圧下された領域と第1の中間平行部とから接触を開始し、予め設定されたスラブ送りピッチの1/3でスラブが搬送された場合には、前圧下パスにて第1の中間平行部で圧下された領域と金型平行部とから接触を開始する金型形状であることを特徴とする熱間スラブの幅圧下金型。
  2. 第1の傾斜部の傾斜角をα1、第1の傾斜部の高さをw1、予め設定された送りピッチをfとした時に、
    1/3×f>w1/tanα1
    の関係を満たすことを特徴とする請求項1に記載の熱間スラブの幅圧下金型。
  3. 請求項1または2に記載の熱間スラブの幅圧下用金型を用いて熱間スラブの幅圧下を行うことを特徴とする熱間スラブの幅圧下方法。
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