JP5137890B2 - 光学フィルム、及びその製造方法、ならびにそれを有する偏光板、及び画像表示装置 - Google Patents

光学フィルム、及びその製造方法、ならびにそれを有する偏光板、及び画像表示装置 Download PDF

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Description

本発明は、光学フィルム、及びその製造方法、ならびにそれを有する偏光板、及び画像表示装置に関する。
従来、拡散シートは、種々の画像表示装置に用いられている。例えば、液晶表示装置(LCD)では、拡散シートは、一般的に、バックライト光源とバックライト側偏光板との間に配置される。拡散シートを配置することで、表示特性の均一化が達成されるとともに、入射光が液晶セル中の画素と干渉して、モアレ等の干渉縞を生じるのを抑制することができる。近年、製造コストを軽減することを目的として、液晶表示装置の部材数を削減すること、又は低消費電力化のため光源に利用される蛍光灯数を減少することが試みられている。またLCDの薄型化のため、バックライト光源と拡散シートとの距離が近くなり、そのため、従来の拡散フィルムでは、均一な光拡散を達成することが困難になってきている。
例えば、特許文献1には、多孔質不定形粒子と球状粒子とを分散含有する、所定の特性の光拡散層を有する光拡散偏光板が提案され、これによって光拡散シートを省略できることが開示されている。特許文献2には、微粒子を含有するドープを支持体上に流延することを含む光拡散フィルムの製造方法が提案され、この方法によれば、光学的等方性等に優れる光拡散フィルムが作製できることが開示されている。特許文献3には、凹凸形状をフィルムに転写する製造方法が提案され、この方法によれば、表面形状が制御された光拡散フィルムを簡便に製造することができる。さらに、特許文献4には内部に気泡を発生させたフィルムが開示されているが、フィルム表面形状については記載がない。特許文献5には微細な気泡と耐光剤を有する反射部材用のフィルムが開示されているが、フィルム表面形状については光沢度を検討しているのみであり、詳細な構造については記載がない。
特開2000−75134号公報 特開2001−172403号公報 特開2005−84113号公報 特開平9−155981号公報 特開2001−226501号公報
しかし、上記文献に記載の光拡散フィルム等は、全光透過率が低いので、画像表示装置に用いると、正面白輝度の低下の一因になる場合がある。また、十分な拡散性を確保するために多量の溶媒に溶解しない粒子を含有させる必要があるため、フィルムの脆性が悪化してしまったり、ドープの経時に伴い微粒子が凝集してフィルムの品質が悪化してしまったりする場合がある。また、内部に気泡を発生させた特許文献4および5に記載のフィルムについても表示性能の均一化や正面白輝度改善の観点から問題がある。
本発明は、液晶表示装置等の画像表示装置の表示性能の均一化及び薄型化に寄与する、新規な光学フィルム及び偏光板、ならびに前記光学フィルムを簡易に製造可能な方法を提供することを課題とする。
また、本発明は、白表示時の正面輝度が高く且つ画面内において均一であり、しかも薄型化に対応可能な、画像表示装置を提供することを課題とする。
前記課題を解決するための手段は、以下の通りである。特に、セルロースアシレート系ポリマーであることが薄型化の観点から好ましく、このようなフィルムは後述の方法で製造することができる。
[1] 均一な組成物からなる光学フィルムであり、そのフィルム表面に独立したくぼみを有し、該くぼみの深さが5μm以下であり、該くぼみの平均長径長が0.5〜100μmであり、フィルム表面における該くぼみの個数が25〜1000000個/mm 2 である光学フィルム。
[2] 2つの前記くぼみ間の平均間隔が0.5〜100μmであることを特徴とする[1]に記載の光学フィルム。
[3] フィルム表面における前記くぼみの個数分布の標準偏差が平均個数に対して±20%であることを特徴とする[1]または[2]に記載の光学フィルム。
[4] 前記くぼみの深さの標準偏差が平均深さに対して±20%であることを特徴とする[1]〜[3]のいずれか一項に記載の光学フィルム。
[5] フィルムの表面における前記くぼみが、下に凸で、フィルム表面と概ね平行な底部と、前記底部とくぼみ開口部とを連結する側部を有することを特徴とする[1]〜[4]のいずれか一項に記載の光学フィルム。
[6] ガラス転移温度前後における前記くぼみの寸法変化率が5%以下であることを特徴とする[1]〜[5]のいずれか一項に記載の光学フィルム。
[7] ヘイズが15%以上であることを特徴とする[1]〜[6]のいずれか一項に記載の光学フィルム。
[8] 全光透過率が50%以上であることを特徴とする[1]〜[7]のいずれか一項に記載の光学フィルム。
[9] 前記ポリマー組成物が、セルロースアシレート系ポリマーを主成分として含有することを特徴とする[1]〜[8]のいずれか一項に記載の光学フィルム。
[10] 誘電率が35以上の溶媒を含む少なくとも2種類以上の互いに相溶しない溶媒を含む溶媒中に、ポリマー組成物を溶解してポリマー溶液を調製する工程、及びポリマー溶液を製膜することを含むことを特徴とする光学フィルムの製造方法。
[11] 前記溶媒が、誘電率が35以上の溶媒を0.3〜30質量%含む溶媒であることを特徴とする[10]に記載の光学フィルムの製造方法。
[12] 前記ポリマーがセルロースアシレートであることを特徴とする[10]または[11]に記載の光学フィルムの製造方法。
[13] 前記溶媒が、誘電率が4〜10の溶媒および誘電率が10〜35の溶媒を含むことを特徴とする[10]〜[12]のいずれか一項に記載の光学フィルムの製造方法。
[14] 前記誘電率が35以上の溶媒が、水であることを特徴とする[10]〜[13]のいずれか一項に記載の方法。
[15] 誘電率が35以上の溶媒を含む少なくとも2種類以上の互いに相溶しない溶媒を含む溶媒中に、ポリマー組成物を溶解してポリマー溶液を調製する工程、及びポリマー溶液を製膜することを含む光学フィルムの製造方法において、ポリマー溶液を支持体上に流延して製膜し、その後、支持体から膜を剥離する工程を含み、更に製膜時、製膜後またはその両方のときに溶媒を蒸発させる工程を含む[10]〜[14]のいずれか一項に記載の光学フィルムの製造方法。
[16] [10]〜[15]のいずれか一項に記載の製造方法によって製造されたことを特徴とする光学フィルム。
[17] 偏光膜と、少なくとも1枚の[1]〜[9]および[16]のいずれか一項に記載の光学フィルムとを有することを特徴とする偏光板。
[18] [1]〜[9]および[16]のいずれか一項に記載の光学フィルムまたは[17]に記載の偏光板を少なくとも1枚有することを特徴とする画像表示装置。
[19] 液晶セルとバックライトを有し、前記偏光板が液晶セルとバックライトの間に、[1]〜[9]および[16]のいずれか一項に記載の光学フィルムをバックライト側にして配置されていることを特徴とする[18]に記載の画像表示装置。
本発明によれば、液晶表示装置等の画像表示装置の表示性能の均一化及び薄型化に寄与する、新規な光学フィルム及びそれを有する偏光板を提供することができる。本発明の光学フィルムは、その特徴的な表面性状に基づく拡散性を示すので、画像表示装置の輝度などの表示性能の均一化に寄与する。本発明の光学フィルムを用いることによって、モアレ等の干渉縞を発生させることなく、拡散フィルムを省略することができるので、画像表示装置の薄型化にも寄与する。即ち、本発明によれば、白表示時の正面(法線方向)輝度が高く且つ均一であり、しかも薄型化に対応可能な、画像表示装置を提供することができる。
また、本発明の製造方法によれば、本発明の光学フィルムを簡易に製造することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。なお、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。また、本発明では、本明細書では、「偏光膜」及び「偏光板」の用語を区別して用いるが、「偏光板」は「偏光膜」の少なくとも片面に該偏光膜を保護する透明保護膜を有する積層体を意味するものとする。また、ポリマーフィルム、偏光板及び画像表示装置の技術分野等、本発明が属する技術分野で許容されている誤差は、本明細書中に記載の数値範囲についても許容されるであろう。
[光学フィルム]
本発明の光学フィルムは、均一な組成物からなる光学フィルムであり、そのフィルム表面にくぼみを有し、該くぼみの深さの平均が5μm以下であり、該くぼみの平均長径長が0.5〜100μmであり、フィルム表面における該くぼみの個数が25〜1000000個/mm2であることを特徴とする。
本発明の光学フィルムは上記所定の表面形状に基づく光拡散性を示す。従って、本発明の光学フィルムを有する偏光板を画像表示装置に利用することにより、モアレ等の干渉縞を発生させることなく、光拡散フィルムを省略することができる。
(くぼみ)
本発明の光学フィルムの有するくぼみについて説明する。本明細書中、くぼみとは、平均長径長が0.5〜100μmであるものを言う。
本発明の光学フィルムのくぼみの平均長径長は0.5〜100μmであり、1〜50μmであることが好ましく、1〜30μmであることがより好ましい。なお、本明細書中、くぼみの長径とは、フィルム表面に形成されているくぼみ開口部(くぼみの端部)を結ぶ径の内、最も長い径のことを言う。くぼみの直径は画像処理ソフト(例えば、Image Pro Plus)を使用して、フィルムの面方向の各くぼみを認識し、それぞれの最も長い部分を測定することによって測定を行った。くぼみの平均長径長は、フィルム表面1mm2を1つ任意に選び、そこに存在するくぼみの長径の平均値のことをいう。
本発明の光学フィルムのくぼみの深さの平均は5μm以下であり、高拡散性能の観点では、1〜3μmであるのがより好ましい。くぼみの深さとは、特定の大きさのサンプルフィルム表面における、平均長径長が0.5〜100μmであるくぼみの深さを言い、また、くぼみの深さの平均(平均深さともいう)とは、特定の大きさのサンプルフィルム表面における、平均長径長が0.5〜100μmである全くぼみの深さの平均値のことを言う。
また、前記くぼみの2つのくぼみ間の平均間隔は拡散性能の調整の観点から1〜100μmであるのが好ましく、1〜50μmであるのがより好ましい。なお、本明細書中、2つのくぼみ間の平均間隔とは、すべてのくぼみについて、それに最も近いくぼみとの中心間の距離を測定し、その合計をくぼみの数で割った値のことを言う。
なお、本明細書では、フィルムのくぼみの深さ、平均長径長及び平均間隔は、表面形状測定装置によって測定される表面形状から算出される値を意味するものとする。表面形状測定装置としては、光干渉方式の計測装置を用いることもでき、触針式の計測装置を用いることもできる。光干渉方式の装置としては、三次元非接触表面形状計測システム(マイクロマップMM5000シリーズ;(株)菱化システム製)等を用いることができ、触針式の装置としては、触針式表面形状測定器(Dektak 6M;アルバック イーエス(株)製)等を用いることができる。なお、このような表面形状測定装置によって各くぼみにおけるフィルム表面からくぼみの最深部までの距離を自動的に測定および算出することができ、全くぼみについてこのような測定を行うことでくぼみの深さの平均を算出することができる。
本発明の光学フィルムは、フィルム表面における前記くぼみの個数が25〜1000000個/mm2である。前記フィルム表面における前記くぼみの個数は100〜100000個/mm2であることが、高拡散性能、かつ、高全光透過率の観点からより好ましく、500〜7000個/mm2であることが特に好ましい。
本発明の光学フィルムは、フィルム表面における前記くぼみの個数分布の標準偏差が平均個数に対して±20%であることが、面内均一な拡散性能かつ全光透過率の観点から好ましい。前記フィルム表面における前記くぼみの個数分布の標準偏差は平均個数に対して±10%であることがより好ましく、平均個数に対して±5%であることが特に好ましい。
ここで平均個数とは、フィルム表面から1mm2の領域を100ヶ所任意に選び、それぞれに存在するくぼみの個数の平均値のことをいう。このように、均一に分布をすることで本願の光散乱性の効果を有している。
本発明の光学フィルムは、前記くぼみの深さの標準偏差が平均深さに対して±20%であることが、面内均一な拡散性能かつ全光透過率の観点から好ましい。前記フィルム表面における前記くぼみの個数分布の標準偏差は平均深さに対して±10%であることがより好ましく、平均深さに対して±5%であることが特に好ましい。また、くぼみの個数平均分布は、単分散で、くぼみが均一に分布しているフィルムが好ましい。
ここで平均深さとは、くぼみを100個任意に選び、それらの深さの平均値のことをいう。
前記くぼみをフィルム面に垂直な方向から観察した際のくぼみ開口部の形状は、円形状であっても多角形状であっても、楕円状であってもその他の曲線で囲まれる図形状であってもよいが、円形状に近いことが高全光透過率の観点から好ましい。前記くぼみが円形状であるときの円相当径(投影面積円相当径)は、0.5〜100μmであることが拡散性能の調整の観点から好ましく、1〜50μmであることがより好ましく、1〜30μmであることが特に好ましい。同様に、前記くぼみをフィルム面に垂直な方向から観察した際のくぼみ底部に形成されていてもよい平面部の形状は、円形状であっても多角形状であっても、楕円状であってもその他の曲線で囲まれる図形状であってもよいが、円形状に近いことが高全光透過率の観点から好ましい。前記くぼみ底部に形成されていてもよい平面部が円形状であるときの円相当径(投影面積円相当径)は、0.12〜85μmであることが高全光透過率の観点から好ましく、0.35〜40μmであることがより好ましく、0.45〜25μmであることが特に好ましい。
また、前記くぼみの平均長径長と平均短径長の比(アスペクト比)は、0.8〜1.2であることが高全光透過率の観点から好ましく、0.85〜1.15であることがより好ましく、0.9〜1.1であることが特に好ましい。
(くぼみの断面形状)
前記くぼみの断面形状の好ましい形状について説明する。なお、ここでいう断面形状とは、フィルムを面に置いた時に厚み方向に垂直に切削した断面図における形状を表す。
前記くぼみの断面形状は最深部の深さが5μm以下であり、開口部の平均長径長が0.5〜100μmである以外に特に制限はないが、下に凸であることが好ましく、フィルム表面と概ね平行な底部と、前記底部とくぼみ開口部とを連結する側部から構成されることがより好ましい。このような形状の代表例として、カップ状のような形状が好ましい。前記カップ状とは、コーヒーカップやティーカップのように、くぼみの横幅のうち少なくとも25%がフィルム表面と概ね平行なくぼみ底部と、前記底部からくぼみ開口部に向かってゆるやかにカーブを描き、くぼみ端部の開口部ではフィルム表面に対して概ね垂直な面になっているくぼみ側部(両側部)とをもつ形状を言う。その意味でクレーター状やサイクロイド曲線状などもカップ状の形状に含まれる。
くぼみの断面形状として球状、方形状が考えられるが、球状では曲率が高いため、ヘイズを高くすることができるが、曲がる光も多いことから、前方への透過率がやや低くなり、結果全光透過率が低くなる。一方、方形状では、表面と平行な平面が多いため、全光透過率は高いが、光を曲げる面が少ないため、ヘイズがやや低くなる。
これらを考慮すると、前記くぼみの断面形状がカップ状であると、光を曲げる面(例えば、くぼみ側部)と、表面と平行な平面(例えば、くぼみ底部)とが共に存在するため、高ヘイズ、かつ、高全光透過率な光学フィルムの作成が可能となる。
前記くぼみの断面形状の確認方法に特に制限はないが、例えばSEMで確認することができる。
前記くぼみは、任意のフィルム断面における開口部の長さ(すなわち、くぼみの平均短径長、平均長径長両方とも)が0.5〜100μmであることが拡散性能の調整の観点から好ましく、1〜50μmであることがより好ましく、1〜30μmであることが特に好ましい。
前記くぼみ底部は、フィルム表面と概ね平行であることが高全光透過率の観点から好ましく、フィルム表面に対する前記くぼみの底部の面の傾きが±10°以内であることがより好ましく、±5°以内であることが特に好ましく、±2.5°以内であることがより特に好ましい。
任意のフィルム断面における前記くぼみ底部の長さ(すなわち、くぼみ底部の短径および長径の両方とも)が0.12〜85μmであることが高全光透過率の観点から好ましく、0.35 〜40μmであることがより好ましく、0.45〜25μmであることが特に好ましい。
前記くぼみの底部は、任意の場所におけるフィルム断面において、くぼみの横幅を100%とすると、少なくとも25〜85%の幅に形成されていることが好ましく、35〜80%の幅に形成されていることがより好ましく、45〜75%の幅に形成されていることが特に好ましい。
前記くぼみ側部の好ましい形状は、上述のカップ状であるくぼみの側部の説明における好ましい形状と同様である。くぼみ底部からくぼみ開口部に向かってゆるやかにカーブを描き、くぼみ開口部ではフィルム表面に対して概ね垂直な面になっているくぼみ側部をもつことが高拡散性能、かつ、高全光透過率の観点から好ましい。さらに、前記くぼみ側部のカーブは、くぼみ底部からくぼみ開口部に向けて徐々に曲率半径が小さくなることが高拡散性能、かつ、高全光透過率の観点から、より好ましい。
本発明の光学フィルムの寸法変化率は以下の測定方法で求めた。各ポリマーのガラス転移温度+10℃で、24時間放置をした。その前後での、くぼみの平均長径長の寸法を測定し、その変化率を求めた。寸法変化率が5%以下であることが、経時変化に対する拡散性能かつ全光透過率の安定性の観点から好ましい。前記ガラス転移温度前後における前記くぼみの寸法変化率は3%以下であることがより好ましく、1.5%以下であることが特に好ましい。本発明の光学フィルムは、フィルム全体に、フィルム組成物の密度がほぼ均一になっているために、寸法変化率が小さくなると推定される。
この様な特性の表面性状は、後述する本発明の製造方法によってフィルムを作製することによって形成されるものであり、通常のエンボス加工や、微粒子を分散含有させることによっては達成し得ない。なお、表面にくぼみをつけることは、例えば、表面を紙ヤスリで削ることや微細な粒子(砂やシリカ粒子など)を表面に当てることでも可能だが、これらの場合、形状はランダムに近いものとなり、本発明のフィルムの有するくぼみの形状の範囲が上記範囲から外れるため、高ヘイズだが、全光透過率が低くなる。また表面を粗らす工程以外にも、表面クズなどを回収する工程などが増えるため、コストが高くなる。
また本発明の光学フィルムは、エンボス加工など熱や加圧による方法で表面形状を変化させてフィルム表面にくぼみを形成した場合よりも、液晶表示装置に組み込んだ際のムラを低減させることができる。本発明のフィルムの表面形状は、自発的な構造形成によるものであるため、フィルムの表面付近の残留応力が小さいという特徴を持つ。そのため、表面凹凸の熱膨張係数や湿度膨張係数といった寸法変化率が小さいという特長を有しており、これは熱がかかった状態で顕著に表れ、とりわけ比較的親水的なセルロース系ポリマーを主ポリマーとして用いたフィルムでは、特に顕著に表れる。すなわち、近年の液晶表示装置は、高輝度化に伴ってバックライトユニットの発熱量が大きくなると同時に、薄型化に伴ってバックライトユニットと光学フィルムとの距離が近くなっており、エンボス加工などで表面形状を変化させたフィルムを組み込んだ場合と比較して、場所による温度差に起因した表面形状変化を抑制できるため、結果として液晶表示装置の輝度ムラを低減させることができる。
(その他の特性)
本発明の光学フィルムのヘイズは、15%以上であるのが好ましく、30%以上であるのがより好ましく、50%以上であるのが特に好ましく、70%以上であるのがさらに好ましい。ヘイズが高いほど、光拡散性能は高くなるが、一方、全光透過率の低下により、画像表示装置に利用すると、正面白輝度の低下の一因になる。その観点では、本発明の光学フィルムのヘイズは、50〜95%であるのが好ましく、60〜90%であるのがより好ましい。
なお、ヘイズは、ヘイズメーター(NDH2000;日本電色工業(株)製)により測定することができる。ポリマー溶液の測定の際には、間隔が1mmに調整された一対のガラス板の間にドープを注入した上で測定を実施した。
本発明の光学フィルムの全光透過率は50%以上であることが好ましく、60〜95%であることがより好ましく、65〜90%であることが特に好ましい。さらに、本発明の光学フィルムの平行透過率は、5〜35%であることが好ましく、10〜30%であることがより好ましく、15〜25%であることが特に好ましい。なお、本明細書中、全光透過率とは直線光と拡散光を含む光線の透過率を表し、平行透過率とは直線光のみを含む光線の透過率を表す。
(組成)
本発明の光学フィルムは、均一な組成物からなる。すなわち、均一な組成物であればフィルム内部で発生する後方散乱を低減させることができるため、ヘイズの高さと全光透過率の高さとを両立することができ、また、均一な組成物であれば製造過程で発生するフィルム屑を回収して原料に混ぜて使っても品質が低下しないため、コストを低減させることが可能となる。ここで、均一な組成物とは、光の散乱を起こすサイズの、例えば粒子のような物質を実質的に含まないことを表し、実質的に含まないとは、光の散乱を起こすサイズの異物起因のヘイズが、全ヘイズ中の5%未満の寄与率であることを表す。
同様に、本発明の光学フィルムは、前記くぼみも均一な組成物で形成されているため、全光透過率を上昇させ、かつコストを低減することができる。
本発明の光学フィルムは、ポリマー組成物からなる。利用するポリマーについては制限はないが、可視光に対して光透過性の高いポリマーから選択するのが好ましい。また、後述する本発明の方法により製造する場合は、溶液製膜可能なポリマー材料から選択するのが好ましい。使用可能なポリマー材料の例には、セルロースアシレート、ポリカーボネート、ポリビニルアルコール、ポリイミド、ポリオレフィン、ポリアリレート、ポリエステル、ポリスチレン、スチレン系共重合体、ポリメチルメタクリレート、メチルメタクリレート系共重合体、ポリ塩化ビニリデン等が含まれる。但し、これらに限定されるものではない。貼り合せる偏光膜が、通常、ポリビニルアルコール膜であることを考慮すると、これと親和性があり、接着性が良好な、セルロースアシレート、ポリビニルアルコールを主成分のポリマーとして含有することが好ましく、経時安定性の観点からセルロースアシレートが好ましい。ここで、「主成分としてのポリマー」とは、フィルムが単一のポリマーからなる場合には、そのポリマーのことを示し、複数のポリマーからなる場合には、構成するポリマーのうち最も質量分率の高いポリマーのことを示す。
使用可能なセルロースアシレートについてさらに説明する。
セルロースアシレートフィルムの原料のセルロースとしては、綿花リンター、ケナフ、木材パルプ(広葉樹パルプ、針葉樹パルプ)等があり、何れの原料セルロースから得られるセルロースエステルでも使用でき、場合により混合して使用してもよい。
セルロースアシレートは、セルロースとカルボン酸とのエステルである。前記セルロースアシレートは、セルロースを構成するグルコース単位の2位、3位および6位に存在するヒドロキシル基の水素原子の全部または一部が、アシル基で置換されている。アシル基の炭素原子数は2〜22のであることが好ましく、2〜4であることがより好ましい。前記アシル基の例としては、例えば、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、ピバロイル基、ヘプタノイル基、ヘキサノイル基、オクタノイル基、デカノイル基、ドデカノイル基、トリデカノイル基、テトラデカノイル基、ヘキサデカノイル基、オクタデカノイル基、シクロヘキサンカルボニル基、オレオイル基、ベンゾイル基、ナフチルカルボニル基、および、シンナモイル基が挙げられる。前記アシル基としては、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、ドデカノイル基、オクタデカノイル基、ピバロイル基、オレオイル基、ベンゾイル基、ナフチルカルボニル基、シンナモイル基が好ましく、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基が最も好ましい。
セルロースアシレートは、セルロースと複数のカルボン酸とのエステルであってもよい。すなわち、セルロースアシレートは、複数のアシル基で置換されていてもよい。
セルロースアシレートのセルロースの水酸基に置換されているアセチル基(炭素数2)の置換度をSAとし、セルロースの水酸基に置換されている炭素数3以上のアシル基の置換度をSBとしたとき、SAおよびSBを調整することにより、本発明の製造方法により製造されるセルロースアシレートフィルムのヘイズを調整することができる。
本発明の光学フィルムである、本発明の製造方法により製造されるセルロースアシレートフィルムに求めるヘイズにより、適宜、SA+SBを調整することとなるが、好ましくは2.70<SA+SB≦3.00、より好ましくは2.80≦SA+SB≦3.00であり、さらに好ましくは2.85≦SA+SB≦2.98である。SA+SBを大きくすることによりヘイズを高くしやすい傾向がある。
また、SBを調整することによっても、本発明の製造方法により製造されるセルロースアシレートフィルムのヘイズを調整することができる。SBを大きくすることにより、ヘイズを高くしやすい傾向があると同時に、フィルムの弾性率や融点が下がる。フィルムのヘイズとその他の物性とのバランスを考慮すると、SBの範囲は、好ましくは0≦SB≦2.9、より好ましくは0.5≦SB≦2.5であり、さらに好ましくは1≦SB≦2.0である。なお、セルロースの水酸基がすべて置換されているとき、上記の置換度は3となる。
セルロースアシレートの合成方法は、発明協会公開技報公技番号2001−1745号(2001年3月15日発行発明協会)p.7〜12に詳細に記載されているので、参照することができる。
本発明の光学フィルムは、主原料となる1種又は2種以上のポリマーとともに、添加剤を含有していてもよい。添加剤の例には、可塑剤(好ましい添加量はポリマーに対して0.01〜10質量%、以下同様)、紫外線吸収剤(0.001〜1質量%)、フッ素系界面活性剤(0.001〜1質量%)、剥離剤(0.0001〜1質量%)、劣化防止剤(0.0001〜1質量%)、光学異方性制御剤(0.01〜10質量%)、赤外線吸収剤(0.001〜1質量%)等が含まれる。また、本発明の効果を損なわない範囲で、微量の有機材料、無機材料及びそれらの混合物からなる粒子を分散含有していてもよい。これらの粒子は、製膜時におけるフィルムの搬送性向上を目的として添加される。この目的を達成し、本発明の効果を損なわないためには、粒子の粒径は5〜3000nmであるのが好ましく、屈折率は本発明のポリマーフィルムの屈折率との差が0〜0.5であるのが好ましく、添加量は1質量%以下であるのが好ましい。例えば、無機材料の粒子の例には、酸化珪素、酸化アルミニウム、硫酸バリウム等の粒子が含まれる。有機材料の粒子の例には、アクリル系樹脂、ジビニルベンゼン系樹脂、ベンゾグアナミン系樹脂、スチレン系樹脂、メラミン系樹脂、アクリル−スチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂等が含まれる。
[光学フィルムの製造方法]
本発明の光学フィルムの製造方法の一例は、以下の通りである。以下の方法によれば、煩雑な操作や特別な装置等が不要であり、簡易に本発明の光学フィルムを製造することができる。
まず、ポリマー組成物の溶液を調製する。該溶液中のポリマーの濃度は、5〜40質量%であるのが好ましく、10〜25質量%であるのがより好ましく、10〜15質量%であることがさらに好ましい。濃度が好ましい範囲であると、製膜性向上の観点や、ロングランに伴ってフィルムに発生するスジ状故障低減の観点から好ましい。
本発明では、ポリマー溶液の調製の際に、溶媒として、誘電率が35以上の溶媒を含み、かつ、少なくとも2種類以上の互いに相溶しない溶媒を含む溶媒を用いることを特徴とし、これにより表面形状が適切に制御されたフィルムを製造することができる。通常は互いに相溶する溶剤でポリマー溶液を作成するため、表面にくぼみがないフィルムであることが多く、また、溶剤組成の調整により表面にくぼみを形成させたとしても、同時にフィルム内部に空隙のあるフィルムとなってしまう。そして、このようなフィルムでは、ヘイズ上昇に伴って全光透過率も低下してしまうため、ヘイズ値と全光透過率とを両立させることができない。本発明では誘電率が35以上の溶媒を含む少なくとも2種類以上の互いに相溶しない溶媒を含む溶媒中に、ポリマー組成物を溶解してポリマー溶液を調製する工程、及びポリマー溶液を製膜することで、本発明で規定する形状の微細なくぼみを表面に有するフィルムが得ることができる。なお、本発明のフィルムは、フィルムの内部空隙率が低いという特徴も有しており、具体的には、フィルムの内部空隙率が10%以下(体積比)であることが好ましく、5%以下であることがより好ましく、3%以下であることが特に好ましい。
本発明においては、具体的には、誘電率が35以上の溶媒(以下、「高誘電率溶媒」という)を0.3質量%以上含む溶媒を用いることが好ましく、フィルムの表面形状をより適切に制御することができる。高誘電率溶媒を1.0質量%以上含む溶媒を用いるのがより好ましく、高誘電率溶媒を1.5質量%以上含む溶媒を用いるのがさらに好ましい。一方、高誘電率溶媒の割合が高すぎると、ポリマーが溶解し難くなり、ポリマー溶液の調製が困難になったり、ポリマー溶液を調製できてもヘイズが高いドープとなってしまい、ドープの経時安定性が悪化したり、フィルム中の異物が増加することがある。この観点では、高誘電率溶媒は、30質量%以下であるのが好ましく、10質量%以下であるのがより好ましい。高誘電率溶媒を所定の範囲で含有する溶媒を用いて調製されたポリマー溶液を製膜することで、製膜時に又は製膜後に溶媒が蒸発する際に、溶液中でポリマーと高誘電率溶媒との相分離が起こると考えられる。その結果、本発明の光学フィルムが有するような、表面に微細なくぼみがより得やすくなる。さらに、効果的に表面の微細なくぼみを形成させる観点から、高誘電率溶媒の沸点は、後述の低沸点溶媒の沸点よりも高いことが好ましく、5℃以上高いことがより好ましく、10℃以上高いことがさらに好ましく、また、両者が共沸しないことが好ましい。
本発明の方法では、ドープのヘイズ(τ0)と、乾燥後の膜のヘイズ(τ1)とが、下記式(I)を満足することが好ましく、特にポリマー溶液のヘイズは、ドープの溶解性に相関するパラメータであり、これが下記範囲内であるとドープの経時安定性を十分に確保したり、製膜後のフィルムに存在する異物を低減したりすることができる。
(I) τ0<τ1
ポリマー溶液のヘイズτ0は、0.2〜50%程度であることが好ましく、0.2〜30%であることがより好ましく、0.3〜10%であることがさらに好ましい。
ここで、溶媒の誘電率について記載する。誘電率は電束密度Dと電場Eとの関係D=εEを与えるεをいい、溶剤分子の分極のし易さと相関を有するパラメータである。溶媒の誘電率の値は、例えば、日本化学会編「化学便覧基礎編I(改訂5版)」I−770頁に「比誘電率」として掲載されている。
高誘電率溶媒の例には、水(誘電率78)、グリセリン(誘電率43)、エチレングリコール(誘電率37)、ジメチルホルムアミド(誘電率37)、アセトニトリル(誘電率38)、ジメチルスルホキシド(誘電率49)、ギ酸(誘電率58)、ホルムアミド(誘電率110)が含まれる。中でも、製膜過程での乾燥性や安全性といった取り扱い性の観点から水が好ましい。高誘電率溶媒の沸点は、製膜時の表面形状制御の観点から70〜300℃が好ましく、更に好ましくは80〜250℃、最も好ましくは90〜210℃である。
高誘電率溶媒とともに、少なくとも1種のポリマーの良溶媒である有機溶媒を主溶媒として用いるのが好ましい。主溶媒の種類については特に制限はないが、前記高誘電率溶媒と互いに相溶しないことが好ましく、前記高誘電率溶媒と前記ポリマーの主溶媒以外の溶媒を用いない場合は前記ポリマーの主溶媒は前記高誘電率溶媒と互いに相溶しない溶媒である必要がある。前記主溶媒は、沸点が80℃以下の有機溶媒が乾燥負荷低減の観点からより好ましい。前記主溶媒の沸点は、10〜80℃であることがさらに好ましく、20〜60℃であることが特に好ましい。また、場合により沸点が30〜45℃である有機溶媒も前記主溶媒として好適に用いることができる。このような主溶媒としては、ハロゲン化炭化水素を特に好ましく挙げることができ、場合により、エステル、ケトン、エーテル、アルコールおよび炭化水素などが挙げることもでき、これらは分岐構造若しくは環状構造を有していてもよい。また、前記主溶媒は、エステル、ケトン、エーテルおよびアルコールの官能基(即ち、−O−、−CO−、−COO−、−OH)のいずれかを二つ以上有していてもよい。さらに、前記エステル、ケトン、エーテルおよびアルコールの炭化水素部分における水素原子は、ハロゲン原子(特に、フッ素原子)で置換されていてもよい。なお、本発明の製造方法に用いるポリマー溶液の主溶媒とは、単一の溶媒からなる場合には、その溶媒のことを意味し、複数の溶媒からなる場合には、構成する溶媒のうち、最も質量分率の高い溶媒のことを意味する。
また、これら主溶媒と併用される有機溶媒としては、前記高誘電率溶媒の他に、ハロゲン化炭化水素、エステル、ケトン、エーテル、アルコールおよび炭化水素などを挙げることもでき、これらは分岐構造若しくは環状構造を有していてもよい。また、前記有機溶媒としては、エステル、ケトン、エーテルおよびアルコールの官能基(即ち、−O−、−CO−、−COO−、−OH)のいずれか二つ以上を有していてもよい。さらに、前記エステル、ケトン、エーテルおよびアルコールの炭化水素部分における水素原子は、ハロゲン原子(特に、フッ素原子)で置換されていてもよい。なお、前記ポリマーの主溶媒が前記高誘電率溶媒と互いに相溶する溶媒である場合は、本発明では主溶媒と併用される有機溶媒が前記高誘電率溶媒と互いに相溶しない溶媒である必要がある。
前記ハロゲン化炭化水素としては、塩素化炭化水素がより好ましく、例えば、ジクロロメタンおよびクロロホルムなどが挙げられ、ジクロロメタンがさらに好ましい。
前記エステルとしては、例えば、メチルホルメート、エチルホルメート、プロピルホルメート、ペンチルホルメート、メチルアセテート、エチルアセテート、ペンチルアセテートなどが挙げられる。
前記ケトンとしては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノンなどが挙げられる。
前記エーテルとしては、例えば、ジエチルエーテル、メチル−tert−ブチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジメトキシメタン、ジメトキシエタン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、4−メチルジオキソラン、テトラヒドロフラン、メチルテトラヒドロフラン、アニソール、フェネトールなどが挙げられる。
前記アルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、tert−ブタノール、1−ペンタノール、2−メチル−2−ブタノール、シクロヘキサノール、2−フルオロエタノール、2,2,2−トリフルオロエタノール、2,2,3,3−テトラフルオロ−1−プロパノールなどが挙げられる。
前記炭化水素としては、例えば、n−ペンタン、シクロヘキサン、n−ヘキサン、ベンゼン、トルエンなどが挙げられる。
主成分としてのポリマーがセルロースアシレートである場合、上記の溶媒の中でも、前記高誘電率溶媒とともに、誘電率が10〜35程度の溶媒(本明細書中で「中誘電率溶媒」ということがある)と、誘電率が4〜10程度の低誘電率の溶媒(本明細書中で「低誘電率溶媒」ということがある)とを混合した溶媒を利用すると、高透明性のポリマー溶液を安定的に調製できるので好ましい。すなわち、表面形状制御の観点からは、前記高誘電率溶媒を用いることが好ましく、ポリマーの溶解性向上の観点からは、低誘電率溶媒を用いることが好ましいが、これらの溶媒は相溶性が悪く、ドープの安定性が劣るため、中誘電率溶媒を併用することにより、相溶性を向上させることができ、フィルムの表面形状制御とドープ安定性との両立範囲を拡張し、製造適性を向上させることができるのである。前記中誘電率溶媒は、溶媒中に0.3〜30質量%含有されることが好ましく、1〜15質量%がより好ましく、2〜10質量%がさらに好ましい。
前記中誘電率溶媒の例には、上記アルコール類、ケトン類、エーテル類が含まれ、具体的には、アセトン(誘電率21)、メチルエチルケトン(誘電率19)、ジエチルケトン(誘電率14)、ジイソブチルケトン(誘電率15)、シクロペンタノン(誘電率19)、シクロヘキサノン(誘電率18)、メチルシクロヘキサノン(誘電率18)、2−エトキシ酢酸エチル(誘電率11)、2−メトキシエタノール(誘電率30)、1,2−ジアセトキシアセトン(誘電率16)、アセチルアセトン(誘電率17)、アセト酢酸エチル(誘電率16)、メタノール(誘電率33)、エタノール(誘電率24)、1−プロパノール(誘電率22)、2−プロパノール(誘電率22)、1−ブタノール(誘電率17)、2−ブタノール(誘電率16)、tert−ブタノール(誘電率11)、1−ペンタノール(誘電率14)、2−メチル−2−ブタノール(誘電率13)、シクロヘキサノール(誘電率15)等が含まれる。
前記低誘電率溶媒の例には、上記ハロゲン化炭化水素類、エステル類が含まれ、具体的には、ジクロロメタン(誘電率誘電率9)、ジメトキシエタン(誘電率6)、1,4−ジオキサン(誘電率2)、1,3−ジオキソラン(誘電率3)、1,3,5−トリオキサン(誘電率3)、テトラヒドロフラン(誘電率8)、アニソール(誘電率4)およびフェネトール(誘電率4)、蟻酸エチル(誘電率9)、蟻酸n−プロピル(誘電率6)、蟻酸n−ペンチル(誘電率6)、酢酸メチル(誘電率7)、酢酸エチル(誘電率6)、酢酸n−ペンチル(誘電率5)、2−ブトキシエタノール(誘電率9)等が含まれる。
これらの溶媒の中でも、水と、アルコール類の少なくとも一種と、ハロゲン化炭化水素類の少なくとも一種との混合溶媒が好ましく、水を0.3〜30質量%、アルコール類の少なくとも一種を1〜30質量%、及びハロゲン化炭化水素類の少なくとも一種を60〜99質量%含有する混合溶媒がより好ましい。中でも、水(誘電率78)と、メタノール(誘電率33)と、ジクロロメタン(誘電率9)との混合溶媒が好ましい。水の含有量はフィルムのヘイズ上昇の観点から多い方が好ましいが、ポリマーの溶解性やポリマー溶液の粘弾性特性といった製膜性を考慮すると、0.5〜10質量%がより好ましく、1〜5質量%がさらに好ましい。また、アルコール類の含有量はフィルムのヘイズ上昇の観点から少ないほうが好ましいが、ポリマーの溶解性や、ロングランに伴ってフィルムに発生するスジ状故障低減を始めとする製膜性を考慮すると、3〜20質量%がより好ましく、5〜10質量%がさらに好ましい。そして、主溶媒以外の溶媒の合計比率の好ましい範囲は、これらの組み合わせとして、0.8〜40質量%であることが好ましく、2〜35質量%であることがより好ましい。
ポリマー溶液の調製は、通常のソルベントキャスト法におけるドープの調製方法及び装置を用いて実施することができる。一例として、一旦、低温にて、溶媒中でポリマー及び所望により添加される添加剤を膨潤させつつ、溶解を進行させる工程(膨潤工程)と、その後、加熱及び加圧下で、ポリマー等を完全に溶解させる工程(溶解工程)とを含む方法である。
膨潤工程では、溶媒の温度を−10〜39℃程度の低温に維持する。膨潤工程時には、攪拌を実施し、ポリマー等の一部又は全部について、溶媒中への溶解を進行させるのが好ましい。膨潤工程は、一般的には、0.1〜6時間程度行うことが好ましい。
次に、溶解工程では、溶媒の温度を40〜240℃程度の温度まで加熱するとともに、0.2〜30MPa程度まで加圧するのが好ましい。但し、この範囲に限定されるものではなく、溶質及び溶媒の種類に応じて決定される。溶解工程は、0.1〜6時間程度行うことが好ましい。
次に、得られたポリマー溶液を製膜する。製膜は、一般的なソルベントキャスト法に従って行うことができる。具体的には、調製したポリマー溶液を、ドラム又はバンド上に流延し、溶媒を蒸発させて製膜する。前記ドラム又はバンドの表面は、鏡面状態に仕上げておくことが好ましい。本発明の製造方法に基づくドープは、単層で流延してもよく、複数層で共流延してもよい。複数層で共流延する場合には、多層シート・フィルム製造で一般的に用いられる方法を用いることができ、例えば、層数の調整が容易なフィードブロック法や、各層の厚み精度に優れるマルチマニホールド法を用いることができ、本発明においては、フィードブロック法をより好ましく用いることができる。また、製膜方法が複数層を同時または逐次流延する共流延である場合、特に層が3層以上の場合には、ヘイズ上昇の観点からは、本発明の製造方法に基づくドープは、表層もしくは表層の次の層に用いられることが好ましい。本発明の製造方法に基づくドープが表層の次の層に用いる場合には、表層の厚みは10μm、またはフィルム総厚みの10%以下のうちの小さい方の厚みであることが好ましく、5μmまたは5%以下であることがより好ましく、3μmまたは3%以下であることがさらに好ましく、このような場合、経時でのギーサー汚れが低減されることがあるため好ましい。また、前記ドラム又はバンド表面からの剥離性の観点からは、本発明の製造方法に基づくドープは、支持体と直接接触しない層に用いられることが好ましい。
ソルベントキャスト法における流延及び乾燥方法については、例えば、特開昭58−127737号公報、同61−106628号公報、特開平2−276830号公報、同4−259511号公報、同5−163301号公報、同9−95544号公報、同10−45950号公報、同10−95854号公報、同11−71463号公報、同11−302388号公報、同11−322946号公報、同11−322947号公報、同11−323017号公報、特開2000−53784号公報、同2000−273184号公報、同2000−273239号公報、米国特許第2336310号明細書、米国特許第2367603号明細書、米国特許第2492078号明細書、米国特許第2492977号明細書、米国特許第2492978号明細書、米国特許第2607704号明細書、米国特許第2739069号明細書、米国特許第2739070号明細書、英国特許第640731号明細書、英国特許第736892号明細書、特公昭45−4554号公報、特公昭49−5614号公報、特開昭60−176834号公報、特開昭60−203430号公報、特開昭62−115035号公報に記載のものを採用できる。
前記ドープは、表面温度が10℃以下の、ドラム及びバンド等の支持体上に流延することが好ましい。
本発明の方法では、上記ポリマー溶液を支持体上で製膜し、その後、剥ぎ取った後に、さらに乾燥することが好ましい。この乾燥工程で、膜中の残留溶剤が蒸発される。乾燥は、乾燥風を送風することで行うことができる。乾燥風の温度を段階的に上昇させて、多段階的に乾燥を行ってもよい。溶液流延製膜方法の流延工程、乾燥工程の詳細については、特開2005−104148号公報の120〜146頁にも記載があり、適宜本発明にも適用することができる。
製膜されたポリマーフィルムは、そのまま本発明の光学フィルムとして利用することができる。また、所望により延伸処理を実施して、さらにヘイズを調整してもよい。延伸条件については特に制限はない。通常行われる条件、例えば、延伸温度が(Tg−20)〜(Tg+50)℃程度、及び延伸倍率が20〜40%程度で実施することができる。
延伸は、ロール延伸機を利用して実施することができる。縦又は横一軸延伸処理を行っても、二軸延伸処理を行ってもよい。一般的には、長尺状のフィルムを長手方向に延伸する、縦一軸延伸処理が行われるであろう。
本発明の光学フィルムの厚みについては、特に制限はないが、一般的には、20〜200μm程度であり、薄型化の観点では、20〜100μm程度であるのが好ましい。
[偏光板、液晶表示装置]
本発明の光学フィルムは、偏光膜(以下、偏光子とも言う)に貼合されて、画像表示装置等、種々の用途に用いられる。偏光膜と貼合する前に、前記偏光板保護フィルムの貼合面を、表面処理してもよい。表面処理によって、偏光膜との接着性が改善される。表面処理の例には、コロナ放電処理、グロー放電処理、火炎処理、酸処理、アルカリ処理(鹸化処理)及び紫外線照射処理等が含まれる。前記偏光板保護フィルムが、セルロースアシレートを主成分として含有する場合は、鹸化処理を施すことが特に好ましい。
前記偏光子については特に制限はない。種々の偏光子を利用することができる。Optiva Inc.に代表される塗布型偏光子、又はバインダーとヨウ素、もしくは二色性色素とからなる偏光子が好ましい。
前記偏光子の、本発明の光学フィルムを貼合する面と反対側の面にも、保護フィルムが貼合されているのが好ましい。該保護フィルムのポリマー材料の例は、本発明の光学フィルムの作製に用いられるポリマー材料の例と同様である。中でも、セルロースアシレートフィルム、ノルボルネン系樹脂フィルム、ポリカーボネートフィルムが好ましい。
本発明の光学フィルムと、偏光膜とを貼合する際、接着剤を用いてもよく、例えば、ポリビニルアルコール系樹脂(アセトアセチル基、スルホン酸基、カルボキシル基、オキシアルキレン基による変性ポリビニルアルコールを含む)やホウ素化合物水溶液を接着剤として用いることができる。これらの中でも、ポリビニルアルコール系樹脂が好ましい。接着剤層の厚みは、乾燥後に0.01〜10μmの範囲にあることが好ましく、0.05〜5μmの範囲にあることが特に好ましい。
本発明の光学フィルム、もしくは本発明の光学フィルムを有する偏光板は、液晶表示装置、プロジェクション型の表示装置、EL表示装置等、種々の画像表示装置に利用することができる。本発明の光学フィルム、もしくは本発明の光学フィルムの偏光板を利用することにより、従来、輝度等の表示性能均一性の改善や、モアレ等の干渉縞の抑制のために必要であった拡散フィルムを省略することができ、画像表示装置の薄型化に寄与する。
本発明の光学フィルムを有する偏光板は、画像表示装置の光源近くに配置される偏光板として利用するのが好ましく、本発明の光学フィルムが光源に最も近くなる配置で組み込むのが好ましい。例えば、透過型液晶表示装置に用いる場合は、バックライト側の偏光板として用いるのが好ましく、本発明の光学フィルムを、液晶セル側ではなく、バックライト側にして配置するのが好ましい。
本発明の光学フィルムを有する偏光板は、他の機能層をさらに有していてもよい。液晶表示装置に用いられる態様では、液晶セルの複屈折を補償するための光学補償層、反射防止層、防眩層、ハードコート層等を有していてもよい。
以下に実施例を挙げて本発明の特徴をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。
(測定法)
まず、以下の実施例において測定した種々の特性の測定法及び評価法を以下に示す。
1.ガラス転移点(Tg)
DSC測定装置(DSC8230:(株)リガク製)を用い、DSCのアルミニウム製測定パン(Cat.No.8578:(株)リガク製)に、熱処理前のポリマーフィルムのサンプルを5〜6mg入れる。これを50mL/分の窒素気流中で、25℃から120℃まで、20℃/分の昇温速度で昇温して15分保持した後、30℃まで−20℃/分で冷却する。その後、再度、30℃から250℃まで20℃/分の昇温速度で昇温し、その際に測定されるサンプルのサーモグラムと2本のベースラインの中線との交点の温度を、フィルムのガラス転移点とした。
2.結晶化温度(Tc)
DSC測定装置(DSC8230:(株)リガク製)を用い、DSCのアルミニウム製測定パン(Cat.No.8578:(株)リガク製)に、熱処理前のポリマーフィルムのサンプルを5〜6mg入れる。これを50mL/分の窒素気流中で、25℃から120℃まで20℃/分の昇温速度で昇温して15分保持した後、30℃まで−20℃/分で冷却する。さらに、再度、30℃から320℃まで20℃/分の昇温速度で昇温し、この際に現れた発熱ピークの開始温度をフィルムの結晶化温度とした。
3.置換度
セルロースアシレートのアシル置換度は、Carbohydr.Res.273(1995)83−91(手塚他)に記載の方法で13C−NMRにより求めた。
4.ヘイズ、全光透過率および平行透過率
フィルムの幅方向5点(フィルムの中央部、端部(両端からそれぞれ全幅の5%の位置)、及び中央部と端部の中間部2点)とを長手方向に100mごとにサンプリングし、5cm□の大きさのサンプルを取り出す。このサンプルを25℃、相対湿度60%にて24時間調湿後、ヘイズメーター(NDH 2000:日本電色工業(株)製)を用いて各サンプルのヘイズを測定し、その平均値をフィルムのヘイズとした。なお、ポリマー溶液の場合には、前述の方法に従って測定を実施した。
全光透過率及び平行透過率についても、同様にサンプリングし、各サンプルについてそれらを、前述の方法に従って測定し、その平均値をフィルムの全光透過率及び平行透過率とした。
5.くぼみの形状
フィルムの搬送方向の5点をフィルムの中心部を基準としてサンプリングし、5cm□の大きさのサンプルを取り出す。このサンプル中に含まれるくぼみのうち、1000点について、三次元非接触型表面形状計測システム((株)菱化システム製)を用いて、くぼみの深さ、深さの標準偏差、くぼみ開口部の平均長径長、くぼみ開口部の平均短径長、一定面積あたりのくぼみの個数、くぼみの個数の標準偏差、くぼみ間の平均間隔(くぼみとくぼみの中心間隔)を測定した。
(合成例:セルロースアセテートプロピオネートの合成)
セルロース(広葉樹パルプ)150g、酢酸75gを、反応容器である還流装置を付けた5Lセパラブルフラスコに取り、60℃に調節したオイルバスにて加熱しながら、2時間激しく攪拌した。このような前処理を行ったセルロースは膨潤、解砕されて、フラッフ状を呈した。反応容器を2℃の氷水浴に30分間置き冷却した。
別途、アシル化剤としてプロピオン酸無水物1545g、硫酸10.5gの混合物を作製し、−30℃に冷却した後に、上記の前処理を行ったセルロースを収容する反応容器に一度に加えた。30分経過後、外設温度を徐々に上昇させ、アシル化剤の添加から2時間経過後に内温が25℃になるように調節した。反応容器を5℃の氷水浴にて冷却し、アシル化剤の添加から0.5時間後に内温が10℃、2時間後に内温が23℃になるように調節し、内温を23℃に保ってさらに3時間攪拌した。反応容器を5℃の氷水浴にて冷却し、5℃に冷却した25質量%含水酢酸120gを1時間かけて添加した。内温を40℃に上昇させ、1.5時間攪拌した。次いで反応容器に、50質量%含水酢酸に酢酸マグネシウム4水和物を硫酸の2倍モル溶解した溶液を添加し、30分間攪拌した。25質量%含水酢酸1L、33質量%含水酢酸500mL、50質量%含水酢酸1L、水1Lをこの順に加え、セルロースアセテートプロピオネートを沈殿させた。得られたセルロースアセテートプロピオネートの沈殿は温水にて洗浄を行った。このときの洗浄条件を変化させることで、残硫酸根量を変化させたセルロースアセテートプロピオネートを得ることができる。硫酸根の含有量は、ASTM D−817−96により測定できる。洗浄後、20℃の0.005質量%水酸化カルシウム水溶液中で0.5時間攪拌し、洗浄液のpHが7になるまで、さらに水で洗浄を行った後、70℃で真空乾燥させた。
1H−NMR及び、GPC測定によって、得られたセルロースアシレートのアセチル置換度、プロピオニル置換度、及び重合度を測定した。
下記実施例で使用したセルロースアシレートA及びBについては、上述の従来の方法を参照して製造した。
[実施例1〜22、比較例1、2、4]
(光学フィルムの製造と評価)
下記表に示す通り、以下のセルロースアシレートAまたはBのいずれかを表中に記載の割合で添加し、下記の溶媒のいずれかに溶解し、ならびに添加剤A〜Eのいずれかを選択して添加し、セルロースアシレートのドープをそれぞれ調製した。調製法の詳細も、以下に示す。
なお、各セルロースアシレートは120℃に加熱して乾燥し、含水率を0.5質量%以下とした後、表1記載の量[質量部]を使用した。
1)<セルロースアシレート>
・セルロースアシレートA(セルロースアセテート):
置換度が2.94のセルロースアセテートの粉体を用いた。セルロースアシレートAの粘度平均重合度は300、6位のアセチル基置換度は0.94であった。
・セルロースアシレートB(セルロースアセテート):
置換度が2.86のセルロースアセテートの粉体を用いた。セルロースアシレートBの粘度平均重合度は300、6位のアセチル置換度は0.89、アセトン抽出分は7質量%、質量平均分子量/数平均分子量比は2.3、含水率は0.2質量%、6質量%ジクロロメタン溶液中の粘度は305mPa・s、残存酢酸量は0.1質量%以下、Ca含有量は65ppm、Mg含有量は26ppm、鉄含有量は0.8ppm、硫酸イオン含有量は18ppm、イエローインデックスは1.9、遊離酢酸量は47ppmであった。粉体の平均粒子サイズは1.5mm、標準偏差は0.5mmであった。
2)<溶媒>
溶媒として、ジクロロメタン(誘電率9)、メタノール(誘電率33)、1−ブタノール(誘電率17)、及び水(誘電率78)から一種又は二種以上を選択し、下記表に記載の量[質量部]だけ溶媒として用いた。これらの溶媒の含水率は0.2質量%以下であった。
3)<添加剤>
下記の添加剤A〜Eの中から表1に記載されるものを選択し、表1記載のセルロースアシレート量に対して下記括弧内の添加量[質量%]を使用した。
・添加剤A:
添加剤なし
・添加剤B:
トリフェニルホスフェート(8.0質量%)
ビフェニルジフェニルホスフェート(4.0質量%)
・添加剤C:
エタンジオール/アジピン酸(1/1モル比)との縮合物(数平均分子量1000)(12.0質量%)
・添加剤D:
二酸化ケイ素微粒子(粒子サイズ20nm、モース硬度約7)(0.4質量%)
・添加剤E:
二酸化ケイ素微粒子(粒子サイズ200nm、モース硬度約7)(30.0質量%)
4)<セルロースアシレート溶液の調製>
攪拌羽根を有し外周を冷却水が循環する400リットルのステンレス製溶解タンクに、前記溶媒及び添加剤を投入して撹拌、分散させながら、セルロースアシレートを徐々に添加した。投入完了後、室温にて2時間撹拌し、3時間膨潤させた後に再度撹拌を実施し、セルロースアシレート溶液を得た。
なお、攪拌には、15m/sec(剪断応力5×104kgf/m/sec2〔4.9×105N/m/sec2〕)の周速で攪拌するディゾルバータイプの偏芯攪拌軸及び中心軸にアンカー翼を有して周速1m/sec(剪断応力1×104kgf/m/sec2〔9.8×104N/m/sec2〕)で攪拌する攪拌軸を用いた。膨潤は、高速攪拌軸を停止し、アンカー翼を有する攪拌軸の周速を0.5m/secとして実施した。
膨潤した溶液をタンクから、ジャケット付配管で50℃まで加熱し、さらに2MPaの加圧化で90℃まで加熱し、完全溶解した。加熱時間は15分であった。この際、高温にさらされるフィルター、ハウジング、及び配管はハステロイ合金製で耐食性の優れたものを利用し保温加熱用の熱媒を流通させるジャケットを有する物を使用した。
次に36℃まで温度を下げ、セルロースアシレート溶液を得た。
5)<ろ過>
得られたセルロースアシレート溶液を、絶対濾過精度10μmの濾紙(#63、東洋濾紙(株)製)で濾過し、さらに絶対濾過精度2.5μmの金属焼結フィルター(FH025、ポール社製)にて濾過してポリマー溶液を得た。
6−1)<フィルムの作製(1)>
セルロースアシレート溶液を30℃に加温し、流延ギーサー(特開平11−314233号公報に記載)を通して15℃に設定したバンド長60mの鏡面ステンレス支持体上に流延した。流延スピードは50m/分、塗布幅は200cmとした。流延部全体の空間温度は、15℃に設定した。そして、流延部の終点部から50cm手前で、流延して回転してきたセルロースアシレートフィルムをバンドから剥ぎ取り、45℃の乾燥風を送風した。次に110℃で5分、さらに140℃で10分乾燥して、膜厚80μmのセルロースアシレートフィルムを得た。なお、実施例13〜16では、実施例12と同様の組成のセルロースアシレート溶液を用い、得られるフィルムの膜厚を変化させてセルロースアシレートフィルムを得た。
6−2)<フィルムの作製(2)>(実施例17)
実施例12のドープが空気界面側に、比較例4のドープがステンレス支持体側に来るように、フィードブロック法に準じて共流延した以外は、前記<フィルムの作製(1)>と同様に実施し、空気界面側40μm、支持体側40μmの、膜厚80μmのセルロースアシレートフィルムを得た。
6−3)<フィルムの作製(3)>(実施例18)
前記<フィルムの作製(2)>において、空気界面側のドープと支持体側のドープとを入れ替えた以外は、<フィルムの作製(2)>と同様に実施し、空気界面側40μm、支持体側40μmの、膜厚80μmのセルロースアシレートフィルムを得た。
7)<延伸>
得られたセルロースアシレートを、表1に示す延伸条件で、以下の記載の通り延伸した。なお、フィルムの延伸倍率は、フィルムの搬送方向と直交する方向に一定間隔の標線を入れ、その間隔を延伸工程前後で計測し、下記式から求めた。
フィルムの延伸倍率(%)=100×(延伸後の標線の間隔−延伸工程前の標線の間隔)/延伸工程前の標線の間隔
また、各例において、延伸後のフィルム幅の減少率は、10〜25%程度であった。
セルロースアシレートフィルムを、ロール延伸機を用いて縦一軸延伸処理を実施した。ロール延伸機のロールは表面を鏡面処理した誘導発熱ジャケットロールを用い、各ロールの温度は個別に調整できるようにした。延伸ゾーンはケーシングで覆い表1に記載の温度とした。延伸部の前のロールは徐々に表1に記載の延伸温度に加熱できるように設定した。延伸倍率は、ニップロールの周速を調整することで制御した。縦横比(ニップロール間の距離/ベース入口幅)は0.5となるように調整し、延伸速度は延伸間距離に対して10%/分とした。
(比較例3のフィルムの製造)
特開2001−172403号公報の実施例1、フィルム3と同様にセルロースアシレートフィルムを作製し、比較例3の光学フィルムとして用いた。なお、下記表1では比較例3の製造方法の詳細を「*1」と記載した。
8)<セルロースアシレートフィルムの評価>
得られた各セルロースアシレートフィルムの評価を行った。結果を下記表1に示す。なお、得られた各実施例において、フィルム面に垂直な方向から観察した際のくぼみ開口部の形状は、円形状に近く、その円相当径(投影面積円相当径)は、約5〜15μmの範囲であった。同様に、くぼみのフィルム面に垂直な方向から観察した際のくぼみ底部の形状は、円形状に近く、その円相当径(投影面積円相当径)は、約3〜10μmの範囲であった。また、各実施例における表1に記載した以外のフィルムの厚み方向断面の詳細は、くぼみ底部はくぼみ全体の横幅を100%とすると60〜70%の幅で形成されており、フィルム表面に対する前記くぼみ底部の面の傾きは±2.5°以内であり、くぼみ底部からくぼみ端部に向かって、徐々に曲率半径が小さくなる形状であった。また、得られたフィルムの内部空隙率は、いずれも3%(体積比)以下であった。くぼみの寸法変化率は、0.5%以下であった。
(偏光板の作製)
上記作製したフィルムの裏面をそれぞれアルカリ鹸化処理した。1.5規定の水酸化ナトリウム水溶液に55℃で2分間浸漬し、室温の水洗浴槽中で洗浄し、30℃で0.1規定の硫酸を用いて中和した。再度、室温の水洗浴槽中で洗浄し、さらに100℃の温風で乾燥した。続いて、厚さ80μmのロール状ポリビニルアルコールフィルムをヨウ素水溶液中で連続して5倍に延伸し、乾燥して厚さ20μmの偏光膜を得た。ポリビニルアルコール(クラレ製PVA−117H)3%水溶液を接着剤として、前記のアルカリ鹸化処理した各フィルムと、同様のアルカリ鹸化処理したフジタックTD80UL(富士フイルム社製)を用意し、これらの鹸化した面が偏光膜側となるようにして偏光膜を間に挟んで貼り合わせ、各フィルムとTD80ULが偏光膜の保護フィルムとなっている偏光板をそれぞれ作製した。
(液晶表示装置の作製と評価)
上記作製した各偏光板を用いて、液晶表示装置をそれぞれ作製した。具体的には、液晶セルとして、VAモード液晶セルを用い、バックライト側の偏光板を剥がし、上記作製した偏光板を、拡散性保護フィルムの表面がバックライト側になるように粘着剤で貼合して、液晶表示装置を作製した。
作製した各液晶表示装置の表示性能を確認した。具体的には、使用されている拡散シートを取り除き、白表示時の輝度分布変化率(輝度均一性)と正面白輝度を以下の方法で確認した。輝度測定にはBM−5(トプコン製)を使用した。
輝度分布変化率(均一性)は、BM−5を画面横方向(CCFLと垂直方向)にスキャンし、横方向(CCFLと垂直方向)に対する輝度プロファイルを測定した。それらの値に各背景輝度で割った値、つまり変化率を求めた。変化率は人間の目の明るさに対する弁別閾(JND)と対応し、一般に10%を超えると明るさが変化していると認識し、それ以下では認識しないといわれているため、10%を超えないことを評価基準とした。
正面白輝度は、これまで販売されてきたVAモード液晶TVの正面白輝度が350〜600[cd/m2]であるため、350[cd/m2]を超えることを評価基準とした。
これら輝度分布変化率および正面白輝度の2つの評価基準の内、2つとも満たすものを「○」、満たさないものを「×」とした。なお、「○」の中でも臨界値に近いものを「△」として記載した。
結果を下記表1に示す。
Figure 0005137890
表1に示したように、本発明の偏光板保護フィルムを用いた実施例では、輝度の均一性が高く、いずれも「○」の評価であった。一方、表面性状が本発明の範囲外である光学フィルムを用いた比較例1では、輝度が不均一であり、「×」の評価であった。比較例2では、正面白輝度が悪く「×」の評価であった。比較例3ではヘイズは高いが、全光透過率が低くなりすぎであり、正面白輝度が悪く「×」の評価であった。比較例4では全光透過率は高いが、ヘイズが低くなりすぎであり、輝度が不均一であり、「×」の評価であった。このことから、本発明が従来例と比較して、優れた効果を示すことが理解できる。なお、ポリマー濃度が高かった実施例19や、アルコール量が非常に少なかった実施例20では、目視にてフィルム表面に若干のスジ状の跡が確認された。

Claims (18)

  1. 均一な組成物からなる光学フィルムであり、そのフィルム表面に独立したくぼみを有し、該くぼみの深さが5μm以下であり、該くぼみの平均長径長が0.5〜100μmであり、フィルム表面における該くぼみの個数が25〜1000000個/mm 2 である光学フィルム。
  2. 2つの前記くぼみ間の平均間隔が0.5〜100μmであることを特徴とする請求項1に記載の光学フィルム。
  3. フィルム表面における前記くぼみの個数分布の標準偏差が平均個数に対して±20%であることを特徴とする請求項1または2に記載の光学フィルム。
  4. 前記くぼみの深さの標準偏差が平均深さに対して±20%であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の光学フィルム。
  5. フィルムの表面における前記くぼみが、下に凸で、フィルム表面と概ね平行な底部と、前記底部とくぼみ開口部とを連結する側部を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の光学フィルム。
  6. ヘイズが15%以上であることを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の光学フィルム。
  7. 全光透過率が50%以上であることを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の光学フィルム。
  8. 前記ポリマー組成物が、セルロースアシレート系ポリマーを主成分として含有することを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の光学フィルム。
  9. 誘電率が35以上の溶媒を含む少なくとも2種類以上の互いに相溶しない溶媒を含む溶媒中に、ポリマー組成物を溶解してポリマー溶液を調製する工程、及びポリマー溶液を製膜することを含むことを特徴とする光学フィルムの製造方法。
  10. 前記溶媒が、誘電率が35以上の溶媒を0.3〜30質量%含む溶媒であることを特徴とする請求項に記載の光学フィルムの製造方法。
  11. 前記ポリマーがセルロースアシレートであることを特徴とする請求項または10に記載の光学フィルムの製造方法。
  12. 前記溶媒が、誘電率が4〜10の溶媒および誘電率が10〜35の溶媒を含むことを特徴とする請求項11のいずれか一項に記載の光学フィルムの製造方法。
  13. 前記誘電率が35以上の溶媒が、水であることを特徴とする請求項12のいずれか一項に記載の方法。
  14. 誘電率が35以上の溶媒を含む少なくとも2種類以上の互いに相溶しない溶媒を含む溶媒中に、ポリマー組成物を溶解してポリマー溶液を調製する工程、及び
    ポリマー溶液を製膜することを含む光学フィルムの製造方法において、
    ポリマー溶液を支持体上に流延して製膜し、その後、支持体から膜を剥離する工程を含み、更に製膜時、製膜後またはその両方のときに溶媒を蒸発させる工程を含む請求項13のいずれか一項に記載の光学フィルムの製造方法。
  15. 請求項14のいずれか一項に記載の製造方法によって製造されたことを特徴とする光学フィルム。
  16. 偏光膜と、少なくとも1枚の請求項1〜および15のいずれか一項に記載の光学フィルムとを有することを特徴とする偏光板。
  17. 請求項1〜および15のいずれか一項に記載の光学フィルムまたは請求項16に記載の偏光板を少なくとも1枚有することを特徴とする画像表示装置。
  18. 液晶セルとバックライトを有し、前記偏光板が液晶セルとバックライトの間に、請求項1〜および15のいずれか一項に記載の光学フィルムをバックライト側にして配置されていることを特徴とする請求項17に記載の画像表示装置。
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