JP5137448B2 - トンネル切羽面の測量システム - Google Patents
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しかしながら、従来は、いわゆる点の測量に留まるものであり、不連続面の検出や地質境界の位置情報を詳細に検出、測量するには膨大な回数の測量が必要とされていた。
また、従来より、切羽面の写真を撮影し、この写真から不連続面や地質境界の位置を把握することも行われていたが、正確に前記の不連続面や地質境界の位置を把握、測量することはできないものであった。
このため、簡単に切羽面の不連続面や地質境界を正確に把握できるいわゆる測量システムの提供が要望されていた。
すなわち、従来のいわゆるトータルステーションのような点の測量(特開2004−138422号公開公報参照)では、切羽面全体を把握するために膨大な回数の測量が必要であり、経済的にも測量することが困難でだからである。
トンネル開口側よりデジタルカメラでの撮影を行い、前記トンネル切羽面の中心投影画像を取得し、中心投影画像から正射投影画像への変換式を用いて画像解析し、前記中心投影画像から前記トンネル切羽面の正射投影画像を取得し、前記取得した正射投影画像をディスプレイ上に表示して、トンネル切羽面の不連続面や地質境界の把握が出来る測量システムであり、
前記デジタルカメラの位置、姿勢が既知か否かの判断を行い、前記デジタルカメラの位置、姿勢が既知でない場合は、トンネルの切羽面上に、空間座標及び画像座標が既知で撮影可能な基準点を少なくとも4点設け、該基準線を含んで、トンネル開口側よりデジタルカメラでの撮影を行い、前記トンネル切羽面の中心投影画像を取得し、
少なくとも前記4点の基準点の空間座標及び画像座標の値、さらには、デジタルカメラ撮影におけるカメラレンズのゆがみ、カメラレンズ中心位置のずれの値を使用した、中心投影画像から正射投影画像への変換式を用いて画像解析し、前記中心投影画像から前記トンネル切羽面の正射投影画像を取得し、前記取得した正射投影画像をディスプレイ上に表示して、トンネル切羽面の不連続面や地質境界の把握が出来る測量を行え、
前記カメラレンズのゆがみ、カメラレンズ中心位置のずれの値が不知の場合には、前記基準点を、トンネル切羽面に9点以上形成し、形成した9点の基準点の空間座標及び画像座標の値を使用した、中心投影画像から正射投影画像への変換式を用いて画像解析し、前記中心投影画像から前記トンネル切羽面の正射投影画像を取得し、前記取得した正射投影画像をディスプレイ上に表示して、トンネル切羽面の不連続面や地質境界の把握が出来る測量を行え、
前記デジタルカメラでの撮影可能な基準点の形成は、前記トンネル開口側真正面にレーザビーム発射機を設置し、該レーザビーム発射機からレーザビームを発射してトンネル切羽面に投射し、前記トンネル切羽面に可視レーザ光による可視できる点を写し出して形成し、
前記デジタルカメラの位置、姿勢が既知か否かの判断において、前記デジタルカメラの位置、姿勢が既知である場合は、前記基準点の形成及び前記基準点を取り込んでの写真撮影をせずに、トンネル切羽面の写真撮影を行い、該取得した中心投影画像から正射投影画像への変換式を用いて画像解析し、前記トンネル切羽面の正射投影画像を取得し、前記取得した正射投影画像をディスプレイ上に表示して、トンネル切羽面の不連続面や地質境界の把握が出来る測量を行え、
前記デジタルカメラによる撮影は、トンネル開口側真正面からではなくともトンネル開口側のいずれの位置からもトンネル切羽面に向けて行える、
ことを特徴とし、
または、
デジタルカメラでの前記した撮影を複数回行い、該複数回の撮影により取得した複数枚の正射投影画像の変化により、トンネル切羽面の観察、測量を行う、
を特徴とするものである。
図1には、デジタルカメラ1によって、上空から所定の山を撮影した概略図が描かれている。このデジタルカメラ1で撮影される画像は、中心投影画像であり、図1に示される所定の山における地表2の投影面3は、決して等間隔に投影されてはいない。
ここで、図2には、前記所定の山における地表2の正射投影画像を示したものであり、その投影面3は地表2の面を等間隔に示されている。
図3ではトンネル切羽面4に向かい、まず4点の基準点5を形成すべく所定の光源を投射し、これにより当該基準点5がトンネル切羽面4上に写る様構成される。
ここで、本発明ではいかなる光源などを利用してこの基準点5を形成するかについては、何ら限定されるものではない。すなわち前記のトンネル切羽面4上に基準点5が確認でき、後述するが、デジタルカメラ1によってこの基準点5が撮影でき、写真画像上に写っていればよい。
なお、この図3に示す実施例においては、4つの基準点5の形成について、トンネル開口部側から、トンネル切羽面4に向けたレーザビーム発射機6を使用して、トンネル切羽面4に向けてレーザビームを発射し、トンネル切羽面4に写ったレーザビームの点で4つの基準点5を生成するものとしている。
ここで、トンネル開口側の真正面からデジタルカメラ1にてトンネル切羽面4を撮影すればよいとの意見があるが、妥当性に欠ける。真正面から撮影しても、得られる画像は中心投影画像であり、トンネル開口部の幅方向に遠近感が生じてしまう。従って、トンネル開口部の真正面から撮影した中心投影画像でも本発明によって正射投影画像としなければ、トンネル切羽面4における不連続面や地質境界の把握が正確に行えない。従ってトンネル切羽面4の不連続面や地質境界の正確な測量をも出来ない。
なお、コンピュータを使用して、デジタルカメラ1で撮影した中心投影画像から正射投影画像へ変換する画像処理を行うには、前記デジタルカメラ1の撮影位置(X,Y,Z)、デジタルカメラ1の姿勢(カメラの回転角度)や焦点距離(c)が少なくとも必要となる。
これらの数値が把握され明らかであれば、これによって中心投影画像から正射投影画像へ変換するコンピュータを使用して画像処理が行え、変換した正射投影画像をディスプレイ上に表示して、トンネル切羽面4の不連続面や地質境界の正確な測量がおこなえることとなる。
しかし、前記デジタルカメラ1の撮影位置(X,Y,Z)、姿勢(カメラの回転角度)や焦点距離(c)の数値が不明のときは、前記4つの基準点5の既知である空間座標(X,Y)及び画像座標(x,y)のそれぞれの値を使用して、前記デジタルカメラ1の撮影位置(X,Y,Z)、姿勢(カメラの回転角度)や焦点距離(c)の数値を明確にすることが出来る。
その関係式を図6の(1)、(2)、(3)、(4)に示す。かかる図6に示す関係式により、デジタルカメラ1の撮影位置(X,Y,Z)や姿勢(カメラの回転角度)、焦点距離(c)の数値が明確になる。
すなわち、トンネル切羽面4上に写された4つの基準点5については、それぞれの空間座標(X,Y)の値と画像座標(x、y)の値があらかじめ把握しておけばよい。そして、これらの4つの基準点5の値を図6に示す4つの式(1)、(2)、(3)、(4)にそれぞれ導入し、これによりトンネル切羽面4に対するデジタルカメラ1の撮影位置(X,Y,Z)や姿勢(カメラの回転角度)、焦点距離(c)の係数(b1ないしb8)を求めるのである。
なお、この際、カメラレンズのゆがみ値及びカメラレンズ中心位置のずれ値については、明らかにされていることが好ましい。
しかし、これらの値がたとえ明確でなくとも、正射投影画像の取得は可能ではある。
そして、変換した正射投影画像をコンピュータのディスプレイ上に表示し、トンネル切羽面4の不連続面や地質境界の測量をおこなうのである。
ところで、前記基準点5をトンネルの切羽面4に4つ以上、できれば9つ形成して正射投影画像を取得することも考えられる。
すなわち、より詳細な、またより正確な正射投影画像の取得に際しては、前述したように、デジタルカメラ1のレンズのゆがみ等内部標定要素をも考慮しなければならない。従って、前記実施例のように基準点5が4つ設けられている場合には、基本的にカメラレンズのゆがみ値及びカメラレンズ中心位置のずれ値について、明らかにされていることが好ましいのである。
9つの基準点5の空間座標の値と画像座標の値により、デジタルカメラ1のレンズのゆがみ等内部標定要素をも求めることが出来るからである。そして、これらの9つの値が解れば、より詳細な、またより正確な正射投影画像が取得出来るからである。
そして、最終的により詳細な、またより正確な正射投影画像が取得出来ることになる。
より詳細な、またより正確な正射投影画像が取得出来ることにより、トンネル切羽面4における不連続面、地質境界の把握がさらに正確に行え、トンネル切羽面4の不連続面や地質境界のさらに正確な測量が行えるのである。
まず、デジタルカメラ1のカメラ位置や姿勢は既知か否かが判断される(ステップ100)。ここで、デジタルカメラ1のカメラ位置や姿勢などが把握されておらず、既知でないとき(ステップ100でNO)は、カメラレンズのひずみ等が既知か否かが判断される(ステップ101)。そして、カメラレンズのひずみ等が既知である場合(ステップ101でYES)は、空間座標(X,Y)が既知な4つ、あるいは4つ以上の基準点5をトンネル切羽面4上に形成し(ステップ102)、該基準点5を写し込んで写真撮影が行われる(ステップ103)。
また、カメラレンズのひずみ等が既知でない場合(ステップ101でNO)は、空間座標(X,Y)が既知な9つ、あるいは9つ以上の基準点5をトンネル切羽面4上に形成し(ステップ104)、該基準点5を写し込んで写真撮影が行われる(ステップ103)。
その後、求められたデジタルカメラ1のカメラ位置、姿勢などの値を使用し、前記写真撮影を行ったトンネル切羽面4の中心投影画像からの正射投影画像処理(オルソ画像作成)を行う(ステップ107)。
そして、前記オルソ画像を基にパソコン上で正確な掘削面積等の測量を行うのである(ステップ108)。
そして、その後、前記既知のデジタルカメラ1のカメラ位置、姿勢などの値を使用して、前記写真撮影を行ったトンネル切羽面4の中心投影画像からの正射投影画像処理(オルソ画像作成)を行い(ステップ107)、前記オルソ画像を基にパソコン上で正確な掘削面積等の測量を行えばよいのである(ステップ108)。
また、トンネル切羽面における不連続面や地質境界の位置などが面的に正確にわかりやすく把握できる。
さらに、従来は数値データでの把握でしかできなかったが、本発明では画像、すなわち正射投影画像を使用するためきわめて認識しやすいものとなった。しかも、トンネル切羽面の余堀量をも測量できることとなった。
また、蓄積された画像処理後の切羽画像(正射投影画像)はそのまま比較でき、長期的な測量、観察が行えるものである。
2 地表
3 投影面
4 トンネル切羽面
5 基準点
6 レーザビーム発射機
Claims (2)
- トンネル開口側よりデジタルカメラでの撮影を行い、前記トンネル切羽面の中心投影画像を取得し、中心投影画像から正射投影画像への変換式を用いて画像解析し、前記中心投影画像から前記トンネル切羽面の正射投影画像を取得し、前記取得した正射投影画像をディスプレイ上に表示して、トンネル切羽面の不連続面や地質境界の把握が出来る測量システムであり、
前記デジタルカメラの位置、姿勢が既知か否かの判断を行い、前記デジタルカメラの位置、姿勢が既知でない場合は、トンネルの切羽面上に、空間座標及び画像座標が既知で撮影可能な基準点を少なくとも4点設け、該基準線を含んで、トンネル開口側よりデジタルカメラでの撮影を行い、前記トンネル切羽面の中心投影画像を取得し、
少なくとも前記4点の基準点の空間座標及び画像座標の値、さらには、デジタルカメラ撮影におけるカメラレンズのゆがみ、カメラレンズ中心位置のずれの値を使用した、中心投影画像から正射投影画像への変換式を用いて画像解析し、前記中心投影画像から前記トンネル切羽面の正射投影画像を取得し、前記取得した正射投影画像をディスプレイ上に表示して、トンネル切羽面の不連続面や地質境界の把握が出来る測量を行え、
前記カメラレンズのゆがみ、カメラレンズ中心位置のずれの値が不知の場合には、前記基準点を、トンネル切羽面に9点以上形成し、形成した9点の基準点の空間座標及び画像座標の値を使用した、中心投影画像から正射投影画像への変換式を用いて画像解析し、前記中心投影画像から前記トンネル切羽面の正射投影画像を取得し、前記取得した正射投影画像をディスプレイ上に表示して、トンネル切羽面の不連続面や地質境界の把握が出来る測量を行え、
前記デジタルカメラでの撮影可能な基準点の形成は、前記トンネル開口側真正面にレーザビーム発射機を設置し、該レーザビーム発射機からレーザビームを発射してトンネル切羽面に投射し、前記トンネル切羽面に可視レーザ光による可視できる点を写し出して形成し、
前記デジタルカメラの位置、姿勢が既知か否かの判断において、前記デジタルカメラの位置、姿勢が既知である場合は、前記基準点の形成及び前記基準点を取り込んでの写真撮影をせずに、トンネル切羽面の写真撮影を行い、該取得した中心投影画像から正射投影画像への変換式を用いて画像解析し、前記トンネル切羽面の正射投影画像を取得し、前記取得した正射投影画像をディスプレイ上に表示して、トンネル切羽面の不連続面や地質境界の把握が出来る測量を行え、
前記デジタルカメラによる撮影は、トンネル開口側真正面からではなくともトンネル開口側のいずれの位置からもトンネル切羽面に向けて行える、
ことを特徴とするトンネル切羽面の測量システム。
- デジタルカメラでの前記した撮影を複数回行い、該複数回の撮影により取得した複数枚の正射投影画像の変化により、トンネル切羽面の観察、測量を行う、
ことを特徴とする請求項1記載のトンネル切羽面の測量システム。
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