JP5137184B2 - 成形金型及びローラの製造方法 - Google Patents

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Description

この発明は、成形金型及びローラの製造方法に関し、さらに詳しくは、成形材料の注入側に気体が出現しても平坦な弾性層を形成することのできる成形金型及びこの成形金型を用いたローラの製造方法に関する。
図6に示されるような、軸体51の外周面に弾性層52を備えたローラ50は、種々の分野で広く用いられている。例えば、レーザープリンター及びビデオプリンター等のプリンター、複写機、ファクシミリ、これらの複合機等には、機能に応じて、現像ローラ、定着ローラ、搬送ローラ等の種々のローラが配設された各種の画像形成装置、例えば、電子写真方式を利用した画像形成装置等が採用されている。
このようなローラ50は、通常、成形金型を用いて、軸体51の外周面に弾性層52を成形することにより、製造される。弾性層52を成形する際に用いられる成形金型としては、例えば、図8に示されるように、円筒金型101と、円筒金型101の一方の端部に装着され、貫通形成された注入孔104を有する一端部金型103と、円筒金型101の他方の端部に装着される他端部金型102とを備えた成形金型100が挙げられる。
このような成形金型100内に注入孔104から成形材料を注入すると、注入された成形材料内に気体が出現することがある。そして、気体が出現した成形材料を加熱成形して弾性層を形成すると、出現した気体に由来する気泡が弾性層に発生し、及び/又は、気泡周辺の弾性層が陥没して、形成される弾性層の表面及び内部に凹部が発生してしまう。
成形材料の注入時における気体の出現を防止する手段として、成形材料を注入孔104に直接注入するのではなく、成形材料を、注入孔104の手前で一旦円周方向に拡散させてから、注入孔104に注入する方法が知られている。この方法を実施することのできる成形金型として、例えば、図9に示されるように、円筒金型101と、円筒金型101の一方の端部に装着され、貫通形成された注入孔104及び注入孔104の手前側に画成された液溜り部105を有する一端部金型106と、円筒金型101の他方の端部に装着される他端部金型102とを備えた成形金型が挙げられる(例えば、特許文献1の図1及び図3参照。)。
ところが、このような液溜り部105を有する成形金型を用いて弾性層52を成形しても、一端部金型106側の弾性層52には依然として陥没部が形成されることがあった。
特開2003−191244号公報
この発明の課題は、成形材料の注入側に気体が出現しても、平坦な弾性層を形成することのできる成形金型を提供することに、ある。
前記課題を解決するための手段として、
請求項1は、筒状金型と、前記筒状金型における一方の開口部を閉塞し、成形材料が流通するスプルーを有する第1の端部金型と、前記筒状金型における他方の開口部を閉塞し、ベントを有する第2の端部金型と、前記第1の端部金型に加熱成形時に装着される端部金型治具とを備え、前記スプルーの外側開口部に連設された環状の収納凹部と、前記収納凹部から前記端部金型治具の外周面まで延在する排出孔とを有することを特徴とする成形金型であり、
請求項2は、前記環状の収納凹部は複数に分割形成されていることを特徴とする請求項1に記載の成形金型であり、
請求項3は、前記収納凹部及び前記排出孔は前記端部金型治具又は前記第1の端部金型に形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の成形金型であり、
請求項4は、前記収納凹部は前記端部金型治具における前記第1の端部金型の底面に接す
る面に形成され、前記排出孔は前記収納凹部から前記端部金型治具の外周面まで延在する
排出孔用溝と前記底面とで形成されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記
載の成形金型であり、
請求項5は、請求項1〜4のいずれか1項に記載の成形金型を用いて軸体の外周面に成形された弾性層を備えたローラを製造する方法であって、前記筒状金型と前記第1の端部金型と前記第2の端部金型と前記第1の端部金型及び前記第2の端部金型で保持された前記軸体とで形成されたキャビティに成形材料を注入し、前記第1の端部金型に前記端部金型治具を装着した状態で前記成形材料を加熱硬化することを特徴とするローラの製造方法である。
この発明に係る成形金型は、弾性層の成形時に装着される端部金型治具を備え、弾性層の成形時に、スプルーの外側開口部から収納凹部と排出孔とが連通されるから、成形材料を注入するときにスプルー近傍に気体が出現しても、成形材料の熱膨張によって、それを囲繞する成形材料と共に気体が収納凹部及び排出孔を経由して外部に排出される。したがって、この発明によれば、成形材料の注入側に気体が出現しても、平坦な弾性層を形成することのできる成形金型を提供することができる。
この発明に係る成形金型は、軸体の外周面に弾性層を成形するための射出成形用金型の一種であって、成形金型のキャビティに成形材料が充填された後、より正確には、成形材料の加熱成形時に、端部金型治具が第1の端部金型に装着されて、スプルーの外側開口部に収納凹部と排出孔とが連通されることを特徴とする。この発明に係る成形金型は、例えば、図6に示されるローラ50を製造するのに好適に用いられる。このローラ50は、軸体51と、軸体51の外周面に成形された弾性層52とを備えている。
したがって、この発明に係る成形金型は、加熱成形時に、スプルーの外側開口部に収納凹部と排出孔とが順次連設される金型であればよく、収納凹部と排出孔とが形成される態様は特に限定されない。この発明において、スプルーの外側開口部に連設して収納凹部と排出孔とが形成される態様として、例えば、(1)収納凹部と、排出孔又は第1の端部金型と共に排出孔を形成する溝とが共に端部金型治具に形成される態様、(2)収納凹部と、排出孔又は端部金型治具と共に排出孔を形成する溝とが共に第1の端部金型に形成される態様、(3)収納凹部が端部金型治具に形成され、排出孔又は端部金型治具と共に排出孔を形成する溝が第1の端部金型に形成される態様、(4)収納凹部が端部金型治具に形成され、排出孔又は第1の端部金型と共に排出孔を形成する溝が端部金型治具に形成される態様等が挙げられ、これらの態様を適宜選択することができる。
以下、前記態様(1)の「収納凹部と、第1の端部金型と共に排出孔を形成する溝とが端部金型治具に形成されている態様」について、説明する。
この発明に係る成形金型におけるこの態様(1)の一例として、例えば、図1に示されるように、軸体が内部に挿入される筒状金型2と、軸体の一端部を保持すると共に筒状金型2における一方の開口部を閉塞し、成形材料が流通するスプルー16を有する第1の端部金型3と、軸体の他端部を保持すると共に筒状金型2における他方の開口部を閉塞し、ベント36を有する第2の端部金型4と、第1の端部金型3に加熱成形時に装着され、スプルー16の外側開口部に連設された収納凹部60及びこの収納凹部60から延在する排出孔用溝(図1において図示しない。)とを有する端部金型治具5とを備えている。
図1に示されるように、筒状金型2は、両端に開口部を有する中空円筒体であり、均一な外径及び内径を有している。筒状金型2は、弾性層52を成形する際に、その軸線方向に沿って軸体51が挿入される。筒状金型2は、その内表面の表面粗さが調整されているのがよく、鏡面とされているのが特によい。筒状金型2は、成形する弾性層52に応じて、その外径、内径、軸線長さ等が調整される。
図1及び図2に示されるように、第1の端部金型3は、軸体51を保持する保持穴12を有する円柱状の端部金型本体10と、端部金型本体10の一端部から円周方向に張り出し、筒状金型2の開口部を閉塞する円盤状の鍔部11とを有し、鍔部11は、保持穴12の深さよりも小さな厚さとその厚さ方向に貫通形成されたスプルー16とを有して成る。換言すると、第1の端部金型3は、筒状金型2の一方の開口部を閉塞するフランジ状の鍔部11を備えた、保持穴12を有する円柱状の端部金型本体10であって、鍔部11の厚さが保持穴12の深さよりも小さく調整されて成る。第1の端部金型3は、端部金型本体10によって、成形材料を注入する際に、注入ノズルの当接位置を決定する機能をも有する。
図1及び2に示されるように、前記端部金型本体10は、その一端部に開口し、軸体51を保持する有底の保持穴12を内部に中心軸を共有して有する円柱体であり、軸体51の一端部を保持すると共に注入ノズルの当接位置を決定するのに役立つ。端部金型本体10は、保持する軸体51に応じて、軸線長さ、外径等が調整され、また、保持穴12の深さ、直径等が調整される。例えば、保持穴12の直径は、保持する軸体51の外径に対して約100〜105%程度に調整され、又は、保持穴12の深さは、保持する軸体51の全長に対して約3〜9%程度に調整されると、軸体51の中心軸と形成される弾性層52の中心軸とのずれを小さくして、形成される弾性層52の外径精度を高め、弾性層52の振れを抑えることができる点で、好ましい。
図1及び2に示されるように、前記鍔部11は、端部金型本体10の一端部から円周方向に張り出し、端部金型本体10の中心軸と同軸の中心軸を有する円盤体であり、筒状金型2の一方の開口部を閉塞する。前記鍔部11は、保持穴12の深さよりも小さな厚さに調整される。換言すると、鍔部11は、成形金型1としたときにその外側に位置する外側端面14が保持穴12の保持穴底面13よりも、端部金型本体10の鍔部11が形成された一端部側に位置している。鍔部11の厚さをこのように調整すると、後述するスプルー16の軸線長さが短くなり、スプルー16内に残存する成形材料の残存量を低減し、スプルー16内に形成されたバリの破断を防止することができる。したがって、鍔部11の厚さは、前記のように調整されていればよく、具体的には、保持穴12の深さに対して6〜25%程度に調整され、より具体的には、1.5〜2.5mm程度に調整される。鍔部11の外径は、筒状金型2における開口部の開口径とほぼ同じ径に調整されている。鍔部11は、その内側端面15の表面粗さが調整されていてもいなくてもよい。
図1及び2に示されるように、前記スプルー16は、鍔部11の厚さ方向に貫通形成され、成形材料が注入される際の通路として機能する。鍔部11は前記厚さを有するから、スプルー16の軸線長さは短くなり、スプルー16内に残存する成形材料の残存量を低減し、スプルー16内に形成されたバリの破断を防止することができる。スプルー16は、鍔部11の中心から一定距離の円周上に等間隔で4個形成されている。
このスプルー16における縦断面(鍔部11の中心軸を含む平面で切断したときの断面)の形状は、特に限定されず、外側端面14側から内側端面15側に延在する略長方形であっても略正方形であってもよいが、図1及び図2に示されるように、外側端面14側から内側端面15側にわたって広がった台形形状をしているのが好ましい。すなわち、スプルー16における外側開口部17の開口径よりも内側開口部18の開口径が大きくなっている。スプルー16の軸線に直交するその断面形状は、円形であっても楕円状であってもよい。さらに、スプルー16の内側面は凹状又は凸状に湾曲していてもよい。
台形形状の縦断面を有するスプルー16における、外側端面14側から内側端面15側に向かう開き角(図2(b)における角度θ)は、通常、1〜10°であるのが好ましく、3〜9°であるのがより好ましく、5〜7°であるのが特に好ましい。スプルー16の前記開き角とは、図2(b)に示すように、スプルー16の中心軸を通る第1の端部金型3の断面図において、スプルー16における両側面の延長線が交わる角度θである。スプルー16の最も径が小さい部分、例えば、外側端面14上に開口したスプルー16の外側開口部17は、1〜10mmの直径(長軸又は対角線距離を含む。)を有するのが好ましく、2〜5mmの直径(長軸又は対角線距離を含む。)を有するのが特に好ましい。スプルー16をこのような形状にすることにより、ローラを成形金型1から脱型する際に、スプルー16内に残存して硬化したバリが、ローラと一体になって第1の端部金型3から取り出されやすく、スプルー16内にバリの一部が残存することを防止することができ、第1の端部金型3の清浄時間を大幅に短縮することができる。また、スプルー16をこのような形状及び/又は大きさにすることにより、成形材料はスプルー16から静かにかつ滑らかに注入され、成形材料の充填不足、成形材料内の気泡発生、及び/又は、気泡を成形材料中に巻き込むことを防止することができる。
図1及び図2に示されるように、前記第2の端部金型4は、成形材料が注入される際の通路として機能するスプルー16の代わりに、成形材料が注入される際又は成形材料が硬化される際の気体又は成形材料の排出路として機能するベント36が鍔部31に形成されている以外は、前記第1の端部金型3と同様に構成されている。すなわち、第2の端部金型4は、軸体51を保持する保持穴32を有する円柱状の端部金型本体30と、端部金型本体30の一端部から円周方向に張り出し、筒状金型2の開口部を閉塞する円盤状の鍔部31とを有し、鍔部31は、保持穴32の深さよりも小さな厚さとその厚さ方向に貫通形成されたベント36とを有して成る。換言すると、第2の端部金型4は、筒状金型2の一方の開口部を閉塞するフランジ状の鍔部31を備えた、保持穴32を有する円柱状の端部金型本体30であって、鍔部31の厚さが保持穴32の深さよりも小さく調整されて成る。
図1及び図2に示されるように、ベント36は、スプルー16と同様に、外側端面34側から内側端面35側にわたって広がった台形形状をしているのが好ましく、すなわち、ベント36における外側開口部37の開口径よりも内側開口部38の開口径が大きくなっているのが好ましい。このベント36の開き角は、スプルー16の開き角θよりも小さく調整されるのが特に好ましい。このようにベントの開き角を小さくすると、成形材料の注入終了時に、成形金型の内圧を発生させやすくなり、ウェルドラインの残存等の成形不良を抑えるのに効果的である。
筒状金型2、第1の端部金型3及び第2の端部金型4はそれぞれ、ある程度の強度と成形材料を加熱硬化する際の温度における耐熱性を有する材料で作製される。このような材料として、例えば、銅、銅合金、黄銅、青銅、アルミニウム、アルミニウム合金、鋼、各種めっき鉄、鉄合金、ステンレス鋼等の金属等が挙げられる。筒状金型2、第1の端部金型3及び第2の端部金型4は同じ材料で形成されるのが好ましい。
前記端部金型治具5は、弾性層52を成形する成形工程(すなわち、成形材料を加熱する加熱工程)を実施する際に使用される。すなわち、端部金型治具5は、筒状金型2、第1の端部金型3、第2の端部金型4及び軸体から成るキャビティ6(図5参照。)に後述する成形材料を注入する際には、第1の端部金型3には装着されず、成形材料を注入後、加熱工程を実施する前に、第1の端部金型3に装着される。この端部金型治具5は、成形金型1のスプルー16側に出現する気体を除去する機能を果たし、図1及び図3に示されるように、第1の端部金型3とほぼ同径の円筒体を成している。
端部金型治具5は、図1及び図3に示されるように、第1の端部金型3に装着されたときに、第1の端部金型3の底面に接する面に、スプルー16の外側開口部17に連通する環状の収納凹部60を有している。したがって、この収納凹部60は、加熱硬化時に熱膨張して前記キャビティ6から流出する成形材料を一旦受領し、後述する排出孔用溝61に成形材料を移送する。収納凹部60は、4個のスプルー16すべての外側開口部の下方に位置し、これらのスプルー16に連通している。
収納凹部60は、図3に示されるように、端部金型治具5の中心軸を中心とする環状を成している。収納凹部60が環状を成していると、キャビティ6に注入された成形材料の熱膨張を阻害することなく、気体を囲繞する成形材料を速やかに後述する排出孔に移送して、出現した気体を効果的に除去することができると共に、所望の弾性層52を形成することができる。すなわち、収納凹部60が図9に示されるように、環状ではなく円形凹部であると、熱膨張した気体を成形金型1外に効果的に排出することができず、前記キャビティ6内に気体が逆流して、本願発明の初期の目的を達成することができない。
収納凹部60は、スプルー16に連通することができる幅を有していればよいが、成形材料と共に気体を効率よく除去することができる点で、スプルー16の外側開口部17における開口径と同じ幅又はその径よりも大きな幅を有しているのが好ましい。この幅は深さ方向に均一であっても、次第に大きくなっても、また、次第に小さくなってもよい。
収納凹部60は、成形材料を一旦受領することができる深さを有していればよいが、あまりに浅すぎると、成形材料と共に気体を除去することができないことがあり、一方、あまりに深すぎると、収納凹部60内にもともと存在する気体がキャビティ6内に逆流することがある。したがって、収納凹部60は、キャビティ6の容積、スプルー16の外側開口部17における開口径等を考慮して適宜決定され、例えば、1〜3.5mmの深さに調整され、1〜3.0mmの深さに調整されるのが好ましい。
収納凹部60の底部形状は、特に限定されないが、図1及び図3(b)に示されるように、半円形、楕円形、U字形等の角部を有しない形状であるのが、底部に成形材料が残存しにくく、また、残存した成形材料又はその硬化物を容易に除去することができる点で、好ましい。
端部金型治具5は、第1の端部金型3に装着されたときに、第1の端部金型3の底面に接する面に、収納凹部60から端部金型治具5の外周面までその半径方向に延在する排出孔用溝61を有している。そして、端部金型治具5が第1の端部金型3に装着されると、第1の端部金型3の底面と排出孔用溝61とで、収納凹部60及び端部金型治具5の外周面を連通する排出孔が形成される。したがって、この排出孔用溝61は、加熱硬化時に熱膨張して収納凹部60に受領された成形材料と共に気体を端部金型治具5の外側に排出する。排出孔用溝61は、端部金型治具5を第1の端部金型3に装着したときのスプルー16の外側開口部17(その仮想位置が図3(a)の破線で示されている。)間のちょうど中間を横切るように、中心角180°の間隔をあけて2個形成されている。外側開口部17間のちょうど中間を横切るように排出孔用溝61が形成されていると、成形材料と共に気体を容易に除去することができる。なお、この発明において、排出孔用溝61は、外側開口部17間のちょうど中間を横切る必要はなく、外側開口部17間の適当な位置を横切るように形成されていればよい。
排出孔用溝61、すなわち、排出孔は、図3(b)に示されるように、水平方向に延在するのが特に好ましい。排出孔用溝61がこの方向に延在していると、成形材料の除去量が少なくても、成形材料と共に気体を効率よく除去することができる。すなわち、排出孔用溝61が下方に延在していると、成形材料が硬化するまでに加熱されて流動性を増し、重力によって、キャビティ6内からスプルー16、収納凹部60及び排出孔を経由して多量の成形材料が外部に流出する。そうすると、キャビティ6に注入された成形材料が不足して、第2の端部金型4側に所定の弾性層52が形成されないという重大な問題が生じることがある。
排出孔用溝61は、成形材料を排出することができる直径を有していればよいが、成形材料と共に気体を効率よく除去することができる点で、収納凹部60の深さと同じ直径又はその深さよりも大きな直径を有しているのが好ましい。この直径は延在方向に均一であっても、次第に大きくなっても、また、次第に小さくなってもよい。
排出孔用溝61の延在方向に垂直な断面形状は特に限定されず、例えば、半円形、半楕円形、U字形等が挙げられる。前記断面形状が半円形、半楕円形、U字形等であると、成形材料が排出孔用溝61内に残存しにくく、また、残存した成形材料又はその硬化物を容易に除去することができる。この例においては、前記断面形状は半円形になっている。
端部金型治具5は、端部金型本体10が挿入される、その軸線方向に貫通する挿入部62を有している。この挿入部62は、端部金型本体10の外径よりもわずかに大きな内径に調整されている。端部金型治具5が端部金型本体10よりも長く形成されている場合には、挿入部62は貫通している必要はなく、底部を有する挿入穴とされてもよい。なお、この発明において、端部金型治具5が、例えば、図8に示される成形金型100に装着される場合には、この貫通孔62は形成されていなくてもよい。
端部金型治具5は、ある程度の強度と成形材料を加熱硬化する際の温度における耐熱性を有する材料で作製される。このような材料として、例えば、銅、銅合金、黄銅、青銅、アルミニウム、アルミニウム合金、鋼、各種めっき鉄、鉄合金、ステンレス鋼等の金属等が挙げられる。端部金型治具5は、第1の端部金型3の材料よりも、軟質の材料で形成されるのが好ましい。
次に、成形金型1を用いた、軸体51の外周面に弾性層52を成形する成形方法の一例(以下、この発明に係る成形方法と称することがある。)を説明する。
この発明に係る成形方法は、筒状金型2と、第1の端部金型3及び第2の端部金型4と、第1の端部金型3及び第2の端部金型4によって筒状金型2内に保持された軸体51とで形成されたキャビティ6に、スプルー16を介して成形材料を注入し、キャビティ6に注入された成形材料を加熱硬化する。そして、この発明に係る成形方法によって成形された弾性層52を備えたローラ50の一例として、図6に示されるローラ50が挙げられる。
この発明に係る成形方法においては、まず、軸体51を準備する。軸体51は、例えば、鉄、アルミニウム、ステンレス鋼、真鍮若しくはこれらの合金等の金属、熱可塑性樹脂若しくは熱硬化性樹脂等の樹脂、及び前記樹脂等に導電性付与剤としてカーボンブラック若しくは金属粉体等を配合した導電性樹脂等の材料を用いて、公知の方法により所望の形状に作製される。軸体51に導電性が要求される場合には、前記金属及び前記導電性樹脂の他に、前記樹脂等で形成した絶縁性芯体の表面に定法によりメッキを施すことにより、軸体51を作製することができる。前記材料の中でも、容易に導電性を付与することができる点で、金属であるのが好ましく、アルミニウム又はステンレス鋼であるのが特に好ましい。
軸体51は、所望により、その外周面にプライマー層が塗布されてもよい。プライマー層を形成するプライマーは、所望により溶剤等に溶解され、定法、例えば、ディップ法、スプレー法等に従って、軸体51の外周面に塗布され、硬化される。プライマーとしては、特に制限はないが、例えば、アルキッド樹脂、フェノール変性・シリコーン変性等のアルキッド樹脂変性物、オイルフリーアルキッド樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、フッ素樹脂、フェノール樹脂、ポリアミド樹脂、ウレタン樹脂及びこれらの混合物等が挙げられる。所望により、前記樹脂を硬化及び/又は架橋する架橋剤を用いることができ、このような架橋剤としては、例えば、イソシアネート化合物、メラミン化合物、エポキシ化合物、過酸化物、フェノール化合物、ハイドロジェンシロキサン化合物等が挙げられる。プライマー層は、例えば、0.1〜10μmの厚さに形成される。
この発明に係る成形方法においては、次いで、図5に示されるように、成形金型1を組み立て、このようにして作成された軸体51を成形金型1内に収納する。具体的には、軸体51の一端部を第1の端部金型3の保持穴12に挿入して、軸体51を保持し、次いで、保持された軸体51が筒状金型2の内部に位置するように、第1の端部金型3の鍔部11を筒状金型2の一方の開口部に挿入して、筒状金型2の開口部を閉塞し、最後に、軸体51の他端部を第2の端部金型4の保持穴32に挿入すると共に、第2の端部金型4の鍔部31を筒状金型2の他方の開口部に挿入して、筒状金型2の開口部を閉塞することによって、軸体51を内部に収容した状態に成形金型1を組み立てる。この状態において、軸体51は、その両端部が第1の端部金型3の保持穴12と第2の端部金型4の保持穴32とで挟持され、成形金型1内の所定の位置に固定される。
この発明に係る成形方法においては、成形材料を注入する射出成形機又は注型機等を準備する。この発明に係る成形金型1、特に、第1の端部金型3は、前記したように、端部金型本体10が鍔部11の外側端面14から突出した形状をなしているから、射出成形機又は注型機等における注入ノズルの形状は、第1の端部金型3の形状に適応するように、作製される。すなわち、注入ノズルは、第1の端部金型3の形状と相補的な形状、例えば、図7に示されるように、端部金型本体10を挿入し、端部金型本体10とノズル先端40との当接位置を決定する当接位置決め用凹部41を中心部に有し、周壁部43に貫通形成された成形材料の注入路42を有する輪環形状に、作製される。注入路42は鍔部11のスプルー16が形成された位置に対応する位置に形成されている。
この発明に係る成形方法においては、次いで、図7に示されるように、成形金型1と軸体51とで形成されたキャビティ6に第1の端部金型3のスプルー16を介して成形材料を注入する。成形材料をキャビティ6内に注入する方法は、定法であれば何れの方法も採用することができ、例えば、前記形状を成す注入ノズル先端部を備えた射出成形機又は注型機を用いて注入する方法等が挙げられる。このとき、図7に示されるように、第1の端部金型3は端部金型本体10が筒状金型2の鍔部11よりも突出した形状を成し、かつ、射出成形機又は注型機等のノズル先端部40は第1の端部金型3の形状に相補的な形状を成しているから、スプルー16に対してノズル先端部40の注入路42が正確な位置に配置されるように、第1の端部金型3とノズル先端部40とを当接させることができる。したがって、ノズル先端部40の配置作業が容易になると共に成形材料の注入時における成形材料の漏出等を防止することができる。
この発明に係る成形方法においては、次いで、キャビティ6に注入された成形材料を加熱硬化して、弾性層52を成形する。このとき、図1に示されるように、第1の端部金型3の下方に端部金型治具5を装着する。なお、第2の端部金型4の上方に円筒状の端部金型治具を装着してもよい。そして、成形金型1を、好ましくは起立状態にして、その軸線方向から所定の圧力で押さえる。この状態を維持しつつ、成形材料が硬化可能な温度に加熱する。そうすると、第1の端部金型3の近傍に気体が出現しても、成形材料全体が熱膨張して、第1の端部金型3の近傍における、気体を囲繞する成形材料が、キャビティ6内よりも圧力が低い重力方向に向かって流動する。すなわち、この成形材料は、気体を囲繞したまま、収納凹部60及び排出孔を経由して成形金型1の外部に排出される。したがって、第1の端部金型3の近傍に出現した気体はキャビティ6内から除去される。また、端部金型治具5において排出孔を設けないと、成形材料と共に収納凹部60に流出した気体が、新たな成形材料の流出によって、キャビティ6内に逆流して、形成される弾性層に陥没部が形成されてしまうことがある。ところが、成形金型1によれば、収納凹部60とこれから延在する排出孔によって、収納凹部60に存在する気体が成形材料と共に成形金型1の外部に排出され、キャビティ6内に逆流することはない。そして、排出孔は水平方向に延在しているから、成形材料内に出現した気体及び収納凹部に存在する気体を除去する際に排出される成形材料は少量でよく、第2の端部金型4の近傍にも依然として成形材料が充填されている。
この状態において、成形材料が硬化する温度まで加熱される。成形材料の加熱温度は、成形材料に応じて決定される。例えば、後述する付加硬化型液状導電性シリコーンゴム組成物を成形材料として用いる場合には、加熱温度は100〜300℃に設定することができ、加熱時間は10秒から1時間に設定することができる。
このようにして、弾性層52を軸体51の外周面に成形して、図6に示されるローラ50を製造することができる。
この発明に係る製造方法に使用される成形材料は、室温で液状のゴムを含有するゴム組成物であればよく、液状のゴムとして、例えば、シリコーン若しくはシリコーン変性ゴム、ニトリルゴム、エチレンプロピレンゴム(エチレンプロピレンジエンゴムを含む。)、スチレンブタジエンゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、天然ゴム、アクリルゴム、クロロプレンゴム、ブチルゴム、エピクロールヒドリンゴム、ウレタンゴム、フッ素ゴム等の液状ゴムが挙げられる。これらのゴムは、付加硬化型であるのが、加熱成形時の寸法精度に優れる点で、好ましい。
ゴム組成物は、ゴムに加えて、通常、ゴム組成物に含有される各種添加剤を含有していてもよく、各種添加剤としては、例えば、加硫剤、加硫促進剤、加硫促進助剤、加硫遅延剤、導電性付与剤、分散剤、発泡剤、老化防止剤、酸化防止剤、充填材、顔料、着色剤、加工助剤、軟化剤、可塑剤、乳化剤、硬化剤、耐熱性向上剤、難燃性向上剤、受酸剤、熱伝導性向上剤、離型剤、溶剤等が挙げられる。これらの各種添加剤は、通常用いられる添加剤であってもよく、用途に応じて特別に用いられる添加剤であってもよい。
ゴム組成物は、成形金型1に容易にかつ均質に注入することができる点で、例えば、25℃において、5〜500Pa・sの粘度を有しているのがよく、10〜200Pa・sの粘度を有しているのが特によい。
このようなゴム組成物として、具体的には、例えば、(A)一分子中にケイ素原子と結合するアルケニル基を少なくとも2個含有するオルガノポリシロキサンと、(B)一分子中にケイ素原子と結合する水素原子を少なくとも2個含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンと、(C)平均粒径が1〜30μmで、嵩密度が0.1〜0.5g/cmである無機質充填材と、(D)導電性付与剤と、(E)付加反応触媒とを含有する付加硬化型液状導電性シリコーンゴム組成物等が挙げられる。
この発明に係る製造方法によれば、この発明に係る成形金型を用いて、弾性層52を軸体51の外周面に成形することができるから、キャビティ6内に注入した成形材料中に気体が出現しても、わずかな量の成形材料と共に、キャビティ6内から気体を排出することができ、軸体51の外周面に平坦な弾性層52を形成することができる。
この発明に係る成形方法は、前記した例に限定されることはなく、本願発明の目的を達成することができる範囲において、種々の変更が可能である。例えば、この発明に係る成形方法においては、所望により、前記加熱硬化後に再度加熱(二次加熱)してもよく、また、所望により、成形された弾性層の端部を切除してもよい。
この発明に係る成形金型は、前記した一例に限定されることはなく、本願発明の目的を達成することができる範囲において、種々の変更が可能である。すなわち、この発明に係る成形金型の一例としての成形金型1は、収納凹部60がすべてのスプルー16に連設されているが、この発明においては、収納凹部がすべてのスプルーに連設されている必要はなく、例えば、図4(a)に示されるように、収納凹部は、2個のスプルー(端部金型治具を第1の端部金型に装着したときのスプルー16の仮想位置を破線で示す。)に連接するように、独立して、2個に分割形成されてもよい。さらに、収納凹部は、1個のスプルーのみに連設するように独立に複数形成されてもよく、3個のスプルーに連設されるように、分割形成されてもよい。なお、複数の収納凹部が形成される場合には、複数の収納凹部はそれぞれ同様の形状及び容積を有しているのが好ましい。
また、この発明に係る成形金型の一例としての成形金型1は、2本の排出孔用溝61(すなわち、2本の排出孔)が形成されているが、この発明において、排出孔用溝(すなわち、排出孔)が形成される数は特に限定されず、1本でも3本以上でもよい。例えば、排出孔用溝61は、図4(b)に示されるように、互いに90°を成す中心角で4本形成されてもよい。この場合には、端部金型治具5を第1の端部金型3に装着したときのスプルー16の仮想位置(図4(b)において破線で示す。)において、互いに隣接するスプルー16と排出孔用溝61とが45°の角度で位置しているのが好ましい。
さらに、この発明に係る成形金型の一例としての成形金型1は、同一の構造を有する第1の端部金型3と第2の端部金型4とを備えているが、この発明に係る成形金型は、第1の端部金型と第2の端部金型とが同一の構造を有している必要はない。
また、この発明に係る成形金型の一例としての成形金型1は、第1の端部金型3と第2の端部金型4とが筒状金型2の両端開口部に挿入されて、筒状金型2及び第1の端部金型3が嵌合され、かつ、筒状金型2及び第2の端部金型4が嵌合されることによって、筒状金型の両端開口部が閉塞されているが、この発明において、成形金型は、第1の端部金型及び第2の端部金型における鍔部の内側端面に筒状金型の両端部が当接することによって、筒状金型の両端開口部が閉塞されてもよく、また、第1の端部金型及び第2の端部金型における鍔部の外縁に例えばフランジ、係合凸部等の嵌合手段が形成され、かつ、筒状金型の両端部に例えば切欠部、係合凹部等の嵌合手段が形成され、これらの嵌合手段が嵌合されることによって、筒状金型の両端開口部が閉塞されてもよい。
さらに、この発明に係る成形金型の一例としての成形金型を構成する第1の端部金型3及び5は、図2に示されるように、4個のスプルー16が鍔部11に貫通形成されているが、この発明において、第1の端部金型の鍔部にスプルーが貫通形成される数は特に限定されず、1個でも2個以上でもよい。
(実施例1)
図1及び図2に示される成形金型1を準備した。筒状金型2は、NAK55(プラスチック型用鋼、大同特殊鋼株式会社製)を用いて、全長240mm、外径35mm及び内径20.7mmの円筒状に形成した。第1の端部金型3及び第2の端部金型4はそれぞれ、S50C(機械構造用鋼、大同アミスター株式会社製)を用いて、鍔部の厚さ2mm、直径20.7mm、端部金型本体の外径10mm、その長さ(鍔部の厚さを除く)45mm、保持孔の深さ(鍔部の厚さを含む)22.75mm、内径7.5mmに調整した。スプルー及びベントはそれぞれ、内側開口部の開口径2.7mm、外側開口部の開口径2.5mm(開き角θ6°)に調整し、鍔部の中心から8mmの円周上に等間隔に4個形成した。
端部金型治具5は、S50C(機械構造用鋼、大同アミスター株式会社製)を用いて、内径10mmの挿入部62が穿孔された、外径35mm、軸線方向長さ30mmの円柱体に成形し、その上面に、幅3mm、深さ3mm、内径16.5mmを有する半円形の環状凹部60と、幅4mm、深さ4mmを有する半円形の2本の排出孔用溝61とを形成した。2本の排出孔用溝61は、端部金型治具5を第1の端部金型3に装着したときに、2つのスプルー16の略中央部に位置するように、中心角180°の間隔で形成した。第2の端部金型に装着される端部金型治具63として、S50C(機械構造用鋼、大同アミスター株式会社製)を用いて、内径10mmの挿入部62が穿孔された、外径35mm、軸線方向長さ30mmの円柱体に成形した。なお、円筒金型2の内表面は、定法に従い、研磨処理した。
また、無電解ニッケルメッキ処理が施された軸体51(SUM22製、直径7.5mm、長さ281.5mm)をトルエンで洗浄し、その表面にシリコーン系プライマー(商品名「プライマーNo.16」、信越化学工業株式会社製)を塗布した。プライマー処理した軸体を、ギヤオーブンを用いて、150℃の温度にて10分焼成処理した後、常温にて30分以上冷却し、軸体51の表面にプライマー層を形成した。
さらに、付加硬化型液状導電性シリコーンゴム組成物を以下のようにして調整した。すなわち、両末端がジメチルビニルシロキシ基で封鎖されたジメチルポリシロキサン(A)(重合度300)100質量部、BET比表面積が110m/gである疎水化処理されたヒュームドシリカ(日本アエロジル株式会社製、R−972)1質量部、平均粒径6μm、嵩密度が0.25g/cmである珪藻土(C)(オプライトW−3005S、北秋珪藻土株式会社製)40質量部、及び、アセチレンブラック(D)(デンカブラックHS−100、電気化学工業株式会社製)5質量部をプラネタリーミキサーに入れ、30分撹拌した後、3本ロールに1回通した。これを再度プラネタリーミキサーに戻し、架橋剤として、両末端及び側鎖にSi−H基を有するメチルハイドロジェンポリシロキサン(B)(重合度17、Si−H量0.0060mol/g)2.1質量部、反応制御剤として、エチニルシクロヘキサノール0.1質量部、及び、白金触媒(E)(Pt濃度1%)0.1質量部を添加し、15分撹拌して混練して成る組成物をシリコーンゴム組成物とした。
次いで、作製した成形金型1の内表面に離型剤(商品名「ダイフリー」、ダイキン工業株式会社製)を塗布して、図5に示されるように、第1の端部金型3の保持穴12と第2の端部金型4の保持穴32とで前記軸体51を筒状金型2内に保持して、成形金型1を組み立てた。次いで、図7に示されるように、ノズル先端部40を第1の端部金型3に装着して、第1の端部金型3のスプルー16から、シリコーンゴム組成物を、第2の端部金型4のベント36から流出し始めるまで、注入した。
次いで、図1に示されるように、端部金型治具5を第1の端部金型3に装着して、成形金型1を起立状態に配置し、その軸線方向から200kg/cmの圧力で押さえた。この状態を維持しつつ、成形金型1の外部から、150℃に加熱して、同温度で10分間保持し、シリコーンゴム組成物を加熱成形した。このとき、端部金型治具5の排出孔から、2cm程度の成形材料が排出され、排出された成形材料内には複数の気体が含まれていた。
次いで、加熱成形後、成形金型1を放冷して成形品を成形金型1から取り出した。スプルー16及びベント36内で硬化したバリ等の余剰材料が付着している部分を切断除去して、ローラIを作製した。このようにして、ローラIを10本成形した。
(実施例2)
前記端部金型5の代わりに、図4(b)に示されるように、4本の排出孔用溝61が形成された端部金型治具を用いた以外は、実施例1と同様にして、10本のローラIIを成形した。なお、成形材料の加熱時に、端部金型治具5の排出孔から、2cm程度の成形材料が排出され、排出された成形材料内には複数の気体が含まれていた。
(比較例1)
前記端部金型治具5の代わりに、(収納凹部及び排出孔用溝が形成されていない)前記端部金型治具63を用いた以外は、実施例1と同様にして、10本のローラIIIを成形した。
(比較例2)
前記端部金型治具5の代わりに、幅3mm、深さ3mm、内径16.5mmを有する半円形の環状凹部60と、収納凹部60の底面から外部までその軸線方向に延在する排出孔(直径3mmの円形断面)を形成した端部金型治具を用いた以外は、実施例1と同様にして、10本のローラIVを成形した。なお、成形材料の加熱時に、この端部金型治具の排出孔から、4cm程度の成形材料が排出され、排出された成形材料内には複数の気体が含まれていた。
(比較例3)
前記端部金型治具5の代わりに、幅3mm、深さ4mm、内径16.5mmを有する半円形の環状凹部60のみが形成された端部金型治具を用いた以外は、実施例1と同様にして、10本のローラVを成形した。
このようにして成形された各ローラI〜Vの弾性層52を目視で確認した。その結果、ローラI及びIIすべてにおいて、第1の端部金型3側の弾性層に陥没部の存在を確認することができず、平坦な弾性層が形成されていた。一方、10本のローラIIIのうち3本のローラIIIにおいて、第1の端部金型3側の弾性層における表面及び内部に複数の陥没部が存在していた。また、10本のローラIVのうち7本のローラIVにおいて、弾性層に陥没部の存在を確認することができなかったが、すべてのローラIVにおいて、第2の端部金型4側の弾性層の長さが不足していた。さらに、ローラVすべてにおいて、第1の端部金型3側の弾性層に多数の陥没部が存在していた。
図1は、この発明に係る成形金型の一例を示す概略断面図である。 図2は、この発明に係る成形金型を構成する第1の端部金型の一例を示す概略図であり、図2(a)はこの発明に係る成形金型を構成する第1の端部金型の一例を示す概略斜視図であり、図2(b)はこの発明に係る成形金型を構成する第1の端部金型の一例を示す概略縦断面図である。 図3は、この発明に係る成形金型を構成する端部金型治具の一例を示す概略図であり、図3(a)はこの発明に係る成形金型を構成する端部金型治具の一例を示す概略上面図であり、図3(b)は図3(a)におけるA−A線の断面を示す概略断面図である。 図4は、この発明に係る成形金型を構成する端部金型治具の別の一例を示す概略図であり、図4(a)はこの発明に係る成形金型を構成する、収納凹部が2個形成された端部金型治具の別の一例を示す概略上面図であり、図4(b)はこの発明に係る成形金型を構成する、排出孔用溝が4本形成された端部金型治具の別の一例を示す概略上面図である。 図5は、この発明に係る成形金型に軸体を収納した状態を示す概略断面図である。 図6は、ローラの一例を示す概略斜視図である。 図7は、この発明に係る成形金型とノズルとの当接状態を説明する概略断面図である。 図8は、従来の成形金型の一例を示す概略断面図である。 図9は、従来の成形金型の別の一例を示す概略断面図である。
符号の説明
1 成形金型
2 筒状金型
3 第1の端部金型
4 第2の端部金型
5 端部金型治具
6 キャビティ
10、30 端部金型本体
11、31 鍔部
12、32 保持穴
13、33 保持穴底面
14、34 外側端面
15、35 内側端面
16 スプルー
17、37 外側開口部
18、38 内側開口部
36 ベント
40 ノズル先端部
41 当接位置決め用凹部
42 注入路
43 周壁部
50 ローラ
51 軸体
52 弾性層
60 収納凹部
61 排出孔用溝
62 挿入部
63 端部金型治具
100 成形金型
101 円筒金型
102 他端部金型
103 一端部金型
104 注入孔
105 液溜り部
106 一端部金型

Claims (5)

  1. 筒状金型と、前記筒状金型における一方の開口部を閉塞し、成形材料が流通するスプルーを有する第1の端部金型と、前記筒状金型における他方の開口部を閉塞し、ベントを有する第2の端部金型と、前記第1の端部金型に加熱成形時に装着される端部金型治具とを備え、
    前記スプルーの外側開口部に連設された環状の収納凹部と、前記収納凹部から前記端部金型治具の外周面まで延在する排出孔とを有することを特徴とする成形金型。
  2. 前記環状の収納凹部は、複数に分割形成されていることを特徴とする請求項1に記載の成形金型。
  3. 前記収納凹部及び前記排出孔は、前記端部金型治具又は前記第1の端部金型に形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の成形金型。
  4. 前記収納凹部は、前記端部金型治具における前記第1の端部金型の底面に接する面に形成され、
    前記排出孔は、前記収納凹部から前記端部金型治具の外周面まで延在する排出孔用溝と前記底面とで形成されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の成形金型。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の成形金型を用いて軸体の外周面に成形された弾性層を備えたローラを製造する方法であって、
    前記筒状金型と前記第1の端部金型と前記第2の端部金型と前記第1の端部金型及び前記第2の端部金型で保持された前記軸体とで形成されたキャビティに成形材料を注入し、
    前記第1の端部金型に前記端部金型治具を装着した状態で前記成形材料を加熱硬化することを特徴とするローラの製造方法。
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