JP5136768B2 - 回路基板用銅箔 - Google Patents

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Description

本発明は、例えばプリント配線板用銅箔のような回路基板、特にフレキシブルプリント配線板やテープキャリア等のような柔軟性・耐屈曲特性を要求される回路基板用の、配線回路として好適な回路基板用銅箔に関する。
FPC(Flexible Printed Circuit board;フレキシブルプリント配線板、以下、FPCとも呼ぶ)やテープキャリアに用いられるプリント配線板用銅張基板は、ポリイミド樹脂からなる絶縁性フィルム基板上に、いわゆる回路基板用銅箔を貼り合せて形成される(銅張積層板(Copper Clad Laminate:CCL、以下、CCLとも呼ぶ))。
CCLは、エポキシ系接着剤などを使用して銅箔と絶縁性樹脂フィルムと貼り合せるという方法や、直接熱圧着する方法(ラミネート法)、あるいは銅箔にポリイミドワニスを塗布して接着する方法(キャスト法)などによって作製される。こうして作製されたCCLの銅部分をフォトエッチング法などによって微細回路に加工することで、配線材料として使用される。
FPCは主にプリンターヘッドなどの可動部や携帯電話のヒンジ部などに使用されるため、繰り返し屈曲に対する耐久性(以下、これを耐屈曲特性とも呼ぶ)に優れたものであることが要求される。この点から、FPC用銅箔としては、電解銅箔よりも耐屈曲特性に優れる圧延銅箔が主に用いられている。
圧延銅箔の耐屈曲特性は一般に、圧延上がりの硬質材よりも、再結晶材のほうが優れている。しかし、CCL作製工程では、銅箔が硬質材であるほうが、ハンドリング性に優れているので好都合である。従って、回路基板用銅箔として用いられる圧延銅箔は、CCL最終工程の熱処理で銅箔が再結晶するように設計されており、このことからFPC用には120℃〜250℃で軟化するようにタフピッチ銅や無酸素銅などの純銅系の圧延銅箔が使用されている。
また、再結晶材は、その材料に形成される立方体集合組織が発達しているほど優れた耐屈曲特性を示すことが知られている(特許文献1)。
従って、圧延銅箔の製造工程においては、最終焼鈍後の冷間圧延加工度をできるだけ高くする工夫がなされており、通常、90%以上の加工度で冷間圧延が行われている。ここに、圧延加工度とは、圧延前の板厚をt0圧延後の板厚をtとすると、(t0−t)/t0
×100で表される数字である。
近年、電子機器の小型化・高機能化などにより、FPCの耐屈曲特性のさらなる向上に対する要求はますます厳しいものとなってきており、それに伴って、回路基板用銅箔にも耐屈曲特性の向上が望まれている。このため、前述のように銅箔の最終焼鈍後の冷間圧延加工度を上げていく傾向にある。
ところが、冷間圧延加工度を上げていくと、加工対象の銅箔に蓄積される塑性歪みも増大し、再結晶温度が低下する現象を引き起こす。そして遂には、圧延中の加工熱で再結晶が進行してしまったり、室温付近であっても製品の保管などで極めて長時間経過した場合に再結晶が進行してしまうことがあった。このような再結晶が進行すると、例えばCCL製造工程における銅箔のハンドリング時に、銅箔が変形してしまう等の著しい不都合を引き起こす。
このような再結晶の進行を防止するため、銅箔の最終冷間圧延加工度を90%以下とするという対策が提唱されていた(特許文献2)。
また、塑性歪みが蓄積されても、再結晶温度の著しい低下を引き起こさないようにするために、あらかじめ素材に銀(Ag)などを添加して再結晶温度を上昇させる方法が提案されている(特許文献3)。
また、いわゆる表面処理銅箔と呼ばれるFPC用の回路基板用銅箔は、例えばポリイミドフィルムからなる絶縁性基板との強固な接着強度が必要とされるので、絶縁性基板へのアンカー(投錨)効果を得るために、その絶縁性基板との接着面を、エッチングまたは粗化めっき等による粗面化処理によって、敢えて所定の粗さに荒らして、粗化面と成すようにしている。このように表面を荒らして粗化面を形成することで、回路基板用銅箔の表面には微細なコブ状の凹凸が形成されて、絶縁性基板との接着強度が向上する。
特開2001−323354号公報 特開平10−230303号公報 特許第3856582号公報
しかしながら、特許文献1、2にて提案された対策では、耐屈曲特性を犠牲にすることは避け難いので、近年のFPC用の銅箔における耐屈曲特性の向上という強い要請に応えることは不可能である。
また、特許文献3にて提案された対策では、銅箔用の材料を溶解・鋳造する際に、Agなどの元素を添加することは、コスト上昇に繋がる上に、たとえこれによって冷間圧延加工度の低下は回避できたとしても、耐屈曲特性のさらなる向上の要求を満たすものではない。
また、上記のように粗面化処理が施された回路基板用銅箔を絶縁性基板に張り合わせて作製されたFPCを屈曲させると、その屈曲に起因した曲げ応力が、粗化面のコブとコブとの間に集中することとなり、延いてはその応力が集中した部分で、銅箔の破断が発生し、耐屈曲特性が低下してしまう虞がある。
本発明は、このような問題に鑑みて成されたもので、その目的は、圧延銅箔の場合に最終冷間圧延加工度を例えば90%以下とした場合でも、粗化めっきによる粗面化処理等の表面処理後にも十分な耐屈曲特性を有すること、また再結晶温度をコントロールして圧延加工度を上げていった場合でも、さらなる耐屈曲特性の向上を達成することを可能とした回路基板用銅箔を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の回路基板用銅箔は、銅箔からなる基材の片面または両面に、純銅または銅を主体とする銅合金からなる銅系薄膜と、ニッケルまたはコバルトもしくはそれらの合金からなる最小で略20nmから上限を略300nmの膜厚とする非銅系金属薄膜とを、この順で交互に少なくとも2層ずつ以上積層し、その結果として最上層が前記非銅系金属薄膜である積層構造を備えたことを特徴としている。
また、上記目的を達成するため、本発明の回路基板用銅箔は、銅箔からなる基材の片面または両面に、純銅または銅を主体とする銅合金からなる銅系薄膜と、ニッケルまたはコバルトもしくはそれらの合金からなる最小で略20nmから上限を略300nmの膜厚とする非銅系金属薄膜とを、この順で交互に少なくとも1層ずつ以上積層し、その結果として最上層が前記非銅系金属薄膜である積層構造を備え、前記銅箔からなる基材の最終冷間圧延加工度が90%以下であることを特徴としている。
また、上記目的を達成するため、本発明の回路基板用銅箔は、銅箔からなる基材の片面または両面に、純銅または銅を主体とする銅合金からなる銅系薄膜と、ニッケルまたはコバルトもしくはそれらの合金からなる最小で略20nmから上限を略300nmの膜厚とする非銅系金属薄膜とを、この順で交互に少なくとも1層ずつ以上積層し、その結果として最上層が前記非銅系金属薄膜である積層構造を備え、前記積層構造の合計膜厚が略4μmであることを特徴としている。
本発明によれば、圧延銅箔の場合に最終冷間圧延加工度を例えば90%以下とした場合でも表面処理後に十分な耐屈曲特性を有することが可能となり、また再結晶温度をコントロールして圧延加工度を上げていった場合でもさらなる耐屈曲特性の向上を達成することが可能となる。
以下、本実施の形態に係る回路基板用銅箔について、図面を参照して説明する。図1は
、本実施の形態に係る回路基板用銅箔の主要部の層構成を示す図である。
この回路基板用銅箔は、銅箔からなる基材1の表裏両面のうち少なくともいずれか一方の表面に(図1の一例では、粗化面側の表面1a上に形成された粗化めっき層2の上に)、銅系薄膜3として純銅の薄膜と、ニッケルまたはコバルトもしくはそれらの合金からなる非銅系金属薄膜4とを、この順で1層ずつあるいはそれ以上の多層に亘って交互に、積層してなる積層構造を備えている。従って、この積層構造では、非銅系金属薄膜4が、銅系薄膜3よりも必ず上層に設けられている。
基材1は、少なくともその片側の表面1aに、例えば粗化銅めっき処理により粗化めっき層2が形成された、いわゆる粗面化処理を施してなる圧延銅箔であることが望ましい。あるいは、その粗面化処理は、基材1の表面1aを直截的にエッチング法によって粗面化するものであってもよい。
また、銅系薄膜3と非銅系金属薄膜4との積層構造よりも上層に、亜鉛めっき層(図示省略)を設けるようにしてもよい。
また、さらには、亜鉛めっき層よりも上層に、クロメート皮膜(図示省略)を設けるようにしてもよい。
そして、この回路基板用銅箔の表裏両面のうち、上記のクロメート皮膜が形成されており、かつ外部の例えば絶縁性樹脂フィルムのような絶縁性基板5の粗化面側の表面5aに対して張り合わされるように設定された方の表面1a上における、上記のクロメート皮膜の上層に、シランカップリング処理によって形成されたシランカップリング処理層(図示省略)を設けるようにしてもよい。
本実施の形態に係る回路基板用銅箔では、粗化銅めっき処理のような粗面化処理が施された後の屈曲特性向上を達成するために、例えば粗化銅めっき処理によって形成された粗化めっき層2の上に、純銅または銅を主体とする銅合金からなる銅系薄膜3と、ニッケルまたはコバルトもしくはそれらの合金からなる非銅系金属薄膜4とを、この順で交互に積層する構造となっている。
すなわち、このように基材1に、銅系薄膜3と非銅系金属薄膜4とを1層ずつ、あるいはそれ以上の多層に亘って積層して積層構造を形成すると、この回路基板用銅箔の表面層を極微細な結晶粒としたこととなり、特に繰り返し曲げに対するこの回路基板用銅箔全体の疲労強度が飛躍的に向上し、耐屈曲特性が向上するということを、発明者らは新たな知見として得た。そして、この新知見に基づいて本発明を成すに至ったのであった。
上記の非銅系金属薄膜4としては、加熱操作を行っても銅との間に合金層の出来にくい銅系以外の金属が望ましい。そのような非銅系金属としては、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)、またはこれらの合金が適している。ここでフォトエッチング法によるFPC配線回路形成をも考慮すると、NiCoの合金層が最適である。但し、これのみには限定されず、その他にも、モリブデン(Mo)、タングステン(W)、ニオブ(Nb)、チタン(Ti)、クロム(Cr)、シリカ(Si)、鉄(Fe)、あるいはこれらの合金等を用いることも可能である。
銅系薄膜3、非銅系金属薄膜4の、1層ごとの膜厚については、余りにも厚過ぎると、上記のような銅系薄膜3および非銅系金属薄膜4による微細な結晶粒的な効果を十分に発揮させることが困難になるので好ましくない。
また、特に非銅系金属薄膜4の膜厚は、厚過ぎると配線回路を形成するためのエッチングを行う際に、そのパターン再現性における障害となるため、300nm程度が上限となる。あるいは逆に、薄過ぎると、絶縁性基板5と張り合わされる際の加熱に起因して合金
化しやすくなるため、非銅系金属薄膜4の材料として用いられる金属または合金の種類にもよるが、最小20nm程度までが限界である。
また、銅系薄膜3と非銅系金属薄膜4とを積層してなる積層構造の合計層数については、銅系薄膜3と非銅系金属薄膜4とをこの順で1層ずつ(合計2層)形成するだけでも、明らかな耐屈曲特性向上の効果を得ることができる。むしろ、この合計層数が多過ぎる(多層であり過ぎる)と、耐屈曲特性の向上には有利であるものの、同時に製造コストの増大や製造プロセスの煩雑化を招く虞が高くなる。従って、製造コスト等を考慮しなければ、例えば基材1は省略して、この回路基板用銅箔の全板厚に亘って積層構造とすることなども可能である。
ここで、一般にFPC用の回路基板用銅箔は、絶縁性樹脂フィルムとの接着強度を保持するために、片面に粗化銅めっき処理などを施してなる粗化面が形成されている。図1に示した一例では、基材1の表面1a上に形成された粗化めっき層2の粒状(あるいはコブ状)の表面が、その粗化面に該当する。このような粗化面が形成されているFPC用の回路基板用銅箔に、上記の銅系薄膜3と非銅系金属薄膜4との積層構造を、粗化面が形成されている方の表面1a側のみに設けるようにしてもよく、あるいはそれとは反対側の、いわゆる光沢面側である表面1b側のみに設けるようにしてもよく、もしくはその両面に設けるようにしてもよいが、粗化面が形成されている方の表面1a側に上記の銅系薄膜3と非銅系金属薄膜4との積層構造を設ける場合には、粗化面を形成した後に、その粗化面の表面上に設けるようにすることが望ましい。図1の一例に則して言えば、基材1の表面1a上に粗化銅めっき処理によって粗化めっき層2を形成した後、その粗化めっき層2の表面上に、銅系薄膜3と非銅系金属薄膜4との積層構造を設けるようにすることが望ましい。
このようにすることにより、粗化めっき層2の粗化面を主に構成している粒状析出物を銅系薄膜3と非銅系金属薄膜4との積層構造で覆って、その粒状析出物における粒と粒との間に集中しようとする屈曲応力を低減させ、またその銅系薄膜3と非銅系金属薄膜4とで、屈曲応力に起因した割れ(クラック)が時間差を有して生じることとなり、その結果、基材1の表面1aにまで到達するような致命的なクラックの発生を防いで、耐屈曲特性の顕著な向上が達成される。
また、従来の技術では、高い耐屈曲特性を得ようとする場合、最終圧延加工度を90%超のように高く設定しなければならなかったので、その際の塑性歪みの蓄積が大きくなり過ぎて、製品保管中に再結晶が進み、延いてはハンドリング時における銅箔の変形の要因となっていたが、本実施の形態に係る回路基板用銅箔によれば、従来の技術に係る銅箔と同程度の耐屈曲特性を得ようとする場合、圧延銅箔の製造工程において最終圧延加工度を例えば90%以下のように低い値に抑えることが可能となる。
なお、銅箔表面には防錆や樹脂フィルムとの接着性を考慮して防錆めっきやクロメート処理、シランカップリング処理などの、いわゆる後処理被膜が形成される場合が多いが、上記の銅系薄膜3と非銅系金属薄膜4との積層構造を、これらの後処理被膜として兼用することも可能である。
また、本実施の形態に係る回路基板用銅箔における上記の銅系薄膜3と非銅系金属薄膜4との積層構造を形成する方法としては、めっき浴に浸漬〜電解めっきを行うプロセスを主体として用いる湿式めっき法や、基材1の表面上に積層させたい所望の金属の析出電位の違いを利用するパルス電解法、あるいは蒸着やスパッタリングなどの物理的方法などが適用可能である。
また、本実施の形態に係る回路基板用銅箔では、FPCに用いられるものであると仮定
すると、この場合、特にNiCo合金めっきが適しているので、めっき浴を複数用意し、交互に被めっき材を変更しつつ電解めっきにより上記の銅系薄膜3と非銅系金属薄膜4とを積層して行くという、「湿式めっき法」を好適に用いることができる。その個々の多層めっき法それ自体については既知のものであり、耐摩耗性や磁気抵抗効果などへの応用が提案されている(例えば、名工研技術情報No.641(2004.6、名古屋市工業研
究所))。
上記の実施の形態で説明したような回路基板用銅箔を、実施例として試験的に作製した。また、それとの比較のために、銅系薄膜3と非銅系金属薄膜4との積層構造を有さない、従来の構成の一般的な回路基板用銅箔を、実施例1〜6と同様の板厚で作製し、比較例とした。そして、それらを用いて屈曲寿命についての実験を行い、その屈曲寿命をパラメータとして用いて実施例1〜6と比較例1、2とでの耐屈曲特性を比較・検討した。
図2は、各めっき処理で用いた、めっき液の組成、電流密度、めっき回数を纏めて示す図、図3は、実施例および比較例の各回路基板用銅箔の主な仕様を纏めて示す図、図4は、実施例および比較例の各回路基板用銅箔の屈曲寿命についての実験結果を纏めて示す図である。
まず、基材1の銅箔として、タフピッチ銅のインゴットを溶製した後、熱間圧延により、厚さ12mmの銅素材を得た。
続いて、この銅素材に対して冷間圧延と焼鈍とを繰り返して、最終圧延前の生地材とした。この生地材に最終の焼鈍と圧延を施して、所定の板厚の銅箔とした。比較例1、2の銅箔については、最終圧延上がりの板厚を0.016mmとした。実施例1〜6の銅箔については、銅系薄膜3、非銅系金属4が合計約4μmの積層構造として形成されるので、総板厚を比較例の板厚と合せるために、その最終圧延上がりの板厚を0.012mmとした。これは、屈曲特性の比較評価を行うに際して、実験方法を同一条件に設定しても、板厚が異なっていると、付与される歪が異なり、正しい比較対照ができなくなるので、そのような実験上の齟齬を避けるためである。
その後、図3に示したような各仕様で、実施例1〜6の銅箔には片面上に銅系薄膜3、非銅系金属薄膜4をそれぞれ積層形成した。この銅系薄膜3、非銅系金属薄膜4の形成は、Cu、NiCo、Ni、Coと異なった金属ごとでそれぞれ別のめっき浴により行った。このときのめっき処理は、図2に纏めて示したような設定とした。このめっき処理工程の前処理としては、一般的な電解脱脂処理を施し、また各めっき処理工程の後処理として十分な水洗を行ってから、次のめっき処理に移るようにした。
比較例1、2の銅箔については、圧延銅箔である基材1の片面上に粗化銅めっき層2を形成したのみとした。
これら実施例1〜6および比較例1、2の供試材には、防錆処理として両面に亜鉛めっき、クロメート処理の順に作業を行い、粗化面にシランカップリング処理を全てにおいて施した。
図3の表中の「圧延加工度」は、式;(t0−t)/t0×100より求めた。ここに、t0は圧延前の板厚、tは圧延後の板厚である。
このようにして作製した実施例1〜6および比較例1、2の各供試材について、屈曲寿命試験を行い、その耐屈曲特性について確認・比較・評価した。
各供試材を180℃および300℃で60分間加熱した後、それぞれ幅が12mmおよび長さが200mmのサンプルを採取し、その各々について耐屈曲特性試験を行って、それぞれの屈曲寿命を計測し、それに基づいて各供試材の耐屈曲特性を確認・比較・評価した。このときの屈曲寿命の計測は、JISC5016に規定されているFPCの耐屈曲特
性試験と同様の方法によって実施し、供試材のめっき処理面(粗化銅めっき層2、銅系薄膜3、非銅系金属薄膜4が形成された面)を外側にして、曲率半径を2.5mm、ストロークを10mm、屈曲速度を1500回/分に設定したときの、サンプル破断に至るまでの屈曲回数を屈曲寿命として表示した。
その結果、各サンプルの屈曲寿命は、図4に示したようなものとなった。
実施例1〜4および比較例1の結果から、最終圧延加工度が90%以上の場合では、実
施例のサンプルは比較例のそれの約3倍の屈曲寿命を示していることが確認された。
また、実施例5および比較例2の結果から、最終圧延加工度が90%以下の場合についても、実施例のサンプルは比較例のそれの約2倍の屈曲寿命を示すことが確認された。
また、比較例1、2のサンプルでは、180℃の加熱を行った場合に対して300℃の加熱を行った場合の方が、寿命の低下が大きいが、実施例のサンプルでは、この低下がほとんどないのが極めて特徴的である。むしろ実施例1、3、4では寿命が増加している。これは、高温の加熱の際に銅系薄膜3と非銅系金属薄膜4との積層構造の一部が拡散して合金化することにより、寿命が延びたものと推定される。
銅系薄膜3と非銅系金属薄膜4との積層構造の層数の影響については、実施例1、2、6の結果から、Cu+NiCoめっきを5回繰り返したものと10回繰り返したものとでは(実施例1、2)、大きな差は認められないが、1回のものでは(実施例6)、寿命低下回避の効果は低減するものの、その低下率は極めて僅かであり、またCu+NiCoめっきを全く施していない比較例1の結果と比べて、顕著に優れた屈曲寿命を示していることが確認された。
また、非銅系金属薄膜4を構成する金属の種類の違いによる影響については、実施例1、3、4の結果から、屈曲寿命(耐屈曲特性)の差は、ほとんど無いことが確認された。
なお、本実施例および上記実施の形態では、圧延銅箔の粗化面側に銅系薄膜3と非銅系金属薄膜4との積層構造を形成する場合を主体として説明したが、FPC用の銅箔としては電解銅箔が用いられる場合もあり、そのような電解銅箔を基材1として用いる場合にも、本発明を適用可能である。この場合には、電解銅箔の耐屈曲特性を大幅に向上させることができる。
また、基材1の片面だけでなく両面に、上記のような銅系薄膜3と非銅系金属薄膜4との積層構造を形成することにより、さらに優れた耐屈曲特性を達成することが可能となる。
本発明の実施の形態に係る回路基板用銅箔の主要部の構成を示す図である。 実施例および比較例のサンプル作製における、各めっき処理で用いた、めっき液の組成、電流密度、めつき回数を纏めて示す図である。 実施例および比較例の各回路基板用銅箔の主な仕様を纏めて示す図である。 実施例および比較例の各回路基板用銅箔の屈曲寿命についての実験結果を纏めて示す図である。
符号の説明
1 基材
2 粗化めっき層
3 銅系薄膜
4 非銅系金属薄膜
5 絶縁性基板

Claims (8)

  1. 銅箔からなる基材の片面または両面に、純銅または銅を主体とする銅合金からなる銅系薄膜と、ニッケルまたはコバルトもしくはそれらの合金からなる最小で略20nmから上限を略300nmの膜厚とする非銅系金属薄膜とを、この順で交互に少なくとも2層ずつ以上積層し、その結果として最上層が前記非銅系金属薄膜である積層構造を備えた
    ことを特徴とする回路基板用銅箔。
  2. 請求項1記載の回路基板用銅箔において、
    前記銅箔からなる基材の最終冷間圧延加工度が90%以下である
    ことを特徴とする回路基板用銅箔。
  3. 銅箔からなる基材の片面または両面に、純銅または銅を主体とする銅合金からなる銅系薄膜と、ニッケルまたはコバルトもしくはそれらの合金からなる最小で略20nmから上限を略300nmの膜厚とする非銅系金属薄膜とを、この順で交互に少なくとも1層ずつ以上積層し、その結果として最上層が前記非銅系金属薄膜である積層構造を備え、
    前記銅箔からなる基材の最終冷間圧延加工度が90%以下である
    ことを特徴とする回路基板用銅箔。
  4. 請求項1ないし3のうちいずれか1つの項に記載の回路基板用銅箔において、
    前記積層構造の合計膜厚が略4μmである
    ことを特徴とする回路基板用銅箔。
  5. 銅箔からなる基材の片面または両面に、純銅または銅を主体とする銅合金からなる銅系薄膜と、ニッケルまたはコバルトもしくはそれらの合金からなる最小で略20nmから上限を略300nmの膜厚とする非銅系金属薄膜とを、この順で交互に少なくとも1層ずつ以上積層し、その結果として最上層が前記非銅系金属薄膜である積層構造を備え、
    前記積層構造の合計膜厚が略4μmである
    ことを特徴とする回路基板用銅箔。
  6. 請求項1ないしのうちいずれか1つの項に記載の回路基板用銅箔において、
    前記基材が、片面または両面に粗面化処理を施してなる粗化面を有する圧延銅箔である
    ことを特徴とする回路基板用銅箔。
  7. 請求項1ないしのうちいずれか1つの項に記載の回路基板用銅箔において、
    前記積層構造よりも上層に、少なくとも亜鉛めっき層若しくはクロメート皮膜がこの順で設けられている
    ことを特徴とする回路基板用銅箔。
  8. 請求項記載の回路基板用銅箔において、
    当該回路基板用銅箔の表裏両面のうち、前記クロメート皮膜が形成されており、かつ外部の絶縁性樹脂フィルムのような絶縁性基板と接着されるように設定された側の表面における、前記クロメート皮膜の上層に、シランカップリング処理が形成されている
    ことを特徴とする回路基板用銅。
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