JP5134201B2 - 拡張式アンカープラグ及びこれを用いた施工方法 - Google Patents

拡張式アンカープラグ及びこれを用いた施工方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5134201B2
JP5134201B2 JP2005316505A JP2005316505A JP5134201B2 JP 5134201 B2 JP5134201 B2 JP 5134201B2 JP 2005316505 A JP2005316505 A JP 2005316505A JP 2005316505 A JP2005316505 A JP 2005316505A JP 5134201 B2 JP5134201 B2 JP 5134201B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
screw
self
plug
advancing
pilot hole
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2005316505A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2007120705A (ja
Inventor
惠司 山川
Original Assignee
日本パワーファスニング株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 日本パワーファスニング株式会社 filed Critical 日本パワーファスニング株式会社
Priority to JP2005316505A priority Critical patent/JP5134201B2/ja
Publication of JP2007120705A publication Critical patent/JP2007120705A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5134201B2 publication Critical patent/JP5134201B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Joining Of Building Structures In Genera (AREA)
  • Dowels (AREA)

Description

本発明は、一般のコンクリート壁やブロック等のような硬くて脆い素材からなる施工場所にワークを固定するための拡張式アンカープラグと、これを用いてワークを施工場所の表面に固定する施工方法とに関するものである。
従来から、コンクリート壁等の施工場所に断熱材等のワークを固定するために、合成樹脂製で略筒状の拡張式アンカープラグと自己進入式ねじとを組み合わせてなるねじ込み式アンカーが使用されている。
特許文献1には、この種のねじ込み式アンカーに用いられる拡張式アンカープラグの一例が開示されている。特許文献1の拡張式アンカープラグは、自己進入式ねじの挿入方向から見て手前側に位置するプラグ首部と、前記挿入方向から見て前方側に位置するプラグ脚部と、これら両者の間に位置する拡張スリーブ部とを一体に連設した構造になっている。拡張スリーブ部のうち貫通穴を挟んで相対向する箇所には、自己進入式ねじのねじ込みにて円周方向に変形可能な一対の薄肉部が形成されている。
貫通穴の内径は、プラグ首部からプラグ脚部にかけて段階的(3段階)に小径となっている。貫通穴のうちプラグ首部の箇所は、自己進入式ねじにおけるねじ部の先端を貫通穴に対して適正な姿勢で案内(ガイド)するために、緩い角度で先窄まりしたテーパ状になっている。
この拡張式アンカープラグを使用する場合は、施工場所にドリル等にて下穴を開けてから、まず、プラグ脚部を先にした状態で拡張式アンカープラグを下穴に挿入する。次いで、施工場所の表面にワークを重ねると共に、ワークを貫通した自己進入式ねじを動力式ドライバ等にて拡張式アンカープラグにねじ込む。
そうすると、貫通穴のうち拡張スリーブ部の箇所の内径が自己進入式ねじの呼び径より小さいため、自己進入式ねじをねじ込むに連れて、拡張スリーブ部の両薄肉部が円周方向に伸張し、拡張スリーブ部は半径外向きに押し広げられて下穴の内壁に密着する。その結果、拡張式アンカープラグが下穴から抜けなくなり、該拡張式アンカープラグにねじ込まれた自己進入式ねじの頭部にて、ワークは施工場所の表面に押さえ固定される。
特表2003−529727号公報
特許文献1の拡張式アンカープラグに対してねじ込まれる自己進入式ねじとしては、通常木ねじが使用されており、拡張式アンカープラグの貫通穴のうち挿入口に当たるプラグ首部の箇所は、木ねじの先端が貫通穴に適正な姿勢で案内(ガイド)されるように、先窄まりのテーパ状に形成されている。他方、ねじ山のリード(ねじの一回転に対する軸方向の進入量)をねじ部の谷底が露出する程度に大きく(粗く)すると、ねじ込みスピードが速くなって作業性がよく、特に拡張式アンカープラグに接着剤を併用した場合に、接着剤がねじ山の間に入り込んで噛み合った状態になり、拡張式アンカープラグ及び自己進入式ねじを下穴に固定する固定強度が高くなる。
しかし、自己進入式ねじにおけるねじ山のリードが大きい場合は、該自己進入式ねじの案内が不十分になり、自己進入式ねじを拡張式アンカープラグの軸線に対して斜めに傾いた状態でねじ込んでしまうことがあった。
すると、軸部先端が例えば拡張スリーブ部の薄肉部を突き破る等して、拡張スリーブ部における半径外向きの拡張が不十分になり、その結果、下穴に対する拡張式アンカープラグ及び自己進入式ねじの固定強度を確保できず、ひいてはワークの取付け強度が低下するという問題が発生するのであった。
そこで、本願発明は、かかる現状を改善できる拡張式アンカープラグとこれを用いた施工方法を提供することを技術的課題とするものである。
請求項1の発明は合成樹脂製拡張式アンカープラグに係り、この拡張式アンカープラグは、施工場所に開けた下穴に挿入して自己進入式ねじのねじ込みにて半径外向きに膨れるように拡張する略筒状であって、前記自己進入式ねじの挿入方向から見て手前側に位置するプラグ首部と、前記ねじの挿入方向から見て前方側に位置するプラグ脚部と、これら両者の間に位置する拡張スリーブ部とを一体に連設した構造になっていて、前記プラグ首部と拡張スリーブ部とプラグ脚部とには前記ねじが挿入される貫通穴を空けている。
そして、少なくとも前記拡張スリーブ部に、軸方向に延びるスリットを形成することにより、前記自己進入式ねじのねじ込みにて前記拡張スリーブ部が半径外向きに拡張するのを許容しており、かつ、前記プラグ首部に、前記自己進入式ねじの先端部をねじ込み可能に把持して前記自己進入式ねじを同心状に保持する案内手段が設けられている構成において、
前記案内手段は、前記自己進入式ねじにおけるねじ山の外周と進み側フランク面とが当る螺旋状段部であって、前記自己進入式ねじの挿入方向に向けて内径が小さくなるように先窄まり状になっており、
更に、前記スリットは前記プラグ脚部には達しない構成でジグザグに形成された部分を有していると共に、前記自己進入式ねじのねじ込みに際して下穴に当接して連れ回転を防止する回転防止爪又は回転防止舌片を設けており、
かつ、前記プラグ脚部のうち下半部は複数の分割脚に分割されており、前記プラグ脚部における貫通穴を前記分割脚の箇所で小径になるよう径違いに設定することにより、前記各分割脚が前記自己進入式ねじのねじ込みにて互いに離れるように半径外向きに押し広げられる構成である。
請求項2の発明は施工方法に係るもので、この施工方法は、請求項1に記載した拡張式アンカープラグと、ねじ部の谷底が露出する程度にリードが大きい自己進入式ねじとを組み合わせたねじ込み式アンカーを用いて、ワークを施工場所の表面に固定するものである。そして、施工場所に開けた下穴に拡張式アンカープラグを注入する前又は後に、該下穴内に接着剤を注入し、次いで、自己進入式ねじを前記拡張式アンカープラグにねじ込むことによって、ワークを施工場所の表面に固定する。
本願発明に係る拡張式アンカープラグは、そのプラグ首部の箇所に、前記自己進入式ねじの先端部をねじ込み可能に把持して前記自己進入式ねじを同心状に保持する案内手段が設けられているので、ねじ込み初期において前記自己進入式ねじの先端部を前記拡張式アンカープラグの内径部に対して適正な姿勢に保持することが簡単に行える。かかる案内手段の存在により、ねじ山のリードが大きい(粗い)自己進入式ねじであっても、前記拡張式アンカープラグの軸線と平行な姿勢(前記拡張式アンカープラグに対して真っ直ぐな姿勢)に保持して、真っ直ぐにねじ込むことができる。
また、前記案内手段としての螺旋状段部は、前記自己進入式ねじにおけるねじ山の外周と進み側フランク面とが当るように構成され、且つ前記自己進入式ねじの挿入方向に向けて内径が小さくなるように先窄まり状になっているので、拡張式アンカープラグを金型を用いて作製するに際して、成形が容易になるという効果を奏する。
前記自己進入式ねじをねじ込んだとき、プラグ脚部の下半部における各分割脚も半径外向きに押し広げられて下穴の内壁に密着し、該密着による摩擦力にて、下穴に対するアンカープラグの固定強度の向上に寄与する。
本願発明の施工方法によると、施工場所に開けた下穴に拡張式アンカープラグを挿入する前又は後に、該下穴内に接着剤を注入し、次いで、ねじ部の谷底が露出する程度にリードが大きい自己進入式ねじを前記拡張式アンカープラグにねじ込むことによって、ワークを施工場所の表面に固定するというものであるから、前記自己進入式ねじのねじ込みによる前記拡張式アンカープラグの拡張作用と、前記接着剤による接着作用とが相互補完的に機能して、前記下穴に対する前記拡張式アンカープラグ及び前記自己進入式ねじの固定強度が十二分に確保されることになり、ひいては前記ワークの取付け強度を向上できるのである。
以下に、本発明を具体化した実施形態を図面(図1〜図4)に基づいて説明する。図1のうち(a)は本実施形態における拡張式アンカープラグの正面図、(b)は右側面図、(c)は平面図、(d)は底面図、(e)は(a)のIe−Ie視拡大断面図、図2のうち(a)は図1(c)のIIa−IIa視断面図、(b)は(a)の要部拡大断面図、図3はタッピンねじの正面図、図4は施工手順の一例を示す説明図である。
(1).ねじ込み式アンカーの構成
本実施形態のねじ込み式アンカーは、合成樹脂製の拡張式アンカープラグ1(図1参照)と、自己進入式ねじ21(図3参照)とにより構成されている。
拡張式アンカープラグ1にねじ込まれる自己進入式ねじ21は従来から広く知られたものであり、鋼やステンレス等の金属製の丸棒(または線材)を素材とした軸部22を備えている。軸部22の一端には略台錐状の頭部23が形成されている。軸部22のうち頭部23と反対側のある程度の範囲には、1条のねじ山25からなるねじ部24が形成されている。このため、軸部22はねじ部24とねじ無し部26とに分かれている。ねじ山25のリードL1(ピッチでもある)は谷底が露出する程度に大きい(粗い)値に設定されている。ねじ部24の先端は尖っている。ねじ部24のねじ山25は通常通り右ねじになっている。ねじ山25は転造にて形成されているため、ねじ部24の谷径RDはねじ無し部26の直径DDより小径になっている。なお、頭部2の頂面には、ドライバビットが係合する駆動穴(図示せず)が形成されている。
合成樹脂製の拡張式アンカープラグ1(以下、アンカープラグと称する)は、従来と同様に、自己進入式ねじ21の軸部22がねじ込まれる貫通穴2(図1(c)(e)及び図2(a)参照)を軸方向に貫通させた略円筒型に形成されている。以下の説明では、便宜上、自己進入式ねじ21の挿入方向IN(図4(c)参照)から見て手前側を上部、前方側を下部と称する。
アンカープラグ1は、上部に位置するプラグ首部3と、下部に位置するプラグ脚部5と、これら両者の間に位置する拡張スリーブ部4とを一体に連設した構造になっている。アンカープラグ1の外周部には、プラグ首部3の中途部から拡張スリーブ部4の下端まで延びる一対のスリット6が貫通穴2を挟んで相対向するように形成されている(図1(b)参照)。従って、プラグ首部3の下半部と拡張スリーブ部4とは、これら両スリット6にて2つに分割されている。両スリット6の存在により、自己進入式ねじ21を貫通穴2にねじ込んだときに、2つに分割された拡張スリーブ部4が半径外向きに拡張することが許容されている。
本実施形態の各スリット6は、プラグ首部3の箇所ではストレート状であるが拡張スリーブ部4の箇所ではジグザグ状になっている。また、各スリット6における軸方向の両端にはスリット巾より若干大径の丸穴7が貫通形成されている。この丸穴7は、自己進入式ねじ21を貫通穴2にねじ込んだときに、スリット6の各端部から更に軸方向に裂けるのを防止するためのものである。
スリット6は少なくとも拡張スリーブ部4にあればよくて、前記プラグ脚部5には達しない構成である。
プラグ首部3の外周上部には、半径外向きに突出した複数の回転防止爪8が円周方向に沿って適宜間隔で形成されている。本実施形態では、軸方向に長い4つの回転防止爪8がプラグ首部3の外周上部に90°間隔で配置されている。回動防止爪8はプラグ首部3の上端から中途部付近まで軸方向に延びている。
プラグ首部3のうち2つに分かれた外周下部には、それぞれ回転防止舌片9が切り起こし形成されている。これら各回転防止舌片9は、自己進入式ねじ21のねじ込み方向SC(図1(e)では時計回り方向)に向けて開くように湾曲している。該回転防止舌片9の先端コーナ部は半径外向きに傾斜している。
これら回転防止爪8及び回転防止舌片9は、ドリル等にて施工場所に開けた下穴34(図4参照)にアンカープラグ1を挿入したときに該下穴34の内壁に接触する。このため、自己進入式ねじ21を貫通穴2にねじ込む際にアンカープラグ1に掛かるねじりモーメントが回転防止爪8及び回転防止舌片9にて受け止められ、アンカープラグ1が自己進入式ねじ21と共に回動することを防止している。なお、プラグ首部3の上端面には薄いリング状のフランジ10が形成されている。
拡張スリーブ部4の外周部には、肉抜きのための円弧状又は環状の凹溝11が、軸方向に適宜間隔で並ぶように複数個切り欠き形成されている。このため、軸方向に隣接する凹溝11の間が半径外向きに突出した張り出し部12になっており、拡張スリーブ部4の外形は鋸歯のような上下複数段状になっている。これら各張り出し部12は、自己進入式ねじ21をねじ込んだときに半径外向きに拡張して下穴34の内壁に密着し、該内壁との間で摩擦力を発生させる。該摩擦力により、下穴34に対するアンカープラグ1の固定強度が確保される。
プラグ脚部5の下部には、底面視で貫通穴2を中心に交差する十字溝13が形成されている。この十字溝13により、プラグ脚部5の下半部は4つの分割脚14として均等に分割されている。これら4つの分割脚14も、自己進入式ねじ21をねじ込んだときに互いに離れるように半径外向きに押し広げられて下穴34の内壁に密着し、該密着による摩擦力にて、下穴34に対するアンカープラグ1の固定強度の向上に寄与する。なお、各分割脚14のうち貫通穴2側の下端コーナ部は面取りされている。
図2(a)に示すように、アンカープラグ1の貫通穴2(内径部)は、プラグ首部3の箇所にある案内手段としての螺旋状段部15、拡張スリーブ部4からプラグ脚部5における上半部の箇所まで延びる第1ストレート部16、プラグ脚部5のうち分割脚14で構成された下半部の箇所にある第2ストレート部17の順に連続して延びている。
プラグ首部3の箇所にある螺旋状段部15は、自己進入式ねじ21におけるねじ山25のリードL1と同じリードL2で半径内向きに突出し、且つ螺旋状に形成されている(図2(a)(b)参照)。自己進入式ねじ21をねじ込んだ場合は、そのねじ部24の先端部がねじ込み可能に把持され、該自己進入式ねじ21は螺旋状段部15にて同心状に保持される。この場合は、自己進入式ねじ21におけるねじ山25の外周が螺旋状段部15の内面に当ると共に、ねじ山25における進み側のフランク面25aが螺旋状段部15の螺旋面15aに載る(当接する)ことになる。
また、螺旋状段部15は、その最大内径(貫通穴2における挿入口の内径)が自己進入式ねじ21の呼び径NDと同程度かそれ以上の寸法になっており、拡張スリーブ部4の箇所にある第1ストレート部16に近付くに従って(自己進入式ねじ21の挿入方向INに向けて)先窄まり状になっている。
貫通穴2のうち第1及び第2ストレート部16、17は、その内径が自己進入式ねじ21の呼び径NDより小さくなっている。そして、第2ストレート部17の内径の方が第1ストレート部16のそれよりも小径になっている。従って、貫通穴2は、プラグ脚部5の箇所では、分割脚14の箇所が小径となる径違いになっている。このように第1及び第2ストレート部16、17の内径を段階的(2段階)に小径としたのは、自己進入式ねじ21をねじ込んだときに拡張スリーブ部4及びプラグ脚部5における4つの分割脚14を確実に半径外向きに拡張させるためである。
(2).施工手順
次に、図4を参照しながら、アンカープラグ1及び自己進入式ねじ21を用いて、施工場所としてのコンクリート側壁31にワーク32、33を固定する手順の一例を説明する。
まず、図4(a)に示すように、ドリル(図示せず)にてコンクリート側壁31に下穴34を穿設する。下穴34は、アンカープラグ1を多少変形させて嵌め込むことも可能であるが、アンカープラグ1がきっちり嵌る大きさであれば好適である。
次いで、下穴7内に溜まった切粉や塵等を除去し、ノズル付きの注入具35にて接着剤36を適量注入してから、プラグ脚部5を先にした状態でアンカープラグ1を下穴34に挿入する(図4(b)参照)。この場合、接着剤36は例えば拡張スリーブ部4の凹溝11に充満し得る程度であればよく、必ずしもアンカープラグ1と下穴34との間の隙間まで完全に充満させる必要はない。接着剤36は、例えばエポキシ樹脂と硬化剤とからなる2液混合タイプ等の様々のものを使用できる。また、接着剤36は注入式に限らず、カプセル式を採用してもよい。いうまでもないが、アンカープラグ1を下穴34に挿入してから、接着剤36を下穴34に注入してもよい。
次いで、コンクリート側壁31の表面にワーク32、33を重ねて、ワーク32、33を貫通した自己進入式ねじ21を動力式ドライバ(図示せず)にてアンカープラグ1の貫通穴2にねじ込む(図4(c)参照)。
すると、ねじ込み初期において自己進入式ねじ21の先端部は、ねじ山25の外周及び進み側のフランク面25aが螺旋状段部15に当った状態でねじ込み方向SCに案内(ガイド)されるため、自己進入式ねじ21をアンカープラグ1の貫通穴2に対して適正な姿勢に保持することが簡単に行える。かかる螺旋状段部15の存在により、ねじ山25のリードL1が大きい(粗い)自己進入式ねじ21であっても、アンカープラグ1の軸線と平行な姿勢(アンカープラグ1に対して真っ直ぐな姿勢)に保持して、下穴34に真っ直ぐにねじ込むことができる。
ねじ込み時にアンカープラグ1に掛かるねじりモーメントは、下穴34の内壁に接触した回転防止爪8及び回転防止舌片9にて受け止められ、自己進入式ねじ21に連動してのアンカープラグ1の回転を抑制している。なお、自己進入式ねじ21をねじ込む前に、コンクリート側壁31の表面にワーク32、33を重ね合わせて、ワーク32、33のうち下穴34に対応する箇所に、ねじ21挿入用の穴を開けておくようにしてもよい。
自己進入式ねじ21のねじ部24が第1ストレート部16に到達すると、第1ストレート部16の内径は自己進入式ねじ21の呼び径NDより小さいため、2分割された拡張スリーブ部4が半径外向きに押し広げられて、張り出し部12が下穴34の内壁に密着する。
更にねじ込みを進めると、自己進入式ねじ21のねじ部24が第2ストレート部17の内面にねじ溝を切りながらプラグ脚部5を貫通して、プラグ脚部5を拡張スリーブ部4側に引き寄せる。この点も拡張スリーブ部4を半径外向きに押し広げる作用に寄与しており、張り出し部12を下穴34の内壁に密着させる作用を補強している。この場合は、プラグ脚部5の分割脚14群も半径外向きに押し広げられて下穴34の内壁に密着するので(図4(d)参照)、該密着による摩擦力も下穴34に対するアンカープラグ1の固定強度を向上させている。
以上の結果、下穴34に対するアンカープラグ1及び自己進入式ねじ21の固定強度が確保され、アンカープラグ1及び自己進入式ねじ21が下穴34から抜けなくなり、自己進入式ねじ21の頭部23にて、ワーク32、33がコンクリート側壁31の表面にしっかりと押さえ固定されるのである。
他方、下穴34内の接着剤36は、拡張スリーブ部4の凹溝11間や自己進入式ねじ21のねじ山25間に充満し、適宜時間が経過すると固まる。この接着剤36の接着力によっても、アンカープラグ1及び自己進入式ねじ21は下穴34に固定される。この場合、凹溝11及びねじ山25と接着剤36とが噛み合った状態になっているため、アンカープラグ1及び自己進入式ねじ21を少ない量の接着剤36でも下穴34に強固に固定できる。
この場合、自己進入式ねじ21のねじ込みによるアンカープラグ1の拡張作用にて、下穴34に対するアンカープラグ1の固定強度を確保しているので、施工に際して接着剤36が硬化していなくてもワーク32、33の取り付けが可能であり、養生期間が必要ない(接着剤36が完全に固まるのを待つ必要はない)。
また、アンカープラグ1と下穴34とを、密着による摩擦力に加えて接着剤36をも介して固定しているので、例えば振動等にてアンカープラグ1及び自己進入式ねじ21が緩んでがたつくことはなく、長期の使用に耐える。もちろん、アンカープラグ1と下穴34との間に多少のギャップがあったとしても、自己進入式ねじ21には倒すようなモーメントが発生することはないから、接着剤36が固まるのを待つまでもなく、自己進入式ねじ21を水平状に保持できる。
すなわち、自己進入式ねじ21のねじ込みによるアンカープラグ1の拡張作用と、接着剤36による接着作用とが相互補完的に機能して、下穴34に対するアンカープラグ1及び自己進入式ねじ21の固定強度が十二分に確保され、ひいてはワーク32、33の取付け強度を向上できる。
なお、上述のねじ込み式アンカー(アンカープラグ1及び自己進入式ねじ21の組合せ)は、接着剤36を使わずとも十分な固定強度を得られるものであることはいうまでもない。
(3).その他
本願発明は、前述の実施形態に限らず様々な態様に具体化できる。各部の構成は図示の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更が可能である。
(a)は拡張式アンカープラグの正面図、(b)は右側面図、(c)は平面図、(d)は底面図、(e)は(a)のIe−Ie視拡大断面図である。 (a)は図1(c)のIIa−IIa視断面図、(b)は(a)の要部拡大断面図である。 自己進入式ねじの正面図である。 施工手順の一例を示す説明図であり、(a)はコンクリート壁の下穴に接着剤を注入した状態の側断面図、(b)は下穴に拡張式アンカープラグを挿入した状態の側断面図、(c)は拡張式アンカープラグに自己進入式ねじをねじ込んでいる状態の側断面図、(d)は自己進入式ねじでワークを固定した状態の側断面図である。
1 拡張式アンカープラグ
2 貫通穴
3 プラグ首部
4 拡張スリーブ部
5 プラグ脚部
6 スリット
14 分割脚
15 螺旋状段部
15a 螺旋面
16 貫通穴の第1ストレート部
17 貫通穴のうち分割脚の箇所に位置した小径の第2ストレート部
21 自己進入式ねじ
24 ねじ部
25 ねじ山
25a 進み側フランク面
31 コンクリート側壁
32、33 ワーク
34 下穴
36 接着剤
L1 ねじ山のリード
L2 螺旋状段部のリード

Claims (2)

  1. 施工場所に開けた下穴に挿入して自己進入式ねじのねじ込みにて半径外向きに膨れるように拡張する略筒状の合成樹脂製拡張式アンカープラグであって、
    前記自己進入式ねじの挿入方向から見て手前側に位置するプラグ首部と、前記ねじの挿入方向から見て前方側に位置するプラグ脚部と、これら両者の間に位置する拡張スリーブ部とを一体に連設した構造になっていて、前記プラグ首部と拡張スリーブ部とプラグ脚部とには前記ねじが挿入される貫通穴を空けており、
    少なくとも前記拡張スリーブ部に、軸方向に延びるスリットを形成することにより、前記自己進入式ねじのねじ込みにて前記拡張スリーブ部が半径外向きに拡張するのを許容しており、かつ、前記プラグ首部に、前記自己進入式ねじの先端部をねじ込み可能に把持して前記自己進入式ねじを同心状に保持する案内手段が設けられている構成において、
    前記案内手段は、前記自己進入式ねじにおけるねじ山の外周と進み側フランク面とが当る螺旋状段部であって、前記自己進入式ねじの挿入方向に向けて内径が小さくなるように先窄まり状になっており、
    更に、前記スリットは前記プラグ脚部には達しない構成でジグザグに形成された部分を有していると共に、前記自己進入式ねじのねじ込みに際して下穴に当接して連れ回転を防止する回転防止爪又は回転防止舌片を設けており、かつ、
    前記プラグ脚部のうち下半部は複数の分割脚に分割されており、前記プラグ脚部における貫通穴を前記分割脚の箇所で小径になるよう径違いに設定することにより、前記各分割脚が前記自己進入式ねじのねじ込みにて互いに離れるように半径外向きに押し広げられる構成である、
    拡張式アンカープラグ。
  2. 請求項1に記載した拡張式アンカープラグと、ねじ部の谷底が露出する程度にリードが大きい自己進入式ねじとを組み合わせたねじ込み式アンカーを用いて、ワークを施工場所の表面に固定する施工方法であって、
    施工場所に開けた下穴に拡張式アンカープラグを注入する前又は後に、該下穴内に接着剤を注入し、次いで、自己進入式ねじを前記拡張式アンカープラグにねじ込むことによって、ワークを施工場所の表面に固定する、
    ねじ込み式アンカーを用いた施工方法。
JP2005316505A 2005-10-31 2005-10-31 拡張式アンカープラグ及びこれを用いた施工方法 Expired - Fee Related JP5134201B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005316505A JP5134201B2 (ja) 2005-10-31 2005-10-31 拡張式アンカープラグ及びこれを用いた施工方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005316505A JP5134201B2 (ja) 2005-10-31 2005-10-31 拡張式アンカープラグ及びこれを用いた施工方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007120705A JP2007120705A (ja) 2007-05-17
JP5134201B2 true JP5134201B2 (ja) 2013-01-30

Family

ID=38144763

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005316505A Expired - Fee Related JP5134201B2 (ja) 2005-10-31 2005-10-31 拡張式アンカープラグ及びこれを用いた施工方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5134201B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016070451A (ja) * 2014-10-01 2016-05-09 角銅 秀光 アンカー部材

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
ES239615Y (es) * 1976-10-06 1979-06-16 Upat Gmbh & Co. Taco expansible a base de material sintetico
DE3101472A1 (de) * 1980-02-07 1982-03-18 Fäster GmbH und Co KG Befestigungstechnik, 7800 Freiburg Spreizduebel aus kunststoff
DE3917498A1 (de) * 1989-05-30 1990-12-06 Hilti Ag Kunststoff-spreizduebel
DE10015902A1 (de) * 2000-03-30 2001-10-04 Fischer Artur Werke Gmbh Dübel zur Befestigung an Hohl- und an Vollbaustoffen
JP2002227817A (ja) * 2001-01-30 2002-08-14 Meidoo:Kk ナットおよび該ナットの製造方法
JP3686593B2 (ja) * 2001-06-08 2005-08-24 東日本旅客鉄道株式会社 樹脂併用アンカー装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016070451A (ja) * 2014-10-01 2016-05-09 角銅 秀光 アンカー部材

Also Published As

Publication number Publication date
JP2007120705A (ja) 2007-05-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP2679835B1 (en) Threaded fastener
US5482418A (en) Self-drilling anchor
JP5633942B2 (ja) ガードレールボルト
KR101946896B1 (ko) 후시공 앵커, 후시공 앵커의 시공 방법, 후시공 앵커 시스템 및 회전 방지 지그
US10030686B2 (en) Anchor for fixing in a wall
US7938606B2 (en) Expanding screw
CA2738848C (en) Fastening device
JPH05240226A (ja) ねじ用スリーブ
US20100021261A1 (en) Flat ring-shaped anchoring element
JP5134201B2 (ja) 拡張式アンカープラグ及びこれを用いた施工方法
US4185536A (en) Mounting element
US20100021260A1 (en) Anchoring Element
AU2014268194B2 (en) Concrete masonry anchor and method of fastening
JP7246119B2 (ja) あと施工アンカー及びその設置構造
US20230101501A1 (en) Concrete fastener installation using low viscosity adhesive
JP2005220963A (ja) アンカーボルト
JP2016113762A (ja) 後施工アンカー、後施工アンカーの施工方法および後施工アンカーシステム
JP2005194832A (ja) アンカー
EP0618376A1 (en) Improved self drilling anchor
KR200358950Y1 (ko) 일체형 앵커 볼트
CA2835006A1 (en) Concrete masonry anchor and method of fastening
JPH06313413A (ja) コンクリートなどへのビス固定補助具
JPH0140882Y2 (ja)
JP2855059B2 (ja) コンクリートなどへのビス固定補助具
EP2331830A1 (en) Fastening device

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20070420

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070612

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20081028

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20101221

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110106

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110228

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20110525

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110825

A911 Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20110831

A912 Removal of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A912

Effective date: 20120203

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120918

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20121109

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20151116

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees