JP5133321B2 - 蓄熱装置 - Google Patents

蓄熱装置 Download PDF

Info

Publication number
JP5133321B2
JP5133321B2 JP2009235868A JP2009235868A JP5133321B2 JP 5133321 B2 JP5133321 B2 JP 5133321B2 JP 2009235868 A JP2009235868 A JP 2009235868A JP 2009235868 A JP2009235868 A JP 2009235868A JP 5133321 B2 JP5133321 B2 JP 5133321B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
heat storage
heat
storage material
material layer
storage container
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2009235868A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2011085264A (ja
Inventor
祐治 田中
和雄 ▲高▼橋
博幹 八木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kobe Steel Ltd
Original Assignee
Kobe Steel Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kobe Steel Ltd filed Critical Kobe Steel Ltd
Priority to JP2009235868A priority Critical patent/JP5133321B2/ja
Priority to CN2010800460645A priority patent/CN102575910B/zh
Priority to US13/395,366 priority patent/US20120168126A1/en
Priority to PCT/JP2010/067981 priority patent/WO2011046154A1/ja
Priority to EP10823422.0A priority patent/EP2489973B1/en
Publication of JP2011085264A publication Critical patent/JP2011085264A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5133321B2 publication Critical patent/JP5133321B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F28HEAT EXCHANGE IN GENERAL
    • F28DHEAT-EXCHANGE APPARATUS, NOT PROVIDED FOR IN ANOTHER SUBCLASS, IN WHICH THE HEAT-EXCHANGE MEDIA DO NOT COME INTO DIRECT CONTACT
    • F28D20/00Heat storage plants or apparatus in general; Regenerative heat-exchange apparatus not covered by groups F28D17/00 or F28D19/00
    • F28D20/02Heat storage plants or apparatus in general; Regenerative heat-exchange apparatus not covered by groups F28D17/00 or F28D19/00 using latent heat
    • F28D20/025Heat storage plants or apparatus in general; Regenerative heat-exchange apparatus not covered by groups F28D17/00 or F28D19/00 using latent heat the latent heat storage material being in direct contact with a heat-exchange medium or with another heat storage material
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F28HEAT EXCHANGE IN GENERAL
    • F28DHEAT-EXCHANGE APPARATUS, NOT PROVIDED FOR IN ANOTHER SUBCLASS, IN WHICH THE HEAT-EXCHANGE MEDIA DO NOT COME INTO DIRECT CONTACT
    • F28D20/00Heat storage plants or apparatus in general; Regenerative heat-exchange apparatus not covered by groups F28D17/00 or F28D19/00
    • F28D2020/0065Details, e.g. particular heat storage tanks, auxiliary members within tanks
    • F28D2020/0086Partitions
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/14Thermal energy storage

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Thermal Sciences (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Central Heating Systems (AREA)
  • Other Air-Conditioning Systems (AREA)

Description

本発明は、熱を一時的に蓄熱することができる直接接触式の蓄熱装置に関する。
直接接触式の蓄熱装置に関する技術としては、例えば特許文献1に記載されたものがある。特許文献1に記載された熱貯蔵ユニット(蓄熱装置)は、固体と液体との状態変化により蓄熱するエリスリトールなどの蓄熱材と、当該蓄熱材よりも比重が小さくかつ当該蓄熱材と混合しない油などの熱交換媒体と、蓄熱材および熱交換媒体を収容する貯蔵容器と、熱交換媒体を貯蔵容器内に供給する供給管と、熱交換媒体を貯蔵容器の外部に排出する排出管とを備えている。
特許文献1の図2に記載されているように、供給管の先端部(供給孔が設けられている)は、貯蔵容器内の蓄熱材層の下部に位置する。また、排出管の吸込口は、貯蔵容器内上部の油層(熱媒油層)に位置する。熱交換媒体(熱媒油)は、供給管を経由して貯蔵容器内の蓄熱材層に供給される。供給された熱媒油は、比重が蓄熱材よりも小さいため、蓄熱材層内を上昇する。この上昇中に、蓄熱材との直接接触により熱媒油から蓄熱材へ(または、蓄熱材から熱媒油へ)熱が伝導する。その後、熱媒油は排出管を経由して外部に出ていく。
特開2005−188916号公報
しかしながら、特許文献1に記載された蓄熱装置では、以下に詳述するように、貯蔵容器内への熱媒油の供給流量が大きい場合、貯蔵容器内の蓄熱材層の上面が上昇して、排出管から貯蔵容器の外部へ蓄熱材が流出してしまうという問題があった。熱媒油の供給流量を小さくすることで蓄熱材層の上面上昇を防止することができるが、この場合、熱の高速入力(蓄熱速度の高速化)・高速出力(放熱速度の高速化)を行えない。
(蓄熱時)
蓄熱材層は固体から液体へと状態変化していく。蓄熱材層へ熱媒油を供給すると、蓄熱材層内に熱媒油の泡(油泡)が形成される。熱媒油の供給流量が比較的小さい場合、問題発生は少ないが、熱媒油の供給流量が大きい場合、蓄熱材層とその上方の熱媒油層との間の界面(蓄熱材層の上面)に油泡が到達し、その後も油泡は消滅せず積み重なっていくことがある。これにより、蓄熱材層の体積(見かけの体積)が膨張し、蓄熱材層の上面が上昇して、排出管から貯蔵容器の外部へ蓄熱材が流出してしまう。当然ながら、貯蔵容器の蓄熱材層内に流入する熱媒油の量、およびそれにともなう蓄熱材層の上面レベル上昇を想定して排出管の高さは決められている。それにもかかわらず、排出管から貯蔵容器の外部へ蓄熱材が流出してしまうのである。貯蔵容器の外部へ流出した蓄熱材は、熱媒油の循環配管内などで凝固し、当該循環配管などを詰まらせ、システム動作不良の原因となる。
(放熱時)
放熱時も蓄熱時と同様に、排出管から貯蔵容器の外部へ蓄熱材が流出してしまうことがある。放熱時、蓄熱材層は液体から固体へと状態変化していく。蓄熱材層へ熱媒油を供給すると、蓄熱材層内に熱媒油の泡(油泡)が形成される。熱媒油の供給流量が大きい場合、蓄熱材層の上面(界面)に油泡が到達し、その後も油泡は消滅せず積み重なっていくことがある。界面に積み重なった油泡周囲の蓄熱材はやがて凝固し、また油泡同士は結合していく。その結果、界面付近で凝固した蓄熱材は蓋のようになる。この蓋の下方には液体状態の蓄熱材が残っているため、油泡の形成は継続される。この油泡が前記した蓋を押し上げ、その結果、蓄熱材層の上面が上昇し、排出管から貯蔵容器の外部へ蓄熱材が流出してしまう。蓄熱時と同様に、熱媒油の供給流量が比較的小さい場合、このような問題発生は少ないが、熱媒油の供給流量が大きくなると、前記したような蓄熱材の流出という問題があった。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、蓄熱容器外部への蓄熱材の流出を従来よりも防止することができる構造を備えた蓄熱装置を提供することである。
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意検討した結果、複数の金属板または複数の管を、その上端が蓄熱容器内下部の蓄熱材層の上面レベル近傍以上の高さに位置するように、蓄熱材層内に上下方向に配置することで、蓄熱材層とその上方の熱媒油層との間の界面(以下、「蓄熱材層の界面」と呼ぶ)付近に油泡が形成されにくく、かつ形成されても消滅しやすい状態となり、これにより前記課題を解決できることを見出し、この知見に基づき本発明が完成するに至ったのである。
すなわち、本発明は、潜熱蓄熱に用いられる蓄熱材が収容され、当該蓄熱材からなる蓄熱材層が下部に形成された蓄熱容器と、前記蓄熱材と比較して比重の小さい熱交換媒体を前記蓄熱容器の外部から前記蓄熱材層内へ供給するための供給管と、前記蓄熱材層内へ供給された前記熱交換媒体を前記蓄熱容器の外部へ排出するための排出管と、前記蓄熱材層内に上下方向に配置され、金属板または管からなる複数のPCM層内部材と、を備え、前記蓄熱材層の上面レベル近傍以上の高さに前記PCM層内部材の上端が位置するように前記PCM層内部材が配置されている蓄熱装置である。
また本発明において、前記PCM層内部材の側面に孔が形成されていることが好ましい。
さらに本発明において、前記蓄熱容器内を上下方向に区分けされた2つの空間に仕切るように、当該蓄熱容器の下端部に水平に取り付けられた多孔板を備え、前記供給管の下端と前記多孔板とが接続され、前記熱交換媒体が、前記供給管を経由して前記多孔板より下方の前記蓄熱容器内に供給されることが好ましい。
本発明によれば、本発明の構成要件、特に、金属板または管からなる複数のPCM層内部材を、その上端が蓄熱容器内下部の蓄熱材層の上面レベル近傍以上の高さに位置するように、蓄熱材層内に上下方向に配置することで、蓄熱材層の界面付近に到達した油泡は、当該PCM層内部材の上端部によりはじかれて消滅しやすくなる。その結果、蓄熱材層の界面付近に油泡が形成されにくく、かつ形成されても消滅しやすい状態となる。これにより、蓄熱材層の上面上昇は抑えられ、蓄熱容器外部への蓄熱材の流出を従来よりも防止することができる。
本発明の第1実施形態に係る蓄熱装置を備えた熱利用システムを示すブロック図である。 図1に示す蓄熱装置の縦断面図である。 図2のA−A断面図およびB−B断面図である。 図2に示す蓄熱装置の変形例を示す縦断面図である。 本発明の第2実施形態に係る蓄熱装置を示す縦断面図である。 図5のC−C断面図およびD−D断面図である。 図5に示す蓄熱装置の変形例を示す一部縦断面図である。 蓄熱および放熱運転の性能比較試験結果を示すグラフである。
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照しつつ説明する。以下の説明においては、本発明の蓄熱装置を定置式蓄熱装置として用いる例について説明する。定置式蓄熱とは、外部への熱の輸送をともなわない、すなわち、蓄熱装置を常時固定した状態で用いる蓄熱のことをいう。
なお、本発明の蓄熱装置は、蓄熱輸送などの用途にも適用することができる装置である。蓄熱輸送の例としては、例えば特許文献1(特開2005−188916号公報)を参照されたい。製鉄所やゴミ焼却場などで発生した排熱を、温水プール、空調(例えばビルの暖房設備)、銭湯などへ輸送するための装置として、本発明の蓄熱装置を用いることができる。蓄熱輸送の場合、熱源は、製鉄所やゴミ焼却場などで発生した排熱、コージェネ排熱などであり、熱利用先は、温水プール、空調(例えばビルの暖房設備)、銭湯などである。
さらには、本発明の蓄熱装置を自動車(乗用車、建設車両などを含む)のエンジン暖機用蓄熱装置として用いることもできる。エンジン暖機用蓄熱装置として本発明の蓄熱装置を用いる場合、当該蓄熱装置は、自動車に搭載されることになる。熱源は例えばエンジンの排熱であり、熱利用先はエンジン(エンジンの暖機に利用)である。
(熱利用システムの構成)
図1は、本発明の第1実施形態に係る蓄熱装置1を備えた熱利用システム100を示すブロック図である。図1に示すように、熱利用システム100は、熱源2と、熱利用機器3と、熱源2から回収した熱を蓄熱しかつ蓄熱した熱を熱利用機器3へ供給する蓄熱装置1とを備えている。
(熱源および熱利用機器)
例えば製鉄所に蓄熱装置1を定置(常設)する場合、熱源2は、高炉・転炉・圧延設備などである。熱利用機器3は、製鉄所内の温水発生装置・空調設備などである。
(蓄熱装置)(第1実施形態)
図2は、図1に示す蓄熱装置1の縦断面図である。図3(a)は図2のA−A断面図であり、図3(b)は図2のB−B断面図である。
図1〜図3に示すように、蓄熱装置1は、潜熱蓄熱に用いられる蓄熱材22が収容される蓄熱容器4と、熱媒油21(熱交換媒体)を蓄熱容器4内へ供給するための供給管6と、熱媒油21を蓄熱容器4の外部へ排出するための排出管7と、蓄熱容器4内のおおよそ中央部から下端部まで当該蓄熱容器4内に垂直方向に配置された複数の金属板8(PCM層内部材)とを備えている。なお、PCMとは、Phase Change Material(潜熱蓄熱材)の略語である。
(蓄熱材および熱交換媒体)
蓄熱材22としては、潜熱(融解熱)が大きい物質を採用することが好ましく、このような物質として、エリスリトール、マンニトール、ガラクチトール、キシリトールなどの糖アルコール類が挙げられる。例えばエリスリトールは、融点:約119℃、融解熱:約340kJ/kg、マンニトールは、融点:約167℃、融解熱:約300kJ/kg、の物資である。なお、以降の説明では、特記なき限り、蓄熱材22としてエリスリトールを採用したものとする。また、熱媒油21(熱交換媒体)は蓄熱材22よりも比重の小さい物質である。熱媒油21としては、蓄熱材22と完全に分離した状態を維持できる物質を採用することが好ましく、このような物質として、例えば、鉱物油が挙げられる。なお、以降の説明では、特記なき限り、熱媒油21として鉱物油を採用したものとする。
(蓄熱容器)
蓄熱容器4は、底板部4aおよび天板部4bを有する円筒状の容器(例えば金属製容器)である。底板部4aおよび天板部4bの形状は、いずれも円板状である。また、蓄熱容器4は断熱層5で被覆されている。断熱層5の形成方法としては、グラスウールなどの断熱材を蓄熱容器4の周囲に巻いて断熱層5を形成してもよいし、蓄熱容器4を二重殻容器にして、グラスウールなどの断熱材で断熱層5を形成したり、真空断熱層としたりしてもよい。蓄熱容器4の周囲に断熱層5を形成することで、蓄熱容器4の壁面を介した外部への無駄な放熱を防止でき、熱媒油21を介して回収した熱を熱利用機器3での加熱に有効に使用することができる。なお、蓄熱容器4は円筒状のものに限られることはなく、直方体状、立方体状であってもよい。
蓄熱容器4内を上下方向に区分けされた2つの空間に仕切るように、蓄熱容器4の下端部に円板状の多孔板9が水平に取り付けられている。多孔板9の外周面と蓄熱容器4の内壁面とが接触させられて、蓄熱容器4に対して溶接などにより多孔板9は固定される。蓄熱容器4の底板部4aと多孔板9との間には所定の間隔が設けられている。多孔板9には、その厚さ方向に複数の貫通孔9aが開けられている。なお、多孔板9の貫通孔9aの直径を適切に設計することで、蓄熱材22が液体状態であっても表面張力(蓄熱材22および熱媒油21の表面張力)により多孔板9よりも下方に蓄熱材22は移動しない。多孔板9は、例えば金属材料からなる。図3(b)に示したように、蓄熱容器4を上方からみたとき、多孔板9は、蓄熱容器4内の平断面全体(全面)にわたって配置されている。すなわち、蓄熱容器4の内径と多孔板9の外径とはほぼ等しい。
なお、本実施形態では、蓄熱容器4の下端部に1枚の多孔板9を配置した例を示しているが、蓄熱容器4の下端部に、内部空間を有する箱状体を水平に配置しても(取り付けても)よい。この場合、例えば、箱状体の上面を多孔板とする。この箱状体は、蓄熱容器4内の平断面全体(全面)にわたって配置されることが好ましい。すなわち、蓄熱容器4の内径と箱状体の外径とがほぼ等しくされることが好ましい。また、供給管6を流れてきた熱媒油21は、箱状体の中(内部空間)を流れ、そして当該箱状体を構成する多孔板の孔から蓄熱材層内へ入っていくことになる。なお、箱状体の下面を多孔板としてもよい。
蓄熱容器4には、供給管6および排出管7が取り付けられている。供給管6は、蓄熱容器4の天板部4b中央を貫通するように、蓄熱容器4の上方からその内部へ垂直方向に配管されている。多孔板9の中央部で供給管6の下端と多孔板9とが接続されている。供給管6は、蓄熱容器4の下端部で蓄熱容器4内に開放されている。排出管7は、蓄熱容器4の天板部4bを貫通するように、蓄熱容器4の上方からその内部へ垂直方向に配管されている。排出管7は、蓄熱容器4の上部で蓄熱容器4内に開放されている。
蓄熱容器4内の下部には、熱媒油21よりも比重の大きい蓄熱材22の層(蓄熱材層)が形成される。この蓄熱材層の上(蓄熱容器4内の上部)には、蓄熱材22よりも比重の小さい熱媒油21の層(熱媒油層)が形成される。また、蓄熱容器4の外部からその内部へ供給管6を経由して熱媒油21が供給されることにより、蓄熱容器4内の下端部(蓄熱容器4の底板部4aと多孔板9との間)には、熱媒油21の層(熱媒油層)が形成される。熱媒油21は蓄熱材22よりも比重が小さいが、多孔板9の貫通孔9aの直径を適切に設計することで、表面張力(蓄熱材22および熱媒油21の表面張力)により、熱媒循環ポンプ(不図示)を稼動させない限り、蓄熱材層(蓄熱材22)が液体状態であっても、熱媒油21は当該蓄熱材層内へ入っていかない。
(PCM層内部材)
蓄熱容器4内の下部(蓄熱容器4内に形成される蓄熱材層内)には垂直方向に複数の金属板8が配置されている。金属板8の厚さ方向に対して直交する方向が垂直方向となるように金属板8は配置されている。なお、金属板8の配置の向きは厳密に垂直方向でなくてもよい。垂直方向に対して少し傾いていてもよい。すなわち、金属板8は蓄熱材層内に上下方向に配置されていればよい。また、金属板8は、本実施形態のような1枚の板材からなるものではなく、複数の板材を組み合せて形成した中空(箱形状)のものであってもよい。
図3(a)に示したように、蓄熱容器4を上方からみたとき、供給管6は蓄熱容器4の中心に配置されている。供給管6を中心に8つの金属板8が放射状にひろがるように金属板8は配置されている。供給管6側の金属板8の側面は、供給管6の外周面に接触し溶接などにより供給管6に対して固定される。蓄熱容器4側の金属板8の側面は、蓄熱容器4の内面に接触し溶接などにより蓄熱容器4に対して固定される。8つの金属板8により蓄熱容器4内の下部(蓄熱材層)は、8つの扇形状に区分けされている。また、図2に示したように、金属板8の下端は多孔板9の上面に接触させられている。
また、図2に示すように、蓄熱材層の上面レベルLよりも少し高い位置に金属板8の上端が位置するように金属板8は配置されている。なお、蓄熱材層の上面レベルL近傍以上の高さに金属板8の上端が位置すればよい。例えば、上面レベルLよりも少し低い位置に金属板8の上端が位置してもよい。しかしながら、金属板8による消泡(消油泡)効果を高めるには、蓄熱材層の上面レベルL以上の高さに金属板8の上端を位置させることが好ましい。さらには、本実施形態のように上面レベルLよりも高い位置に金属板8の上端を位置させる、すなわち、蓄熱材層の界面を横切るように金属板8を配置することが好ましい。
なお、蓄熱容器4内の蓄熱材層への熱媒油21の供給およびこれに伴う蓄熱材層の状態変化(液体・固定)により、蓄熱材層内には少なからず熱媒油21が含まれた状態となる。この熱媒油21による蓄熱材層の体積増を考慮して、蓄熱材層の上面レベルL近傍以上の高さに金属板8の上端が位置するように金属板8の寸法は決定される。
(熱媒循環経路)
図1に示すように、熱源2と蓄熱装置1との間、および蓄熱装置1と熱利用機器3との間は、管33〜36(熱媒循環経路)で接続されている。熱源2側の熱媒循環経路を管33〜35で構成し、熱利用機器3側の熱媒循環経路を管33、34、36で構成している。管33は、蓄熱装置1の供給管6の上端に接続される。管34は、蓄熱装置1の排出管7の上端に接続される。管33、管35a、および管36aは、三方弁31を介して相互に接続されている。管34、管35b、および管36bは、三方弁32を介して相互に接続されている。管34には熱媒循環ポンプ(不図示)が取り付けられる。この熱媒循環ポンプを稼動させることにより、熱源2側の熱媒循環経路(管33〜35)および熱利用機器3側の熱媒循環経路(管33、34、36)のうちのいずれかを熱媒油21が循環させられる。熱源2側を循環させるか、または熱利用機器3側を循環させるかの切り換えは、三方弁31、32により行われる。三方弁31、32は、通常、電動とされる。
(熱利用システムの作動)
次に、熱利用システム100の作動について説明する。熱利用システム100の作動(蓄熱装置1の作動)は、蓄熱動作と放熱動作とに大きく分けられる。
(蓄熱動作)
まず蓄熱動作について説明する。熱源2側の熱媒循環経路(管33〜35)を熱媒油21が循環するように、三方弁31、32を切り換える(または、その状態であることを確認する)。そして熱媒循環ポンプ(不図示)を起動し蓄熱装置1と熱源2との間で熱媒油21を循環させる。
熱源2内を熱媒油21が流れることにより、熱媒油21は熱源2からの熱(排熱)で加熱され、これにより熱源2の熱が回収される。熱源2で加熱された熱媒油21は、管35aおよび管33を経由して供給管6から蓄熱容器4内へ戻される。このとき、熱媒油21は、供給管6を経由して多孔板9よりも下方の蓄熱容器4内へ戻される。そして、多孔板9に形成された複数の貫通孔9aから蓄熱材層内へ熱媒油21は入っていく(押し込まれていく)。熱媒油21は、蓄熱材22に対して直接接触することで蓄熱材22に熱を供給(蓄熱材22と熱交換)しながら、蓄熱材22と熱媒油21との比重差により蓄熱容器4内を油泡となって上昇(浮上)する。熱媒油21は、扇形状に区分けされた8つの金属板8の間を上昇(浮上)していく。そして、熱媒油21は、蓄熱材22の上に形成された熱媒油21の層(熱媒油層)へ到達するようになっている。
熱媒油層に到達し放熱した熱媒油21は、熱源2により再加熱されるために熱媒循環ポンプ(不図示)により排出管7から吸い上げられ、管34および管35bを経由して熱源2へ再供給される。蓄熱動作時、蓄熱材層は固体から液体へと状態変化していく。
(放熱動作)
次に放熱動作について説明する。熱利用機器3側の熱媒循環経路(管33、34、36)を熱媒油21が循環するように、三方弁31、32を切り換える。そして熱媒循環ポンプ(不図示)を起動し蓄熱装置1と熱利用機器3との間で熱媒油21を循環させる。
蓄熱容器4内の熱媒油21が熱利用機器3に入ると熱媒油21は抜熱される。熱利用機器3で抜熱された熱媒油21は、管36aおよび管33を経由して供給管6から蓄熱容器4内へ戻される。このとき、熱媒油21は、供給管6を経由して多孔板9よりも下方の蓄熱容器4内へ戻される。そして、多孔板9に形成された複数の貫通孔9aから蓄熱材層内へ熱媒油21は入っていく(押し込まれていく)。
蓄熱容器4の底板部4aと多孔板9との間(多孔板9の下)には、多孔板9の下面全体にわたって接触する熱媒油の層が形成される。これにより、多孔板9を介した熱伝導による熱交換が促進される。
熱媒油21は、蓄熱材22に対して直接接触することで蓄熱材22から熱を受け取り(蓄熱材22と熱交換)しながら、蓄熱材22と熱媒油21との比重差により蓄熱容器4内を油泡となって上昇(浮上)する。熱媒油21は、扇形状に区分けされた8つの金属板8の間を上昇(浮上)していく。そして、熱媒油21は、蓄熱材22の上に形成された熱媒油21の層(熱媒油層)へ到達するようになっている。
熱媒油層に到達し受熱した熱媒油21は、熱媒循環ポンプ(不図示)により排出管7から吸い上げられ、管34および管36bを経由して熱利用機器3へ再供給される。放熱動作時、蓄熱材層は液体から固体へと状態変化していく。
以上、本発明に係る蓄熱装置1を備えた熱利用システム100について説明しつつ蓄熱装置1を説明したように、当該蓄熱装置1によると、複数の金属板8(PCM層内部材)を、蓄熱容器4の中の蓄熱材層内に垂直方向に配置することで、蓄熱材層は複数に区分けされた状態となる。蓄熱材層の上面レベルL近傍以上の高さに金属板8の上端を位置させることで、蓄熱材層の界面付近に到達した油泡は、金属板8の上端部によりはじかれて消滅しやすくなる。その結果、蓄熱材層の界面付近に油泡が形成されにくく、かつ形成されても消滅しやすい状態となり、蓄熱材層の上面上昇は抑えられる。換言すれば、蓄熱材層の界面での熱媒油21と蓄熱材22との分離性が向上する。これにより、蓄熱容器4外部への蓄熱材22の流出を従来よりも防止することができる。また、これにより、蓄熱容器4内への熱媒油21の供給流量を従来よりも大きくすることが可能となり、より高速の熱交換が可能となる。
また、放熱動作時(蓄熱容器4内での蓄熱材22から熱媒油21への熱移動)、蓄熱材22の凝固は、金属板8に沿う部分から始まる。蓄熱材22よりも低温の熱媒油21が供給管6を経由して多孔板9よりも下方の蓄熱容器4内へ入ってくる。このとき、供給管6および多孔板9は、熱媒油21により冷やされる。金属板8は、供給管6および多孔板9に接触しているため、供給管6および多孔板9が熱媒油21により冷やされることにより金属板8も冷やされる。その結果、放熱動作時、蓄熱材22の凝固が金属板8に沿う部分から始まるのである。蓄熱材22の凝固が金属板8に沿う部分から始まることにより、金属板8同士の間に上下方向に沿って(熱媒油21の浮上方向に沿って)熱媒油21の流路が確保される。このことからも、たとえ蓄熱容器4内への熱媒油21の供給流量を大きくしても、蓄熱材層が盛り上がって当該蓄熱材層の上面が上昇してしまうことは防止される。これにより、蓄熱容器4外部への蓄熱材22の流出を防止することができる。
(変形例)
図4は、図2に示した蓄熱装置1の変形例を示す縦断面図である。なお、図4に示す変形例に係る蓄熱装置101において、図2に示した蓄熱装置1の構成部材と同一の構成部材については同一の符号を付している。
図4に示すように、蓄熱装置101の金属板10(PCM層内部材)の側面には、その厚さ方向に貫通する孔10aが複数形成されている。この点が蓄熱装置1の金属板8と相違する点である。蓄熱装置1の金属板8と本変形例に係る蓄熱装置101の金属板10とは、金属板の側面に孔が複数形成されているか否かという点を除き、形状、配置、数量とも同一である。孔10aは、多孔板9の貫通孔9aよりも大きい。
なお、孔10aの形状は円形に限られることはなく、四角形など他の形状であってもよい。しかしながら、金属板10は過酷な温度条件下で使用され、繰り返しの熱応力を受ける。一方、円形の孔10aは角部がないため応力集中しにくい。したがい、円形の孔10aとすることで、金属板10の破損を防止することができる。すなわち、円形の孔10aとすることが好適である。
金属板10の側面に複数の孔10aを形成することにより、金属板10の表面積が増加する。これにより、金属板10と蓄熱材22との接触面積が増加し、放熱動作時、金属板10に沿う部分からの蓄熱材22の凝固量が増える。その結果、上下方向に(熱媒油21の浮上方向に)沿う蓄熱材層内の熱媒油21の流路がより確保される。
また、孔10aにより隣り合う区画が連通される。これにより、孔10aが上昇する熱媒油21の逃げ道となり、蓄熱材層の盛り上がりがより防止される。
(第2実施形態)
図5は、本発明の第2実施形態に係る蓄熱装置102を示す縦断面図である。図6(a)は図5のC−C断面図であり、図6(b)は図5のD−D断面図である。本実施形態の説明においては、図2に示した第1実施形態の蓄熱装置1の構成部材と同一の構成部材については同一の符号を付している。
図5および図6に示すように、本実施形態の蓄熱装置102と第1実施形態の蓄熱装置1との相違点は、PCM層内部材にある。
蓄熱容器4内の下部(蓄熱容器4内に形成される蓄熱材層内)には垂直方向に複数の円筒状の円管11(PCM層内部材)が配置されている。円管11の径方向に対して直交する長手方向が垂直方向となるように円管11は配置されている。なお、円管11の配置の向きは厳密に垂直方向でなくてもよい。垂直方向に対して少し傾いていてもよい。すなわち、円管11は蓄熱材層内に上下方向に配置されていればよい。また、円管11自体の両端は、開放されている。
図6(a)に示したように、蓄熱容器4を上方からみたとき、供給管6は蓄熱容器4の中心に配置されている。複数の円管11は、供給管6を中心にしてその周囲に配置されている。複数の円管11により蓄熱容器4内の下部(蓄熱材層)は、小さく区分けされている。また、図5に示したように、円管11の下端は多孔板9の上面に接触させられている。なお、蓄熱容器4を上方からみたとき、円管11の外側および内側に多孔板9の貫通孔9aが位置するように、貫通孔9aは形成される。
また、図5に示すように、蓄熱材層の上面レベルLよりも少し高い位置に円管11の上端が位置するように円管11は配置されている。なお、蓄熱材層の上面レベルL近傍以上の高さに円管11の上端が位置すればよい。例えば、上面レベルLよりも少し低い位置に円管11の上端が位置してもよい。しかしながら、円管11による消泡(消油泡)効果を高めるには、蓄熱材層の上面レベルL以上の高さに円管11の上端を位置させることが好ましい。さらには、本実施形態のように上面レベルLよりも高い位置に円管11の上端を位置させる、すなわち、蓄熱材層の界面を横切るように円管11を配置することが好ましい。
なお、蓄熱容器4内の蓄熱材層への熱媒油21の供給およびこれに伴う蓄熱材層の状態変化(液体・固定)により、蓄熱材層内には少なからず熱媒油21が含まれた状態となる。この熱媒油21による蓄熱材層の体積増を考慮して、蓄熱材層の上面レベルL近傍以上の高さに円管11の上端が位置するように金属板8の寸法は決定される。
蓄熱装置102によると、複数の円管11(PCM層内部材)を、蓄熱容器4の中の蓄熱材層内に垂直方向に配置することで、蓄熱材層は複数に区分けされた状態となる。蓄熱材層の上面レベルL近傍以上の高さに円管11の上端を位置させることで、蓄熱材層の界面付近に到達した油泡は、円管11の上端部によりはじかれて消滅しやすくなる。その結果、蓄熱材層の界面付近に油泡が形成されにくく、かつ形成されても消滅しやすい状態となり、蓄熱材層の上面上昇は抑えられる。換言すれば、蓄熱材層の界面での熱媒油21と蓄熱材22との分離性が向上する。これにより、蓄熱容器4外部への蓄熱材22の流出を従来よりも防止することができる。また、これにより、蓄熱容器4内への熱媒油21の供給流量を従来よりも大きくすることが可能となり、より高速の熱交換が可能となる。
また、複数の円管11はいずれも多孔板9に接触している。そのため、第1実施形態の説明で記載したように、複数の円管11により、蓄熱容器4内の上下方向に沿って(熱媒油21の浮上方向に沿って)熱媒油21の流路が確保される。その結果、たとえ蓄熱容器4内への熱媒油21の供給流量を大きくしても、蓄熱容器4外部への蓄熱材22の流出を防止することができる。円管11は熱伝導率の高い材質からできていることが好ましく、すなわち円管11の材質はステンレスなどの金属であることが好ましい。
なお、円管11ではなく、例えば断面形状が矩形の角管などであってもよい。しかしながら、蓄熱容器4内の管(PCM層内部材)は過酷な温度条件下で使用され、繰り返しの熱応力を受けるため、応力集中しにくい形状である円管11とすることが好適である。
(変形例)
図7は、図5に示した蓄熱装置102の変形例を示す一部縦断面図である。なお、図7に示す変形例に係る蓄熱装置103において、図5に示した蓄熱装置102の構成部材と同一の構成部材については同一の符号を付している。
図7に示すように、蓄熱装置103の円管12(PCM層内部材)の側面には、その長手方向に一列に孔12aが複数形成されている。この点が蓄熱装置102の円管11と相違する点である。蓄熱装置102の円管11と本変形例に係る蓄熱装置103の円管12とは、円管の側面に孔が複数形成されているか否かという点を除き、形状、配置、数量とも同一である。なお、円管12に対する孔12aの形成は、二列以上であってもよいし、直線状ではなく千鳥状配置であってもよい。孔12aは、多孔板9の貫通孔9aよりも大きい。
なお、孔12aの形状は円形に限られることはなく、四角形など他の形状であってもよい。しかしながら、円管12は過酷な温度条件下で使用され、繰り返しの熱応力を受ける。一方、円形の孔12aは角部がないため応力集中しにくい。したがい、円形の孔12aとすることで、円管12の破損を防止することができる。すなわち、円形の孔12aとすることが好適である。
円管12の側面に複数の孔12aを形成することにより、円管12の表面積が増加する。これにより、円管12と蓄熱材22との接触面積が増加し、放熱動作時、円管12に沿う部分からの蓄熱材22の凝固量が増える。その結果、上下方向に(熱媒油21の浮上方向に)沿う蓄熱材層内の熱媒油21の流路がより確保される。
また、孔12aにより円管12の内側と円管12の外側とが連通される。これにより、孔12aが上昇する熱媒油21の逃げ道となり、蓄熱材層の盛り上がりがより防止される。
(実施例)
図8は、蓄熱および放熱運転の性能比較試験結果を示すグラフである。図8(a)は、蓄熱運転時の性能比較試験結果を示し、図8(b)は、放熱運転時の性能比較試験結果を示す。本発明に係る蓄熱装置の試験結果は、図5に示した構造を有する蓄熱装置102によるものであり、比較例に係る蓄熱装置の試験結果は、円管11を有さない蓄熱装置によるものである。
グラフの縦軸にとった累積入熱量(または累積放熱量)Q(kJ)は、次式により求まる。
Q=Σ(m×Cp×ΔT)
m:熱媒油の流量(kg/sec)
Cp:熱媒油の比熱(kJ/kg℃)
ΔT:蓄熱容器の入口・出口での熱媒油の温度差
(蓄熱運転試験結果)
図8(a)に示したように、本発明に係る蓄熱装置の場合、約27分間で1135kJの熱を蓄熱することができた。なお、蓄熱装置の内部温度は8℃から140℃に上昇した。一方、比較例に係る蓄熱装置の場合、約48間で1057kJの蓄熱量であった。比較例に係る蓄熱装置の場合、熱媒油の供給流量mを大きくすると、蓄熱材層の界面に油泡が積み重ねって蓄熱材層の上面が上昇してしまうため、熱媒油の供給流量mを大きくできなかった。これに対して、本発明に係る蓄熱装置の場合、蓄熱材層の界面付近で油泡が形成されにくく(蓄熱材層の界面での熱媒油と蓄熱材との分離性がよい)、比較例に係る蓄熱装置の場合に比して、熱媒油の供給流量mを大きくすることができた。これにより、本発明に係る蓄熱装置を用いた場合のほうが高速で蓄熱することができた。
(放熱運転試験結果)
図8(b)の放熱運転時間250(sec)近辺の試験結果からわかるように、本発明に係る蓄熱装置を用いた場合のほうが、放熱運転の立ち上がりを早くすることができた。また、放熱開始から約25分後の累積放熱量は、本発明に係る蓄熱装置を用いた場合782kJであったのに対し、比較例に係る蓄熱装置を用いた場合760kJであった。これらの差は、蓄熱運転試験時と同様に、本発明に係る蓄熱装置を用いた場合のほうが、熱媒油の供給流量mを大きくすることができたためである。なお、本発明に係る蓄熱装置の内部温度は110℃から35℃に下降した。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々に変更して実施することが可能なものである。
1:蓄熱装置
2:熱源
3:熱利用機器
4:蓄熱容器
6:供給管
7:排出管
8:金属板(PCM層内部材)
21:熱媒油(熱交換媒体)
22:蓄熱材
100:熱利用システム

Claims (3)

  1. 潜熱蓄熱に用いられる蓄熱材が収容され、当該蓄熱材からなる蓄熱材層が下部に形成された蓄熱容器と、
    前記蓄熱材と比較して比重の小さい熱交換媒体を前記蓄熱容器の外部から前記蓄熱材層内へ供給するための供給管と、
    前記蓄熱材層内へ供給された前記熱交換媒体を前記蓄熱容器の外部へ排出するための排出管と、
    下方向に延びるように前記蓄熱材層内に配置され、金属板または管からなる複数のPCM層内部材と、
    を備え、
    前記蓄熱材層の上面レベル近傍以上の高さに前記PCM層内部材の上端が位置するように前記PCM層内部材が配置されていることを特徴とする蓄熱装置。
  2. 請求項1に記載の蓄熱装置において、
    前記PCM層内部材の側面に孔が形成されていることを特徴とする、蓄熱装置。
  3. 請求項1または2に記載の蓄熱装置において、
    前記蓄熱容器内を上下方向に区分けされた2つの空間に仕切るように、当該蓄熱容器の下端部に水平に取り付けられた多孔板を備え、
    前記PCM層内部材と前記多孔板とが接触し、
    前記供給管の下端と前記多孔板とが接続され、
    前記熱交換媒体が、前記供給管を経由して前記多孔板より下方の前記蓄熱容器内に供給されることを特徴とする、蓄熱装置。
JP2009235868A 2009-10-13 2009-10-13 蓄熱装置 Expired - Fee Related JP5133321B2 (ja)

Priority Applications (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009235868A JP5133321B2 (ja) 2009-10-13 2009-10-13 蓄熱装置
CN2010800460645A CN102575910B (zh) 2009-10-13 2010-10-13 蓄热装置
US13/395,366 US20120168126A1 (en) 2009-10-13 2010-10-13 Heat-storage device
PCT/JP2010/067981 WO2011046154A1 (ja) 2009-10-13 2010-10-13 蓄熱装置
EP10823422.0A EP2489973B1 (en) 2009-10-13 2010-10-13 Heat-storage device

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009235868A JP5133321B2 (ja) 2009-10-13 2009-10-13 蓄熱装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2011085264A JP2011085264A (ja) 2011-04-28
JP5133321B2 true JP5133321B2 (ja) 2013-01-30

Family

ID=43876203

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009235868A Expired - Fee Related JP5133321B2 (ja) 2009-10-13 2009-10-13 蓄熱装置

Country Status (5)

Country Link
US (1) US20120168126A1 (ja)
EP (1) EP2489973B1 (ja)
JP (1) JP5133321B2 (ja)
CN (1) CN102575910B (ja)
WO (1) WO2011046154A1 (ja)

Families Citing this family (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9593866B2 (en) * 2012-06-14 2017-03-14 Sunlight Power, Inc. Thermal heat storage system
US10151539B2 (en) * 2013-01-30 2018-12-11 Multitek North America, Llc Self-contained flameless heat transfer fluid heating system
US9234530B1 (en) * 2013-03-13 2016-01-12 Exelis Inc. Thermal energy recovery
JP5740443B2 (ja) * 2013-09-11 2015-06-24 株式会社東芝 送信システム
US10214672B2 (en) * 2013-11-26 2019-02-26 Sharp Kabushiki Kaisha Heat-storage material, and heat-storage member, storage container, transportation/storage container, construction material, and architectural structure using the same
DE102014103108A1 (de) * 2014-03-03 2015-09-03 Sven Kunkel Latentwärmespeicher
DE102014010636A1 (de) * 2014-07-17 2016-01-21 Linde Aktiengesellschaft Wärmespeichereinrichtung
DE102015000238A1 (de) * 2015-01-08 2016-07-14 Optimize Gmbh Latentwärmespeicher und Verfahren zu dessen Betrieb
KR101597309B1 (ko) * 2015-10-05 2016-02-24 주식회사 티이애플리케이션 축열 시스템 및 축열 방법
FR3044082B1 (fr) * 2015-11-25 2020-01-10 Universite Toulouse Iii - Paul Sabatier Systeme de stockage/destockage d'energie pour une installation
DK178864B1 (en) * 2016-02-23 2017-04-10 Suntherm Aps Faseændringsmateriale-baseret varmesystem
CN105890193B (zh) * 2016-06-30 2018-10-16 赵小峰 一种高温蓄热装置的强化换热结构以及具有该结构的高温蓄热装置
WO2018193658A1 (ja) 2017-04-19 2018-10-25 三菱電機株式会社 ヒートポンプ装置
US20220214118A1 (en) * 2019-04-26 2022-07-07 Energy Systems Management Limited Caloric store
CN110763054A (zh) * 2019-11-13 2020-02-07 深圳市嘉名科技有限公司 一种快速改变食物温度的传热装置及其制造方法

Family Cites Families (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE2607168C3 (de) * 1976-02-21 1981-04-09 Deutsche Forschungs- und Versuchsanstalt für Luft- und Raumfahrt e.V., 5300 Bonn Vorrichtung zum Austauschen von Wärme
US4088183A (en) * 1977-03-30 1978-05-09 Agency Of Industrial Science & Technology Thermal energy storage tank
US5220954A (en) * 1992-10-07 1993-06-22 Shape, Inc. Phase change heat exchanger
JP2005009837A (ja) * 2003-06-20 2005-01-13 Ip:Kk 蓄熱装置
JP4469208B2 (ja) * 2003-12-02 2010-05-26 株式会社神戸製鋼所 熱貯蔵ユニット
CN1719185A (zh) * 2004-07-05 2006-01-11 王智慧 复合式高密度相变蓄热装置
JP5031209B2 (ja) * 2005-08-05 2012-09-19 株式会社神戸製鋼所 蓄熱ユニット及び蓄熱ユニットの運転方法
JP4617505B2 (ja) * 2005-11-09 2011-01-26 三機工業株式会社 潜熱蓄熱装置
CN101004308A (zh) * 2007-01-24 2007-07-25 苏树强 一种复合相变蓄冷蓄热器
JP4851394B2 (ja) * 2007-06-12 2012-01-11 三機工業株式会社 蓄熱装置
JP4961378B2 (ja) 2008-03-28 2012-06-27 アルインコ株式会社 作業台
JP5252282B2 (ja) * 2008-09-22 2013-07-31 三機工業株式会社 蓄熱装置

Also Published As

Publication number Publication date
WO2011046154A1 (ja) 2011-04-21
EP2489973A4 (en) 2014-06-18
CN102575910B (zh) 2013-07-17
EP2489973A1 (en) 2012-08-22
EP2489973B1 (en) 2016-01-06
US20120168126A1 (en) 2012-07-05
JP2011085264A (ja) 2011-04-28
CN102575910A (zh) 2012-07-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5133321B2 (ja) 蓄熱装置
JP5031209B2 (ja) 蓄熱ユニット及び蓄熱ユニットの運転方法
JP2016522742A (ja) 蒸発脱離プロセス用の土壌ボックス
JP5882292B2 (ja) 冷却器及びそれを用いた冷却装置、並びに、発熱体の冷却方法
JP2008190738A (ja) 蓄熱装置
JP2009139005A (ja) 冷却器及びその冷却器を備える冷却装置
JP2011196659A (ja) 多孔質体、沸騰冷却装置、沸騰冷却システム、発電システム及び沸騰冷却方法
JP6283410B2 (ja) 冷却器及びそれを用いた冷却装置、並びに、発熱体の冷却方法
KR101576716B1 (ko) 역류 축열식 장치 및 방법
JP2006284031A (ja) 蓄熱装置
JP4606082B2 (ja) 蓄熱装置
JP2004132503A (ja) 水素吸蔵合金の封入容器、及びこれを使用した水素貯蔵装置
JP2016040505A (ja) 冷却器及びそれを用いた冷却装置、並びに、発熱体の冷却方法
JP4553777B2 (ja) 均熱装置
JP6973253B2 (ja) 化学蓄熱反応器
JP2021037455A (ja) 二酸化炭素回収システムおよびその運転方法
JP4115079B2 (ja) 給湯器
JP2018179452A (ja) 化学蓄熱反応器
JP3867147B2 (ja) 蓄熱体、蓄熱装置およびその熱管理方法
JP2009123360A (ja) 水タンク、ならびにそれを用いた冷却装置、燃料電池発電システムおよび自動車
JP2008190747A (ja) 蓄熱装置
JP4680941B2 (ja) 熱貯蔵器
JP2004057955A (ja) 触媒充填装置
JP2011133315A (ja) 原子炉格納容器の冷却構造
JP2011075142A (ja) 熱輸送システムの潜熱蓄熱体凝固物の除去方法及び放熱ユニット

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110901

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120529

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120725

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20121106

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20121107

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20151116

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 5133321

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees