JP5132333B2 - 超音波探触子及び超音波探触子の製造方法 - Google Patents

超音波探触子及び超音波探触子の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、2次元アレイ構造を有する超音波探触子及び超音波探触子の製造方法に関する。
一次元アレイ超音波探触子において圧電振動子は、一列に配列された複数の圧電素子を有する。一般的に、圧電振動子の上下両面の電極は、圧電振動子の端部から引き出される。上面電極の引き出しには、様々な工夫がなされている。例えば、圧電振動子の側面をメッキすることにより、上下面を導通させ、FPC(フレキシブルプリント板)により下面から電気的に引き出す技術がある。FPCにより引き出された信号は、プローブケーブルを介して、送受信回路に送信される。
一般的にFPCのベース材料として用いられるポリイミドの音響インピーダンスは、3MRayl程度である。また、圧電振動子の音響インピーダンスは、30MRayl以上である。そのため、FPCを圧電振動子に直接接合させると音響的ミスマッチが発生する。この音響的ミスマッチを緩和するために、3MRaylと30MRaylとの間の音響インピーダンスを有する音響整合層を介して、その上面にFPCを配置して上面電極を電気的に引き出す方法がある。
圧電振動子に3層の音響整合層を付加する仕様の場合における、第1層目の音響整合層に好適な音響インピーダンスは、9〜15MRayl程度である。このような音響インピーダンスを有する材料は、マシナブルセラミックスとして知られる雲母を主成分としたセラミックである。マシナブルセラミックスは非導電性を有する。この非導電性材料を用いた第1層目の音響整合層を全周にわたってメッキ処理し、音響整合層上面に圧電体の上面電極を電気的に引き出す方法がとられる。
ところで、3層仕様の二次元アレイ超音波探触子においては、板状の圧電体と第1層、第2層の音響整合層部材との積層体は、格子状に切断される。切断により、各音響整合層は、2次元状に配置された複数の音響整合素子に分割される。従って、上記に述べた周囲にメッキ処理を施す上面電極の引き出し方法では、第1層の音響整合層の外側以外の音響整合素子は上下面が導通されない。
上面電極を音響整合層上面に電気的に引き出すその他の方法としては、音響整合層側面に導体パターンを付加する方法も提案されている。しかしこの方法の場合、一列ごとにパターン付加の処理を行う必要があり、工程の増加からコストアップしてしまう。
本発明の目的は、簡便且つ確実に音響整合層の各素子の上下面を導通することを可能とする2次元アレイの超音波探触子及び超音波探触子の製造方法を提供することにある。
本発明の第1の局面に係る超音波探触子は、2次元状に配置された複数の圧電体と、前記複数の圧電体に形成された複数の電極と、前記複数の電極上に配置され、四角柱に含まれ前記電極に垂直な4つの稜部のうちの少なくとも一つが前記電極に略平行する両面にわたって欠かれたことによって形成された壁面をそれぞれ有する複数の非導電体と、前記複数の壁面にそれぞれ形成された複数の第1導電性薄膜と、を具備する超音波探触子であって、前記複数の非圧電体は、所定の厚みを有し、格子状の切削溝を隔ててそれぞれ配置され、前記切削溝は、前記厚み方向に略直交する縦方向に沿って第1間隔をおいて、前記厚み方向と前記縦方向とに略直交する横方向とに沿って第2間隔をおいて複数の交点を有し、前記複数の交点位置のうちの前記縦方向、前記横方向、及び斜め方向に沿って所定個数おきにある交点位置には、前記切削溝の幅より大きい径を有する略円柱状の貫通孔が形成され、前記複数の第1導電性薄膜の各々は、前記貫通孔に接する、ことを特徴とする。
本発明の第3の局面に係る超音波探触子の製造方法は、所定の厚みを有する板状の非導電性部材に、前記厚みの方向に略直交する縦方向に沿って第1間隔をおいて、前記厚みの方向と前記縦方向とに略直交する横方向に沿って第2間隔をおいて複数の貫通孔を形成し、前記形成された複数の貫通孔の内面に複数の導電性薄膜をそれぞれ形成する。
本発明の第4の局面に係る超音波探触子の製造方法は、厚さ方向に略直交する表面に電極が形成された板状の圧電体部材と、前記厚さ方向に略直交する縦方向に沿って第1間隔をおいて、前記厚さ方向と前記縦方向とに略直交する横方向に沿って第2間隔おいて設けられた複数の貫通孔を有し、前記複数の貫通孔の内面に導電性薄膜がそれぞれ形成された板状の非導電性部材と、を前記厚さ方向に沿って接合することによってブロックを構成し、前記構成されたブロックを、切削溝が前記貫通孔と隣り合う2つの前記貫通孔の中心とを通るように、前記縦方向に沿って前記第1間隔の半分の間隔で、前記横方向に沿って前記第2間隔の半分の間隔で切削することにより、複数の素子を形成する。
本発明の第5の局面に係る超音波探触子は、2次元上に配置された複数の圧電体と前記複数の圧電体にそれぞれ形成された複数の電極とを有する複数の圧電素子と、前記複数の電極上に配置される複数の音響整合素子と、を具備し、前記複数の音響整合素子のそれぞれは、前記複数の電極上に配置され、交点部分に円柱形状の空洞領域を有する略十字状の切削溝が形成された非導電体と、前記空洞領域の内面に形成された導電性薄膜と、を具備する。
本発明の第6の局面に係る超音波探触子は、格子状に設けられた切削溝が形成された圧電振動子と、前記圧電振動子上に設けられ、前記切削溝が形成された非導電性を有する音響整合層とを具備し、前記音響整合層は、前記切削溝の複数の交点位置に、前記音響整合層を貫通する複数の貫通孔を有し、前記複数の貫通孔の内面には第1導電性薄膜が形成されている。
本発明によれば、簡便且つ確実に音響整合層の各素子の上下面を導通することを可能とする。
以下、本発明の実施形態を図面を参照しながら説明する。
図1は、本実施形態に係る超音波探触子1の概略的構造を示す斜視図である。図1に示すように、超音波探触子1は、吸音材としてのバッキング10を有している。バッキング10は矩形ブロック状に形成され、その上面には図示しない第1フレキシブルプリント板(以下、FPCと呼ぶ)を介して圧電振動子20が接合されている。圧電振動子20の上面には第1音響整合層30が接合され、第1音響整合層30の上面には第2音響整合層40が接合され、第2音響整合層40の上面には第2FPC50を介して第3音響整合層60が接合さている。図示はしないが、第3音響整合層60の上面には、音響レンズが接合される。ここで、各部材の積層方向(厚さ方向)をZ軸に規定し、Z軸に直交する平面をXY平面に規定する。XY平面は、互いに直交するX軸及びY軸により規定される。
図1に図示しない送信回路からの駆動パルスを受けた圧電振動子20は、プラスZ方向に超音波を放射する。放射された超音波は、被検体により反射される。反射された超音波は、圧電振動子20によりエコー信号として受信される。
圧電振動子20は、音響インピーダンスが30Mrayl(Mrayl=10kg/ms)以上である圧電セラミック、例えば、PZTによって形成される。第1FPC及び第2FPC50のベース材料であるポリイミドの音響インピーダンスは約3Mraylである。第1音響整合層30は、音響インピーダンスが9〜15Mrayl程度である非導電性の材料、例えば、マシナブルセラミックと呼ばれる雲母を主成分とするセラミックによって形成される。第2音響整合層40は、音響インピーダンスが4〜7Mrayl程度である導電性の材料、例えば、カーボン(等方性黒鉛やグラファイト)によって形成される。第3音響整合層60は、音響インピーダンスが1.8〜2.5Mrayl程度である非導電性の材料、例えば、樹脂によって形成される。被検体の音響インピーダンスは、水の音響インピーダンスにほぼ等しく、約1.5MRaylである。この様に、各音響整合層30、40、60の音響インピーダンスは、3層仕様におけるλ/4音響整合層の最適音響インピーダンスが実現されている。この結果、超音波の広帯域特性が可能となる。
図2は、図1の超音波探触子1から第2FPC50と第3音響整合層60とを除き、一部切り欠いて示す斜視図である。図2に示すように、超音波探触子1は、2次元アレイ構造を有している。圧電振動子20は、X方向Y方向それぞれにそれぞれのピッチで配置された複数の柱状の圧電素子21を有する。各圧電素子21は、例えばPZTからなる圧電体22と、圧電体22の下面に形成された平面状の下側電極23と、圧電体22の上面に形成された平面状の上側電極24とで構成される。
第1音響整合層30は、2次元状に配置された複数の柱状の第1音響整合素子31を有する。各第1音響整合素子31は、各圧電素子21に接合されている。第1音響整合素子31は、柱状に加工されたマシナブルセラミック等の非導電性の部材(以下、非導電体と呼ぶ)32を有する。非導電体32は、四角柱に含まれ上側電極24に垂直な4つの稜部のうちの少なくとも一つが前記電極に略平行する両面にわたって欠かれたことによって形成された壁面(以下、ホール内面と呼ぶ)をそれぞれ有する。非導電体32は、上下面と上下面に略直交する5つの側面とを有する7面体である。5つの側面のうちの一つの側面は、ホール内面である。ホール内面は、隣り合う両側面何れにも直交しない。ホール内面は、非導電体32の長軸(Z軸に略平行)に向かって湾曲している。第1音響整合層30の詳細は後述する。
ホール内面には、メッキ加工により中間メッキ層33が形成されている。中間メッキ層33は、導電性の薄膜である、例えば、金属薄膜である。この中間メッキ層33と上側電極24との直交関係により、中間メッキ層33による超音波の散乱を最小限に留めている。
非導電体32の下面にはメッキ加工により下側メッキ層34が、非導電体32の上面には上側メッキ層35が形成されている。下側メッキ層34と上側メッキ層35とは、導電性の薄膜である、例えば、金属薄膜である。
各メッキ層33、34、35により、各音響整合素子31の上下面は導通する。中間メッキ層33は、上側電極24を第1音響整合素子31の上面へ引き出すために形成される。下側メッキ層34と上側メッキ層35とは、第1音響整合素子31の上下面の導通の確実性・信頼性を向上させるために形成される。換言すれば、中間メッキ層33のみで上下面を導通できるのであれば、下側メッキ層34と上側と上側メッキ層35とは必要ない。
各メッキ層33、34、35は、一般的には、銅メッキやニッケル、クロム等の無機物に対して密着強度を確保しやすい材質の無電解メッキを下地に、耐腐食性の良い金等の電解メッキが行なわれて形成される。また、各メッキ層33、34,35は、スパッタリングや蒸着等のドライ工程によっても形成可能である。各メッキ層33、34,35の幅(X方向の幅)は、接続の信頼性や音響的な悪影響の回避、切削加工に対する快削性を満たすことが可能な2〜5μm程度である。
第2音響整合層40は、2次元状に配置された複数の第2音響整合素子41を有する。第2音響整合素子41は、導電性を有する、例えばカーボンで形成される。各第2音響整合素子41は、各第1音響整合素子31と接合されている。
図1に示すように、第2音響整合層40の上面には第2FPC50が取り付けられている。第2FPC50は、各下側メッキ層34、各中間メッキ層33、各上側メッキ層35、及び各第2音響整合素子41を介して各上面電極24を独立して電気的に引き出している。
それでは、第1音響整合層30の構造の詳細を説明する。図3は、第1音響整合層30の一部のXY断面を示す図である。図3に示すように、第1音響整合層30には、X軸に沿って切削ピッチPSXで形成され、Y軸に沿って切削ピッチPSYで形成された格子状の切削溝Sが形成されている。複数の第1音響整合素子31は、切削溝Sを隔ててそれぞれ配置されている。切削ピッチPSXと切削ピッチPSYとは、等しくても等しくなくてもどちらでもよい。以下、切削ピッチPSXと切削ピッチPSYとは等しい(切削ピッチPS)とする。
図3に示すように、切削溝Sの交点には、スルーホールHが形成されている。スルーホールは、X軸及びY軸に沿って一定ピッチ(以下、ホールピッチと呼ぶ)PHで配置される。切削溝Sの交点とスルーホールHの中心とは、略一致する。
典型的には、スルーホールHは、各第1音響整合素子31に一つのホール内面36が形成されるように形成される。すなわち、スルーホールHは、縦方向(Y方向)、横方向(X方向)、斜め方向に沿って交点一個おきに形成される。この場合、切削溝Sは、スルーホールHを通過するものと、隣り合うスルーホールH間の中心を通過するものとがある。ホールピッチPHは、切削ピッチPSの略2倍である。なお、スルーホールHには、切削溝Sと重なる部分を除いて樹脂が充填されている。
スルーホールHを中心とした4つの音響整合素子31を一つの音響整合素子ユニット37としてみると、この音響整合素子ユニット37には、交点部分にスルーホールHを有する略十字状の切削溝が形成されている。
切削溝90の幅WSは、典型的には、30〜50μmである。各第1音響整合素子31に必ずホール内壁36が形成されるためには、スルーホール径WHは切削溝90の幅より広くなければならない。そのため、スルーホール径WHは、100μm以上であることが望ましい。
100μm径のスルーホールHに50μm幅の切削溝90を十文字に形成した場合、切削溝90と重ならないスルーホールHの残存部分の幅は、25μmとなる。切削工程におけるスルーホールHの位置と切削溝90の位置との位置ずれを考慮すれば、この切削溝90の幅WSは、最低限必要な幅であるといえる。
スルーホールHが形成されることによる音響的悪影響を回避するために、切削により残された第1音響整合素子31の超音波放射面(上面)の面積は、スルーホールがないとした場合の第1音響整合素子31の放射面の面積の90%以上は確保する必要がある。このことを考慮すると、第1音響整合素子ピッチPAを400μm、切削溝90の幅WSを50μmの場合、スルーホール径WHは300μm以下であることが望ましい。
以上の二つの観点から、スルーホール径WHは、100〜300μmの範囲であることが望ましい。
切削溝Sの交点位置にスルーホールHを形成することで、例えば、第1音響整合素子31の中心にスルーホールが形成された場合に比して、スルーホールHによって削り取られる第1音響整合素子31部分の量を低減することができる。これにより、スルーホールHによる、感度低下や超音波の散乱等の音響的悪影響を最小限に留めることが可能となる。
なお、スルーホールの形成パターンは、上記の形成パターンに限定されない。例えば、頭4に示すように、上下面の電気的接続をより確実にするために、各第1音響整合素子31に2つのホール内面が形成されるように、切削溝90の交点2箇所に対して一箇所形成しても良い。さらには、全ての交点にスルーホールを形成しても良い。
次に、第1音響整合層30の製造工程を説明する。図4は、第1音響整合層30の製造工程の流れを示す図である。まず、図5に示すように、穴あけ加工によって、板形状を有する非導電体(以下、非導電体板と呼ぶ)70にX軸及びY軸に沿ってホールピッチPHでスルーホール(貫通孔)Hを形成する。(ステップS1)。スルーホールHの中心軸は、Z軸に略平行である。なお、図5は、非導電体板70の一部を示した斜視図である。
ホールピッチPHは、第1音響整合素子31の幅WAや後工程での切削ピッチPS、導通の確実性・信頼性等(すなわち、スルーホールの数)に基づいて決定される。例えば、第1音響整合素子ピッチPAを400μm、切削溝90の幅WSを50μmとすると、ホールピッチPHは900μmである。スルーホールHを形成することにより、非導電体板70には、ホール内面71が形成される。
スルーホールHの形成手段としては、ドリルを用いた機械加工や、レーザー加工、エッチング加工、ウォータージェット加工等がある。レーザー加工とエッチング加工とでは、ホール内面71に傾斜が生じてしまう。ウォータージェット加工では、スルーホールHの直径が大きくなりすぎてしまう。
ドリルによる機械加工では、ホール内面71に傾斜はつかず、最小で100μm径の円形のスルーホールHを形成することが可能である。そのため、ドリルによる機械加工は、本実施形態のスルーホール形成手段に最適である。
次に図6に示すように、ホール内面71をメッキ処理し、第1メッキ層72を形成する(ステップS2)。第1メッキ層72は、非導電体板70の上下面に達する。
次に図7に示すように、第1メッキ層72が形成された非導電体板70の上下面をメッキし、第2メッキ層73と第3メッキ層74とを形成する(ステップS3)。これにより第1音響整合板775が完成する。上下面へのメッキ層形成工程は、圧電振動子20の上側電極24との導通の確実性・信頼性を向上させるために行なう。従って、導通の確実性・信頼性を問題としないのなら、第2メッキ層73と第3メッキ層74とを形成する必要はない。
次に図8に示すように、板状の圧電体板25と、第1音響整合板75と、第2音響整合板42とを接合し、ブロック80を構成する(ステップS4)。圧電体板25は、板状の圧電体部材26と、圧電体部材26の下面に形成された下側電極27と、圧電体部材26の上面に形成された上側電極28とから構成される。第2音響整合板42は、カーボン等を材料として形成される。圧電体板25と第1音響整合板71とは、上側電極28と第1メッキ層72とが略直交する向きで接合される。
接合方法は、例えば、エポキシ樹脂を主成分とする接着剤を接合面に塗布し、加圧、加温することにより実現される。接着剤としては、快削性の良い、硬度の高いエポキシ樹脂を主成分とする接着剤が良い。なお、上記のブロック80の構成工程は、予め製造された第1音響整合板71を用いてもよい。
接着の結果、スルーホールHに接着剤が充填される。充填された接着剤は、ステップS5における切削によって、第1メッキ層72が剥がれ落ちることを防止する。また、より確実に第1音響整合素子31の上下面を導通させるために、エポキシ樹脂等の接着剤に導電性のフィラーを混入させても良い。フィラーとしては、極めて粒径の小さい、例えばカーボン粉末(すす)がよい。
次に図8の点線で示すように、切削溝SがスルーホールHと隣り合うスルーホールH間の中心とを通るように、ブロック80を、X軸に沿って切削ピッチPSXで、Y軸に沿って切削ピッチPSYで縦横に切削する(ステップS5)。この切削によって、圧電体板25と第1音響整合板75と第2音響整合板42とはそれぞれ、複数の圧電素子21、複数の第1音響整合素子31、複数の第2音響整合素子41に分割される。切削により、第1メッキ層72は中間メッキ層33、第2メッキ層73は下側メッキ層34、第3メッキ層74は上側メッキ層35となる。切削が行なわれると、圧電振動子40と第1音響整合層30と第2音響整合層40とが完成する。切削加工の手段としては、例えば、刃幅30μm〜50μmを有するダイヤモンドブレードが適当である。切削処理によって、スルーホールHに充填された樹脂も切削される。切削処理後には、スルーホールHのうち切削溝Sと重なる部分には樹脂は充填されておらず、スルーホールHのうち切削溝Sち重ならない部分のみに樹脂が充填されている。
上記の第1音響整合層30の製造方法は、ホールピッチPHに応じた切削ピッチの決定や切削位置の調整を除いては、既存技術の方法を用いている。つまり、本実施形態に特有な第1音響整合板74を用いることで、既存技術による低コストの機械加工で、圧電振動子20、第1音響整合層30、及び第2音響整合層40を製造することが可能となる。
次に超音波探触子1を備えた超音波診断装置について説明する。図9は、超音波診断装置100の構成を示す図である。図9に示すように、超音波診断装置100は、制御回路110を中枢として、超音波探触子1と、送信回路112、受信回路114、信号処理回路116、及び表示装置118を備える。
超音波探触子1の第2FPC50は、個々の上側電極24を独立して電気的に引き出す。図10は、個々の上側電極24を独立して電気的に引き出すための第2FPCの斜視図である。図10に示すように、第2FPC50は、複数の上側電極24をそれぞれ独立して電気的に引き出すための複数の配線51を有する。配線51は、極薄の銅等によって形成される。複数の配線51が形成された第2FPC50は、切削溝Sの位置に合わせて、第2音響整合層40に加圧接着される。この様に、個々の上面電極24から独立して信号リードをとることが可能であるため、音響的な悪影響を低減することが可能である。従って、発生される画像の解像度が向上する。下側電極23と上側電極24とは、プローブケーブルを介して送信回路112又は受信回路114に接続される。
送信回路112は、超音波を発生させるための駆動信号を発生し、発生した駆動信号を各圧電素子21に供給することにより、各圧電素子21に超音波を発生させる。受信回路114は、各圧電素子21からのエコー信号を遅延加算処理する。信号処理回路116は、受信回路114からのエコー信号の供給を受け、Bモード画像のデータやドプラ画像のデータを発生する。表示装置118は、発生されたBモード画像やドプラ画像を表示する。
上側電極24を送信回路112や受信回路114に接続するのではなく、アース接続が必要な場合がある。図11は、この場合における超音波診断装置200の構成を示す図である。図11に示すように、超音波診断装置200は、制御回路110を中枢として、超音波探触子1´、送受信回路120、信号処理回路116、及び表示装置118を備える。
超音波探触子1´の第2FPC50は、FPCベース上に極薄の銅メッキを施したフィルムが加圧接着されている。各上側電極24は、プローブケーブルを介して接地レベルに接続される。各下側電極23は、プローブケーブルを介して送受信回路120に接続される。
送受信回路120は、超音波を発生させるための駆動信号を発生し、発生した駆動信号を各圧電素子21に供給することにより、各圧電素子21に超音波を発生させる。また、送受信部5は、各圧電素子21からのエコー信号を遅延加算処理する。
なお、第2FPC50は、第2音響整合層40の上面に接合するとしたが、これに限定する必要はない。例えば、第2FPC50は、第1音響整合層の上面に接合しても良い。また、音響整合層は3層用いるとしたが、2層や1層、或いは4層以上用いてもよい。
以上述ように本実施形態は、非導電板に複数のスルーホールHを形成し、複数のホール内面に中間メッキ層33を形成する。そして、各音響整合素子31に少なくとも一つの中間メッキ層33が含まれるように非導電体板を切削し、複数の音響整合素子31に分割する。かくして本実施形態によれば、簡便且つ確実に音響整合層30の各素子31の上下面を導通することを可能とする。
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
本発明の実施形態に係る超音波探触子の概略的構造を示す斜視図。 図1の超音波探触子から第2FPCと第3音響整合層とを除き、一部切り欠いて示す斜視図。 図1の第1音響整合層の一部のXY断面を示す図。 図1の第1音響整合層の製造工程の流れを示す図。 図4のステップS1に係る非導電体板を示す図。 図4のステップS2に係る非導電体板を示す図。 図4のステップS3に係る非導電体板を示す図。 図4のステップS4に係るブロックを示す図。 図1の超音波探触子を備える超音波診断装置の構成を示す図。 図9の超音波診断装置に係る第2FPC上の配線を示す図。 図9とは異なる、図1の超音波探触子を備える超音波診断装置の構成を示す図。
符号の説明
1…超音波探触子、10…バッキング、20…圧電振動子、21…圧電素子、22…圧電体、23…下側電極、24…上側電極、25…圧電体板、26…圧電体部材、30…第1音響整合層、31…音響整合素子、32…非導電性部材(非導電体)、33…中間メッキ層、34…下側メッキ層、35…上側メッキ層、40…第2音響整合層、41…第2音響整合素子、42…第2音響整合板、50…第2フレキシブルプリント版(FPC)、51…配線、60…第3音響整合層、70…非導電性板、80…ブロック、S…切削溝、H…スルーホール、100…超音波診断装置、110…制御回路、112…送信回路、114…受信回路、116…信号処理回路、118…表示装置、120…送受信回路

Claims (13)

  1. 2次元状に配置された複数の圧電体と、
    前記複数の圧電体に形成された複数の電極と、
    前記複数の電極上に配置され、四角柱に含まれ前記電極に垂直な4つの稜部のうちの少なくとも一つが前記電極に略平行する両面にわたって欠かれたことによって形成された壁面をそれぞれ有する複数の非導電体と、
    前記複数の壁面にそれぞれ形成された複数の第1導電性薄膜と、
    を具備する超音波探触子であって、
    前記複数の非圧電体は、所定の厚みを有し、格子状の切削溝を隔ててそれぞれ配置され、
    前記切削溝は、前記厚み方向に略直交する縦方向に沿って第1間隔をおいて、前記厚み方向と前記縦方向とに略直交する横方向とに沿って第2間隔をおいて複数の交点を有し、
    前記複数の交点位置のうちの前記縦方向、前記横方向、及び斜め方向に沿って所定個数おきにある交点位置には、前記切削溝の幅より大きい径を有する略円柱状の貫通孔が形成され、
    前記複数の第1導電性薄膜の各々は、前記貫通孔に接する、
    超音波探触子。
  2. 前記非導電体は、前記電極に略平行する上面及び下面と、前記上面及び下面に略直交する5つの側面とを有し、
    前記壁面は、前記5つの側面のうちの一つである、
    請求項1記載の超音波探触子。
  3. 前記貫通孔は、前記切削溝の全交点のうち1/4以上の割合で形成される請求項記載の超音波探触子。
  4. 前記非導電体は、音響インピーダンスが9〜15MRaylの無機物から構成される請求項1記載の超音波探触子。
  5. 前記非導電体は、雲母を主成分とするセラミックから構成される請求項1記載の超音波探触子。
  6. 前記第1導電性薄膜は、ニッケル、クロム、銅、金のうちの少なくとも一つの成分を含む請求項1記載の超音波探触子。
  7. 前記非導電体の前記上下面には、第2導電性薄膜が形成される請求項1記載の超音波探触子。
  8. 前記第2導電性薄膜は、ニッケル、クロム、銅、金のうちの少なくとも一つの材料を含む請求項記載の超音波探触子。
  9. 前記貫通孔の径は、0.1〜0.3mmである請求項記載の超音波探触子。
  10. 前記貫通孔には、前記切削溝と重なる部分を除いて樹脂が充填されている、請求項記載の超音波探触子。
  11. 厚さ方向に略直交する表面に電極が形成された板状の圧電体部材と、前記厚さ方向に略直交する縦方向に沿って第1間隔をおいて、前記厚さ方向と前記縦方向とに略直交する横方向に沿って第2間隔おいて設けられた複数の貫通孔を有し、前記複数の貫通孔の内面に導電性薄膜がそれぞれ形成された板状の非導電性部材と、を前記厚さ方向に沿って接合することによってブロックを構成し、
    前記構成されたブロックを、切削溝が前記貫通孔と隣り合う2つの前記貫通孔の中心とを通るように、前記縦方向に沿って前記第1間隔の半分の間隔で、前記横方向に沿って前記第2間隔の半分の間隔で切削することにより、複数の素子を形成する、
    超音波探触子の製造方法。
  12. 2次元上に配置された複数の圧電体と前記複数の圧電体にそれぞれ形成された複数の電極とを有する複数の圧電素子と、
    前記複数の電極上に配置される複数の音響整合素子と、を具備し、
    前記複数の音響整合素子のそれぞれは、
    前記複数の電極上に配置され、交点部分に円柱形状の空洞領域を有する略十字状の切削溝が形成された非導電体と、
    前記空洞領域の内面に形成された導電性薄膜と、
    を具備する超音波探触子。
  13. 格子状に設けられた切削溝が形成された圧電振動子と、
    前記圧電振動子上に設けられ、前記切削溝が形成された非導電性を有する音響整合層とを具備し、
    前記音響整合層は、
    前記切削溝の複数の交点位置に、前記音響整合層を貫通する複数の貫通孔を有し、
    前記複数の貫通孔の内面には第1導電性薄膜が形成されている、
    超音波探触子。
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