JP5132298B2 - 放置物監視用画像処理装置 - Google Patents
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Description
監視範囲を撮影したカメラからの映像信号がビデオ入力端子10に与えられると、A/Dコンバータ20に入力される。A/Dコンバータ20では、受け取った映像信号をデジタル変換し、量子化してデジタルデータにする。この場合、1画素あたり8ビットの多値データに変換するのが一般的である。変換されたデジタルデータ(これを現画像データとする)は放置物検出部30の現画像蓄積部31と基準画像蓄積部32に与えられる。現画像蓄積部31では、入力された現画像データを順次記憶して後の処理に備える。一方、基準画像蓄積部32では、入力された現画像データを基に作成される背景画像を基準画像として記憶して後の処理に備える。基準画像更新部33では、基準画像蓄積部32で記憶している基準画像を定期的に一定ルールで更新する。例えば1時間おきにサンプリングした現画像を基準画像に置き換える方法、あるいは画像の平滑化の為一定時間の画像の平均画像を作成しそれを基準画像にする方法などがある。
放置物特徴量設定値記憶部36には、オペレータが発報の対象、すなわちイベント対象にする放置物(例:鞄)の特徴量の範囲や条件について予め決めた放置物特徴量設定値が記憶されている。
まず、放置物を放置物特徴量である「連続性」について判断する。(ステップST1)。具体的には、放置物領域の放置継続時間が放置物特徴量設定値記憶部36の設定時間に合致するかを調べる。合致した場合は次の判断処理に進み、合致しなかった場合にNGとして処理を終了する。例えば放置物特徴量設定値が「1分」である場合、放置継続時間が1分を越えればOK、それ以外で有ればNGと判断する。
次に、連続性でOKと判断された放置物を放置物特徴量である「面積」について判断する。(ステップST2)。具体的には、放置物領域の面積が放置物特徴量設定値記憶部36の設定面積に合致するかを調べる。合致した場合は次の判断処理に進み、合致しなかった場合にNGとして処理を終了する。例えば放置物特徴量設定値の範囲が「最小500画素、最大1000画素」である場合、放置物領域の面積が500〜1000画素で有ればOK、それ以外で有ればNGと判断する。
さらに、縦横寸法がOKと判断された放置物の放置物特徴量「速度」について判断する(ステップST4)。具体的には、放置物領域の移動速度を放置物特徴量設定値記憶部36の設定速度と合致するかを調べる。合致した場合は次の処理に進み、合致しなかった場合にNGとして処理を終了する。例えば放置物特徴量設定値の範囲が「10画素/秒以下」である場合、実際の重心の移動が10画素/秒で有ればOK、それ以外で有ればNGと判断する。
発報処理部60では、放置物認識処理部37からイベント通知EV1を受け取った場合、BEEP音の出力、ランプの点灯、上位ホストマシンへの通知・通信などの発報を行う。
また、図3に示す従来の技術の場合は、処理構成が特許文献1のものよりも簡易化され、狭い領域の監視画像の処理に向いているが、次のような問題がある。放置物の有無を判断するための画像は、「現画像」と「基準画像」の2画像になる。監視対象として券売機を例にとって考えると、この2画像は常に「券売機のみの画像」を撮影し、鞄などの置き忘れがあった場合、その放置物のみを放置物領域として切り出すのが理想である。しかし、実際は、そこには券を購入する顧客が往来し、券売機のみを撮影し続けるわけではない。そのため、現画像は、「券売機のみの画像」のみならず「券売機と顧客の画像」を提示し続けることとなる。仮に基準画像として「券売機のみの画像」が蓄積されていたとすれば、現画像が「券売機と顧客の画像」となった場合、顧客が放置物領域として切り出されることとなる。本来は、放置物認識処理部37にて、速度や大きさの条件が一致しないため顧客は発報に至らないはずではあるが、確率は0ではない。まれにこれら顧客によって切り出された放置物領域の放置物特徴量が放置物特徴量設定値と一致し、誤報に至ることがある。このような、正規の発報対象ではない放置物領域によって発報することは監視上正確でないので問題である。
図1は、この発明の実施の形態1による放置物監視用画像処理装置の構成を示すブロック図である。図において、上記従来の装置の図4に相当する機能部分には同一符号を付し、重複する説明は原則として省略する。この実施の形態1の放置物監視用画像処理装置は、図4の構成に対して、移動物検出部40およびゲート50を加えた構成を備えている。
移動物検出部40は、現画像蓄積部41、背景画像蓄積部42、背景画像更新部43、移動物領域切り出し部44、移動物特徴量演算部45、移動物特徴量設定値記憶部46および移動物認識処理部47を備えている。
以下、動作について説明する。
A/Dコンバータ20からは、取得画像データが放置物検出部30の現画像蓄積部31と基準画像蓄積部32に与えられるが、同時に移動物検出部40の現画像蓄積部41と背景画像蓄積部42にも与えられる。現画像蓄積部41では、現画像蓄積部31と同様に、入力された現画像データを記憶して後の処理に備える。一方、背景画像蓄積部42では、入力された現画像データを基に相応の演算を行い作成した背景画像を蓄積し後の処理に備える。背景画像更新部43では、背景画像蓄積部42に蓄積してある背景画像を定期的に一定ルールで演算し更新する。一般的には単純なルール、例えば過去5フレームの平均画像を生成し記憶している背景画像に置き換える方法などとする。
移動物特徴量設定値記憶部46には、オペレータが検知対象としている移動物(例:顧客)の特徴量の範囲や条件が予め記憶されている。
まず、移動物特徴量「連続性」について判断する(ステップST11)。具体的には、移動物領域の継続時間が移動物特徴量設定値記憶部46の設定値に合致するかを調べる。例えば特徴量設定値が「3フレーム」である場合、連続時間が3フレームを越えていればOKとして次の判断処理に進み、合致しなかった場合にはNGとして処理を終了する。
次に、「連続性」でOKと判断された移動物の「面積」について判断する(ステップST12)。具体的には、移動物領域の面積が移動物特徴量設定値記憶部46の設定値に合致するかを調べる。例えば特徴量設定値の範囲が「最小500画素、最大1000画素」である場合、面積が500〜1000画素で有ればOKとして次の判断処理に進み、合致しなかった場合にはNGとして処理を終了する。
さらに、「縦横寸法」がOKと判断された移動物の「速度」について判断する(ステップST14)。具体的には、移動領域の移動速度を移動物特徴量設定値記憶部46の設定値と合致するかを調べる。例えば特徴量設定値の範囲が「10画素/秒〜50画素/秒以下」である場合、実際の重心の移動が10画素/秒〜50画素/秒で有ればOKとして次の処理に進み、合致しなかった場合にはNGとして処理を終了する。
顧客が往来している状況下の券売機を例に取ると、仮に放置物検出部30において放置物イベントEV1が発生したとしても、そのときに顧客が存在しているとすれば、その放置物イベントEV1は真の放置物によるものではない可能性がある。すなわち、通常、顧客が券売機の正面に位置して券を購入するため、監視カメラの視野には顧客の姿が入っている。その間に発見された放置物とは、顧客が一時的においた鞄であったり、顧客自身であったりする可能性が高い。したがって、移動物が存在している状況における放置物検知は、精度が低いと判断できる。この発明の場合、移動物の存在によるイベント通知EV2が出力されるようにしているが、このイベント通知EV2のあるときは、放置物イベントEV1が発生していても、その精度は低いとすることができる。そこで、移動物が存在するイベント通知EV2によりゲート50を一旦閉鎖し、不確かな放置物イベントEV1は通さなくしている。これによって、顧客や顧客の手荷物の一時放置による放置物イベントの誤報は回避可能となる。
顧客が去って移動物領域が画像から消えれば、移動物イベントEV2は発生しなくなる。カメラの画角から顧客が消えた後に、なお放置物が存在すれば、それは顧客が置き忘れていった鞄などの忘れ物や、元からあった放置物となる。すなわち、顧客による放置物イベントEV2が発生しなくなり、その後発生した放置物イベントEV1であれば、誤報の可能性は低い。そこで、移動物イベント通知EV2が一定時間入力されないことを判断して、放置物イベントEV1の阻止制御を解除するようにしている。このことにより、放置物イベントEV1の精度を向上させることができる。
図1において、実施の形態1で説明したように、基準画像更新部33では、基準画像蓄積部32に記憶してある背景画像を定期的に一定ルールで更新する。これは定期的にサンプリングするのが一般で、例えば1時間おきにそのときの現画像を基準画像に置き換える方法、あるいは画像の平滑化の為一定時間の画像の平均画像を作成しそれを基準画像にする方法などで行なっている。この場合、基準画像を取得する際には特に時間以外の条件を有していない。
そこで、この実施の形態2では、基準画像更新部33の更新条件に、時間以外に移動物イベントEV2を加味する。
基準画像更新部33に対して、移動物認識処理部47から移動物イベント通知EV2を与えるようにしておく。基準画像更新部33では、基準画像蓄積部32に記憶してある背景画像を定期的に一定ルールで更新しようとするときに、更新時の前後一定時間以内にイベント通知EV2がある場合には基準画像蓄積部32から画像を取得せず更新を行わず、一方、その一定時間以内にイベント通知EV2がない場合には画像を取得して更新を行う。これにより移動物の進入で発するノイズ成分で基準画像更新の際に移動物が更新画像に写り込むことを防止できるので、移動物が存在しない安定した基準画像を収集できる。
Claims (5)
- 所定の監視範囲をカメラにより撮影して取得した画像データに基づいて放置物領域を検出し、放置物領域に基づいて放置物を認識する画像処理を行い、放置物を認識した場合に放置物イベント通知を発生する放置物検出部と、
前記取得画像データに基づいて移動物領域を検出し、移動物領域に基づいて移動物を認識する画像処理を行い、移動物を認識した場合に移動物イベント通知を発生する移動物検出部と、
前記放置物検出部で発生する前記放置物イベント通知が入力された場合に発報処理を行う発報処理部と、
前記放置物検出部から出力された前記放置物イベント通知と、前記移動物検出部から出力された前記移動物イベント通知が入力されるものであって、前記移動物イベント通知を入力された場合に、前記放置物イベント通知を前記発報処理部に与えるのを阻止制御し、移動物が存在している状況における前記放置物イベント通知を制限するゲートを備えたことを特徴とする放置物監視用画像処理装置。 - ゲートは、放置物イベント通知を阻止した状態において、移動物検出部から移動物イベント通知が一定時間発生しない状態を検知した場合には先の阻止制御を解除し、放置物検出部で発生する放置物イベント通知を発報処理部に与えるようにしたことを特徴とする請求項1記載の放置物監視用画像処理装置。
- 放置物検出部は、
取得画像データを順次記憶する第1の現画像蓄積部と、
取得画像データを基に作成される背景画像を基準画像として記憶する基準画像蓄積部と、
前記基準画像蓄積部で記憶している基準画像を定期的に一定ルールに従って更新する基準画像更新部と、
前記第1の現画像蓄積部の現画像と前記基準画像蓄積部の基準画像を比較して差分データを放置物領域として算出する放置物領域切り出し部と、
前記算出された放置物領域に基づいて放置物特徴量を演算する放置物特徴量演算部と、
検知対象にする放置物特徴量の範囲および条件について予め決めた放置物特徴量設定値を記憶する放置物特徴量設定値記憶部と、
前記放置物特徴量演算部で算出された放置物特徴量の値が前記記憶している放置物特徴量設定値に合致しているか否かを判断し、合致している場合には放置物イベント通知を発生する放置物認識処理部を備え、
移動物検出部は、
取得画像データを順次記憶する第2の現画像蓄積部と、
取得画像データを基に作成される背景画像を記憶する背景画像蓄積部と、
前記背景画像蓄積部で記憶している背景画像を定期的に一定ルールに従って更新する背景画像更新部と、
前記第2の現画像蓄積部の現画像と前記背景画像蓄積部の背景画像を比較して差分データを移動物領域として算出する移動物領域切り出し部と、
前記算出された移動物領域に基づいて移動物特徴量を演算する移動物特徴量演算部と、
検知対象にする移動物特徴量の範囲および条件について予め決めた移動物特徴量設定値を記憶する移動物特徴量設定値記憶部と、
前記移動物特徴量演算部で算出された移動物特徴量の値が前記記憶している移動物特徴量設定値に合致しているか否かを判断し、合致している場合には移動物イベント通知を発生する移動物認識処理部を備えたことを特徴とする請求項1または請求項2記載の放置物監視用画像処理装置。 - 基準画像更新部は、基準画像の更新を、更新時の前後一定時間以内に移動物検知のイベント通知が存在しない場合にのみ行うようにしたことを特徴とする請求項3記載の放置物監視用画像処理装置。
- 放置物特徴量は、放置物領域の連続性、面積、縦横寸法、速度とし、
移動物特徴量は、移動物領域の連続性、面積、縦横寸法、速度としたことを特徴とする請求項3記載または請求項4記載の放置物監視用画像処理装置。
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