JP5132174B2 - 配線基板および実装構造体 - Google Patents

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Description

本発明は、各種オーディオビジュアル(略称AV:Audio Visual)機器や家電機器,通信機器,コンピュータ装置およびその周辺機器などの電子機器に使用される配線基板およびその製造方法に関するものである。
従来、配線基板は、IC(Integrated Circuit),LSI(Large Scale Integration)などの半導体素子に代表される能動素子および容量素子や抵抗素子などの受動素子を多数搭載して所定の電子回路を構成する混成集積回路に用いられる。この配線基板は、通常、以下のように製作される。(1)ガラスクロスにエポキシ樹脂を含浸させて成る絶縁基板の上下面に銅箔を接着して成る、いわゆる両面銅貼基板をサブトラクティブ法により配線パターン状の配線導体に加工する。(2)その後、ドリルによって配線導体と絶縁基板とを貫通する貫通孔(スルーホール)を形成し、この貫通孔内部にめっき法により導体層を被着して成る貫通導体を形成することによって基体を製作する。(3)その主面にソルダーレジストと呼ばれる絶縁層を積層することによって、配線基板を製作する(たとえば特許文献1、2参照)。
特開2002−198658号公報 特開2002−212394号公報
近年、LSIの高速化・高機能化に伴い、シリコン表面に低誘電率材料が用いられる傾向がある。空気は低誘電率であるため、低誘電率材料に多くの気泡を含ませることにより、更なる低誘電率化を図る傾向がある。ところが、多くの気泡を含んだ低誘電率材料は強度が低いため、かかる材料を用いたシリコンチップを従来の配線基板にフリップチップ実装すると、配線基板とシリコンチップとの熱膨張率差によって生じる熱応力が原因で、フリップチップ実装後の冷却過程でシリコンチップ表面の低誘電率材料にクラックが入り、その結果、シリコンチップの実装構造体の生産性が低下するという問題が生じている。
そのため、気泡を含む低誘電率材料を用いたシリコンチップと、該シリコンチップが実装される配線基板との熱膨張率差をできる限り小さくし、両者間に生じる熱応力を小さくする必要がある。それ故、配線基板の熱膨張率はシリコンチップの熱膨張率に限りなく近いものが求められている。
また、LSIは同時に多くのデータを処理するため大形化する傾向がある。LSIが大形化するとデータのインプットとアウトプットを行うI/O(Input/Output)を増やす必要がある。I/Oは現在数千程度であるが、将来は一万に達すると予測されている。そのため、半導体素子と配線基板との接続部分(バンプ)は小形化する傾向があり、現在、直径100μm、ピッチ220μmのバンプが今後は直径50μm以上75μm以下、ピッチ100μm以上125μm以下に小形化することが求められている。バンプが小形化すると、機械的強度が低下すること、およびシリコンチップと配線基板との距離が縮まることから、配線基板とシリコンチップとの熱膨張率差が大きい場合、製品使用時の加熱冷却の繰り返しによりバンプが破断するおそれがあることから、配線基板とシリコンチップとの熱膨張率差を小さくすることは重要である。
従って、従来よりも熱膨張率を低く抑えた高性能の配線基板が求められていた。
本発明の目的は、低熱膨張率化を図ることができる高性能の配線基板およびその製造方法を提供することにある。
本発明は、複数の単繊維を、第1方向及び該第1方向と異なる第2方向にそれぞれ配列し、前記複数の単繊維を互いに交差させて成る織布と、前記織布を被覆する樹脂部と、を有する基板と、前記基板に形成される配線導体と、を備え、前記単繊維は、前記基板の厚み方向に対して垂直な方向の幅が、前記単繊維が交差していない非交差領域よりも前記単繊維が交差する交差領域の方で広く設定されており、前記基板厚み方向から視て、前記交差領域における前記単繊維の外周は円弧状であることを特徴とする配線基板である。
また本発明は、複数の単繊維を、第1方向及び該第1方向と異なる第2方向にそれぞれ配列し、前記複数の単繊維を互いに交差させて成る織布と、前記織布を被覆する樹脂部と、を有する基板と、前記基板に形成される配線導体と、を備え、前記単繊維は、前記基板の厚み方向に平行な方向の厚みが、前記単繊維が交差していない非交差領域よりも前記単繊維が交差する交差領域の方で小さく設定されており、前記基板の厚み方向から視て、前記交差領域における前記単繊維の外周は円弧状であることを特徴とする配線基板である。
また本発明は、複数の単繊維から成る繊維束を、第1方向及び該第1方向と異なる第2方向にそれぞれ配列し、前記複数の繊維束を互いに交差させて成る織布と、前記織布を被覆する樹脂部と、を有する基板と、前記基板に形成される配線導体と、を備え、前記繊維束を構成する単繊維は、前記基板の厚み方向に対して垂直な方向の幅が、前記繊維束が交差していない非交差領域よりも前記繊維束が交差する交差領域の方で広く設定されていることを特徴とする配線基板である。
また本発明は、複数の単繊維から成る繊維束を、第1方向及び該第1方向と異なる第2方向にそれぞれ配列し、前記複数の繊維束を互いに交差させて成る織布と、前記織布を被覆する樹脂部と、を有する基板と、前記基板に形成される配線導体と、を備え、前記繊維束を構成する単繊維は、前記基板の厚み方向に対して平行な方向の厚みが、前記繊維束が交差していない非交差領域よりも前記繊維束が交差する交差領域の方で小さく設定されていることを特徴とする配線基板である。
また本発明は、前記基板に対する前記織布の体積比率は、45%以上70%以下であることを特徴とする。
また本発明は、前記織布全体が前記樹脂部内に収容されていることを特徴とする。
また本発明は、前記単繊維の長手方向の線膨張係数(25℃以上200℃以下)は−10ppm/℃以上5ppm/℃以下で、かつ前記樹脂部を構成する樹脂材料の線膨張係数(25℃以上200℃以下)は10ppm/℃以上60ppm/℃以下であることを特徴とする。
また本発明は、前記単繊維が、全芳香族ポリエステル、全芳香族ポリアミド、ポリベンスオキサゾールのいずれかよりなる有機繊維であることを特徴とする。
また本発明は、前記基板の少なくとも一方主面側に、絶縁層と回路層とを交互に積層してなる配線層が形成されていることを特徴とする。
また本発明は、前記配線基板と、前記配線基板にフリップチップ実装された半導体素子と、を備える実装構造体である。
また本発明は、複数の単繊維、または複数の単繊維から成る複数の繊維束を、第1方向及び該第1方向と異なる第2方向にそれぞれ配列し、前記複数の単繊維または繊維束を互いに交差させて成る面状の織布を準備する工程と、前記織布を、その面に垂直な成分を持った押圧力によって押圧し、前記単繊維の厚みを、前記単繊維が交差していない非交差領域よりも前記単繊維が交差する交差領域の方で小さくする工程と、押圧された前記織布を樹脂材料で被覆する工程と、を有することを特徴とする配線基板の製造方法である。
本発明によれば、単繊維のうねりを小さく抑え、該単繊維がその長手方向に延びようとすることを良好に抑制することができる。その結果、線膨張係数が大きな樹脂部が単繊維の長手方向に延びようとしても、延びにくい単繊維によって構成される織布でもって良好に抑制することができ、配線基板全体の低熱膨張化を図ることが可能となる。
また、本発明によれば、異なる2つの方向に配列される単繊維同士の接触面積が従来技術のものより大きくなり、単繊維同士の摩擦抵抗が従来技術のものより大きくなる。従って、単繊維の位置ずれを小さく抑えることができる。
また、本発明によれば、単繊維のうねりの大きさが従来技術のものより小さくなるので、樹脂部の厚みを薄くしても織布全体を樹脂部内に安定的に収容することが可能となる。したがって、織布が基板上に形成された配線導体と接触して配線導体が剥がれ易くなることを未然に防止することができる。
また本発明によれば、基板に対する織布の体積比率は、45%以上70%以下にすることで、基板全体を低熱膨張率にする効果を高めることができる。
また本発明によれば、単繊維の長手方向の線膨張係数を−10ppm/℃以上5ppm/℃以下で、かつ樹脂材料の線膨張係数を10ppm/℃以上60ppm/℃以下とすることによって、基板全体の熱膨張率を半導体素子などと同等のレベルまで低くすることができる。
〔織布を用いた配線基板の課題〕
そこで、本件出願人は、ガラスクロスに代えて、ガラスクロスよりも低熱膨張係数を有する有機繊維を二方向に編み込んで成る織布を適用し、該織布をエポキシ樹脂等の樹脂材料から成る樹脂部で被覆した基板と、該基板に形成される配線導体と、を有する配線基板を提案している。かかる配線基板は、比較的線膨張係数が大きな樹脂部が延びようとするのを線膨張係数が小さな織布によって、樹脂部の延びを抑え、基板全体としての線膨張係数の低減を図るものであるが、かかる配線基板の織布を構成する単繊維に波形状の大きなうねりが生じると、次のような問題を生じ得ることを発見した。
(1)織布が樹脂部の延びを抑える力が弱まり、配線基板としての線膨張係数が大きくなる傾向にある。
(2)前記二方向に交差する単繊維同士の接触面積が小さくなり、単繊維の位置ずれなどを起こし、単繊維や繊維束の配置分布が不均一になる。
(3)樹脂部によって被覆されるべき織布の一部が該樹脂部から露出してしまい、この露出した織布の一部と銅箔等の配線導体とが接触する。配線導体は織布の一部との接触部分で剥がれ易くなり、配線基板の生産性が低下する。
(4)織布と配線導体との接触を未然に防止するには、被覆する樹脂部を厚くするなどの対策を講じる必要があるが、この場合、樹脂部の体積が大きくなり過ぎて、配線基板全体として低熱膨張率化を図ることが困難となるうえ、配線基板の剛性強度が低くなる傾向にある。
そこで、上述の問題点を改善するため、本発明が案出された。以下、図面を参照しながら本発明を実施するための形態を説明する。
〔配線基板の説明〕
図1は、本発明の実施形態に係る配線基板1の断面図である。図2は、本発明の実施形態に係る配線基板1の断面図(図4の切断面線II−IIから見た断面図)であり、図2(a)は要部の断面図、図2(b)は要部を拡大して示す断面図である。図3は、本発明の実施形態に係る配線基板1の断面図(図4の切断面線III−IIIから見た断面図)であり、図3(a)は要部の断面図、図3(b)は要部を拡大して示す断面図である。図4は、二方向に編み込んで成る樹脂織布4の交差領域7などを表す平面図である。
本実施形態に係る配線基板1は、たとえば各種オーディオビジュアル(略称AV:
Audio Visual)機器や家電機器,通信機器,コンピュータ装置およびその周辺機器などの電子機器に使用される。ただしこれらの機器、装置に必ずしも限定されるものではない。以下の説明は、配線基板の製造方法の説明をも含む。配線基板1は、基板に配線導体2,3を備えて構成されている。また、配線基板1を構成する基板は、主に、樹脂織布4と、該樹脂織布4を被覆する樹脂部5とを有する。
先ず樹脂織布4について説明する。樹脂織布4は、樹脂製の複数の単繊維4a、二方向(第1方向及び第2方向)に配列して、互いに交差させて構成されている。第1方向及び第2方向は、それぞれ配線基板1の厚み方向に垂直な方向であり、第2方向は、前記第1方向と異なる方向である。ここでは、第1方向と第2方向は互いに直交するものとし、第1方向をx方向、第2方向をy方向とそれぞれ定義し、配線基板1の厚み方向をz方向と定義する。また、樹脂織布4を構成する単繊維4aは、z方向に波形状にうねって配設されるため、樹脂織布4も全体的にうねりを生じている。この樹脂織布4のうねりの大きさを、図1に示すように曲率半径R4を用いて表現する場合、うねりが小さいほど曲率半径R4が大きい値となる。
図5は、単繊維4a同士が交差している様子を模式的に示す部分平面図である。図6は、図5に示す単繊維4a同士の交差部分の断面図である。
図5に示すように、樹脂織布4は、x方向及びy方向の単繊維4aが互いに交差する交差領域におけるx方向の幅wx1またはy方向の幅wy1が、単繊維4aが互いに交差していない非交差領域におけるx方向の幅wx2またはy方向の幅wy2よりも大きな形状になっている。また、図6に示すように、樹脂織布4は、xおよびy方向の単繊維4aが互いに交差する交差領域におけるz方向の厚みd1が、単繊維4aが互いに交差していない非交差領域におけるz方向の厚みd2よりも小さい形状になっている。このように樹脂織布4は、その断面形状が非交差領域よりも交差領域7で扁平な形状となっている。
一方、上述したように、単繊維4aのz方向への波形状のうねりは従来技術のものより小さくなっている。単繊維4aは、うねりが大きければ大きいほど、単繊維4aが長手方向に延び易くなるという効果、すなわち、‘ばね効果’を示すようになる。その結果、単繊維4aの材料として低熱膨張材料を用いても、基板全体の熱膨張率を抑える効果が低減してしまう。
このうねりの程度を示す値(以後「うねり値」と称す)は、波形状の一周期分に相当する単繊維4aの実際の長さSを一周期の長さLで除した値(S/L)で表される。本実施形態では、ロール状のプレス装置6で樹脂織布4などをプレス成形した状態において、この樹脂織布4のうねり値S/Lは、1倍より大きく1.20倍以下になっている。うねり値S/Lが「1」の場合は、S=Lであるため、z方向へのうねりがなく、単繊維4aが真直ぐになっていることを示している。
本実施形態のようにうねり値S/Lが「1」より大きく「1.20」以下では、ばね効果が小さいので、界面での樹脂の剥がれもなく、低熱膨張率化の効果も大きい。うねり値S/Lの数値範囲は、最適には「1.02」以上「1.10」以下が望ましい。その数値範囲では、ばね効果を極力小さくすることが可能となり、界面での樹脂の剥がれを確実に防止することができ、低熱膨張率化の効果を一層大きくすることができる。
後述するが、織布をプレス成形する押圧力、プレス成形する回数およびプレス成形する際の加熱温度などの条件を満たすことで、うねり値の数値範囲を、最適の「1.02」以上「1.10」以下にすることが可能となる。図2および図3に示すように、単繊維4aが交差する交差領域7では、繊維束をその長手方向に垂直な仮想平面で切断して見た横断面形状が、非交差領域よりもx方向(またはy方向)に横長の扁平形状となるように、前記繊維束が形成されている。
特に図2(b)、図3(b)に示すように、交差領域7におけるy方向中間付近に配設される単繊維4acは、交差領域7におけるy方向の端部付近に配設される単繊維4aL,4aRに比べて、幅広な扁平形状の断面を有しており、y方向に延在する単繊維4aとの接触面積がy方向の端部よりも中央部で大きくなっている。
このため、交差領域7における単繊維4aの「ばね効果」を一層緩和することが可能となる。また、交差領域7の接触面積が大きくなっているので、x方向に延在する単繊維4aとy方向に延在する単繊維4aとの密着強度が高まる。更に、多数の単繊維4aによって構成される樹脂織布4がxy平面において扁平化して分散するので、樹脂織布4と樹脂部5との密着強度が高まる。
本実施形態に係る配線基板1において、ヤング率が10GPa以上の単繊維4aが適用される。しかも単繊維4aの長手方向の線膨張係数(25℃以上200℃以下)は、−10ppm/℃以上0ppm/℃以下のものが適用される。基板に対する樹脂織布4の体積比率を45%以上70%以下にしている。樹脂織布4の体積比率が45%未満であると、樹脂部がx方向またはy方向に延びようとするのを樹脂織布4が抑制する力が小さくなり、基板全体を低熱膨張率化させる効果が小さくなる。一方、樹脂織布4の体積比率が70%を超えると、樹脂部の体積が不足するため、単繊維と単繊維との間に生じる空隙を樹脂で十分に充填させることが困難となり、単繊維間に気泡が生じ、その結果、気泡にめっき液等が残留することによる絶縁不良、または基板の膨れなどが生じ、不良の原因となり易くなる。従って、樹脂織布4の体積比率%は、45%以上70%以下がよく、最適な範囲は45%以上55%以下が望ましい。
ヤング率が10GPa以上で、長手方向の線膨張係数(25℃以上200℃以下)が−10ppm/℃以上5ppm/℃以下の単繊維4aを構成する繊維材料としては、全芳香族ポリエステル繊維、全芳香族ポリアミド、ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール、液晶ポリマーを主成分とする有機繊維が良好に用いられる。織布を樹脂以外の材料で形成する場合、ヤング率が10GPa以上で、長手方向の線膨張係数(25℃以上200℃以下)が−10ppm/℃以上5ppm/℃以下の材料として、Sガラス、Tガラスを適用することも可能である。Eガラスも適用可能であるが、線膨張係数がSガラス、Tガラスよりも大きいため、Sガラス、Tガラスを適用することが好ましい。なお、ヤング率、線膨張係数、うねり値および基板に対する樹脂織布4の体積比率については、ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾールで適用した数値範囲と同一の数値範囲が好適な範囲である。
単繊維4aの長手方向の線膨張係数は低いほど、樹脂部の延びを抑制する効果が大きくなるため良く、線膨張係数は5ppm/℃以下であれば好適に用いられる。線膨張係数が5ppm/℃よりも大きくなると基板全体を低熱膨張率にする効果が小さくなるため、線膨張係数は5ppm/℃以下である方が好ましい。
樹脂織布4を被覆する樹脂部5は、例えば、非金属無機フィラー(たとえば球状シリカ)を20wt%以上80wt%以下含有するエポキシ樹脂により形成されている。かかる構成により、20ppm/℃〜60ppm/℃の線膨張係数、2GPa〜5GPaのヤング率を実現できる。
樹脂部5の線膨張係数は低いほど良いが、10ppm/℃よりも小さい線膨張係数を有するものは市販されていないため試験ができていない。従って、現時点では、樹脂部5の線膨張係数は10ppm/℃以上60ppm/℃以下のものが好適に用いられる。樹脂部5の線膨張係数が60ppm/℃を超えると、配線基板1全体の熱膨張率をシリコンと同等にすることが困難となるためである。また、樹脂部5は、ヤング率が小さいほど単繊維4aによって樹脂部5の膨張が抑制されやすくなるため、ヤング率は5GPa以下が好ましい。また、樹脂部5のヤング率が小さすぎると、配線基板の剛性が不足気味になる傾向にあるため、樹脂部5のヤング率は0.05GPa以上のものが好ましい。
本実施形態では、樹脂部5の材料としてエポキシ樹脂を使用しているが、勿論、エポキシ樹脂だけに限定されるものではない。たとえば、シアネート樹脂、ビスマレイミドトリアジンなどの樹脂材料を樹脂部の材料として適用可能である。ただし、ヤング率、線膨張係数については、前記エポキシ樹脂で適用した数値範囲と同一の数値範囲が好適な範囲である。非金属無機フィラーの量は、樹脂部5を構成する樹脂材料の種類に応じて適宜変更する。また、非金属無機フィラーとしては、シリカ以外には、水酸化アルミニウム、酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム等の材料を使用することができる。
〔ヤング率及び線膨張係数の測定方法〕
単繊維4aおよび樹脂部5のヤング率は、次のような方法で計測可能である。
まず、単繊維4aの場合、繊維束を引張り試験機により測定して得られた単位断面積あたりの引張り応力を繊維の伸び量で割ることで計測できる。
また、樹脂部5の場合、配線基板を作製するときと同条件で硬化して作成したフィルムを矩形状の試験片に切り出し、この試験片を引張り試験機で測定して得られた単位断面積あたりの引張り応力を樹脂の伸び量で割ることにより計測できる。また従来より周知のナノインデンテーション法を用いて計測することもできる。
一方、配線基板1となった状態から単繊維4aおよび樹脂部5のヤング率を計測することもできる。
単繊維4aの場合、樹脂部5を除去して繊維束を取り出し、この繊維束を引っ張り試験機により測定して得られた単位断面積あたりの引っ張り応力を繊維の伸び量で割ることで計測できる。あるいは、上記のように薄片状に切り出した樹脂部5から予め樹脂部5のヤング率を測定しておき、樹脂部5と単繊維4aとの複合体の状態でヤング率を測定し、この複合体のヤング率と樹脂部5のみのヤング率とから、シミュレーションにより単繊維4aのヤング率を計測することもできる。
樹脂部5の場合、樹脂部5を薄片状に切り出し、四角柱や三角錐などの圧子を薄片表面に押し込み、その時の圧子にかかる荷重と圧子の下の射影面積から求める。
また、単繊維4aの長手方向の線膨張係数及び樹脂部5の線膨張係数は、次のような方法で計測可能である。
単繊維4aの場合、繊維束を寸法測定用のプローブに取り付け、繊維束を引っ張る方向に加重を加えながら温度を上げ、温度変化による寸法変化を測定することにより計測できる。
樹脂部5の場合、たとえば2mm×3mm×15mmの試験片を切り出し、この試験片に寸法測定用のプローブを接触させつつ温度を上げ、温度変化による寸法変化を測定することにより計測できる。
一方、配線基板1となった状態から単繊維4a及び樹脂部5の線膨張係数を計測することもできる。
単繊維4aの場合、樹脂部5を除去して繊維束を取り出し、繊維束を寸法測定用のプローブに取り付け、繊維束を引っ張る方向に加重を加えながら温度を上げ、温度変化による寸法変化を測定することにより計測できる。あるいは、上記のように薄片状に切り出した樹脂部5から予め樹脂部5の熱膨張係数を測定しておき、樹脂部5と単繊維4aとの複合体の状態で熱膨張係数を測定し、この複合体の熱膨張係数と樹脂部5のみの熱膨張係数とから、シミュレーションにより単繊維4aの熱膨張係数を計測することもできる。
樹脂部5の場合、樹脂部5を適当な大きさの薄片状に切り出し、この薄片を試験片として寸法測定用のプローブに取り付け、試験片を引っ張る方向に加重を加えながら温度を上げ、温度変化による寸法変化を測定することにより計測できる。
図9は本発明の実施形態にかかる配線基板1の変形例、および本発明の実装構造体20の例を示す断面図である。
図9に示す配線基板1は、基板の両主面に絶縁層14と回路層15とを交互に積層してなる配線層13が形成されているものである。
絶縁層14は、厚み寸法が12μm以上50μm以下程度となるように設定された樹脂フィルムから成る。基板全体の熱膨張率を半導体素子と同等のレベルまで低くするためには、樹脂フィルムのヤング率10GPa以上、線膨張係数3ppm/℃以下であることが好ましい。その材料としては、ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール、ポリイミドベンゾオキサゾール、全芳香族ポリアミド、全芳香族ポリエステル、液晶ポリマーが使用できる。この樹脂フィルムには、熱膨張係数の調整や、機械的強度の向上のために、フィラが含有される。無機フィラとして用いられるセラミック材料には、シリカ(二酸化珪素)、酸化アルミニウムなどが用いられる。フィラの粒子形状は、略球状、針状およびフレーク状などがあり、充填性の観点からは略球状が好ましい。
一方、回路層15は、銅などの金属材料をめっきすることにより形成され、その厚みは、例えば3〜18μmに設定される。回路層15同士は、絶縁層14に設けたビア導体18により接続されている。ビア導体18は回路層15と同様に銅めっきなどにより形成される。
絶縁層14と回路層15との間、または絶縁層14同士の間には、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、シリコン樹脂のいずれか一つを主成分とする接着剤17が介在されており、この接着剤により絶縁層14と回路層15、または絶縁層同士がそれぞれ接着されている。絶縁層14と接着剤17との材質の組み合わせは、絶縁層14と接着剤17との接着性が良好であり、かつ耐熱性が高くなるように選択される。これによって配線基板1を外部の別の基板に半田等を用いて実装する際、耐熱性が良好なものとなる。また絶縁層14と接着剤17との材質の組み合わせは、絶縁層14と接着剤17との熱膨張係数の差が小さくなるように選択される。これによって熱膨張係数の差による応力を低くすることができ、回路層15と絶縁層14との界面における剥離を防止することができる。また、配線基板1の全体の反りを低減することができ、その表面に実装される半導体素子の端子の狭ピッチ化にもよりよく対応可能な配線基板となすことができる。
なお、基板の一主面側の配線層13における回路層15と他主面側の配線層13における回路層15とは基板の厚み方向に貫く貫通孔の内壁面に設けられたスルーホール導体16を介して電気的に接続されている。
実装構造体20は、配線基板1と配線基板1に実装される半導体素子とを含んで構成されるものである。半導体素子はシリコンチップ21であり、配線基板1にフリップチップ実装されている。より具体的には、配線基板1の一主面に形成されたパッド23と、シリコンチップの実装面に設けた接続電極24とを、半田や金などの導電性材料からなるバンプ22により接続することによりシリコンチップ21が配線基板1に実装されることとなる。シリコンチップ21は、所定の電気信号を制御する機能、あるいは所定の情報を保持しておく機能を備え、例えば、ダイヤモンドライクカーボンなどの低誘電率材料(Low k材料)を用いて作製されたものである。このようなLow k材料を用いることにより信号を高速に処理することができる一方で、Low k材料からなるシリコンチップ21は強度が低い。それ故、従来の配線基板では、かかるシリコンチップを実装した場合、シリコンチップと配線基板との熱膨張率の不整合によりシリコンチップが破損しやすいという不都合があった。これに対し、本発明に係る配線基板1にシリコンチップ21を実装した場合、配線基板1が低熱膨張化されていることによりシリコンチップ21と配線基板1との熱膨張率の差が小さくなる。その結果、熱膨張率の差に起因して発生する応力も小さくなり、シリコンチップ21の破損を抑えることができる。
〔配線基板の製造方法〕
図7は、プレス装置6で樹脂織布4または樹脂シートをプレス成形する状態を表す図である。図8は、配線基板1の製造方法を表すフローチャートである。
本実施形態に係る配線基板1の製造方法は、樹脂織布4を準備する工程(ステップa1)と、樹脂織布4を押圧する工程(ステップa2)と、押圧された樹脂織布4を樹脂材料で被覆する工程(ステップa3)とを含む。
樹脂織布4を準備する工程において、樹脂製の単繊維から成る樹脂織布を用意した。この樹脂織布4は、複数の単繊維4aをx方向およびy方向にそれぞれ配列し、前記複数の単繊維4aを互いに交差させて成る面状の織布である。この時点で、樹脂織布4のうねり値S/Lは、「1.20」よりも大きい値になっていることが多い。
次に樹脂織布4を押圧する工程に移行し、準備した樹脂織布4を、圧力付加手段としてのプレス装置6を用いて樹脂織布4の面に垂直な方向に加熱プレスを行う。これによって、単繊維4aの幅を、単繊維4aが交差していない非交差領域よりも単繊維4aが交差する交差領域7の方で広くするとともに、単繊維4aの厚みを、単繊維4aが交差していない非交差領域よりも単繊維4aが交差する交差領域7の方で小さくする。この押圧工程によって、樹脂織布4のうねり値S/Lが1倍より大きく1.20倍以下になる。
プレス装置6は、予め定める間隔δ1を空けて平行に配設される一対のローラ部材6a,6bと、これらローラ部材6a,6bを回動駆動する駆動源と、準備した樹脂織布4を加熱し得る加熱手段と、駆動源を駆動制御し加熱手段の温度を制御する制御手段とを有する。準備した樹脂織布4が当該プレス装置6の搬送方向上流側から一対のローラ部材6a,6b間に送られ、前記駆動源によってローラ部材6a,6bを回動させるとともに加熱手段でもって樹脂織布4を加熱する。これによって、押圧工程前の樹脂織布4のz方向厚さの64%以上83%以下の厚さの樹脂織布4を作製した。このように樹脂織布4を圧縮することで、その後の樹脂材料被覆工程において、樹脂織布4全体が樹脂部5内に収容される(図1参照)。なお、プレス装置6では、ローラ部材6a,6bが加熱手段を兼ねている。
なお、プレス装置6としては、例えば、ローラ部材6a,6bのロール幅(図7に示すローラ部材6a,6bのy方向寸法)が500mm、最高荷重が45ton/cm、送り速度1m/分間の装置を使用できる。表1は、かかるプレス装置6を用いた加工前後の樹脂織布厚さなどを表す図表である。
表1において、「温度」とは、押圧対象の樹脂織布4の加熱温度であり、「線圧力」とは、ロール幅のy方向の単位長さあたりの荷重である。「回数」とは、当該プレス装置6を用いて樹脂織布4を押圧した回数であり、測定点(1),(2),(3)は、互いに異なる測定箇所とした。「加工前厚さ」とは、プレス装置6で押圧する前の樹脂織布4の厚みであり、測定点(1)〜(3)における樹脂織布4の厚みがそれぞれ計測される。「加工後厚さ」とは、プレス装置6で押圧された後の樹脂織布4の厚みであり、測定点(1)〜(3)における樹脂織布4の厚みがそれぞれ計測される。「圧縮厚さ」とは、各測定点における「加工前厚さ」から「加工後厚さ」を減じた厚さである。たとえば樹脂織布4の測定点(1)の加工前厚さ92μmに対し、樹脂織布4の温度を常温としプレス装置6の線圧力を500kg/cmに調整したうえで該樹脂織布4を1回押圧したとき、その樹脂織布4の測定点(1)の加工後厚さが71μmとなった。前記加工前厚さ92μmから加工後厚さ71μmを減じた「21μm」が圧縮厚さとして求められる。「平均」とは、測定点(1),(2),(3)における圧縮厚さの平均値である。
この表1の結果から、加熱温度は、100℃〜200℃とすることが好ましいことが分かる。また線圧については、800kg/cm〜1000kg/cmが好ましいことが分かる。
樹脂織布4を押圧した後は、樹脂織布4を樹脂材料で被覆する工程に移行する。この工程においては、まず、樹脂部5を構成する樹脂材料を準備し、これに予めシランカップリング処理を行った球状シリカ粉末と溶剤を混合することでワニスを作製する。そして、作製したワニスを前記織布に含浸させ、樹脂シート(プリプレグ)を作製する。
続いて、得られた樹脂シートを複数積層して、その表裏に銅箔を重ねることで樹脂積層体1Aを形成し、これをプレス装置6を用いて基板厚み方向に加熱プレスを行い、両面銅張り基板1を作製する。
両面銅張り基板1を作製後、レーザー装置またはドリルなどの工具で貫通孔を加工し、貫通孔内に無電解めっき及び電気めっきを行ってスルーホール導体を形成する。さらに、フォトリソグラフィー及びエッチングを用いて銅箔を所定パターンに加工することにより、配線基板が完成する。
この後、得られた配線基板上に配線層13を形成してもよい。配線層13をビルドアップ法のうち、セミアディティブ法により作製する場合について説明する。まず前記基板に絶縁層13となるエポキシ系絶縁材料を塗布し、レーザー加工によりビア導体用の孔を形成する。続いて基板の全面に無電解めっきを行い、無電解めっき層の表面に感光性レジストを塗布する。次に、露光と現像を行い、無電解めっき層に通電して、電気めっきによって回路パターンを形成する。その後、レジストを剥離して、無電解銅めっきの層をエッチングで除去することにより、回路層15を形成する。この工程を所定の回数だけ繰り返すことにより、片面当たり配線層13が3層形成された図9に示す配線基板を作製することができる。
ビルドアップ加工した場合の基板厚さは、たとえば400μm以上500μm以下である。また、回路層15の厚さは、たとえば10μm以上12μm以下であり、回路層15の材料として用いた銅の線膨張係数はたとえば16ppm/℃である。また、絶縁層14の厚さはたとえば20μmである。
多層基板厚さは、たとえば400μm以上500μm以下であり、配線層の厚さは、たとえば5μm以上18μm以下である。また配線層の線膨張係数は、配線層として銅を用いる場合、16ppm/℃となる。この場合、絶縁樹脂の熱膨張係数は、たとえば20ppm/℃以上40ppm/℃以下が好ましい。
以上説明した配線基板1によれば、複数の単繊維4aを、xおよびy方向に配列し、互いに交差させて成る樹脂織布4を樹脂材料から成る樹脂部5で被覆している。単繊維4aは、単繊維4aの交差領域7が非交差領域よりも横長の扁平形状である。すなわち、単繊維4aは、x方向またはy方向の幅が、前記単繊維4aが交差していない非交差領域よりも前記単繊維4aが交差する交差領域7の方で広く設定されている。また、単繊維4aは
、y方向の厚みが、前記単繊維4aが交差していない非交差領域よりも前記単繊維4aが交差する交差領域7の方で小さく設定されている。それ故、次のような効果を奏する。
単繊維4aの波形状のうねりが小さくなり、該樹脂織布4が単繊維4aの長手方向に延びようとすることを極力防止することができる。その結果、樹脂部5がx方向またはy方向に膨張しようとすることを樹脂織布4によって良好に抑制することができる。
また、xおよびy方向に延在する単繊維4a同士の接触面積が従来技術のものより大きくなり、単繊維4a同士の摩擦抵抗が大きくなり、単繊維4aのx方向またはy方向への位置ずれを極力防止することができるうえ、基板全体に対する繊維束の均一化を図ることができる。
樹脂織布4を、ワニスに含浸させる前にプレス装置6で押圧することで、樹脂織布4のうねりが従来技術のものより小さくなるので、樹脂部5の厚みを薄くしても樹脂織布4を樹脂部5から露出させず、樹脂織布4を樹脂部5内に収容することが可能となる。したがって、樹脂織布4が配線導体と接触して配線導体が剥がれ易くなることを未然に防止することができる。
また、樹脂部5の層を極力薄くすることができるので、基板全体に対する樹脂織布4の割合を極力大きくすることができる。したがって、配線基板全体の低熱膨張化を図ることができるうえ、配線基板の剛性強度を高めることが可能となる。
樹脂織布4は、単繊維4の交差領域7が前述したような扁平形状であるので、基板にドリルでもってスルーホールを形成する際、ドリルの刃先の位置ずれ(いわゆる刃先の逃げ)を防止することが可能となり、生産性を向上させることができる。また、樹脂織布4は、単繊維4aのうねり値が従来技術よりも小さいため、ばね効果を小さく緩和することができ、低熱膨張係数の繊維を用いる効果を大きく生かすことができる。
本発明は、上述の実施形態に特に限定されるものではなく、種々の変更・改良が可能である。
例えば、本発明の実施の他の形態として、加熱手段の付加されていないプレス装置を用いる場合もある。樹脂積層体を加熱炉で予め定める温度まで加熱しておき、加熱手段の付加されていないプレス装置でこの樹脂積層体に圧力を付加してもよい。上型と下型とを含む金型を用いて樹脂積層体を基板厚み方向に押圧してもよい。この場合には、加工後の基板の厚み方向の寸法精度を、ロール状のプレス装置を用いる場合より高めることが可能となる。
本実施形態では、配線基板の製造方法において、樹脂シートを所定枚数重ねたうえでプレスしているが、たとえば単一の樹脂シート毎にプレスした後、複数枚の樹脂シートを重ねたうえで再度、プレスしても良い。この場合には、配線基板における各層の単繊維のうねり値を最適値である「1.02」以上「1.10」以下に容易にすることができる。
本実施形態においては、繊維束をxおよびy方向の二方向に配列しているが、この配列方向は二方向だけに限定されるものではない。たとえば繊維束を三方向以上に配列して相互に編み込んで形成する場合もあり得る。この場合には、配線基板の剛性強度を、二方向に配列しているものに比べて高めることができる。また二方向に配列される繊維束は、z方向に対しては垂直に規定されるものの、垂直に交差しない場合もある。
本実施形態においては、複数の単繊維4aによって繊維束を構成するようにしたが、必ずしも、繊維束を構成する必要はなく、単繊維4aをx方向及びy方向に配列して織布を構成するようにしても構わない。
本発明の実施形態に係る配線基板1の断面図である。 本発明の実施形態に係る配線基板1の断面図(図4の切断面線II−IIから見た断面図)であり、図2(a)は要部の断面図、図2(b)は要部を拡大して示す断面図である。 本発明の実施形態に係る配線基板1の断面図(図4の切断面線III−IIIから見た断面図)であり、図3(a)は要部の断面図、図3(b)は要部を拡大して示す断面図である。 二方向に編み込んで成る樹脂織布4の交差領域7などを表す平面図である。 単繊維同士が交差している様子を模式的に示す部分平面図である。 図5に示す単繊維4a同士の交差部分の断面図である。 プレス装置6で樹脂織布4または樹脂シートをプレス成形する状態を表す図である。 配線基板1の製造方法を表すフローチャートである。 本発明の実施形態の変形例を示す図である。
符号の説明
1 配線基板
4 樹脂織布
4a 単繊維
5 樹脂部

Claims (8)

  1. 樹脂からなる複数の単繊維を、第1方向及び該第1方向と異なる第2方向にそれぞれ配列し、前記複数の単繊維を互いに交差させて成る織布と、
    前記織布を被覆する樹脂部と、を有する基板と、
    前記基板に形成される配線導体と、を備え、
    前記単繊維は、前記基板の厚み方向に対して垂直な方向の幅が、前記単繊維が交差していない非交差領域よりも前記単繊維が交差する交差領域の方で広く設定されており、
    前記基板の厚み方向から視て、前記交差領域における前記単繊維の外周は円弧状であることを特徴とする配線基板。
  2. 樹脂からなる複数の単繊維を、第1方向及び該第1方向と異なる第2方向にそれぞれ配列し、前記複数の単繊維を互いに交差させて成る織布と、
    前記織布を被覆する樹脂部と、を有する基板と、
    前記基板に形成される配線導体と、を備え、
    前記単繊維は、前記基板の厚み方向に平行な方向の厚みが、前記単繊維が交差していない非交差領域よりも前記単繊維が交差する交差領域の方で小さく設定されており、
    前記基板の厚み方向から視て、前記交差領域における前記単繊維の外周は円弧状であるいることを特徴とする配線基板。
  3. 前記基板に対する前記織布の体積比率は、45%以上70%以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の配線基板。
  4. 前記織布全体が前記樹脂部内に収容されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の配線基板。
  5. 前記単繊維の長手方向の線膨張係数(25℃以上200℃以下)は−10ppm/℃以上5ppm/℃以下で、かつ前記樹脂部の線膨張係数(25℃以上200℃以下)は10ppm/℃以上60ppm/℃ 以下であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか
    に記載の配線基板。
  6. 前記単繊維が、全芳香族ポリエステル、全芳香族ポリアミド、ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾールのいずれかよりなる有機繊維であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の配線基板。
  7. 前記基板の少なくとも一方主面側に、絶縁層と回路層とを交互に積層してなる配線層が形成されていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の配線基板。
  8. 請求項1乃至9のいずれかに記載の配線基板と、
    前記配線基板にフリップチップ実装された半導体素子と、を備える実装構造体。
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