JP5128352B2 - 電気接続箱の取り付け構造設計システム、取り付け構造設計方法、プログラム及び取り付け構造 - Google Patents

電気接続箱の取り付け構造設計システム、取り付け構造設計方法、プログラム及び取り付け構造 Download PDF

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Description

本発明は、電気接続箱の取り付け構造設計システム、取り付け構造設計方法、プログラム及び取り付け構造に関する。特に、電気接続箱の取り付け制約条件に基づいて、外部振動に対する電気接続箱の共振を最も抑制するワイヤーハーネス引き出し部分の取り付け位置もしくは取り付け角度、または、ワイヤーハーネスの剛性値変更を施したワイヤーハーネス複合体の構成を探索または選定して、得られた条件に基づいてワイヤーハーネス複合体を電気接続箱に取り付けることにより、電気接続箱の共振によるブラケット、リレー等の部品の破壊を防止することが可能な電気接続箱の取り付け構造設計システム、取り付け構造設計方法、プログラム及び取り付け構造に関する。
電子部品を内蔵した筐体を有した構造物である電気接続箱は、内蔵する電子部品を保護する必要があると共に、電気接続箱およびそれを外部に固定するブラケット自身についても、過酷な使用条件の下で長時間に亘り耐久性を維持する必要がある。例えば、自動車において、エンジン始動時や走行時に発生する振動に対して、電気接続箱筐体やブラケット等の疲労耐久性を確保した設計が必要である。
また、電気接続箱に内蔵した電子部品と外部とを接続する電線を束ねたワイヤーハーネスは、ワイヤーハーネス自身の異常な振動を防止し、振動に基づく異音や損傷の発生を防止する工夫が提案されている(例えば、特許文献1を参照)。
特開平9−37437号公報
従来からの課題として、電気接続箱が自動車の実走行時に受ける振動の周波数範囲内で共振してしまった場合、例えば、車体に固定しているブラケットが破損してしまったり、搭載部品が破損してしまったりという問題があった。また、設計試作段階において、耐久試験に合格しない場合は、再度設計試作を行わなければならなかった。この為、設計に時間とコストがかかってしまうという問題があった。
また、量産販売後、予想に反して電気接続箱の共振が起こり、ブラケット、リレー等の部品が破壊され、不具合対応を実施しなければならないことがあった。
本発明は、以上のような問題点を解決するためになされたもので、電気接続箱の取り付け制約条件に基づいて、外部振動に対する電気接続箱の共振を最も抑制するワイヤーハーネス引き出し部分の取り付け位置もしくは取り付け角度、または、ワイヤーハーネス複合体の構成を探索または選定して、得られた条件に基づいてワイヤーハーネス複合体を電気接続箱に取り付けることにより、電気接続箱の共振によるブラケット、リレー等の部品の破壊を防止することが可能な電気接続箱の取り付け構造設計システム、取り付け構造設計方法、プログラム及び取り付け構造を提供することを目的とする。
上述した従来の問題点を解決すべく下記の発明を提供する。
本発明の第1の態様にかかる電気接続箱の取り付け構造設計システムは、少なくとも一箇所を外部筐体に固定する固定部分と、複数の電線束からなるワイヤーハーネスが引き出されたワイヤーハーネス取り出し部分とを有する電気接続箱を、前記外部筐体内に取り付けるための電気接続箱の取り付け構造設計システムであって、
前記ワイヤーハーネスを前記電気接続箱に取り付けたときに、前記電気接続箱を前記外部筐体内に取り付けるための取り付け制約条件に基づいた前記電気接続箱上の所定の位置範囲の中で、外部振動に対する前記電気接続箱の共振を最も抑制する前記ワイヤーハーネス取り出し部分の取り付け位置を探索する取り付け位置探索手段と、
前記ワイヤーハーネスを前記電気接続箱に取り付けたときに、前記取り付け制約条件に基づいた前記電気接続箱上の所定の取り付け位置において、外部振動に対する前記電気接続箱の共振を最も抑制する前記ワイヤーハーネス取り出し部分の取り付け角度を探索する取り付け角度探索手段と、
前記ワイヤーハーネスを前記電気接続箱に取り付けたときに、前記取り付け制約条件に基づいて、外部振動に対する前記電気接続箱の共振を最も抑制する前記ワイヤーハーネスの剛性値変更を施したワイヤーハーネス複合体の構成を選定するワイヤーハーネス複合体選定手段と、
前記取り付け制約条件に基づいて、前記取り付け位置探索手段、前記取り付け角度探索手段、及び前記ワイヤーハーネス複合体選定手段の中の少なくとも1つの手段を選択し、実行させる選択・実行手段と、
を備え、
前記取り付け位置探索手段は、
前記ワイヤーハーネスがない状態の前記電気接続箱の外部振動に対する共振周波数f を算出する基準周波数解析手段と、
前記電気接続箱上の所定の位置範囲内の種々の位置Piに前記ワイヤーハーネスを取り付けた場合の、前記電気接続箱と前記ワイヤーハーネスからなる複合系が外部振動に対して示す共振周波数f(i)を算出する周波数解析手段と、
前記周波数解析手段より算出した共振周波数f(i)と前記基準周波数解析手段より算出した共振周波数f との差分Δf(i)を計算した結果の中で最も大きい差分値となる位置Pmを種々の前記位置Piの中から抽出し、抽出した前記位置Pmまたは前記位置Pmの近傍を前記ワイヤーハーネス取り出し部分の取り付け位置に決定する取り付け位置決定手段と、
を備え、
前記選択・実行手段によって選択されて実行された、前記取り付け位置探索手段、前記取り付け角度探索手段、及び前記ワイヤーハーネス複合体選定手段の中の少なくとも1つの手段による探索結果または選定結果、及び、前記取り付け制約条件に基づいて、前記ワイヤーハーネス取り出し部分の取り付け位置もしくは取り付け角度、または前記ワイヤーハーネス複合体の構成を決定することを特徴とする。
決定したワイヤーハーネス取り出し部分の取り付け位置もしくは取り付け角度、またはワイヤーハーネス複合体の構成に基づいて、ワイヤーハーネス複合体を電気接続箱に取り付けることにより、外部振動に対する電気接続箱の共振を抑制することができる。
ここで、外部振動に対する電気接続箱の共振を抑制することとは、電気接続箱の共振周波数を高周波側に移動させること、又は、電気接続箱が共振により生ずる変位(もしくは振幅)を小さくすることである。また、基準となるワイヤーハーネスに補強を施して、即ち、剛性値が大きくなるようにした(例えば、ハーネステープを巻付けたり、ワイヤーハーネスの断面積を大きくしたり、ワイヤーハーネスを支える支持線を沿えたり、等)、補強が施された状態のワイヤーハーネスをワイヤーハーネス複合体と呼び、施された補強の構成をワイヤーハーネス複合体の構成と呼ぶ。但し、何も補強が施されていない場合の構成も、ワイヤーハーネス複合体の構成の1つとする。
したがって、ワイヤーハーネス複合体を電気接続箱に取り付けて、電気接続箱の共振周波数を高周波側に移動させること、又は、共振により生ずる変位(もしくは振幅)を小さくすることにより、車体に固定されているブラケットへの負荷を低減するとともに、電気接続箱の寿命を延ばすことができる。なお、共振により生ずる変位は、共振加速度と一定の関係があるため、共振加速度を小さくすることも有効である。
共振により生ずる変位(または振幅)を小さくする方法としては、できるだけ減衰を大きくすることが効果的である。減衰が大きくなるようなワイヤーハーネスの取り付け位置・角度・配置等を決定することは本発明を構成する重要な一部分となり、共振周波数を移動させることと同時または独立に効果を奏する。
また、電気接続箱を設計する際に、ワイヤーハーネスを構造体の一部としても考えられることで、設計の幅が広がり、設計時間を短縮させることができる。また、実車搭載後に、予想以上に電気接続箱が共振してしまい、ブラケット等の破損や、不具合が起きてしまった場合においても、状況により、電気接続箱の設計変更を行わずにワイヤーハーネスへの補強、固定位置の変更で対処することができる。
また、上述の発明は、ワイヤーハーネスを電気接続箱の取り付けた状態で、外部振動に対する電気接続箱とワイヤーハーネス複合体からなる複合系の共振周波数を最も高周波側に移動させるような位置を探索・決定し、決定した位置にワイヤーハーネスを取り付けることにより、電気接続箱の共振を抑制する。
これにより、電気接続箱の取り付け制約条件に基づいて、外部振動に対する電気接続箱とワイヤーハーネス複合体からなる複合系の共振周波数を最も高周波側に移動させるようなワイヤーハーネス取り出し部分の取り付け位置を決定することができる。したがって、ワイヤーハーネスを電気接続箱に取り付けて、電気接続箱とワイヤーハーネス複合体からなる複合系の共振周波数を高周波側に移動させることにより、車体に固定されているブラケットへの負荷を低減するとともに、電気接続箱の寿命を延ばすことができる。
本発明の第の態様にかかる電気接続箱の取り付け構造設計システムは、本発明の第1の態様にかかる電気接続箱の取り付け構造設計システムの前記取り付け位置探索手段が、前記電気接続箱上の所定の位置範囲内の種々の位置Piに前記ワイヤーハーネスを取り付けた場合の、前記電気接続箱と前記ワイヤーハーネスからなる複合系が共振周波数fの外部振動に対して生ずる変位u(i)を算出する変位解析手段と、前記変位解析手段により算出した変位u(i)の結果の中で最も小さい変位値となる位置Pmを種々の前記位置Piの中から抽出し、抽出した前記位置Pmまたは前記位置Pmの近傍を前記ワイヤーハーネス取り出し部分の取り付け位置に決定する取り付け位置決定手段と、を備えていることを特徴とする。
上述の発明は、ワイヤーハーネスがない状態で、外部振動に対する電気接続箱の共振による変位が最も小さい位置を探索・決定し、決定した位置にワイヤーハーネスを取り付けることにより、電気接続箱の共振を抑制する。
これにより、電気接続箱の取り付け制約条件に基づいて、外部振動に対する電気接続箱が共振により生ずる変位を最も小さくさせるようなワイヤーハーネス取り出し部分の取り付け位置を探索し、決定することができる。したがって、ワイヤーハーネスを電気接続箱に取り付けて、電気接続箱が共振により生ずる変位を小さくすることにより、車体に固定されているブラケットへの負荷を低減するとともに、電気接続箱の寿命を延ばすことができる。
本発明の第の態様にかかる電気接続箱の取り付け構造設計システムは、本発明の第1の態様にかかる電気接続箱の取り付け構造設計システムの前記取り付け角度探索手段が、前記ワイヤーハーネスがない状態の前記電気接続箱の外部振動に対する共振周波数fを算出する基準周波数解析手段と、前記電気接続箱上の所定の位置Pに前記ワイヤーハーネスを種々の角度θiで取り付けた場合における、前記電気接続箱と前記ワイヤーハーネスからなる複合系が外部振動に対して示す共振周波数f(i)を算出する周波数解析手段と、前記周波数解析手段より算出した共振周波数f(i)と前記基準周波数解析手段より算出した共振周波数fとの差分Δf(i)を計算した結果の中で最も大きい差分値となる角度θmを種々の前記角度θiの中から抽出し、抽出した前記角度θmまたは前記角度θmの近傍を前記ワイヤーハーネス取り出し部分の取り付け角度に決定する取り付け角度決定手段と、を備えていることを特徴とする。
上述の発明は、ワイヤーハーネスを電気接続箱の取り付けた状態で、外部振動に対する電気接続箱とワイヤーハーネスからなる複合系の共振周波数を最も高周波側に移動させるような角度を探索・決定し、決定した角度にワイヤーハーネスを取り付けることにより、電気接続箱の共振を抑制する。
これにより、電気接続箱の取り付け制約条件に基づいて、外部振動に対する電気接続箱とワイヤーハーネスからなる複合系の共振周波数を最も高周波側に移動させるようなワイヤーハーネス取り出し部分の取り付け角度を決定することができる。したがって、ワイヤーハーネスを電気接続箱に取り付けて、電気接続箱とワイヤーハーネスからなる複合系の共振周波数を高周波側に移動させることにより、車体に固定されているブラケットへの負荷を低減するとともに、電気接続箱の寿命を延ばすことができる。
本発明の第の態様にかかる電気接続箱の取り付け構造設計システムは、本発明の第1の態様にかかる電気接続箱の取り付け構造設計システムの前記取り付け角度探索手段が、前記電気接続箱上の所定の位置Pに前記ワイヤーハーネスを種々の角度θiで取り付けた場合における、前記電気接続箱と前記ワイヤーハーネスからなる複合系の共振周波数fでの外部振動に対して前記電気接続箱が生ずる変位u(i)を算出する変位解析手段と、前記変位解析手段により算出した変位u(i)の結果の中で最も小さい変位値となる角度θmを種々の前記角度θiの中から抽出し、抽出した前記角度θmまたは前記角度θmの近傍を前記ワイヤーハーネス取り出し部分の取り付け角度に決定する取り付け角度決定手段と、を備えていることを特徴とする。
上述の発明は、ワイヤーハーネスを取り付けた状態で、外部振動に対して電気接続箱が共振により生ずる変位が最も小さくなる角度を探索・決定し、決定した角度にワイヤーハーネスを取り付けることにより、電気接続箱の共振を抑制する。
これにより、電気接続箱の取り付け制約条件に基づいて、外部振動に対して電気接続箱が共振により生ずる変位を最も小さくさせるようなワイヤーハーネス取り出し部分の取り付け角度を探索・決定することができる。したがって、ワイヤーハーネスを電気接続箱に取り付けて、電気接続箱が共振により生ずる変位を小さくすることにより、車体に固定されているブラケットへの負荷を低減するとともに、電気接続箱の寿命を延ばすことができる。
本発明の第の態様にかかる電気接続箱の取り付け構造設計システムは、本発明の第1の態様にかかる電気接続箱の取り付け構造設計システムの前記ワイヤーハーネス複合体選定手段が、前記電気接続箱と前記ワイヤーハーネス複合体からなる複合系の実効的剛性値Gと当該複合系の共振周波数fとの関係を求め、さらに、当該複合系の目標とする共振周波数fに対応する前記ワイヤーハーネス複合体の剛性値Gを算出する剛性値算出手段と、前記剛性値算出手段により算出した前記ワイヤーハーネス複合体の剛性値G以上の剛性値が得られる前記ワイヤーハーネス複合体の構成を、前記取り付け制約条件に基づいて選定する構成条件選定手段と、を備えていることを特徴とする。
これにより、目標とする共振周波数以上となるようなワイヤーハーネス複合体の剛性値を選定することができる。したがって、電気接続箱を設計する際に、ワイヤーハーネスを構造体の一部としても考えられることで、設計の幅が広がり、設計時間を短縮させることができる。また、実車搭載後に、予想以上に電気接続箱が共振してしまい、ブラケット等の破損や、不具合が起きてしまった場合においても、状況により、電気接続箱の設計変更を行わずにワイヤーハーネスへの補強、固定位置の変更で対処することができる。
本発明の第の態様にかかる電気接続箱の取り付け構造設計システムは、本発明の第の態様にかかる電気接続箱の取り付け構造設計システムにおいて、前記ワイヤーハーネス複合体の構成は、前記ワイヤーハーネスと、前記ワイヤーハーネスに沿って設けられ、少なくとも2箇所において前記ワイヤーハーネスと結束または結合された剛性体からなる支持線と、を有し、前記構成条件選定手段は、前記剛性値算出手段により算出した前記ワイヤーハーネス複合体の剛性値G以上の剛性値が得られるように、前記支持線の寸法及び材料、並びに結束箇所数または結合箇所数を調整することを特徴とする。
これにより、電気接続箱を設計する際に、ワイヤーハーネスを構造体の一部としても考えられることで、設計の幅が広がり、設計時間を短縮させることができる。また、実車搭載後に、予想以上に電気接続箱が共振してしまい、ブラケット等の破損や、不具合が起きてしまった場合においても、状況により、電気接続箱の設計変更を行わずにワイヤーハーネスへの補強、固定位置の変更で対処することができる。
本発明の第の態様にかかる電気接続箱の取り付け構造設計システムは、本発明の第の態様にかかる電気接続箱の取り付け構造設計システムにおいて、前記ワイヤーハーネス複合体の構成は、前記ワイヤーハーネスと、前記ワイヤーハーネスに巻くハーネステープと、を有し、前記構成条件選定手段は、前記ハーネステープの前記ワイヤーハーネスに対する巻き方を、前記ハーネステープのテープ間距離及びテープ幅に基づいて調整することを特徴とする。
これにより、電気接続箱を設計する際に、ワイヤーハーネスを構造体の一部としても考えられることで、設計の幅が広がり、設計時間を短縮させることができる。また、実車搭載後に、予想以上に電気接続箱が共振してしまい、ブラケット等の破損や、不具合が起きてしまった場合においても、状況により、電気接続箱の設計変更を行わずにワイヤーハーネスへの補強、固定位置の変更で対処することができる。
本発明の第の態様にかかる電気接続箱の取り付け構造設計システムは、本発明の第5から7のいずれか1つの態様にかかる電気接続箱の取り付け構造設計システムの前記剛性値算出手段が、前記複合系の共振周波数をfとし、前記複合系の実効的剛性値をGとし、前記複合系の実効的密度をρとし、定数項をCとしたとき、
を基本式として、前記複合系の実効的剛性値Gと前記ワイヤーハーネス複合体の剛性値Gとの相関関係に基づいて、目標とする前記ワイヤーハーネス複合体の剛性値Gを算出することを特徴とする。
これにより、目標とする共振周波数以上となるようなワイヤーハーネスの剛性値を探索することができる。したがって、電気接続箱を設計する際に、ワイヤーハーネスを構造体の一部としても考えられることで、設計の幅が広がり、設計時間を短縮させることができる。
本発明の第1の態様にかかる電気接続箱の取り付け構造設計方法は、コンピュータを使用して、少なくとも一箇所を外部筐体に固定する固定部分と、複数の電線束からなるワイヤーハーネスが引き出されたワイヤーハーネス取り出し部分とを有する電気接続箱を、前記外部筐体内に取り付けるための電気接続箱の取り付け構造設計方法であって、
前記コンピュータが、
(a1)取り付け条件記憶部より取得した前記外部筐体内に取り付けるための前記電気接続箱の取り付け制約条件に基づいて、(b1)前記ワイヤーハーネスを前記電気接続箱に取り付けたときに、前記取り付け制約条件に基づいた前記電気接続箱上の所定の位置範囲の中で、外部振動に対する前記電気接続箱の共振を最も抑制する前記ワイヤーハーネス取り出し部分の取り付け位置を探索する工程と、(b2)前記ワイヤーハーネスを前記電気接続箱に取り付けたときに、前記取り付け制約条件に基づいた前記電気接続箱上の所定の取り付け位置において、外部振動に対する前記電気接続箱の共振を最も抑制する前記ワイヤーハーネス取り出し部分の取り付け角度を探索する工程と、(b3)前記ワイヤーハーネスを前記電気接続箱に取り付けたときに、前記取り付け制約条件に基づいて、外部振動に対する前記電気接続箱の共振を最も抑制する前記ワイヤーハーネスの剛性値変更を施したワイヤーハーネス複合体の構成を選定する工程、の中からの少なくとも1つの工程を選択するステップと、
(a2)前記工程(b1)、前記工程(b2)及び前記工程(b3)の中の、前記ステップ(a1)によって選択された全ての工程を、前記取り付け制約条件に基づいて決定される実行順番に従って実行させるステップと、
(a3)前記ステップ(a2)によって実行された結果と前記取り付け制約条件とに基づいて、前記ワイヤーハーネス取り出し部分の取り付け位置もしくは取り付け角度、または前記ワイヤーハーネス複合体の構成を決定するステップと、
を備え
前記工程(b1)は、
(c1)前記ワイヤーハーネスがない状態の前記電気接続箱の外部振動に対する共振周波数f を算出する工程と、
(c2)前記電気接続箱上の所定の位置範囲内の種々の位置Piに前記ワイヤーハーネスを取り付けた場合の、前記電気接続箱と前記ワイヤーハーネスからなる複合系が外部振動に対して示す共振周波数f(i)を算出する工程と、
(c3)前記工程(c2)より算出した共振周波数f(i)と前記工程(c1)より算出した共振周波数f との差分Δf(i)を計算した結果の中で最も大きい差分値となる位置Pmを種々の前記位置Piの中から抽出し、抽出した前記位置Pmまたは前記位置Pmの近傍を前記ワイヤーハーネス取り出し部分の取り付け位置に決定する工程と、
を備えていることを特徴とする。
これにより、上述した本発明の第1の態様にかかる電気接続箱の取り付け構造設計システムと同等の効果が得られる。
本発明の第の態様にかかる電気接続箱の取り付け構造設計方法は、本発明の第1の態様にかかる電気接続箱の取り付け構造設計方法の前記工程(b1)が、(d1)前記電気接続箱上の所定の位置範囲内の種々の位置Piに前記ワイヤーハーネスを取り付けた場合の、前記電気接続箱と前記ワイヤーハーネスからなる複合系の共振周波数fでの外部振動に対して生ずる変位u(i)を算出する工程と、(d2)前記工程(d1)により算出した変位u(i)の結果の中で最も小さい変位値となる位置Pmを種々の前記位置Piの中から抽出し、抽出した前記位置Pmまたは前記位置Pmの近傍を前記ワイヤーハーネス取り出し部分の取り付け位置に決定する工程と、を備えていることを特徴とする。
これにより、上述した本発明の第の態様にかかる電気接続箱の取り付け構造設計システムと同等の効果が得られる。
本発明の第の態様にかかる電気接続箱の取り付け構造設計方法は、本発明の第1の態様にかかる電気接続箱の取り付け構造設計方法の前記工程(b2)が、(e1)前記ワイヤーハーネスがない状態の前記電気接続箱の外部振動に対する共振周波数fを算出する工程と、(e2)前記電気接続箱上の所定の位置Pに前記ワイヤーハーネスを種々の角度θiで取り付けた場合における、前記電気接続箱と前記ワイヤーハーネスからなる複合系が外部振動に対して示す共振周波数f(i)を算出する工程と、(e3)前記工程(e2)より算出した共振周波数f(i)と前記工程(e1)より算出した共振周波数fとの差分Δf(i)を計算した結果の中で最も大きい差分値となる角度θmを種々の前記角度θiの中から抽出し、抽出した前記角度θmまたは前記角度θmの近傍を前記ワイヤーハーネス取り出し部分の取り付け角度に決定する工程と、を備えていることを特徴とする。
これにより、上述した本発明の第の態様にかかる電気接続箱の取り付け構造設計システムと同等の効果が得られる。
本発明の第の態様にかかる電気接続箱の取り付け構造設計方法は、本発明の第1の態様にかかる電気接続箱の取り付け構造設計方法の前記工程(b2)が、(f1)前記電気接続箱上の所定の位置Pに前記ワイヤーハーネスを種々の角度θiで取り付けた場合における、前記電気接続箱と前記ワイヤーハーネスからなる複合系の共振周波数fでの外部振動に対して前記電気接続箱が生ずる変位u(i)を算出する工程と、(f2)前記工程(f1)により算出した変位u(i)の結果の中で最も小さい変位値となる角度θmを種々の前記角度θiの中から抽出し、抽出した前記角度θmまたは前記角度θmの近傍を前記ワイヤーハーネス取り出し部分の取り付け角度に決定する工程と、を備えていることを特徴とする。
これにより、上述した本発明の第の態様にかかる電気接続箱の取り付け構造設計システムと同等の効果が得られる。
本発明の第の態様にかかる電気接続箱の取り付け構造設計方法は、本発明の第1の態様にかかる電気接続箱の取り付け構造設計方法の前記工程(b3)が、(g1)前記電気接続箱と前記ワイヤーハーネス複合体からなる複合系の実効的剛性値Gと当該複合系の共振周波数fとの関係を求め、さらに、当該複合系の目標とする共振周波数fに対応する前記ワイヤーハーネス複合体の剛性値Gを算出する工程と、(g2)前記工程(g1)により算出した前記ワイヤーハーネス複合体の剛性値G以上の剛性値が得られる前記ワイヤーハーネス複合体の構成を、前記取り付け制約条件に基づいて選定する工程と、を備えていることを特徴とする。
これにより、上述した本発明の第の態様にかかる電気接続箱の取り付け構造設計システムと同等の効果が得られる。
本発明の第の態様にかかる電気接続箱の取り付け構造設計方法は、本発明の第の態様にかかる電気接続箱の取り付け構造設計方法において、前記ワイヤーハーネス複合体の構成は、前記ワイヤーハーネスと、前記ワイヤーハーネスに沿って設けられ、少なくとも2箇所において前記ワイヤーハーネスと結束または結合された剛性体からなる支持線と、を有し、前記工程(g2)は、前記工程(g1)により算出した前記ワイヤーハーネス複合体の剛性値G以上の剛性値が得られるように、前記支持線の寸法及び材料、並びに結束箇所数または結合箇所数を調整することを特徴とする。
これにより、上述した本発明の第の態様にかかる電気接続箱の取り付け構造設計システムと同等の効果が得られる。
本発明の第の態様にかかる電気接続箱の取り付け構造設計方法は、本発明の第の態様にかかる電気接続箱の取り付け構造設計方法において、前記ワイヤーハーネス複合体の構成は、前記ワイヤーハーネスと、前記ワイヤーハーネスに巻くハーネステープと、を有し、前記工程(g2)は、前記ハーネステープの前記ワイヤーハーネスに対する巻き方を、前記ハーネステープのテープ間距離及びテープ幅に基づいて調整することを特徴とする。
これにより、上述した本発明の第の態様にかかる電気接続箱の取り付け構造設計システムと同等の効果が得られる。
本発明の第の態様にかかる電気接続箱の取り付け構造設計方法は、本発明の第5から7のいずれか1つの態様にかかる電気接続箱の取り付け構造設計方法の前記工程(g1)が、前記複合系の共振周波数をfとし、前記複合系の実効的剛性値をGとし、前記複合系の実効的密度をρとし、定数項をCとしたとき、
を基本式として、前記複合系の実効的剛性値Gと前記ワイヤーハーネス複合体の剛性値Gとの相関関係に基づいて、目標とする前記ワイヤーハーネス複合体の剛性値Gを算出することを特徴とする。
これにより、上述した本発明の第8の態様にかかる電気接続箱の取り付け構造設計システムと同等の効果が得られる。
本発明の第1の態様にかかるプログラムは、少なくとも一箇所を外部筐体に固定する固定部分と、複数の電線束からなるワイヤーハーネスが引き出されたワイヤーハーネス取り出し部分とを有する電気接続箱を、前記外部筐体内に取り付けるための電気接続箱の取り付け構設計の処理を、コンピュータに実行させるプログラムであって、上述した本発明の第1からのいずれか1つの態様にかかる電気接続箱の取り付け構造設計システムの各手段を実現させる処理を前記コンピュータに実行させることを特徴とする。
このような構成であれば、コンピュータによってプログラムが読み取られ、読み取られたプログラムによって、コンピュータが処理を実行すると、上述した本発明の第1からのいずれか1つの態様にかかる電気接続箱の取り付け構造設計システムと同等の効果が得られる。
本発明の第1の態様にかかる電気接続箱の取り付け構造は、少なくとも一箇所を外部筐体に固定する固定部分と、複数の電線束からなるワイヤーハーネスが引き出されたワイヤーハーネス取り出し部分とを有する電気接続箱を、前記外部筐体内に取り付けるための電気接続箱の取り付け構造であって、上述した本発明の第1からのいずれか1つの態様にかかる電気接続箱の取り付け構造設計システムによって決定された前記ワイヤーハーネス取り出し部分の取り付け位置もしくは取り付け角度、またはワイヤーハーネス複合体の構成に基づいて、前記ワイヤーハーネスを取り付けたことを特徴とする。
これにより、上述した本発明の第1からのいずれか1つの態様にかかる電気接続箱の取り付け構造設計システムと同等の効果が得られる。


本発明によれば、決定したワイヤーハーネス取り出し部分の取り付け位置もしくは取り付け角度、またはワイヤーハーネス複合体の構成に基づいて、ワイヤーハーネス複合体を電気接続箱に取り付けることにより、外部振動に対する電気接続箱の共振を抑制することができる。
したがって、ワイヤーハーネス複合体を電気接続箱に取り付けて、電気接続箱の共振周波数を高周波側に移動させること、又は、共振による変位もしくは共振加速度を小さくすることにより、車体に固定されているブラケットへの負荷を低減するとともに、電気接続箱の寿命を延ばすことができる。
また、電気接続箱を設計する際に、ワイヤーハーネスを構造体の一部としても考えられることで、設計の幅が広がり、設計時間を短縮させることができる。また、実車搭載後に、予想以上に電気接続箱が共振してしまい、ブラケット等の破損や、不具合が起きてしまった場合においても、状況により、電気接続箱の設計変更を行わずにワイヤーハーネスへの補強、固定位置の変更で対処することができる。
この発明の一実施形態を、図面を参照しながら説明する。なお、以下に説明する実施形態は説明のためのものであり、本発明の範囲を制限するものではない。従って、当業者であればこれらの各要素もしくは全要素をこれと均等なもので置換した実施形態を採用することが可能であるが、これらの実施形態も本発明の範囲に含まれる。
図1は、本発明を適用可能な電気接続箱の取り付け構造設計システム10のシステム構成の一例を示す図である。図2は、取り付け構造設計システム10の取り付け位置探索部11の詳細システム構成の一例を示す図である。図3は、取り付け構造設計システム10の取り付け角度探索部12の詳細システム構成の一例を示す図である。図4は、取り付け構造設計システム10におけるワイヤーハーネス複合体選定部13の詳細システム構成の一例を示す図である。
図5は、本発明を適用可能な電気接続箱を説明するための図である。図5(a)は、ワイヤーハーネスが取り付けられた電気接続箱の外観斜視図を示し、図5(b)は、ワイヤーハーネス取り出し部分の取り付け位置を説明するための図であり、図5(c)は、ワイヤーハーネス取り出し部分の取り付け角度を説明するための図であり、図5(d)は、ワイヤーハーネス複合体の構成を説明するための図である。
図6は、ワイヤーハーネスに巻くハーネステープの巻き方を説明するための図である。図6(a)は、テープ間距離dでハーネステープが重なっていない状態を示した図であり、図6(b)は、ハーネステープが重なっている状態を示した図である。
図5(a)に示すように、電気接続箱50は、電子部品等を内蔵する筐体53と、外部筐体(図示せず)に固定する固定部分(ブラケット)51と、複数の電線束からなるワイヤーハーネス61が引き出されたワイヤーハーネス取り出し部分52と、を有した構造物である。
図1に示す本発明を適用可能な電気接続箱50の取り付け構造設計システム10は、外部振動に対する電気接続箱50の共振を低減させるために、取り付け制約条件のもとで、最適なワイヤーハーネス取り出し部分52の取り付け位置もしくは取り付け角度、またはワイヤーハーネス複合体の構成を探索または選定するシステムである。
図1に示すように、取り付け構造設計システム10は、取り付け位置探索部11、取り付け角度探索部12、ワイヤーハーネス複合体選定部13、選択・実行部14、及び取り付け制約条件記憶部15を備えている。
まず、取り付け位置探索部11について、図1、図2及び図5(b)を参照して説明する。取り付け位置探索部11は、図5(b)に示すような取り付け制約条件記憶部15に記憶されているワイヤーハーネス61を取り付けることができる電気接続箱50上の位置範囲53aの中で、具体的には、位置範囲53aのn個の位置Pi(1≦i≦n)の中で、電気接続箱50の外部振動に対する共振を最も抑制する位置Pmをワイヤーハーネス取り出し部分52の取り付け位置Pとして抽出する。
ここで、電気接続箱50の外部振動に対する共振を最も抑制する位置Pmとは、電気接続箱50にワイヤーハーネス61を取り付けたときに、電気接続箱50の外部振動に対する共振周波数が最も高周波側となる位置またはその近傍、あるいは、電気接続箱50の外部振動に対する変位もしくは共振加速度が最も小さくなる位置またはその近傍のことである。
なお、共振により生ずる電気接続箱の変位と共振加速度との間には一定の関係があり、いずれか一方を求めれば他方を求めることができる。そのため、本明細書においては、変位を求める場合について記載することとする。なお、変位または共振加速度の代わりに振幅を求めてもよい。
また、ワイヤーハーネス61を取り付けることができる電気接続箱51上の位置範囲53aは、電気接続箱50や電気接続箱50に搭載する部品等の形状や配置等、また電気接続箱が搭載される空間(例えば自動車のエンジンルームなど)の条件等によって、予め決められる。
図2に示すように、取り付け位置探索部11は、周波数要因位置探索部21と変位要因位置探索部22と、を備えている。周波数要因位置探索部21は、ワイヤーハーネス61を取り付けることにより電気接続箱50とワイヤーハーネス61からなる複合系の外部振動に対する共振周波数が最も高周波側となる位置またはその近傍を抽出し決定する。また、変位要因位置探索部22は、ワイヤーハーネス61を取り付けた状態で電気接続箱50が外部振動に対して生ずる変位が最も小さくなる位置またはその近傍を抽出し決定する。
また、周波数要因位置探索部21及び変位要因位置探索部22の両方によってワイヤーハーネス取り出し部分52の取り付け位置を決めるのではなく、後述の選択・実行部14によって、周波数要因位置探索部21または変位要因位置探索部22のどちらか一方が選択され、選択された探索部によってワイヤーハーネス取り出し部分52の取り付け位置を決定する。傾向としては、周波数要因位置探索部21により決定した取り付け位置のほうが、変位要因位置探索部22により決定した取り付け位置よりも、電気接続箱50の外部振動に対する共振を抑える効果が大きい。
上述した周波数要因位置探索部21は、図2に示すように、基準周波数解析部23、周波数解析部24、及び取り付け位置決定部25を備えている。基準周波数解析部23は、ワイヤーハーネス61を取り付けていない状態の電気接続箱50の外部振動に対する共振周波数fを算出する。また、周波数解析部24は、電気接続箱50上の所定の位置範囲53a内の種々の位置Piにワイヤーハーネス61を取り付けた場合の、電気接続箱50とワイヤーハーネス61からなる複合系の外部振動に対する共振周波数f(i)を算出する。
また、取り付け位置決定部25は、周波数解析部24より算出した共振周波数f(i)と基準周波数解析部23より算出した共振周波数fとの差分Δf(i)を、電気接続箱50上の所定の位置範囲内の全ての位置Piに対して算出し、算出した結果の中から最も大きい差分Δf(m)、および、そのときの位置Pmを抽出し、位置Pmまたは位置Pmの近傍を最適な前記ワイヤーハーネス取り出し部分52の取り付け位置Pとする。
上述した変位要因位置探索部22は、図2に示すように、変位解析部26及び取り付け位置決定部27を備えている。変位解析部26は、電気接続箱50上の所定の位置範囲53a内の種々の位置Piにワイヤーハーネス61を取り付けた場合の、電気接続箱50とワイヤーハーネス61からなる複合系が外部振動に対して生ずる変数u(i)を算出する。
取り付け位置決定部27は、変位解析部26より算出した変数u(i)の結果の中から最も小さい変位u(m)、および、そのときの位置Pmを抽出し、位置Pmまたは位置Pmの近傍を最適な前記ワイヤーハーネス取り出し部分52の取り付け位置Pとする。
次に、取り付け角度探索部12について、図1、図3及び図5(c)を参照して説明する。取り付け角度探索部12は、図5(c)に示すように、取り付け制約条件記憶部15に記憶されているワイヤーハーネス61を取り付ける電気接続箱50上の位置Pで、n個の角度θi(1≦i≦n)の中で、電気接続箱50の外部振動に対する共振を最も抑制する角度θmをワイヤーハーネス取り出し部分52の取り付け角度θとして抽出し決定する。
なお、図5(c)では、ワイヤーハーネス取り出し部分52の取り付け角度をx−z平面内で探索する場合について示しているため、一つの変数θi(角度を基準線59からの角度)で表しているが、電気接続箱50を取り付ける周囲環境の条件によってはワイヤーハーネス取り出し部分52の取り付け角度をx−y−z空間内で探索することが好ましい場合もある。そのような場合には、角度を二つの変数で表すようにする。
図3に示すように、取り付け角度探索部12は、周波数要因角度探索部31と変位要因角度探索部32と、を備えている。周波数要因角度探索部31は、ワイヤーハーネス61を取り付けることにより電気接続箱50の外部振動に対する共振周波数が最も高周波側となる角度またはその近傍を抽出し決定する。また、変位要因角度探索部32は、ワイヤーハーネス61を取り付けた状態で電気接続箱50が外部振動に対して生ずる変位が最も小さくなる角度またはその近傍を抽出し決定する。
また、周波数要因角度探索部31及び変位要因角度探索部32の両方によってワイヤーハーネス取り出し部分52の取り付け角度を決めるのではなく、後述の選択・実行部14によって、周波数要因角度探索部31または変位要因角度探索部32のどちらか一方が選択され、選択された探索部によってワイヤーハーネス取り出し部分52の取り付け角度を決定する。
上述した周波数要因角度探索部31は、図3に示すように、基準周波数解析部33、周波数解析部34、及び取り付け角度決定部35を備えている。基準周波数解析部33は、ワイヤーハーネス61を取り付けていない状態の電気接続箱50の外部振動に対する共振周波数fを算出する。また、周波数解析部34は、取り付け位置Pに種々の角度θiでワイヤーハーネスを取り付けた場合における、電気接続箱50の外部振動に対する共振周波数f(i)を算出する。
また、取り付け角度決定部35は、周波数解析部34より算出した共振周波数f(i)と基準周波数解析部33より算出した共振周波数fとの差分Δf(i)を、全ての角度θiに対して算出し、算出した結果の中から最も大きい差分Δf(m)、および、そのときの角度θmを抽出し、角度θmまたは角度θmの近傍を最適な前記ワイヤーハーネス取り出し部分52の取り付け角度θとする。
上述した変位要因角度探索部32は、図3に示すように、変位解析部36及び取り付け角度決定部37を備えている。変位解析部36は、ワイヤーハーネス61を取り付け位置Pに種々の角度θiで取り付けた場合における、電気接続箱50の外部振動に対する変位u(i)を算出する。
取り付け角度決定部37は、変位解析部36より算出した変位u(i)の結果の中から最も小さい変位u(m)、および、そのときの角度θmを抽出し、角度θmまたは角度θmの近傍を最適な前記ワイヤーハーネス取り出し部分52の取り付け角度θとする。
次に、ワイヤーハーネス複合体選定部13について、図1、図4、図5(d)及び図6を参照して説明する。ワイヤーハーネス複合体選定部13は、取り付け制約条件記憶部15に記憶されている電気接続箱50の取り付け制約条件に基づいて、電気接続箱50とワイヤーハーネス複合体60からなる複合系が目標とする共振周波数以上となるような剛性値をもつワイヤーハーネス複合体60の構成を選定する。
ワイヤーハーネス61(又はワイヤーハーネス複合体60)の剛性値(弾性率:ヤング率)を大きくすればするほど、電気接続箱50の外部振動に対する共振周波数は、高周波側に変化する。表1は、ワイヤーハーネス61のヤング率と電気接続箱50の共振周波数をシミュレーションした結果である。
表1から判るように、ワイヤーハーネス61のヤング率を2倍にすると、1次モードの共振周波数は約20Hz高周波側へ移動し、ヤング率を10倍にすると、1次モードの共振周波数は約100Hz高周波側へ移動した。この結果より、電気接続箱50の共振を抑制するために、目標とする電気接続箱50の共振周波数以上となるような剛性値をもつワイヤーハーネス複合体60の構成を選定する。
図4に示すように、ワイヤーハーネス複合体選定部13は、剛性値算出部41及び構成条件選定部42を備えている。剛性値算出部41は、電気接続箱50とワイヤーハーネス複合体60からなる複合系の剛性値Gとこの複合系の共振周波数fとの関係を求め、さらに、この複合系の目標とする共振周波数fに対応するワイヤーハーネス複合体60の目標剛性値Gを算出する。例えば、複合系の目標剛性値をG´とし、ワイヤーハーネス複合体60の密度をρとし、定数項をCとしたとき、下記の関係式(1)を満足する複合系の目標剛性値G´を算出し、算出した複合系の目標剛性値G´からワイヤーハーネス複合体60の目標剛性値Gを算出する。
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また、例えば、計算機により電気接続箱50の筐体53及びワイヤーハーネス複合体60の固有値計算を実行し、その結果に基づいて、電気接続箱50とワイヤーハーネス複合体60からなる複合系が所定の共振周波数以上となるようなワイヤーハーネス複合体60の目標剛性値Gを決定する。
構成条件選定部42は、剛性値算出部41によって算出したワイヤーハーネス複合体60の目標剛性値G以上となるようなワイヤーハーネス複合体60の構成を、取り付け制約条件記憶部15に記憶されている電気接続箱50の取り付け制約条件に基づいて選定する。
例えば、図5(d)に示すように、ワイヤーハーネス複合体60の構成は、剛性体からなる支持線62をワイヤーハーネス61に沿って設け、少なくとも2箇所においてワイヤーハーネス61と支持線62とを結束または結合した構成である。即ち、支持線62のサイズや材料、並びに結束箇所数または結合箇所数を変更して、ワイヤーハーネス複合体60の剛性値を剛性値算出部41によって算出したワイヤーハーネス複合体60の目標剛性値G以上となるようにする。支持線62の材料としては、例えば、アルミ(アルミ合金を含む)、スチール、繊維強化プラスチック(FRP)等である。
また、例えば、ワイヤーハーネス複合体60の構成は、図6(a)及び(b)に示すように、ワイヤーハーネス61に巻くハーネステープ63の巻き方を、テープ間距離d及びテープ幅wに基づいた調整した構成である。例えば、19mmのテープ幅wのハーネステープ63をワイヤーハーネス61に巻きつけたとき、ハーネステープ63が重なっていない状態で、テープ間距離dが1/2になると、ワイヤーハーネス複合体60の曲げ弾性率は3〜4倍になる。また、ハーネステープ63が重なっている状態で、重なり部分の幅がテープ間距離dの1/10の幅で重なっていると、ワイヤーハーネス複合体60の曲げ弾性率は5〜6倍になる。
最後に、選択・実行部14について、図1を参照して説明する。図1に示すように、選択・実行部14は、取り付け制約条件記憶部15に記憶されている電気接続箱50の取り付け制約条件に基づいて、取り付け位置探索部11の周波数要因位置探索部21、取り付け位置探索部11の変位要因位置探索部22、取り付け角度探索部12の周波数要因角度探索部31、取り付け角度探索部12の変位要因角度探索部32、及びワイヤーハーネス複合体選定部13の中の少なくとも1つの処理部を選択し、実行させる。なお、取り付け位置探索部11の周波数要因位置探索部21と取り付け位置探索部11の変位要因位置探索部22はどちらか一方であり、ともに選択されることはない。また、取り付け角度探索部12の周波数要因角度探索部31と取り付け角度探索部12の変位要因角度探索部32はどちらか一方であり、ともに選択されることはない。
なお、これら処理部のどれが適切であるかは、電気接続箱の取り付け構造設計を行う者が、電気接続箱へのワイヤーハーネス取り付けの自由度等の条件に基づき適宜判断し、選択・実行部14に入力するものとする。
処理部の選択に際して、例えば、周波数要因位置探索部21で抽出・決定した取り付け位置にワイヤーハーネス61を取り付けるだけで、十分に共振周波数を高周波数側に移動できる場合は、周波数要因位置探索部21だけを実行する。また、取り付け位置及び取り付け角度に自由がない場合においては、ワイヤーハーネス複合体選定部13を実行して、目標とする共振周波数以上の剛性値となるワイヤーハーネス複合体60の構成を選定する。
上述したような取り付け構造設計システム10によって決定したワイヤーハーネス取り出し部分52の取り付け位置もしくは取り付け角度、またはワイヤーハーネス複合体60の構成に基づいて、ワイヤーハーネス61(又はワイヤーハーネス複合体60)を電気接続箱50に取り付けることにより、外部振動に対する電気接続箱の共振を抑制することができる。
したがって、ワイヤーハーネス61(又はワイヤーハーネス複合体60)を電気接続箱50に取り付けて、電気接続箱50とワイヤーハーネス複合体60からなる複合系の共振周波数を高周波側に移動させること、又は、共振により生ずる変位を小さくすることにより、車体に固定されているブラケット51への負荷を低減するとともに、電気接続箱50の寿命を延ばすことができる。
また、電気接続箱50を設計する際に、ワイヤーハーネス61(又はワイヤーハーネス複合体60)を構造体の一部としても考えられることで、設計の幅が広がり、設計時間を短縮させることができる。また、実車搭載後に、予想以上に電気接続箱が共振してしまい、ブラケット51等の破損や、不具合が起きてしまった場合においても、状況により、電気接続箱の設計変更を行わずにワイヤーハーネス61(又はワイヤーハーネス複合体60)への補強、固定位置の変更で対処することができる。
次に、本発明の電気接続箱50の取り付け構造設計方法の手順について、図5、図6および図7から図10を参照して説明する。本発明の電気接続箱50の取り付け構造設計方法は、外部振動に対する電気接続箱50の共振を低減させるために、取り付け制約条件のもとで、最適なワイヤーハーネス取り出し部分52の取り付け位置もしくは取り付け角度、またはワイヤーハーネス複合体の構成を検討し、決定するものである。
図7は、電気接続箱50の取り付け構造設計方法の手順の一例を示すフローチャート図である。図7に示すように、電気接続箱50の取り付け構造設計方法の手順は、まず、電気接続箱50を外部筐体内に取り付けるための取り付け制約条件に基づいて、取り付け位置探索工程、取り付け角度探索工程、ワイヤーハーネス複合体選定工程の中の少なくとも1つの工程を選択し、選択した工程の実行順番を決定する(S101)。ここで、予め実行順番が決められていても良い。
次に、ステップS101において選択した工程(S103,S104,S105)を決定した順番に基づいて実行し、選択した工程を全て実行したときに終了する(S102)。
取り付け位置探索工程(S103)は、取り付け制約条件下で、図5(b)に示すワイヤーハーネス61を取り付けることができる電気接続箱50上の位置範囲53aの中で、具体的には、位置範囲53aのn個の位置Pi(1≦i≦n)の中で、電気接続箱50の外部振動に対する共振を最も抑制する位置Pmを探索し、ワイヤーハーネス取り出し部分52の取り付け位置Pとして導出・決定する処理工程である。
また、取り付け角度探索工程(S104)は、取り付け制約条件下で、図5(c)に示す電気接続箱50上の所定の位置Pに、n個の角度θi(1≦i≦n)でワイヤーハーネス61を取り付けた場合の中で、電気接続箱50の外部振動に対する共振を最も抑制する角度θmを導出し、ワイヤーハーネス取り出し部分52の取り付け角度θとして決定する処理工程である。
また、ワイヤーハーネス複合体選定工程(S105)は、取り付け制約条件に基づいて、図5(d)及び図6に示すような、電気接続箱50とワイヤーハーネス複合体60からなる複合系が目標とする共振周波数以上となるような剛性値をもつワイヤーハーネス複合体60の構成を選定する処理工程である。
次に、図5(b)及び図8を参照して、取り付け位置探索工程(S103)の詳細な手順を説明する。図8は、取り付け位置探索工程(S103)の手順の一例を示すフローチャート図である。図8に示すように、まず、電気接続箱50を外部筐体内に取り付けるための取り付け制約条件に基づいて、周波数要因位置検討工程と変位要因位置検討工程のどちらか一方の工程を選択する(S201)。
ここで、周波数要因位置検討工程は、ワイヤーハーネス61を取り付けることにより電気接続箱50とワイヤーハーネス61からなる複合系の外部振動に対する共振周波数が最も高周波側となる位置またはその近傍を導出・決定する処理工程である。また、変位要因位置検討工程は、ワイヤーハーネス61を取り付けた状態で電気接続箱50が外部振動に対して生ずる変位が最も小さくなる位置またはその近傍を導出・決定する処理工程である。
選択された工程が周波数要因位置検討工程であるとき(S202:Yes)は、基準周波数解析工程として、ワイヤーハーネス61を取り付けていない状態の電気接続箱50の外部振動に対する共振周波数fを算出する(S203)。次に、周波数解析工程として、電気接続箱50上の所定の位置範囲53a内の種々の位置Piにワイヤーハーネス61を取り付けた場合おける、電気接続箱50とワイヤーハーネス61からなる複合系の外部振動に対する共振周波数f(i)を算出する(S204)。
次に、取り付け位置決定工程として、ステップS204により算出した共振周波数f(i)とステップS203により算出した共振周波数fとの差分Δf(i)を、電気接続箱50上の所定の位置範囲内の全ての位置Piに対して算出し、算出した結果の中から最も大きい差分Δf(m)を選び出し、そのときの位置Pmをまたは位置Pmの近傍を最適な前記ワイヤーハーネス取り出し部分52の取り付け位置Pとし(S205)、周波数要因位置検討工程を終了する。
選択された工程が変位要因位置検討工程であるとき(S202:No)は、変位解析処理工程として、電気接続箱50上の所定の位置範囲53a内の種々の位置Piにワイヤーハーネス61を取り付けた場合における、電気接続箱50とワイヤーハーネス61からなる複合系が外部振動に対して生ずる変位u(i)を算出する(S206)。
次に、取り付け位置決定工程として、ステップS206により算出した変位u(i)の結果の中から最も小さい変位u(m)を選び出し、そのときの位置Pmまたは位置Pmの近傍を最適な前記ワイヤーハーネス取り出し部分52の取り付け位置Pとし(S207)、変位要因位置検討工程を終了する。
次に、図5(c)及び図9を参照して、取り付け角度探索工程(S104)の詳細な手順を説明する。図9は、取り付け角度探索工程(S104)の手順の一例を示すフローチャート図である。図9に示すように、まず、電気接続箱50を外部筐体内に取り付けるための取り付け制約条件に基づいて、周波数要因位置検討工程と変位要因位置検討工程のどちらか一方の工程を選択する(S301)。
ここで、周波数要因位置検討工程は、図5(c)においてワイヤーハーネス61を取り付けることにより電気接続箱50の外部振動に対する共振周波数が最も高周波側となる角度またはその近傍を導出・決定する処理工程である。また、変位要因位置検討工程は、図5(c)においてワイヤーハーネス61を取り付けた状態で電気接続箱50が外部振動に対して生ずる変位が最も小さくなる角度またはその近傍を導出・決定する処理工程である。
選択された工程が周波数要因位置検討工程であるとき(S302:Yes)は、基準周波数解析工程として、ワイヤーハーネス61を取り付けていない状態の電気接続箱50の外部振動に対する共振周波数fを算出する(S303)。次に、周波数解析工程として、取り付け位置Pに種々の角度θiでワイヤーハーネスを取り付けた場合における、電気接続箱50の外部振動に対する共振周波数f(i)を算出する(S304)。
次に、取り付け位置決定工程として、ステップS304により算出した共振周波数f(i)とステップS303により算出した共振周波数fとの差分Δf(i)を、全ての角度θiに対して算出し、算出した結果の中から最も大きい差分Δf(m)を選び出し、そのときの角度θmまたは角度θmの近傍を最適な前記ワイヤーハーネス取り出し部分52の取り付け角度θとし(S305)、周波数要因位置検討工程を終了する。
選択された工程が変位要因位置検討工程であるとき(S302:No)は、変位解析処理工程として、ワイヤーハーネス61を取り付け位置Pに種々の角度θiで取り付けた場合における、電気接続箱50の外部振動に対する変位u(i)を算出する(S306)。
次に、取り付け位置決定工程として、ステップS306により算出した変位u(i)の結果の中から最もの小さい変位u(m)を選び出し、そのときの角度θmまたは角度θmの近傍を最適な前記ワイヤーハーネス取り出し部分52の取り付け角度θとし(S307)、変位要因位置検討工程を終了する。
次に、図5(d)、図6及び図10を参照して、ワイヤーハーネス複合体選定工程(S105)の詳細な手順を説明する。図10は、ワイヤーハーネス複合体選定工程(S105)の手順の一例を示すフローチャート図である。図10に示すように、まず、剛性値算出工程として、電気接続箱50とワイヤーハーネス複合体60からなる複合系の剛性値Gとこの複合系の共振周波数fとの関係を求め、さらに、この複合系の目標とする共振周波数fに対応するワイヤーハーネス複合体60の目標剛性値Gを算出する(S401)。
例えば、複合系の目標剛性値をG´とし、ワイヤーハーネス複合体60の密度をρとし、定数項をCとしたとき、図4で説明した上述の関係式(1)を満足する複合系の目標剛性値G´を算出し、算出した複合系の目標剛性値G´からワイヤーハーネス複合体60の目標剛性値Gを算出する。
また、例えば、計算機により電気接続箱50の筐体53及びワイヤーハーネス複合体60の固有値計算を実行し、その結果に基づいて、所定の共振周波数以上となるワイヤーハーネス複合体60の剛性値を決定する。
次に、構成条件検討工程として、剛性値算出によって算出したワイヤーハーネス複合体60の剛性値以上となるようなワイヤーハーネス複合体60の構成を、取り付け制約条件に基づいて検討する(S402)。
例えば、図5(d)に示すように、ワイヤーハーネス複合体60の構成は、剛性体からなる支持線62をワイヤーハーネス61に沿って設け、少なくとも2箇所においてワイヤーハーネス61と支持線62とを結束または結合した構成である。また、例えば、ワイヤーハーネス複合体60の構成は、図6(a)及び(b)に示すように、ワイヤーハーネス61に巻くハーネステープ63の巻き方を、テープ間距離d及びテープ幅wに基づいた調整した構成である。
上述した、取り付け位置探索工程の周波数要因位置検討工程、取り付け位置探索工程の変位要因位置検討工程、取り付け角度探索工程の周波数要因角度検討工程、取り付け角度探索工程の変位要因角度検討工程、及びワイヤーハーネス複合体選定工程の中の少なくとも1つの処理を選択し、実行判断は、電気接続箱の取り付け構造設計を行う者が、電気接続箱へのワイヤーハーネス取り付けの自由度等の条件に基づき適宜行うものとする。
例えば、周波数要因位置検討工程で探索した取り付け位置にワイヤーハーネス61を取り付けるだけで、十分に共振周波数を高周波数側に移動できる場合は、周波数要因位置検討工程だけを実行する。また、取り付け位置及び取り付け角度に自由がない場合においては、ワイヤーハーネス複合体選定工程を実行して、目標とする共振周波数以上の剛性値となるワイヤーハーネス複合体60の構成を選定する。
上述したような取り付け構造設計方法によって決定したワイヤーハーネス取り出し部分52の取り付け位置もしくは取り付け角度、またはワイヤーハーネス複合体60の構成に基づいて、ワイヤーハーネス61(又はワイヤーハーネス複合体60)を電気接続箱50に取り付けることにより、外部振動に対する電気接続箱の共振を抑制することができる。
したがって、ワイヤーハーネス61(又はワイヤーハーネス複合体60)を電気接続箱50に取り付けて、電気接続箱50とワイヤーハーネス複合体60からなる複合系の共振周波数を高周波側に移動させること、又は、共振により生ずる変位を小さくすることにより、車体に固定されているブラケット51への負荷を低減するとともに、電気接続箱50の寿命を延ばすことができる。
また、電気接続箱50を設計する際に、ワイヤーハーネス61(又はワイヤーハーネス複合体60)を構造体の一部としても考えられることで、設計の幅が広がり、設計時間を短縮させることができる。また、実車搭載後に、予想以上に電気接続箱が共振してしまい、ブラケット51等の破損や、不具合が起きてしまった場合においても、状況により、電気接続箱の設計変更を行わずにワイヤーハーネス61(又はワイヤーハーネス複合体60)への補強、固定位置の変更で対処することができる。
(実施例1) 取り付け角度の違いによる電気接続箱の共振への効果
ワイヤーハーネスを取り付ける取り付け角度の違いによって、電気接続箱の外部振動に対する共振の変化を調べた。図11は、ワイヤーハーネスを取り付ける取り付け角度の違いを説明するための図である。図11(a)は、ワイヤーハーネス61aをブラケット側に傾けて固定した図であり、図11(b)は、ワイヤーハーネス61bをブラケットとは反対側に傾けて固定した図である。
図11(a)に示した電気接続箱80は、筐体83とブラケット81a及び81bから構成されており、電気接続箱80の取り付け位置P1及びP2には、ワイヤーハーネス61aが2本取り付けられている。図11(b)に示した電気接続箱80は、筐体83とブラケット81a及び81bから構成されており、電気接続箱80の取り付け位置P1及びP2には、ワイヤーハーネス61bが2本取り付けられている。図11(a)及び図11(b)の筐体83のおおよその寸法は、長辺が160mmであり、短辺が150mmであり、厚さが60mmである。
また、図11(a)及び図11(b)の2つのブラケット81a及び81bのおおよその長さは、それぞれ30mmと20mmである。また、筐体83の重量は約600gである。また、ワイヤーハーネス61aの電線本数は50本で、その長さは160mmである。また、ワイヤーハーネス61bの電線本数は76本で、その長さは160mmである。
図11に示した電気接続箱80の共振点測定をした結果を図12に示す。ここでは、本発明の一態様として、共振加速度を求めるものとした。図12から判るように、図11(a)のようにワイヤーハーネス61aをブラケット側に傾けて固定した場合(実線)、1次共振周波数は55.6Hz、共振加速度は45.0m/sの結果を得た。また、図11(b)のようにワイヤーハーネス61bをブラケットとは反対側に傾けて固定した場合(点線)、1次共振周波数は53Hz、共振加速度は26m/sの結果を得た。
この結果より、図11(a)のようにワイヤーハーネス61aをブラケット側に傾けて固定した場合に比較して、図11(b)のようにワイヤーハーネス61bをブラケットとは反対側に傾けて固定した場合の方が、共振加速度が半分になることがわかった。即ち、筐体からでるワイヤーハーネスの取り付け角度により、共振加速度が小さくなる事を確認した。
(実施例2) ワイヤーハーネス複合体の構成の違いによる電気接続箱の共振への効果
図11(b)のワイヤーハーネス61bにアルミ線を支持線として取り付けて、ワイヤーハーネス複合体の剛性値を変えたときの、電気接続箱の外部振動に対する共振の変化を調べた。図13は、アルミ線の本数の違いよる電気接続箱の外部振動に対する共振の変化を調べた結果である。ここでは、直径3mmで長さ160mmのアルミ線を使用している。また、図13の実線はアルミ線を取り付けなかった場合を、点線はアルミ線を1本取り付けた場合を、一点鎖線はアルミ線を3本取り付けた場合を示している。
図13から判るように、アルミ線を取り付けなかった場合は、1次共振周波数は55.6Hz、共振加速度は45.0m/sの結果となり、アルミ線を1本取り付けた場合は、1次共振周波数は60.1Hz、共振加速度は45.9m/sの結果となり、アルミ線を3本取り付けた場合は、1次共振周波数は65.0Hz、共振加速度は43.7m/sの結果となった。この結果より、アルミ線を補強して、ワイヤーハーネスの実効的剛性を上げる事により、1次共振周波数が高周波側に移動する事を確認した。
(実施例3) ワイヤーハーネスの取り付け位置及び取り付け角度の違いによる電気接続箱の共振への効果(コンピュータによる計算結果)
筐体とブラケットからなる電気接続箱において、ワイヤーハーネスの取り付け位置及び取り付け角度の異なる4つのケースについて、電気接続箱の1次共振周波数を調べた。筐体のおおよその寸法は、一辺が200mmで厚さが30mmである。また、筐体の重量は約3.6kgである。また、ワイヤーハーネスの長さは200mmで、ワイヤーハーネスの実効的ヤング率は500MPaである。
表2は、上述した条件のもとでシミュレーションした電気接続箱の1次共振周波数の結果である。また、図14は、シミュレーションしたワイヤーハーネスの取り付け位置及び取り付け角度の異なる4つのケースを示した図である。以下の角度は、x軸を0°とし、反時計回りの方向を正としている。
ケース1は、筐体の頂点Bからx方向へ−30mmの位置で、+90°の角度に取り付けられたワイヤーハーネスと、筐体の頂点Dからx方向へ30mmの位置で、−90°の角度に取り付けられたワイヤーハーネスとの場合である。ケース2は、筐体の頂点Bからx方向へ−30mmの位置で、+90°の角度に取り付けられたワイヤーハーネスと、筐体の頂点Cからy方向へ30mmの位置で、0°の角度に取り付けられたワイヤーハーネスとの場合である。
ケース3は、筐体の頂点Aからx方向へ30mmの位置で、+90°の角度に取り付けられたワイヤーハーネスと、筐体の頂点Cからy方向へ30mmの位置で、0°の角度に取り付けられたワイヤーハーネスとの場合である。ケース4は、筐体の頂点Aからx方向へ30mmの位置で、+90°の角度に取り付けられたワイヤーハーネスと、筐体の頂点Cからy方向へ30mmの位置で、−55°の角度に取り付けられたワイヤーハーネスとの場合である。なお、図14の「●」は固定点(筐体をブラケットに固定している点)である。
表2の結果より、筐体に取り付けられるワイヤーハーネスの取り付け位置、取り付け角度により1次共振周波数が変化する事を確認した。
(実施例4) ワイヤーハーネスの取り付け位置の違いによる電気接続箱の共振への効果(手計算による結果)
筐体とブラケットからなる電気接続箱において、ワイヤーハーネスの取り付け位置の異なる2つのケースについて、電気接続箱の1次共振周波数を調べた。ここで、手計算においては、固定点(筐体をブラケットに固定している点)の位置とワイヤーハーネスの取り付け位置とを同一であるとみなして計算した。また、手計算においては、図4で説明した上述の関係式(1)を用いた。また、定数項のCは、筐体の寸法に関する要因と固定境界条件によって決定される。筐体のおおよその寸法は、一辺が200mmで厚さが30mmである。また、筐体の重量は約3.6kgである。
表3は、上述した条件のもとで手計算した電気接続箱の1次共振周波数の結果である。また、図15は、手計算したワイヤーハーネスの取り付け位置の異なる2つのケースを示した図である。なお、図15の「●」は固定点(筐体をブラケットに固定している点)である。
ケース5は、筐体の頂点Aと頂点Cと頂点Dに固定点、即ち、ワイヤーハーネスの取り付け位置が設けられている場合である。ケース6は、筐体の頂点Aからy方向へ100mmの位置と筐体の頂点Dと筐体の頂点Dからy方向へ100mmの位置に固定点、即ち、ワイヤーハーネスの取り付け位置が設けられている場合である。
表3の結果より、筐体に取り付けられるワイヤーハーネスの取り付け位置により1次共振周波数が変化する事を確認した。
(実施例5) ワイヤーハーネスの剛性の違いによる電気接続箱の共振への効果
筐体とブラケットからなる電気接続箱において、ワイヤーハーネスの剛性の違う2つのケースについて、電気接続箱の1次共振周波数を調べた。筐体のおおよその寸法は、一辺が200mmで厚さが30mmである。また、筐体の重量は約3.6kgである。ケース4の場合は、ワイヤーハーネスの長さは200mmで、ワイヤーハーネスの実効的ヤング率は500MPaである。また、ケース7の場合は、ワイヤーハーネスの長さは200mmで、ワイヤーハーネスの実効的ヤング率は1000MPaである。
表4は、上述した条件のもとでシミュレーションした電気接続箱の1次共振周波数の結果である。なお、ケース7のシミュレーションしたワイヤーハーネスの取り付け位置及び取り付け角度は図14のケース4の場合と同じである。
表4の結果より、ワイヤーハーネスの実効的剛性を上げる事により、一次共振点が高周波側に移動する事を確認した。
本発明を適用可能な電気接続箱を説明するための図である。 取り付け構造設計システム10の取り付け位置探索部11の詳細システム構成の一例を示す図である。 取り付け構造設計システム10の取り付け角度探索部12の詳細システム構成の一例を示す図である。 取り付け構造設計システム10におけるワイヤーハーネス複合体選定部13の詳細システム構成の一例を示す図である。 本発明を適用可能な電気接続箱を説明するための図である。 ワイヤーハーネスに巻くハーネステープの巻き方を説明するための図である。 電気接続箱50の取り付け構造設計方法の手順の一例を示すフローチャート図である。 取り付け位置探索工程(S103)の手順の一例を示すフローチャート図である。 取り付け角度探索工程(S104)の手順の一例を示すフローチャート図である。 ワイヤーハーネス複合体選定工程(S105)の手順の一例を示すフローチャート図である。 ワイヤーハーネスを取り付ける取り付け角度の違いを説明するための図である。 図7に示した電気接続箱80の共振点測定をした結果である。 アルミ線の本数の違いよる電気接続箱の外部振動に対する共振の変化を調べた結果である。 シミュレーションしたワイヤーハーネスの取り付け位置及び取り付け角度の異なる4つのケースを示した図である。 手計算したワイヤーハーネスの取り付け位置の異なる2つのケースを示した図である。
符号の説明
10 取り付け構造設計システム
11 取り付け位置探索部
12 取り付け角度探索部
13 ワイヤーハーネス複合体選定部
14 選択・実行部
15 取り付け制約条件記憶部
21 周波数要因位置探索部
22 変位要因位置探索部
23 基準周波数解析部
24 周波数解析部
25 取り付け位置決定部
26 変位解析部
27 取り付け位置決定部
31 周波数要因角度探索部
32 変位要因角度探索部
33 基準周波数解析部
34 周波数解析部
35 取り付け角度決定部
36 変位解析部
37 取り付け角度決定部
41 剛性値算出部
42 構成条件選定部

Claims (18)

  1. 少なくとも一箇所を外部筐体に固定する固定部分と、複数の電線束からなるワイヤーハーネスが引き出されたワイヤーハーネス取り出し部分とを有する電気接続箱を、前記外部筐体内に取り付けるための電気接続箱の取り付け構造設計システムであって、
    前記ワイヤーハーネスを前記電気接続箱に取り付けたときに、前記電気接続箱を前記外部筐体内に取り付けるための取り付け制約条件に基づいた前記電気接続箱上の所定の位置範囲の中で、外部振動に対する前記電気接続箱の共振を最も抑制する前記ワイヤーハーネス取り出し部分の取り付け位置を探索する取り付け位置探索手段と、
    前記ワイヤーハーネスを前記電気接続箱に取り付けたときに、前記取り付け制約条件に基づいた前記電気接続箱上の所定の取り付け位置において、外部振動に対する前記電気接続箱の共振を最も抑制する前記ワイヤーハーネス取り出し部分の取り付け角度を探索する取り付け角度探索手段と、
    前記ワイヤーハーネスを前記電気接続箱に取り付けたときに、前記取り付け制約条件に基づいて、外部振動に対する前記電気接続箱の共振を最も抑制する前記ワイヤーハーネスの剛性値変更を施したワイヤーハーネス複合体の構成を選定するワイヤーハーネス複合体選定手段と、
    前記取り付け制約条件に基づいて、前記取り付け位置探索手段、前記取り付け角度探索手段、及び前記ワイヤーハーネス複合体選定手段の中の少なくとも1つの手段を選択し、実行させる選択・実行手段と、
    を備え、
    前記取り付け位置探索手段は、
    前記ワイヤーハーネスがない状態の前記電気接続箱の外部振動に対する共振周波数f を算出する基準周波数解析手段と、
    前記電気接続箱上の所定の位置範囲内の種々の位置Piに前記ワイヤーハーネスを取り付けた場合の、前記電気接続箱と前記ワイヤーハーネスからなる複合系が外部振動に対して示す共振周波数f(i)を算出する周波数解析手段と、
    前記周波数解析手段より算出した共振周波数f(i)と前記基準周波数解析手段より算出した共振周波数f との差分Δf(i)を計算した結果の中で最も大きい差分値となる位置Pmを種々の前記位置Piの中から抽出し、抽出した前記位置Pmまたは前記位置Pmの近傍を前記ワイヤーハーネス取り出し部分の取り付け位置に決定する取り付け位置決定手段と、
    を備え、
    前記選択・実行手段によって選択されて実行された、前記取り付け位置探索手段、前記取り付け角度探索手段、及び前記ワイヤーハーネス複合体選定手段の中の少なくとも1つの手段による探索または選定結果、及び、前記取り付け制約条件に基づいて、前記ワイヤーハーネス取り出し部分の取り付け位置もしくは取り付け角度、または前記ワイヤーハーネス複合体の構成を決定することを特徴とする電気接続箱の取り付け構造設計システム。
  2. 前記取り付け位置探索手段は、
    前記電気接続箱上の所定の位置範囲内の種々の位置Piに前記ワイヤーハーネスを取り付けた場合の、前記電気接続箱と前記ワイヤーハーネスからなる複合系が共振周波数fの外部振動に対して生ずる変位u(i)を算出する変位解析手段と、
    前記変位解析手段により算出した変位u(i)の結果の中で最も小さい変位値となる位置Pmを種々の前記位置Piの中から抽出し、抽出した前記位置Pmまたは前記位置Pmの近傍を前記ワイヤーハーネス取り出し部分の取り付け位置に決定する取り付け位置決定手段と、
    を備えていることを特徴とする請求項1に記載の電気接続箱の取り付け構造設計システム。
  3. 前記取り付け角度探索手段は、
    前記ワイヤーハーネスがない状態の前記電気接続箱の外部振動に対する共振周波数f を算出する基準周波数解析手段と、
    前記電気接続箱上の所定の位置Pに前記ワイヤーハーネスを種々の角度θiで取り付けた場合における、前記電気接続箱と前記ワイヤーハーネスからなる複合系が外部振動に対して示す共振周波数f(i)を算出する周波数解析手段と、
    前記周波数解析手段より算出した共振周波数f(i)と前記基準周波数解析手段より算出した共振周波数f との差分Δf(i)を計算した結果の中で最も大きい差分値となる角度θmを種々の前記角度θiの中から抽出し、抽出した前記角度θmまたは前記角度θmの近傍を前記ワイヤーハーネス取り出し部分の取り付け角度に決定する取り付け角度決定手段と、
    を備えていることを特徴とする請求項1に記載の電気接続箱の取り付け構造設計システム。
  4. 前記取り付け角度探索手段は、
    前記電気接続箱上の所定の位置Pに前記ワイヤーハーネスを種々の角度θiで取り付けた場合における、前記電気接続箱と前記ワイヤーハーネスからなる複合系の共振周波数fでの外部振動に対して前記電気接続箱が生ずる変位u(i)を算出する変位解析手段と、
    前記変位解析手段により算出した変位u(i)の結果の中で最も小さい変位値となる角度θmを種々の前記角度θiの中から抽出し、抽出した前記角度θmまたは前記角度θmの近傍を前記ワイヤーハーネス取り出し部分の取り付け角度に決定する取り付け角度決定手段と、
    を備えていることを特徴とする請求項1に記載の電気接続箱の取り付け構造設計システム。
  5. 前記ワイヤーハーネス複合体選定手段は、
    前記電気接続箱と前記ワイヤーハーネス複合体からなる複合系の実効的剛性値Gと当該複合系の共振周波数fとの関係を求め、さらに、当該複合系の目標とする共振周波数f に対応する前記ワイヤーハーネス複合体の剛性値G を算出する剛性値算出手段と、
    前記剛性値算出手段により算出した前記ワイヤーハーネス複合体の剛性値G 以上の剛性値が得られる前記ワイヤーハーネス複合体の構成を、前記取り付け制約条件に基づいて選定する構成条件選定手段と、
    を備えていることを特徴とする請求項1に記載の電気接続箱の取り付け構造設計システム。
  6. 前記ワイヤーハーネス複合体の構成は、前記ワイヤーハーネスと、前記ワイヤーハーネスに沿って設けられ、少なくとも2箇所において前記ワイヤーハーネスと結束または結合された剛性体からなる支持線と、を有し、
    前記構成条件選定手段は、前記剛性値算出手段により算出した前記ワイヤーハーネス複合体の剛性値G 以上の剛性値が得られるように、前記支持線の寸法及び材料、並びに結束箇所数または結合箇所数を調整することを特徴とする請求項5に記載の電気接続箱の取り付け構造設計システム。
  7. 前記ワイヤーハーネス複合体の構成は、前記ワイヤーハーネスと、前記ワイヤーハーネスに巻くハーネステープと、を有し、
    前記構成条件選定手段は、前記ハーネステープの前記ワイヤーハーネスに対する巻き方を、前記ハーネステープのテープ間距離及びテープ幅に基づいて調整することを特徴とする請求項5に記載の電気接続箱の取り付け構造設計システム。
  8. 前記剛性値算出手段は、前記複合系の共振周波数をfとし、前記複合系の実効的剛性値をGとし、前記複合系の実効的密度をρとし、定数項をCとしたとき、
    を基本式として、前記複合系の実効的剛性値Gと前記ワイヤーハーネス複合体の剛性値G との相関関係に基づいて、目標とする前記ワイヤーハーネス複合体の剛性値G を算出することを特徴とする請求項5から7のいずれか1項に記載の電気接続箱の取り付け構造設計システム。
  9. コンピュータを使用して、少なくとも一箇所を外部筐体に固定する固定部分と、複数の電線束からなるワイヤーハーネスが引き出されたワイヤーハーネス取り出し部分とを有する電気接続箱を、前記外部筐体内に取り付けるための電気接続箱の取り付け構造設計方法であって、
    前記コンピュータが、
    (a1)取り付け条件記憶部より取得した前記外部筐体内に取り付けるための前記電気接続箱の取り付け制約条件に基づいて、(b1)前記ワイヤーハーネスを前記電気接続箱に取り付けたときに、前記取り付け制約条件に基づいた前記電気接続箱上の所定の位置範囲の中で、外部振動に対する前記電気接続箱の共振を最も抑制する前記ワイヤーハーネス取り出し部分の取り付け位置を探索する工程と、(b2)前記ワイヤーハーネスを前記電気接続箱に取り付けたときに、前記取り付け制約条件に基づいた前記電気接続箱上の所定の取り付け位置において、外部振動に対する前記電気接続箱の共振を最も抑制する前記ワイヤーハーネス取り出し部分の取り付け角度を探索する工程と、(b3)前記ワイヤーハーネスを前記電気接続箱に取り付けたときに、前記取り付け制約条件に基づいて、外部振動に対する前記電気接続箱の共振を最も抑制する前記ワイヤーハーネスの剛性値変更を施したワイヤーハーネス複合体の構成を選定する工程、の中からの少なくとも1つの工程を選択するステップと、
    (a2)前記工程(b1)、前記工程(b2)及び前記工程(b3)の中の、前記ステップ(a1)によって選択された全ての工程を、前記取り付け制約条件に基づいて決定される実行順番に従って実行させるステップと、
    (a3)前記ステップ(a2)によって実行された結果と前記取り付け制約条件とに基づいて、前記ワイヤーハーネス取り出し部分の取り付け位置もしくは取り付け角度、または前記ワイヤーハーネス複合体の構成を決定するステップと、
    を備え、
    前記工程(b1)は、
    (c1)前記ワイヤーハーネスがない状態の前記電気接続箱の外部振動に対する共振周波数f を算出する工程と、
    (c2)前記電気接続箱上の所定の位置範囲内の種々の位置Piに前記ワイヤーハーネスを取り付けた場合の、前記電気接続箱と前記ワイヤーハーネスからなる複合系が外部振動に対して示す共振周波数f(i)を算出する工程と、
    (c3)前記工程(c2)より算出した共振周波数f(i)と前記工程(c1)より算出した共振周波数f との差分Δf(i)を計算した結果の中で最も大きい差分値となる位置Pmを種々の前記位置Piの中から抽出し、抽出した前記位置Pmまたは前記位置Pmの近傍を前記ワイヤーハーネス取り出し部分の取り付け位置に決定する工程と、
    を備えていることを特徴とする電気接続箱の取り付け構造設計方法
  10. 前記工程(b1)は、
    (d1)前記電気接続箱上の所定の位置範囲内の種々の位置Piに前記ワイヤーハーネスを取り付けた場合の、前記電気接続箱と前記ワイヤーハーネスからなる複合系の共振周波数fでの外部振動に対して生ずる変位u(i)を算出する工程と、
    (d2)前記工程(d1)により算出した変位u(i)の結果の中で最も小さい変位値となる位置Pmを種々の前記位置Piの中から抽出し、抽出した前記位置Pmまたは前記位置Pmの近傍を前記ワイヤーハーネス取り出し部分の取り付け位置に決定する工程と、
    を備えていることを特徴とする請求項9に記載の電気接続箱の取り付け構造設計方法。
  11. 前記工程(b2)は、
    (e1)前記ワイヤーハーネスがない状態の前記電気接続箱の外部振動に対する共振周波数f を算出する工程と、
    (e2)前記電気接続箱上の所定の位置Pに前記ワイヤーハーネスを種々の角度θiで取り付けた場合における、前記電気接続箱と前記ワイヤーハーネスからなる複合系が外部振動に対して示す共振周波数f(i)を算出する工程と、
    (e3)前記工程(e2)より算出した共振周波数f(i)と前記工程(e1)より算出した共振周波数f との差分Δf(i)を計算した結果の中で最も大きい差分値となる角度θmを種々の前記角度θiの中から抽出し、抽出した前記角度θmまたは前記角度θmの近傍を前記ワイヤーハーネス取り出し部分の取り付け角度に決定する工程と、
    を備えていることを特徴とする請求項9に記載の電気接続箱の取り付け構造設計方法。
  12. 前記工程(b2)は、
    (f1)前記電気接続箱上の所定の位置Pに前記ワイヤーハーネスを種々の角度θiで取り付けた場合における、前記電気接続箱と前記ワイヤーハーネスからなる複合系の共振周波数fでの外部振動に対して前記電気接続箱が生ずる変位u(i)を算出する工程と、
    (f2)前記工程(f1)により算出した変位u(i)の結果の中で最も小さい変位値となる角度θmを種々の前記角度θiの中から抽出し、抽出した前記角度θmまたは前記角度θmの近傍を前記ワイヤーハーネス取り出し部分の取り付け角度に決定する工程と、
    を備えていることを特徴とする請求項9に記載の電気接続箱の取り付け構造設計方法。
  13. 前記工程(b3)は、
    (g1)前記電気接続箱と前記ワイヤーハーネス複合体からなる複合系の実効的剛性値Gと当該複合系の共振周波数fとの関係を求め、さらに、当該複合系の目標とする共振周波数f に対応する前記ワイヤーハーネス複合体の剛性値G を算出する工程と、
    (g2)前記工程(g1)により算出した前記ワイヤーハーネス複合体の剛性値G 以上の剛性値が得られる前記ワイヤーハーネス複合体の構成を、前記取り付け制約条件に基づいて選定する工程と、
    を備えていることを特徴とする請求項9に記載の電気接続箱の取り付け構造設計方法。
  14. 前記ワイヤーハーネス複合体の構成は、前記ワイヤーハーネスと、前記ワイヤーハーネスに沿って設けられ、少なくとも2箇所において前記ワイヤーハーネスと結束または結合された剛性体からなる支持線と、を有し、
    前記工程(g2)は、前記工程(g1)により算出した前記ワイヤーハーネス複合体の剛性値G 以上の剛性値が得られるように、前記支持線の寸法及び材料、並びに結束箇所数または結合箇所数を調整することを特徴とする請求項13に記載の電気接続箱の取り付け構造設計方法。
  15. 前記ワイヤーハーネス複合体の構成は、前記ワイヤーハーネスと、前記ワイヤーハーネスに巻くハーネステープと、を有し、
    前記工程(g2)は、前記ハーネステープの前記ワイヤーハーネスに対する巻き方を、前記ハーネステープのテープ間距離及びテープ幅に基づいて調整することを特徴とする請求項13に記載の電気接続箱の取り付け構造設計方法。
  16. 前記工程(g1)は、前記複合系の共振周波数をfとし、前記複合系の実効的剛性値をGとし、前記複合系の実効的密度をρとし、定数項をCとしたとき、
    を基本式として、前記複合系の実効的剛性値Gと前記ワイヤーハーネス複合体の剛性値G との相関関係に基づいて、目標とする前記ワイヤーハーネス複合体の剛性値G を算出することを特徴とする請求項13から15のいずれか1項に記載の電気接続箱の取り付け構造設計方法。
  17. 少なくとも一箇所を外部筐体に固定する固定部分と、複数の電線束からなるワイヤーハーネスが引き出されたワイヤーハーネス取り出し部分とを有する電気接続箱を、前記外部筐体内に取り付けるための電気接続箱の取り付け構造設計の処理を、コンピュータに実行させるプログラムであって、
    請求項1から8のいずれか1項に記載の電気接続箱の取り付け構造設計システムの各手段を実現させる処理を前記コンピュータに実行させることを特徴とするプログラム
  18. 少なくとも一箇所を外部筐体に固定する固定部分と、複数の電線束からなるワイヤーハーネスが引き出されたワイヤーハーネス取り出し部分とを有する電気接続箱を、前記外部筐体内に取り付けるための電気接続箱の取り付け構造であって、
    請求項1から8のいずれか1項に記載の電気接続箱の取り付け構造設計システムによって決定された前記ワイヤーハーネス取り出し部分の取り付け位置もしくは取り付け角度、またはワイヤーハーネス複合体の構成に基づいて、前記ワイヤーハーネスを取り付けたことを特徴とする電気接続箱の取り付け構造
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