JP5127252B2 - 光電変換素子の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、光電変換素子の製造方法に関するものである。
従来の光電変換素子の製造方法を、図1に示す光電変換素子を例にとって説明する。
図1において、1はn型単結晶シリコン基板、2はi型非晶質層、3はp型非晶質層、4はi型非晶質層、5はn型非晶質層、6は受光面側透明導電層、7は裏面側透明導電層、8は受光面側取出電極、および9は裏面側取出電極を示す。
このような光電変換素子は、次のような順序で形成されていた(例えば、特許文献1等参照)。
まず、n型単結晶シリコン基板1の一方の主面にi型非晶質層2をプラズマCVD法等により形成し、更にその上に、ジボラン(B)ガスをドーピングソースとしたプラズマCVD法によりp型非晶質層3を形成する。
次いで、n型単結晶シリコン基板1の他方の主面に、i型非晶質層4を形成し、更にその上にn型非晶質層5を形成する。
次にITOなどからなる受光面側透明導電層6および裏面側透明導電層7をスパッタ法等により形成する。
そして、受光面側透明導電層6上には受光面側取出電極8、裏面側透明導電層7上には裏面側取出電極9をそれぞれ形成する。
特許第3653379号公報
しかし、上述の従来技術によると、太陽電池の高効率化を達成する上で、以下のような問題があった。
すなわち、上記に示す従来の製造方法では、非晶質層の形成順として、nn+接合側(n型単結晶シリコン基板1、i型非晶質層4、n型非晶質層5)のi型非晶質層4が、pn接合側(n型単結晶シリコン基板1、i型非晶質層2、p型非晶質層3)のi型非晶質層2やp型非晶質層3に次いで形成されているため、他層の形成する過程でnn+接合側の基板表面の自然酸化が進行するとともに、雰囲気からの不純物吸着に起因する表面汚染が生じることによって、nn+接合側で低い表面再結合速度を有する界面が得られないといった問題を有していた。
また、p型非晶質層3を、ジボラン(B)ガスをドーピングソースとしたプラズマCVD法により形成しているため、p型非晶質層3形成時の基板裏面側へのガスの周り込みや、分解種の基板裏面側への吸着汚染により、nn+接合側で低い表面再結合速度を有する界面が得られないといった問題を有していた。
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、特にヘテロ接合型光電変換素子において、高変換効率を実現するための製造方法を提供するものである。
本発明の光電変換素子の製造方法は、一導電型を呈する結晶系半導体基板と、前記結晶系半導体基板の受光面に形成された第一の真性半導体層と、前記第一の真性半導体層上に形成され、前記結晶系半導体基板と逆の導電型を呈する逆導電型半導体層と、前記結晶系半導体基板の非受光面に形成された第二の真性半導体層と、前記第二の真性半導体層上に形成された一導電型半導体層と、前記逆導電型半導体層上に形成された受光面電極と、前記一導電型半導体層上に形成された裏面電極とを有して成る光電変換素子を製造する方法であって、
前記結晶系半導体基板の受光面に前記第一の真性半導体層を形成した後に、前記結晶系半導体基板の非受光面に第二の真性半導体層を形成する工程と、前記第二の真性半導体層上に前記一導電型半導体層を形成した後、前記第一の真性半導体層上に前記逆導電型半導体層を形成する工程と、前記逆導電型半導体層を形成した後に、前記裏面電極および前記受光面電極を形成する工程とを備えたことを特徴とするものである。
さらに、前記結晶系半導体基板がn型であることが好ましい。
さらにまた、少なくとも一の前記真性半導体層は非単結晶相であることが好ましい。
本発明の光電変換素子の製造方法は、一導電型を呈する結晶系半導体基板と、前記結晶系半導体基板の受光面に形成された第一の真性半導体層と、前記第一の真性半導体層上に形成され、前記結晶系半導体基板と逆の導電型を呈する逆導電型半導体層と、前記結晶系半導体基板の非受光面に形成された第二の真性半導体層と、前記第二の真性半導体層上に形成された一導電型半導体層と、前記逆導電型半導体層上に形成された受光面電極と、前記一導電型半導体層上に形成された裏面電極とを有して成る光電変換素子を製造する方法であって、
前記結晶系半導体基板の受光面に前記第一の真性半導体層を形成した後に、前記結晶系半導体基板の非受光面に第二の真性半導体層を形成する工程と、前記第二の真性半導体層上に前記一導電型半導体層を形成した後、前記第一の真性半導体層上に前記逆導電型半導体層を形成する工程と、前記逆導電型半導体層を形成した後に、前記裏面電極および前記受光面電極を形成する工程とを備えたことから、清浄な表面状態を有した基板の両表面に真性半導体層が形成されるため、同界面で低い表面再結合速度を有する変換効率の高い光電変換素子の製造が可能となる。
特に、前記結晶系半導体基板の受光面に前記第一の真性半導体層を形成する工程に続いて、前記結晶系半導体基板の非受光面に第二の真性半導体層を形成する工程を行うことが好ましく、これによってpn接合側領域において良好な内部電界を形成でき、より高い変換効率を有する光電変換素子の製造が可能となる。
また、前記第一の真性半導体層及び前記第二の真性半導体層を形成する工程に続いて、前記第二の真性半導体層上に一導電型半導体層を形成する工程と、前記第一の真性半導体層上に前記逆導電型半導体層を形成する工程とを、順に行うことから、逆導電型半導体層の形成に用いられるドーピング元素が付着しない清浄な表面状態を有した第二の真性半導体層上に一導電型半導体層が形成されるため、同界面でより低い表面再結合速度を有する変換効率の高い光電変換素子の製造が可能となる。
さらに、前記結晶系半導体基板がn型であることが好ましく、これによって第二の真性半導体層による表面再結合低減効果がp型の半導体基板を用いたときに比して大きくなり、上記の基板表面の清浄度の差異による表面再結合速度の低減効果がより顕著となり、高い変換効率を有する光電変換素子の製造が可能となる。
さらにまた、少なくとも一の前記真性半導体層は非単結晶相であることが好ましく、これによって半導体基板と真性半導体層とをヘテロコンタクトさせ、該界面で比較的大きなバンドオフセットを構成して低い再結合速度を実現することが可能となる。ここで非単結晶相とは、単結晶やこれと光学的バンドギャップまたは移動度ギャップに差異が見られない多結晶相を除いた相状態を有するものを意味する概念であり、例えば水素等の他元素の添加、合金化により結晶配列が変化し、少なくとも上記バンドギャップが完全結晶構造に比して変化したものを表すものであり、具体的には非晶質或いは微結晶質が該当する。
以下、本発明の光電変換素子とその製造方法について、詳細に説明する。
まず、本発明における製造方法を図2に示す構造の光電変換素子において説明する。
<結晶系半導体基板の準備工程>
結晶系半導体基板として、例えばp型またはn型の単結晶または多結晶シリコンからなるシリコン基板10を用いることができる。ここで結晶系とは、単結晶、多結晶および微結晶を含む概念である。
なお、以下においては結晶系半導体基板としてシリコンを用いた例について示すが、光電変換材料として適当な光学的バンドギャップやキャリア移動度を有する他の結晶材料を用いてもよい。シリコン以外の例としては、燐化インジウム、ガリウム砒素、セレン化インジウム銅、硫化インジウム銅、セレン化カドミウム、硫化カドミウム、硫化スズ、酸化銅、インジウム砒素、窒化インジウム、鉄シリサイド、セレン化インジウムガリウム銅、およびシリコンカーバイド等のシリコン系基板を用いることが可能である。
このシリコン基板10は、ボロン(B)またはリン(P)などの導電型決定元素を含有し、抵抗率は例えば0.3〜2.0Ω・cm程度であり、鋳造法などによって形成される。鋳造法によって形成されたインゴットを10cm×10cm〜25cm×25cm程度の大きさに切断し、300μm以下、より好ましくは200μm以下の厚みにスライスしてシリコン基板10とする。
スライスされたシリコン基板10に対して、NaOH水溶液やKOH水溶液、あるいはフッ酸やフッ酸と硝酸の混合液等でごく微量エッチングすることによって、表面のダメージ層を除去する。
<表面凹凸の形成工程>
シリコン基板10の表面に凹凸構造を形成することが好ましい。
シリコン基板10として多結晶シリコン基板を用いる場合には、光入射面となる基板表面(受光面)側に、ドライエッチング法を用いて、微細な凹凸(粗面化)構造を形成することが好ましい。特にリアクティブイオンエッチング(RIE)法を用い、ガス濃度もしくはエッチング時間を制御することにより、その大きさを変化させることが可能である。
この微細な凹凸構造の幅と高さは、例えばそれぞれ2μm以下に形成される。この微細な凹凸構造をシリコン基板10の略全面にわたって均一且つ正確に制御性を持たせて形成するためには、凹凸構造の幅と高さは1μm以下が好適である。この微細な凹凸のアスペクト比(凹凸の高さ/幅)は、0.5以上2以下であることが望ましい。このアスペクト比が2より大きい場合、製造過程で微細な凹凸が破損し、太陽電池セルを形成した場合にリーク電流が大きくなって良好な出力特性が得られない。さらに、拡散にて接合を形成するような場合には、凹凸の先端部と根元部においてドーピング濃度が異なって、均一な接合が形成されないといった問題が生じる。逆に、このアスペクト比が0.5より小さい場合、電極の接着強度が低下する。
リアクティブイオンエッチング法では、例えば三フッ化メタン(CHF3 )、塩素(Cl2 )、酸素(O2 )、および六フッ化硫黄(SF)などをプロセスガスとして、反応圧力1〜1000mTorr程度、プラズマ励起を行うRFパワー100〜800W程度で、処理を行う。その後、シリコン基板10の表面に残ったエッチング残渣を除去する。残渣を除去する方法としては、シリコン基板10を水槽内で超音波をかける方法などがある。この超音波を印加する装置の種類としては、通常市販されている主な洗浄用超音波装置の周波数は数十kHzから数百kHzで、印加する振動子も材質、形状、出力などが様々なタイプがあるが、この装置のタイプは表面の残渣除去の容易さによって選択することができる。残渣除去の容易さは凹凸の形状、大きさ、残渣の残量、基板の厚みなどによっても変化し、さらに超音波の周波数によっても変化するが、比較的残渣の除去が困難な条件であっても印加時間を長くすることで残渣の除去が可能である。また、水槽内の処理液にはフッ酸を少量添加してもよい。
以上のようにして表面凹凸を形成した後、RCA洗浄等の清浄化処理、および酸化膜除去を目的とした希フッ酸処理を施し、水洗洗浄することによって、半導体基板の表面を清浄化する。
なお、シリコン基板10に多結晶シリコン基板を用いる際には、従来周知のパッシベーション処理やゲッタリング処理をこの時点で施してもよい。
<第一の真性半導体層の形成工程>
次に、シリコン基板10の受光面上、または上述のドライエッチング法により凹凸を形成した面上に、実質的に真性な第一の真性半導体層11を形成する。本明細書において、実質的に真性な半導体層とは、半導体層の形成時に意図的に導電型決定元素を添加せずに作製したものを広く指すものとする。
形成方法として、プラズマCVD法に代表される化学的気相成長法、またはスパッタ法に代表される物理的気相成長法等の薄膜形成法を用いて形成する。このとき、第一の真性半導体層11を非晶質もしくは微結晶質といった非単結晶相とすることが好ましく、これにより、基板と半導体層をヘテロコンタクトさせ、該界面で比較的大きなバンドオフセットを構成して、低い再結合速度を実現することが可能となる。
なお、第一の真性半導体層の材料としては、シリコンの他に、燐化インジウム、ガリウム砒素、セレン化インジウム銅、硫化インジウム銅、セレン化カドミウム、硫化カドミウム、硫化スズ、酸化銅、インジウム砒素、窒化インジウム、鉄シリサイド、セレン化インジウムガリウム銅、シリコンカーバイド、酸化亜鉛、酸化インジウム、硫化亜鉛、硫化インジウム、シリコンオキサイド、窒化シリコン等を用いることが好ましい。なお、後述する第二の真性半導体層、一導電型半導体層および逆導電型半導体層の材料としても、これらのものを用いることが好ましい。
<第二の真性半導体層の形成工程>
次いで、シリコン基板10の非受光面上に実質的に真性な第二の真性半導体層12を形成する。
本発明の手法においては、第一の真性半導体層11に続いて、後述のドープ層(一導電型半導体層13および逆導電型半導体層14)を形成する前に、第二の真性半導体層12を先に形成することを特徴とする。これにより光電変換素子の特性、特に開放電圧値に大きく影響する、裏面側接合部における表面再結合速度値を低下させることが可能となる。すなわち、半導体層を形成する前の基板の主面の表面状態が、接合特性に大きく影響を与えており、自然酸化膜の形成や雰囲気に起因する不純物吸着が進行する前に、清浄な基板の両主面に第一の真性半導体層11、次いで第二の真性半導体層12を形成することで、良好なヘテロ接合を形成することが可能となるものと考えられる。
<一導電型半導体層および逆導電型半導体層の形成工程>
次に、シリコン基板10と同じ導電型を呈する一導電型半導体層13を第二の真性半導体層12上に形成し、その後、シリコン基板10と逆の導電型を呈する逆導電型半導体層14を第一の真性半導体層11上に形成する。
導電型層がn型の場合では、水素(H)、シラン(SiH)およびフォスフィン(PH)を原料ガスとして、p型の場合では、水素(H)、シラン(SiH)およびジボラン(B)を原料ガスとして、プラズマCVD法、熱フィラメントCVD法、光CVD法等、既知の製膜手法を用いて形成する。
このとき、本発明の手法として、一導電型半導体層13、次いで逆導電型半導体層14を順に形成することが好ましく、これにより、変換効率が優れた光電変換素子を作製することが可能となる。すなわち、逆導電型半導体層14を形成する場合には、導電型決定元素を含んだ原料ガス等を用いる必要があるが、この際に原料より生成した逆導電型を決定する元素成分が、所望しない基板表面に吸着、拡散することが生じるため、その部位において特性を低下せしめる逆接合や構造欠陥を形成してしまう。そこで、基板と同導電型の半導体層を先に形成し、後に逆導電型の半導体層を形成することで、上記の逆接合や欠陥等の発生を抑止し、高い変換効率を有する光電変換素子を作製することが可能となる。特にp型半導体層を形成する際に代表的に用いられるジボラン(B)は分解性が高いため、n型基板を用いて、p型半導体層によってpn接合を形成する場合には、本発明の効果が顕著に現れる。
なお、上述の各半導体層の形成前後にチャンバー内において水素プラズマ処理や炭酸ガスプラズマ処理等の表面改質処理、清浄化処理を導入してもよい。
<反射防止膜の形成工程>
次に、反射防止層15を形成する。
反射防止層15の材料としては、例えば窒化珪素:SiNx膜(Si34ストイキオメトリを中心にして組成比(x)には幅がある)、SiOyNz膜(0<y、z<1)、TiO2、MgF2、ITO、ZnO、SnO2などを用いることができる。反射防止層15の構成は下地母材がシリコンである場合、屈折率は1.8〜2.3程度、厚み500〜1200Å程度にすればよい。
反射防止層15の製法としては、PECVD法、CatCVD法、蒸着法又はスパッタ法などが用いられる。
<裏面電極の形成工程>
次に、一導電型半導体層13上に裏面電極16を形成する。
裏面電極16には低抵抗材料が用いられ、Al、Ag等が好適に用いられるが、一導電型半導体層13および裏面電極16界面での反射率向上のため、ITO、GaまたはAlがドープされたZnO、フッ素がドープされたSnO2等の金属酸化物から成る透明導電膜を挿入してもよい。裏面電極16はスパッタ法や蒸着法、プリント法、スプレー熱分解法等により形成される。裏面電極16は一導電型半導体層13上に略全面に形成するか、または格子状の形状等で部分的に形成してもよい。
<受光面電極の形成工程>
次に、受光面電極17を、逆導電型半導体層14上または反射防止層15上に形成する。
反射防止層15に窒化珪素等の絶縁層を用いる場合には、予めパターニング製膜するか、受光面電極17を形成する部位をエッチング除去する等、開口部を設けておき、逆導電型半導体層14に直接コンタクトをとるように形成する。一方、反射防止層15にITO等の導電性材料を用いている場合には、反射防止層15上に受光面電極17を直接形成する。
受光面電極17の材料としてはAl、Ag、Cu等が好適に用いられるが、逆導電型半導体層14または反射防止層15とのコンタクト抵抗を低減するため、Pd、Os、Au等の緩衝層を挿入してもよい。受光面電極17の形成方法としては、電極ペーストをプリント、ディスペンサー塗布等によって形成後、焼成を行う方法や、マスクを用いてスパッタ法、蒸着法等にて形成する方法が挙げられる。
このとき、シリコン基板10の表面に、微細な凹凸が形成されている場合には、これによって受光面電極17と下地の接触面積が増加し、さらに同電極と下地の界面の角度を引っ張り方向に対して平行に近づくことにより、受光面電極17の接合強度向上が図られる。
以上のようにして、本発明の光電変換素子の製造方法によって、特にシリコン系基板とシリコン系薄膜によって形成される光電変換素子において、高効率化を図ることができる。
実施例として、本発明の製造方法によって図2に示す構造の光電変換素子を作製した結果について説明する。
まず、厚さ200μm、外形10cm×10cm、比抵抗1.5Ω・cmのn型多結晶シリコン基板10の表面のダメージ層をKOH水溶液でエッチングして洗浄した。
その後、リアクティブイオンエッチング法により、表面に凹凸構造を形成した。条件として、三フッ化メタン(CHF3 )を12.00sccm程度、塩素(Cl2 )を72sccm程度、酸素(O2 )を9sccm程度、および六フッ化硫黄(SF)を65sccm程度流しながら、反応圧力50mTorr程度、RFパワー500W程度で処理を行った。次いで、基板を希フッ酸水溶液中に浸漬し、超音波洗浄を行った。
その後、水素雰囲気において少なくとも750℃に加熱した炉において、アニール処理を行った。
次に、RCA洗浄によって表面の不純物を除去した後、表面酸化膜除去のため、1%のフッ酸水溶液に浸漬し、水洗を行った。
次に基板の受光面側に、第一の真性半導体層11を、水素とシランを原料ガスとしてプラズマCVD法により5nmの膜厚で形成した。このときチャンバー内のガス圧力は2torr、RFパワーは20W、基板温度は200℃とした。
次いで、シリコン基板10の第一の真性半導体層11を形成した受光面と反対の非受光面(裏面)上に、第二の真性半導体層12を水素とシランを原料ガスとしてプラズマCVD法により5nmの膜厚で形成した。このときチャンバー内のガス圧力は2torr、RFパワーは20W、基板温度は200℃とした。
次に先の原料ガスにフォスフィンを添加し、第二の真性半導体層12上に、一導電型半導体層13となるn型の非晶質シリコン層を10nmの膜厚で積層した。このときチャンバー内のガス圧力は2torr、RFパワーは20W、基板温度は200℃とした。
さらに、水素とシランとジボランを原料ガスとしてプラズマCVD法により、第一の真性半導体層11上に、逆導電型半導体層14となるp型の非晶質シリコン層を5nmの膜厚で積層した。このときチャンバー内のガス圧力は2torr、RFパワーは20W、基板温度は200℃とした。
次いで、両面スパッタ装置を用いて基板の受光面側に反射防止層15となるITO層を85nmの膜厚で形成し、裏面側に緩衝層(不図示)となるITO層を40nmの膜厚にて積層した。
次に、裏面側のITO層上に裏面電極16となるAg層を0.2μmの膜厚でスパッタ法により形成した。
最後に、受光面電極17を形成するため、低温硬化型のエポキシ樹脂を含む銀ペーストを、スクリーン印刷法を用いて、受光面側のITO層上にパターン形成し、200℃の低温にて焼成を行った。
この際、200℃といった低温焼成を行うため、実質的に平坦な面上、または単結晶シリコン基板にアルカリ水溶液等でエッチング処理を施して形成したなだらかな自生的凹凸構造を有する面上に形成した受光面電極の下地に対する接着強度は、600℃以上で焼成するタイプのそれに比して大きく劣ることが知られているが、本発明例のようにリアクティブイオンエッチング法により、表面に微細な凹凸構造を形成した下地上に形成することにより、接着強度を大幅に向上させることが可能となる。これは、微細な凹凸構造によって、受光面電極と下地の接触面積が増加し、さらに受光面電極と下地の界面の角度を引っ張り方向に対して平行に近づけたことにより、接合強度向上が図られたものと考えられる。
以上のようにして本発明の製造方法に基づき、光電変換素子の実施例1の作製を行った。
また、実施例2〜4および比較例1及び2として、上記実施例1とは各半導体層の形成順のみを変えて光電変換素子を作製した。なお、それ以外の工程については実施例1と同様とした。
本発明の実施例1〜4ならびに比較例1及び2の各半導体層の形成順を表1に示す。
Figure 0005127252
最後に、本発明の実施例1〜4ならびに比較例1及び2の光電変換素子に、入射光強度が100mW/cm2に調整された擬似太陽光を照射し、特性評価を行った。特性評価結果を表2に示す。
Figure 0005127252
まず、実施例1〜4は、比較例1及び2に対して、特に開放電圧および曲率因子の点で優れていることが分かる。これは、実施例1〜4では、清浄な表面状態を有した基板の両表面に、自然酸化膜の成長が進行する前に、迅速に真性半導体層が形成されるため、低欠陥密度の接合を得ることができ、同界面での低い表面再結合速度を実現することができたためであると推察される。
次に、実施例1及び3は、実施例2及び4に対して、特に曲線因子が優れていることが分かる。これは、特に基板と真性半導体層について、pn接合側領域の接合品質がnn+接合側領域の接合品質よりも特性に与える影響が大きいことを示しており、実施例1及び3では、先に形成を行ったpn接合側領域において良好な内部電界が形成されたためであると推察される。
そして、実施例1は、実施例3に対して、短絡電流、開放電圧および曲率因子の全ての点で優れていることが分かる。これは、基板と逆導電型半導体層を形成する前に一導電型半導体層を形成したため、一導電型半導体層と真性半導体層との界面に逆接合等が形成されることなく、低欠陥密度のBSF構造が形成されたためであると推察される。
以上により、本発明の製造方法、特に半導体層の形成順を規定することにより、高い変換効率を有する光電変換素子を作製することが可能である。
なお、本発明例ではn型多結晶シリコン基板を用いた例について説明したが、p型多結晶シリコン基板、単結晶シリコン基板、または他の半導体基板を用いた際にも、同様の効果が期待できる。
従来の光電変換素子の製造方法を説明するための図である。 本発明の光電変換素子の製造方法によって形成した光電変換素子の一実施形態を示す図である。
符号の説明
1・・・n型単結晶シリコン基板
2・・・i型非晶質層
3・・・p型非晶質層
4・・・i型非晶質層
5・・・n型非晶質層
6・・・受光面側透明導電層
7・・・裏面側透明導電層
8・・・受光面側取出電極
9・・・裏面側取出電極
10・・n型多結晶シリコン基板
11・・第一の真性半導体層
12・・第二の真性半導体層
13・・一導電型半導体層
14・・逆導電型半導体層
15・・反射防止層
16・・裏面電極
17・・受光面電極

Claims (3)

  1. 一導電型を呈する結晶系半導体基板と、
    前記結晶系半導体基板の受光面に形成された第一の真性半導体層と、
    前記第一の真性半導体層上に形成され、前記結晶系半導体基板と逆の導電型を呈する逆導電型半導体層と、
    前記結晶系半導体基板の非受光面に形成された第二の真性半導体層と、
    前記第二の真性半導体層上に形成された一導電型半導体層と、
    前記逆導電型半導体層上に形成された受光面電極と、
    前記一導電型半導体層上に形成された裏面電極とを有して成る光電変換素子を製造する方法であって、
    前記結晶系半導体基板の受光面に前記第一の真性半導体層を形成した後に、前記結晶系半導体基板の非受光面に第二の真性半導体層を形成する工程と、
    前記第二の真性半導体層上に前記一導電型半導体層を形成した後、前記第一の真性半導体層上に前記逆導電型半導体層を形成する工程と、
    前記逆導電型半導体層を形成した後に、前記裏面電極および前記受光面電極を形成する工程とを備えた光電変換素子の製造方法。
  2. 前記結晶系半導体基板がn型であることを特徴とする請求項1に記載の光電変換素子の製造方法。
  3. 少なくとも一の前記真性半導体層は非単結晶相であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の光電変換素子の製造方法。
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