JP5126791B2 - 電流センサおよび電流値算出方法 - Google Patents

電流センサおよび電流値算出方法 Download PDF

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Description

本発明は、電流センサ及び電流値算出方法に関し、より詳細には、表皮効果および渦電流効果を考慮した電流導体の電流値を測定する電流センサ及び電流値算出方法に関する。
n本(nは2以上の自然数)の電流導体に対して、n+1個の磁気センサをそれら電流導体の周辺に置き、各磁気センサ出力の演算により、一様外部磁場において各電流導体に流れる電流の電流値を算出する方式が知られている(特許文献1参照)。
図8を参照して、この方式を説明する。図8には、n=3の場合が示してあり、L1、L2、及びL3は電流導体、S1、S2、S3、及びS4は磁気センサである。2つの磁気センサが1つの電流導体を挟む配置となっている。各電流導体L1〜L3に流れる電流をI1〜I3、一様外部磁場をHgとすると、各磁気センサS1〜S4の出力信号A1〜A4は、次式で表現することができる。
Figure 0005126791
ここで、係数a11〜a13は、1単位の電流が電流導体Li(i=1,2,3)だけに流れているときに得られる磁気センサA1の出力値である。係数a14は一様外部磁場Hgによる磁気センサA1の出力値である。係数a21〜a23は、1単位の電流が電流導体Li(i=1,2,3)だけに流れているときに得られる磁気センサA2の出力値である。係数a24は一様外部磁場Hgによる磁気センサA2の出力値である。a31〜a34、ag1〜ag4の場合も同様である。これらの係数aij、agi(i,j=1,2,3,4)を事前に測定して決定しておき、実測定では、式(2)のようにマトリックス逆演算することで電流値を求める。
Figure 0005126791
この方式は、三相導体を流れる電流がセンサ位置に作る磁束密度が、各電流導体を流れる電流の作る磁束密度の重ね合わせで表現できることを利用している。
また、一様外部磁場Hgの影響がなく、複数の電流導体に流れる電流値の間に一定の関係がある場合に、各相に流れる電流値の演算がより簡素化できる方式が知られている(特許文献2参照)。図9を参照して、この方式を説明する。図9では、電流導体が3本で、電流導体の間に2個の磁気センサを設置している。式(1)において、一様外部磁場を考慮しないでよい場合には、磁気センサが3個、電流もI1からI3の3個でよく、4×4の係数行列が3×3となる。更に、3つの電流の間で電流の和がゼロになるという関係を利用すると、I3=−(I1+I2)となり、未知電流値がI1とI2の2個、磁気センサ数も2個でよい。係数行列は2×2となる。具体的には、次式で電流I1,I2を算出することができる。
Figure 0005126791
特許第3579040号公報 特開2008−58035号公報
電流導体に流す電流が同じでも、電流の周波数が高くなってくると電流が流れる電流導体自体の内部電流密度分布が変わり、センサ位置での磁束密度値、位相が時間変化する。そして、時間変化する磁場中に置かれた電流導体には、渦電流が発生することが知られている。また、高い周波数の電流が流れる電流導体に隣接する電流導体には、時間変化する磁束密度が加わるので、渦電流が発生する。三相電流の場合には、他の2つの導体に渦電流が発生し、これらがセンサ位置での磁場に影響を与える。さらに、電流導体に高周波の電流を流す場合は、表皮効果により、これらの電流や電磁界が電流導体の表面付近に局限されて内部に入らなくなり、磁場測定に影響を与える。
このため、例えば、直流電流計測から係数aijを求めたとしても、上述したような渦電流や表皮効果の影響で、電流値誤差が数%から10%程度へと大きくなってしまうという問題があった。つまり、従来の電流センサにおいては、電流の周波数が高くなる場合や、電流導体間隔が小さくなる場合に、渦電流および表皮効果の影響を補正することができないため、正確な電流値を算出することができないという問題があった。特許文献1及び2には、単に重ね合わせの原理を用いて係数aijを算出する方法が記載されているだけであって、電流の周波数が高くなる場合や電流導体間隔が小さくなる場合に係数aijを求めるための具体的な方法については、何ら開示されていない。
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、表皮効果および渦電流の影響を考慮する必要がある電流値を測定する電流センサ及び電流値算出方法において、電流値の誤差を低減することにある。
このような目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、電流導体を流れる電流の電流値を測定する電流センサにおいて、前記電流が発生する磁界を検出する磁気センサと、前記磁気センサの出力値を、デジタル値に変換するAD変換部と、前記電流導体に直流電流を流したときの前記磁気センサの出力値と、前記電流導体に交流電流を流したときの前記磁気センサの出力値とに基づいて算出した補正係数を予め記憶する記憶部と、前記デジタル値、および前記補正係数に基づいて、前記電流導体に流れる電流の電流値を算出する演算部とを備えることを特徴とする。
また、請求項2に記載の発明は、電流導体を流れる電流の電流値を測定する電流センサにおいて、前記電流が発生する磁界を検出する磁気センサと、前記磁気センサの出力値を、デジタル値に変換するAD変換部と、前記デジタル値の1周期期間中のピーク値を検出するピーク検出部と、前記電流導体に直流電流を流したときの前記磁気センサの出力値と、前記電流導体に交流電流を流したときの前記磁気センサの出力値とに基づいて算出した補正係数を予め記憶する記憶部と、前記デジタル値、前記ピーク値、および前記補正係数に基づいて、前記電流導体に流れる電流の電流値を算出する演算部とを備えることを特徴とする。
また、請求項3に記載の発明は、請求項1または2において、前記補正係数は、直流感度係数Kdc、交流感度係数Kacおよび位相φに基づいて算出され、前記直流感度係数Kdcは、前記電流導体に直流電流を流したときの磁気センサの出力値を、前記直流電流の大きさで除算した値であり、前記交流感度係数Kacおよび前記位相φは、前記電流導体に交流電流を流したときの磁気センサの出力値と、前記電流導体に流した交流電流に直流感度係数Kdcを乗算した値との差分を、正弦波としてフィッティングした場合の振幅値および位相であることを特徴とする。
また、請求項4に記載の発明は、請求項3において、前記補正係数は、前記電流導体に交流電流を流したときの前記磁気センサの出力値を、前記直流感度係数Kdc、前記交流感度係数Kacおよび前記位相φを用いてそれぞれ近似した式を、前記交流電流について前記磁気センサの出力値の関数として解くことにより算出されることを特徴とする。
また、請求項5に記載の発明は、電流導体を流れる電流の電流値を測定する電流値算出方法において、前記電流が発生する磁界を、磁気センサにより検出するステップと、前記磁気センサの出力値を、デジタル値に変換するステップと、前記電流導体に直流電流を流したときの前記磁気センサの出力値と、前記電流導体に交流電流を流したときの前記磁気センサの出力値とに基づいて予め算出した補正係数を読み出すステップと、前記デジタル値、および前記補正係数に基づいて、前記電流導体に流れる電流の電流値を算出するステップとを含むことを特徴とする。
また、請求項6に記載の発明は、電流導体を流れる電流の電流値を測定する電流値算出方法において、前記電流が発生する磁界を、磁気センサにより検出するステップと、前記磁気センサの出力値を、デジタル値に変換するステップと、前記デジタル値の1周期期間中のピーク値を検出するステップと、前記電流導体に直流電流を流したときの前記磁気センサの出力値と、前記電流導体に交流電流を流したときの前記磁気センサの出力値とに基づいて予め算出した補正係数を読み出すステップと、前記デジタル値、前記ピーク値、および前記補正係数に基づいて、前記電流導体に流れる電流の電流値を算出するステップと
を含むことを特徴とする。
また、請求項7に記載の発明は、請求項5または6において、前記補正係数は、直流感度係数Kdc、交流感度係数Kacおよび位相φに基づいて算出され、前記直流感度係数Kdcは、前記電流導体に直流電流を流したときの磁気センサの出力値を、前記直流電流の大きさで除算した値であり、前記交流感度係数Kacおよび前記位相φは、前記電流導体に交流電流を流したときの前記磁気センサの出力値と、前記電流導体に流した交流電流に直流感度係数Kdcを乗算した値との差分を、正弦波としてフィッティングした場合の振幅値および位相であることを特徴とする。
また、請求項8に記載の発明は、請求項7において、前記第補正係数は、前記電流導体に交流電流を流したときの前記磁気センサの出力値を、前記直流感度係数Kdc、前記交流感度係数Kacおよび前記位相φを用いてそれぞれ近似した式を、前記交流電流について前記磁気センサの出力値の関数として解くことにより算出されることを特徴とする。
また、請求項9に記載の発明は、第1から第3の電流導体を流れる三相電流の電流値を測定する電流センサにおいて、前記三相電流が発生する磁界を検出する第1から第3の磁気センサと、前記第1から第3の磁気センサの出力値を、第1から第3のデジタル値に変換するAD変換部と、前記第1から第3の電流導体に直流電流を流したときの前記第1から第3の磁気センサの出力値と、前記第1から第3の電流導体に交流電流を流したときの前記第1から第3の磁気センサの出力値とに基づいて算出した第1から第3の補正係数を予め記憶する記憶部と、前記第1から第3のデジタル値に前記第1から第3の補正係数をそれぞれ乗算した値の和または差を演算して、前記第1から第3の電流導体に流れる電流の電流値を算出する演算部とを備えることを特徴とする。
また、請求項10に記載の発明は、請求項9において、前記第1から第3の補正係数は、9つの直流感度係数dcij、並びに9組の交流感度係数acij及びφij(i=1〜3;j=1〜3)に基づいて算出され、各直流感度係数dcijは、第j番目の電流導体に直流電流を流したときの第i番目の磁気センサの出力値を、前記直流電流の大きさで除算した値であり、各組の交流感度係数acij及びφijは、第j番目の電流導体に交流電流を流したときの第i番目の磁気センサの出力値と、前記第j番目の電流導体に流した交流電流に直流感度係数dcijを乗算した値との差分を、正弦波としてフィッティングした場合の振幅値および位相であることを特徴とする。
また、請求項11に記載の発明は、請求項10において、前記第1から第3の補正係数は、前記第1から第3の電流導体に三相電流である第1から第3の交流電流を流したときの前記第1から第3の磁気センサの出力値を、前記9つの直流感度係数dcij、並びに前記9組の交流感度係数acij及びφij(i=1〜3;j=1〜3)を用いてそれぞれ近似した式を、前記第1から第3の交流電流について前記第1から第3の磁気センサの出力値の関数として解くことにより算出されることを特徴とする。
また、請求項12に記載の発明は、第1から第3の電流導体を流れる三相電流の電流値を測定する電流値算出方法において、前記三相電流が発生する磁界を、第1から第3の磁気センサにより検出するステップと、前記第1から第3の磁気センサの出力値を、第1から第3のデジタル値に変換するステップと、前記第1から第3の電流導体に直流電流を流したときの前記第1から第3の磁気センサの出力値と、前記第1から第3の電流導体に交流電流を流したときの前記第1から第3の磁気センサの出力値とに基づいて予め算出した第1から第3の補正係数を読み出すステップと、前記第1から第3のデジタル値に前記第1から第3の補正係数をそれぞれ乗算した値の和または差を演算して、前記第1から第3の電流導体に流れる電流の電流値を算出するステップとを含むことを特徴とする。
また、請求項13に記載の発明は、請求項12において、前記第1から第3の補正係数は、9つの直流感度係数dcij、並びに9組の交流感度係数acij及びφij(i=1〜3;j=1〜3)に基づいて算出され、各直流感度係数dcijは、第j番目の電流導体に直流電流を流したときの第i番目の磁気センサの出力値を、前記直流電流の大きさで除算した値であり、各組の交流感度係数acij及びφijは、第j番目の電流導体に交流電流を流したときの第i番目の磁気センサの出力値と、前記第j番目の電流導体に流した交流電流に直流感度係数dcijを乗算した値との差分を、正弦波としてフィッティングした場合の振幅値および位相であることを特徴とする。
また、請求項14に記載の発明は、請求項13において、前記第1から第3の補正係数は、前記第1から第3の電流導体に三相電流である第1から第3の交流電流を流したときの前記第1から第3の磁気センサの出力値を、前記9つの直流感度係数dcij、並びに前記9組の交流感度係数acij及びφij(i=1、〜3;j=1〜3)を用いてそれぞれ近似した式を、前記第1から第3の交流電流について前記第1から第3の磁気センサの出力値の関数として解くことにより算出されることを特徴とする。
本発明によれば、電流導体に直流電流を流したときの磁気センサの出力値と電流導体に交流電流を流したときの磁気センサの出力値とに基づいて算出した補正係数と、磁気センサの実測定時の出力値とに基づいて、電流導体に流れる電流の電流値を算出することにより、表皮効果および渦電流の影響を考慮する必要がある電流値を測定する電流センサ及び電流値算出方法を提供することができる。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
実施形態1
(電流センサの構成)
実施形態1に係る電流センサは、単相の電流導体に交流電流が流れる場合に電流値を出力する電流センサである。
図1は、実施形態1に係る電流センサを示すブロック図である。電流センサ100は、単相電流が発生する磁場を測定する磁気センサ1と、磁気センサ1の出力に、オフセット補正処理、信号増幅および低域通過フィルター処理を施すアナログ信号処理部8と、アナログ信号処理部8から出力された信号をデジタル化するAD変換部9と、AD変換部9の出力値Bの1周期期間中のピーク値を検出するピーク検出部13と、AD変換部9の出力値B及びピーク検出部13の出力値Bmを用いて、単相電流の電流値を計算する電流演算部10とを備える。アナログ信号処理部8、AD変換部9、ピーク検出部13、および電流演算部10をまとめて、信号処理部7と呼ぶ。AD変換部9の出力値Bを磁気センサ1の位置において単相電流が発生する磁束密度とみなすことができる。
図2は、電流演算部の詳細を示す回路図である。14a、14b、及び14cは以下に説明する定数レジスタである。それぞれの定数を補正係数R1、R2、及びR3とする。電流振幅計算部15は、ピーク検出部13から出力される磁束密度ピーク値Bmを用いて、単相電流の電流振幅値I0を計算する。単相電流計算部16は、補正係数R1〜R3および電流振幅値I0を用いて、以下に説明する方式で電流値を演算する。内部演算は、積和演算器を用いたプログラム演算方式、若しくは、ハードウェア演算方式で構成することができる。定数レジスタ14a、14b、及び14cは、電流演算部10の外部に設けてもよい。
(電流値の算出方法)
図3は、単相電流値の計算方法を示すための電流導体と磁気センサの配置を示す概念図である。電流導体3には符号6で示す方向、紙面上方から下面に電流が流れる。磁気センサ1は、電流導体3のエッジ付近に設置され、図に示すX軸方向の磁束密度Bxを受け、対応する電圧出力を行う。電流導体3には次式で表現される単相電流Iが外部から駆動されるとする。
Figure 0005126791
0は電流振幅値、ωは角速度で、電流の変化周波数Freqを用いて、次式で表現される。
Figure 0005126791
上述の補正係数を求めるに当り、まず、直流感度係数および交流感度係数を定義し、決定する。「直流感度係数」とは、単位直流電流がセンサ位置に作る磁束密度を表す係数のこととする。また、「交流感度係数」とは、直流感度係数で表現できない交流変化分を正弦波として表現するときの振幅および位相を表す係数とする。これらは、電流導体の形状、および磁気センサの設置位置により決まる。
最初に直流感度係数を求める方法を説明する。図3の配置において、電流導体3に1A(または10A)の電流値の直流電流を流し、磁気センサ1の出力値を測定する。測定された出力値がAD変換部9によりデジタル化された値を直流感度係数Kdcとする。なお、実施形態1では一様外部磁場はないとして考えている。この一様外部磁場は、磁気センサを更に1個追加するか、1周期分の磁束密度信号を観測し、演算処理することで求めることが可能である。
次に、交流感度係数を求める方法を説明する。交流電流の作る磁場による電流導体の表皮効果は、流れる電流の周波数、電流導体の形状、周辺の磁性体、それらと電流導体の位置関係、電流導体と磁気センサの位置関係により変化する。電流導体の形状および磁気センサとの位置関係が固定された場合であっても、交流感度係数は電流の周波数依存性を有し、周波数毎の感度係数となる。そこで、電流導体に流れる電流の周波数を幾つか設定し、その周波数に対応する交流感度係数を求める。
実施形態1では、図3の配置において交流電流の周波数は500Hzである。電流ピーク値1A(または10A)の正弦波電流を電流導体3に流し、磁気センサ1の出力を測定する。用いた電流値I0での測定された磁束密度波形出力値の最大振幅値をBmax0とする。この出力波形は、電流導体3自体の表皮効果のために、直流感度係数を乗算して得られる正弦波電流波形と、電流ピーク値、位相が異なってくる。この直流感度係数を乗算して得られる正弦波電流波形は、後述の式6の第1項を求めることである。この磁束密度波形は、図3で電流導体3自体が表皮効果を受けない場合に相当する。この計算波形値を測定値から差し引いて、残差波形を作成する。次に、残差波形を正弦波としてフィッティングを行い、振幅値(磁気センサ1でのKac)及び位相(磁気センサ1でのφ)を求める。この振幅値および位相を交流感度係数とする。なお、位相を定数分ずらすことにより余弦波形としてフィッティングすることも可能である。
このようにして得られた直流感度係数および交流感度係数を用いて、実測定時に磁気センサ1に作られる磁束密度Bは次式で近似的に表現できる。
Figure 0005126791
外部から駆動される電流が、I0*sin(ω*t)で、これが求める電流値である。
Figure 0005126791
Figure 0005126791
とし、式6を変形すると、次式を得る。
Figure 0005126791
また、次式が成り立つ。
Figure 0005126791
式10の電流振幅値I0は、実測定時にピーク検出部13により求められる磁束密度のピーク振幅値Bmaxを用いて次式により求められる。
Figure 0005126791
Bmax 0及びI0はそれぞれ、交流感度係数を求めたときに使用したピーク磁束密度値および電流値振幅である。図2の電流振幅計算部15で、この計算がなされ保持され、単相電流計算部16に出力される。Bmax 0及びI0は、たとえば電流振幅計算部15内に格納しておけばよい。
この電流振幅値I0を用いて、式9と式10からX(求める電流値)について解くと次式を得る。
Figure 0005126791
解が2つでてくる。分子の第2項目の符号がプラスの場合をX1、マイナスの場合をX2とする。本実施形態の場合は、観測磁束密度Bの変化率が正の場合はX2の解を採用し、変化率が負の場合はX1を採用すると適切な解となる。この解の切り替わりは、観測磁束密度が正、または負のピーク位置にきた場合である。
図2の定数レジスタ14a、14b、14cに格納される補正係数R1、R2、R3は次の数値とすることができる。
Figure 0005126791
Figure 0005126791
Figure 0005126791
これらの定数は、直流感度係数および交流感度係数から事前に計算してレジスタに格納しておく。
単相電流計算部16では、定数レジスタに格納される定数R1〜R3、電流振幅値I0、観測磁束密度Bを用いて、式12の演算を行う。
なお、表皮効果の影響が小さく、位相のずれが小さい場合は、交流感度係数の位相φをゼロとして、次式を得る。
Figure 0005126791
交流感度係数の振幅Kacも小さいとすると、求める電流値は、直流感度係数から電流値を求める式となる。
本発明の電流センサを用いて、単相電流導体に流す交流周波数電流を制御する場合について説明する。上述のように交流電流による電流導体の表皮効果は、電流導体の形状、電流周波数に依存する。このため、事前に直流感度係数、交流感度係数を求める。交流感度係数は、上限の制御電流周波数に対して、何通りかの周波数で求めておく。電源オン時から、制御周波数が低い場合には、直流感度係数を用いて、作られる磁束密度から電流値を求めても大きな誤差はない。周波数が大きく表皮効果の対応が必要になった場合には、まずは直流感度係数から求められる電流値変化から、ゼロクロス時間の周期を求め、周波数を求め、これに対応した交流感度係数を用いて、表皮効果の補正をした電流値を、上述の計算回路、計算方式で求める。事前に求めた周波数毎の交流感度係数を用いて、周波数間の交流感度係数を補間により求めて利用することが可能である。
なお、本実施形態では、単相導体に流れる電流値を、1つの磁気センサで算出しているため、磁気センサ位置での磁束密度のピーク振幅値を求める必要があった。式(9)には、未知数として振幅値I0と時間変化(sin(ω/t))が含まれ、電流振幅計算部15で振幅値I0を求めて、式(9)を解いて電流値(I0*sin(ω/t))を算出したことになる。
これに対し、磁気センサを2個用いる場合はピーク振幅値を用いることなく電流値を算出することができる。具体的には、図3の単相電流導体と磁気センサの配置を示す概念図で、もう1つの磁気センサを追加し、単相電流導体の両側に磁気センサが配置されるようにする。この場合も、それぞれの磁気センサに対して上述の方法で直流感度係数、交流感度係数を求める。これにより、異なる係数の式(9)が2本得られるので、式(9)のX、Yについて解くことができ、求める電流値Xが得られる。
(実施例)
図3の構成で、磁気センサ1を、電流導体の表面上(X軸方向)1.0mm、Y軸方向4.0mmのところに設置した。また電流導体の形状は、断面がY軸方向の辺の長さ10mm、X軸方向の厚みは2mm。電流導体の材質は銅である。駆動電流のピーク電流値は100Aとし、周波数は500Hzとした。
図4は、本発明による電流測定と、従来の技術で測定された電流測定の電流測定誤差を示す特性図である。図4のΔdcは、観測磁束密度Bを直流感度係数だけを用いて電流に換算した値を、駆動電流値と比較して、誤差を振幅電流値(100A)で割って、%表示したものである。ΔX1、ΔX2は、式12を用いて計算した電流値を駆動電流値と比較して誤差を%表示したものである。Δdcでは、最大振幅誤差が6%程度になっている。ΔX1、ΔX2は式12を1周期に渡って計算し、誤差を表示しているが、観測磁束密度Bの変化率の正、負に応じて解をX1、X2の間で切り替えると、誤差は、ほとんどゼロの軌跡となる。つまり、0.5msから1.5msの区間ではΔX2の誤差、1.5msから2.5msの区間ではΔX1の誤差となる。これにより交流感度係数を用いた電流値計算により電流誤差が大幅に改善されることが分かる。
実施形態2
(電流センサの構成)
実施形態2に係る電流センサは、3相モータ駆動制御で用いられる電流導体用電流センサである。
図5は、本実施形態2に係る電流センサを示すブロック図である。電流センサ100は、三相電流が発生する磁場を測定する磁気センサ1a、1bおよび1cと、磁気センサ1a、1bおよび1cの出力に、オフセット補正処理、信号増幅および低域通過フィルター処理を施すアナログ信号処理部8と、アナログ信号処理部8から出力された信号を、デジタル化するAD変換部9と、電流値計算を行うときに使用する補正係数を格納する定数レジスタ17と、AD変換部9の出力値と定数レジスタ17の補正係数を使用して三相電流の電流値を計算する電流演算部10とを備える。定数レジスタ17には、電流演算部10で直接利用できる補正定数ではなく、直流感度係数および交流感度係数をそのまま格納してもよい。補正係数については後述する。電流演算部はCPUを利用したプログラム処理方式、ハードウェア演算器で直接演算する方式などで構成することができる。
(電流値の算出方法)
図6は、3相電流値の計算方法を示すための電流導体と磁気センサの配置を示す概念図である。電流導体3、4、5には符号6で示す方向、紙面上方から下面に正の電流が流れる。磁気センサ1aは、電流導体1と2の中間に設置され、図に示すX軸方向の磁束密度Bxを受け、対応する電圧出力を行う。磁気センサ1bは、電流導体4と5の中間で、電流導体間の磁気センサ1aと同様の位置に設置される。磁気センサ1cは電流導体4に対する磁気センサ1bに相当する位置に、電流導体5を基準として配置されている。
電流導体3、4、5には次式で表現される電流I1、I2、I3が外部から駆動される。
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ここで、I0はピーク電流値であり、角周波数ωは式(20)で表される。周波数Freqは、モータ制御インバータの場合は駆動モータの構造および回転数に依存して決まる値である。
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電流センサは、これらの電流導体に流れる駆動電流値を求めるために利用されるが、単相電流測定の例で述べたように、電流周波数が高くなると電流導体自体の表皮効果や、隣接する電流導体に発生する渦電流の影響、周囲に設置された磁性体により、多くの干渉効果を受ける。これらの干渉効果を直流感度係数と交流感度係数を用いて表現し、観測磁束密度Bより駆動電流を求める。
最初に直流感度係数を求める。図6の配置において、電流導体3に直流電流1A(または10A)を流し、磁気センサ1a、1bおよび1cの出力値を測定する。測定された出力値がデジタル化された値を、それぞれ直流感度係数Kdc11、Kdc21、Kdc31とする。同様に、電流導体4だけに1Aの直流電流を流し、磁気センサ1a、1bおよび1cから得られる出力値から直流感度係数Kdc12、Kdc22、Kdc32を求める。また、電流導体5だけに1Aの直流電流を流し、磁気センサ1a、1bおよび1cの出力値から直流感度係数Kdc13、Kdc23、Kdc33を求める。なお、本実施形態では一様外部磁場はBexとして扱う。1単位の一様外部磁場による磁気センサ1a、1bおよび1cの出力値を一様外部磁場感度係数k13、k23およびk33とする。
次に交流感度係数を求める方法を説明する。すでに述べたように、交流感度係数は周波数に依存するので、電流導体の配置を考慮して、幾つかの交流電流周波数毎に求める。図6の配置において、交流電流の周波数を500Hzとして、電流ピーク1Aの交流電流を電流導体3に流し、磁気センサ1a、1bおよび1cの出力値を測定する。この際には、電流導体4、5には電流を流さない。電流導体3に流れる電流が作る磁場の影響で電流導体4、5に渦電流が発生し、この効果が各磁気センサに反映される。
この出力値である交流磁束密度波形から、交流周波数500Hz、ピーク電流値1Aの正弦波に各センサ位置の直流感度係数をかけて、計算で生成した磁束密度波形を差し引き、差分磁束密度波形とする。この差分磁束密度波形を振幅値Kac、位相(ω*t+φ)の正弦波としてフィッティングし、振幅値Kac、位相φを求め、これらを交流感度係数とする。電流導体3に1Aを流したときの、磁気センサ1a、1bおよび1cの交流感度係数を、それぞれ、(Kac11、φ11)、(Kac21、φ21)および(Kac31、φ31)とする。同様に、電流導体4だけに1A、500Hzの交流電流を流し、各磁気センサ1a、1bおよび1cの出力値を測定する。電流導体4に直流電流を流して求めた直流感度係数と、500Hzの正弦波から計算される磁束密度波形を、この観測値から差し引いて差分磁束密度波形とする。上記と同様に、この差分磁束密度波形を振幅値Kacと位相(ω*t+φ)の正弦波としてフィッティングし、振幅値Kac、位相φを求め、これらを交流感度係数とする。同様の操作を電流導体5についても行い、交流電流係数を求める。
このようにして得られた直流感度係数および交流感度係数を用いて、磁気センサ1a、1bおよび1cに作られる磁束密度は次式(式(21)から式(29))で近似的に表現できる。B11、B12、およびB13は、それぞれ電流導体3、4、および5に周波数ωで電流を流したときに磁気センサ1aに作られる磁束密度である。各式ともに、第1項は直流感度係数により作られる磁束密度成分であり、第2項は交流感度係数により作られる磁束密度成分となる。同様にB21、B22、およびB23は、それぞれ電流導体3、4、および5に周波数ωで電流を流したときに磁気センサ1bに作られる磁束密度である。B31、B32,およびB33についても同様である。
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3相の電流導体に電流を流したときに磁気センサ1a、1bおよび1cに作られる磁束密度は重ね合わせができ、それぞれ次式(式(30)、式(31)および式(32))のB1、B2、およびB3となる。ここでB1、B2およびB3は、時間変化する観測磁束密度である。Bexは一様外部磁場である。
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式(30)、式(31)および式(32)は次の形に展開できる。
Figure 0005126791
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ここで、各係数k11〜k32は次式(式(36)〜式(41))の通りである。
Figure 0005126791
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これらの係数kij(i,j=1,2,3)は、事前に求めた直流感度係数および交流感度係数から計算できる。
式(33)〜式(35)は、まとめて次式で表現される。
Figure 0005126791
式(42)を逆に解いて、
Figure 0005126791
外部一様磁場Bexが、この演算で求められる。
3相電流導体を流れる電流は式(17)、式(18)および式(19)であった。各式を次のように展開することで、式(43)の結果を用いて電流値が計算できる。
Figure 0005126791
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図5の電流演算部10では、磁気センサにより観測された磁束密度B1、B2、およびB3と直流感度係数、交流感度係数より計算される定数kijを用いて、式(43)の行列式の逆演算が行われ、式(44)、式(45)、および式(46)により三相電流導体に流れる電流値I1、I2、およびI3が計算される。
具体的に次に示す。式(43)のkijの逆マトリックスを計算した結果が次式(44)のrijのマトリックスになったとする。
Figure 0005126791
式(43)の左辺の項を式(44)から式(46)の右辺に代入して、磁束密度B1からB3についてまとめると次式となる。
Figure 0005126791
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Figure 0005126791
電流値I1、I2およびI3の表現式の各B1、B2およびB3の係数は前記のマトリックス係数kijから事前に計算される。これらの係数を予め定数レジスタ17に格納しておき、磁束密度B1、B2およびB3と積、および和の演算を行うことで電流値が計算される。
式(43)の右辺の逆行列式の係数は、電流の周波数が低く、表皮効果、隣接電流導体の渦電流の効果が小さい場合には、交流感度係数の位相の項をゼロにした逆行列係数にしてもよい。この場合は、直流感度係数Kdcからなる係数を、交流感度係数Kacで補正した係数となる。
モータ制御を行う場合、最初に幾つかの電流周波数での直流、交流感度係数を準備する。低回転周波数では、直流感度補正係数だけで電流値を計算し制御をしても大きな問題はないが、回転周波数が上がり、表皮効果、渦電流の効果が出てくると計算電流値に誤差が大きくなり制御効率が悪くなってくる。これを避けるために事前に設定した回転数以上の場合には電流出力の演算を直流、交流感度係数を用いた演算に切り替える。回転周波数の検出は、インバータ制御機器の場合は、付属のエンコーダ出力を利用することも可能である。また、単相電流制御で説明したように、直流感度補正係数から計算した電流値変化よりゼロクロス変化点を記憶して、1周期時間から周波数を求めることもできる。電流を演算して求めるにあたり、周波数が事前に測定して求めた周波数でない場合は、すでにある感度係数から内挿して補正係数セットを作成し利用することも可能である。
一様外部磁場Bexが無視できる場合には、式(42)の行列式を2x2に縮小することが可能である。この場合も、I0*cos(ω*t)とI0*sin(ω*t)について式(42)を解くことで、電流値I1、I2およびI3を計算することができる。
(実施例)
図6の構成において、磁気センサ1a、1b、および1cを電流導体の表面上(X軸方向)3.5mmのところに設置した。磁気センサ1a、1bのY軸方向位置は、電流導体の中間で、磁気センサ1cも電流導体5の右側で、Y軸方向に電流導体間の距離の1/2移動した場所に設置。電流導体の断面は10mmx2mm(厚み)、材質は銅である。三相電流のピーク電流値は200Aとし、電流導体3,4、および5の位相差は2/3πずれている。周波数は500Hzとした。
図7は、本発明による電流測定と、従来の技術で測定された電流測定の電流測定誤差を示す特性図である。電流導体3、4を流れる電流I1,I2について示した。直流感度係数だけを使って求めた電流値と、駆動電流値を比較して、その差分をピーク電流値200Aで割った値を誤差とした。縦軸を誤差(%)とし、横軸は、時間(ms)としている。
電流I1及びI2と真の電流値との誤差を、それぞれΔI1(w/o)及びΔI2(w/o)とする。従来の方法では、ΔI1(w/o)及びΔI2(w/o)は、それぞれ2%及び1%程度となっている。これに対し、本発明に係る電流センサを用いて算出した電流値I1及びI2と真の電流値との誤差をΔI1及びΔI2とすると、誤差ΔI1及びΔI2がほとんどゼロとなっている。ΔI1(w/o)及びΔI2(w/o)と、ΔI1及びΔI2との比較により、本発明に係る電流センサを用いることで、誤差を大幅に低減できることが分かる。
実施形態1に係る電流センサを示すブロック図である。 電流演算部の詳細を示す回路図である。 単相電流導体と磁気センサの配置を示す概念図である。 実施形態1による電流測定と従来の技術で測定された電流測定の電流測定誤差を示す特性図である。 実施形態2に係る電流センサを示すブロック図である。 3相電流導体と磁気センサの配置を示す概念図である 実施形態2による電流測定と従来の技術で測定された電流測定の電流測定誤差を示す特性図である。 従来技術1を説明する図である。 従来技術2を説明する図である。
符号の説明
1、1a、1b、1c 磁気センサ
3、4、5 電流導体
6 電流の流れる方向を示す矢印
7 信号処理部
8 アナログ信号処理部
9 AD変換部
10 電流演算部(演算部に対応)
13 ピーク検出部
14a、14b、14c 定数レジスタ(記憶部に対応)
15 電流振幅計算部
16 単相電流計算部
17 定数レジスタ(記憶部に対応)

Claims (14)

  1. 電流導体を流れる電流の電流値を測定する電流センサにおいて、
    前記電流が発生する磁界を検出する磁気センサと、
    前記磁気センサの出力値を、デジタル値に変換するAD変換部と、
    前記電流導体に直流電流を流したときの前記磁気センサの出力値と、前記電流導体に交流電流を流したときの前記磁気センサの出力値とに基づいて算出した補正係数を予め記憶する記憶部と、
    前記デジタル値、および前記補正係数に基づいて、前記電流導体に流れる電流の電流値を算出する演算部と
    を備えることを特徴とする電流センサ。
  2. 電流導体を流れる電流の電流値を測定する電流センサにおいて、
    前記電流が発生する磁界を検出する磁気センサと、
    前記磁気センサの出力値を、デジタル値に変換するAD変換部と、
    前記デジタル値の1周期期間中のピーク値を検出するピーク検出部と、
    前記電流導体に直流電流を流したときの前記磁気センサの出力値と、前記電流導体に交流電流を流したときの前記磁気センサの出力値とに基づいて算出した補正係数を予め記憶する記憶部と、
    前記デジタル値、前記ピーク値、および前記補正係数に基づいて、前記電流導体に流れる電流の電流値を算出する演算部と
    を備えることを特徴とする電流センサ。
  3. 前記補正係数は、直流感度係数Kdc、交流感度係数Kacおよび位相φに基づいて算出され、
    前記直流感度係数Kdcは、前記電流導体に直流電流を流したときの磁気センサの出力値を、前記直流電流の大きさで除算した値であり、
    前記交流感度係数Kacおよび前記位相φは、前記電流導体に交流電流を流したときの磁気センサの出力値と、前記電流導体に流した交流電流に直流感度係数Kdcを乗算した値との差分を、正弦波としてフィッティングした場合の振幅値および位相であることを特徴とする請求項1または2に記載の電流センサ。
  4. 前記補正係数は、前記電流導体に交流電流を流したときの前記磁気センサの出力値を、前記直流感度係数Kdc、前記交流感度係数Kacおよび前記位相φを用いてそれぞれ近似した式を、前記交流電流について前記磁気センサの出力値の関数として解くことにより算出されることを特徴とする請求項3に記載の電流センサ。
  5. 電流導体を流れる電流の電流値を測定する電流値算出方法において、
    前記電流が発生する磁界を、磁気センサにより検出するステップと、
    前記磁気センサの出力値を、デジタル値に変換するステップと、
    前記電流導体に直流電流を流したときの前記磁気センサの出力値と、前記電流導体に交流電流を流したときの前記磁気センサの出力値とに基づいて予め算出した補正係数を読み出すステップと、
    前記デジタル値、および前記補正係数に基づいて、前記電流導体に流れる電流の電流値を算出するステップと
    を含むことを特徴とする電流値算出方法。
  6. 電流導体を流れる電流の電流値を測定する電流値算出方法において、
    前記電流が発生する磁界を、磁気センサにより検出するステップと、
    前記磁気センサの出力値を、デジタル値に変換するステップと、
    前記デジタル値の1周期期間中のピーク値を検出するステップと、
    前記電流導体に直流電流を流したときの前記磁気センサの出力値と、前記電流導体に交流電流を流したときの前記磁気センサの出力値とに基づいて予め算出した補正係数を読み出すステップと、
    前記デジタル値、前記ピーク値、および前記補正係数に基づいて、前記電流導体に流れる電流の電流値を算出するステップと
    を含むことを特徴とする電流値算出方法。
  7. 前記補正係数は、直流感度係数Kdc、交流感度係数Kacおよび位相φに基づいて算出され、
    前記直流感度係数Kdcは、前記電流導体に直流電流を流したときの磁気センサの出力値を、前記直流電流の大きさで除算した値であり、
    前記交流感度係数Kacおよび前記位相φは、前記電流導体に交流電流を流したときの前記磁気センサの出力値と、前記電流導体に流した交流電流に直流感度係数Kdcを乗算した値との差分を、正弦波としてフィッティングした場合の振幅値および位相であることを特徴とする請求項5または6に記載の電流値算出方法。
  8. 前記第補正係数は、前記電流導体に交流電流を流したときの前記磁気センサの出力値を、前記直流感度係数Kdc、前記交流感度係数Kacおよび前記位相φを用いてそれぞれ近似した式を、前記交流電流について前記磁気センサの出力値の関数として解くことにより算出されることを特徴とする請求項7に記載の電流値算出方法。
  9. 第1から第3の電流導体を流れる三相電流の電流値を測定する電流センサにおいて、
    前記三相電流が発生する磁界を検出する第1から第3の磁気センサと、
    前記第1から第3の磁気センサの出力値を、第1から第3のデジタル値に変換するAD変換部と、
    前記第1から第3の電流導体に直流電流を流したときの前記第1から第3の磁気センサの出力値と、前記第1から第3の電流導体に交流電流を流したときの前記第1から第3の磁気センサの出力値とに基づいて算出した第1から第3の補正係数を予め記憶する記憶部と、
    前記第1から第3のデジタル値に前記第1から第3の補正係数をそれぞれ乗算した値の和または差を演算して、前記第1から第3の電流導体に流れる電流の電流値を算出する演算部と
    を備えることを特徴とする電流センサ。
  10. 前記第1から第3の補正係数は、9つの直流感度係数dcij、並びに9組の交流感度係数acij及びφij(i=1〜3;j=1〜3)に基づいて算出され、
    各直流感度係数dcijは、第j番目の電流導体に直流電流を流したときの第i番目の磁気センサの出力値を、前記直流電流の大きさで除算した値であり、
    各組の交流感度係数acij及びφijは、第j番目の電流導体に交流電流を流したときの第i番目の磁気センサの出力値と、前記第j番目の電流導体に流した交流電流に直流感度係数dcijを乗算した値との差分を、正弦波としてフィッティングした場合の振幅値および位相であることを特徴とする請求項9に記載の電流センサ。
  11. 前記第1から第3の補正係数は、前記第1から第3の電流導体に三相電流である第1から第3の交流電流を流したときの前記第1から第3の磁気センサの出力値を、前記9つの直流感度係数dcij、並びに前記9組の交流感度係数acij及びφij(i=1〜3;j=1〜3)を用いてそれぞれ近似した式を、前記第1から第3の交流電流について前記第1から第3の磁気センサの出力値の関数として解くことにより算出されることを特徴とする請求項10に記載の電流センサ。
  12. 第1から第3の電流導体を流れる三相電流の電流値を測定する電流値算出方法において、
    前記三相電流が発生する磁界を、第1から第3の磁気センサにより検出するステップと、
    前記第1から第3の磁気センサの出力値を、第1から第3のデジタル値に変換するステップと、
    前記第1から第3の電流導体に直流電流を流したときの前記第1から第3の磁気センサの出力値と、前記第1から第3の電流導体に交流電流を流したときの前記第1から第3の磁気センサの出力値とに基づいて予め算出した第1から第3の補正係数を読み出すステップと、
    前記第1から第3のデジタル値に前記第1から第3の補正係数をそれぞれ乗算した値の和または差を演算して、前記第1から第3の電流導体に流れる電流の電流値を算出するステップと
    を含むことを特徴とする電流値算出方法。
  13. 前記第1から第3の補正係数は、9つの直流感度係数dcij、並びに9組の交流感度係数acij及びφij(i=1〜3;j=1〜3)に基づいて算出され、
    各直流感度係数dcijは、第j番目の電流導体に直流電流を流したときの第i番目の磁気センサの出力値を、前記直流電流の大きさで除算した値であり、
    各組の交流感度係数acij及びφijは、第j番目の電流導体に交流電流を流したときの第i番目の磁気センサの出力値と、前記第j番目の電流導体に流した交流電流に直流感度係数dcijを乗算した値との差分を、正弦波としてフィッティングした場合の振幅値および位相であることを特徴とする請求項12に記載の電流値算出方法。
  14. 前記第1から第3の補正係数は、前記第1から第3の電流導体に三相電流である第1から第3の交流電流を流したときの前記第1から第3の磁気センサの出力値を、前記9つの直流感度係数dcij、並びに前記9組の交流感度係数acij及びφij(i=1、〜3;j=1〜3)を用いてそれぞれ近似した式を、前記第1から第3の交流電流について前記第1から第3の磁気センサの出力値の関数として解くことにより算出されることを特徴とする請求項13に記載の電流値算出方法。
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