JP5123613B2 - 孔版印刷用エマルジョンインキ - Google Patents

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Description

本発明は、青色顔料と黄色顔料とを混合してなり、環境負荷物質であるヘキサクロロベンゼンを含有せず、緑顔料単体とほぼ同レベルの鮮やかな色調を有する代替緑顔料を用いた感熱孔版印刷用エマルジョンインキに関する。
孔版印刷方法は、周知のように穿孔部を有する孔版印刷原紙(孔版)を用い、この孔版の穿孔部を介して孔版の一方の側より他方の側にインキを移動させることにより、紙などの被印刷物面に印刷を行う方法である。この孔版印刷方法では、通常、揮発性溶剤、不揮発性溶剤、樹脂、着色剤、界面活性剤、水、凍結防止剤、電解質、及び防腐剤を含有する油中水型(W/O型)エマルジョンインキが使用されている。
このような孔版印刷用エマルジョンインキにおいて、現在市場に流通している緑顔料の大部分は銅フタロシアニン(C.I.Pigment Green7又はC.I.Pigment Green36)である。これらの緑顔料には銅フタロシアニンを塩素化処理する際に生じるヘキサクロロベンゼンが極微量含有されている。このヘキサクロロベンゼンは化審法第一種規制物質及び輸出貿易管理令別表に該当する物質である。中でも輸出貿易管理令に関してはその含有量に関係無く、日本国内から海外へ輸出する場合にはその使用量及び含有量等を経済産業省へ届け出る必要がある。
昨今、環境問題が注目されている中、各顔料メーカーにおいて、青色顔料と黄色顔料とを混合してなるヘキサクロロベンゼンを含有しない代替緑顔料が検討されている。
例えば特許文献1には、各種青色顔料及び黄色顔料を混合することに加え、白色顔料を7質量%〜20質量%含有することによって紙種の影響を受けにくくできる孔版印刷用エマルジョンインキが提案されている。
また、特許文献2には、色相の異なる2種以上の有彩色顔料を使用する孔版印刷用有彩色エマルジョンインキが提案されている。
また、特許文献3には、着色剤が青色着色剤及び黄色着色剤からなり、ハロゲン成分を含まない孔版印刷用エマルジョンインキが提案されている。
しかし、これら先行技術文献では、青色顔料及び黄色顔料の狙いとする色調及び顔料を混合した際の緑インキの色調が明確に記載されていない。
また、前記特許文献1によれば、白色顔料を7質量%〜20質量%含有させることにより印刷する紙種(下地)の影響は受けにくくなるものの、インキ化した場合の色調的にはくすむ方向に推移するため、緑顔料単体と同レベルの鮮やかな色調を得ることは困難である。
したがって現在も経済産業省に届け出を行い、環境負荷物質であるヘキサクロロベンゼンを含有する緑顔料を使用しており、青色顔料と黄色顔料とを混合してなるヘキサクロロベンゼンを含有しない代替緑顔料の速やかな提供が望まれているのが実情である。
特開2002−47439号公報 特開2002−69356号公報 特開2006−328120号公報
本発明は、従来における前記問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、青色顔料と黄色顔料とを混合してなり、環境負荷物質であるヘキサクロロベンゼンを含有せず、緑顔料単体とほぼ同レベルの鮮やかな色調(L値が60以上、a値が−40以下、b値が0以下)を有する代替緑顔料を用いた孔版印刷用エマルジョンインキを提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> 青色顔料及び黄色顔料を含む着色剤を少なくとも含有する孔版印刷用エマルジョンインキであって、
前記インキのL値が60以上、a値が−40以下、b値が0以下であることを特徴とする孔版印刷用エマルジョンインキである。
<2> 油相10質量%〜90質量%及び水相90質量%〜10質量%からなり、該油相及び水相の少なくともいずれか中に着色剤及び樹脂を含有する前記<1>に記載の孔版印刷用エマルジョンインキである。
<3> 青色顔料の含有量が、着色剤全量に対し85質量%〜90質量%である前記<1>から<2>のいずれかに記載の孔版印刷用エマルジョンインキである。
<4> 青色顔料の少なくとも1種が、銅フタロシアニンのバリウム塩である前記<1>から<3>のいずれかに記載の孔版印刷用エマルジョンインキである。
<5> 青色顔料を含む顔料分散液のa値が−15以下であり、かつL値が50以上である前記<1>から<4>のいずれかに記載の孔版印刷用エマルジョンインキである。
<6> 黄色顔料を含む顔料分散液のa値が−5以下である前記<1>から<5>のいずれかに記載の孔版印刷用エマルジョンインキである。
<7> 顔料分散液が、顔料分散剤及び油溶性樹脂を含有する前記<5>から<6>のいずれかに記載の孔版印刷用エマルジョンインキである。
<8> 油相中に体質顔料を含有する前記<2>から<7>のいずれかに記載の孔版印刷用エマルジョンインキである。
<9> 体質顔料の含有量が、インキ全量に対し5質量%以下である前記<8>に記載の孔版印刷用エマルジョンインキである。
<10> 油相中に白色顔料を含有する前記<2>から<9>のいずれかに記載の孔版印刷用エマルジョンインキである。
<11> 白色顔料の含有量が、インキ全量に対し5質量%以下である前記<10>に記載の孔版印刷用エマルジョンインキである。
本発明の孔版印刷用エマルジョンインキは、青色顔料及び黄色顔料を含む着色剤を少なくとも含有してなり、前記インキのL値が60以上、a値が−40以下、b値が0以下である。
本発明の孔版印刷用エマルジョンインキにおいては、環境負荷物質であるヘキサクロロベンゼンを含有せず、緑顔料単体とほぼ同レベルの鮮やかな色調(L値が60以上、a値が−40以下、b値が0以下)を有し、青色顔料と黄色顔料とを混合してなる代替緑顔料を用いているので、環境性及び安全性に優れたものである。
本発明によると、従来における前記問題を解決することができ、青色顔料と黄色顔料とを混合してなり、環境負荷物質であるヘキサクロロベンゼンを含有せず、緑顔料単体とほぼ同レベルの鮮やかな色調(L値が60以上、a値が−40以下、b値が0以下)を有する代替緑顔料を用いた孔版印刷用エマルジョンインキを提供することができる。
本発明の孔版印刷用エマルジョンインキ(以下、単に「インキ」と称することもある)は、青色顔料及び黄色顔料を含む着色剤を少なくとも含有してなり、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
前記インキは、油相10質量%〜90質量%及び水相90質量%〜10質量%からなり、該油相及び水相の少なくともいずれか中に着色剤及び樹脂を含有することが好ましい。
−着色剤−
本発明においては、比較的彩度の高い顔料と、そうでない顔料とを混合することによって極力色のくすみを低減し、緑顔料単体とほぼ類似の色調(L値が60以上、a値が−40以下、b値が0以下)を得ることができる。
ここで、前記L値、前記a値、及び前記b値は、CIE(国際照明委員会)1976 L表色系(JIS Z8729−1980)による。L値は明度、a値は低いと緑、高いと赤、b値は低いと青、高いと黄を示し、3軸が直交する三次元空間で表現され、色調測定機により測定することができる。
通常、青色顔料と黄色顔料を混合すると単色青顔料と単色黄顔料の色調を基点にa値がマイナス側に膨らむような変化が起こる。L値の低い青色顔料及び黄色顔料、a値が高い青色顔料及び黄色顔料を使用すると、この膨らみが小さくなり、その結果、くすんだ色調の緑色となってしまう。
青色顔料と黄色顔料との混合系において、L値については彩度の高い顔料を使用するか、又は顔料濃度を下げることで調整が可能である。b値については青色顔料の混合比率を多くすることで調整が可能である。a値については顔料単体のa値が大きく寄与するため、a値が低い青色顔料及び黄色顔料を選定することが彩度の高い緑の色調を得るためのポイントとなる。
現在市場に流通している黄色顔料としては、多種多様なものがありそれぞれ色調も様々である。一方、青色顔料については、現在一般的に使用されているのが銅フタロシアニン(C.I.Pigment Blue15:3又はC.I.Pigment Blue15:4)であり、黄色顔料と比較すると種類が少ない。一般的に、銅フタロシアニンの色調はa値が0付近、b値が−50前後であり単色青顔料としては非常に優れた色調であると言えるが、本発明のように極力a値を低くしたい場合には必ずしも十分であるとは言えない。
したがって、本発明においては、b値を目的とする色調に近づけるため、青色顔料の含有量が着色剤全量に対し85質量%〜90質量%であることが好ましい。また、黄色顔料の含有量が着色剤全量に対し8質量%〜15質量%であることが好ましい。
前記青色顔料の含有量が、85質量%未満であると、黄色寄りに色調が推移してしまうため、色的にはb値が高い黄緑色に近い色調となってしまうことがある。一方、前記青色顔料の含有量が90質量%を超えるか、又は黄色顔料の含有量が8質量%未満となった場合には青色寄りに色調に推移してしまうため、色的にはa値が低い(L値も低くなる)青緑色に近い色調となってしまうことがある。
前記青色顔料の少なくとも1種が銅フタロシアニンのバリウム塩であることが、L値を高くすること、及びa値を低くする点から好ましい。
このような青色顔料を含む顔料分散液のa値は−15以下であり、かつL値が50以上であること好ましい。前記a値が−15を超えると、色調は緑味から赤味の方向へ推移し、L値が50未満であると、暗い色調となってしまう。その結果、くすんだ色調の緑となることがある。
なお、前記青色顔料としては、その他の青色顔料を併用することもでき、該その他の青色顔料としては、例えば通常のフタロシアニン系顔料などが挙げられ、該フタロシアニン系顔料としては、Cu、Ni、Co、Feなどの金属が配位したものでもよく、無金属のものでもよい。これらの中でも、無金属のフタロシアニン系顔料は通常の金属が配位したフタロシアニン系顔料よりもa値が低くなるので特に好ましい。前記その他の青色顔料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、C.I.Pigment Blue15、C.I.Pigment Blue15:2、C.I.Pigment Blue15:3、C.I.Pigment Blue15:4、C.I.Pigment Blue15:5、C.I.Pigment Blue15:6、C.I.Pigment Blue16、C.I.Pigment Blue60、C.I.Pigment Blue64、C.I.Pigment Blue66、などが挙げられる。これらの顔料は1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記黄色顔料を含む顔料分散液のa値が−5以下であることが好ましい。前記a値が−5を超えると、黄色自体の色調が赤味へ推移することにより、青色と混合した場合にa値のふくらみが足りず、結果として、くすんだ色調の緑となることがある。
前記黄色顔料については、目的とする色調が得られれば特に制限はなく、適宜選択することができ、例えばジスアゾイエロー系顔料、ベンズイミダゾロン系顔料、イソインドリン系顔料、フラバンズロン系顔料、アンスラビリミジン系顔料、アンスラキノン系顔料、キノリノキノロン系顔料、フルオロフラビン系顔料、フルオルビン系顔料、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
また、前記顔料とは別に蛍光顔料も併用することができる。該蛍光顔料としては、合成樹脂を塊状重合する際、又は重合した後に様々な色相を発色する蛍光染料を溶解又は染着し、得られた着色塊状樹脂を粉砕して微細化した所謂、合成樹脂固溶体タイプのもので、染料を担持する合成樹脂としては、例えばメラミン樹脂、尿素樹脂、スルホンアミド樹脂、アルキド樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂などを染料に担持する蛍光顔料などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
油相及び水相の少なくともいずれかに分散された前記着色剤の平均粒子径は、0.1μm〜10μmが好ましく、0.1μm〜1.0μmがより好ましい。
前記着色剤の前記インキにおける含有量は、2質量%〜15質量%が好ましく、4質量%〜10質量%がより好ましい。
前記着色剤としての顔料は、前記インキの油相及び水相の少なくともいずれか中にそのまま単独で添加してもよいし、顔料を含む顔料分散液としたものを添加してもよい。
一般的に顔料を分散した顔料分散液の色調は顔料の分散レベルによって異なる。即ち、分散性が良ければ色調は鮮やかになり、逆に分散性が悪ければくすんだ色調となってしまう。本発明のインキでは、前記顔料分散液が顔料分散剤と油溶性樹脂とを含有することによって顔料の分散効果が向上し、かつ分子同士の立体障害効果も期待でき、結果として経時での顔料凝集などの不具合も防止できる。
−顔料分散剤−
前記顔料分散剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えばアルキルアミン系高分子化合物、アルミニウムキレート化合物、スチレン-無水マレイン酸系共重合高分子化合物、ポリカルボン酸エステル型高分子化合物、脂肪族系多価カルボン酸、高分子ポリエステルのアミン塩類、エステル型アニオン界面活性剤、高分子量ポリカルボン酸の長鎖アミン塩類、長鎖ポリアミノアミドと高分子酸ポリエステルの塩、ポリアミド系化合物、燐酸エステル系界面活性剤、アルキルスルホカルボン酸塩類、α−オレフィンスルホン酸塩類、ジオクチルスルホコハク酸塩類、などが挙げられる。これら以外にもインキの保存安定性を阻害しない範囲であれば、イオン系界面活性剤、両親媒性界面活性剤などを使用することもできる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記顔料分散剤の添加量は、前記着色剤全質量に対し40質量%以下が好ましく、2質量%〜35質量%がより好ましい。
−油溶性樹脂−
前記油溶性樹脂としては、着色剤分散能を有するものが好ましく、例えばポリエチレンイミン、アルキロールアミン塩、アルキド樹脂などが挙げられる。
前記アルキド樹脂は、高分子量の樹脂を添加する時に着色剤の分散安定性に特に効果があるが、該アルキド樹脂を単独又は他の分散剤と併用して使用する場合のアルキド樹脂の添加量は、前記着色剤1質量部に対して0.05質量以上であることが好ましい。なお、アルキド樹脂の詳細については、後述する。
本発明においては、目的とする色調を得るためには青色顔料の比率を黄色顔料よりも多くする必要があるが、黄色顔料に比べてL値が低い青色顔料の添加量を多くすることで必然的に全体のL値も低くなる傾向にある。そこで、本発明では、体質顔料又は白色顔料を添加することによって前記インキのL値を上げることが好ましい。
−体質顔料−
前記体質顔料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば白土、シリカ、タルク、クレー、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化チタン、アルミナホワイト、ケイソウ土、カオリン、マイカ、水酸化アルミニウム、有機ベントナイト等の無機微粒子;ポリアクリル酸エステル、ポリウレタン、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリシロキサン、フェノール樹脂、エポキシ樹脂等の有機微粒子又はこれらの共重合体からなる微粒子、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記体質顔料は、油相、水相、又は両相に添加してもよいが、油相に添加することが好ましい。
前記体質顔料の含有量は、前記インキ全量に対し5質量%以下が好ましく、2質量%〜4質量%がより好ましい。前記含有量が5質量%を超えると、インキのL値は高くなるが、色調的にはくすむ方向に推移するため、a値が低くなり目的とする色調が得られなくなってしまう。また、L値は高くなるものの結果的に顔料濃度が下がり印刷用紙(下地)の影響を受けやすくなったり、コスト高になってしまうことがある。
−白色顔料−
前記白色顔料としては、酸化チタン、アルキレンビスメラミン誘導体を含有する有機白顔料などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記白色顔料の含有量は、前記インキ全量に対し5質量%以下が好ましく、2質量%〜4質量%がより好ましい。前記含有量が5質量%を超えると、インキのL値は高くなるが、色調的にはくすむ方向に推移するため、インキのa値が低くなり目的とする色調が得られなくなってしまうことがある。
前記油相は、前記着色剤など以外にも、樹脂、油成分、乳化剤、ゲル化剤、酸化防止剤を含有してなり、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
−樹脂−
前記樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えばアルキド樹脂、ロジン、重合ロジン、水素化ロジン、ロジンエステル、ロジンポリエステル樹脂、水素化ロジンエステル等のロジン系樹脂;ロジン変性アルキド樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、ロジン変性フェノール樹脂、石油樹脂、環化ゴム等のゴム誘導体樹脂;テルペン樹脂、重合ひまし油、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記アルキド樹脂は、油脂、多塩基酸、及び多価アルコールから構成されている。
前記油脂としては、例えばヤシ油、パーム油、オリーブ油、ひまし油、米糠油、綿実油などのヨウ素価80以下の不乾性油あるいは半乾性油及びこれらの脂肪酸が挙げられる。なお、大豆油、アマニ油、キリ油などの乾性油からなるアルキド樹脂も支障が無い範囲で使用することができる。
前記多塩基酸としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、テトラヒドロフタル酸、フマル酸、イタコン酸、無水シトラコン酸等の不飽和多塩基酸、などが挙げられる。
前記多価アルコールとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ネオペンチルグリコール、ジグリセリン、トリグリセリン、ペンタエリスリット、ジペンタエリスリット、マンニット、ソルビット、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記アルキド樹脂は、分散安定性及び成膜形成による版胴スクリーンの目詰まりなどの問題から、油長60〜90、ヨウ素価80以下であることが好ましいが、インキの固着性を考えた場合、支障の無い範囲で大豆油アルキド樹脂などヨウ素価が80以上のものも使用することができる。アルキド樹脂の質量平均分子量は30,000以下が好ましく、10,000以下がより好ましい。
前記アルキド樹脂の油長は、油脂中の脂肪酸がトリグリセライドで存在した時の樹脂中の質量%で示される。
また、油相中に樹脂を添加する際の樹脂の添加量は、インキのコスト及び印刷適性から油相の2質量%〜50質量%が好ましく、5質量%〜20質量%がより好ましい。
前記樹脂の質量平均分子量が低い場合、及び添加量が少ない場合には、定着性への効果が小さくなることがある。一方、質量平均分子量が高すぎたり、樹脂の添加量が多い場合には、インキの塑性粘度が高くなり、ドラム後端からインキが漏れるなどの印刷適性に問題が生じることがある。
−油成分−
前記油成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば各種工業用溶剤、モーター油、ギヤー油、軽油、灯油、スピンドル油、マシン油、流動パラフィンなどの鉱物油、大豆油、ナタネ油、コーン油、ポピーオイル、リンシードオイル等の植物油、合成油、などが挙げられる。前記油成分は、インキ保存安定性の向上などの目的により揮発性の異なる油を複数混合して使用するが、揮発性オイルは地球環境に対して悪影響を及ぼす可能性があるのでなるべく使用しない方が好ましい。これらの中でも、植物油が特に好ましい。
前記植物油としては、特に制限はなく、公知のものの中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、大豆油、ナタネ油、コーン油、ゴマ油、トール油、綿実油、ひまわり油、サンフラワー油、ウォルナッツオイル、ポピーオイル、リンシードオイルなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。また、これらの植物油についてはメチル、ブチル、イソプロピル、プロピルなど、エステル化した植物油も使用することができる。なお、印刷後のインキ乾燥性及び保存安定性を考慮すると、ヨウ素価が100前後の一般に半乾性油と呼ばれるものを使用するのが好ましい。
前記植物油には、乾性油、半乾性油、不乾性油という分類があり、これはヨウ素価という分析値によって分類される。前記ヨウ素価は100gの油に吸着されるヨウ素のグラム数で表される。前記ヨウ素価が大きいほど、不飽和結合が多く存在するため固まりやすくなる。
一般に酸化による腐敗は連鎖反応である。一端、油脂の1分子が酸化されると順に他の分子を酸化し反応が続いていく。油脂の酸化反応は次のような簡単な式で示される各段階から成り立っている。
Figure 0005123613
上記式(1)に示すように、酸化は触媒の影響で不飽和脂質が水素結合を失って遊離ラジカルを形成することによって開始される。上記式(2)に示すように、遊離ラジカルが酸素分子と反応して過酸化物ROO・を生成する。次いで、上記式(3)に示すように、ROO・とRHとの反応によりヒドロペルオキシドと遊離ラジカルが生じる。そして、上記式(4)及び(5)に示すように、連鎖反応が続き、過酸化物の量が増加して自動酸化の速度はますます速くなってしまう。
ヨウ素価が高い乾性油及び半乾性油においては、上述のような酸化反応が顕著に起こり、油の乾燥(固化)が進み、その結果、前記植物油を含有している孔版印刷用エマルジョンインキも固化してしまう。インキの固化が発生するとスクリーンの目詰まり及び画像立ち上りが悪化してしまうため、特にヨウ素価が高い(不飽和結合が多く含まれる)植物油を使用する際は、植物油中の脂肪酸(リノレン酸、リノール酸、オレイン酸など)の酸化を防ぐために酸化防止剤を油相中、水相中、油相中と水相中のいずれかに含有することが好ましい。
前記酸化防止剤AH(Hは離れやすい水素原子)が存在すると、遊離ラジカルに対して水素を与えて酸化防止剤自身がラジカルとなり、連鎖反応が中断される。酸化防止剤のラジカルは、ラジカル同士が反応して二量体を形成したり、他の遊離ラジカルと反応して安定な化合物を生成する。
(6) ROO・ AH → ROOH + A・
(7) A・ + A・ → AA
(8) A・ + ROO・ → ROOA
酸化防止剤AHを加えることにより、上記式(6)〜(8)に示すような酸化防止機構が生じ、油の乾燥(固化)が抑制され、その結果、前記植物油を含有している孔版印刷用エマルジョンインキの固化も抑制される。
前記酸化防止剤としては、特に制限はなく、公知のものの中から目的に応じて適宜選択することができ、例えばジフェニルフェニレンジアミン、イソプロピルフェニルフェニレンジアミンなどのアミン系化合物、トコフェロール、ジブチルメチルフェノール等のフェノール系化合物;メルカプトメチルベンゾイミダゾール等の硫黄系化合物、などが挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。ただし、植物油含有量に対して極めて少量の酸化防止剤を添加した場合、適切な酸化防止効果は期待できないことがあり、逆に植物油含有量に対して多量の酸化防止剤を一度に添加してしまうと酸化促進剤として作用してしまう場合もある。したがって少量の酸化防止剤でも植物油の酸化を抑えるために相乗剤を添加することが好ましい。
前記相乗剤とは、それ自身酸化防止作用はほとんど持たないが、酸化防止剤と併用するとその作用を増強するものであり、該相乗剤は通常酸性物質で、いくつかの水酸基又はカルボキシル基をもっている多官能性化合物である。
前記相乗剤はその作用機構から2種類に分けることができる。第1の種類は真の意味の協力作用を示すもので、酸化防止剤Aと相乗剤Bを併用する時に認められる。BはAよりはるかに弱い連鎖停止作用しか持たないが、BがA・に水素供与体として働くため、見かけ上、相乗剤Bが酸化防止剤Aと同様な酸化防止作用を持つように見える。
(6) ROO・ +AH → ROOH +A・
(9) A・ +BH → AH +B・
第2の種類は自動酸化の触媒としての金属の活性を抑制することによって主酸化防止剤の作用を増強する金属不活性剤である。クエン酸及びポリリン酸は金属不活性剤であるが、金属が存在しなくてもフェノール系酸化防止剤に対して協力的に働くことが知られている。
前記相乗剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えばメチオニン、アスコルビン酸、トレオニン、ロイシン、牛乳タンパク質加水分解物、ノルバリン、パルミチン酸アスコルビル、フェニルアラニン、シスチン、トリプトファン、プロリン、アラニン、グルタミン酸、バリン、膵臓タンパクのペプシン消化液、アスパラギン、アルギニン、バルビツール酸、アスフェナミン、ニンヒドリン、プロパニジン、ヒスチジン、ノルロイシン、グリセロリン酸、カゼインのトリプシン加水分解液、カゼインの塩酸加水分解液などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記相乗剤の含有量が前記酸化防止剤の含有量よりも非常に大きい場合には、上記式(6)及び(9)の反応がかなりの確率で起こり、時間が経過しても植物油中の不飽和結合が酸化されない状態になり、印刷後の画像における摩擦に対して色が落ちにくい等のメリットが薄れてしまう可能性がある。その反面、ヨウ素価が高い植物油に対してはインキの固化によるスクリーンの目詰まり等の問題が解消されるというメリットもある。したがって前記相乗剤の含有量は、前記酸化防止剤100質量部に対して50質量部〜150質量部が好ましい。この範囲内において、ヨウ素価が高い植物油も使用することが可能となり、また酸化の程度を調節することにより、印刷後の画像において摩擦に対して色が落ちにくい等のメリットを残すことが可能となる。
−乳化剤−
前記乳化剤としては、油中水型のエマルジョンを形成することができれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えばグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ペンタエリスリトール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、ポリエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンフィトステロール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンひまし油、ポリオキシエチレン硬化ひまし油、ポリオキシエチレンラノリン、ポリオキシエチレンラノリンアルコール、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、ポリオキシエチレンアルキルフェニルホルムアルデヒド縮合物などのノニオン系界面活性剤が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。2種以上を併用する場合には、HLB値の異なるものを組み合わせて安定性の高いエマルジョンを調製することが好ましい。
前記乳化剤の前記インキにおける含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、1質量%〜8質量%が好ましく、2.2質量%〜6.0質量%がより好ましい。
−ゲル化剤−
前記ゲル化剤は、油相に含まれる樹脂をゲル化してインキの保存安定性、定着性、流動性を向上させる役割を持ち、該ゲル化剤としては油相中の樹脂と配位結合する化合物が好ましい。
前記ゲル化剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、Li、Na、K、Al、Ca、Co、Fe、Mn、Mg、Pb、Zn、Zr等の金属を含む有機酸塩;有機キレート化合物、金属石鹸オリゴマーなどが挙げられる。具体的には、オクチル酸アルミニウム等のオクチル酸金属塩;ナフテン酸マンガン等のナフテン酸金属塩;ステアリン酸亜鉛等のステアリン酸塩;アルミニウムジイソプロポキシドモノエチルアセトアセテート等の有機キレート化合物、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記ゲル化剤の含有量は、前記油相中の樹脂100質量部に対し15質量部以下が好ましく、5質量部〜10質量部がより好ましい。
<水相>
前記水相は、水、電解質、及び水の蒸発防止剤又は凍結防止剤を含有し、更に必要に応じて水溶性高分子化合物、防腐剤又は防かび剤、pH調整剤などを含有する。
−水−
前記水としては、清浄であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水道水、イオン交換水、蒸留水などが挙げられる。
−電解質−
前記電解質は水相中に、エマルジョンの保存安定性を高めるために添加される。電解質により影響を受ける材料が水相中に存在しない場合に使用することが好ましい。
前記電解質におけるイオンとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えばクエン酸イオン、酒石酸イオン、硫酸イオン、酢酸イオン等の陰イオン;アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオンなどが挙げられる。したがって添加される電解質としては、硫酸マグネシウム以外に硫酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、燐酸水素ナトリウム、ホウ酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記電解質の前記水相における含有量は、0.1質量%〜2質量%が好ましく、0.5質量%〜1.5質量%がより好ましい。
−水の蒸発防止剤又は凍結防止剤−
水の蒸発防止剤と凍結防止剤は兼用可能であり、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール等のグリコール;メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール等の低級飽和一価アルコール;グリセリン、ソルビトール等の多価アルコール、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記水の蒸発防止剤と凍結防止剤の前記水相における含有量は、15質量%以下が好ましく、4質量%〜12質量%がより好ましい。
−防腐剤又は防かび剤−
前記防腐剤又は防かび剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えばサリチル酸、フェノール類、p−オキシ安息香酸メチル、p−オキシ安息香酸エチル等の芳香族ヒドロキシ化合物、又はその塩素化合物;ソルビン酸、デヒドロ酢酸、MIT(メチルイソチアゾリン)、BIT(ブチルイソチアゾリン)、OIT(オクチルイソチアゾリン)等のチアゾリン系のものなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記防腐剤又は防かび剤の前記水相における含有量は、3質量%以下が好ましく、0.1質量%〜1.2質量%がより好ましい。
−水溶性高分子化合物−
前記水溶性高分子化合物は、インキの保湿及び粘性向上のために添加されるものであり、具体的には天然又は合成高分子化合物が挙げられる。
前記天然又は合成高分子化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、デンプン、マンナン、アルギン酸ソーダ、ガラクタン、トラガントガム、アラビアガム、ブルラン、デキストラン、キサンタンガム、ニカワ、ゼラチン、コラーゲン、カゼイン等の天然高分子;カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ピドロキシプロピルメチルセルロース、ピドロキシメチルデンプン、カルボキシメチルデンプン、ジアルデヒドデンプン等の半合成高分子;アクリル酸樹脂、ポリアクリル酸ナトリウム等の中和物;ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルピロリドンとポリアクリル酸のコポリマー、ポリアクリルアミド、ポリN−アルキル置換アクリルアミド、ポリエチレンオキシド、ポリビニルメチルエーテルなどの合成高分子、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記水溶性高分子化合物の前記水相における含有量は、25質量%以下が好ましく、0.5質量%〜15質量%がより好ましい。
<孔版印刷用エマルジョンインキの製造方法>
本発明の前記孔版印刷用エマルジョンインキの製造方法としては、特に制限はなく、公知の方法の中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、常法により油相及び水相を予め別々に調製し、次いで、前記油相と水相とを混合して、ディスパーミキサー、ホモミキサー、高圧ホモジナイザー等の公知の乳化機内で乳化させることにより製造することができる。
具体的には、前記樹脂、前記乳化剤、前記着色剤等の油相成分を混合し、ホモミキサーにて攪拌する。その後、ビーズミルを用いて分散処理を行って油相液を調製する。一方、前記水、前記凍結防止剤、前記防腐剤又は防かび剤、前記電解質、更に必要に応じて、前記油相に前記着色剤を添加しない場合には、前記着色剤等を混合し、この混合液を水によく溶解させて水相液を調製する。次いで、乳化機を使用し、前記油相液を仕込んで液を撹拌しながら、徐々に前記水相液を添加して乳化させることにより、孔版印刷用エマルジョンインキを製造することができる。
本発明の孔版印刷用エマルジョンインキの粘度としては、特に制限はなく、攪拌条件等により適宜調整することができるが、ずり速度20sec−1のときの粘度は、3Pa・s〜40Pa・sが好ましく、10Pa・s〜30Pa・sがより好ましい。
−用途−
本発明の孔版印刷用エマルジョンインキは、少なくとも緑色の着色が可能であり、例えば、感熱孔版印刷に好適に使用することができる。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明は、下記実施例に何ら限定されるものではない。
(製造例1〜2及び比較製造例1〜2)
<青色顔料分散液の処方及び色調>
表1に示す処方の顔料、乳化剤、樹脂、及び必要に応じて添加される添加剤を3本ロール(井上製作所製)にて粒子径が10μm程度になるまで混合して、青色顔料分散液を作製した。
作製後1日経過した各分散液を、自動展色機(谷口インキ株式会社製)にて、印刷用紙上に印刷し、その色調を色調測定機(コニカミノルタ株式会社製、CR−300)にて測定した。結果を表1に示す。
Figure 0005123613
*青顔料(1):クラリアント株式会社製Hostaperm Blue B2G−D、銅フタロシアニン顔料単体
*青顔料(2):大日精化株式会社製SEIKALIGHT BLUE A612、銅フタロシアニンのバリウム塩
*乳化剤(1):日光ケミカルズ株式会社製ヘキサグリセリンポリリシノレート
*オイル:パラフィン系オイル(日本サン石油株式会社製、SUNTHEN380)
*樹脂:大豆油脂肪酸アルキド(昭和ワニス株式会社製、ショウキッドSL−70MS)
(製造例3〜4及び比較製造例3)
<黄色顔料分散液の処方及び色調>
表2に示す処方の顔料、乳化剤、樹脂、及び必要に応じて添加される添加剤を3本ロール(井上製作所製)にて粒子径が10μm程度になるまで混合して、黄色顔料分散液を作製した。
作製後1日経過した各分散液を、自動展色機(谷口インキ株式会社製)にて、印刷用紙上に印刷し、その色調を色調測定機(コニカミノルタ株式会社製、CR−300)にて測定した。結果を表2に示す。
Figure 0005123613
*黄顔料(1):東洋インキ製造株式会社製LIONOL YELLOW GTN
*黄顔料(2):BASF社製PALIOTOL YELLOW D1155
*黄顔料(3):クラリアント株式会社製HANZA YELLOW 10G PURE
*乳化剤(1):日光ケミカルズ株式会社製ヘキサグリセリンポリリシノレート
*オイル:パラフィン系オイル(日本サン石油株式会社製、SUNTHEN380)
*樹脂:大豆油脂肪酸アルキド(昭和ワニス株式会社製、ショウキッドSL−70MS)
(製造例5〜6)
<体質顔料分散液又は白色顔料分散液>
表3に示す処方の顔料、乳化剤、及び必要に応じて添加される添加剤を3本ロール(井上製作所製)にて粒子径が10μm程度になるまで混合して、体質顔料分散液又は白色顔料分散液を作製した。
Figure 0005123613
*体質顔料:日本アエロジル株式会社製Aersill130
*白顔料:石原産業株式会社製タイペークCR−50
*乳化剤(1):日光ケミカルズ株式会社製ヘキサグリセリンポリリシノレート
*オイル:パラフィン系オイル(日本サン石油株式会社製、SUNTHEN380)
(比較製造例4)
−緑顔料分散液−
表4に示す処方の顔料、乳化剤、樹脂、及び必要に応じて添加される添加剤を3本ロール(井上製作所製)にて粒子径が10μm程度になるまで混合して、緑顔料分散液を作製した。
作製後1日経過した分散液を、自動展色機(谷口インキ株式会社製)にて、印刷用紙上に印刷し、その色調を色調測定機(コニカミノルタ株式会社製、CR−300)にて測定した。結果を表4に示す。
Figure 0005123613
*緑顔料:BASF社製、HELIOGEN GREEN D8725(C.I.Pigment Green7)
*乳化剤(1):日光ケミカルズ株式会社製ヘキサグリセリンポリリシノレート
*オイル:パラフィン系オイル(日本サン石油株式会社製、SUNTHEN380)
(実施例1、2、参考例3〜6及び比較例1〜13)
−孔版印刷用エマルジョンインキの作製−
表5〜表7に示すインキ処方(単位は質量%)を、従来のエマルジョンインキの製造と同様にして油相及び水相を調製し、この両相を公知の乳化機内で乳化させて、実施例1、2、参考例3〜6及び比較例1〜13の各孔版印刷用エマルジョンインキを作製した。
具体的には、常温で分散液、オイル、及び必要に応じて添加される添加剤を混ぜ合わせたものを常温で油相を調製した。この油相に、水に、凍結防止剤、電解質、及び防腐防黴剤が添加されてなる水相を除々に添加して乳化させ、各孔版印刷用エマルジョンインキを作製した。
なお、比較例1は、ヘキサクロロベンゼンを含有する緑顔料を使用したものであり、青顔料は一切使用していない。
<色調の測定>
作製後1日経過した各孔版印刷用エマルジョンインキを、自動展色機(谷口インキ株式会社製)にて、印刷用紙上に印刷し、その色調を色調測定機(コニカミノルタ株式会社製、CR−300)にて測定した。結果を表5〜表7に示す。
Figure 0005123613
*乳化剤(2):日光ケミカルズ株式会社製SO−10
*オイル:パラフィン系オイル(日本サン石油株式会社製、SUNTHEN380)
*樹脂:大豆油脂肪酸アルキド(昭和ワニス株式会社製、ショウキッドSL−70MS)
*水:イオン交換水
*凍結防止剤:花王株式会社製グリセリン
*電解質:馬居化成工業株式会社製の硫酸マグネシウム7水塩
*抗菌剤:有機窒素系硫黄化合物(日本エンバイロケミカルズ株式会社製、デルトップ512)
Figure 0005123613
*乳化剤(2):日光ケミカルズ株式会社製SO−10
*オイル:パラフィン系オイル(日本サン石油株式会社製、SUNTHEN380)
*樹脂:大豆油脂肪酸アルキド(昭和ワニス株式会社製、ショウキッドSL−70MS)
*水:イオン交換水
*凍結防止剤:花王株式会社製グリセリン
*電解質:馬居化成工業株式会社製の硫酸マグネシウム7水塩
*抗菌剤:有機窒素系硫黄化合物(日本エンバイロケミカルズ株式会社製、デルトップ512)
Figure 0005123613
表5〜表7の結果から、実施例1、2、参考例3〜6は、環境負荷物質であるヘキサクロロベンゼンを含有せず、緑顔料単体とほぼ同色調(L値が60以上、a値が−40以下、b値が0以下)を、青色顔料と黄色顔料とを混合させることにより得られることが分かった。
比較例1は、緑色顔料(C.I.Pigment Green7)を用いた従来のインキに該当し、環境負荷物質であるヘキサクロロベンゼンを含有するものである。この比較例1とのΔEが3.2以下(A級許容誤差)である実施例1及び2、並びに、参考例3及び5は、緑顔料単体とほぼ同色調であることが認められる。
本発明の孔版印刷用エマルジョンインキは、環境負荷物質であるヘキサクロロベンゼンを含有せず、緑顔料単体とほぼ同レベルの鮮やかな色調を有し、青色顔料と黄色顔料とを混合してなる代替緑顔料を用いているので、例えば、感熱孔版印刷機による孔版印刷などに使用するインキとして非常に有用である。

Claims (10)

  1. 青色顔料及び黄色顔料を含む着色剤を少なくとも含有する孔版印刷用エマルジョンインキであって、
    前記インキのL値が60以上、a値が−40以下、b値が0以下であり、前記青色顔料の含有量が、前記着色剤全量に対し85質量%〜90質量%であることを特徴とする孔版印刷用エマルジョンインキ。
  2. 油相10質量%〜90質量%及び水相90質量%〜10質量%からなり、該油相及び水相の少なくともいずれか中に着色剤及び樹脂を含有する請求項1に記載の孔版印刷用エマルジョンインキ。
  3. 青色顔料の少なくとも1種が、銅フタロシアニンのバリウム塩である請求項1から2のいずれかに記載の孔版印刷用エマルジョンインキ。
  4. 青色顔料を含む顔料分散液のa 値が−15以下であり、かつL 値が50以上である請求項1から3のいずれかに記載の孔版印刷用エマルジョンインキ。
  5. 黄色顔料を含む顔料分散液のa 値が−5以下である請求項1から4のいずれかに記載の孔版印刷用エマルジョンインキ。
  6. 顔料分散液が、顔料分散剤及び油溶性樹脂を含有する請求項4から5のいずれかに記載の孔版印刷用エマルジョンインキ。
  7. 油相中に体質顔料を含有する請求項2から6のいずれかに記載の孔版印刷用エマルジョンインキ。
  8. 体質顔料の含有量が、インキ全量に対し5質量%以下である請求項7に記載の孔版印刷用エマルジョンインキ。
  9. 油相中に白色顔料を含有する請求項2から8のいずれかに記載の孔版印刷用エマルジョンインキ。
  10. 白色顔料の含有量が、インキ全量に対し5質量%以下である請求項9に記載の孔版印刷用エマルジョンインキ。
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