JP5121744B2 - 製版装置及び製版方法 - Google Patents

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Description

製版装置及び製版方法に関する。
外周面に記録プレート(記録媒体)が装着されたドラムを主走査方向に回転させると共に、記録プレートに彫刻(記録)すべき画像の画像データに応じたレーザビームを主走査方向と直交する副走査方向に走査させることで、2次元画像を記録プレートに彫刻(記録)して製版する製版装置が知られている。
このような製版装置において、フレキソ印刷版等の凸版印刷版やグラビア版等の凹版印刷版をレーザビームで直彫りする上での課題として、狭い領域を彫刻する浅彫り(精密彫刻)における細線や網点などの再現性と、広い領域を彫刻する深彫り(粗彫刻)と、の両立が上げられる。
一般的にこれらを両立させることは困難であるので、浅彫り(精密彫刻)用のスポット径の小さなレーザビームと、深彫り(粗彫刻)用のハイパワーのレーザビームと、の両方備え、それぞれ分けて彫刻する方法が知られている(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3を参照)。
US6150629A号 US2006/0279794A1号公報 特開2005−224481号公報
しかしながら、より高精細に彫刻することが求められている。
本発明は上記課題を解消するためになされたものであり、従来よりも高精細に彫刻することができる製版装置及び製版方法を提供することが目的である。
請求項1に記載の製版装置は、光ビームで記録媒体を所定の画素ピッチで走査することにより、前記記録媒体の表面を彫刻して製版する製版装置であって、前記記録媒体の表面を凸状に残す凸部に隣接する隣接領域における一部領域又は全領域を彫刻する光ビームの光パワーは、前記凸部の上面が彫刻閾値エネルギー以下になるように設定され、前記隣接領域とされた領域の外側に近接する近接領域の光ビームの光パワーは、前記隣接領域よりも上げられることを特徴としている。
請求項1に記載の製版装置では、記録媒体の表面を凸状に残す凸部に隣接する隣接領域における一部領域又は全領域に照射する光ビームの光パワーが、凸部の上面にかかる光ビームの露光が彫刻閾値エネルギー以下になるように下げられることで、凸部上面の彫刻が防止又は抑制される。
よって、例えば、凸部が線状の場合は、凸部の上面の幅が所望する幅に近づけられる(所望する幅が確保又は略確保される)。或いは、例えば、凸部が点状(平面視多角形状や平面視円形状等の二次元形状)の場合は、凸部の上面が所望する大きさ(幅など)や形状に近づけられる。
更に、隣接領域における彫刻閾値エネルギー以下とされた領域の外側に近接する近接領域では、隣接領域よりも光ビームの光パワーが上げられて彫刻されることで、凸部の側面の傾きが急角度となる。換言すると、凸部の断面形状が矩形状に近づけられる。
このように、凸部の上面が所望の幅、形状、大きさ等に近づけられると共に、凸部の断面形状が矩形状に近づけられる。つまり、凸部が高精細に彫刻される。よって、製版後の記録媒体で印刷した印刷物における細線や網点などの再現性が向上される。
なお、このように、本構成を適用することで、光ビーム径が大きくても、凸部が高精細に彫刻される。また、光ビーム径が小さい場合でも、本構成を適用しない場合よりも凸部が高精細に彫刻される。
また、近接領域で光ビームの光パワーが上げられる上げ幅は、記録媒体の種類等を考慮して決定される。
また、隣接領域及び近接領域は、凸部の大きさ、光ビームのビーム径、画素ピッチ、記録媒体の種類等を考慮して決定される。
請求項2に記載の製版装置は、請求項1に記載の構成において、前記隣接領域における領域は、1画素以上であることを特徴としている。
請求項2に記載の製版装置では、前記隣接領域を1画素以上とすることで、凸部の上面が所望の幅、形状、大きさ等により効果的に近づけられる。また、画素単位で光パワー制御されるので、光パワー制御が容易である。
請求項3に記載の製版装置は、請求項1又は請求項2に記載の構成において、前記近接領域では、1画素以下のパルス幅でパルス露光して彫刻することを特徴としている。
請求項3に記載の製版装置では、1画素以下のパルス幅でパルス露光して彫刻することで、凸部の側面の傾きがより急角度となる。換言すると、凸部の断面形状が矩形状により効果的に近づけられる。
なお、ここで言うパルス露光とは、光ビームの光パワーを「オフ→オン→オフ」とする制御をさし、パルス幅とはオンしている幅(間)をさす。
請求項4に記載の製版装置は、請求項3に記載の構成において、前記パルス露光のパルス幅が、0.5画素以下であることを特徴としている。
請求項4に記載の製版装置では、パルス露光のパルス幅が0.5画素以下とされることで、凸部の側面の傾きがより急角度となる。換言すると、凸部の断面形状が矩形状により効果的に近づけられる。
請求項5に記載の製版装置は、請求項3に記載の構成において、前記パルス露光のパルス幅が、0.25画素以下であることを特徴としている。
請求項5に記載の製版装置では、パルス露光のパルス幅が0.25画素以下とされることで、凸部の側面の傾きがより急角度となる。換言すると、凸部の断面形状が矩形状により効果的に近づけられる。
請求項6に記載の製版装置は、請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の構成において、前記記録媒体を彫刻する前記光ビームは、ファイバーアレイ光源から出射されたのち、結像レンズで集光された光ビームとされていることを特徴としている。
請求項6に記載の製版装置では、ファイバーアレイ光源から出射されたのち、結像レンズで集光された光ビームで記録媒体が彫刻されている。よって、例えば、ファイバーレーザやCO2レーザ等の高価な光源と比較し、低コストとされる。
なお、このように低コストであっても、凸部の上面が所望の幅、形状、大きさ等に近づけられると共に凸部の断面形状が矩形状に近づけられる。つまり、製版後の記録媒体で印刷した印刷物における細線や網点などの再現性が向上される。
請求項7に記載の製版装置は、請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の構成において、前記凸部が平面視多角形状の場合、彫刻閾値エネルギー以下になるように設定する領域は、平面多角形状の前記凸部の少なくとも一つの角部に隣接する領域を含むことを特徴としている。
請求項7に記載の製版装置では、彫刻閾値エネルギー以下に設定される領域に隣接する凸部の角部は、角がより明確に形成される(角が面取りされた状態にならない)。
請求項8に記載の製版装置は、請求項7に記載の構成において、平面視矩形状の前記凸部の全周に亘って、彫刻閾値エネルギー以下になるように設定されることを特徴としている。
請求項8に記載の製版装置では、平面視矩形状の凸部の全周に亘って、凸部の上面が彫刻閾値エネルギー以下になるように設定されるので、全角部がより明確に形成される。
請求項9に記載の製版装置は、請求項7又は請求項8に記載の構成において、前記凸部が平面視矩形状であることを特徴としている。
請求項9に記載の製版装置では、平面視矩形状の凸部の角部に隣接する領域を全て露光する場合と比較し、所望の平面視矩形状の凸部が得られる。
請求項10に記載の製版方法は、光ビームで記録媒体を所定の画素ピッチで走査することにより、前記記録媒体の表面を彫刻して製版する製版方法であって、前記記録媒体の表面を凸状に残す凸部に隣接する隣接領域における一部領域又は全領域を彫刻する光ビームの光パワーを、前記凸部の上面が彫刻閾値エネルギー以下になるように下げ、前記隣接領域の外側に近接する近接領域を彫刻する光ビームの光パワーは、前記隣接領域よりも上げて彫刻することを特徴としている。
請求項10に記載の製版方法では、凸部の上面が所望の幅、形状、大きさ等に近づけられると共に凸部の断面形状が矩形状に近づけられる。凸部が高精細に彫刻される。よって、製版後の記録媒体で印刷した印刷物における細線や網点などの再現性が向上される。
なお、彫刻閾値エネルギーとは、記録媒体の表面を彫刻するために必要な光ビームの光エネルギーとされ、この彫刻閾値エネルギーよりも大きなエネルギーでないと記録媒体は彫刻されない。換言すると、彫刻閾値エネルギー以下の光ビームが露光されていても記録媒体の表面は彫刻されない。なお、この彫刻閾値エネルギーは記録媒体の種類(材質など)によって異なる。
請求項1に記載の製版装置によれば、凸部の上面が所望の幅、形状、大きさ等に近づけられると共に凸部の断面形状が矩形状に近づけられるので、記録媒体を高精細に彫刻することができる、という優れた効果を有する。
請求項2に記載の製版装置によれば、凸部の上面が所望の幅、形状、大きさ等により効果的に近づけけることができる、という優れた効果を有する。
請求項3〜請求項5に記載の製版装置によれば、凸部の断面形状を矩形状により効果的に近づけることができる、という優れた効果を有する。
請求項6に記載の製版装置によれば、例えば、ファイバーレーザなどの高価な光源と比較し、コストを抑えることができる、という優れた効果を有する。
請求項7に記載の制搬装置によれば、凸部の角部をより明確に形成することができる、という優れた効果を有する。
請求項8に記載の製版装置によれば、凸部の全角部をより明確に形成することができる、という優れた効果を有する。
請求項9に記載の制搬装置によれば、平面視矩形状の凸部の角部に隣接する領域を全て露光する場合と比較し、凸部を所望する平面四角形状に近づけることができる、という優れた効果を有する。
請求項10に記載の製版方法によれば、凸部の上面が所望の幅、形状、大きさ等に近づけることができる共に凸部の断面形状を矩形状に近づけることができるので、記録媒体を高精細に彫刻することができる、という優れた効果を有する。
本発明に係る実施形態の製版装置を示す概略構成図(斜視図)である。 レーザ記録装置のファイバーアレイ部及び光ファイバを示す斜視図である。 ファイバーアレイ部の露光部を示す模式図である。 光ファイバ端部の配置位置と走査線とを説明するため説明図である。 製版装置を平面視で見た図である。 製版装置の制御系の構成を示すブロック図である。 レーザ記録装置によって画像記録を行なう際の処理の概要を示すフローチャートである。 露光ヘッドの主要部と射出されたレーザビームとを模式的に図示しした説明図である。 本発明が適用されていない光パワー制御及びビーム径Dが20μmとされた場合における、(a)の右図はレーザビームのスポット径(スポット形状)を示し左図は中心断面の光パワーの示すグラフ図であり、(b)は(a)に示すスポット径(スポット形状)のレーザビームで走査して21.2μmの凸細線(残す画素領域)を形成する場合の光パワー変化を模式的に示す図であり、(A)はレーザビームの画素露光量信号を示し、(B)はレーザビームの(b)のA−A線に沿った断面の光パワーの積算エネルギーを示すグラフであり、(C)は凸細線Pの(b)のA−A’に沿った断面形状を模式的に示す図である。 本発明が適用されていない光パワー制御及びビーム径Dが20μmとされた場合における、(a)の右図はレーザビームのスポット径(スポット形状)を示し左図は中心断面の光パワーの示すグラフ図であり、(b)は(a)に示すスポット径(スポット形状)のレーザビームで走査して21.2μmの凸細線(残す画素領域)を形成する場合の光パワー変化を模式的に示す図であり、(A)はレーザビームの画素露光量信号を示し、(B)はレーザビームの(b)のA−A線に沿った断面の光パワーの積算エネルギーを示すグラフであり、(C)は凸細線Pの(b)のA−A’に沿った断面形状を模式的に示す図である。 本発明が適用された光パワー制御及びビーム径Dが20μmとされた場合における、(A)はレーザビームの画素露光量信号を示し、(B)はレーザビームの(b)のA−A線に沿った断面の光パワーの積算エネルギーを示すグラフであり、(C)は凸細線Pの(b)のA−A’に沿った断面形状を模式的に示す図である。 本発明が適用されていない光パワー制御及びビーム径Dが40μmとされた場合における、(a)の右図はレーザビームのスポット径(スポット形状)を示し左図は中心断面の光パワー分布を示すグラフであり、(b)は(a)に示すスポット径(スポット形状)のレーザビームで走査して21.2μmの凸細線を形成する場合の光パワー変化を模式的に示す図であり、(A)はレーザビームの画素露光量信号を示し、(B)はレーザビームの(b)のA−A’線に沿った断面の光パワーの積算エネルギーを示すグラフであり、(C)は凸細線Pの(b)のA−A’に沿った断面形状を模式的に示す図である。 本発明が適用されていない光パワー制御及びビーム径Dが40μmとされた場合における、(a)の右図はレーザビームのスポット径(スポット形状)を示し左図は中心断面の光パワー分布を示すグラフであり、(b)は(a)に示すスポット径(スポット形状)のレーザビームで走査して21.2μmの凸細線を形成する場合の光パワー変化を模式的に示す図であり、(A)はレーザビームの画素露光量信号を示し、(B)はレーザビームの(b)のA−A’線に沿った断面の光パワーの積算エネルギーを示すグラフであり、(C)は凸細線Pの(b)のA−A’に沿った断面形状を模式的に示す図である。 本発明が適用されていない光パワー制御及びビーム径Dが40μmとされた場合における、(A)はレーザビームの画素露光量信号を示し、(B)はレーザビームの光パワーの積算エネルギーを示すグラフであり、(C)は凸細線Pの断面形状を模式的に示す図である。 本発明が適用された光パワー制御及びビーム径Dが40μmとされた場合における、(A)はレーザビームの画素露光量信号を示し、(B)はレーザビームの光パワーの積算エネルギーを示すグラフであり、(C)は凸細線Pの断面形状を模式的に示す図である。 本発明が適用された光パワー制御及びビーム径Dが20μmとされた場合における、(A)はレーザビームの画素露光量信号を示し、(B)はレーザビームの光パワーの積算エネルギーを示すグラフであり、(C)は凸細線Pの断面形状を模式的に示す図である。 本発明が適用された光パワー制御及びビーム径Dが20μmとされた場合における、(A)はレーザビームの画素露光量信号を示し、(B)はレーザビームの光パワーの積算エネルギーを示すグラフであり、(C)は凸細線Pの断面形状を模式的に示す図である。 本発明が適用された光パワー制御及びビーム径Dが20μmとされた場合における、(A)はレーザビームの画素露光量信号を示し、(B)はレーザビームの光パワーの積算エネルギーを示すグラフであり、(C)は凸細線Pの断面形状を模式的に示す図である。 本発明が適用されていない光パワー制御及びビーム径Dが40μmとされた場合における、(A)はレーザビームの画素露光量信号を示し、(B)はレーザビームの光パワーの積算エネルギーを示すグラフであり、(C)は凸細線Pの断面形状を模式的に示す図である。 本発明を適用して平面視矩形状の凸点を形成する場合の光パワー制御を説明する説明図である。 本発明を適用して平面視矩形状の凸点を形成する場合の光パワー制御を説明する説明図である。 図20の光パワー制御で平面視矩形状の凸点を形成した場合の凸点部を示す図である。 図21の光パワー制御で平面視矩形状の凸点を形成した場合の凸点部を示す図である。 本発明を適用して平面視矩形状の凸点を形成する場合の光パワー制御を説明する説明図である。
以下、本発明の実施形態に係る製版装置11の構成について説明する。なお、製版装置11は、外周面に記録プレートF(記録媒体)が装着されたドラム50を主走査方向に回転させると共に、記録プレートFに彫刻(記録)すべき画像の画像データに応じた複数のレーザビームを同時に射出しつつ、所定ピッチで露光ヘッド30を主走査方向と直交する副走査方向に走査させることで、2次元画像を記録プレートに高速で彫刻(記録)し、凸版印刷版を製版する。また、狭い領域(細線や網点など)を残す場合は記録プレートFを浅彫りし(精密彫刻)、広い領域を残す場合は記録プレートFを深彫りする(粗彫り)。
図1は、製版装置11を示す概略構成図(斜視図)である。この図1に示すように、製版装置11は、レーザビームによって彫刻され画像が記録される記録プレートFが装着され且つ記録プレートFが主走査方向に移動するように図1矢印R方向に回転駆動されるドラム50と、レーザ記録装置10とを含んで構成されている。レーザ記録装置10は、複数のレーザビームを生成するファイバーアレイ光源としての光源ユニット20と、光源ユニット20で生成された複数のレーザビームを記録プレートFに露光する露光ヘッド30と、露光ヘッド30を副走査方向に沿って移動させる露光ヘッド移動部40と、を含んで構成されている。なお、ドラム50の回転方向Rが主走査方向とされ、矢印Sで示すドラム50の軸方向(長手方向)に沿って露光ヘッド30が移動する方向(詳細は後述する)が副走査方向とされる。
光源ユニット20には、各々光ファイバ22A、22Bの一端部が個別にカップリングされたブロードエリア半導体レーザによって構成された各32個の半導体レーザ21A,21B(合計64個)と、半導体レーザ21A,21Bが表面に配置された光源基板24A,24Bと、光源基板24A,24Bの一端部に垂直に取り付けられると共にSC型光コネクタ25A、25Bのアダプタが複数(半導体レーザ21A,21Bと同数)設けられたアダプタ基板23A,23Bと、光源基板24A,24Bの他端部に水平に取り付けられると共に記録プレートFに彫刻(記録)する画像の画像データに応じて半導体レーザ21A,21Bを駆動するLDドライバー回路26(図6参照)が設けられたLDドライバー基板27A,27Bと、が備えられている。
各光ファイバ22A,22Bの他端部には各々SC型光コネクタ25A、25Bが設けられており、SC型光コネクタ25A、25Bはアダプタ基板25A,25Bに接続されている。したがって、各半導体レーザ21A,21Bから射出されたレーザビームは、それぞれ光ファイバ22A、22Bによってアダプタ基板23A,23Bに接続されているSC型光コネクタ25A、25Bに伝送される。
また、LDドライバー基板27A,27Bに設けられているLDドライバー回路26における半導体レーザ21A,21Bの駆動用信号の出力端子は、半導体レーザ21A,21Bに個別に接続されており、各半導体レーザ21A,21BはLDドライバー回路26(図6参照)によって各々個別に駆動が制御される。
一方、露光ヘッド30には、複数の半導体レーザ21A,21Bから射出された各レーザビームを取り纏めて射出するファイバーアレイ部300(図2参照)が備えられている。このファイバーアレイ部300には、各々アダプタ基板23A,23Bに接続されたSC型光コネクタ25A,25Bに接続された複数の光ファイバ70A,70Bによって、各半導体レーザ21A,21Bから射出されたレーザビームが伝送される。
図3には、ファイバーアレイ部300の露光部280(図2参照)を図1に示す矢印A方向に見た図が示されている。この図3に示すように、ファイバーアレイ部300の露光部280は、2枚の基台302A、302Bを有している。基台302A,302Bには各々片面に半導体レーザ21A,21Bと同数、すなわち夫々32個のV字溝282A,282Bが所定の間隔で隣接するように形成されている。そして、基台302A、302Bは、V字溝282A,282Bが対向するように配置されている。
基台302Aの各V字溝282Aには、光ファイバ70Aの他端部の光ファイバ端部71Aが1本ずつ嵌め込まれている。同様に基台302Bの各V字溝282Bに各光ファイバ70Bの他端部の光ファイバ端部71Bが1本ずつ嵌め込まれている。したがって、ファイバーアレイ部300の露光部280から、各半導体レーザ21A,21Bから射出された複数、本実施形態では64本(32本×2)のレーザビームが同時に射出される。
すなわち、本実施の形態のファイバーアレイ部300は、複数(本実施形態では32本×2=合計64個)の光ファイバ端部71A、72Bが所定方向に沿った直線状に配置されて構成された光ファイバ端部群301A,301Bが、上記所定方向と直交する方向に平行に2列設けられて構成されている。
そして、図1及び図3に示すように、本実施形態に係るレーザ記録装置10では、以上のように構成されたファイバーアレイ部300(露光ヘッド30)が、上記所定方向が副走査方向に対して傾斜された状態とされている。また、図3と図4とに示すように、ファイバーアレイ部300を主走査方向に見て、副走査方向に光ファイバ端部群301Aと光ファイバ端部群301Bとが重ならないで並ぶように配設されている。
図1に示すように、露光ヘッド30には、ファイバーアレイ部300側より、コリメータレンズ32、開口部材33、及び結像レンズ34が、順番に並んで配列されている。なお、開口部材33は、ファイバーアレイ部300側から見て、開口がファーフィールド(far field)の位置となるように配置されている。これによって、ファイバーアレイ部300における複数の光ファイバ70A,70Bの光ファイバ端部71A,71Bから射出された全てのレーザビームに対して同等の光量制限効果を与えることができる。
なお、本実施の形態では、レーザビームを高出力とするために、コア径の比較的大きな多モード光ファイバを光ファイバ22A,22Bに適用している。具体的には、本実施形態においては、コア径が105μmとされている。また、半導体レーザ21A,21Bは最大出力が8.5w(6397−L3)を使用している。また、光ファイバ70A、70Bのコア径は105μmとされている。
図8に示すように、コリメータレンズ32及び結像レンズ34で構成される結像手段によって、レーザビームは記録プレートFの露光面(表面)FAの近傍に結像される(開口部材33は図8では図示略)。なお、本実施形態では、結像位置(結像位置)Xは、露光面FA上に設定することが、細線再現性等の観点から望ましい。なお、光ファイバ端部71A(光ファイバ端部群301A)から射出されたレーザビームがレーザビームLAとされ、光ファイバ端部72B(光ファイバ端部群301B)から射出されたレーザビームがレーザビームLBとされる。なお、特に両方を区別する必要がない場合は、単に「レーザビーム」と記載する。
そして、光ファイバ端部群301Aの端の光ファイバ端部71Aの次に光ファイバ端部群301Bの端の光ファイバ端部71Bが並ぶ構成とされている(図3も参照)。図4では判りやすくするため、光ファイバ端部71A,71Bの数を実際よりも少なく図示している。
図5に示すように、レーザビームによって彫刻され画像が記録される記録プレートFは、矢印R方向に回転駆動されるドラム50の外周面に装着されている。なお、ドラム50の回転軸方向を長手方向とした帯状とされたチャック部材98によって、ドラム50の外周面に記録プレートFが装着される。より詳しく説明すると、記録プレートFの端部FT同士の合わせ部分の上を押さえるようにドラム50にチャック部材98を取り付けることで、記録プレートFがドラム50の外周面に装着される。なお、このチャック部材98部分は、非記録領域とされる。
図1と図5とに示すように、露光ヘッド移動部40には、長手方向が副走査方向に沿うように配置されたボールネジ41及び2本のレール42(図1参照)が備えられており、ボールネジ41を回転駆動する副走査モータ43を作動させることによって、露光ヘッド30が設けられた台座部310をレール42に案内された状態で副走査方向に移動させることができる。また、ドラム50は主走査モータ51(図6参照)を作動させることによって、図1の矢印R方向に回転させることができ、これによって主走査がなされる。なお、露光ヘッド30は、台座部310の上に、設けられている。
また、本実施形態においては、前述したように一度に64本のレーザビームLA,LBで露光し走査する。
次に、本実施形態に係る製版装置11(図1参照)の制御系の構成について説明する。
図6に示すように、製版装置11の制御系は、画像データに応じて各半導体レーザ21A,21Bを駆動するLDドライバー回路26と、主走査モータ51を駆動する主走査モータ駆動回路81と、副走査モータ43を駆動する副走査モータ駆動回路82と、アクチュエータ304を駆動するアクチュエータ駆動回路299と、主走査モータ駆動回路81・副走査モータ駆動回路82・アクチュエータ駆動回路を制御する制御回路80と、を備えている。制御回路80には、記録プレートFに彫刻(記録)する画像を示す画像データが供給される。
次に、以上のように構成された製版装置11(図1参照)によって、記録プレートFに彫刻(記録)する工程の概要について説明する。なお、図7は、製版装置11によって画像記録を行なう際の処理の流れを示すフローチャートである。
図7に示すように、まず、記録プレートFに彫刻(記録)する画像の画像データを一時的に記憶する不図示の画像メモリから制御回路80に転送する(ステップ100)。制御回路80は、転送されてきた画像データ、及び記録画像の予め定められた解像度を示す解像度データ、浅彫り及び深彫り等を示すデータに基づいて、調整された信号をLDドライバー回路26、主走査モータ駆動回路81、副走査モータ駆動回路82、アクチュエータ駆動回路299に供給する。
次に、主走査モータ駆動回路81は、制御回路80から供給された信号に基づいて回転速度でドラム50を図1矢印R方向に回転させるように主走査モータ51を制御する(ステップ102)。
副走査モータ駆動回路82は、副走査モータ43による露光ヘッド30の副走査方向に対する送り間隔を設定する(ステップ104)。
次いで、LDドライバー回路26は、画像データに応じて各半導体レーザ21A,21Bの駆動を制御する(ステップ106)。
各半導体レーザ21A,21Bから射出されたレーザビームLA,LBは、光ファイバ22A,22B、SC型光コネクタ25A、25B、及び光ファイバ70A,70Bを介してファイバーアレイ部300の光ファイバ端部71A,71Bから射出され、図1と図8に示すように、コリメータレンズ32によって略平行光束とされた後、開口部材33によって光量が制限され、結像レンズ34を介してドラム50上の記録プレートFの露光面FAの近傍(結像面XとFAが一致してもよい)に結像される(集光される)。
この場合、記録プレートFには、各半導体レーザ21から射出されたレーザビームLA,LBに応じてビームスポットが形成される。これらのビームスポットにより、露光ヘッド30が前述したステップ104で設定された送り間隔のピッチで副走査方向に送られると共に、前述したステップ102により開始されたドラム50の回転によって、解像度が解像度データによって示される解像度となる2次元画像が、記録プレートF上に彫刻(形成)される(ステップ108)。
なお、記録プレートF上への2次元画像の彫刻(記録)が終了すると、主走査モータ駆動回路81は主走査モータ51の回転駆動を停止し(ステップ110)、その後に本処理を終了する。
つぎに、ステップ108におけるレーザビームLA,LBの光パワー制御について説明し、本実施形態の作用及び効果について説明する。
なお、図4に示すように、光ファイバ端部群301Aと光ファイバ端部群301Bとを主走査方向に見ると、光ファイバ端部71A,71Bの間隔、すなわち走査線Kの間隔(画素ピッチ)が10.58μm(解像度2400dpi)。換言すると、1画素は10.58μm。
また、記録プレートFの表面FAを凸状に残した凸細線Pを形成する場合について説明する。なお、凸細線Pは副走査方向を長手方向とし、所望する幅(主走査方向幅)は21.2μmとする。
そして、まず、レーザビームのスポット径Dがφ20μmとされている場合について、図9〜図11を用いて説明する。
なお、各図において、(a)の右図はレーザビームのスポット径(スポット形状)を示し左図は中心断面の光パワー分布を示すグラフである。(b)は(a)に示すスポット径(スポット形状)のレーザビームで走査して21.2μmの凸細線Pを形成する場合の光パワー変化を模式的に示す図である。なお、色が濃いほど光パワーが強く、薄いほど光パワーが弱いことを示している。(A)はレーザビームの画素露光量信号を示している。(B)はレーザビームの(b)のA−A線に沿った断面の光パワーの積算エネルギーを示すグラフである。(C)は凸細線Pの(b)のA−Aに沿った断面形状(凸方向を上方向とした場合の垂直断面形状)を模式的に示す図である。また、図におけるGは、1画素幅(10.58μm)を示している。なお、図11は、(a)、(b)に相当する図は省略され、(A)〜(C)に相当する図のみ記載されている。更に、図の矢印R方向がレーザビームの走査方向(本実施形態では主走査方向)とされる。
また、彫刻閾値エネルギー((B)参照)とは、記録プレートFの表面を彫刻するために必要なレーザビームのエネルギーとされ、この彫刻閾値エネルギーよりも大きなエネルギーでないと記録プレートFを彫刻することができない。換言すると、彫刻閾値エネルギー以下であると、レーザビームが照射されていても記録プレートFの表面は彫刻されない。なお、この彫刻閾値エネルギーは記録プレートFの種類(材質など)によって異なる。
図9は、21.2μm幅の凸細線Pに対応する部分のみレーザビームの画素露光量信号をオフした光パワー制御を行なった場合を示している(本発明が適用されていない光パワー制御)。この場合、レーザビームの画素露光量信号をオフしても、凸細線Pの領域にまで露光されてしまう。このため、図9(C)に示すように、凸細線Pの上面P5の幅は彫刻閾値エネルギー以下となる部分となるので、凸細線Pの断面形状は略台形状となる。よって、凸細線Pの上面P5の幅は所望する21.2μmに満たない。
図10は、21.2μm幅の凸細線Pの走査方向上流側及び下流側を夫々一画素分(両方で2画素分)もレーザビームの画素露光量信号をオフした光パワー制御を行なった場合を示している。この場合、凸細線P部分は完全に露光されないので、凸細線Pの上面P5の幅を、所望の21.2μmに近づけられる(21.2μm幅が確保又は略確保される)。なお、凸細線Pの上面P5の幅は彫刻閾値エネルギー以下となる部分となるので、正確には、図におけるα1部分だけ幅広となる。また、図10(C)に示すように台形の底辺部分が約20μmとなる。
この図10の場合、凸細線Pの上面P5の幅を所望する約20μmに近づけられるが、図10(C)に示すように、凸細線Pの走査方向上流側と下流側の側壁面P1,P2の傾斜角度が緩やかである。つまり、上面P5と側壁面P1,P2とで構成するエッジ部Eの角度が寝ている(角度が90°よりも大きい)。しかしながら、印刷後の細線を高精細に印刷するためには、このエッジ部Eを立てる必要がある(90°に近づける必要がある)。つまり、側壁面P1,P2の傾斜角度を垂直に近づける必要がある。
そこで、本実施形態の製版装置11では、本発明を適用して、図11に示すように、レーザビームをオフした外側の1画素分の光パワーを上げることで、壁面P1,P2の傾斜角度を垂直に近づけている。つまり、エッジ部Eをより立てている(90°に近づけている)。これにより、凸細線Pの断面形状(図のように凸方向を上方向とした場合の垂直断面)が矩形状に近づけられる。
なお、凸細線Pの上面P5の幅は彫刻閾値エネルギー以下となる部分となるので、正確には、図におけるα2部分だけ幅広となるが、壁面P1,P2の傾斜角度を垂直に近づけているので、非常に僅かであり、問題とならない。また、このα2分だけ幅狭となるように(幅を所望する21.2μmに近づけるため)、レーザビームの光パワーを上げる上げ幅を大きくしたり、画素露光量信号をオフする幅を若干狭くするなどして、調整してもよい。
このように本実施形態の製版装置11では、凸細線Pの隣接する隣接領域における走査方向上流側と下流側とで1画素分、光パワーをオフすると共に、レーザビームをオフした外側に近接する1画素分(近接領域)の光パワーを上げることで、壁面P1,P2の傾斜角度を垂直に近づけている(エッジ部Eをより立てている(90°に近づけている))。
このように、ビーム径Dが20μmと大きくても(ビーム径Dが1画素よりも大きくても)、本発明の光パワー制御を適用することで、凸細線Pの上面P5の幅を所望する幅(本実施形態では21.2μm)に近づけることができると共に、凸細線Pの断面形状を矩形状に近づけることができる。つまり、凸細線Pが高精密に彫刻することができる。よって、製版後の記録プレートFで印刷した印刷物における細線の再現性を向上させることができる。
なお、図18に示すように、約20μ幅の凸細線Pの走査方向上流側及び下流側を夫々1画素分(両方で2画素分)、レーザビームの画素露光量信号をオフ(光パワーを0(ゼロ))とするのではなく、彫刻閾値エネルギー以下で露光するように光パワー制御を行なってもよい。
つぎに、レーザビームのスポット径Dがφ40μmとされている場合について、図12〜図15を用いて説明する。
各図において、スポット径Dがφ20μmの場合と同様に、(a)の右図はレーザビームのスポット径(スポット形状)を示し左図は中心断面の光パワー分布を示すグラフである。(b)は(a)に示すスポット径(スポット形状)のレーザビームで走査して20μmの凸細線Pを形成する場合の光パワー変化を模式的に示す図である。なお、色が濃いほど光量が強く、薄いほど光パワーが弱いことを示している。(A)はレーザビームの画素露光量信号を示している。(B)はレーザビームの(b)のA−A線に沿った断面の光パワーの積算エネルギーを示すグラフである。(C)は凸細線Pの(b)のA−Aに沿った断面形状(凸方向を上方向とした場合の垂直断面)を模式的に示す図である。また、図におけるGは、1画素幅(10.58μm)を示している。なお、図14と図15は、(a)、(b)に相当する図は省略され、(A)〜(C)に相当する図のみ記載されている。更に、図の矢印R方向がレーザビームの走査方向(本実施形態では主走査方向)とされる。
図12は、21.2μm幅の凸細線Pに対応する部分のみレーザビームの露光信号をオフした光パワー制御を行なった場合を示している(発明が適用されていない光パワー制御)。この場合、レーザビームの画素露光量信号をオフしても、凸細線Pにまで露光されてしまう。また、スポット径Dがφ40μmと大きいため、図12(B)に示すように、凸細線P上でレーザビームが重なり、積算エネルギーが大きくなるので、図12(C)に示すように、凸細線Pは、形成されない。
図13は、21.2μm幅の凸細線Pの走査方向上流側及び下流側を夫々一画素分(両方で2画素分)もレーザビームの画素露光量信号をオフした光パワー制御を行なった場合を示している(本発明が適用されていない光パワー制御)。この場合でも、スポット径Dがφ40μmと大きいため凸細線Pにまで露光されてしまう。このため、図13(C)に示すように、凸細線Pの上面P5の幅は彫刻閾値エネルギー以下となる部分となるので、断面形状が略台形状となる。よって、凸細線Pの上面P5の幅は所望する20μmに満たない。
図14は、更に、21.2μm幅の凸細線Pの走査方向上流側及び下流側を夫々2画素分(両方で4画素分)もレーザビームの画素露光量信号をオフした光パワー制御を行なった場合を示している(本発明が適用されていない光パワー制御)。この場合、凸細線P部分は略完全に露光されないので、凸細線Pの上面P5の幅を、所望する21.2μmに近づけることができる。
しかし、この図14の場合、凸細線Pの上面P5の幅を所望の21.2μmに近づけられるが、図14(C)に示すように、凸細線Pの走査方向上流側と下流側の側壁面P1,P2の傾斜角度が緩やかである。つまり、上面P5と側壁面P1,P2とで構成するエッジ部Eの角度が寝ている(角度が90°よりも大きい)。印刷後の細線をより高精細とするためには、このエッジ部Eを立てる必要がある(90°に近づける必要がある)。つまり、側壁面P1,P2の傾斜角度を垂直に近づける必要がある。
そこで、前述したビーム径Dが20μmの時と同様に、本発明を適用して、図15に示すように、レーザビームをオフした外側の1画素分の光パワーを上げ、壁面P1,P2の傾斜を垂直に近づけることで(エッジ部Eをより立てることで(90°に近づけることで))、凸細線Pの断面形状が矩形状に近づけられる。
このように、ビーム径Dが40μmと大きくても(ビーム径Dが1画素よりも大きく、且つ、凸細線Pの幅よりも大きくても)、本発明を適用することで、凸細線Pの上面P5の幅を所望する20μmに近づけることができると共に、凸細線Pの断面形状を矩形状に近づけることができる。つまり、ビーム径Dが40μmと大きくても、凸細線Pを高精密に彫刻することができる。よって、製版後の記録プレートFで印刷した印刷物における細線の再現性が向上される。
なお、図19に示すように、約20μ幅の凸細線Pの走査方向上流側及び下流側を夫々2画素分(両方で4画素分)におけるレーザビームの画素露光量信号をオフするのでなく、彫刻閾値エネルギー以下で露光する光パワー制御を行なってもよい。この場合も、レーザビームを彫刻閾値エネルギー以下とした外側の1画素分のパワー光量を上げ、壁面P1,P2の傾斜を垂直に近づけることで(エッジ部Eをより立てることで(90°に近づけることで))、凸細線Pの断面形状が矩形状に近づけられる。
なお、レーザビーム径Dは、レーザビームLAとレーザビームLB(図8参照)で同じであってよいし、異なっていてもよい。例えば、浅彫り用にレーザビームLAのビーム径Dを20μmとし、深彫り用にレーザビームLBを40μmとした構成であってもよい。
つぎに、レーザビームをオフした(又は彫刻閾値エネルギー以下とした)外側の一画素分のパワー光量を上げる際に、パルス露光を行なうことで、壁面P1,P2の傾斜を垂直に更に近づける(エッジ部Eをより立てることで(90°に近づけることで))、光パワー制御について説明する。換言すると、凸細線Pの断面形状を矩形状により近づける光パワー制御について説明する。
なお、ここでは、ビーム径Dが約20μmの例で説明するが、ビーム径Dが40μmでも同様である。
図16は、0.5画素のパルス幅でパルス露光した場合を示している。この図16を見ると判るように、パルス露光することで、壁面P1,P2の傾斜がより垂直に近づけられることが判る。なお、このとき、図11の場合と積算エネルギーが略同じとなるように、光パワーの最大値を上げることが望ましい。
更に、図17は、0.25画素のパルス幅でパルス露光した場合を示している。この図17を見ると判るように、パルス幅を更に狭くすることで、壁面P1,P2の傾斜が更に垂直に近づけられることが判る。なお、このとき、図11(図16)の場合と積算エネルギーが略同じとなるように、光パワーの最大値を更に上げることが望ましい。
なお、上記実施形態では、光パワーを制御する領域は、主走査方向の上流側と下流側、夫々行なったが、上流側及び下流側のいずれか一方側にのみ適用してもよい。
また、走査方向(主走査方向)の上流側と下流側でなく、副走査方向の上流側と下流側の少なくとも一方側に本発明の光パワー制御を適用してもよい。つまり。図9に示すB−B’線に沿った断面における上面P5の幅を所望する21.2μmに近づけ、且つ断面形状を矩形状に近づけてもよい(側壁面P3,P4も垂直に近づける)。
今までは、凸細線Pについて説明したが、次に平面視矩形状の凸点Qを形成する(凸点Qを残す)場合の光パワー制御について説明する。なお、ここでは、所望の凸点Qの大きさは21.2μm×21.2μmとする。また、ビーム径Dの大きさやパルス幅の制御等は、今まで説明した凸細線Pと同様であるので、説明を省略する。
図20は、凸点Qの角部QA,QB,QC,QDに隣接する一画素分(画素A,画素B,画素C,画素D)はレーザビームをオフ(閾値エネルギー以下)とせずに光パワーを上げた近接領域Rに設定した場合を説明する説明図である。図22は、図20のように光パワーを制御した場合の凸点Qを平面視における形状を模式的に示す図である。図21は、凸点Qの全周に亘って(画素A,画素B,画素C,画素Dを含む)一画素分、レーザビームをオフし、その外側全周に亘って光パワーを上げた近接領域Rに設定した場合を説明する説明図である。図23は、図21のように光パワーを制御した場合の凸部Qの形状を模式的に示す図である。図24は凸点Qの一部の角部(この場合は角部QA,QB,QC,QD)に隣接する一画素分はレーザビームをオフせずに光パワーを上げた近接領域Rに設定した場合を説明する説明図である。
図20に示すように、凸点Qの角部QA,QB,QC,QDに隣接する一画素分(画素A,画素B,画素C,画素D)、レーザビームをオフせずに露光すると、図22に示すように凸点Qの形状が、平面視矩形状に十分に近づかない。なお、図22は判りやすくするために、デフォルメ(歪曲)させて図示されている。
これに対して、図21に示すように、凸点Qの全周に亘って(画素A,画素B,画素C,画素Dを含む)一画素分、レーザビームをオフし、その外側全周に亘って光パワーを上げると、図23のように凸点Qの形状が平面視矩形状に近づく。
なお、図20、図22のように、凸点Qの角部QA,QB,QC,QDに隣接する一画素分(画素A,画素B,画素C,画素D)、レーザビームをオフせずに光パワーを上げる場合も、本願発明に含まれる。
また、図24に示すように凸点Qの一部の角部QA、QB,QDに隣接する一画素分は、レーザビームをオフせずに光パワーを上げる場合も、本願発明に含まれる。なお、この場合も、図24に示すように、(図21のように)全周に亘ってレーザビームの光パワーを上げた方が好ましい。
しかし、前述したように図21、図23のように、凸点Qの角部QA,QB,QC,QDに隣接する一画素分(画素A,画素B,画素C,画素D)、に隣接する領域を露光しない(凸部Qの上面が閾値エネルギー以下となるように設定する)ことで、より効果的に所望の平面視矩形状の凸点部Qが得られる。
なお、平面視における形状が平面視矩形状以外(例えば、円形状や三角形状)の凸点部の場合も、記録媒体の表面を凸点部に隣接する隣接領域における一部領域又は全領域(凸点部の全周に亘って)を彫刻する光ビームの光パワーを、凸点部の上面にかかる光ビームの露光が彫刻閾値エネルギー以下になるように設定することで、本発明を適用しない場合と比較し、所望する大きさや形状の凸点部により近づけることができる。
また、平面視における形状が平面視矩形状以外の多角形状(例えば、三角形状や五角形状)の凸点部の場合も、隣接領域における彫刻閾値エネルギー以下に設定される領域を、平面視多角形の凸部の角部に隣接する領域を含むことで、平面視多角形状の凸部の角部に隣接する領域を全て露光する場合と比較し、凸部の角部をより明確に形成することができる(角部が面取りされた状態にならない)。
なお、本発明は上記実施形態に限定されない。
本実施形態では、レーザビームを出射するレーザ露光系が、光源ユニット20(ファイバーアレイ光源)から出射されたのち、結像レンズ34で集光するファイバーアレイ露光系とされているが、例えば、ファイバーレーザやCO2レーザ光源を用いるレーザ露光系と比較し、低コストとされる。
なお、前述したように、彫刻閾値エネルギーとは、記録媒体の表面を彫刻するために必要な光ビームの光エネルギーとされ、この彫刻閾値エネルギーよりも大きなエネルギーでないと記録媒体は彫刻されない。また、彫刻閾値エネルギーは、先行技術には開示されていない技術とされており、これを考慮することで、より微細彫刻が可能とされる。
10 レーザ記録装置
11 製版装置
20 光源ユニット(ファイバ光源)
30 露光ヘッド
34 結像レンズ
50 ドラム
70A 光ファイバ
70B 光ファイバ
71A 光ファイバ端部
71B 光ファイバ端部
300 ファイバーアレイ部
LA レーザビーム(光ビーム)
LB レーザビーム(光ビーム)
F 記録プレート(記録媒体)
FA 露光面(記録媒体の表面)
P 凸細線(凸部)
Q 凸点部(凸部)
QA 角部
QB 角部
QC 角部
QD 角部

Claims (10)

  1. 光ビームで記録媒体を所定の画素ピッチで走査することにより、前記記録媒体の表面を彫刻して製版する製版装置であって、
    前記記録媒体の表面を凸状に残す凸部に隣接する隣接領域における一部領域又は全領域を彫刻する光ビームの光パワーは、前記凸部の上面が彫刻閾値エネルギー以下になるように設定され、
    前記隣接領域とされた領域の外側に近接する近接領域の光ビームの光パワーは、前記隣接領域よりも上げられることを特徴とする製版装置。
  2. 前記隣接領域における彫刻閾値エネルギー以下とされた領域は、1画素以上であることを特徴とする請求項1に記載の製版装置。
  3. 前記近接領域では、パルス幅が1画素以下とされたパルス露光で彫刻されることを特徴とする請求項1又は請求項2のいずれか1項に記載の製版装置。
  4. 前記パルス露光のパルス幅が、0.5画素以下であることを特徴とする請求項3に記載の製版装置。
  5. 前記パルス露光のパルス幅が、0.25画素以下であることを特徴とする請求項3に記載の製版装置。
  6. 前記記録媒体を彫刻する前記光ビームが、ファイバーアレイ光源から出射されたのち、結像レンズで集光された光ビームとされていることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の製版装置。
  7. 前記凸部が平面視多角形状の場合、
    彫刻閾値エネルギー以下になるように設定される領域は、平面視多角形状の前記凸部の少なくとも一つの角部に隣接する領域を含むことを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の製版装置。
  8. 平面視多角形状の前記凸部の全周に亘って、彫刻閾値エネルギー以下になるように設定されることを特徴とする請求項7に記載の製版装置。
  9. 前記凸部が平面視矩形状であることを特徴とする請求項7又は請求項8に記載の製版装置。
  10. 光ビームで記録媒体を所定の画素ピッチで走査することにより、前記記録媒体の表面を彫刻して製版する製版方法であって、
    前記記録媒体の表面を凸状に残す凸部に隣接する隣接領域における一部領域又は全領域を彫刻する光ビームの光パワーを、前記凸部の上面が彫刻閾値エネルギー以下になるように下げ、
    前記隣接領域の外側に近接する近接領域を彫刻する光ビームの光パワーは、前記隣接領域よりも上げて彫刻することを特徴とする製版方法。
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