JP5120967B2 - 可変抵抗素子 - Google Patents

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本発明は、2つの電極に挟まれた金属酸化物に印加する電圧を変化させることにより、該電圧の変化に応じて電気抵抗が可逆変化する可変抵抗素子、その製造方法および、該可変抵抗素子をメモリセルとして備える不揮発性記憶装置に関するものである。
近年、フラッシュメモリに代表される不揮発性半導体記憶装置の大容量化は著しく、製品レベルでは4Gバイト程度の容量となる製品が数万円程度の価格で販売されている。特にUSBメモリ等の携帯型或いは可搬型メモリとして、その商品価値は増しており、これまで光磁気ディスク等が占めてきた市場を奪いとる勢いである。
また、数Gバイトの容量は携帯音楽プレイヤー用ストレージとしても十分であり、急速に普及しつつあるハードディスク搭載型携帯音楽プレイヤー用とは別に、固体素子である不揮発性半導体記憶装置を搭載した携帯音楽プレイヤーは、その耐振動性や高信頼性、また低消費電力といった固体素子メモリならではの原理的な優位性を、ユーザーにアピールすることに成功している。さらに、上記の音楽及び画像用の携帯型或いは可搬型商品用ストレージとして主流になると見込まれている。
今後、不揮発性半導体記憶装置は、更なる大容量化とビットコストの低減が実現された場合、動画の録画再生を行う携帯型或いは可搬型商品用ストレージとしての可能性も期待されることから、さらなる研究が行なわれている。
特に、不揮発性半導体記憶装置は、フラッシュメモリの長所である低コスト、小セル面積(〜4F:Fは製造プロセスの最小加工寸法)を引き継ぎつつ、フラッシュメモリの動作原理に起因する以下の制限、(1)高い書き込み/消去電圧(昇圧回路が必要)、(2)遅い書き込み/消去動作(特に消去時間は100μ秒超)、(3)少ない書き換え回数(10回未満)、を克服できれば、現在の情報機器のメインメモリとして使用されているDRAMを置き換える用途が開拓される。これにより、使用時には瞬時に起動し待機時には消費電力を限りなく零とする所謂「インスタントオンコンピュータ」が実現可能となる。
斯かる次世代不揮発性半導体記憶装置の候補として強誘電体メモリ(FeRAM)、磁気メモリ(MRAM)等、夫々独自の原理に基づく不揮発性メモリ素子の研究開発が行われているが、何れもフラッシュメモリの特長である低ビットコスト、小セル面積を凌ぐことは難しい。
このような状況下、相変化メモリ(PRAM)や抵抗変化型メモリ(RRAM:登録商標)等が、フラッシュメモリのビットコストを凌ぐ可能性があるため注目されている。ここで言う抵抗変化型メモリとは、2つの電極と、この2つの電極に挟まれた金属酸化物とからなる可変抵抗素子をデータ記憶部として備えたものであり、この可変抵抗素子の2つの電極に閾電圧(または閾電流)以上の電圧(または電流)を印加することにより、可変抵抗素子の電気抵抗を変化させることができ、一旦電圧(または電流)の印加状態を解除した後においても、その抵抗状態が不揮発的に維持される。これにより、抵抗変化型メモリは、可変抵抗素子における異なる抵抗状態に対応させて情報を記憶できる。
例えば、下記の特許文献1及び非特許文献1には、「一対の電極に挟まれたペロブスカイト物質からなる薄膜に異なる極性の電圧パルスを印加することにより抵抗値を変化させる方法」が開示されている。しかしながら、このペロブスカイト物質は、一般的な半導体プロセスとの親和性の点で問題を有している。
この問題を解決するものとして、特許文献2には、半導体プロセスとの親和性が高く且つ単純な組成からなる2元系酸化物からなる抵抗変化型メモリが開示されている。具体的には、特許文献2には、「データ貯蔵物質層が、異なる電圧で異なる抵抗特性を有し、所定の電圧範囲で抵抗が急激に高くなる遷移金属酸化膜としてNiO、V、ZnO、Nb、TiO、WOまたはCoOであることを特徴とする不揮発性メモリ装置」が開示されている。
また、非特許文献2には、上部電極および下部電極と、この2つの電極に挟まれた2元系遷移金属酸化物であるNiO、TiO、ZrO、またはHfOとより構成される、不揮発性抵抗変化メモリ素子の例が報告されている。
特許文献2または非特許文献2に開示されている2元系遷移金属酸化物からなる抵抗変化型メモリは、上述のように、半導体プロセスとの親和性が高く、且つ単純な構造・組成からなり、高集積不揮発メモリに適用し易いという利点がある。
米国特許第6204139号公報(2001年3月20日公開) 特開2004−363604号公報(2004年12月24日公開)
「Electric−pulse−induced reversible Resistance change effect in magnetoresistive films」 Applied Physics Letter, Vol.76,pp.2749−2751,2000年 「Highly Scalable Non−volatile Resistive Memory using Simple Binary Oxide Driven by Asymmetric Unipolar Voltage Pulses」 IEDM Technical Digest,pp.587−590,2004年
しかしながら、特許文献2または非特許文献2に開示されている2元系遷移金属酸化物からなる抵抗変化型メモリにおいて、この抵抗変化型メモリを構成する可変抵抗素子には、フォーミングと呼ばれるソフトブレークダウンを起こさせるような初期化処理が必要である。具体的には、このフォーミングとは、2つの電極間に所定の電位差を与えることにより、金属酸化物中に、2つの電極間を導通させる導通路を形成することである。ここで、高集積不揮発メモリへの応用を考えた場合、フォーミングに必要な電圧(以下、フォーミング電圧とする)を低下させることは、周辺回路の簡略化などの観点から、非常に重要である。
ここで、このフォーミング電圧は、電極間に挟まれた金属酸化物の膜厚に、ほぼ比例することが知られており、この膜厚を薄くすることにより、フォーミング電圧を低下させることが可能と考えられる。しかしながら、数ボルト以下のフォーミング電圧を実現する程度までに、膜厚を薄くすると、薄膜化にともなうリーク電流が増大するという問題が生じる。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、リーク電流を増加させることなく、金属酸化物中に導通部を形成するためのフォーミング電圧を低下できる可変抵抗素子、その製造方法、および該可変抵抗素子を記憶層として備える不揮発性記憶装置を提供することにある。
本発明の可変抵抗素子は、上記の課題を解決するために、
第1電極および第2電極と、上記第1電極と上記第2電極とに挟まれた金属酸化物とを備え、上記第1電極および上記第2電極間に印加する電圧に応じて上記第1電極および上記第2電極間の電気抵抗が可逆的に変化する可変抵抗素子であって、上記金属酸化物内に、上記第1電極および上記第2電極の少なくとも一方から離間した、上記金属酸化物よりも電気抵抗の低い低抵抗物をさらに備えていることを特徴としている。
まず、可変抵抗素子において、第1および第2電極に印加する電圧に応じて第1電極および第2電極間の電気抵抗を、可逆的に変化させる、言い換えれば、低抵抗状態および高抵抗状態のいずれか一方に変化させるためには、予め、フォーミングと呼ばれる、初期化処理を可変抵抗素子に対して行う必要がある。具体的には、このフォーミングとは、2つの電極間に所定の電圧(以下、フォーミング電圧とする)を与えることにより、金属酸化物内に、2つの電極間を導通させる導通路を形成することである。なお、このフォーミング電圧の大きさは、導通路を形成する必要がある金属酸化物の膜厚に比例する。
ここで、このフォーミング電圧を低下を実現するために、本発明の可変抵抗素子は、金属酸化物内に、金属酸化物よりも電気抵抗が低い低抵抗物を備えている。これにより、フォーミングによって形成される導通路は、第1電極から第2電極間を接続する必要がなく、低抵抗物から、低抵抗物と離間している電極(第1電極および第2電極の少なくとも一方)までを接続するように形成されればよい。
つまり、従来技術のような、金属酸化物内に低抵抗物を備えない可変抵抗素子の場合にいては、導通路を形成する必要がある金属酸化物の膜厚は、第1電極と第2電極との距離となる。これに比べ、本発明の可変低抵抗素子においては、金属酸化物内に低抵抗物を備えた分、導通路を形成する必要がある金属酸化物の厚みが、第1電極と第2電極との距離より小さくなる。結果、本発明の可変抵抗素子は、フォーミング電圧を低下できることになる。
また、本発明の可変抵抗素子においては、第1電極および第2電極に挟まれた金属酸化物の膜厚自体を薄くすることなく、フォーミング電圧を低下できる。これは、金属酸化物の膜厚を薄くすることに起因するリーク電流の増大を、抑制することになる。
以上より、本発明の可変抵抗素子は、リーク電流を増加させることなく、金属酸化物中に導通部を形成するためのフォーミング電圧を低下できるという効果を奏する。
また、本発明に係る可変抵抗素子は、さらに、
上記低抵抗物は、上記第1電極を構成する元素、および、第2電極を構成する元素の少なくとも一方から構成されることが好ましい。
上記構成を備えたことにより、低抵抗物を、第1電極または第2電極を加工して生成することができ、簡便に可変抵抗素子を製造できるという効果を奏する。
また、本発明に係る可変抵抗素子は、さらに、
上記低抵抗物は、上記金属酸化物を構成する少なくとも1種類の金属元素から構成されることが好ましい。
上記構成を備えたことにより、低抵抗物を、金属酸化物を加工して生成することができ、簡便に可変抵抗素子を製造できるという効果を奏する。
また、本発明に係る可変抵抗素子は、さらに、
上記金属酸化物は多結晶であり、上記低抵抗物は、上記金属酸化物の粒界に形成されることが好ましい。
上記構成を備えたことにより、粒界拡散を利用して、低抵抗物を金属酸化物の粒界に容易に形成できる。さらに、上記構成を備えたことにより、本発明の可変抵抗素子においては、低抵抗物を局在化できるため、低抵抗物の存在によって金属酸化物の膜厚が局所的に薄くなる部分を小さくでき、結果、リーク電流を低く抑えることが可能となる。
また、本発明に係る可変抵抗素子は、さらに、
上記低抵抗物は、熱処理によって、上記第1電極または上記第2電極の少なくとも一方を構成する元素が上記金属酸化物に拡散されることで、形成されていることが好ましい。
上記構成によれば、熱処理によって、第1電極または第2電極の少なくとも一方を構成する元素が、金属酸化物に拡散する。ここで、拡散した元素は、第1電極または第2電極の少なくとも一方を構成する元素であるため、導電性を有している。つまり、この導電性を有する元素が、金属酸化物内に拡散することにより、金属酸化物内に低抵抗物として形成されることになる。また、熱処理を用いて、この元素を金属酸化物内に拡散しているため、拡散された元素が、金属酸化物から酸素を奪い還元した結果、金属酸化物内に、金属酸化物を構成する金属元素を低抵抗物として形成することも可能となる。
以上のように、上記構成を備えたことにより、低抵抗物を金属酸化物内に確実に形成できるという効果を奏する。
本発明の可変抵抗素子は、上記の課題を解決するために、
第1電極および第2電極と、上記第1電極と上記第2電極とに挟まれた金属酸化物とを備え、上記第1電極および上記第2電極間に印加する電圧に応じて上記第1電極および上記第2電極間の電気抵抗が可逆的に変化する可変抵抗素子であって、上記第1電極および第2電極の少なくとも一方と上記金属酸化物との間に、金属酸化物側から順に、上記金属酸化物を構成する第1金属元素と酸素とから構成された、上記第1金属元素の原子数に対する、上記酸素の原子数の比率が高い第1の領域と、上記第1の領域に隣接し、かつ、上記第1電極および上記第2電極の少なくとも一方を構成する第2金属元素と、上記第1金属元素と、酸素と、から構成された第2の領域と、を備えていることを特徴としている。
上記構成を備えたことにより、本発明の可変抵抗素子は、リーク電流を増加させることなく、金属酸化物中に導通部を形成するためのフォーミング電圧を低下できるという効果を奏する。
また、本発明に係る可変抵抗素子は、さらに、
上記第2金属元素は、アルミニウムであることが好ましい。
また、本発明に係る可変抵抗素子は、さらに、
上記金属酸化物は、ニッケル酸化物であることが好ましい。
本発明の可変抵抗素子の製造方法は、上記の課題を解決するために、
第1電極および第2電極と、上記第1電極と上記第2電極とに挟まれた金属酸化物とを備え、上記第1電極および上記第2電極間に印加する電圧に応じて上記第1電極および上記第2電極間の抵抗が可逆的に変化する可変抵抗素子の製造方法であって、上記第1電極または第2電極の少なくとも一方を構成する元素を、上記金属酸化物に拡散させる拡散工程と、上記拡散工程において拡散された上記元素によって、上記金属酸化物内に、上記第1電極および上記第2電極の少なくとも一方から離間した、上記金属酸化物よりも電気抵抗の低い低抵抗物を形成する形成工程と、を備えていることを特徴としている。
上記構成を備えたことにより、本発明の可変抵抗素子の製造方法は、リーク電流を増加させることなく、金属酸化物中に導通部を形成するためのフォーミング電圧を低下できる可変抵抗素子を製造することができる。
さらに、上記の可変抵抗素子の製造方法によれば、金属酸化物内に意図的に空隙をつくり、そこに低抵抗物を埋め込むような煩雑な工程を必要としない。結果、容易かつ安価に可変抵抗素子の製造が可能となるという効果を奏する。
また、本発明に係る可変抵抗素子の製造方法は、さらに、
上記拡散工程を、熱処理によって行うことが好ましい。
上記構成を備えたことにより、熱処理のみで低抵抗物を金属酸化物内に形成することが可能となり、結果、より容易かつ安価に、可変抵抗素子の製造が可能となるという効果を奏する。
また、本発明に係る不揮発性半導体記憶装置は、
請求項1から5までのいずれか一項に記載の可変抵抗素子を有するメモリセルと、外部より入力された情報に応じた電圧を、上記第1電極および上記第2電極に印加し、上記可変抵抗素子の電気抵抗を変化させることによって、上記情報を上記メモリセルに書き込む、データ書き込み手段と、上記第1電極および上記第2電極に所定の電圧を印加し、上記可変抵抗素子に流れる電流値を検出することによって、検知した電流値から上記メモリセルが記憶する情報を読み出す、情報読み出し手段と、を備えていることを特徴としている。
上記構成によれば、本発明の不揮発性半導体記憶装置は、メモリセルとして、本発明の可変抵抗素子を備えている。したがって、リーク電流を増加させることなく、フォーミングを行う際のフォーミング電圧を低下できるため、フォーミング時の消費電力を低減することができる。さらに、フォーミング電圧を低下できるため、可変抵抗素子に電圧を印加する回路を構成する電子部品を、高耐圧仕様とする必要がなくなり、結果、コストを低減できるという効果を奏する。
本発明の可変抵抗素子は、以上のように、第1電極および第2電極と、上記第1電極と上記第2電極とに挟まれた金属酸化物とを備え、上記第1電極および上記第2電極に印加する電圧に応じて上記第1電極および上記第2電極間の電気抵抗が可逆的に変化する可変抵抗素子であって、上記金属酸化物内に、上記第1電極および上記第2電極の少なくとも一方から離間した、上記金属酸化物よりも電気抵抗の低い低抵抗物をさらに備えている。
また、本発明の可変抵抗素子は、以上のように、第1電極および第2電極と、上記第1電極と上記第2電極とに挟まれた金属酸化物とを備え、上記第1電極および上記第2電極間に印加する電圧に応じて上記第1電極および上記第2電極間の電気抵抗が可逆的に変化する可変抵抗素子であって、上記第1電極および第2電極の少なくとも一方と上記金属酸化物との間に、金属酸化物側から順に、上記金属酸化物を構成する第1金属元素と酸素とから構成された、上記第1金属元素の原子数に対する、上記酸素の原子数の比率が高い第1の領域と、上記第1の領域に隣接し、かつ、上記第1電極および上記第2電極の少なくとも一方を構成する第2金属元素と、上記第1金属元素と、酸素と、から構成された第2の領域と、を備えている。
また、本発明の可変抵抗素子の製造方法は、以上のように、第1電極および第2電極と、上記第1電極と上記第2電極とに挟まれた金属酸化物とを備え、上記第1電極および上記第2電極間に印加する電圧に応じて上記第1電極および上記第2電極間の抵抗が可逆的に変化する可変抵抗素子の製造方法であって、上記第1電極または第2電極の少なくとも一方を構成する元素を、上記金属酸化物に拡散させる拡散工程と、上記拡散工程において拡散された上記元素によって、上記金属酸化物内に、上記第1電極および上記第2電極の少なくとも一方から離間した、上記金属酸化物よりも電気抵抗の低い低抵抗物を形成する形成工程と、を備えている。
したがって、本発明の可変抵抗素子およびその製造方法は、リーク電流を増加させることなく、金属酸化物中に導通部を形成するためのフォーミング電圧を低下できる。
本発明の一実施形態に係る、フォーミング前の可変抵抗素子の構成を示す断面図である。 (a)および(b)は、本発明の一実施形態に係る、フォーミング後の可変抵抗素子の構成を示す断面図である。 本発明の一実施形態に係る、2つの電極に非接触の低抵抗物を備える、フォーミング前の可変抵抗素子の構成を示す断面図である。 (a)および(b)は、本発明の一実施形態に係る、図3の可変抵抗素子に対してフォーミングした後の可変抵抗素子の構成を示す断面図である。 (a)〜(e)は、本発明の一実施形態に係る、製造段階における、可変抵抗素子の各製造工程ごとの構成を示す断面図である。 本発明の一実施形態に係る、熱処理を施した可変抵抗素子と、熱処理を施さなかった可変抵抗素子との、フォーミング時における電流電圧特性を示すグラフである。 本発明の一実施形態に係る、正極性のフォーミング電圧およびセット電圧と、負極性のリセット電圧を、可変抵抗素子に印加した場合における、可変抵抗素子の電流電圧特性を示すグラフである。 本発明の一実施形態に係る、スイッチング動作ごとの、可変抵抗素子に流れる読み出し電流値を示すグラフである。 本発明の一実施形態に係る、正極性のフォーミング電圧、セット電圧、およびリセット電圧を、可変抵抗素子に印加した場合における、可変抵抗素子の電流電圧特性を示すグラフである。 本発明の一実施形態に係る、スイッチング動作ごとの、可変抵抗素子に流れる読み出し電流値を示すグラフである。 (a)は、従来例における、可変抵抗素子の断面のTEM像を示す図面であり、(b)は、本発明の一実施形態に係る、可変抵抗素子の断面のTEM像を示す図面である。 (a)は、従来例における、可変抵抗素子の断面の元素分布を示すグラフであり、(b)は、本発明の一実施形態に係る、可変抵抗素子の断面の元素分布を示すグラフである。 本発明の他の実施形態に係る、不揮発性半導体記憶装置の構成を示すブロック図である。 本発明の他の実施形態に係る、不揮発性半導体記憶装置が備えるメモリセルアレイの構成を示す模式図である。 従来例における、可変抵抗素子の構成を示す断面図である。
本実施形態に係る可変抵抗素子およびその製造方法の説明を行う前に、まず、参考例として従来技術における可変抵抗素子について、図15を参照して説明する。
〔参考例〕
図15は、従来技術における、フォーミング前の可変抵抗素子3の構成を示す断面図である。なお、フォーミングの詳細な説明は後述とする。図15に示すように、可変抵抗素子3は、電極11および12と、電極11と電極12とに挟まれた金属酸化物からなる金属酸化物層10とを備えている。
ここで、可変抵抗素子3の目的とする動作について簡単に説明する。可変抵抗素子3の目的とする動作は、電極11および12に印加された閾電圧に応じて、電極11および電極12間の電気抵抗が変化することである。具体的には、印加する閾電圧の値に応じて、電極11および電極12間の電気抵抗は、低抵抗状態または高抵抗状態のいずれか一方となる。
なお、以下の説明においては、説明の便宜上、可変抵抗素子3における電極11および電極12間の電気抵抗が、高抵抗状態から低抵抗状態に遷移する低抵抗化動作を、セット動作と称し、低抵抗状態から高抵抗状態に遷移する高抵抗化動作を、リセット動作と称す。さらに、セット動作とリセット動作を総じて、スイッチング動作と称する。
(フォーミング)
ここで、上述したような、可変抵抗素子3がスイッチング動作するためには、図15に示す可変抵抗素子3に対して、予め、フォーミングと呼ばれる、金属酸化物層10にソフトブレークダウンを起こさせる初期化処理が必要となる。具体的には、電極11および12間に対して所定の電圧(以下、フォーミング電圧とする)を印加することにより、金属酸化物層10内に、局所的な導電パスであるフィラメントを形成する必要がある。
このように、フォーミングによって、金属酸化物層10内に、フィラメントを形成してはじめて、可変抵抗素子3は、スイッチング動作を行うことが可能となる。この可変抵抗素子3のスイッチング動作における動作メカニズムについては、電極11および12に印加された閾電圧に応じて、金属酸化物層10内のフィラメントの破断と導通とが切り替わることによって、可変抵抗素子3の電気抵抗が、低抵抗状態または高抵抗状態に切り替わるものと考えられている。
ここで、可変抵抗素子3に対してフォーミングを行う際のフォーミング電圧は、金属酸化物層10の膜厚によって決定される。つまり、膜厚が厚いほど高いフォーミング電圧の印加が必要となる。よって、この膜厚を薄くすることにより、フォーミング電圧を低くすることは可能であるが、金属酸化物層10の薄膜化によって、リーク電流が増大する。
(リーク電流に起因する問題)
次に、このリーク電流の増加に起因する問題点を説明する。まず、可変抵抗素子3の用途は、不揮発性記憶装置におけるメモリセルに使用されることである。具体的には、記憶する情報(ビット値など)に応じて、可変抵抗素子3の電気抵抗を、上述した低抵抗状態または高抵抗状態の一方に切り替えられる。また、この不揮発性記憶装置から、記憶した情報を読み出す場合、可変抵抗素子3に、情報を読み出すための電圧(以下、読み出し電圧とする)を印加し、低抵抗状態または高抵抗状態に応じた電流を検出することにより、記憶した情報を読み出すことになる。ここで、可変抵抗素子3の低抵抗状態と高抵抗状態との抵抗値の変化(以下、抵抗変化とする)を担う部分は、金属酸化物層10内のフィラメントが形成されているごく一部に限られている。したがって、フィラメントが形成されている部分以外の金属酸化物は、何の機能も持たない。真性の抵抗変化比(高抵抗状態の抵抗値に対する低抵抗状態の抵抗値の比)は、フィラメント部分だけの導通時抵抗値と破断時抵抗値によって決まるが、電極11および12に読み出し電圧が印加されていれば、フィラメント部分以外の金属酸化物にも電流が流れてしまう。このため、この電流が高抵抗状態における電流の支配的成分となり、見かけの抵抗変化比を低下させる可能性がある。つまり、従来技術の可変抵抗素子3において、フォーミング電圧を下げようとして金属酸化物層10の膜厚を薄くするとリーク電流が大きくなってしまい、この増大したリーク電流が高抵抗状態の電流の主成分となり、可変抵抗素子3の抵抗変化比が低下するという問題が生じる。なお、一般に非線形の電流電圧特性を示す金属酸化物において、例えば、金属酸化物層10の膜厚を半分にすると、同じ読み出し電圧を印加した場合の電流は、2倍以上に増加してしまう。
〔第1の実施形態〕
本発明に係る可変抵抗素子1は、上述したような、従来技術に係る可変抵抗素子3が有する問題を解決するものであり、具体的には、リーク電流を増大させることなく、フォーミング時のフォーミング電圧を低下させることが可能とするものである。
本発明の第1の実施形態に係る可変抵抗素子1について、図1〜図9を参照して、以下に説明する。
(可変抵抗素子1の構成)
図1は、第1の実施形態に係る可変抵抗素子1の構成を示す断面図である。図1に示すように、可変抵抗素子1は、電極11および12と、電極11と電極12とに挟まれた金属酸化物からなる金属酸化物層10とを備えている。さらに、可変抵抗素子1は、金属酸化物層10内に、金属酸化物より電気抵抗が低い低抵抗物14を備えている。なお、図1に示す可変抵抗素子1が備える低抵抗物14は、電極11と接触し、電極12とは非接触である。また、図1において、電極11から電極12までの距離、言い換えれば、金属酸化物層10の膜厚は距離d0に、低抵抗物14から電極12までの距離は距離d1となっている。
ここで、図1に示すように、金属酸化物層10内に局所的に低抵抗物14を備えている場合、フォーミング時のフォーミング電圧を決める膜厚は、同図中の距離d1となる。つまり、低抵抗物14を備えない場合のフォーミング電圧は、電極11および電極12間の距離d0に対応した電圧値が必要となるが、これに比べ、低抵抗物14を備えることにより、フォーミング電圧を小さくすることができる。さらに、この場合、フィラメント部以外の金属酸化物層10に流れるリーク電流を抑制するために、距離d0を大きくできるため、または、距離d0を小さくする必要がないため、可変抵抗素子1の抵抗変化比の低下を抑制できる。
以上のように、第1の実施形態に係る可変抵抗素子1は、金属酸化物層10内に、低抵抗物14を備えることにより、金属酸化物層10の膜厚を薄くすることなく、言い換えれば、リーク電流を増大させることなく、フォーミング電圧を低下させることが可能となるという効果を奏する。
(低抵抗状態および高抵抗状態)
次に、可変抵抗素子1にフォーミングを施し、金属酸化物層10内に、フィラメント15を形成した後の、可変抵抗素子1aおよび1bについて、図2(a)および(b)を参照して説明する。図2(a)は、フォーミング後の低抵抗状態の可変抵抗素子1aの構成を示す断面図であり、同図(b)は、フォーミング後の高抵抗状態の可変抵抗素子1bの構成を示す断面図である。
図2(a)に示すように、可変抵抗素子1aにおいては、フォーミングによって金属酸化物層10内にフィラメント15が形成された後、セット動作のための閾電圧(以下、セット電圧とする)を、電極11および12に印加することによって、フィラメント15は、低抵抗状態14と電極12とを接続することになり、結果、可変抵抗素子1aは低抵抗状態となる。一方、図2(b)に示すように、フィラメント15の形成後、リセット動作のための閾電圧(以下、リセット電圧とする)を、電極11および12に印加することによって、フィラメント15はフィラメント破断部16において破断し、結果、可変抵抗素子1bは高抵抗状態となる。
(低抵抗物14の変形例)
図1に示す可変抵抗素子1においては、低抵抗物14が、電極11と接し、電極12と非接触となる構造であったが、図3に示すような構造であってもよい。図3は、可変抵抗素子1の変形である、可変抵抗素子2の構成を示す断面図である。
図3に示すように、可変抵抗素子2における、可変抵抗素子1と異なる点は、低抵抗物14の代わりに、金属酸化物層10内に、電極11および12の両方に非接触の低抵抗物24を備えていることである。同図に示すように、低抵抗物24は、電極11と距離d2離間しており、電極12とは距離d3離間している。
この可変抵抗素子2をフォーミングする場合、フォーミング電圧を決める膜厚は、同図中の距離d1と距離d2の和であり、低抵抗物24を備えない場合に比べ、フォーミング電圧を低くすることができる。なお、可変抵抗素子2におけるリーク電流の抑制が可能なことは、図1の可変抵抗素子1の場合と同様の理由である。
次に、可変抵抗素子2にフォーミング処理を施し、金属酸化物層10内に、フィラメント15を形成した後の、可変抵抗素子2aおよび2bについて、図4(a)および(b)を参照して説明する。図4(a)は、フォーミング後の低抵抗状態の可変抵抗素子2aの構成を示す断面図であり、同図(b)は、フォーミング後の高抵抗状態の可変抵抗素子2bの構成を示す断面図である。
図4(a)に示すように、可変抵抗素子2aにおいては、フォーミングによって金属酸化物層10内に、フィラメント15が、低抵抗物14から電極11および電極12の両方に向かって形成される。このフィラメント15が形成された後、セット電圧を、電極11および12に印加することによって、フィラメント15は、電極11および低抵抗状態14間と、電極12および低抵抗物14間とを接続することになり、結果、可変抵抗素子2aは低抵抗状態となる。一方、図4(b)に示すように、フィラメント15の形成後、リセット電圧を、電極11および12に印加することによって、フィラメント15はフィラメント破断部16において破断し、結果、可変抵抗素子2bは高抵抗状態となる。なお、図4(b)においては、フィラメント破断部16を、電極12と低抵抗物14とを接続するフィラメント15内に示しているが、電極11と低抵抗物14とを接続するフィラメント15内に存在してもよいし、また、電極11および12側の両方のフィラメント15内に存在することがあってもよい。
なお、可変抵抗素子1および2において、金属酸化物層10の膜厚方向(電極11、12と、金属酸化物層10との境界面の法線方向)には、連続した低抵抗領域14または24が、一つだけある場合を示したが、これは説明を容易にするためのものであり、複数存在してもよい。この場合も、局所的に金属酸化物層10の膜厚を薄くできる効果、つまり、リーク電流を増大させることなくフォーミング電圧を低下できる効果に変わりはないことは明らかである。さらに、低抵抗領域14は、電極11に接するように形成されているが、電極12に接するように形成されてもよい。また、本発明に係る可変抵抗素子は、電極11に接する低抵抗物14と、電極12に接する低抵抗物14との両方を備える構成となってもよく、この可変抵抗素子にフォーミングを行った場合、電極11に接する低抵抗物14と、電極12に接する低抵抗物14との間にフィラメント15が形成される。この場合も、局所的に金属酸化物層10の膜厚を薄くできる効果、つまり、リーク電流を増大させることなくフォーミング電圧を低下できる効果に変わりはない。
(可変抵抗素子の製造方法)
次に、本発明に係る、フォーミング前の可変抵抗素子の製造方法について、図5(a)〜(e)を参照して説明する。図5(a)〜(e)は、各製造工程における、可変抵抗素子の構成を示す断面図である。
まず、図5(a)に示すように、シリコン酸化膜18付きのSi基板17上に、RFマグネトロンスパッタリング法によって、Ti層19、下部電極としてのPt層12(図1における電極12に相当)、金属酸化物層10の順に堆積し、Ti/Pt/金属酸化物層の積層構造を形成する。ここで、Ti層19は、下部電極としてのPt層12と、シリコン酸化膜18付きの基板17との接着性を向上させるための、接着材の役割を果たすものであって、Tiターゲットに対して、RF出力200W、圧力0.5PaのAr100%ガスによって、基板温度を室温とした条件下で成膜したものである。次に、Pt層12は、RF出力100W、圧力0.3PaのAr100%ガスで、基板温度を室温とした条件下で成膜したものである。
また、金属酸化物層10の成膜には、RF出力200W、ガス圧0.5PaのAr雰囲気中で、基板温度を室温として堆積処理を施す。尚、金属酸化物層10の組成は適宜Oガスを添加することにより制御することができる。
なお、金属酸化物層10は、Co、Ni、Ti、V、Cu、W、Nb、Mnから選択される少なくとも1つの金属の酸化物によって構成される。金属酸化物層10の膜厚は、金属酸化物層10に流れるリーク電流が所定の値以下となるように適宜設定されればよく、例えば、50nmとしてもよい。
次に、図5(b)に示すように、i線縮小投影型露光装置を用いたフォトリソグラフィーとArイオンミリングとにより素子分離を行う。Arイオンミリングは印加電圧300Vで行う。なお、本実施形態に用いるフォトリソグラフィーとしては、他に、電子線描画等の方法が利用できる。次に、Arイオンミリングを行った後、残ったフォトレジスト20を除去して、金属酸化物層10を露出させる。
次に、図5(c)に示すように、フォトレジスト20とは異なる、別のフォトレジスト21をPt層12および金属酸化物層10に施す。さらに、図面における上方より、RFマグネトロンスパッタリング法によって、上部電極11としての金属層と、キャッピング層としてのPt層22を順に堆積する。これにより、同図に示すように、金属酸化物層10上に、上部電極11およびPt層22が積層される部分と、フォトレジスト21上に、上部電極11およびPt層22が積層される部分とに分けることができる。なお、上部電極11としての金属層の成膜には、RFマグネトロンスパッタリング法を用いて、Ar雰囲気中で、基板温度を室温として、堆積処理を施した。上部電極11としての金属層の厚さは例えば50nmとした。さらに、酸化防止用のキャッピング層としてのPt層22の成膜は、下部電極12のPt層の成膜と同様に方法により行う。
次に、図5(d)に示すように、フォトレジスト21を、該フォトレジスト21上に堆積した上部電極11およびPt層22と合わせて除去し、下部電極12としてのPt層を露出させる。
次に、図5(e)に示す、低抵抗物14の形成には、熱処理を用いる。具体的には、熱処理によって、上部電極11を構成する元素を金属酸化物層10へと拡散させることにより、金属酸化物層10内に低抵抗物14を形成できる。なお、拡散した上部電極11を構成する元素自体が低抵抗物14を形成してもよいし、拡散した元素と金属酸化物層10とを構成する元素を反応させて、低抵抗物14を形成させてもよい。例えば、拡散した元素が、金属酸化物層10を構成する金属酸化物から酸素を奪って還元し、低抵抗物14を形成することもできる。
また、金属酸化物層10が、多結晶であることがより好ましい。多結晶であれば、粒界拡散を利用して、局所的に低抵抗領域14を形成しやすくなる。また、多結晶であれば、熱処理によって、金属酸化物層10を構成する金属酸化物の粒界に、金属を析出させることにより、低抵抗領域14を形成することもできる。なお、図5(d)に示す可変抵抗素子の断面形状は、可変抵抗素子製作の簡便性、及び、実験の簡便性のためのものであって、図5(d)に示した断面形状に限定されるものではない。また、本発明に係る、可変抵抗素子の製造方法に用いる成膜法としては、上記の他に、レーザーアブレーション、化学気相成長(CVD)、金属(表面)を酸化させる等の周知の方法が利用できる。
(参考例との比較)
図5(a)〜(e)にて説明した方法により製造された、言い換えれば、熱処理が施され、低抵抗物14が金属酸化物層10内に形成された可変抵抗素子と、熱処理が施されず、低抵抗物14が金属酸化物層10内に形成されていない可変抵抗素子とにおける、フォーミング時の電流電圧特性の比較結果を、図6に示す。なお、可変抵抗素子を製造するために施した熱処理は、Ar雰囲気0.5Paの減圧下において、300℃の温度で10分間行ったものである。
図6は、熱処理有の可変抵抗素子と、熱処理無の可変抵抗素子との、フォーミング時の電流電圧特性を示すグラフである。また、図6に示すグラフにおいては、可変抵抗素子が備える2つの電極間に印加される電位差を横軸とし、可変抵抗素子に流れる電流値を縦軸としている。
図6に示すように、熱処理を施さなかった可変抵抗素子において、フォーミングに必要なフォーミング電圧は、約10Vとなっている。一方、熱処理を施した可変抵抗素子においては、フォーミング電圧は約3.5Vであり、熱処理を施さなかった可変抵抗素子に比べ、フォーミング電圧を約1/3程度の低くできることが分かる。また、フォーミング後の熱処理を施した可変抵抗素子に流れる電流は、フォーミング後の熱処理を施さなかった可変抵抗素子に流れる電流に比べ、電流の大きな増大はなく、熱処理を施した可変抵抗素子は、リーク電流を抑制しつつ、フォーミング電圧を低下できていることが分かる。なお、図6に示すの電流電圧特性を測定するにあたり、フォーミング時には、可変抵抗素子に100kΩの電流制限抵抗を直列に挿入して測定している。これは、フォーミング時に大電流が流れて可変抵抗素子が破壊されることを防止するためである。
次に、フォーミング時と、フォーミング後に、極性が異なるセット電圧およびリセット電圧を可変抵抗素子に印加した際との、可変抵抗素子における電流電圧特性を図7に示す。図7は、正電圧のフォーミング電圧を、熱処理を施した可変抵抗素子に印加し、低抵抗状態にした後、負電圧のリセット電圧を可変抵抗素子に印加し、次に、正電圧のセット電圧を可変抵抗素子に印加し、また次に、負電圧のリセット電圧を再度可変抵抗素子に印加した場合における、可変抵抗素子における電流電圧特性を示すグラフである。なお、図7に示すグラフにおいては、可変抵抗素子が備える2つの電極間に印加される電位差を横軸とし、可変抵抗素子に流れる電流値を縦軸としている。
ここで、フォーミング後の、熱処理を施された可変抵抗素子における、セット動作とリセット動作を繰り返し交互に行い、各セット動作および各リセット動作直後の、読み出し電圧(0.2V)印加時の、可変抵抗素子に流れる電流値の変化について、図8を参照して説明する。図8は、正電圧のセット電圧および負電圧のリセット電圧による、セット動作およびリセット動作を行い、セット動作直後およびリセット動作直後における、読み出し電圧印加時の、可変抵抗素子に流れる電流値の変化を示すグラフである。なお、図8における横軸のスイッチングサイクルにおいて、奇数番目のサイクルがフォーミングまたはセット動作直後の時点を示し、偶数番目のサイクルがリセット動作直後の時点を示している。
図8に示すように、リセット動作直後の、読み出し電圧印加時の可変抵抗素子に流れる電流値と、セット動作直後の、読み出し電圧印加時の可変抵抗素子に流れる電流値とを比べると、抵抗変化比は2桁以上となり、熱処理を施された可変抵抗素子においては、抵抗変化比が低下するという問題は発生していないことが分かる。
次に、フォーミング電圧、セット電圧、およびリセット電圧を、すべて同じ極性の電圧(正電圧)とした場合の、可変抵抗素子における電流電圧特性を図9に示す。図9は、熱処理を施した可変抵抗素子に対して、フォーミング、リセット動作、セット動作、リセット動作、セット動作、リセット動作の順で、各動作を行ったときの、可変抵抗素子における電流電圧特性を示すグラフである。なお、図9に示すグラフにおいては、可変抵抗素子が備える2つの電極間に印加される電位差を横軸とし、可変抵抗素子に流れる電流値を縦軸としている。
ここで、フォーミング後の、熱処理を施された可変抵抗素子における、セット動作とリセット動作を繰り返し交互に行い、各セット動作および各リセット動作直後の、読み出し電圧(0.2V)印加時の、可変抵抗素子に流れる電流値の変化について、図10を参照して説明する。図10は、共に正電圧のセット電圧およびリセット電圧による、セット動作およびリセット動作を行い、セット動作直後およびリセット動作直後における、読み出し電圧印加時の、可変抵抗素子に流れる電流値の変化を示すグラフである。なお、図10における横軸のスイッチングサイクルにおいて、奇数番目のサイクルがフォーミングまたはセット動作直後の時点を示し、偶数番目のサイクルがリセット動作直後の時点を示している。
図10に示すように、リセット動作直後の、読み出し電圧印加時の可変抵抗素子に流れる電流値と、セット動作直後の、読み出し電圧印加時の可変抵抗素子に流れる電流値とを比べると、抵抗変化比は2桁以上となり、熱処理を施された可変抵抗素子においては、抵抗変化比が低下するという問題は発生していないことが分かる。
なお、図7および図9に示すの電流電圧特性を測定するにあたり、また、図8および図10のリセット動作およびセット動作における、読み出し電圧印加時の電流を測定するにあたり、フォーミング時およびセット動作時には、可変抵抗素子に100kΩの電流制限抵抗を直列に挿入して測定している。これは、フォーミング時に大電流が流れて可変抵抗素子が破壊されることを防止するためである。
次に、熱処理を施さない可変抵抗素子(従来技術に係る可変抵抗素子に相当)と、熱処理を施した可変抵抗素子との断面を、透過電子顕微鏡(TEM:Transmission Electron Microscope)によって撮影したTEM像を、図11(a)および(b)に示す。図11(a)は、熱処理を施さない可変低抵抗素子のTEM像を示す図面であり、同図(b)は、熱処理を施した可変抵抗素子のTEM像を示す図面である。
なお、図11(a)および(b)に示すTEM像は、ニッケル酸化物からなる金属酸化物層10と、Al(アルミニウム)からなる膜厚20nmの電極11との界面を撮影したものである。さらに、同図(a)および(b)のTEM像の可変抵抗素子は、図6に示すフォーミング時の電流電圧特性を示す可変抵抗素子と、ほぼ同様の構造である。
図11(a)および(b)に示すように、金属酸化物層10を構成するニッケル酸化物は、柱状結晶構造となっており、電界11のAlが粒界拡散を生じやすい構造となっている。このことから、電極11のAlが金属酸化物層10に拡散し、拡散したAl自体が、または、拡散したAlがニッケル酸化物から酸素を奪って還元されたニッケルが、ニッケル酸化物の粒界近傍に低抵抗物を生じていると考えられる。
次に、熱処理を施さない可変抵抗素子の元素分布と、熱処理を施した可変抵抗素子の元素分布(EELS強度分布)とを、電子エネルギー損失分光法(EELS)を用いて測定し、その測定結果を図12(a)および(b)に示す。図12(a)は、熱処理を施さない可変抵抗素子の元素分布を示すグラフであり、同図(b)は、熱処理を施した可変抵抗素子の元素分布を示すグラフである。なお、同図(a)および(b)に示すグラフの測定対象である可変抵抗素子は、下部電極12であるPt層、金属酸化物層10であるニッケル酸化物層、上部電極11であるAl層、キャッピング層22であるPt層の順に製膜されたものであり、図6に示すフォーミング時の電流電圧特性を示す可変抵抗素子と、ほぼ同様の構造である。
まず、図12(a)に示すグラフにおいては、ニッケル酸化物とAlが接した部分において、ニッケル、アルミ、酸素からなる層と、アルミ酸化物層との2つの層が生じている。金属酸化物層10であるニッケル酸化物層は、ほぼ一様な組成分布となっている。なお、同図(a)において、金属Alとして存在している層が確認できないが、これは、解析に用いた試料においては、成膜したAlが薄かったためにすべて酸化されてしまったためである。図6に示した可変抵抗素子においては、金属Al層が存在している。
一方、図12(b)は、熱処理を施した可変抵抗素子の元素分布であるが、図12(a)の熱処理を施さなかった可変抵抗素子の元素分布と比べると、特に酸素とニッケルの分布が変化している。酸素の分布は均一になり、ニッケルに対応するEELS信号強度は電極界面付近で小さくなっている。結果として、ニッケル酸化物と電極界面付近において、言い換えれば、金属酸化物層10と電極11との間において、酸素過剰なニッケル酸化物層と、ニッケル、アルミ、酸素からなる層とが形成されている。つまり、可変抵抗素子に熱処理を行った結果、可変抵抗素子は、金属酸化物層10を構成するニッケル酸化物と、電極11を構成するAlとの界面付近において、酸素/金属元素比(ニッケルの原子数に対する酸素の原子数の比率)が高い遷移層である第1の領域と、電極11を構成する金属(Al)、金属酸化物を構成する金属(ニッケル)、および酸素からなる遷移層である第2の領域と、を備えた構造となっていることが確認できる。したがって、結果としてこのような元素分布となるような処理をすることにより、フォーミング電圧を低くできると考えられる。
〔第2の実施形態〕
次に、本発明の第2の実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置4(以下、記憶装置とする)について、図13および図14を参照して、以下に説明する。
まず、図13を参照して、記憶装置4の構成について説明する。図13は、記憶装置4の構成を示すブロック図である。
図13に示すように、記憶装置4は、メモリセルアレイ40と、ビット線デコーダ41、ワード線デコーダ42、電圧スイッチ回路44、読み出し回路45、電圧発生回路46、および、制御回路43を備えている。
ここで、メモリセルアレイ40の内部構成について、図14を参照して以下に説明する。図14は、メモリセルアレイ40の構成を示す模式図である。
図14に示すように、メモリセルアレイ40は、第1の実施形態において説明した可変抵抗素子1または2を、メモリセル50として複数備え、この複数のメモリセル50を、行方向および列方向のマトリクス状に配列して構成されている。より具体的には、メモリセルアレイ40は、列方向に延伸するm本のビット線(列選択線)BL1〜BLm(以下、総称する場合はビット線BLとする)と、行方向に延伸するn本のワード線(行選択線)WL1〜WLn(以下、総称する場合はワード線WLとする)との各交点に、メモリセル50がm×n個配置されたクロスポイント型のアレイ構成となっている。例えば、同一列のメモリセル50の電極12(図1参照)同士を接続して、列方向に延伸させた配線をビット線BLとし、同一行のメモリセル50の電極11(図1参照)同士を接続して、行方向に延伸させた配線をワード線WLとする。
ビット線デコーダ41とワード線デコーダ42とは、ビット線BLおよびワード線WLを介して、メモリセル50を行単位、列単位、またはメモリセル単位で選択するメモリセル選択回路としての機能を有する。
図13を参照して説明すると、ビット線デコーダ41とワード線デコーダ42とは、アドレス線47を介して制御回路43に入力された、読み出し対象または書き換え対象を示すアドレス信号に対応したメモリセル50を、メモリセルアレイ40の中から選択する。より具体的には、ワード線デコーダ42は、アドレス線47を介して入力されたアドレス信号に対応するメモリセルアレイ40のワード線WLを選択し、ビット線デコーダ41は、アドレス線47を介して入力されたアドレス信号に対応するメモリセルアレイ40のビット線BLを選択する。
制御回路43は、メモリセルアレイ40が記憶する情報(以下、記憶情報とする)の書き換え動作(第1の実施形態における、セット動作およびリセット動作に相当)と、記憶情報の読み出し動作とにおける各制御を行う。
記憶情報の書き換え動作時または読み出し動作時において、制御回路43は、アドレス線47を介して入力されたアドレス信号、データ線48を介して入力されたデータ信号(書き換え動作時のみ)、および、制御信号線19を介して入力された制御入力信号に基づいて、ワード線デコーダ42、ビット線デコーダ41、および、電圧スイッチ回路44を制御し、メモリセルアレイ40が記憶する記憶情報の読み出しまたは書き換えを行う。図13に示す記憶装置4においては、制御回路43は、図示しない一般的なアドレスバッファ回路、データ入出力バッファ回路、制御入力バッファ回路としての機能を具備している。
電圧スイッチ回路44は、メモリセルアレイ40が記憶する記憶情報の書き換え動作時および読み出し動作時に必要となる、ワード線WLおよびビット線BLを介してメモリアルアレイ40に入力される信号の各電圧を、各動作に応じて切り替え、ビット線デコーダ41およびワード線デコーダ42に供給する電圧供給回路として機能する。図13における、Vccは本発明装置の電源電圧、Vssは接地電圧、Vppはセット電圧、Veeはリセット電圧、Vrdは読み出し電圧である。なお、電圧スイッチ回路44への電源電圧Vccおよび接地電圧Vssは、記憶装置4の外部から供給されている。また、セット動作、リセット動作、読み出し動作における、メモリセルアレイ40に入力される信号の各電圧は、電圧発生回路46によって、電源電圧Vccまたは他の電源電圧から生成されている。
読み出し回路45は、アドレス信号が示す選択メモリセル50に接続するビット線BLを流れる読み出し電流のうち、ビット線デコーダ41によって選択された選択ビット線BLを流れる読み出し電流を、電圧変換する。さらに、電圧変換した信号を、1行の選択メモリセルの内の選択ビット線BLに接続する読み出し対象のメモリセル50の記憶情報の状態を判定し、その結果を制御回路43に転送し、制御回路43は、読み出し回路45より転送された信号を、データ線48へ出力する。
次に、書き換え動作時における、メモリセルアレイ40への電圧印加の一例について説明する。本実施形態において、メモリセル50に使用される可変抵抗素子1または2(図1または図3参照)は、例として、図7および図8に示すようなスイッチング特性を有する。したがって、電極12を基準として電極11に正極性のセット電圧の電圧パルスを印加すると、可変抵抗素子の電気抵抗が、高抵抗状態から低抵抗状態へとスイッチングする。逆に、電極12を基準として電極11に負極性のリセット電圧の電圧パルスを印加すると、可変抵抗素子の電気抵抗が、低抵抗状態から高抵抗状態へとスイッチングする。なお、以下の説明においては、印加する電圧パルスが、セット電圧およびリセット電圧の半分の電圧振幅である場合には、スイッチング動作は発現しないものとする。
ここで、セット動作時には、ビット線デコーダ41およびワード線デコーダ42は、書き換え対象の選択メモリセル50に接続する選択ビット線BLに、接地電圧Vss(0V)を、選択メモリセル50に接続する選択ワード線WLに、セット電圧Vppを夫々印加する。これにより、選択メモリセル50の電極12(選択ビット線BL側)を基準として、電極11(選択ワード線WL側)に、セット電圧Vppが印加されてセット動作が実行される。このとき、ビット線デコーダ41およびワード線デコーダ42は、選択メモリセル50に接続しない非選択ビット線BLと非選択ワード線WLに対して、セット電圧Vppの2分の1の電圧(Vpp/2)を印加する。これにより、非選択ビット線BLと非選択ワード線WLに夫々接続する第1の非選択メモリセル50の両端には電圧印加が生じず、選択ビット線BLと非選択ワード線WLに夫々接続する第2の非選択メモリセル50の両端、および、非選択ビット線BLと選択ワード線WLに夫々接続する第3の非選択メモリセル50の両端には、電極12を基準として電極11には、セット電圧の半分の正電圧(Vpp/2)が印加されることになり、結果、何れの非選択メモリセル50においても、セット動作は起こらない。
また、リセット動作時には、ビット線デコーダ41およびワード線デコーダ42は、書き換え対象の選択メモリセル50に接続する選択ビット線BLに、リセット電圧Veeを、選択メモリセル50に接続する選択ワード線WLに、接地電圧Vssを夫々印加する。これにより、選択メモリセル50の電極12(選択ビット線BL側)を基準として、電極11(選択ワード線WL側)に、負極性のリセット電圧(−Vee)が印加されてリセット動作が実行される。このとき、ビット線デコーダ41およびワード線デコーダ42は、選択メモリセル50に接続しない非選択ビット線BLと非選択ワード線WLに対して、リセット電圧Veeの2分の1の電圧(Vee/2)を印加する。これにより、非選択ビット線BLと非選択ワード線WLに夫々接続する第1の非選択メモリセル50の両端には電圧印加が生じず、選択ビット線BLと非選択ワード線WLに夫々接続する第2の非選択メモリセル50の両端、および、非選択ビット線BLと選択ワード線WLに夫々接続する第3の非選択メモリセル50の両端には、電極12を基準として電極11には、リセット電圧の半分の負電圧(−Vee/2)が印加されることになり、結果、何れの非選択メモリセル50においても、リセット動作は起こらない。
次に、読み出し動作時のメモリセルアレイ40への電圧印加の一例について説明する。読み出し動作時には、ビット線デコーダ41およびワード線デコーダ42は、読み出し対象の選択メモリセル50に接続する選択ビット線BLに、読み出し電圧Vrdを、選択メモリセル50に接続する選択ワード線WLに、接地電圧Vss(0V)を夫々印加する。これにより、選択メモリセル50の電極11(選択ワード線WL側)を基準として電極12(選択ビット線BL側)に読み出し電圧(Vrd)が印加される。このとき、選択メモリセル50に、抵抗状態に応じた読み出し電流が、選択ビット線BLから選択ワード線WLへと流れる。この読み出し電流を、ビット線デコーダ41を介して、読み出し回路45が検出することにより、読み出し動作が行われる。
なお、第2の実施形態において、電極11にワード線を、電極12にビット線を接続する構成としたが、逆に、電極11にビット線を、電極12にワード線を接続する構成としてもよい。また、読み出し動作において、ビット線デコーダ41に読み出し回路45を接続する構成としたが、ワード線デコーダ42に読み出し回路45を接続する構成としてもよい。
さらに、第2の実施形態においては、メモリセル50の構成として、第1の実施形態に説明した可変抵抗素子だけを用いた1R型のメモリセルを想定したが、本発明はこれに限るものではなく、可変抵抗素子とダイオード等の整流素子とを直列接続した1D/1R型のメモリセル構成、或いは、可変抵抗素子と選択トランジスタ(MOSFETやバイポーラトランジスタ等)の直列回路とによって構成した1T/1R型のメモリセル構成でメモリセルアレイを構成しても良い。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
なお、本発明の可変抵抗素子、その製造方法、および、該可変抵抗素子を記憶層として備える不揮発性記憶装置を以下のように構成してもよい。
(第1の構成)
第1電極と第2電極の間に金属酸化物層を有し、前記第1及び第2電極間への電気的ストレスの印加に応じて、前記第1及び第2電極間の電気抵抗が可逆的に変化する可変抵抗素子であって、前記金属酸化物層中に、部分的に抵抗率が周囲よりも低い低抵抗領域を備えることを特徴とする可変抵抗素子。
(第2の構成)
前記低抵抗領域が、前記第1電極と前記第2電極の内の少なくとも何れか一方の特定電極を構成する元素の少なくとも一つから構成されることを特徴とする第1の構成に記載の可変抵抗素子。
(第3の構成)
前記低抵抗領域が前記金属酸化物層を構成する元素の少なくとも一つの元素から構成されることを特徴とする第1の構成に記載の可変抵抗素子。
(第4の構成)
前記低抵抗領域が前記金属酸化物層の粒界近傍に存在すること特徴とする第2の構成または第3の構成に記載の可変抵抗素子。
(第5の構成)
第1電極と第2電極の間に金属酸化物層を有し、前記第1及び第2電極間への電気的ストレスの印加に応じて、前記第1及び第2電極間の電気抵抗が可逆的に変化する可変抵抗素子の製造方法であって、前記特定電極を構成する元素を拡散させる拡散工程によって、前記金属酸化物層中に、前記低抵抗領域を形成することを特徴とする可変抵抗素子の製造方法。
(第6の構成)
前記拡散工程を、熱処理によって行うことを特徴とする請求項5に記載の可変抵抗素子の製造方法。
(第7の構成)
第1の構成から第4の構成までの何れか1つの構成に記載の前記可変抵抗素子を有するメモリセルと、前記可変抵抗素子の両端に電力を印加して、電気抵抗を変化させて情報の書き込み及び消去を行う情報書き換え手段と、前記可変抵抗素子の両端に読み出し電圧を印加して前記可変抵抗素子を流れる電流量から電気抵抗状態を検知して記憶された情報を読み出す情報読み出し手段と、を備えてなることを特徴とする不揮発性半導体記憶装置。
本発明は、リーク電流の抑制しつつ、フォーミングに必要なフォーミング電圧を低下することが可能な可変抵抗素子、その製造方法、および、該可変抵抗素子をメモリセルとして備える不揮発性記憶装置を提供するものであり、特に、携帯型または可搬型のメモリにおいて利用することが可能である。
1 可変抵抗素子
1a 可変抵抗素子
1b 可変抵抗素子
2 可変抵抗素子
2a 可変抵抗素子
2b 可変抵抗素子
11 電極(第1電極)
12 電極(第2電極)
14 低抵抗物
24 低抵抗物
4 不揮発性半導体記憶装置
40 メモリセル
41 ビット線デコーダ(データ書き込み手段、データ読み出し手段)
42 ワード線デコーダ(データ書き込み手段、データ読み出し手段)
45 読み出し回路(データ読み出し手段)

Claims (5)

  1. 第1電極および第2電極と、上記第1電極と上記第2電極とに挟まれた金属酸化物とを備え、上記第1電極および上記第2電極間に印加する電圧に応じて上記第1電極および上記第2電極間の電気抵抗が可逆的に変化する可変抵抗素子であって、
    上記第1電極および第2電極の少なくとも一方と上記金属酸化物との間に、金属酸化物側から順に、
    上記金属酸化物を構成する第1金属元素と酸素とから構成された、上記第1金属元素の原子数に対する、上記酸素の原子数の比率が高い第1の領域と、
    上記第1の領域に隣接し、かつ、上記第1電極および上記第2電極の少なくとも一方を構成する第2金属元素と、上記第1金属元素と、酸素と、から構成された第2の領域と、
    を備えていることを特徴とする、可変抵抗素子。
  2. 上記第2金属元素は、アルミニウムであることを特徴とする、請求項1に記載の可変抵抗素子。
  3. 上記金属酸化物は、ニッケル酸化物であることを特徴とする、請求項1または2に記載の可変抵抗素子。
  4. 第1電極および第2電極と、上記第1電極と上記第2電極とに挟まれた、金属酸化物からなる金属酸化物層とを備え、上記第1電極および上記第2電極間に印加する電圧に応じて上記第1電極および上記第2電極間の電気抵抗が可逆的に変化する可変抵抗素子であって、
    上記金属酸化物層内に、上記第1電極および上記第2電極の少なくとも一方から離間した、上記金属酸化物よりも電気抵抗の低い低抵抗物であって、上記金属酸化物を構成する少なくとも1種類の金属元素から構成される低抵抗物をさらに備えており、
    上記金属酸化物は、多結晶であり、
    上記低抵抗物は、上記金属酸化物の粒界に析出した上記金属元素から構成されていることを特徴とする可変抵抗素子。
  5. 上記第1電極と上記第2電極の間に電圧を印加してフォーミングを行った後に、上記第1電極および上記第2電極間に印加する電圧に応じて電気抵抗が可逆的に変化することを特徴とする請求項4に記載の可変抵抗素子。
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