JP5118527B2 - エンジンの燃料供給装置 - Google Patents
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Description
エンジンをアイドリング状態から急加速すると(エンジンの回転速度を急激に高めると)、急激な空気流量の変化により燃料の供給が遅れ、一時的に混合気が希薄になり、エンジンが加速不良や停止することが考えられる。
燃料増量ポンプを設けることで、エンジンの加速時に、混合気の燃料を一時的に増量させることが可能である(例えば、特許文献1参照。)。
そして、空気流路は、燃料増量ポンプの負圧室に空気導入路を経て連通されている。
よって、燃料増量ポンプの負圧ダイヤフラムがばね部材のばね力で負圧室側に移動されている。
燃料増量ポンプの負圧ダイヤフラムがばね部材のばね力に抗してポンプ室側に瞬時に移動される。ポンプ室の空気が連通流路を経て加圧室へ圧送される。
よって、エンジンをアイドリング状態から急加速したときに、スロットル弁の操作に対応させて、混合気の燃料を応答性よく一時的に増量できるとされている。
すなわち、エンジンの燃料供給装置は、インシュレータ部に2つの流路(混合気供給流路、空気流路)を設ける必要があり、小型にまとめることが難しいとされていた。
よって、アイドリング状態からスロットル弁の開度を大きくして急加速すると(エンジンの回転速度を急激に高めると)、気化器に多量の空気が瞬時に導かれる。
導かれた多量の混合気の一部が、負圧室流路を経て燃料増量ポンプの負圧室に瞬時に導かれ、燃料増量ポンプが作動する。
これにより、スロットル弁の操作に対応させて混合気に含まれる燃料を一時的に増量させて、エンジンが加速不良や停止することを防ぐことができる。
よって、燃料増量ポンプの作動が停止して、ポンプ室の空気を加圧室へ圧送しなくなる。
これにより、混合気に含まれる燃料を一時的に増量させない通常の状態でエンジンが駆動される。
このため、混合気に含まれた燃料が燃料増量ポンプの負圧室に溜まり、気化器からエンジンに供給される混合気の空燃比が変動することが考えられる。
混合気の空燃比が変動すると、エンジンを円滑に駆動させることが難しい。
よって、噴霧状の燃料が負圧室に導かれて負圧室の下部に滴下した場合に、流路を経て混合気供給流路に戻すことができる。
これにより、混合気の空燃比が変動することを抑えることが可能になり、エンジンを円滑に駆動させることができる。
これにより、燃料増量ポンプを作動させるために、従来技術のように、インシュレータ部に空気流路を設ける必要がないので小型化を図ることができる。
図1は本発明に係るエンジンの燃料供給装置を示す原理図である。
エンジンの燃料供給装置10は、空気に燃料12を混合する気化器11と、気化器11とエンジン14との間に介在されたインシュレータ部15と、インシュレータ部15に組み込まれた燃料増量ポンプ16とを備えている。
気化器11およびインシュレータ部15はボルト18,18(図2、図3参照)でエンジン14に取り付けられている。
このエンジンの燃料供給装置10は、図2に示すように、気化器11のうち、燃料増量ポンプ16側の側部11aに気化器側ポンプ29を設けることが可能である。
しかし、図1の原理図においては、エンジンの燃料供給装置10の理解を容易にするために、便宜上、燃料増量ポンプ16をインシュレータ部15の真上に配置し、気化器側ポンプ29を気化器11の下部に設けた状態で示した。
燃料貯留室26は、図示しない燃料供給流路を介して燃料タンク(図示せず)に連通されている。
なお、ポンプ室流路31については、図5、図6で詳しく説明する。
ベンチュリ部24に空気が矢印の如く流れることで、燃料ノズル25から燃料12がベンチュリ部24に導かれる。
燃料12を強制的にベンチュリ部24に導き出すことで、ベンチュリ部24に導き出す燃料を増量させることが可能である。
図2は本発明に係るエンジンの燃料供給装置の側面図である。
気化器11は、スロットル弁23の支軸33が縦向きに配置された状態に取り付けられている。
気化器11にはインシュレータ部15(図1参照)を介して燃料増量ポンプ16が設けられている。
さらに詳しくは、図4に示すように、燃料増量ポンプ16は、その中心32が混合気供給流路36の中心34に対して側方、すなわち側部11a側にオフセットされた状態で、かつ上方に配置されている。
燃料増量ポンプ16側の側部11aに気化器側ポンプ29を設けることで、気化器側ポンプ29が燃料増量ポンプ16の近傍に配置されている。
このインシュレータ部15は、混合流路22および吸気流路35に連通された混合気供給流路36と、混合気供給流路36を負圧室65に連通する負圧室流路(流路)38とが設けられている。
負圧室65は、後述するように、収納部45および負圧ダイヤフラム57で形成されている。
混合気供給流路36は、混合流路22において液体の燃料12と混合した混合気13を吸気流路35に導く流路である。
負圧室流路38は、負圧室65(図1も参照)および混合気供給流路36を連通するように、インシュレータ部15に、第1負圧室流路41の流路溝43および第2負圧室流路42が一体に形成されている。
第1負圧室流路41は、第2負圧室流路42および混合気供給流路36を連通する流路である。
プレート47は、図1に示すように、インシュレータ部15とエンジン14との間に介在された板材である。
収納部45の下部45aは、負圧室65の下部も構成している。
換言すれば、第1負圧室流路41は混合気供給流路36から第2負圧室流路42の端部42aに向けて傾斜角θの上り勾配で上向きに直線状に延出されている。
なお、第1負圧室流路41を傾斜角θで形成した理由については後述する。
負圧室流路38で負圧室65および混合気供給流路36を連通することで、混合気供給流路36から混合気13の一部を負圧室65に導入することが可能である。
これにより、燃料増量ポンプ16を作動させるために、従来技術のように、インシュレータ部15に空気流路を設ける必要がないので小型化を図ることができる。
よって、負圧室流路38の形状を直線状に簡素化でき、かつ、全長(L1+L2)寸法を小さく抑えることができる。L2は図3に図示する。
したがって、図1に示すスロットル弁23の操作に対応させて、燃料貯留室26の燃料12を応答性よく増量させて導き出すことができる。
具体的には、燃料増量ポンプ16は、図2、図4に示すように、気化器11の混合流路22や混合気供給流路36に対して側方にオフセットされた状態で上方に配置されている。
ポンプ本体51は、支持部材54と移動部材55との間に圧縮ばね56が介在され、移動部材55が圧縮ばね56のばね力で負圧ダイヤフラム57に押圧されている。
支持部材54は、下部54bに排出孔61が形成されている。排出孔61は、収納部45の下部45aに臨む孔である。
なお、リッド52は、収納部45の外周縁45bにビス63,63(図2、図4参照)で取り付けられている。
ポンプ室66は、負圧ダイヤフラム57およびリッド52で形成されている。
ポンプ室66は、負圧ダイヤフラム57がリッド52側に移動することにより、空間46が減少する室である。
ポンプ室66内の空間46が減少することで、ポンプ室66内の空気をポンプ室流路31を経て加圧室27に導き、加圧室27内を加圧することが可能である。
加圧孔71は、ポンプ室流路31を介して加圧室27に連通されている。
大気開放孔72は、ポンプ室66を大気に連通する孔である。
前述したポンプ室流路31は、ポンプ室66および加圧室27を連通するようにボディ21に一体に形成された第1〜第3のポンプ室流路75〜77を備えている。
第2ポンプ室流路76は、第1ポンプ室流路75の端部から気化器側ポンプ29に向けて、混合流路22に対して略直角に交差させた状態に形成された流路である。
第3ポンプ室流路77は、第2ポンプ室流路76の端部から混合流路22に略平行に加圧室27まで形成された流路である。
よって、ポンプ室66の空気を、加圧孔71およびポンプ室流路31を経て加圧室27に導入することが可能である。
よって、部品点数を抑えて構成の簡素化を図るとともに、組立工数を減らすことができる。
よって、気化器側ポンプ29の加圧孔71を、燃料増量ポンプ16の近傍に配置することができる。
これにより、ポンプ室流路31の形状を簡素化し、かつ、全長寸法を小さく抑えることが可能になり、ポンプ室66の空気を加圧室27に迅速に送り出すことができる。
まず、エンジンの燃料供給装置10をアイドリング状態から急加速したときの作動を図7〜図8の原理図に基づいて説明する。
図7は本発明に係るエンジンの燃料供給装置をアイドリング状態から急加速したときの作動例を説明する図である。
エンジン14のアイドリング状態において、スロットル弁23の開度を大きくしてエンジン14を急加速する。
気化器11の混合流路22に多量の空気が矢印Aの如く瞬時に導かれる。
多量の空気に燃料12が混合されて混合気13になる。混合気13は混合気供給流路36に矢印Cの如く瞬時に導かれる。
ここで、負圧室流路38は混合気供給流路36から負圧室65に向けて上向きに延出されている。
負圧室流路38(具体的には、第1負圧室流路41)を直線状に延出することで、混合気13は負圧室流路38を円滑に流れる。よって、混合気13を負圧室流路38から負圧室65まで迅速に導くことができる。
ポンプ室66内の空間46が減少することで、ポンプ室66内の空気を加圧孔71およびポンプ室流路31を経て加圧室27に矢印Fの如く押し出す。
加圧室27に空気が押し出されることで加圧室27が加圧され、加圧ダイヤフラム28が矢印Gの如く燃料貯留室26側に移動する。
加圧ダイヤフラム28が燃料貯留室26側に移動することで、燃料貯留室26の燃料12が燃料ノズル25を経てベンチュリ部24に一時的に増量した状態で矢印Hの如く供給される。
これにより、燃料12が一時的に増量した混合気13をエンジン14に導くことができ、エンジン14が加速不良や停止することを防ぐことができる。
よって、負圧ダイヤフラム57が支持部材54に向けて矢印Jの如く移動して、ポンプ室66の空気を加圧室27へ圧送しなくなる。
これにより、混合気13に含まれる燃料12を一時的に増量させない通常の状態でエンジン14が駆動される。
図9は本発明に係るエンジンの燃料供給装置の燃料増量ポンプ内の燃料を混合気供給流路に戻す例を説明する図である。
図7で説明したように、スロットル弁23の開度を大きくして急加速したとき、混合気13の一部が燃料増量ポンプ16の負圧室65に導かれる。
燃料12が負圧室65に溜まることで、気化器11からエンジンに供給される混合気13の空燃比が変動することが考えられる。
混合気13の空燃比が変動すると、エンジン14を円滑に駆動させることが難しい。
具体的には、図2に示すように、燃料増量ポンプ16を、気化器11の混合流路22に対して側方、すなわち側部11a側にオフセットした状態で、かつ上方に配置した。
そして、負圧室65の下部45aから混合気供給流路36に向けて負圧室流路38を延ばした。
これにより、混合気13が負圧室65に導かれて負圧室65の下部45aに燃料12が滴下した場合に、負圧室流路38を経て混合気供給流路36に矢印Kの如く戻すことができる。
これにより、混合気13の空燃比が変動することを抑えて、エンジン14を円滑に駆動させることができる。
具体的には、図4に示すように、負圧室流路38の第1負圧室流路41が、負圧室65側から混合気供給流路36に向けて直線状に延出されている。
このように、負圧室流路38(具体的には、第1負圧室流路41)を直線状に延出することで、負圧室65の燃料を負圧室流路38を経て円滑に混合気供給流路36に戻すことができる。
Claims (1)
- 気化器に燃料室および加圧室を仕切る加圧ダイヤフラムが設けられ、前記加圧室を加圧することで前記燃料室から導き出す燃料を増量させるエンジンの燃料供給装置において、
前記気化器および前記エンジン間に介在されて前記エンジンの熱を断熱し、かつ、前記エンジンに空気を導く空気流路を設けることなく、前記気化器において前記燃料と混合した混合気を前記エンジンに導く混合気供給流路が設けられたインシュレータ部と、
前記インシュレータ部に組み込まれるとともに前記混合気供給流路の上方に配置され、前記加圧室を加圧するポンプ室が設けられるとともに、前記ポンプ室に負圧ダイヤフラムを介して負圧室が隣接された燃料増量ポンプと、
前記負圧室の下部から前記混合気供給流路に向けて下向きに延出され、前記混合気供給流路から混合気の一部を前記負圧室に導入する負圧室流路と、
を備え、
前記負圧室流路は、前記混合気供給流路と略垂直に形成される第1負圧室流路と、この第1負圧室流路および前記負圧室を連通し前記混合気供給流路と略平行に形成される第2負圧室流路とからなり、これら第1負圧室流路および第2負圧室流路は、前記インシュレータ部に一体に形成されていることを特徴とするエンジンの燃料供給装置。
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