JP5112260B2 - タッチパネル - Google Patents
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Description
このタッチパネル技術として、静電容量接合方式のタッチパネルが知られており、一般的な静電容量接合方式のタッチパネルでは、ガラス基板の表面に導電コーティング(透明導電膜)が施されたタッチパネル基板を設け、ここに指を触れることで、位置検出を実施している。
そして、このタッチパネル基板を液晶表示パネルの表面に取り付け、液晶表示パネルに表示されたメニュー画面を指でタッチすることで、メニューに応じた動作を実施するタッチパネル付き液晶表示パネルも知られている。(下記、特許文献1参照)
しかしながら、前述した特許文献1に記載されているタッチパネル付き液晶表示パネルでは、以下のような問題点がある。
(1)タッチパネルに触れた指に流れる電流を確保するために、透明導電膜を厚くして抵抗を小さくする必要がある。そのためタッチパネルの透過率が低下する。
(2)四隅に対応して回路が4組必要とする。即ち、電流検出回路、ノイズフィルタ、サンプルホールドがそれぞれ4組必要なので回路構成が複雑である。
本発明は、前記従来技術の問題点を解決するためになされたものであり、本発明の目的は、光の透過率を低下させず、かつ、コストを低減させたタッチパネル付き表示装置を提供することにある。
本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述及び添付図面によって明らかにする。
(1)観測者側の面に格子状パターンの透明導電膜を有する基板を有し、前記透明導電膜は、静電容量結合方式のタッチパネルの透明電極として使用されるタッチパネル付き表示装置であって、位置検出用のパルス電圧を入力する位置検出用パルス電圧生成回路と、前記観察者の指の前記導電性部材へのタッチ位置を演算する座標位置演算回路とを有し、前記透明導電膜は、4隅を持つ形状であり、前記位置検出用パルス電圧生成回路は、前記透明導電膜の夫々の4隅に、異なるタイミングで位置検出用のパルス電圧を供給し、前記座標位置演算回路は、前記透明導電膜の4隅の1つに位置検出用のパルス電圧が供給されたときに、前記パルス電圧が供給された隅と同じ対角線上の隅から出力される電圧に基づき、前記観察者の指の前記導電性部材へのタッチ位置を演算する。
(2)(1)において、前記透明導電膜の前記格子状パターンの内部に少なくとも1個の島状の透明導電膜を有し、前記少なくとも1個の島状の透明導電膜は、任意の一点で、前記格子状パターンに電気的に接続されている。
(3)(2)において、前記少なくとも1個の島状の透明導電膜は、1個の四角形状の透明導電膜であり、前記1個の4角形状の透明導電膜は、任意の一点で、4本の格子状パターンの中の任意の1本の格子状パターンに電気的に接続されている。
(4)(2)において、前記少なくとも1個の島状の透明導電膜は、4個の三角形状の透明導電膜であり、前記4個の三角形状の透明導電膜の各々は、任意の一点で、4本の格子状パターンの中のそれぞれ異なる格子状パターンに電気的に接続されている。
(6)(5)において、前記透明導電膜の隅Aあるいは隅Cに供給される位置検出用のパルス電圧は、第1電圧レベルから第2電圧レベルに変化するパルス電圧であり、前記透明導電膜の隅Bあるいは隅Dに供給される位置検出用のパルス電圧は、第2電圧レベルから第1電圧レベルに変化するパルス電圧である。
(7)(5)または(6)において、前記座標位置演算回路は、積分回路を有し、前記積分回路は、前記時間Aあるいは前記時間Cの間所定の電流を積分し、前記時間Bあるいは前記時間Dの間所定の電流を放電することにより、前記時間差(A−B)あるいは前記時間差(C−D)に対応する電圧を出力する。
(8)(7)において、前記積分回路は、前記時間Aの間所定の電流を積分し、前記時間Bの間所定の電流を放電する積分回路Aと、前記時間Cの間所定の電流を積分し、前記時間Dの間所定の電流を放電する積分回路Bとを有する。
(9)(7)または(8)において、前記位置検出用パルス電圧生成回路は、前記各隅に前記位置検出用のパルス電圧を複数回供給し、前記積分回路は、前記各隅に前記位置検出用のパルス電圧を複数回供給したときの時間差(A−B)あるいは時間差(C−D)に対応する電圧を加算した電圧を出力する。
(10)(7)ないし(9)の何れかにおいて、前記座標位置演算回路は、積分回路の後段に接続されるA/D変換回路を有する。
本発明のタッチパネル付き表示装置によれば、光の透過率を低下させず、かつ、コストを低減させることが可能となる。
なお、実施例を説明するための全図において、同一機能を有するものは同一符号を付け、その繰り返しの説明は省略する。
[本発明のタッチパネル付き液晶表示装置の位置検出原理]
図1は、本発明のタッチパネル付き液晶表示装置における、タッチパネルの位置検出原理を説明する図である。図1に示すタッチパネルは、観測者側の面に形成された面状の透明導電膜を有する基板を有する。
図1(a)において、1は、タッチパネルの基板上に形成された透明導電膜である。今、透明導電膜1の、図1(a)のP点を、観察者の指がタッチしたとき、透明導電膜1のP点と基準電位(GND)との間に容量素子Cが挿入されることになる。
この状態において、透明導電膜1の四隅の中の隅3に、パルス電圧生成回路2からVinのパルス電圧を供給し、透明導電膜1の隅3に向き合う隅(同じ対角線上の隅)4から出力されるパルス電圧が、所定の電圧(Vref1)から所定の電圧(Vref2)まで立ち上がる立ち上がり時間を計測する。この状態の時の透明導電膜1の等価回路を図1(b)に、その時に、透明導電膜1の隅4から出力されるパルス電圧の立ち上がり時間を図1(c)に示す。なお、図1(c)において、Vout1は、透明導電膜1の隅4から出力されるパルス電圧、T1は立ち上がり時間を示す。
次に、T1とT2との時間差(T1−T2)を求める。ここで、R1>R2の時はT1>T2、R1=R2の時はT1=T2、R1<R2の時はT1<T2となる。
したがって、時間差(T1−T2)が0であれば、観察者の指が触れた位置が、透明導電膜1の中心点(2つの対角線が交差する点)の位置であることが判定できる。
また、時間差(T1−T2)が正の値であれば、観察者の指が触れた位置が、透明導電膜1の中心点と隅4との間の位置であり、その位置は、時間差(T1−T2)の正の値が大きく成る程、観察者の指が触れた位置が隅4に近い位置であることが判定できる。
同様に、時間差(T1−T2)が負の値であれば、観察者の指が触れた位置が、透明導電膜1の中心点と隅3との間の位置であり、その位置は、時間差(T1−T2)の負の値が小さく成る程、観察者の指が触れた位置が隅3に近い位置であることが判定できる。
前述した手順を、透明導電膜1の対角線上の隅5、隅6についても実行することで、観察者の指が触れたタッチパネル上の位置を検出することができる。
タッチパネル上に形成された透明導電膜1の隅3、隅4、隅5、隅6は、それぞれ、7〜10のスイッチングを介して、パルス電圧生成回路2に接続されるとともに、11〜14のスイッチを介して、バッファアンプ15に接続される。
例えば、図3(a)に示すF1の周期に、スイッチ7とスイッチ13をオンとして、パルス電圧生成回路2からパルス電圧(図3(a)参照)を透明導電膜1の隅3に供給し、バッファアンプ15を介して、透明導電膜1の隅4から出力される、所定の時定数で立ち上がるパルス電圧(図3(b)参照)をコンパレータ回路16に入力する。なお、バッファアンプ15は、隅4から見たバッファアンプ側のインピーダンスを大きくして、隅4に電流が流れ込むのを防止するためのものである。仮に、隅4に電流が流れ込むと、透明導電膜1の隅4から出力されるパルス電圧の立ち上がり時間が変動し、透明導電膜1での位置検出に誤差が生じることになる。
なお、コンパレータ回路16は、Vref1の基準電圧17が入力される比較器19と、Vref2の基準電圧18が入力される比較器20、比較器19と比較器20の論理積を取るアンド回路36とで構成される。
この第1の時間幅の信号は、チャージポンプ回路22のスイッチ28をオン(図3(d)参照)として、電流源27の電流を積分回路31に出力する。
積分回路31の第1の時間幅の信号の時間幅(図3(c)のT1)に応じて、積分回路31を構成するオペアンプ32の反転端子と出力端子との間に接続されるコンデンサ33に電荷が充電される。第1の時間幅の信号の時間幅が長いときは充電量が大きく、時間幅が短いときは充電量は小さくなる。
なお、チャージポンプ回路22は、25、26のアンド回路を有する。アンド回路25は、制御信号23がHighの時に、コンパレータ回路16の出力により、スイッチ28をオンとする。アンド回路26は、制御信号24がHighの時に、コンパレータ回路16の出力により、スイッチ29をオンとする。
なお、図1(d)に示す回路構成において、抵抗R2に、基準電圧(GND)からVinの電圧に変化するパルス電圧を供給したときに、所定の電圧(Vref1)から所定の電圧(Vref2)まで立ち上がる立ち上がり時間と、図1(d)に示す回路構成において、容量Cが、Vinまで充電された状態から、抵抗R2に、Vinから基準電圧(GND)に変化するパルス電圧を供給したときに、所定の電圧(Vref2)から所定の電圧(Vref1)まで立ち下がる立ち下がり時間とは同じとなるので、図2では、透明導電膜1の隅4に、Vinから基準電圧(GND)の電圧に変化するパルス電圧を供給している。
コンパレータ回路16は、透明導電膜1の隅4から出力される、所定の時定数で立ち下がるパルス電圧を、第2の時間幅(図3(c)のT2)の信号に変換する。
この第2の時間幅の信号は、チャージポンプ回路22のスイッチ29をオン(図3(e)参照)として、電流源30の電流を積分回路31に出力する。これにより、第2の時間幅の信号の時間幅(図3(c)のT2)に応じて、積分回路31のコンデンサ33から電荷が放電される。第2の時間幅の信号の時間幅が長いときは放電量が大きく、時間幅が短いときは放電量は小さくなる。
積分回路31の出力が負極性の電圧のときは、透明導電膜1に触れた観察者の指が、隅4に近い方にあることを意味している。逆に正極性の電圧のときは隅3に近い方、ゼロのときは隅3と隅4の距離がほぼ等しい所を触れていることを意味している。
従って、積分回路31に出力電圧が、透明導電膜1の隅3と隅4の間の距離の関係を示すことになるので、これをデジタル変換することで、隅3と隅4の間で指の触れた場所の座標を得ることができる。
次に、積分回路31のスイッチ34をオンとして、コンデンサ33をリセットした後、透明導電膜1の隅5と、隅6に対しても、前述したようにパルス電圧を与え、その対角に現れる、所定の時定数で立ち上がるパルス電圧、あるいは、所定の時定数で立ち下がるパルス電圧を時間幅の信号に変換して、前述と同様の方法により、隅5と隅6の間で、観察者の指の触れた場所の座標を得ることができる。これにより、タッチパネル上で、観察者の指が触れた位置を特定することが可能となる。
なお、積分回路31の出力電圧をA/D変換器35によりデジタル変換する際に、図3(a)ないし図3(f)に示す動作を複数回繰り返し、積分回路31の電圧を大きくしてからA/D変換器35でデジタル変換しても良い。
また、バッファアンプ15、コンパレータ回路16、チャージポンプ回路22、および積分回路31は、隅3と隅4用に1つと、隅5と隅6用に1つの2組用意することも可能である。
図4は、本発明の実施例のタッチパネル付き液晶表示装置における、タッチパネルの基板上の透明導電膜1を説明する図である。
図4(a)に示すように、本実施例のタッチパネル付き液晶表示装置は、タッチパネルの基板上に形成された透明導電膜1が、格子状パターンを有する点で、前述の図2に示す透明導電膜1と相違する。
本実施例の透明導電膜1の等価回路は、図4(b)に示すように、抵抗素子Rが格子状に接続された回路となる。
図5は、本発明の実施例のタッチパネルの概略構成を示す図である。
本実施例においても、透明導電膜1の四隅の1つから順次パルス電圧を印加し、その対角に現れるパルス電圧の遅延を計測して指やスタイラスペンで触れた部分の座標を取得する。
例えば、スイッチ7とスイッチ13をオンとして、パルス電圧生成回路2からパルス電圧を透明導電膜1の隅3に与え、隅4からバッファアンプ15を介して第1の遅延信号(図3の(b)参照)を得る。
次に、この第1の遅延信号の立上り遅延時間をコンパレータ回路16を用いて第1の遅延時間に応じた第1の時間幅の信号(図3のT1)に変換する。
第1の時間幅の信号は、チャージポンプ回路22のスイッチ28をオンとして、電流源27の電流を積分回路31に出力し、第1の時間幅の信号の時間幅に応じて、コンデンサ33に電荷が充電される。時間幅が長いときは充電量が大きく、時間幅が短いときは充電量は小さくなる。
第2の時間幅の信号は、チャージポンプ回路22のスイッチ29をオンとして、電流源30の電流を積分回路31に出力する。この第2の時間幅の信号の時間幅に応じて、コンデンサ33から電荷が放電される。時間幅が長いときは放電量が大きく、時間幅が短いときは放電量は小さくなる。
以上の手順を踏むことにより、積分器の出力電圧をA/D変換器35によりデジタル変換する。
次に隅5と、隅6に対しても同様にパルス電圧を与え、その対角に現れる信号の遅延時間をパルス幅に変換し、以下、上記と同様にすることで、隅5と隅6の間で指の触れた場所の座標を得ることができる。
以上のようにして、タッチパネルの基板上の透明導電膜1を指で触れた位置を特定する。
さらに、前述の積分回路31までの動作を複数回繰り返して積分回路の出力を高めてからA/D変換器35でデジタル変換しても良い。
さらに、本実施例は、スイッチ回路、コンパレータ、チャージポンプ、積分回路で簡単に構成できるので、コストを低減することが可能となる。
また、本実施例では、透明導電膜1を格子状パターンとすることにより、透明導電膜1の抵抗値を等価的に高くすることができるため、時定数を大きく確保することができる。これにより遅延時間が増大して感度を向上させることが可能となる。
例えば、面状の透明導電膜1を使用した場合、実験によると、面状の透明導電膜1の抵抗値は、対角3インチの大きさでおよそ200Ωであった。指タッチによる容量を10pFと仮定すると、その時定数は2nsである。時定数を大きくするために、透明導電膜1の膜厚を薄く形成するとしても、膜厚半分で時定数は倍の4ns、膜厚10分の1としても時定数は20ns程度である。
ここで、時定数は、図1(b)、図1(d)に示す、等価抵抗(R1、あるいは、R2)と、指タッチによる容量(C)とで構成される積分回路の時定数を表す。
このように、本実施例では、タッチパネル上の透明導電膜1を格子状パターンとしたため、十分大きな抵抗値を確保することができるので、大きな時定数を得ることができ、そのため遅延時間の計測が容易となる。なお、格子状パターンの透明導電膜1は、格子の1辺の抵抗値が10kΩ程度となるように、透明導電膜1の膜厚、および格子状パターンに幅を設定することが望ましい。
また、本実施例では、透明導電膜1の抵抗値を大きくするために、透明導電膜1を薄くするのではなく、格子状パターンとしている。これにより、透明導電膜1の抵抗値を大きくするために、薄い膜厚の透明導電膜1を高精度に製作する必要はなく、プロセス上都合の良い膜厚で歩留まりよく製造することができる。
さらに、透明導電膜1の抵抗値の設定をプロセス依存ではなくパターン設計に依存させることができるので、これにより製造が容易となる。
また、指タッチによる容量(C)を確保するためには、透明導電膜1の格子状パターン面積が大きい方が良いが、抵抗値を大きくすることができない。そこで抵抗値を大きく確保するための格子の1辺の幅を充分細くするとともに、容量も確保するために格子の内側に島状の透明導電膜(容量電極)11を配置し、任意の一点で、この島状の透明導電膜11と格子状パターンの1辺を電気的に接続するようにしてもよい。この場合の、透明導電膜1の構成を図6(a)〜(c)に示す。
なお、島状の透明導電膜11と、格子状パターンとを電気的に接続するのは1箇所のみとし、2箇所以上で接続してはならない。これは島状の透明導電膜11にも座標検出のための電流が流れてしまうため、透明導電膜全体の抵抗値を乱す、さらに、具体的には抵抗値を下げてしまうため、大きな時定数の確保ができなくなるためである。
図6(a)、(b)に示すように、島状の透明導電膜11は、格子状パターンの内側に、1個の島状の透明導電膜(図6(a)、(b)では、四角形状の透明導電膜)を1個設けても良いが、図6(c)に示すように、複数に分割した島状の透明導電膜としてもよい。この場合は、それぞれの島状の透明導電膜11は、任意の一点で、格子状パターンと電気的に接続する。
なお、図6(C)では、四個の島状の透明導電膜11を、格子状パターンの内側に設け、それぞれの島状の透明導電膜11から、任意の一点で、4本の格子状パターンの中の任意の1本の格子状パターンと電気的に接続している。
透過率、反射率及び反射光の色度に関し、透明導電膜がある部分と無い部分とで差が生じるために、透明導電膜1の格子状パターンや、島状の透明導電膜11は、僅かであるがそのパターン形状が見えることがある。そこで、格子状パターンの1辺はできるだけ細く、その内側に形成する島状の透明導電膜11はできるだけ大きく形成して、透明導電膜の無い部分をできるだけ細くすることがパターン形状を目立たなくさせるには望ましい。
我々の検討では、透明導電膜の無い部分が30μmの場合は、透明導電膜の無い部分は薄く見え、20μmではほぼ見えなくなった。また10μmでは見えない結果となった。そのため、透明導電膜の無い部分は、30μmより狭く20μm程度が好ましい。
このIPS方式の液晶表示パネルは、TN方式の液晶表示パネルやVA方式の液晶表示パネルのように、カラーフィルタが設けられる基板上に対向電極が存在しない。そのため、表示ノイズを低減する等の理由により、カラーフィルタが設けられる基板上に裏面側透明導電膜が形成されている。
この裏面側透明電極を、本実施例のタッチパネルの透明導電膜1とすることによりコストアップなしに液晶表示パネルを構成することができ、さらに、液晶表示パネルの透過率も従来のIPS方式の液晶表示パネルと同じにすることができる。
以下、裏面側透明電極を、本実施例の透明導電膜1の透明導電膜として使用する液晶表示モジュールの一例を説明する。
図7に示す液晶表示パネルは、画素電極、薄膜トランジスタ等が設けられた第1の基板(TFT基板、アクティブマトリクス基板ともいう)(SUB1)と、カラーフィルタ等が形成される第2の基板(対向基板ともいう)(SUB2)とを、所定の間隙を隔てて重ね合わせ、該両基板間の周縁部近傍に枠状に設けたシール材により、両基板を貼り合わせると共に、シール材の一部に設けた液晶封入口から両基板間のシール材の内側に液晶を封入、封止し、さらに、両基板の外側に偏光板を貼り付けて構成される。
このように、図7に示す液晶表示モジュールでは、液晶が一対の基板の間に挟持された構造となっている。
また、第1の基板(SUB1)は、第2の基板(SUB2)よりも大きな面積を有し、第1の基板(SUB1)の、第2の基板(SUB2)と対向しない領域には、薄膜トランジスタを駆動するドライバを構成する半導体チップ(Dr)が実装され、さらに、当該領域の一辺の周辺部には、フレキシブル配線基板(FPC)が実装される。
図9は、図8に示すA−A'切断線に沿った断面構造を示す断面図である。以下、図8、図9を用いて、図7に示す液晶表示パネルの構造について説明する。
本実施例の液晶表示パネルは、面状の対向電極を使用するIPS方式の液晶表示パネルであり、第2の基板(SUB2)の主表面側が観察側となっている。
ガラス基板やプラスチック基板などの透明基板から成る第2の基板(SUB2)の液晶層(LC)側には、第2の基板(SUB2)から液晶層(LC)に向かって順に、遮光膜(BM)およびカラーフィルタ層(CF)、オーバーコート層(OC)、配向膜(AL2)が形成される。さらに、第2の基板(SUB2)の外側には、裏面側透明導電膜(CD)と偏光板(POL2)が形成される。
また、ガラス基板やプラスチック基板などの透明基板から成る第1の基板(SUB1)の液晶層(LC)側には、第1の基板(SUB1)から液晶層(LC)に向かって順に、走査線(ゲート線ともいう)(GL;図示せず)、層間絶縁膜(PAS3)、映像線(ドレイン線、ソース線ともいう)(DL;図示せず)、層間絶縁膜(PAS2)、面状の対向電極(CT)、層間絶縁膜(PAS1)、櫛歯電極から成る画素電極(PX)、配向膜(AL1)が形成される。さらに、第1の基板(SUB1)の外側には偏光板(POL1)が形成される。
また、図8において、52はゲート電極、53は半導体層、54はソース電極である。
また、図2に示すパルス電圧生成回路2、スイッチ(7〜14)、バッファアンプ15、コンパレータ回路16、チャージポンプ回路22、積分回路31、およびA/D変換器35は、図7に示す半導体チップ(Dr)内に実装してもよく、あるいは、外部(ここでは、携帯電話機の本体側)に設けてもよい。
その上、図7に示す液晶表示モジュールでは、新たなガラス基板(即ち、タッチパネル基板)を設ける必要がないので、液晶表示モジュールの厚さを薄くすることが可能であるばかりか、軽量化を図ることも可能となる。
なお、本発明は、IPS方式の液晶表示パネルに限らず、TN方式の液晶表示パネルや、VA方式の液晶表示パネルにも適用可能である。但し、TN方式の液晶表示パネルや、VA方式の液晶表示パネルのような第2の基板(SUB2)の液晶が配置されている側とは反対側の面上に透明導電膜を形成する必要がない液晶表示パネルの場合には、新たに透明導電膜を形成することになる。
なお、本発明は、液晶表示装置に限られず、例えば、有機EL表示装置などの表示装置全般にも適用可能である。
以上、本発明者によってなされた発明を、前記実施例に基づき具体的に説明したが、本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能であることは勿論である。
2 パルス電圧生成回路
3,4,5,6 透明導電膜1の4隅
7〜14,28,29,34 スイッチ
11 島状の透明導電膜
15 バッファアンプ
16 コンパレータ回路
17,18 基準電圧
19,20 比較器
22 チャージポンプ回路
25,26,36 アンド回路
27,30 電流源
31 積分回路
32 オペアンプ
33 コンデンサ
35 A/D変換器
52 ゲート電極
53 半導体層
54 ソース電極
SUB1,SUB2 基板
LC 液晶層
POL1,POL2 偏光板
PAS1,PAS2,PAS3 層間絶縁膜
OC オーバーコート層
AL1,AL2 配向膜
BM 遮光膜
CF カラーフィルタ
PX 画素電極
CT 対向電極
CD 裏面側透明導電膜
DL 映像線(ドレイン線、ソース線)
GL 走査線(ゲート線)
Dr 半導体チップ
FPC フレキシブル配線基板
R1,R2 等価抵抗
C 指の有する容量
Claims (9)
- 観測者側の面に格子状パターンの透明導電膜を有する基板を有し、
前記透明導電膜は、静電容量結合方式のタッチパネルの透明電極として使用されるタッチパネルであって、
位置検出用のパルス電圧を入力する位置検出用パルス電圧生成回路と、
前記観察者の指の前記導電性部材へのタッチ位置を演算する座標位置演算回路とを有し、
前記透明導電膜は、4隅を持つ形状であり、
前記位置検出用パルス電圧生成回路は、前記透明導電膜の夫々の4隅に、異なるタイミングで位置検出用のパルス電圧を供給し、
前記座標位置演算回路は、前記透明導電膜の4隅の1つに位置検出用のパルス電圧が供給されたときに、前記パルス電圧が供給された隅と同じ対角線上の隅から出力される電圧に基づき、前記観察者の指の前記導電性部材へのタッチ位置を演算し、
前記透明導電膜の一方の対角線上の2隅を隅Aと隅B、前記透明導電膜の他方の対角線上の2隅を隅Cと隅Dとするとき、前記座標位置演算回路は、前記透明導電膜の隅Aに位置検出用のパルス電圧が供給されたときに、隅Bから出力される電圧が所定の電圧となる時間Aと、前記透明導電膜の隅Bに位置検出用のパルス電圧が供給されたときに、隅Aから出力される電圧が所定の電圧となる時間Bとの時間差(A−B)、および、前記透明導電膜の隅Cに位置検出用のパルス電圧が供給されたときに、隅Dから出力される電圧が所定の電圧となる時間Cと、前記透明導電膜の隅Dに位置検出用のパルス電圧が供給されたときに、隅Cから出力される電圧が所定の電圧となる時間Dとの時間差(C−D)に基づき、前記観察者の指の前記導電性部材へのタッチ位置を演算することを特徴とするタッチパネル。 - 前記透明導電膜の前記格子状パターンの内部に少なくとも1個の島状の透明導電膜を有し、
前記少なくとも1個の島状の透明導電膜は、任意の一点で、前記格子状パターンに電気的に接続されていることを特徴とする請求項1に記載のタッチパネル。 - 前記少なくとも1個の島状の透明導電膜は、1個の四角形状の透明導電膜であり、
前記1個の4角形状の透明導電膜は、任意の一点で、4本の格子状パターンの中の任意の1本の格子状パターンに電気的に接続されていることを特徴とする請求項2に記載のタッチパネル。 - 前記少なくとも1個の島状の透明導電膜は、4個の三角形状の透明導電膜であり、
前記4個の三角形状の透明導電膜の各々は、任意の一点で、4本の格子状パターンの中のそれぞれ異なる格子状パターンに電気的に接続されていることを特徴とする請求項2に記載のタッチパネル。 - 前記透明導電膜の隅Aあるいは隅Cに供給される位置検出用のパルス電圧は、第1電圧レベルから第2電圧レベルに変化するパルス電圧であり、
前記透明導電膜の隅Bあるいは隅Dに供給される位置検出用のパルス電圧は、第2電圧レベルから第1電圧レベルに変化するパルス電圧であることを特徴とする請求項1に記載のタッチパネル。 - 前記座標位置演算回路は、積分回路を有し、
前記積分回路は、前記時間Aあるいは前記時間Cの間所定の電流を積分し、前記時間Bあるいは前記時間Dの間所定の電流を放電することにより、前記時間差(A−B)あるいは前記時間差(C−D)に対応する電圧を出力することを特徴とする請求項5に記載のタッチパネル。 - 前記積分回路は、前記時間Aの間所定の電流を積分し、前記時間Bの間所定の電流を放電する積分回路Aと、前記時間Cの間所定の電流を積分し、前記時間Dの間所定の電流を放電する積分回路Bとを有することを特徴とする請求項6に記載のタッチパネル。
- 前記位置検出用パルス電圧生成回路は、前記各隅に前記位置検出用のパルス電圧を複数回供給し、
前記積分回路は、前記各隅に前記位置検出用のパルス電圧を複数回供給したときの時間差(A−B)あるいは時間差(C−D)に対応する電圧を加算した電圧を出力することを特徴とする請求項7に記載のタッチパネル。 - 前記座標位置演算回路は、積分回路の後段に接続されるA/D変換回路を有することを特徴とする請求項6ないし請求項8のいずれか1項に記載のタッチパネル。
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