JP5109926B2 - 流体圧ユニット - Google Patents

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Description

本発明は、流体圧ユニットに関し、特に、信頼性の向上対策に係るものである。
従来より、流体圧ポンプによって流体を圧送して工作機械等を駆動する流体圧ユニットが知られている。この種の流体圧ユニットとして、例えば特許文献1に開示されているような油圧ユニットがある。
上記特許文献1の油圧ユニットは、油圧ポンプの吐出側からタンクへ吐出油の一部を戻す通路を備えている。この通路には、流量を制限するための絞り弁と、その絞り弁を通過した油を冷却するためのラジエータファンとが設けられている。この油圧ユニットでは、常時、油圧ポンプから吐出された油のうち所定量の油だけは工作機械等に供給されずに上記通路に流れる。この通路に流れた油は、ラジエータファンによって冷却された後タンクへ流入する。これにより、タンク内の油の温度上昇が抑制される。
特開2004−162860号公報
ところで、上記特許文献1のような油圧ユニットは、設置環境が悪いことが多く、ゴミ等の不純物が混入しやすい。例えば、ラジエータファンのモータ軸部にゴミ等が混入すると、ファンの回転力が低下し最悪の場合は停止してしまう。そうすると、ラジエータファンによる冷却効果が低下し、タンク内の油の温度上昇を抑制できなくなる。これにより、タンク内の油温が上昇し、油圧ポンプ自体の温度も上昇する。そうすると、油圧ポンプに連結されているモータの温度も上昇し、最終的にはモータが異常温度となり停止する。つまり、油圧ユニットが緊急停止してしまう。
また、タンク等の油にゴミ等が混入すると、そのゴミが上記通路の絞り弁に詰まるおそれがある。絞り弁が詰まると、上記通路へは油が流れないため、工作機械等へ供給される油量が増大して設定流量ないし設定圧力を超えてしまう。そうすると、油圧ポンプの吐出流量を減少させるため、モータの回転数が低下する。一般に油圧ポンプは低回転では駆動トルクが高くなるため、モータは低回転でトルク不足が生じて異常停止してしまう。つまり、この場合も油圧ユニットが緊急停止してしまう。
このように、油圧ユニットが緊急停止すると、工作機械が加工工程の途中で停止してしまうばかりでなく、その1台の油圧ユニットを修理するため加工ライン全体が一時的に停止してしまう等の多大な損害を受ける。つまり、予期せず油圧ユニットが突然停止してしまうため、対処の採りようがないという問題があった。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、油圧ユニットが緊急停止する前に、その緊急停止の要因となるラジエータファンや絞り弁等の油圧機器の異常を予知することにある。
第1の発明は、流体タンク(11)と、可変速モータ(14)によって駆動され、上記流体タンク(11)の流体を流体圧アクチュエータに供給する流体圧ポンプ(13)と、上記流体タンク(11)の流体を冷却するための冷却ファン(24)とを備えている流体圧ユニットを前提としている。そして、本発明の流体圧ユニットは、上記可変速モータ(14)の回転数を制御して上記流体圧ポンプ(13)の吐出流量を設定値にする流量制御動作と、上記可変速モータ(14)の回転数を制御して上記流体圧ポンプ(13)の吐出圧力を所定のデッドヘッド圧力にする圧力制御動作とを切り換えて行う回転数制御手段(31,32,33)を備えると共に、上記流体圧ポンプ(13)の吐出圧力が上記デッドヘッド圧力となるデッドヘッド状態における上記可変速モータ(14)の回転数が予め定めた基準値を超えると、上記冷却ファン(24)の異常を予知させる異常警告手段(35)を備えているものである。
上記第1の発明では、流体圧アクチュエータが例えば油圧シリンダである場合を考える。回転数制御手段(31,32,33)の流量制御動作では、流体圧ポンプ(13)の吐出流量が流量設定値になるように可変速モータ(14)の回転数が制御される。それによって、油圧シリンダは設定速度で伸縮動作する。また、回転数制御手段(31,32,33)の圧力制御動作では、流体圧ポンプ(13)の吐出圧力が所定のデッドヘッド圧力(圧力設定値)になるように可変速モータ(14)の回転数が制御される。それによって、油圧シリンダは停止したままワークを所定力で保持する。このように、流体圧ポンプ(13)の吐出流量はゼロまたはほぼゼロであるが吐出圧力が一定値(デッドヘッド圧力)に制御される状態をデッドヘッド状態という。
ここで、冷却ファン(24)の軸部にゴミ等が混入して冷却ファン(24)の回転数が低下すると、流体タンク(11)の流体への冷却作用が低下して流体温度が上昇する。それにより、流体の粘度が低下してしまう。そうすると、流体圧ポンプ(13)では内部リークが増加して容積効率が低下し、その結果、吐出圧力が低下する。デッドヘッド状態において、このように流体圧ポンプ(13)の吐出圧力が低下すると、その吐出圧力を所定のデッドヘッド圧力に戻す(昇圧させる)ため回転数制御手段(31,32,33)により可変速モータ(14)の回転数が増加される。その結果、可変速モータ(14)の回転数が基準値を超えると、異常警告手段(35)によって冷却ファン(24)の異常が予知される。
第2の発明は、流体タンク(11)と、可変速モータ(14)によって駆動され、上記流体タンク(11)の流体を流体圧アクチュエータに供給する流体圧ポンプ(13)と、流量調整弁(22)を有し、上記流体圧アクチュエータに供給される上記流体圧ポンプ(13)の吐出流体のうち所定量だけ上記流体タンク(11)に戻すバイパス通路(21)とを備えている流体圧ユニットを前提としている。そして、本発明の流体圧ユニットは、上記可変速モータ(14)の回転数を制御して上記流体圧ポンプ(13)の吐出流量を設定値にする流量制御動作と、上記可変速モータ(14)の回転数を制御して上記流体圧ポンプ(13)の吐出圧力を所定のデッドヘッド圧力にする圧力制御動作とを切り換えて行う回転数制御手段(31,32,33)を備えると共に、上記流体圧ポンプ(13)の吐出圧力が上記デッドヘッド圧力となるデッドヘッド状態における上記可変速モータ(14)の回転数が予め定めた基準値を下回ると、上記バイパス通路(21)の流量調整弁(22)の異常を予知させる異常警告手段(35)を備えているものである。
上記第2の発明では、常時、流体圧ポンプ(13)から吐出された流体の一部が流体圧アクチュエータへは供給されずバイパス通路(21)を通って流体タンク(11)に戻る。なお、この戻り流量はバイパス通路(21)の流量調整弁(22)によって調節される。
また、上記第2の発明では、上記第1の発明と同様に、回転数制御手段(31,32,33)によって流量制御動作および圧力制御動作が行われる。つまり、流量制御動作では、流体圧ポンプ(13)の吐出流量が流量設定値になるように可変速モータ(14)の回転数が制御される。また、圧力制御動作では、流体圧ポンプ(13)の吐出圧力が所定のデッドヘッド圧力(圧力設定値)になるように可変速モータ(14)の回転数が制御される。
ここで、流体タンク(11)等の流体にゴミ等が混入すると、そのゴミがバイパス通路(21)の流量調整弁(22)に詰まるおそれがある。流量調整弁(22)にゴミが詰まると、バイパス通路(21)を通じて流体タンク(11)に戻る流体量が減少する。そうすると、流体圧ポンプ(13)の吐出圧力が上昇する。デッドヘッド状態において、このように流体圧ポンプ(13)の吐出圧力が上昇すると、その吐出圧力を所定のデッドヘッド圧力に戻す(減圧させる)ため回転数制御手段(31,32,33)により可変速モータ(14)の回転数が減少される。その結果、可変速モータ(14)の回転数が基準値を下回ると、異常警告手段(35)によって流量調整弁(22)の異常が予知される。
第3の発明は、流体タンク(11)と、可変速モータ(14)によって駆動され、上記流体タンク(11)の流体を流体圧アクチュエータに供給する流体圧ポンプ(13)と、該流体圧ポンプ(13)の吐出配管(18)に設けられる安全弁(16)とを備えている流体圧ユニットを前提としている。そして、本発明の流体圧ユニットは、上記可変速モータ(14)の回転数を制御して上記流体圧ポンプ(13)の吐出流量を設定値にする流量制御動作と、上記可変速モータ(14)の回転数を制御して上記流体圧ポンプ(13)の吐出圧力を所定のデッドヘッド圧力にする圧力制御動作とを切り換えて行う回転数制御手段(31,32,33)を備えると共に、上記流体圧ポンプ(13)の吐出圧力が上記デッドヘッド圧力となるデッドヘッド状態における上記可変速モータ(14)の回転数が予め定めた基準値を超えると、上記流体圧ポンプ(13)および上記安全弁(16)の少なくとも一方の異常を予知させる異常警告手段(35)を備えているものである。
上記第3の発明では、上記第1の発明と同様に、回転数制御手段(31,32,33)によって流量制御動作および圧力制御動作が行われる。つまり、流量制御動作では、流体圧ポンプ(13)の吐出流量が流量設定値になるように可変速モータ(14)の回転数が制御される。また、圧力制御動作では、流体圧ポンプ(13)の吐出圧力が所定のデッドヘッド圧力(圧力設定値)になるように可変速モータ(14)の回転数が制御される。
ここで、流体タンク(11)等の流体にゴミ等が混入し流体圧ポンプ(13)の摺動部に入り込むと、その摺動部が摩耗し内部リークが増大するおそれがある。これにより、流体圧ポンプ(13)の容積効率が低下して吐出圧力が低下する。デッドヘッド状態において、このように流体圧ポンプ(13)の吐出圧力が低下すると、上記第1の発明と同様に回転数制御手段(31,32,33)によって可変速モータ(14)の回転数が増加される。
また、安全弁(16)が開いた際にゴミ等がその安全弁(16)のシート部等に詰まると、安全弁(16)が完全に閉じない状態となるおそれがある。そうなると、流体圧ポンプ(13)の吐出流体が安全弁(16)を通じてバイパスされるため、流体圧ポンプ(13)の吐出圧力は低下する。この場合も、デッドヘッド状態において可変速モータ(14)の回転数が増加される。このように、可変速モータ(14)の回転数が増加して基準値を超えると、異常警告手段(35)によって流体圧ポンプ(13)や安全弁(16)の異常が予知される。
第4の発明は、上記第2の発明において、上記バイパス通路(21)の流量調整弁(22)を通過した流体を冷却するための冷却ファン(24)を備えている。そして、本発明では、上記異常警告手段(35)は、上記デッドヘッド状態における上記可変速モータ(14)の回転数が上記基準値を超えると、上記冷却ファン(24)の異常を予知させるように構成されているものである。
上記第4の発明では、流体圧ポンプ(13)の吐出流体の一部がバイパス通路(21)に流れ、冷却ファン(24)によって冷却された後流体タンク(11)に戻る。これにより、流体タンク(11)において流体の温度上昇が抑制される。
ここで、冷却ファン(24)の軸部にゴミ等が混入して冷却ファン(24)の回転数が低下すると、バイパス通路(21)に流れた流体が殆ど冷却されずに流体タンク(11)に戻る。そのため、流体タンク(11)の流体温度が上昇する。そうすると、上記第1の発明と同様に、流体圧ポンプ(13)において容積効率が低下し吐出圧力が低下してしまう。デッドヘッド状態において、このように流体圧ポンプ(13)の吐出圧力が低下すると、その吐出圧力を所定のデッドヘッド圧力に戻す(昇圧させる)ため回転数制御手段(31,32,33)により可変速モータ(14)の回転数が増加される。その結果、可変速モータ(14)の回転数が基準値を超えると、異常警告手段(35)によって冷却ファン(24)の異常が予知される。つまり、本発明では、バイパス通路(21)の流量調整弁(22)の異常の他に、冷却ファン(24)の異常も予知される。
第5の発明は、上記第2の発明において、上記流体圧ポンプ(13)の吐出配管(18)に設けられる安全弁(16)を備えている。そして、本発明では、上記異常警告手段(35)は、上記デッドヘッド状態における上記可変速モータ(14)の回転数が上記基準値を超えると、上記流体圧ポンプ(13)および上記安全弁(16)の少なくとも一方の異常を予知させるように構成されているものである。
上記第5の発明では、流体圧ポンプ(13)の摺動部にゴミ等が入り込むと、その摺動部が摩耗し内部リークが増大するおそれがある。これにより、流体圧ポンプ(13)の容積効率が低下して吐出圧力が低下する。また、安全弁(16)が開いた際にゴミ等がその安全弁(16)のシート部等に詰まると、安全弁(16)が完全に閉じない状態となるおそれがある。そうなると、流体圧ポンプ(13)の吐出流体が安全弁(16)を通じてバイパスされるため、流体圧ポンプ(13)の吐出圧力は低下する。
このように、デッドヘッド状態において、流体圧ポンプ(13)の吐出圧力が低下すると、その吐出圧力を所定のデッドヘッド圧力に戻す(昇圧させる)ため回転数制御手段(31,32,33)により可変速モータ(14)の回転数が増加される。その結果、可変速モータ(14)の回転数が基準値を超えると、異常警告手段(35)によって流体圧ポンプ(13)や安全弁(16)の異常が予知される。つまり、本発明では、バイパス通路(21)の流量調整弁(22)の異常の他に、流体圧ポンプ(13)や安全弁(16)の異常も予知される。
第6の発明は、上記第1乃至第5の何れか1の発明において、上記異常警告手段(35)は、上記回転数制御手段(31,32,33)による制御動作時に、上記流体圧ポンプ(13)の吐出圧力と上記デッドヘッド圧力との偏差および該吐出圧力の微分値が何れもゼロとなるときを上記デッドヘッド状態として検出するように構成されているものである。
上記第6の発明では、流体圧ポンプ(13)のデッドヘッド状態が次のように検出される。図2に示すように、デッドヘッド状態(A点またはA’点)では、流体圧ポンプ(13)の吐出圧力と所定のデッドヘッド圧力との偏差がゼロまたはほぼゼロとなる。さらに、デッドヘッド状態では、流体圧ポンプ(13)の吐出圧力が所定のデッドヘッド圧力に保持されるため、その吐出圧力の微分値(即ち、変化量)がゼロまたはほぼゼロとなる。したがって、流体圧ポンプ(13)の吐出圧力が上記2つの条件を満たすことにより、デッドヘッド状態が検出される。
第7の発明は、上記第6の発明において、上記異常警告手段(35)は、上記デッドヘッド状態を検出するごとに該デッドヘッド状態における上記可変速モータ(14)の回転数を記憶し、その直近に記憶した所定個分の回転数のうち最低回転数を選択して上記基準値と大小比較するように構成されているものである。
上記第7の発明では、例えば複数の流体圧アクチュエータを1個ずつ駆動する場合、その流体圧アクチュエータごとに流体の漏れ量が異なるため、流体圧アクチュエータごとにデッドヘッド状態における吐出流量が僅かずつ異なる。したがって、デッドヘッド状態における可変速モータ(14)の回転数が流体圧アクチュエータごとに異なる。例えば、流体圧アクチュエータが5個ある場合、その5個分の可変速モータ(14)のデッドヘッド時の回転数が順に記憶されていく。そして、その5個のうち最低の回転数と基準値とが大小比較される。つまり、流体漏れ量が最も低い流体圧アクチュエータが基準となる。
以上のように、第1および第3の発明によれば、デッドヘッド状態における可変速モータ(14)の回転数が基準値を超える(上回る)と、冷却ファン(24)、流体圧ポンプ(13)、安全弁(16)の異常を予知させる警告表示をするようにした。また、第2の発明によれば、デッドヘッド状態における可変速モータ(14)の回転数が基準値を下回ると、流量調整弁(22)の異常を予知させる警告表示をするようにした。つまり、これらの発明は、このまま何もせずに放っておくと流体圧ユニットがいずれ緊急停止してしまうことを事前に知らせるようにした。したがって、警告表示がされてから例えば十数日間の間で作業時間外に冷却ファン(24)や流量調整弁(22)、流体圧ポンプ(13)、安全弁(16)の保守点検を行うことにより、少なくとも作業中において突然と流体圧ユニットが緊急停止してしまうことを回避することができる。これにより、流体圧ユニットの信頼性を向上させることができる。
また、デッドヘッド状態、即ち圧力制御時の可変速モータ(14)の回転数が基準値を超えているか下回っているかをみるようにしたため、運転を停止させることなく容易に冷却ファン(24)等の異常を予知させることができる。デッドヘッド状態は、流体圧ポンプ(13)の吐出流量がほぼゼロで吐出圧力がデッドヘッド圧力に制御される安定状態であるため、冷却ファン(24)や流量調整弁(22)等の異常が可変速モータ(14)の回転数の変化として表れる。したがって、その回転数をモニタリングすることで、冷却ファン(24)等の異常を確実に検知することができる。例えば図2のB点(流量制御時)では、一定流量をアクチュエータに供給し続けるため、冷却ファン(24)等の異常により流体圧ポンプ(13)の吐出圧力が変化しても吐出流量ひいては可変速モータ(14)の回転数は変化しない。また、図2のC点およびD点では、常に流体圧ポンプ(13)の吐出流量が変化している過渡状態であるため不安定である。よって、図2のB点〜D点は、流体圧ポンプ(13)の吐出流量の変化が冷却ファン(24)や流量調整弁(22)等の異常によるものであるかどうかを判定するのには適していない。
また、第6の発明によれば、流体圧ポンプ(13)の吐出圧力をモニタリングして、その吐出圧力に基づいてデッドヘッド状態を検出するようにした。つまり、吐出圧力と所定のデッドヘッド圧力(圧力設定値)との偏差がゼロ(またはほぼゼロ)で、且つ、吐出圧力の微分値がゼロ(またはほぼゼロ)となるときをデッドヘッド状態として検出するようにした。したがって、容易に且つ簡易にデッドヘッド状態を抽出することができ、そのため工作機械の運転サイクルをわざわざ停止する必要はない。
また、第7の発明によれば、デッドヘッド状態を検出するごとに該デッドヘッド状態における可変速モータ(14)の回転数を記憶し、その直近に記憶した所定個分の回転数のうち最低回転数を選択して基準値と大小比較するようにした。例えば、5個のアクチュエータを順次駆動する場合、直近に記憶した5個の回転数の中から最低回転数が選択される。この最低回転数は、流体漏れ量が最も少ないアクチュエータに対するものである。したがって、冷却ファン(24)や流量調整弁(22)等の異常が吐出流量の変化(即ち、可変速モータ(14)の回転数の変化)として最も表れやすい。よって、その最低回転数をモニタリングすることで、冷却ファン(24)等の異常を確実に検知することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1に示すように、本実施形態の油圧ユニット(1)は、本発明に係る流体圧ユニットを構成している。この油圧ユニット(1)は、例えば旋盤、研磨盤、表面仕上げ機械、削り盤、マシニングセンタ等の工作機械に用いられる。工作機械は、図示しないが、例えば心押台クランプや刃物台クランプ、チャック等のように、ワークや工具を固定する複数の油圧アクチュエータ(以下、単にアクチュエータという。)を有し、これらアクチュエータが油圧ユニット(1)によって駆動される。
上記油圧ユニット(1)は、油圧回路(10)と、該油圧回路(10)を制御するための制御ユニット(30)とを備えている。
上記油圧回路(10)は、油タンク(11)と、油圧ポンプ(13)と、該油圧ポンプ(13)を駆動するポンプ用モータ(14)と、絞り通路(21)と、ラジエータ(23)およびラジエータファン(24)とを備えている。
上記油圧ポンプ(13)は、流体タンクである上記油タンク(11)の作動油を吸入して吐出する流体圧ポンプを構成している。この油圧ポンプ(13)は、例えばピストンポンプであり、固定容量型ポンプで構成されている。
上記ポンプ用モータ(14)は、油圧ポンプ(13)に接続され、該油圧ポンプ(13)を駆動する可変速モータである。また、このポンプ用モータ(14)には、該ポンプ用モータ(14)の回転速度に応じたパルス信号を出力するパルスジェネレータ(15)が接続されている。
また、上記油圧ポンプ(13)の吸入側にはオイルフィルタ(12)が設けられている。油圧ポンプ(13)の吐出配管(18)には、油圧ポンプ(13)の吐出圧力が所定圧力を超えないように安全弁(16)が設けられている。また、油圧ポンプ(13)の吐出配管(18)には、油圧ポンプ(13)の吐出圧力を検出する圧力センサ(17)が設けられている。油圧ポンプ(13)の吐出配管(18)は、方向切換弁(図示せず)を介して工作機械側のアクチュエータに接続されている。
上記絞り通路(21)は、油タンク(11)と油圧ポンプ(13)の吐出配管(18)とに接続されている。この絞り通路(21)には、本発明に係る流量調整弁である可変絞り弁(22)が設けられている。絞り通路(21)は、常時油圧ポンプ(13)から吐出された作動油の一部が工作機械側へは流れずに油タンク(11)に戻るように構成されている。この油タンク(11)への戻り量は可変絞り弁(22)によって調節される。絞り通路(21)は、本発明に係るバイパス通路を構成している。
上記ラジエータ(23)は、絞り通路(21)における可変絞り弁(22)の下流側に設けられている。このラジエータ(23)の近傍にはラジエータファン(24)が設けられている。このラジエータファン(24)は、ラジエータ(23)を通過する作動油を冷却するものである。これにより、油タンク(11)の作動油の温度が低下する。つまり、ラジエータファン(24)は、油タンク(11)の作動油を冷却して作動油の温度上昇を抑制するためのものであり、本発明に係る冷却ファンを構成している。なお、ラジエータファン(24)はファンモータによって駆動される。
このように、上記絞り通路(21)、可変絞り弁(22)、ラジエータ(23)およびラジエータファン(24)は、油タンク(11)の作動油を冷却するための油冷却手段を構成している。また、一方で、絞り通路(21)を設けることにより、油圧ポンプ(13)が低回転領域で運転されるのを確実に回避することができる。一般に、油圧ポンプは低回転領域においては駆動トルクが不安定となる。本実施形態では、油圧ポンプ(13)から吐出された作動油の一部が絞り通路(21)へ流れるため、油圧ポンプ(13)の吐出流量は工作機械のアクチュエータで必要な流量よりも多くなる。そうすると、油圧ポンプ(13)は比較的高い回転領域で運転されることとなる。よって、油圧ポンプ(13)が低回転で運転されるのを避けることができ、圧力制御/流量制御を安定に行うことができる。
また、上記油圧ポンプ(13)には、ドレン通路(25)が設けられている。このドレン通路(25)は、絞り通路(21)における可変絞り弁(22)とラジエータ(23)との間に接続されている。ドレン通路(25)では、油圧ポンプ(13)内で漏れた作動油が絞り通路(21)に流れる。
上記制御ユニット(30)は、PQ制御部(31)と、速度制御部(32)と、インバータ(33)と、速度検出部(34)と、異常警告部(35)とを備えている。
上記PQ制御部(31)は、圧力センサ(17)から油圧ポンプ(13)の吐出圧力が入力される。そして、PQ制御部(31)は、入力された吐出圧力と、図2に示す吐出圧力−吐出流量特性(以下、P−Q特性という。)とに基づいて速度指令を出力するものである。上記速度検出部(34)は、パルスジェネレータ(15)からパルス信号が入力され、そのパルス信号同士の間隔を測定することによりポンプ用モータ(14)の回転数(回転速度)を現在速度として検出するものである。上記速度制御部(32)は、PQ制御部(31)から速度指令が、速度検出部(34)から現在速度が入力される。そして、速度制御部(32)は、速度指令と現在速度を用いて速度制御演算を行い、電流指令を出力するものである。上記インバータ(33)は、速度制御部(32)から電流指令が入力され、それに基づいてポンプ用モータ(14)の回転数を制御するものである。
本実施形態では、PQ制御部(31)と速度制御部(32)とインバータ(33)が本発明に係る回転数制御手段を構成している。そして、これら回転数制御手段は、図2に示すP−Q特性に基づいて、油圧ポンプ(13)の流量制御動作と圧力制御動作とを切り換えて行う。流量制御動作では、油圧ポンプ(13)の吐出流量が流量設定値Qaとなるようにポンプ用モータ(14)の回転数(回転速度)が制御される。圧力制御動作では、油圧ポンプ(13)の吐出圧力が所定のデッドヘッド圧力Pa(圧力設定値Pa)となるようにポンプ用モータ(14)の回転数(回転速度)が制御される。
一方、上記異常警告部(35)は、本発明に係る異常警告手段を構成している。この異常警告部(35)は、油圧ポンプ(13)の吐出圧力がデッドヘッド圧力Paとなるデッドヘッド状態を検出するように構成されている。そして、異常警告部(35)は、デッドヘッド状態におけるポンプ用モータ(14)の回転数に基づいて、可変絞り弁(22)やラジエータファン(24)等の異常を予知させるものである。回転数制御手段(31,32,33)および異常警告部(35)の制御動作の詳細については後述する。
−流量制御動作および圧力制御動作−
次に、上記油圧ユニット(1)における制御動作について図2を参照しながら説明する。
制御ユニット(30)は、図2に示すP−Q特性に基づいて油圧回路(10)を制御する。先ず、図2のB点では、回転数制御手段(31,32,33)によって流量制御が行われる。つまり、油圧ポンプ(13)の吐出流量が流量設定値Qaとなるようにポンプ用モータ(14)の回転数が制御される。このB点の流量制御時には、例えば、アクチュエータとしての油圧シリンダは一定速度で伸長動作または収縮動作を行い、ワークや工具が所定位置まで移動する。その際、油圧ポンプ(13)の吐出圧力は比較的低い値となる。
図2のA点では、回転数制御手段(31,32,33)によって圧力制御が行われる。つまり、油圧ポンプ(13)の吐出圧力がデッドヘッド圧力Paとなるようにポンプ用モータ(14)の回転数が制御される。このA点の圧力制御時には、例えば、油圧シリンダは伸縮動作を行わず、ワークや工具が所定力でクランプされて保持される。この状態は、油圧ポンプ(13)の吐出流量が殆どゼロであり、デッドヘッド状態にある。
一方、図2のC点やD点の状態は、B点の流量制御からA点の圧力制御に変わる過渡状態である。流量制御時において、油圧シリンダが所定位置まで移動しこれ以上移動できなくなると、油圧ポンプ(13)の吐出圧力が上昇し始める。吐出圧力がさらに上昇していくと油圧ポンプ(13)の吐出流量が低下していき(C点、D点)、最終的にA点のデッドヘッド状態(圧力制御状態)に到達する。図2の曲線部分が油圧ポンプ(13)の最高出力(=吐出流量×吐出圧力)を示しているが、C点やD点は過渡的にその最高出力を超えてオーバーシュートしている状態である。
−異常予知動作−
次に、上記異常警告部(35)による油圧機器の異常予知動作について図3〜図6を参照しながら説明する。
異常警告部(35)は、図4のフローチャートに基づいて異常予知動作を行う。先ず、ステップST1では、異常警告部(35)によって油圧ポンプ(13)のデッドヘッド状態(即ち、図2のA点)が検出される。具体的に、異常警告部(35)は、圧力センサ(17)から出力される油圧ポンプ(13)の吐出圧力と所定のデッドヘッド圧力Paとの偏差がゼロ(または、ほぼゼロ)で、且つ、その吐出圧力の微分値(変化量)がゼロ(または、ほぼゼロ)である場合、デッドヘッド状態であると判定する。つまり、デッドヘッド状態は、吐出圧力がデッドヘッド圧力Paに保持されて変動しない状態であるため、上記の条件で確実に検出される。一方、図2のB点の状態は、吐出圧力は変動しないがデッドヘッド圧力Paよりも低いため上記条件に合致しない。図2のC点の状態は、吐出圧力はデッドヘッド圧力Paになっているが変動しているため上記条件に合致しない。図2のD点の状態は、吐出圧力がデッドヘッド圧力Paよりも高く且つ変動しているため上記条件に合致しない。
続くステップST2では、デッドヘッド状態におけるポンプ用モータ(14)の回転数が検出される。そして、ステップST3では、異常警告部(35)によって、ステップST2で検出したポンプ用モータ(14)の回転数が図3に示す「正常回転」の範囲内か否かが判定される。図3に示すように、ポンプ用モータ(14)の正常回転は、デッドヘッド圧力Paおよび作動油の温度(油温)によって異なる。本実施形態では、「正常回転」の範囲がデッドヘッド圧力Paおよび油温をパラメータとして予め実験で求められる。この「正常回転」の範囲がデッドヘッド状態におけるポンプ用モータ(14)の回転数の基準値となる。そして、ポンプ用モータ(14)の回転数が基準値である「正常回転」範囲を超える(上回る)と「高回転異常」となり、下回ると「低回転異常」となる。
ステップST3においてポンプ用モータ(14)の回転数が「高回転異常」と判定されると、ステップST4へ移行して回転数上昇の警告表示がされる。また、ステップST3においてポンプ用モータ(14)の回転数が「低回転異常」と判定されると、ステップST5へ移行して回転数低下の警告表示がされる。上記のように警告表示がされても運転はそのまま継続される。なお、ステップST3でポンプ用モータ(14)の回転数が「正常回転」と判定されると、何も警告表示はされず運転が継続される。
ここで、デッドヘッド状態におけるポンプ用モータ(14)の回転数が上昇/低下して「正常回転」範囲を上回る/下回る原因(メカニズム)について図5を参照しながら説明する。
ゴミ等がラジエータファン(24)のモータ軸部に詰まると、そのモータの回転数が低下する(ステップST11)。そうすると、ラジエータファン(24)による冷却効果が低下し、絞り通路(21)の作動油があまり冷却されずに油タンク(11)に戻る。そのため、油タンク(11)の油温が上昇する(ステップST12)。作動油は温度が上昇すると粘度が低下するため、油圧ポンプ(13)では作動油の漏れ量が増加し容積効率が低下する。これにより、デッドヘッド状態においては、油圧ポンプ(13)の吐出圧力は低下してデッドヘッド圧力Paを下回る。そうすると、油圧ポンプ(13)の吐出圧力をデッドヘッド圧力Paに戻すため、回転数制御手段(31,32,33)によってポンプ用モータ(14)の回転数が増加される(ステップST13)。その結果、デッドヘッド状態のポンプ用モータ(14)の回転数が「正常回転」範囲を上回る。
また、ゴミ等が油タンク(11)等の作動油に混入することにより、例えば作動油の汚染度がNAS12範囲外となる(ステップST15)。このように作動油が汚染されることによって、油圧ポンプ(13)、安全弁(16)および可変絞り弁(22)のそれぞれに関する原因が発生する。
先ず、作動油に混入したゴミ等が油圧ポンプ(13)の摺動部に入り込むと、その摺動部が摩耗し内部リークが増大する(ステップST16)。これにより、油圧ポンプ(13)の容積効率が低下する。そうすると、上記と同様に、油圧ポンプ(13)の吐出圧力はデッドヘッド圧力Paを下回るため、回転数制御手段(31,32,33)によってポンプ用モータ(14)の回転数が増加される(ステップST13)。その結果、デッドヘッド状態のポンプ用モータ(14)の回転数が「正常回転」範囲を上回る。
また、安全弁(16)が開いた際にゴミ等がその安全弁(16)のシート部等に詰まると、安全弁(16)が完全に閉じない状態となるおそれがある。そうすると、常時、作動油が安全弁(16)を通じてバイパスされる(ステップST17)。つまり、安全弁(16)において作動油の漏れが発生する。これにより、デッドヘッド状態においては、油圧ポンプ(13)の吐出圧力は低下してデッドヘッド圧力Paを下回る。そうすると、上記のラジエータファン(24)の場合と同様に、回転数制御手段(31,32,33)によってポンプ用モータ(14)の回転数が増加される(ステップST13)。その結果、デッドヘッド状態のポンプ用モータ(14)の回転数が「正常回転」範囲を上回る。
このように、本発明は、ポンプ用モータ(14)の回転数が上昇したことをもって、油圧ポンプ(13)や安全弁(16)等の流体機器における作動油の漏れ量増加という異常状態を検知するようにしている。
また、ゴミ等が可変絞り弁(22)に詰まると、絞り通路(21)へ流れる油量が低下する(ステップST18)。そうすると、アクチュエータへ供給される油量は増加する。これにより、デッドヘッド状態においては、油圧ポンプ(13)の吐出圧力は上昇してデッドヘッド圧力Paを上回る。そうすると、油圧ポンプ(13)の吐出圧力をデッドヘッド圧力Paに戻すため、回転数制御手段(31,32,33)によってポンプ用モータ(14)の回転数が減少される(ステップST19)。その結果、デッドヘッド状態のポンプ用モータ(14)の回転数が「正常回転」範囲を下回る。
以上のような原因により、デッドヘッド状態においてポンプ用モータ(14)の回転数が「正常回転」範囲を上回ったり下回ったりすることとなる。したがって、回転数上昇の警告表示がされることによって、ラジエータファン(24)、油圧ポンプ(13)および安全弁(16)の少なくとも1つの異常を予知することができる。また、回転数低下の警告表示がされることによって、可変絞り弁(22)の異常を予知することができる。
以上のように警告表示がされた後、点検/メンテナンスを何もせずに放っておくと、アクチュエータの作業工程中に油圧ユニット(1)が緊急停止してしまうこととなる。回転数上昇の警告表示の場合は、例えば油温上昇によってポンプ用モータ(14)の温度が異常上昇して緊急停止となる。回転数低下の警告表示の場合は、例えばポンプ用モータ(14)の低回転時のトルク不足により、圧力不安定が検出されて緊急停止となる。
したがって、警告表示がされると例えば十数日間の間で、作業者が次のような点検/メンテナンスを行うことにより、各異常が解消される。図6(A)に示すように、回転数上昇の警告表示がされた場合、先ずラジエータファン(24)の回転が正常であるかを点検する(ステップST21)。そして、異常である場合はラジエータファン(24)を清掃または交換する(ステップST22)。逆にラジエータファン(24)の回転が正常である場合は、安全弁(16)が正常であるかを点検する(ステップST23)。そして、異常である場合は安全弁(16)を分解洗浄または圧力再設定を行う(ステップST24)。逆に安全弁(16)が正常である場合は、油圧ポンプ(13)を交換する(ステップST25)。一方、図6(B)に示すように、回転数低下の警告表示がされた場合は、可変絞り弁(22)を分解清掃を行う(ステップST26)。これにより、ラジエータファン(24)や可変絞り弁(22)等の異常を早期発見し解消することができる。よって、作業中に油圧ユニット(1)が緊急停止するのを確実に回避することができる。
−実施形態の効果−
以上のように、本実施形態では、デッドヘッド状態においてポンプ用モータ(14)の回転数が基準値である「正常回転」範囲を超える(上回る)と、運転を継続させたまま、ラジエータファン(24)、油圧ポンプ(13)および安全弁(16)の異常を予知させる警告表示をするようにした。また、デッドヘッド状態においてポンプ用モータ(14)の回転数が基準値である「正常回転」範囲を下回ると、運転を継続させたまま、可変絞り弁(22)の異常を予知させる警告表示をするようにした。つまり、本発明は、このまま何もせずに放っておくと油圧ユニット(1)がいずれ緊急停止してしまうことを事前に知らせるようにした。したがって、警告表示がされてから例えば十数日間の間で作業時間外にラジエータファン(24)等の保守点検を行うことにより、少なくとも作業中において突然と油圧ユニット(1)が緊急停止してしまうことを回避することができる。これにより、油圧ユニット(1)の信頼性を向上させることができる。
また、デッドヘッド状態、即ち圧力制御時のポンプ用モータ(14)の回転数が「正常回転」範囲かどうかをみるようにしたため、ラジエータファン(24)等の異常をより確実に予知させることができる。デッドヘッド状態は、油圧ポンプ(13)の吐出流量がほぼゼロで吐出圧力がデッドヘッド圧力Paに制御される安定状態であるため、ラジエータファン(24)や可変絞り弁(22)等の異常がポンプ用モータ(14)の回転数の変化として表れやすい。したがって、その回転数をモニタリングすることで、ラジエータファン(24)等の異常を確実に検知することができる。例えば図2のB点(流量制御時)では、一定流量をアクチュエータに供給しているため、ポンプ用モータ(14)の回転数は変化しない。また、図2のC点およびD点では、常に油圧ポンプ(13)の吐出流量が変化している過渡状態であるため不安定である。よって、図2のB点〜D点は、油圧ポンプ(13)の吐出流量の変化がラジエータファン(24)や可変絞り弁(22)等の異常によるものであるかどうか判定するのには適していない。
また、本実施形態では、油圧ポンプ(13)の吐出圧力をモニタリングして、その吐出圧力に基づいてデッドヘッド状態を検出するようにした。つまり、具体的には、吐出圧力と所定のデッドヘッド圧力Paとの偏差がゼロ(またはほぼゼロ)で、且つ、吐出圧力の微分値がゼロ(またはほぼゼロ)となるときをデッドヘッド状態として検出するようにした。したがって、容易に且つ簡易にデッドヘッド状態を検出することができる。また、工作機械の運転中は図2のA点〜D点を繰り返し移動するが、その運転中においてA点(デッドヘッド状態)を自動的に抽出することができる。したがって、工作機械の運転を停止させることなく容易にラジエータファン(24)等の異常を予知させることができる。
《その他の実施形態》
上記実施形態については以下のような構成としてもよい。
例えば、上記実施形態における油圧ユニット(1)が複数のアクチュエータを順次駆動する場合、異常警告部(35)を以下のように構成してもよい。
複数のアクチュエータを駆動する場合、各アクチュエータごとに作動油の漏れ量が異なるため、アクチュエータごとにデッドヘッド状態における油圧ポンプ(13)の吐出流量が異なる(図2のA点、A’点参照)。この場合、異常警告部(35)は、デッドヘッド状態を検出するごとにそのデッドヘッド状態におけるポンプ用モータ(14)の回転数を検出して記憶する(図4のステップST2)。そして、異常警告部(35)は、直近に記憶した所定個分の回転数の中から最低回転数を選択し、その最低回転数が基準値である「正常回転」範囲内であるか否かを判定する(図4のステップST3)。
例えば、5個のアクチュエータを順次駆動する場合、直近に記憶した5個の回転数のうちから最低回転数が選択される。この最低回転数は、アクチュエータにおける作動油の漏れ量が最小の状態であり、油圧ユニット(1)自身のもつ特性に最も近い状態のものである。したがって、油圧ユニット(1)においてラジエータファン(24)や可変絞り弁(22)等の異常が油圧ポンプ(13)の吐出流量の変化(即ち、ポンプ用モータ(14)の回転数の変化)として最も表れやすい。よって、その最低回転数をモニタリングすることで、ラジエータファン(24)等の異常を確実に検知することができる。特に、旋盤等はワークを回転動作させることからジョイント部における漏れ量が多くなるため、以上の構成が有効となる。
また、上記実施形態の油圧回路(10)では、絞り通路(21)とドレン通路(25)の双方を備えるようにしたが、本発明は何れか一方を備えるようにしてもよい。つまり、上記実施形態において、本発明は、ドレン通路(25)を省略するようにしてもよいし、絞り通路(21)および可変絞り弁(22)を省略してドレン通路(25)にラジエータ(23)を設けるようにしてもよい。なお、後者の場合は、油圧ポンプ(13)、安全弁(16)およびラジエータファン(24)の異常のみが予知されることとなる。
また、上記実施形態において、ラジエータ(23)およびラジエータファン(24)を省略するようにしてもよい。その場合は、油圧ポンプ(13)、安全弁(16)および可変絞り弁(22)の異常が予知されることとなる。このように、本発明は、油圧ポンプ(13)、安全弁(16)、可変絞り弁(22)およびラジエータファン(24)の何れか1つの異常のみを予知させるようにしてもよいことは勿論である。
また、上記実施形態において、回転数上昇および回転数低下の双方の警告表示をするようにしたが、本発明は何れか一方のみを警告表示するようにしてもよいことは勿論である。
また、上記実施形態において、可変絞り弁(22)ではなく他の流量調整弁であっても同様の作用効果を奏することは勿論である。
また、本発明は、工作機械以外の装置や、作動油以外の流体を用いる流体圧ユニットであっても同様に適用することができる。
なお、以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
以上説明したように、本発明は、流体圧ポンプがデッドヘッド状態となる流体圧ユニットについて有用である。
図1は、実施形態に係る油圧ユニットの構成を示す回路図である。 図2は、油圧ポンプの吐出圧力−吐出流量特性図である。 図3は、デッドヘッド状態におけるモータの基準回転数を吐出圧力および油温との関係で示すグラフである。 図4は、異常警告部の制御動作を示すフローチャートである。 図5は、各油圧機器の異常と、デッドヘッド状態におけるモータ回転数の上昇/低下との関係を示す図である。 図6は、メンテナンスフローを示す図である。
符号の説明
1 油圧ユニット(流体圧ユニット)
11 油タンク(流体タンク)
13 油圧ポンプ(流体圧ポンプ)
14 ポンプ用モータ(可変速モータ)
16 安全弁
18 吐出配管
21 絞り通路(バイパス通路)
22 絞り弁(流量調整弁)
24 ラジエータファン(冷却ファン)
31 PQ制御部(回転数制御手段)
32 速度制御部(回転数制御手段)
33 インバータ(回転数制御手段)
35 異常警告部(異常警告手段)

Claims (7)

  1. 流体タンク(11)と、可変速モータ(14)によって駆動され、上記流体タンク(11)の流体を流体圧アクチュエータに供給する流体圧ポンプ(13)と、上記流体タンク(11)の流体を冷却するための冷却ファン(24)とを備えている流体圧ユニットであって、
    上記可変速モータ(14)の回転数を制御して上記流体圧ポンプ(13)の吐出流量を設定値にする流量制御動作と、上記可変速モータ(14)の回転数を制御して上記流体圧ポンプ(13)の吐出圧力を所定のデッドヘッド圧力にする圧力制御動作とを切り換えて行う回転数制御手段(31,32,33)を備えると共に、
    上記流体圧ポンプ(13)の吐出圧力が上記デッドヘッド圧力となるデッドヘッド状態における上記可変速モータ(14)の回転数が予め定めた基準値を超えると、上記冷却ファン(24)の異常を予知させる異常警告手段(35)を備えている
    ことを特徴とする流体圧ユニット。
  2. 流体タンク(11)と、可変速モータ(14)によって駆動され、上記流体タンク(11)の流体を流体圧アクチュエータに供給する流体圧ポンプ(13)と、流量調整弁(22)を有し、上記流体圧アクチュエータに供給される上記流体圧ポンプ(13)の吐出流体のうち所定量だけ上記流体タンク(11)に戻すバイパス通路(21)とを備えている流体圧ユニットであって、
    上記可変速モータ(14)の回転数を制御して上記流体圧ポンプ(13)の吐出流量を設定値にする流量制御動作と、上記可変速モータ(14)の回転数を制御して上記流体圧ポンプ(13)の吐出圧力を所定のデッドヘッド圧力にする圧力制御動作とを切り換えて行う回転数制御手段(31,32,33)を備えると共に、
    上記流体圧ポンプ(13)の吐出圧力が上記デッドヘッド圧力となるデッドヘッド状態における上記可変速モータ(14)の回転数が予め定めた基準値を下回ると、上記バイパス通路(21)の流量調整弁(22)の異常を予知させる異常警告手段(35)を備えている
    ことを特徴とする流体圧ユニット。
  3. 流体タンク(11)と、可変速モータ(14)によって駆動され、上記流体タンク(11)の流体を流体圧アクチュエータに供給する流体圧ポンプ(13)と、該流体圧ポンプ(13)の吐出配管(18)に設けられる安全弁(16)とを備えている流体圧ユニットであって、
    上記可変速モータ(14)の回転数を制御して上記流体圧ポンプ(13)の吐出流量を設定値にする流量制御動作と、上記可変速モータ(14)の回転数を制御して上記流体圧ポンプ(13)の吐出圧力を所定のデッドヘッド圧力にする圧力制御動作とを切り換えて行う回転数制御手段(31,32,33)を備えると共に、
    上記流体圧ポンプ(13)の吐出圧力が上記デッドヘッド圧力となるデッドヘッド状態における上記可変速モータ(14)の回転数が予め定めた基準値を超えると、上記流体圧ポンプ(13)および上記安全弁(16)の少なくとも一方の異常を予知させる異常警告手段(35)を備えている
    ことを特徴とする流体圧ユニット。
  4. 請求項2において、
    上記バイパス通路(21)の流量調整弁(22)を通過した流体を冷却するための冷却ファン(24)を備え、
    上記異常警告手段(35)は、上記デッドヘッド状態における上記可変速モータ(14)の回転数が上記基準値を超えると、上記冷却ファン(24)の異常を予知させるように構成されている
    ことを特徴とする流体圧ユニット。
  5. 請求項2において、
    上記流体圧ポンプ(13)の吐出配管(18)に設けられる安全弁(16)を備え、
    上記異常警告手段(35)は、上記デッドヘッド状態における上記可変速モータ(14)の回転数が上記基準値を超えると、上記流体圧ポンプ(13)および上記安全弁(16)の少なくとも一方の異常を予知させるように構成されている
    ことを特徴とする流体圧ユニット。
  6. 請求項1乃至5の何れか1項において、
    上記異常警告手段(35)は、上記回転数制御手段(31,32,33)による制御動作時に、上記流体圧ポンプ(13)の吐出圧力と上記デッドヘッド圧力との偏差および該吐出圧力の微分値が何れもゼロとなるときを上記デッドヘッド状態として検出するように構成されている
    ことを特徴とする流体圧ユニット。
  7. 請求項6において、
    上記異常警告手段(35)は、上記デッドヘッド状態を検出するごとに該デッドヘッド状態における上記可変速モータ(14)の回転数を記憶し、その直近に記憶した所定個分の回転数のうち最低回転数を選択して上記基準値と大小比較するように構成されている
    ことを特徴とする流体圧ユニット。
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