JP5107452B1 - サイクロン分離装置およびこれを備える電気掃除機 - Google Patents

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Abstract

【課題】サイクロン分離装置において、捕集容器内でゴミを圧縮し、なおかつ、底蓋開放の際にゴミが円滑に捨てられるようにする。
【解決手段】サイクロン分離装置101は、捕集容器11と、底蓋16と、回転可能な圧縮部材23と、圧縮部材23の上側に配置されたフィルタとを備える。空気流入口7aから吸い込まれた空気は、内周面11rに沿って旋回した後、上記フィルタを経て排気される。圧縮部材23は、底蓋16から離隔して配置される円板部23dと、円板部23dから底蓋16に向かって延在する回転軸部23bと、圧縮部材23の外周面に設けられた螺旋状突出部23aとを備える。回転軸部23bは、底蓋16から離隔して位置する第1部分231と、より小さな径の第2部分232とを有する。螺旋状突出部23aは、第1部分231の外周面に配置されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、サイクロン分離装置およびこれを備える電気掃除機に関するものである。
従来から、電気掃除機に用いられるための数多くのサイクロン分離装置ないし集塵装置が提案されている。たとえば特開2010−119623号公報(特許文献1)、特開2010−252998号公報(特許文献2)、実願昭53−152396号(実開昭55−68553)のマイクロフィルム(特許文献3)に記載されたものがある。
特許文献1に記載されたサイクロン分離装置は、略円筒状の内周面を有する捕集容器を備え、捕集容器内に回転可能な圧縮部材を備えている。このサイクロン分離装置では、除塵動作としてモータにより圧縮部材が回転する。1回の除塵動作として数秒間にわたって圧縮部材が回転する。圧縮部材が回転すれば、捕集容器内に溜まったゴミは螺旋状曲面によって下方へと誘導され、捕集容器の底部に圧縮される。
特許文献2に記載された電気掃除機のサイクロン集塵室においては、サイクロン分離筒テーパ部の途中に笠部が設けられているが、溜まったゴミを圧縮する構造ではない。特許文献2に示された構成では、集塵室の下端に底蓋が設けられている。溜まったゴミを捨てる際に、底蓋を開放する。底蓋を開放することによって、集塵室内のゴミは、重力に従い自然落下する。この構成では、ゴミを圧縮しないので、予定位置より上にゴミがひっかかって残り、そのまま高い位置でゴミが溜まることもありうる。
特許文献3に記載された集塵装置では、円筒状の本体内に大きな空間があり、そのため、溜まっているゴミが少量の場合には、ゴミが本体内で暴れて舞い上がることとなる。
特開2010−119623号公報 特開2010−252998号公報 実願昭53−152396号(実開昭55−68553)のマイクロフィルム
特許文献1に記載されたサイクロン分離装置においては、圧縮部材の下部は回転軸部と称する一定直径の円柱状の部材となっている。回転軸部の下端は捕集容器の下端に当接している。特許文献1の構成では、圧縮部材によってゴミを圧縮するので、ゴミが集積される位置が一定となり、捕集容器内でゴミが暴れることも避けられる。しかし、圧縮されたゴミには膨張しようとする力が働くので、捕集容器の内周面に対してゴミが押し付けられた状態となりうる。
特許文献1の構成において、特許文献2に記載されているように、下側の底蓋を開放してゴミを自然落下させる方式を採用しようとした場合、ゴミは捕集容器内で圧縮されているので、たとえ捕集容器の底蓋を開放しても、ゴミが捕集容器の内周面と回転軸部との間に挟まって落ちにくくなる場合があった。
そこで、本発明は、捕集容器内でゴミを圧縮し、なおかつ、底蓋開放の際にゴミが円滑に捨てられるサイクロン分離装置および電気掃除機を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に基づくサイクロン分離装置は、略円筒状の内周面を有し、底部が開口し、外壁の途中に上記内周面に至るように貫通した空気流入口を有する捕集容器と、上記底部を塞ぐ開閉自在な底蓋と、上記捕集容器の内部に配置され、上記捕集容器の上記内周面の中心軸を中心として回転可能な圧縮部材と、上記圧縮部材の上側において上記捕集容器の中心部に配置されたフィルタとを備える。このサイクロン分離装置は、上記空気流入口から吸い込まれた空気を上記捕集容器の上記内周面に沿って旋回させた後、上記フィルタを経て排気することにより、上記空気に含まれる第1サイズの捕集対象物を上記捕集容器の底部で捕集すると共に、上記第1サイズより小さい第2サイズの捕集対象物を上記フィルタにおいて捕集するサイクロン分離装置である。上記圧縮部材は、上記底蓋から離隔して配置される円板部と、上記円板部から上記中心軸に沿って上記底蓋に向かって延在する回転軸部と、上記圧縮部材の外周面に巻きつくように設けられた螺旋状突出部とを備える。上記回転軸部は、上記底蓋から離隔して位置する第1部分と、上記第1部分よりも上記底蓋寄りにあって上記第1部分より小さな径の第2部分とを有する。上記螺旋状突出部は、上記第1部分の外周面に配置されている。
本発明によれば、ゴミが捕集容器の内周面と回転軸部との間に挟まって落ちにくくなる確率を低減することができるので、捕集容器内でゴミを圧縮し、なおかつ、底蓋開放の際にゴミが円滑に捨てられるサイクロン分離装置を提供することができる。
本発明に基づく実施の形態1におけるサイクロン分離装置が内蔵される電気掃除機の模式図であり、実施の形態2における電気掃除機の模式図でもある。 本発明に基づく実施の形態1におけるサイクロン分離装置の断面図である。 本発明に基づく実施の形態1におけるサイクロン分離装置の下部の分解図である。 本発明に基づく実施の形態1におけるサイクロン分離装置に含まれる内筒の、フィルタが付いている状態の側面図である。 本発明に基づく実施の形態1におけるサイクロン分離装置に含まれる圧縮部材の斜視図である。 本発明に基づく実施の形態1におけるサイクロン分離装置の、底蓋を開放した状態の断面図である。 本発明に基づく実施の形態1におけるサイクロン分離装置に含まれる圧縮部材の第1の変形例の側面図である。 本発明に基づく実施の形態1におけるサイクロン分離装置に含まれる圧縮部材の第2の変形例の側面図である。 本発明に基づく実施の形態1におけるサイクロン分離装置に含まれる圧縮部材の第3の変形例の側面図である。 本発明に基づく実施の形態1におけるサイクロン分離装置に含まれる圧縮部材の第4の変形例の側面図である。 本発明に基づく実施の形態1におけるサイクロン分離装置に含まれる圧縮部材の第5の変形例の側面図である。
(実施の形態1)
(構成)
図1〜図6を参照して、本発明に基づく実施の形態1におけるサイクロン分離装置101について説明する。サイクロン分離装置101は、たとえば図1に示す電気掃除機201に用いられるものである。電気掃除機201は、掃除機本体1と、吸気口部2と、接続管3と、接続ホース4と、操作ハンドル5とを備えている。サイクロン分離装置101は掃除機本体1に取り付けられている。サイクロン分離装置101は把持部6を備えている。ユーザが把持部6をつかんで持ち上げることによって、サイクロン分離装置101は掃除機本体1から取り出される。取り出されたサイクロン分離装置101の断面図を図2に示す。サイクロン分離装置101は、掃除機本体1の外装の一部をなす上外装部10と、上部フィルタユニット13と、捕集容器11と、内筒12と、圧縮部材23と、気流接続部7と、除塵駆動部15と、底蓋16とを備える。サイクロン分離装置101の下部の主要部を分解したところを図3に示す。図2、図3では、内筒12の構造を示すために、内筒12の外周面に取り付けられているメッシュ状のフィルタを取り外した状態を表示している。本来は、図4に示すように内筒12の外周面にはメッシュ状のフィルタ12fが取り付けられている。
本実施の形態におけるサイクロン分離装置101は、略円筒状の内周面11rを有し、底部11bが開口し、外壁の途中に内周面11rに至るように貫通した空気流入口7aを有する捕集容器11と、底部11bを塞ぐ開閉自在な底蓋16と、捕集容器11の内部に配置され、捕集容器11の内周面11rの中心軸11cを中心として回転可能な圧縮部材23と、圧縮部材23の上側において前記捕集容器の中心部に配置されたフィルタ12fとを備える。サイクロン分離装置101は、空気流入口7aから吸い込まれた空気を捕集容器11の内周面11rに沿って旋回させた後、フィルタ12fを経て排気することにより、前記空気に含まれる第1サイズの捕集対象物を捕集容器11の底部11bで捕集すると共に、前記第1サイズより小さい第2サイズの捕集対象物をフィルタ12fにおいて捕集し、さらに前記第2サイズより小さい第3サイズの捕集対象物を、上部フィルタユニット13の内部にある図示しないフィルタで捕集するサイクロン分離装置である。圧縮部材23は、底蓋16から離隔して配置される円板部23dと、円板部23dから中心軸11cに沿って底蓋16に向かって延在する回転軸部23bと、圧縮部材23の外周面に巻きつくように設けられた螺旋状突出部23aとを備える。回転軸部23bは、底蓋16から離隔して位置する第1部分231と、第1部分231よりも底蓋16寄りにあって第1部分231より小さな径の第2部分232とを有する。螺旋状突出部23aは、第1部分231の外周面に配置されている。圧縮部材23を単独で取り出した状態を図5に示す。
除塵駆動部15は圧縮部材23を回転させるためのモータを含んでいる。サイクロン分離装置101は、ユーザが電気掃除機201の作動状態をオフにする操作をする度に、除塵駆動部15が作動して、圧縮部材23を一定時間回転させ続ける。一定時間とはたとえば約8秒間である。
圧縮部材23において円板部23dの上側は円筒部23cとなっている。本実施の形態では、螺旋状突出部23aは円板部23dより下の部分にのみ設けられており、円筒部23cの外周面には設けられていないものとして示したが、螺旋状突出部23aは、円筒部23cの外周面にまで連続して設けられていてもよい。
捕集容器11は透明であることが好ましい。透明であれば内部に溜まっているゴミの量を目視で確認することができるからである。回転軸部23bの内部は空洞となっており、下端は開口していることが好ましい。なぜなら、回転軸部23bの下端が開口していれば、上部フィルタユニット13などによって捕集したゴミを、後述するように、底蓋16開放時に排出することができるからである。
内筒12に設置されたフィルタ12fを外側から内側に向けて通過した空気は、上部フィルタユニット13を経由して排気される。
ゴミの大きさに関して「第1サイズ」、「第2サイズ」、「第3サイズ」という場合、ゴミの径が特定の数値であることのみを指すのではなく、ゴミの径がそれぞれ一定の数値範囲に入っていることを意味するものとする。
ゴミを排出するために底蓋16を開放した状態の断面図を図6に示す。底蓋16を開放したときには、捕集容器11の底部11bにおいて回転軸部23bの周りに溜まっていたゴミだけでなく、回転軸部23bの内部に溜まっていたゴミも自然落下により排出される。
(作用・効果)
本実施の形態では、回転軸部23bが底蓋16寄りに径が細くなった第2部分232を備えており、第2部分232の外面には螺旋状突出部23aが配置されていないので、捕集容器11の底蓋16付近では回転軸部23bと内周面11rとの間の半径方向の間隙が大きくなる。その結果、ゴミが捕集容器の内周面と回転軸部との間に挟まって落ちにくくなる確率を低減することができる。本実施の形態におけるサイクロン分離装置101では、円板部23dより下側に誘導されたゴミは、回転軸部23bの外側の螺旋状突出部23aによって底部11bに向けてさらに誘導される。このようにして、底部11bに誘導されて溜まった捕集容器内のゴミは、回転軸部23bの回転に伴う螺旋状突出部23aの回転によって圧縮される。したがって、本実施の形態におけるサイクロン分離装置101は、捕集容器内でゴミを圧縮し、なおかつ、底蓋開放の際にゴミが円滑に捨てられるサイクロン分離装置とすることができる。
なお、図7〜図9に示すように、第2部分232は、第1部分231から遠ざかるにつれて径が細くなるテーパ状の部分を含んでいてもよい。第2部分232がテーパ状の部分を含むということは、図7に示すように第2部分232の全体がテーパ状であってもよく、図8、図9に示すように第2部分232の一部がテーパ状であってもよい。図7〜図9に示したのはあくまでも第2部分232の形状のバリエーションの例示であって、これらの形状に限られない。このように、第2部分232が、第1部分231から遠ざかるにつれて径が細くなるテーパ状の部分を含む構成となっていれば、捕集容器11の内周面11rとの間に溜まったゴミがひっかかりにくくなり、自然落下しやすくなる。したがって、底蓋開放の際にゴミがより円滑に捨てられるようになる。
なお、図10、図11に示すように、第2部分232は、第1部分231から遠ざかるにつれて階段状に径が細くなっていてもよい。このように、第2部分232が、第1部分231から遠ざかるにつれて階段状に径が細くなる構成となっていれば、捕集容器11の内周面11rとの間に溜まったゴミがひっかかりにくくなり、自然落下しやすくなる。したがって、底蓋開放の際にゴミがより円滑に捨てられるようになる。
(実施の形態2)
(構成)
本発明に基づく実施の形態2における電気掃除機について説明する。本実施の形態における電気掃除機は、図1に示した電気掃除機201である。この電気掃除機は、実施の形態1およびその変形例として説明したいずれかのサイクロン分離装置を備える。
(作用・効果)
本実施の形態によれば、捕集容器内でゴミを圧縮し、なおかつ、底蓋開放の際にゴミが円滑に捨てられる電気掃除機を実現することができる。
なお、今回開示した上記実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更を含むものである。
1 掃除機本体、2 吸気口部、3 接続管、4 接続ホース、5 操作ハンドル、6 把持部、7 気流接続部、7a 空気流入口、10 上外装部、11 捕集容器、11b (捕集容器の)底部、11c 中心軸、11r 内周面、12 内筒、13 上部フィルタユニット、15 除塵駆動部、16 底蓋、23 圧縮部材、23a 螺旋状突出部、23b 回転軸部、23c 円筒部、23d 円板部、101 サイクロン分離部、201 電気掃除機、231 (回転軸部の)第1部分、232 (回転軸部の)第2部分。

Claims (4)

  1. 略円筒状の内周面を有し、底部が開口し、外壁の途中に前記内周面に至るように貫通した空気流入口を有する捕集容器と、
    前記底部を塞ぐ開閉自在な底蓋と、
    前記捕集容器の内部に配置され、前記捕集容器の前記内周面の中心軸を中心として回転可能な圧縮部材と、
    前記圧縮部材の上側において前記捕集容器の中心部に配置されたフィルタとを備え、
    前記空気流入口から吸い込まれた空気を前記捕集容器の前記内周面に沿って旋回させた後、前記フィルタを経て排気することにより、前記空気に含まれる第1サイズの捕集対象物を前記捕集容器の底部で捕集すると共に、前記第1サイズより小さい第2サイズの捕集対象物を前記フィルタにおいて捕集するサイクロン分離装置であって、
    前記圧縮部材は、前記底蓋から離隔して配置される円板部と、
    前記円板部から前記中心軸に沿って前記底蓋に向かって延在する回転軸部と、
    前記圧縮部材の外周面に巻きつくように設けられた螺旋状突出部とを備え、
    前記回転軸部は、前記底蓋から離隔して位置する第1部分と、前記第1部分よりも前記底蓋寄りにあって前記第1部分より小さな径の第2部分とを有し、前記螺旋状突出部は、前記第1部分の外周面に配置されている、サイクロン分離装置。
  2. 前記第2部分は、前記第1部分から遠ざかるにつれて径が細くなるテーパ状の部分を含む、請求項1に記載のサイクロン分離装置。
  3. 前記第2部分は、前記第1部分から遠ざかるにつれて階段状に径が細くなっている、請求項1に記載のサイクロン分離装置。
  4. 請求項1から3のいずれかに記載のサイクロン分離装置を備える、電気掃除機。
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