JP5106191B2 - 現像装置、プロセスカートリッジ、及び、画像形成装置 - Google Patents
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そして、このような現像装置では、装置内の圧力が上昇して装置外にトナーが飛散する問題が知られている(例えば、特許文献1等参照。)。
そして、現像装置内におけるトナー消費に応じて、現像装置の一端に設けられたトナー補給口から装置内に適宜にトナーが補給される。補給されたトナーは、現像装置内の現像剤とともに、2つの搬送スクリュによって、装置内を長手方向(現像ローラの長手方向と同方向である。)に循環しながら混合される。その混合された現像剤は、その一部が、一方の搬送スクリュに対向する現像ローラ上に担持される。現像ローラに担持された現像剤は、ドクターブレードによって適量に規制された後に、その現像剤中のトナーが感光体ドラム(像担持体)との対向位置で感光体ドラム上の潜像に付着する。
また、フィルタで捕集しきれない超微粒子トナーや、経時でフィルタのトナー捕集性が低下してしまったときにフィルタをすり抜けたトナーが、現像装置の上方に飛散した後に、現像装置や画像形成装置本体の予期せぬ場所(出力画像の画質や装置の動作に影響を及ぼす場所や、ユーザーの手が触れる可能性の高い場所等である。)に付着してしまうことがあった。
さらに、フィルタの近傍の壁部に現像剤が溜まってしまい、フィルタが塞がれて現像装置の内圧が上昇してしまうことがあった。特に、2成分現像剤を用いた現像装置であって、ベタ比率の小さい画像を連続して出力する場合や、低温環境で装置を稼動する場合等には、現像装置内の現像剤の嵩が上昇して内圧が高まるため、無視できない問題となっていた。
以下、この発明を実施するための最良の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、各図中、同一又は相当する部分には同一の符号を付しており、その重複説明は適宜に簡略化ないし省略する。
図1は、画像形成装置としてのレーザプリンタを示す構成図である。図2は、そこに設置されるプロセスカートリッジ6の近傍を示す断面図である。図3は、現像装置5及び感光体ドラム1を上方からみた長手方向(図2の紙面垂直方向である。)の断面図である。
その後、感光体ドラム1の表面は、露光部7(図1を参照できる。)から発せられたレーザ光Lの照射位置に達して、この位置での露光走査によって静電潜像が形成される(露光工程である。)。
詳しくは、現像装置5内には、トナーとキャリア(磁性キャリア)とからなる2成分現像剤Gが収容されている。現像装置5内の現像剤Gは、トナー濃度検知手段としての磁気センサ57によって検知されるトナー濃度(現像剤G中のトナーの割合である。)が所定の範囲内になるように調整される。すなわち、現像装置5内のトナー消費に応じて、トナー搬送パイプ43(トナー搬送部)からトナー補給口44を介して第2搬送経路54内に、トナーが補給される。なお、磁気センサ57は、その周囲を流動する現像剤の透磁率の変化からトナー濃度の変化を検知するセンサである。
なお、トナー搬送部は、上述した構成のものに限定されることなく、種々の構成のものを用いることができる。例えば、トナー搬送パイプを用いずに、トナーボトルから中継ホッパを介して現像装置5にトナーを供給する構成にすることもできる。
ここで、図3を参照して、現像ローラ51は、内部に固設されてローラ周面に複数の磁極を形成するマグネット51bと、マグネット23a1の周囲を回転するスリーブ51aと、で構成される。そして、複数の磁極が形成されたマグネット51bの周囲をスリーブ51aが回転することで、その回転にともない現像剤Gが現像ローラ51上(スリーブ51a上である。)を移動することになる。
なお、本実施の形態では、現像ローラ51に印加される現像バイアスとして、AC成分の現像バイアスは印加されておらず、DC成分の現像バイアスのみが印加されている。これにより、現像バイアスを供給する電源部の構成と制御とが比較的簡易化されるとともに、抵抗の低いキャリアに対してボソツキ画像の発生を軽減することができる。
また、現像ローラ51と感光体ドラム1とのギャップ(現像ギャップ)は0.3±0.05mmに設定され、現像ローラ51とドクターブレード52とのギャップ(ドクターギャップ)は0.5±0.04mmに設定されている。なお、ドクターブレード52は、ステンレス材料で形成された板状部材である。
さらに、第1搬送スクリュ55及び第2搬送スクリュ56は、いずれも、外径が5mmの軸部上に、外径が14mmのスクリュ部(羽根)が20mmピッチで螺旋状に形成されたものである。
まず、汲上げ磁極が磁性体としてのキャリアに作用して、第1搬送経路53内を移動する現像剤Gの一部が現像ローラ51上に担持される。現像ローラ51上に担持された現像剤Gは、その一部がドクターブレード52(現像剤規制部材)の位置で掻き取られて、第1搬送経路53に戻される。一方、汲上げ磁極による磁力が作用するドクターブレード52の位置で、ドクターブレード52と現像ローラ51とのドクターギャップを通過して現像ローラ51上に担持された現像剤Gは、主磁極の位置で穂立ちして現像領域において磁気ブラシとなって感光体ドラム1に摺接する。こうして、現像ローラ51に担持された現像剤G中のトナーが感光体ドラム1上の潜像に付着する。その後、主磁極の位置を通過した現像剤Gは、搬送磁極によって剤離れ磁極の位置まで搬送される。そして、剤離れ磁極の位置で、反発磁界がキャリアに作用して、現像ローラ51上に担持されていた現像工程後の現像剤Gが現像ローラ51から脱離される。脱離後の現像剤Gは、再び第1搬送経路53に戻されて、第1搬送経路53の下流側に向けて搬送され、第1中継部Aを介して第2搬送経路54の上流側に移動する。さらに、第2搬送経路54の上流側に移動した現像剤は、トナー補給口44から補給された補給トナーとともに、第2搬送経路54の下流側に達して、第2中継部Bを介して第1搬送経路53の上流側に移動する。このような一連の現像剤Gの循環が繰り返される。
その後、感光体1の表面は、クリーニング部2との対向位置に達して、この位置で感光体ドラム1上に残存した未転写トナーがクリーニングブレード2aによって回収される(クリーニング工程である。)。
最後に、感光体ドラム1の表面は、不図示の除電部との対向位置に達して、この位置で感光体ドラム1上の残留電位が除去される。
こうして、感光体ドラム1上でおこなわれる、一連の作像プロセスが終了する。
そして、中間転写ベルト8は、矢印方向に走行して、各1次転写バイアスローラ9Y、9M、9C、9Kの1次転写ニップを順次通過する。こうして、感光体ドラム1Y、1M、1C、1K上の各色のトナー像が、中間転写ベルト8上に重ねて1次転写される。
その後、中間転写ベルト8は、中間転写ベルト8用のクリーニング部10の位置に達する。そして、この位置で、中間転写ベルト8上の未転写トナーが回収される。
こうして、中間転写ベルト8上でおこなわれる、一連の転写プロセスが終了する。
詳しくは、給紙部26には、転写紙等の記録媒体Pが複数枚重ねて収納されている。そして、給紙ローラ27が図1中の反時計方向に回転駆動されると、一番上の記録媒体Pがレジストローラ対28のローラ間に向けて給送される。
その後、記録媒体Pは、排紙ローラ対29のローラ間を経て、装置外へと排出される。排紙ローラ対29によって装置本体100外に排出された被転写Pは、出力画像として、スタック部30上に順次スタックされる。
こうして、画像形成装置における、一連の画像形成プロセスが完了する。
図4は、現像装置5を示す断面図である。図5は現像装置5の減圧部60の一部を示す斜視図であって、図6は減圧部60の一部を示す断面図である。また、図7は、減圧部60に設置されたフィルタ63の近傍を示す拡大図である。さらに、図8(A)は画像形成装置本体100にプロセスカートリッジが設置された状態を示す概略上面図であり、図8(B)はその概略側面図である。
このように、本実施の形態では、第1に、減圧部60(現像装置5)の内部にフィルタ63を設けているために、ユーザーが現像装置5(プロセスカートリッジ6)を交換するときにトナーが詰まったフィルタ63に触れて汚れる不具合が抑止される。
第2に、減圧部60の排気口62を現像装置5の長手方向端部側に向けて開口するように配設しているために、トナーがフィルタ63をすり抜けてしまってもトナーが方々に飛散する不具合が抑止される。具体的に、現像装置5の長手方向端部側(図5の領域Rである。)のみがトナーで汚れるために、現像装置5や画像形成装置本体100の予期せぬ場所(出力画像の画質や装置の動作に影響を及ぼす場所や、ユーザーの手が触れる可能性の高い場所等である。)にトナーが付着する不具合が軽減される。
第3に、減圧部60の壁部に、現像ローラ51と第1搬送スクリュ55との対向領域に向かって下方に傾斜する傾斜面64を設けているために、フィルタ63の近傍に舞い上がった現像剤やトナーは、傾斜面64に沿って滑落して第1搬送経路53に戻されることになる。したがって、フィルタ63の入口側が現像剤やトナーで塞がれる不具合を抑止することができる。なお、このような効果を確実にするために、本実施の形態では、傾斜面64が、フィルタ63の位置から吸気口61に向かって、現像剤やトナーが確実に滑落する傾斜角度にて、連続的に傾斜するように形成されている。
このような構成により、フィルタ63を水平方向に設置した場合(図7の1点鎖線の位置に設置した場合である。)に比べて、フィルタ63の捕集面積(図7中の両矢印方向の大きさ)を広げることができるために、フィルタ63のトナー捕集効率が向上する。なお、本実施の形態では、フィルタ63を傾斜面64の側に傾斜するように配設したが、フィルタ63を対向面65の側に傾斜するように配設することもできる。
なお、図4を参照して、減圧部60の対向面65は、現像ローラ51を覆うように配設されている。これにより、吸気口61からフィルタ63に至る経路に、現像ローラ51の磁力が及びにくくなるために、その経路に現像剤が磁力によって侵入する不具合が軽減される。
このような構成により、減圧部60における吸気効率や排気効率が低下することなく、フィルタ63の機能が効果的に発揮されることになる。すなわち、吸気口61や排気口62をフィルタ63に近接させてしまうと、減圧部60における吸気効率や排気効率が低下して、フィルタ63のトナー捕集効率も低下してしまう。
詳しくは、現像装置5(プロセスカートリッジ6)は画像形成装置本体100に対して長手方向(図8の白矢印方向である。)に着脱自在に設置できるように構成されていて、減圧部60の排気口62が現像装置5の着脱方向奥側(図8の左側である。)に向けて開口するように配設されている。
これにより、トナーがフィルタ63をすり抜けてしまってもトナーが方々に飛散する不具合が抑止される。具体的に、現像装置5の長手方向端部側(図8の領域Rである。)のみがトナーで汚れることになり、現像装置5や画像形成装置本体100の予期せぬ場所(出力画像の画質や装置の動作に影響を及ぼす場所や、プロセスカートリッジ6の交換時にユーザーが触れる取手6aやプロセスカートリッジ6の長手方向手前側等である。)にトナーが付着する不具合が軽減される。
詳しくは、図5及び図6を参照して、減圧部60の排気口62の近傍には、排出口62が形成された壁部に対して段状に突出した段状壁部71が設けられている。そして、フィルタ63や段状壁部71を上方から覆うようにフィルタカバー66が設置されている。これにより、減圧部60の排気口62の近傍に、排気口62から排出された空気の流路の方向を変える流路変更部70が形成される。すなわち、図5及び図6の太線矢印で示すように、フィルタ63を通過した空気は、排出口62から排出された後に、段状壁部71に沿うように流路方向を変えて、流路変更部70の第2排出口72から排出されて、現像装置5のケース5aを沿うように移動することになる。したがって、トナーがフィルタ63をすり抜けてしまっても、そのトナーは、方々に飛散することなく、現像装置5の長手方向奥側のケース5a上(図8の領域Rである。)のみに付着することになる。
なお、上述したように減圧部60には、着脱可能なフィルタカバー66が設置されているために、フィルタ63が減圧部60の内部に設置されていても、フィルタカバー66を取り外すことでフィルタ63の交換作業を容易におこなうことができる。
なお、画像形成装置本体100に設置する吸気ファン90は、画像形成装置本体100内の温度上昇を低減するための気流ファン等と共用することができる。
本実施の形態におけるトナーは、形状係数SF−1が100〜180、SF−2が100〜180に設定されている。これにより、トナー1粒子に付着する外添剤の量を増加することができ、キャリアとの衝突等による外部ストレスからトナー母体表面を保護する無機微粒子を増加させることができる。
また、本実施の形態におけるトナーは、2μm以下のトナー微分が30%以下含有されたものである。トナー中にトナー微粉が30%を超えて含有されていると、トナー1粒子に付着する無機微粒子の個数が減少するため、トナー間の凝集力が増大して、現像剤の流動性悪化が生じてしまう。そして、補給トナーの現像剤中への分散性が悪くなってしまう。
なお、トナーの形状係数SF−1、SF−2は、以下のように求められたものである。
形状係数SF−1は、トナー形状の丸さの割合を示すものであり、トナーを2次元平面に投影してできる形状の最大長MXLNGの二乗を図形面積AREAで除して100π/4を乗じた値である。すなわち、次式で表すことができる。
SF−1={(MXLNG)2/AREA}×(100π/4)
SF−1の値が100の場合はトナーの形状が真球となり、SF−1の値が大きくなるほど不定形になる。
また、形状係数SF−2は、トナーの形状の凹凸の割合を示すものであり、トナーを2次元平面に投影してできる図形の周長PERIの二乗を図形面積AREAで除して100/4πを乗じた値である。 なわち、次式で表すことができる。
SF−2={(PERI)2/AREA}×(100/4π)
SF−2の値が100の場合はトナー表面に凹凸が存在しなくなり、SF−2の値が大きくなるほどトナー表面の凹凸が顕著になる。
形状係数の測定は、具体的に、走査型電子顕微鏡「S−800」(日立製作所社製)でトナーの写真を撮り、これを画像解析装置「LUSEX3」(ニレコ社製)に導入して解析して計算したものである。
5 現像装置(現像部)、
6、6Y、6M、6C、6K プロセスカートリッジ(作像部)、
51 現像ローラ(現像剤担持体)、
52 ドクターブレード、
55 第1搬送スクリュ(現像剤搬送部材)、
56 第2搬送スクリュ(第2現像剤搬送部材)、
60 減圧部、
61 吸気口、 62 排気口、
63 フィルタ、
64 傾斜面、 65 対向面、
66 フィルタカバー、
70 流路変更部、
71 段状壁部、 72 第2排気口、
90 吸気ファン、
100 画像形成装置本体(装置本体)、 G 現像剤。
Claims (12)
- 現像剤を収容するとともに、像担持体上に形成される潜像を現像する現像装置であって、
前記像担持体に対向するとともに、現像剤を担持する現像剤担持体と、
前記現像剤担持体に対向するとともに、現像剤を搬送しながら前記現像剤担持体に現像剤を供給する現像剤搬送部材と、
壁部に囲まれた空間を装置の上方に有する減圧部と、
前記減圧部の内部に設置されたフィルタと、
を備え、
前記減圧部は、
前記現像剤搬送部材の上方であって前記現像剤担持体と前記現像剤搬送部材との対向領域に開口する吸気口と、
装置の長手方向端部側に向けて開口する排気口と、
を具備し、
前記減圧部の前記壁部は、前記対向領域に向かって下方に傾斜する傾斜面を具備するとともに、前記傾斜面とそれに対向する対向面との距離が前記吸気口から前記フィルタの位置に向けて漸増するように形成され、
前記フィルタは、前記傾斜面側又は前記対向面側に傾斜するように配設されたことを特徴とする現像装置。 - 前記フィルタは、前記現像剤搬送部材に対向するように設置されたことを特徴とする請求項1に記載の現像装置。
- 前記傾斜面は、前記フィルタの位置から前記吸気口に向かって連続的に傾斜することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の現像装置。
- 前記フィルタは、前記吸気口及び前記排気口から離れた位置に配設されたことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の現像装置。
- 仕切部材を介して前記現像剤搬送部材に対向するとともに、前記現像剤搬送部材とともに現像剤の循環経路を形成する第2現像剤搬送部材を備え、
前記減圧部は、前記第2現像剤搬送部材の上方に配設されたことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の現像装置。 - 前記現像剤搬送部材は、長手方向に現像剤を搬送しながら前記現像剤担持体に現像剤を供給するように構成され、
前記減圧部は、前記現像剤搬送部材による現像剤の搬送方向上流側に対応する位置から長手方向に延設されたことを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載の現像装置。 - 画像形成装置本体に対して長手方向に着脱自在に設置されるように構成され、
前記減圧部の前記排気口は、装置の着脱方向奥側に向けて開口するように配設されたことを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれかに記載の現像装置。 - 前記減圧部は、前記排気口から排出された空気の流路の方向を変えて装置のケースに沿わせて空気を排出するための流路変更部を具備したことを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれかに記載の現像装置。
- 前記現像剤は、形状係数SF−1が100〜180になり形状係数SF−2が100〜180になるように形成されたトナーを有することを特徴とする請求項1〜請求項8に記載の現像装置。
- 画像形成装置本体に対して着脱自在に設置されるプロセスカートリッジであって、
請求項1〜請求項9のいずれかに記載の現像装置と前記像担持体とが一体化されたことを特徴とするプロセスカートリッジ。 - 請求項1〜請求項9のいずれかに記載の現像装置と前記像担持体とを備えたことを特徴とする画像形成装置。
- 前記現像装置の前記排出口に対向する位置に吸気ファンを備えたことを特徴とする請求項11に記載の画像形成装置。
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