JP5105809B2 - ヒータユニット、ヒータ付き電池構造体 - Google Patents
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Description
ところが、ニッケル水素蓄電池などの電池には、低温時において、放電容量が低下し、良好な出力特性が得られなくなる課題がある。このため、電池を、例えば、電気自動車やハイブリッド自動車などの電源として用いた場合、寒冷地など気温が氷点下となる温度環境下では、出力が十分に得られない問題があった。
この問題を解決するために、近年、電池にヒータを設け、家庭用電源を用いて電池を加熱する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
なお、シート体の表面は、平面に限らず、例えば、多数の突起が表面全体に等間隔で設けられてなる凹凸面であっても良い。
また、発電要素とは、電池の機能を奏するために電池ケース内に収容されるものであり、例えば、正極板、負極板、セパレータ、及び電解液などが含まれる。
さらに、本発明のヒータユニットは、ヒータの裏面側に位置するシート体が断熱性を有している。このため、ヒータの熱が裏面側から逃げにくくなり、主面から電池構造体に効率良く熱を伝えることができる。
なお、断熱性を有するシート体としては、シート状の発泡樹脂(発泡ウレタンなど)、シート状の発泡ゴム、シート状の多孔質繊維、シート状の成型グラスウール等を例示できる。
さらに、上記のヒータユニットであって、前記電池構造体は、収容ケースと、この収容ケースの内部に収容された複数の二次電池と、を有し、上記収容ケースの外表面は、前記被加熱面を含み、前記保持部材は、前記ヒータを収容する凹状の収容部と、この収容部の開口端側に位置するフランジ部と、を有し、上記フランジ部は、上記ヒータユニットを上記収容ケースの外表面に固定したとき、上記収容ケースの外表面に当接する当接面を有し、上記ヒータユニットを上記収容ケースの外表面に固定する前の自由状態において、上記ヒータの前記主面が、上記保持部材の上記フランジ部の上記当接面よりも、上記ヒータの厚み方向に寸法ΔLだけ外部に突出しており、上記フランジ部の上記当接面を上記収容ケースの上記外表面に当接させて、上記ヒータユニットを上記収容ケースの上記外表面に固定したとき、上記シート体が、上記ヒータの厚み方向に寸法ΔLだけ弾性圧縮変形して、上記ヒータの上記主面全体が上記被加熱面に密着する形態を有するヒータユニットとすると良い。
さらに、このヒータ付き電池構造体では、ヒータの裏面側に位置するシート体が断熱性を有している。このため、ヒータの熱が裏面側から逃げにくくなり、主面から電池構造体に効率良く熱を伝えることができる。
さらに、上記のヒータ付き電池構造体であって、前記電池構造体は、収容ケースと、この収容ケースの内部に収容された複数の二次電池と、を有し、上記収容ケースの外表面は、前記被加熱面を含み、前記保持部材は、前記ヒータを収容する凹状の収容部と、この収容部の開口端側に位置するフランジ部と、を有し、上記フランジ部は、上記ヒータユニットを上記収容ケースの外表面に固定したとき、上記収容ケースの外表面に当接する当接面を有し、上記ヒータユニットは、上記フランジ部の上記当接面を上記収容ケースの上記外表面に当接させて、上記収容ケースの上記外表面に固定されてなり、上記ヒータユニットを上記収容ケースの外表面に固定する前の自由状態において、上記ヒータの前記主面が、上記保持部材の上記フランジ部の上記当接面よりも、上記ヒータの厚み方向に寸法ΔLだけ外部に突出しており、上記フランジ部の上記当接面を上記収容ケースの上記外表面に当接させて、上記ヒータユニットを上記収容ケースの上記外表面に固定したとき、上記シート体が、上記ヒータの厚み方向に寸法ΔLだけ弾性圧縮変形して、上記ヒータの上記主面全体が上記被加熱面に密着する形態を有するヒータ付き電池構造体とすると良い。
このヒータ付き電池構造体では、保持部材が、ヒータユニットを電池構造体に着脱可能とする構成を有している。すなわち、ヒータユニットを、電池構造体に着脱可能に固定している。このため、ヒータユニットを電池構造体から容易に取り外すことができるので、ヒータユニット(ヒータ)のメンテナンス作業や交換作業等の作業性が良好となる。
このヒータ付き電池構造体では、シート体が、1または複数のヒータの裏面の全体に接触しているので、シート体により、1または複数のヒータの裏面全体を押圧することができる。これにより、1または複数のヒータの主面を、電池構造体の被加熱面に適切に密着させることができる。
このヒータ付き電池構造体では、その構成品である、1または複数のヒータとシート体と保持部材とが、接着により一体とされている。このため、ヒータユニットのメンテナンス作業や交換作業等をする際、ヒータユニットを取り扱い易く、電池構造体への着脱等が容易となる。
ヒータ付き電池構造体10は、図1及び図2に示すように、組電池50と、第1ヒータユニット60と、第2ヒータユニット70とを有している。
このうち、組電池50は、図3に示すように、第1収容部材20及び第2収容部材30を備える収容ケース40と、その内部に収容された複数(本実施形態では40ヶ)の二次電池100とを有している。なお、本実施形態では、組電池50が電池構造体に相当する。
本実施形態では、図3に示すように、このような二次電池100が40ヶ、列置方向X(図3において左右方向)に一列に列置されると共に、互いに直列に接続されている。
このような構成の組電池50では、図3及び図4に示すように、第2収容部材30の凹部34の底部34bに、複数の二次電池100の各々と空隙Sを介して離間する離間部35が含まれる。
また、第1保持部材65は、矩形凹状をなし、第1ヒータ61を内部に収容する収容部65cと、この収容部65cの開口端側に位置する矩形環状のフランジ部65bとを有している。このフランジ部65bには、取付ボルト12のネジ部12b(図9参照)を挿通可能とする貫通孔65dが複数形成されている。
なお、本実施形態では、離間部35の外表面35bが、被加熱面に相当する。
また、第2保持部材75は、矩形凹状をなし、第2ヒータ71を内部に収容する収容部75cと、この収容部75cの開口端側に位置する矩形環状のフランジ部75bとを有している。このフランジ部75bには、取付ボルト12のネジ部12b(図10参照)を挿通可能とする貫通孔75dが複数形成されている。
本実施形態のヒータ付き電池構造体10では、前述のように、第1ヒータ61及び第2ヒータ71が、第2収容部材30(収容ケース40)の離間部35の外表面35b上に設けられている(図3参照)。このような構成とすることにより、第1ヒータ61及び第2ヒータ71の熱が離間部35に伝わり、加熱された離間部35を通じて、空隙S内の空気を加熱することができる。そして、この加熱された空気が各々の二次電池100に接触することで、各々の二次電池100を加熱することができる。
また、何らかの不具合により第1ヒータ61や第2ヒータ71が異常昇温した場合でも、第1ヒータ61及び第2ヒータ71と各々の二次電池100との間に、離間部35に加えて空隙Sが介在しているので、各二次電池100が過昇温となるのを防止することもできる。
以上より、本実施形態のヒータ付き電池構造体10では、第1ヒータ61及び第2ヒータ71の熱を、効率良く、収容ケース40の離間部35に伝えることができるので、効率良く、各々の二次電池100を加熱することができる。
例えば、実施形態では、加熱の対象となる電池構造体として、複数(実施形態では40ヶ)の二次電池100と、これらを収容する収容ケース40とを有する組電池50を例示した。しかしながら、1つの発電要素を電池ケース内に収容してなる単電池や、発電要素を収容する収容部が複数、一体成形された電池ケースを備え、それぞれの収容部内に発電要素を収容してなる電池モジュールを、電池構造体としても良い。すなわち、単電池や電池モジュール等を、ヒータにより直接加熱する形態としても良い。
また、実施形態では、樹脂製の電池ケース101などを備える二次電池100を用いたが、電池ケースの材質は、樹脂に限らず、金属などの他の材質であっても良い。また、実施形態では、ニッケル水素蓄電池を用いたが、本発明は、リチウムイオン電池など他の電池(一次電池も含む)を用いた場合にも、適用することができる。
20 第1収容部材(収容ケース)
30 第2収容部材(収容ケース)
35 離間部
35b 離間部35の外表面(被加熱面)
40 収容ケース
50 組電池(電池構造体)
60 第1ヒータユニット
61 第1ヒータ
62 第1シート体
65 第1保持部材
70 第2ヒータユニット
71 第2ヒータ
72 第2シート体
75 第2保持部材
90 冷却装置
100 二次電池
101 電池ケース
Claims (8)
- 1または複数の、主面と裏面とを有するシート状のヒータと、
上記1または複数のヒータを保持する保持部材と、を備え、
発電要素を含む電池構造体の外表面に固定して、上記電池構造体の被加熱面の加熱により上記発電要素を加熱する
ヒータユニットであって、
上記1または複数のヒータの上記裏面と上記保持部材との間に介在し、少なくとも上記ヒータの厚み方向に変形可能なシート状のシート体を備え、
上記シート体は、
断熱性を有し、
上記ヒータの厚み方向に弾性変形可能であり、
上記ヒータユニットを上記電池構造体の外表面に固定したとき、上記シート体の上記厚み方向への弾性圧縮変形によって生じる弾性力により、上記1または複数のヒータの上記裏面を押圧し、上記1または複数のヒータの上記主面全体を上記電池構造体の上記被加熱面に密着させる形態を有してなる
ヒータユニット。 - 請求項1に記載のヒータユニットであって、
前記電池構造体は、
収容ケースと、この収容ケースの内部に収容された複数の二次電池と、を有し、
上記収容ケースの外表面は、前記被加熱面を含み、
前記保持部材は、
前記ヒータを収容する凹状の収容部と、この収容部の開口端側に位置するフランジ部と、を有し、
上記フランジ部は、上記ヒータユニットを上記収容ケースの外表面に固定したとき、上記収容ケースの外表面に当接する当接面を有し、
上記ヒータユニットを上記収容ケースの外表面に固定する前の自由状態において、上記ヒータの前記主面が、上記保持部材の上記フランジ部の上記当接面よりも、上記ヒータの厚み方向に寸法ΔLだけ外部に突出しており、上記フランジ部の上記当接面を上記収容ケースの上記外表面に当接させて、上記ヒータユニットを上記収容ケースの上記外表面に固定したとき、上記シート体が、上記ヒータの厚み方向に寸法ΔLだけ弾性圧縮変形して、上記ヒータの上記主面全体が上記被加熱面に密着する形態を有する
ヒータユニット。 - 請求項1または請求項2に記載のヒータユニットであって、
前記保持部材は、前記ヒータユニットを、前記電池構造体に着脱可能とする構成を有する
ヒータユニット。 - 請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載のヒータユニットであって、
前記シート体は、前記1または複数のヒータの前記裏面の全体に配置されてなる
ヒータユニット。 - 請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載のヒータユニットであって、
前記1または複数のヒータは、前記シート体に接着されてなり、
上記シート体は、前記保持部材に接着されてなる
ヒータユニット。 - 請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載のヒータユニットと、
前記発電要素を含み、前記被加熱面を有する前記電池構造体と、を備え、
前記シート体の前記厚み方向への弾性圧縮変形によって生じる弾性力により、前記1または複数のヒータの前記裏面を押圧することで、上記1または複数のヒータの上記主面全体が、上記電池構造体の上記被加熱面に密着してなる
ヒータ付き電池構造体。 - 発電要素を含み、被加熱面を有する電池構造体と、
1または複数の、主面と裏面とを有するシート状のヒータ、及び
上記1または複数のヒータを保持する保持部材、を有し、
上記電池構造体の外表面に固定して、上記電池構造体の上記被加熱面の加熱により上記発電要素を加熱する
ヒータユニットと、を備える
ヒータ付き電池構造体であって、
上記ヒータユニットは、
上記1または複数のヒータの上記裏面と上記保持部材との間に介在し、少なくとも上記ヒータの厚み方向に変形可能なシート状のシート体を有し、
上記シート体は、
断熱性を有し、
上記ヒータの厚み方向に弾性変形可能であり、
上記ヒータ付き電池構造体は、
上記シート体の上記厚み方向への弾性圧縮変形によって生じる弾性力により、上記1または複数のヒータの上記裏面を押圧することで、上記1または複数のヒータの上記主面全体が、上記電池構造体の上記被加熱面に密着してなる
ヒータ付き電池構造体。 - 請求項7に記載のヒータ付き電池構造体であって、
前記電池構造体は、
収容ケースと、この収容ケースの内部に収容された複数の二次電池と、を有し、
上記収容ケースの外表面は、前記被加熱面を含み、
前記保持部材は、
前記ヒータを収容する凹状の収容部と、この収容部の開口端側に位置するフランジ部と、を有し、
上記フランジ部は、上記ヒータユニットを上記収容ケースの外表面に固定したとき、上記収容ケースの外表面に当接する当接面を有し、
上記ヒータユニットは、
上記フランジ部の上記当接面を上記収容ケースの上記外表面に当接させて、上記収容ケースの上記外表面に固定されてなり、
上記ヒータユニットを上記収容ケースの外表面に固定する前の自由状態において、上記ヒータの前記主面が、上記保持部材の上記フランジ部の上記当接面よりも、上記ヒータの厚み方向に寸法ΔLだけ外部に突出しており、上記フランジ部の上記当接面を上記収容ケースの上記外表面に当接させて、上記ヒータユニットを上記収容ケースの上記外表面に固定したとき、上記シート体が、上記ヒータの厚み方向に寸法ΔLだけ弾性圧縮変形して、上記ヒータの上記主面全体が上記被加熱面に密着する形態を有する
ヒータ付き電池構造体。
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