JP5105719B2 - 光学部品の評価装置、評価方法及びそれを用いた光軸調整装置 - Google Patents
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Description
このチャート55には、図16に示すように、チャート55の中心点M0と、この中心点M0を中心とする輪帯上において等間隔に並ぶ8点(M1〜M8)に、光透過領域形成されている。M0〜M8の各点には、ピンホール加工が施されている。
上記光源50から発した光は、ピンホール板51、NDフィルタ52及びコリメータレンズ53を介して平行光Rとなる。平行光束Rは、ミラー54により反射されて、ミラー54から下方へ向かう平行光R´となる。
しかし、中心光束の重心座標に関しては、一つの光束のみから算出されている。そのため、一つの光束の重心座標のばらつきが、そのまま評価値に影響してしまうことになるので、評価値のばらつきを悪化させる要因の一つになっている。
しかし、特許文献1に記載の装置を用いてレンズユニットの光軸を調整しようとした場合、上記のように評価値のばらつきが大きくなるため、検出分解能を著しく低下させ、調整精度を悪化させてしまうおそれがある。そのため、レンズユニットの小型化も困難となるおそれがある。
さらに、本発明の光学部品の評価方法においては、前記算出ステップにおいて算出された前記光学部品の位置調整に必要な前記光学部品の移動量に基づいて、前記光学部品の位置調整を行うステップを更に含むことを特徴とする。
本発明の実施形態の説明に先立ち、作用効果を総括的に述べておく。
一方の光学部品が固定された状態で保持され、他方の光学部品が移動可能に保持されているとする。このとき、一方の光学部品の光軸と、他方の光学部品の光軸とが一致していないとする。この場合、各光学部品を透過した2つの透過光束群(第1の領域群を通過した光束と、第2の領域群を通過した光束)の中心座標は、一致しない。そこで、一方の透過光束群の中心座標と、他方の透過光束群の中心座標の差(距離)を、一方の光学部品における光軸のずれ量として算出する。そして、算出された光軸のずれ量に基づいて、一方の光学部品の移動量を求める。このように、光軸のずれ量の算出に、各透過光束の中心座標を使うようにしたので、中心座標を算出する際の母集団の画素数を増やすことができる。その結果、母集団の画素数が少ない場合に比べて、中心座標のばらつきを小さくすることができる。すなわち、評価値のばらつきを小さくすることができる。その結果、光軸のズレ量の検出分解能を高くすることができる。よって、より精度の良い光軸調整が可能となる。
以下、図1乃至図5に基づいて、第1実施例を説明する。
図1(a)は本実施例に係る光軸調整装置の概略図、図1(b)は図1(a)におけるA−A方向に見たチャート4の説明図、図2は撮像装置で撮像されるピンホール像の模式図、図3は透過孔を通過した二つの光束を構成する各ピンホール像の模式図、図4は各光束の中心座標を表した模式図、図5は図4に示す中心座標部分を拡大した説明図である。
フォトエッチング、パターン蒸着は、加工精度が、通常の金属加工よりも二桁程度良い。一方、基板に設けられているピンホール(透過孔)の加工精度(精度良く円周に整列する整列度、二つの透過孔の同心度等)は、そのまま評価値の精度に効いてしまう。そこで、基板をフォトエッチング、パターン蒸着で作製する。このようにすることで、基板の加工精度を向上させることができ、評価値の精度を向上させることができる。
各々のピンホール像毎に、2値化処理において「1」となった画素の全てのX座標X01〜X0n及びY座標Y01〜Y0nの平均を求め、各々のピンホール像の重心座標(Xc、Yc)を算出する(図2の例を参照)。
Xc=(X01〜X0nの合計)/n …(1)
Yc=(Y01〜Y0nの合計)/n …(2)
算出式(1)、(2)を用いて、各々のピンホール像の重心座標Zc01、Zc02、Zc03、Zc04、Zc05、Zc06、Zc07、Zc08、Zc11、Zc12、Zc13、Zc14、Zc15、Zc16、Zc17、Zc18を求める。算出された各々のピンホール像の重心座標を、図3における各ピンホール像の符号の括弧内に示す。
Z0cのX座標:Z0cX=(Zc01〜Zc08のX座標の合計)/8 …(3)
Z0cのY座標:Z0cY=(Zc01〜Zc08のY座標の合計)/8 …(4)
同様に、
Z1cのX座標:Z1cX=(Zc11〜Zc18のX座標の合計)/8 …(5)
Z1cのY座標:Z1cY=(Zc11〜Zc18のY座標の合計)/8 …(6)
{(Z1cX−Z0cX)2+(Z1cY−Z0cY)2}1/2 …(7)
算出式(7)より求められた中心座標間距離に応じて、補正移動量を求める。ここで、補正移動量とは、求められた中心座標間距離に定数kをかけたものをいう。また、定数kは、レンズ系9とレンズ系11との間に光軸のずれを与えて、その時の中心座標間距離をグラフ上にプロットした近似直線から求めた傾きであり、被調整レンズごとに設定される値になる。この補正移動量は、上記各算出と同様に、演算処理部14で算出する。この補正移動量が、レンズ系9の最終的な移動量(評価値)となる。
演算処理部14が算出した補正移動量(評価値)に基づき、移動手段5が移動する。移動手段5の移動は、調心治具8を介してレンズ系9に伝達され、レンズ系9が移動する。移動後、レンズ系9を枠10に固定する。固定に際しては、図示しない紫外線照射ユニットより紫外線を照射して、紫外線硬化型接着剤を硬化させる。
なお、上記の説明では、レンズ系9の1回の移動で、光軸ズレ(あるいは光学部品と枠の取り付け誤差)をゼロあるいは、十分に小さくにできるものとしている。ただし、1回の移動では、光軸ズレ(あるいは光学部品と枠の取り付け誤差)をゼロあるいは、十分に小さくにできない場合もある。そこで、予め規格を設定しておき、この規格内に評価値が収まるまでレンズ系9の移動を行なっても良い。すなわち、評価値が予め設定された規格内に収まるようにするために、移動手段5によりレンズ系9の位置調整を繰り返し行う。そして、規格内に収まった段階で、レンズ系9を枠10に固定するために、図示しない紫外線照射ユニットより紫外線を照射して紫外線硬化型接着剤を硬化させる。
図6は、上記基板としてのチャートの一構成例を示す図である。
図6に示すチャート20は、上記チャート4のピンホールP01〜P8に代えてリング状の透過孔T1を、ピンホールP11〜P18に代えて透過孔T1と同心円状に配置されるリング状の透過孔T2とを有している。ここで、チャート20における透過孔T1、T2は、各孔の重心位置を同一円周上に有している。
このチャート20を、図1(a)におけるチャート4に代えて用いることにより、チャート4を用いたときと同様の作用効果を得ることができる。
図7において、チャート21は、チャート21の円周と同心円状に配置される内側の透過孔を形成する八個の孔と、この内側の透過孔と同心円状に配置される外側の透過孔を形成する八個の孔とを有している。各孔は、図7に示すように、矩形形状に形成されている。ここで、チャート21における第1透過孔及び第2透過孔は、各孔の重心位置を同一円周上に有している。
このチャート21を、図1(a)におけるチャート4に代えて用いると、チャート21を透過して直方体状となった二つの光束を得ることができ、チャート4を用いたときと同様の作用効果を得ることができる。
図8に示すチャート22は、複数の固定ねじ23と、各固定ねじ23を締めることによりチャート22に固定される複数の絞り板24と、絞り板24よりも縦長である複数の絞り板25とを有している。
この絞り板24は、孔をチャート22の中心点に向けて、固定ねじ係止用穴29をチャート22の外周に向けて、チャート上に配置されている。そして、絞り板24を図8に矢印で示した方向に移動させることにより、内側の透過孔を形成する光束の円周の大きさを変更することができるようになっている。
この絞り板25は、絞り板24と同様に、孔をチャート22の中心点に向けて、固定ねじ係止用穴をチャート22の外周に向けて、チャート上に配置されている。そして、絞り板25を図8に矢印で示した方向に移動させることにより、外側の透過孔を形成する光束の円周の大きさを変更することができるようになっている。
このように構成したチャート22を、図1(a)におけるチャート4に代えて用いることにより、チャート4を用いたときと同様の作用効果を得ることができる。
なお、チャート22に設けられた嵌合用穴は固定ねじの直径とほぼ等しい径であり、チャート22に設けられた空隙は絞り板24,25のいずれかにより塞がれている。したがって、光束がチャート22に照射されると、絞り板24,25が有する孔のみを光束を通過し、レンズ系9の移動量を算出するために必要な二つの光束が得られる。
このように、二つの透過孔の円周の大きさを可変にすることができれば、異なる直径の被調整レンズ系に入れ替えたときの光軸を調整することができるので、様々な被調整レンズ系に対応することができる。
図9において、透過孔板26は、細長板状部材を折り曲げた略L字型で形成されている。この透過孔板26は、折れ曲がり部の略中央に、透過孔板26とチャートとを固定する固定ねじ28のための貫通穴30を有している。透過孔板26の貫通穴30は、その縦の長さが透過孔板の幅より短い扁平楕円形状で形成されており、貫通穴30の幅は固定ねじ28の直径とほぼ同じ幅に形成されている。
透過孔板27は、透過孔板26と同様の細長板状部材を、透過孔板26と逆の方向に折り曲げた略逆L字型で形成されており、その折れ曲がり部の略中央に、透過孔板26の貫通穴30と同様の貫通穴30を有している。
また、透過孔板26,27を配置するチャート(図示省略)には、固定ねじ28を係止する係止穴(図示省略)が設けられている。
なお、透過孔板26,27は、一つの固定ねじ28により、それぞれの折れ曲がり部を係止されるのみであるが、透過孔板26と透過孔板27とが接する面の摩擦力及びチャートと透過孔板26とが接する面の摩擦力により、透過孔板26,27がチャート上でずれないようになっている。
ここで、チャートが有する係止穴と透過孔板26,27の各貫通孔30と固定ねじ28とにより、透過孔板26,27の移動可能な方向はチャートの径方向に限られているので、透過孔板26,27を移動した結果得られる各透過孔も、チャートの中心座標を中心とした同心円上に位置するようになっている。
このように、透過孔板26,27を移動させることにより、各透過孔を中心座標を中心とした同心円状に保持しつつ、図7又は図8に示す透過孔の大きさを変更することができる。
このように、孔径可変機構を備えるようにすれば、調整対象となる被調整レンズ系が変わっても、被調整レンズ系ごとに基板を変更することなく光軸調整を行うことができる。
このチャート32を図1(a)におけるチャート4に代えて用いることにより、チャート4を用いた時と同様の作用効果を得ることができる。
このチャート33を図1(a)におけるチャート4に代えて用いることにより、チャート4を用いた時と同様の作用効果を得ることができる。
次に、図13及び図14に基づいて、第2実施例を説明する。
図13は本実施例に係る光軸調整装置の概略構成図、図14は本実施例に用いられるチャートの詳細図である。
本実施例は、第1実施例と比較して、光源1、ピンホール板2、コリメータレンズ3及びチャート4の代わりに、複数の発光部を有する光源4´を配置している点で異なっている。その他の構成は、第1実施例と同じになっている。
この光束リングL0は、図14(a)に示すように、発光部L01,L02,L03,L04,L05,L06,L07,L08を同一円周上に等間隔で8点配置して形成されている。また、光束リングL1は、発光部L11,L12,L13,L14,L15,L16,L17,L18を、光束リングL0と同心の円周上に等間隔で8点配置して形成されている。各光束リングを構成する発光部はLED、LD等の発光素子から構成され、出射される光束は平行光束となるようになっている。平行光束を得るために、発光素子の光射出側にレンズを配置しても良い。
また、本実施例では2つの光束リングが同心円状に配置されているが、図6乃至図12に示したチャートのように発光部を配置しても、同様の作用、効果を得ることができる。
2,51 ピンホール板
3,53 コリメータレンズ
4,4',55 チャート
5 移動手段
6 保持手段
7 駆動手段
8 調心治具
9,11 レンズ系
10 枠
12,63 CCDカメラ
13 表示装置
14,66 演算処理部
15 被調整レンズ系
20,21,22,31,32,33,34 基板
23 固定ねじ
24,25 絞り板
26,27 透過孔板
28 固定ねじ
29 固定ねじ係止用穴
30 貫通穴
52 NDフィルタ
54 ミラー
56,59 レンズ系
57 玉枠
58 取付部
60 調整治具
61 像面
62 顕微鏡レンズ
64 フォーカス軸
65 粗調心二軸
67 照射点
68 重心
69 微調心二軸
P01〜P08,P11〜P18 ピンホール
R0,R1 透過孔列
Z01〜Z08,Z11〜Z18 ピンホール像
Z0,Z1 透過光束群
L0,L1 光束リング
L01〜L08,L11〜L18 発光部
Claims (18)
- 複数の光束を生成する光束生成部と、
前記光束生成部からの光を受光する位置に配置された撮像装置と、
前記撮像装置よりも前記光束生成部側に配置され、光学部品を保持する保持部材と、
前記撮像装置からの出力情報に基づいて、所定の処理を行なう処理装置を備え、
前記光束生成部は、第1の領域群と第2の領域群を少なくとも有し、
前記第1の領域群における複数の領域は、第1の所定の線上に、互いに離れて位置し、
前記第2の領域群における複数の領域は、第2の所定の線上に、互いに離れて位置し、
前記第2の領域群は、前記第1の領域群の外側に位置し、
前記出力情報には、前記第1の領域群における前記複数の領域の像から求めた、第1の領域群の中心位置の情報と、前記第2の領域群における前記複数の領域の像から求めた、第2の領域群の中心位置の情報が含まれ、
前記処理装置は、前記第1の領域群の中心位置の情報と前記第2の領域群の中心位置の情報とに基づいて、前記光学部品の位置調整に必要な前記光学部品の移動量を算出するようにした、
ことを特徴とする光学部品の評価装置。 - 前記光束生成部は、光源と基板を有し、
前記基板は、前記光源と前記保持部材の間、あるいは前記保持部材と前記撮像装置の間に配置され、
前記第1の領域群及び前記第2の領域群における複数の領域は、光を透過あるいは反射する領域である、
ことを特徴とする請求項1に記載の光学部品の評価装置。 - 前記光束生成部は、複数の発光部を有する光源であり、
前記第1の領域群及び前記第2の領域群における複数の領域は、前記複数の発光部であり、前記第1の所定の線及び前記第2の所定の線上に等間隔に配置されている、
ことを特徴とする請求項1に記載の光学部品の評価装置。 - 前記第1の所定の線は円周であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の光学部品の評価装置。
- 前記第1の所定の線は多角形の辺であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の光学部品の評価装置。
- 前記第2の所定の線は円周であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の光学部品の評価装置。
- 前記第2の所定の線は多角形の辺であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の光学部品の評価装置。
- 前記第1の領域群における前記複数の領域の外形形状は、全て同じ形状であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の光学部品の評価装置。
- 前記第1の領域群における前記複数の領域の外形形状は、少なくとも2つの異なる形状を含むことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の光学部品の評価装置。
- 前記第2の領域群における前記複数の領域の外形形状は、全て同じ形状であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の光学部品の評価装置。
- 前記第2の領域群における前記複数の領域の外形形状は、少なくとも2つの異なる形状を含むことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の光学部品の評価装置。
- 前記複数の領域の外形形状は円であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の光学部品の評価装置。
- 前記複数の領域の外形形状は多角形であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の光学部品の評価装置。
- 前記第1の領域群の中心位置の情報は、前記第1の領域群における前記複数の領域の像の全重心座標の平均値を算出して得られる情報であり、
前記第2の領域群の中心位置の情報は、前記第2の領域群における前記複数の領域の像の全重心座標の平均値を算出して得られる情報であることを特徴とする請求項1に記載の光学部品の評価装置。 - 請求項1から請求項14のいずれか一項に記載の光学部品の評価装置と、
前記処理装置が算出した前記光学部品の位置調整に必要な情報に基づいて、前記光学部品の光軸と直交する方向に移動する移動手段と、
前記光学部品に接触するよう配置されるとともに、前記移動手段と連結状態に構成された調心治具と、
を備えることを特徴とする光軸調整装置。 - 第1の所定の線上に互いに離れて位置する複数の領域からなる第1の領域群と前記第1の領域群の外側に位置していて第2の所定の線上に互いに離れて位置する複数の領域からなる第2の領域群を、光学部品を介して撮像する撮像ステップと、
前記第1の領域群における複数の領域の像から求めた、第1の領域群の中心位置の情報と、前記第2の領域群における複数の領域の像から求めた、第2の領域群の中心位置の情報とに基づいて、前記光学部品の位置調整に必要な前記光学部品の移動量を算出する算出ステップと、
を含むことを特徴とする光学部品の評価方法。 - 前記第1の領域群の中心位置の情報が、前記第1の領域群における複数の領域の像の全重心座標の平均値を算出して得られる情報であり、
前記第2の領域群の中心位置の情報が、前記第2の領域群における複数の領域の像の全重心座標の平均値を算出して得られる情報であることを特徴とする請求項16に記載の光学部品の評価方法。 - 前記算出ステップにおいて算出された前記光学部品の位置調整に必要な前記光学部品の移動量に基づいて、前記光学部品の位置調整を行うステップを更に含むことを特徴とする請求項16又は17に記載の光学部品の評価方法。
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