JP5104810B2 - 車両の制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、例えばアクティブステアリング機構等の操舵機構を備えた車両を制御する車両の制御装置の技術分野に関する。
この種の装置として、障害物との衝突を回避すべく運転者の操作によらない自動操舵を可能とするものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に開示された車両の自動操舵装置によれば、自動操舵開始前に運転者から追い越し方向の入力があった場合に、その追い越し方向のみの自動操舵が行われるため、ウィンカ等の方向指示器により指示された追い越し方向と自動操舵の方向とが異なることがないとされている。
尚、ステアリング操作、ブレーキ操作或いはウィンカ操作等各種のドライバ操作がなされたか否かに基づいて運転支援を継続するか否かを判断するものも提案されている(例えば、特許文献2参照)。
また、車線逸脱防止制御の開始時に検出した、走行車線と車両とのなすヨー角が小さい程、車線逸脱防止制御の終了タイミングを早めるものも提案されている(例えば、特許文献3参照)。
また、所定位置からの横方向オフセットと、車線幅とに基づいて設定される車線変更制御量に基づいて操舵機構を制御するものも提案されている(例えば、特許文献4参照)。
特開平5−050936号公報 特開2008−222230号公報 特開2008−033807号公報 特開2008−012989号公報
上記自動操舵や車線逸脱防止制御等においては、程度の差はあれ操舵角(即ち、ステアリングホイルの回転角である)とは無関係に操舵機構が制御される。一方で、ウィンカ等の方向指示器は、操舵角を判断基準として、その方向指示動作の終了タイミングが制御されるのが一般的であるから、このように操舵角とは無関係に操舵機構が制御され得る車両においては、目的とする車両の挙動変化が完了したにもかからず方向指示動作が終了しない、或いは逆に、目的とする車両の挙動変化が完了する以前に方向指示動作が終了する等といった不具合が発生する。上記各種特許文献に例示される従来存在する技術思想では、このような不具合については示唆の断片すらない。即ち、従来の技術には、操舵角と舵角との関係を可変とし得る操舵機構を備える車両において、方向指示器の方向指示動作を的確に終了させ難いことに起因してドライバが違和感を覚えかねないという技術的問題点がある。
本発明は、係る問題点に鑑みてなされたものであり、この種の操舵機構を備えた車両において、方向指示器における方向指示動作を的確なタイミングで終了させ得る車両の制御装置を提供することを課題とする。
上述した課題を解決するため、本発明に係る車両の制御装置は、操舵角と実舵角との関係を変化させることが可能な操舵機構と、車線維持要求に応じて前記操舵機構を介して所定の車線維持制御を実行すると共に、ドライバの操舵意思を表す所定の操舵入力に応じて該車線維持制御を終了する車線維持装置とを備えた車両の制御装置であって、前記車両のヨー応答を規定する所定の実舵相当値を取得する取得手段と、方向指示器が操作された場合に、前記取得された実舵相当値に応じて方向指示動作が終了するように前記方向指示器を制御する制御手段とを具備し、前記制御手段は、前記車線維持制御の実行中において前記操舵入力として前記方向指示器が操作された場合に、前記車線維持制御の終了時点から所定の遅延時間経過した後に、前記取得された実舵相当値に応じて前記方向指示動作を終了させることを特徴とする。
本発明に係る車両は、操舵角(即ち、ステアリングホイル等、ドライバの操舵操作を促す手段の操作角或いは回転角である)と実舵角(操舵輪又は転舵輪の実際の舵角である)との関係を変化させることが可能な操舵機構を備える車両である。本発明に係る車両の制御装置は、その制御装置であって、例えば、一又は複数のCPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、各種プロセッサ又は各種コントローラ、或いは更にROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、バッファメモリ又はフラッシュメモリ等の各種記憶手段等を適宜に含み得る、単体の或いは複数のECU(Electronic Controlled Unit)等の各種処理ユニット、各種コントローラ或いはマイコン装置等各種コンピュータシステム等の形態を採り得る。
ここで、本発明に係る操舵機構の実践的態様は各種存在し得る。例えば、本発明に係る操舵機構は、(1)操舵角とは無関係に、操舵輪に対し直接的に又は間接的に実舵角の変化を促す操舵力を付与し得る、ステア・バイ・ワイヤ(以下、適宜「SBW」と略称する)等と称される電気的舵角可変機構であってもよいし、(2)例えばステアリングシャフトやピニオンギアの回転運動又は当該ピニオンギアと噛合するラックバーの直線運動をモータ等の回転電機によりアシストする、所謂EPS(Electronic Controlled Power Steering:電子制御式パワーステアリング装置)と、操舵角に対する実舵角の変化比率、即ち、舵角伝達比(例えば、操舵角を実舵角で除した値である)を可変とし得る、例えばVGRS(Variable Gear Ratio Steering:伝達比可変装置)等の伝達比可変装置とを含んでなる機構であってもよく、また、他の機構であってもよい。
一方、車両に備わる、一般にウィンカと称される方向指示器は、大略、操作手段及び方向指示灯から構成され、例えばステアリングホイルユニット側部に設置された操作レバー等の形態を採り得るこの種の操作手段を、中立位置から、左右いずれか所望される方向へ所定量操作することによって生じる電気的入力に応じて、車両内外に設置される当該方向指示灯を点滅点灯させるものが一般的である。この一連の方向指示動作は、通常、操舵角が閾値を増加側へ切った後、再び減少側に切った場合に終了する(例えば、操作手段の中立位置への復帰と、それに伴う方向指示灯の消灯を意味する)構成を採ることが多い。
ところが、本発明に係る操舵機構のように、恒常的にせよ、限定的(即ち、何らかの条件判断を伴うことを意味する)にせよ、操舵角と実舵角との関係が可変とされ得る操舵機構を搭載する車両においては、極端な場合、操舵角がゼロ或いはその近傍の極小範囲に留まる場合であっても、実舵角を所望量変化させ、ドライバが意図する車両挙動(例えば、右左折、車線変更又は追い越し、或いはそれらに伴う旋回や回頭等)を実現することが可能である。従って、上述したように、操舵角に応じて一義的に方向指示動作を終了させる構成においては、場合により、ドライバが意図する車両挙動の進捗状態と方向指示動作の終了タイミングとが整合しなくなり、方向指示動作が然るべきタイミングで終了しなくなる。この際、ドライバは、方向指示動作の終了が遅れた場合には自身で操作手段を操作する等して方向指示動作を終了させる必要が、また方向指示動作の終了が早過ぎる場合には再度操作手段を操作して方向指示動作を行わしめる必要があり、いずれにせよ、ドライバが違和感を覚える可能性が高くなる。
そこで、本発明に係る車両の制御装置は、方向指示器が操作された場合に、制御手段が、取得手段により取得される実舵相当値に応じて方向指示動作を終了させる構成となっている。尚、本発明に係る「取得」とは、一般に取得なる言葉によって連想される行為の他にも、検出、算出、導出、推定、同定及び選択等の概念を含み、最終的に参照可能な値として確定させることを意味する。この際、取得手段は、如何なるプロセスを経て実舵相当値を取得してもよい。
ここで、「実舵相当値」とは、方向指示動作に対応する車両挙動の変化が、少なくともヨー方向(回転方向)の挙動変化であるヨー応答を大小なり含むことに着眼し、予め実験的に、経験的に、理論的に又はシミュレーション等に基づいて、車両のヨー応答と一対一、一対多、多対一又は多対多の対応関係を有するように定められてなる物理量、制御量又は指標値であり、操舵角に関係なく実際の車両の挙動変化に係る進捗状態を定量的に表し得る値である。
従って、本発明によれば、操舵角の多寡によらず、車両が一定のヨー応答を示した場合に方向指示動作を終了させることができ、方向指示動作の終了タイミングがドライバ感覚から大きく乖離することが防止される。即ち、方向指示器の方向指示動作を的確なタイミングで終了させることが可能となるのである。
ここで特に、本発明に係る車両では、本発明に係る操舵機構を利用して、車線維持装置により例えばLKA(Lean Keep Assist)等の車線維持機能が付加される。この車線維持装置による車線維持制御は、その概念としては、対象物(例えば、白線(単純に色が白いことを意味しない)やレーンマーカ等を含む)を然るべき検出手段(例えば、車載カメラ等)により認識して、車両の走行車線が、当該対象物により規定される車線に維持されるように(言い換えれば、車両が当該対象物を逸脱することがないように)、実舵角を自動的に制御することを意味する。この車線維持制御は、ドライバの操舵意思が操舵入力(操舵操作、制動操作及び方向指示器の操作等を含む)によって示された場合には、ドライバの意思を優先する目的から遅滞なく終了される(即ち、車線維持制御の遂行に関し、ドライバの操舵入力は基本的に介在しない)。
ここで、車線維持制御が、ドライバ操舵入力と全く無関係に遂行され且つドライバ操舵入力が生じた場合に遅滞なく終了する点に鑑みると、車線維持制御の終了間際に操舵機構によって操舵輪に操舵力が付与されている状況では、ドライバ操舵入力に応じてこの操舵力の付与が停止されることによって、車両に一種のヨー応答が発生することがある。このため、車両のヨー応答を規定する実舵相当値に基づいて方向指示動作を終了させる場合、方向指示動作によって車線維持制御が終了した結果、方向指示動作の終了を促す実舵相当値が満たされることによって方向指示動作もまた終了するといった、望ましくない事態が生じ得る。
そこで、本発明に係る車両の制御装置によれば、制御手段は、車線維持制御の実行期間中において操舵入力として方向指示器の操作がなされた場合に、車線維持制御の終了時点から遅延時間が経過するのを待って、実舵相当値に基づく方向指示動作の終了制御を実行或いは開始する。このため、車線維持制御の終了により実舵角の制御が終了した結果生じる車両のヨー応答が、方向指示動作の終了判定に影響する事態を防止することが可能となり、方向指示動作の不適切な且つ全く意味のない誤った終了を防止することが可能となるのである。
尚、この遅延時間は、例えば、予め実験的に、経験的に、理論的に又はシミュレーション等に基づいて、方向指示器の操作に応じて車線維持制御が終了されるにあたって生じる車両のヨー応答が、方向指示動作の終了判定に影響を及ぼさぬ程度に収束するのに要する時間に設定されていてもよい。
本発明に係る車両の制御装置の一の態様では、前記取得手段は、前記車両のヨーレート又は目標ヨーレートに基づいて前記実舵相当値を取得する。
この態様によれば、例えば、ヨーレートセンサ等の検出手段により検出される実際のヨーレートや、或いはその制御目標値たる目標ヨーレートに基づいて実舵相当値が取得されるため、実舵相当値は、車両のヨー応答をより正確に表し得る。従って、方向指示器の方向指示動作をより的確なタイミングで終了させることが可能となる。
本発明に係る車両の制御装置の他の態様では、前記制御手段は、前記取得された実舵相当値の今回値が基準値未満であり且つ前記取得された実舵相当値の前回値が該基準値以上である場合に、前記方向指示動作を終了させる。
この態様によれば、実舵相当値の絶対値と、その変化方向とを考慮して、車両のヨー応答が過不足なく収束した時点で方向指示動作を終了させることができる。このため、ドライバへの違和感の付与を防止することができる。
本発明に係る車両の制御装置の他の態様では、前記車両の速度に応じて前記遅延時間を設定する設定手段を更に具備する
車線維持制御は、好適な一形態として、その終了前後における車両の急激な挙動変化を抑制すべく(即ち、このような挙動変化はドライバビリティを損ない得る)、車両の速度(即ち、車速)に応じて、操舵入力に伴う終了態様(端的には、操舵輪に付与していた操舵力の漸減の態様)が可変とされることが多い。また、この種の終了態様の可変制御がなされずとも、車線維持制御の終了時に解消すべき操舵力が等しければ、高車速側程、当該終了時に生じるヨー応答は大きくなり且つ収束時間は長くなり得る。これらの点に鑑みれば、方向指示動作の終了タイミングを規定する遅延時間を、車速に応じて設定することによって、方向指示動作の誤終了をより好適に防止することが可能である。
本発明のこのような作用及び他の利得は次に説明する実施形態から明らかにされる。
以下、適宜図面を参照して本発明の車両の制御装置に係る各種実施形態について説明する。
本発明の参考形態に係る車両の構成を概念的に表してなる概略構成図である。 図1の車両においてなされるウィンカオフ制御のフローチャートである。 本発明の第実施形態に係る車両の構成を概念的に表してなる概略構成図である。 実施形態に係るウィンカオフ制御のフローチャートである。 図4のウィンカオフ制御において参照される遅延タイマ値Tthと車速Vとの関係を表す概略特性図である。 本発明の第実施形態に係る車両の構成を概念的に表してなる概略構成図である。 <参考形態> <参考形態の構成> 始めに、図1を参照して、本発明の参考形態に係る車両10の構成について説明する。ここに、図1は、車両10の構成を概念的に表してなる概略構成図である。
図1において、車両10は、操舵輪として左右一対の前輪FL及びFRを備え、これら前輪が転舵することにより所望の方向に進行可能に構成されている。車両10は、ECU100、操舵機構200、EPSアクチュエータ300、EPS駆動装置400、VGRSアクチュエータ500及びVGRS駆動装置600を備える。
ECU100は、夫々不図示のCPU、ROM及びRAMを備え、車両10の動作全体を制御可能に構成された電子制御ユニットであり、本発明に係る「車両の制御装置」の一例である。ECU100は、ROMに格納された制御プログラムに従って、後述するウィンカオフ制御を実行可能に構成されている。
尚、ECU100は、本発明に係る「取得手段」及び「制御手段」の夫々一例として機能するように構成された一体の電子制御ユニットであり、これら各手段に係る動作は、全てECU100によって実行されるように構成されている。但し、本発明に係るこれら各手段の物理的、機械的及び電気的な構成はこれに限定されるものではなく、例えばこれら各手段は、複数のECU、各種処理ユニット、各種コントローラ或いはマイコン装置等各種コンピュータシステム等として構成されていてもよい。
操舵機構200は、ドライバの操舵操作を各操舵輪に伝達する伝達機構であり、ステアリングホイル210、ステアリングコラム220、アッパーステアリングシャフト230、ロアステアリングシャフト240、ピニオンギア250及びラックバー260を備える。
ステアリングホイル210は、ドライバによる操舵操作を促す操作手段である。
ステアリングコラム220は、ステアリングホイル210の回転軸を収容するケースユニットである。
アッパーステアリングシャフト230は、ステアリングコラム220を介してステアリングホイル210に連結された操舵入力軸であり、ステアリングホイル210と略一体に回転するように構成されている。
ロアステアリングシャフト240は、一方の端部が、後述するVGRSアクチュエータ500を介してアッパーステアリングシャフト230に連結される操舵出力軸である。ロアステアリングシャフト240の他方の端部は、ステアリングギアボックス(符合省略)内に収容されたピニオンギア250に連結される。尚、ロアステアリングシャフト240とピニオンギア250とは、直接連結されていてもよいし、然るべき介在機構を介して間接的に連結されていてもよい。
ピニオンギア250は、ロアステアリングシャフト240と略一体に回転可能に構成された、外周面にギア歯が形成されたギア部品であり、ラックバー260の表面に形成されたギア歯と噛合している。
ラックバー260は、車両横方向に伸長する操舵力伝達用の棒状部材であり、その表面に形成されたギア歯が先のピニオンギア250側のギア歯と噛合しており、ピニオンギア250の回転運動を、車両横方向の直線運動に変換可能に構成されている。一方、このラックバー260の両端部には、夫々タイロッド及びナックル(符合省略)が連結されており、それらを介して各操舵輪が連結されている。従って、ラックバー260の車両横方向に沿った直線運動により、各操舵輪は、左右の転舵方向へ転舵することができる。即ち、操舵機構200では、ピニオンギア250とラックバー260とにより、所謂ラックアンドピニオン型の操舵方式が実現されている。
EPSアクチュエータ300は、永久磁石が付設されてなる回転子たる不図示のロータと、当該ロータを取り囲む固定子であるステータとを含むDCブラシレスモータとしてのEPSモータ(不図示)を備えた電動アクチュエータである。このEPSモータは、EPS駆動装置400を介した当該ステータへの通電によりEPSモータ内に形成される回転磁界の作用によってロータが回転することにより、その回転方向にアシストトルクTAを発生可能に構成されている。
一方、EPSモータの回転軸たるモータ軸には、不図示の減速ギアが固定されており、この減速ギアはまた、ピニオンギア250と噛合している。このため、EPSモータから発せられるアシストトルクTAは、ピニオンギア25−の回転をアシストするトルクとして機能する。ピニオンギア250は、先に述べたようにロアステアリングシャフト240に連結されており、ロアステアリングシャフト240は、VGRSアクチュエータ500を介してアッパーステアリングシャフト230に連結されている。従って、ステアリングホイル210を介してアッパーステアリングシャフト230に加えられる操舵トルクMTは、アシストトルクTAにより適宜アシストされた形でラックバー260に伝達されることとなり、ドライバの操舵負担が軽減される構成となっている。
EPS駆動装置400は、EPSモータのステータに対し通電可能に構成された、PWM回路、トランジスタ回路及びインバータ等を含む電気駆動回路である。EPS駆動装置400は、図示せぬバッテリと電気的に接続されており、当該バッテリから供給される電力によりEPSモータに駆動電圧を供給することが可能に構成されている。また、EPS駆動装置400は、ECU100と電気的に接続されており、その動作はECU100により制御される構成となっている。
尚、本参考形態では、EPSアクチュエータ300とEPS駆動装置400とにより、一種の電子制御式パワーステアリング装置が構成されるが、操舵トルクを補助するこの種のパワーステアリング装置の構成は、ここに例示するものに限定されず、例えば、EPSモータから出力されるアシストトルクTAは、不図示の減速ギアによる回転速度の減速を伴って、直接ロアステアリングシャフト240に伝達されてもよいし、ラックバー260の往復運動をアシストする力として付与されてもよい。
VGRSアクチュエータ500は、ハウジング、VGRSモータ及び減速機構(いずれも不図示)を備えた舵角伝達比可変装置である。
ハウジングは、VGRSモータ及び減速機構を収容するケースである。このハウジングには、アッパーステアリングシャフト230の下流側の端部が固定されており、ハウジングとアッパーステアリングシャフト230とは、略一体に回転可能となっている。
VGRSモータは、回転子たるロータ、固定子たるステータ及び駆動力出力軸たる回転軸を有するDCブラシレスモータである。このステータは、ハウジング内部に固定されており、ロータは、ハウジング内部で回転可能に保持されている。回転軸は、ロータと同軸回転可能に固定されており、その下流側の端部が減速機構に連結されている。
減速機構は、差動回転可能な複数の回転要素(サンギア、キャリア及びリングギア)を有する遊星歯車機構である。この複数の回転要素のうち、第1の回転要素たるサンギアは、VGRSモータの回転軸に連結されており、また、第2の回転要素たるキャリアは、ハウジングに連結されている。そして第3の回転要素たるリングギアが、ロアステアリングシャフト240に連結されている。
このような構成を有する減速機構によれば、ステアリングホイル210の操作角たる操舵角MAに応じたアッパーステアリングシャフト230の回転角(即ち、キャリアに連結されたハウジングの回転角)と、VGRSモータの回転角(即ち、サンギアに連結された回転軸の回転角)とにより、残余の一回転要素たるリングギアに連結されたロアステアリングシャフト240の回転角が一義的に決定される。
この際、回転要素相互間の差動作用により、VGRSモータの回転速度を増減制御することによって、ロアステアリングシャフト240の回転速度を増減制御することが可能となる。即ち、VGRSモータ及び減速機構の作用により、アッパーステアリングシャフト230とロアステアリングシャフト240とは相対回転可能である。また、減速機構における各回転要素の構成上、VGRSモータの回転速度は、各回転要素相互間のギア比に応じて定まる所定の減速比に従って減速された状態でロアステアリングシャフト240に伝達される。
このように、車両10では、アッパーステアリングシャフト230とロアステアリングシャフト240とが相対回転可能であることによって、アッパーステアリングシャフト230の回転角たる操舵角MAと、ロアステアリングシャフト240の回転角とに応じて一義的に定まる(後述するラックアンドピニオン機構のギア比も関係する)操舵輪の実舵角δrとの比たる舵角伝達比(尚、実践的にはどのように規定されてもよいが、ここでは、MA/δrとして定義することとする)が、予め定められた範囲で連続的に可変となる。
尚、減速機構は、ここに例示した遊星歯車機構のみならず、他の態様(例えば、アッパーステアリングシャフト230及びロアステアリングシャフト240に夫々歯数の異なるギアを連結し、各ギアと一部分で接する可撓性のギアを設置すると共に、係る可撓性ギアを、波動発生器を介して伝達されるモータトルクにより回転させることによって、アッパーステアリングシャフト230とロアステアリングシャフト240とを相対回転させる態様等)を有していてもよいし、遊星歯車機構であれ上記と異なる物理的、機械的、又は機構的態様を有していてよい。
VGRS駆動装置600は、VGRSモータのステータに対し通電可能に構成された、PWM回路、トランジスタ回路及びインバータ等を含む電気駆動回路であり、VGRSアクチュエータ200を駆動することによりVGRSアクチュエータ500と共に舵角伝達比可変装置として機能する。VGRS駆動装置600は、図示せぬバッテリと電気的に接続されており、当該バッテリから供給される電力によりVGRSモータに駆動電圧を供給することが可能に構成されている。また、VGRS駆動装置600は、ECU100と電気的に接続されており、その動作はECU100により制御される構成となっている。
ここで、本参考形態に係る操舵機構200は、EPSアクチュエータ300及びVGRSアクチュエータ500と共に、本発明に係る「操舵角と実舵角との関係を変化させることが可能な操舵機構」の一例をなしている。より具体的に説明すると、EPSアクチュエータ300は、操舵輪に対しその転舵を促す操舵力を付与可能であるが、ラックバー260の直線運動を惹起するピニオンギア250の回転は、そのままではロアステアリングシャフト240の回転も伴うから、一定の舵角伝達比の下では、操舵角MAと舵角δstとの関係は変化しない。即ち、ドライバの意思とは無関係に操舵輪の転舵は促し得るものの、その結果としてステアリングホイル210もまたドライバの意思とは無関係に回転することになる。

そこで、このようなEPSアクチュエータ300の制御と同期する形でVGRSアクチュエータ500が駆動される。より具体的に説明すると、EPSアクチュエータ300からの駆動力(アシストトルクTA)の付与により操舵輪をドライバ意思とは無関係に変化させるにあたっては、VGRSアクチュエータ500が、舵角伝達比を減少させる。即ち、先の定義で言えば、一の実舵角δst(或いは操舵角MA)を得るのに要する操舵角MA(或いは実舵角δst)が減少(或いは増加)するようにVGRSモータが制御される。その結果、EPSアクチュエータ300が操舵輪の実舵角δstを変化させたとしても、それに伴うロアステアリングシャフト240の回転がアッパーステアリングシャフト230に伝達され難くなり、ステアリングホイル210の回転を惹起することがなくなるのである。
補足すると、VGRSアクチュエータ300は、VGRSモータが言わば宙に浮いた形となっており、VGRSアクチュエータ500のみでこの種の操舵を実現しようとすると、操舵輪が転舵する代わりに、ステアリングホイル210が逆方向へ操舵されてしまう。従って、操舵輪に対する操舵力の付与を、VGRSアクチュエータ500により賄うことには実践上の困難が伴い得る。即ち、EPSアクチュエータ300とVGRSアクチュエータ500とを協調的に制御することにより、この種の操舵が好適に実現されるのである。
一方、車両10には、操舵角センサ11、操舵トルクセンサ12、車速センサ13、ヨーレートセンサ14、方向指示灯15及びウィンカレバー16が備わっている。
操舵角センサ11は、アッパーステアリングシャフト230の回転量を表す操舵角MAを検出可能に構成されたセンサである。操舵角センサ11は、ECU100と電気的に接続されており、検出された操舵角MAは、ECU100により一定又は不定の周期で参照される構成となっている。
操舵トルクセンサ12は、ドライバからステアリングホイル11を介して与えられる操舵トルクMTを検出可能に構成されたセンサである。より具体的に説明すると、アッパーステアリングシャフト230は、上流部と下流部とに分割されており、図示せぬトーションバーにより相互に連結された構成を有している。係るトーションバーの上流側及び下流側の両端部には、回転位相差検出用のリングが固定されている。このトーションバーは、車両10のドライバがステアリングホイル210を操作した際にアッパーステアリングシャフト230の上流部を介して伝達される操舵トルクに応じてその回転方向に捩れる構成となっており、係る捩れを生じさせつつ下流部に操舵トルクを伝達可能に構成されている。従って、操舵トルクの伝達に際して、先に述べた回転位相差検出用のリング相互間には回転位相差が発生する。操舵トルクセンサ12は、係る回転位相差を検出すると共に、係る回転位相差を操舵トルクに換算して操舵トルクMTに対応する電気信号として出力可能に構成されている。また、操舵トルクセンサ12は、ECU100と電気的に接続されており、検出された操舵トルクMTは、ECU100により一定又は不定の周期で参照される構成となっている。
車速センサ13は、車両10の速度たる車速Vを検出可能に構成されたセンサである。車速センサ13は、ECU100と電気的に接続されており、検出された車速Vは、ECU100により一定又は不定の周期で参照される構成となっている。
ヨーレートセンサ14は、車両10のヨー方向の速度たるヨーレートγを検出可能に構成されたセンサである。ヨーレートセンサ14は、ECU100と電気的に接続されており、検出されたヨーレートγは、ECU100により一定又は不定の周期で参照される構成となっている。
方向指示灯15は、車両10の前部、後部、ドアミラー部及び運転席前方のメータフード内に夫々左右一対に設けられた、車両10の進行方向を周囲に告知するための方向指示用インジケータである。方向指示灯15は、図示せぬバッテリに電気的に接続された点灯駆動部に連結されており、係る点灯駆動部からの電力供給により、然るべき時間間隔で点滅点灯する構成となっている。
ウィンカレバー16は、ステアリングコラム220の左側部に、上下方向へ回動可能に固定された操作手段である。このウィンカレバー16は、ステアリングホイル210を正面に見て上方が右方向に、下方が左方向に夫々対応しており(尚、車両によっては、ウィンカレバー16がステアリングコラム220の右側部に設置され、上方及び下方が夫々左方向及び右方向に対応していてもよい)、一の回動方向にロック位置まで操作された場合に回動方向に対応する方向指示灯15が点滅点灯されるように、方向指示灯15とその動作が連携する構成となっている。また、ウィンカレバー16がロック位置から中立位置に復帰すると、それに伴って方向指示灯15の点滅点灯もまた終了する構成となっている。
一方、ロック位置まで操作されたウィンカレバー16は、ステアリングコラム220内に設置されたロック機構により当該ロック位置で物理的にロックされる構成となっている。ウィンカレバー16のロックは、ドライバによりウィンカレバー16が強制的に中立位置へ戻されるか、又は後述するウィンカオフ制御に係るウィンカオフ処理が実行された場合に解除される。
尚、先に述べた方向指示灯15の点灯駆動部と、このロック機構とは、ECU100と電気的に接続されており、各々ECU100により駆動制御される構成となっている。ウィンカレバー16(ロック機構も含む)と方向指示灯15(点灯駆動部も含む)とは、所謂ウィンカ装置を構成する、本発明に係る「方向指示装置」の一例となっている。これ以降、これらの総称する場合には、適宜「方向指示器」なる言葉を使用することとする。
参考形態の動作>
参考形態に係る車両10は、先に述べたように、操舵機構200、EPSアクチュエータ300及びVGRSアクチュエータ500の作用により、操舵角MAによらず舵角δstを自由に制御することができる。このため、ロック機構に係るロック解除及びそれに伴うウィンカレバー16の中立位置への復帰並びに方向指示灯15の点滅点灯の終了を含む、方向指示装置の方向指示動作の終了タイミングが、操舵角MAに応じて一義的に決定されていると、車両10がドライバの意思を反映した挙動変化を行ったにもかかわらず方向指示動作が終了しない、或いは車両10が未だドライバの意思を反映した挙動変化を開始していない又は行っている途中であるにもかかわらず方向指示動作が終了するといった事態が生じ、ドライバビリティの低下を招く。そこで、本参考形態において、ECU100は、以下に説明するウィンカオフ制御により、方向指示器の方向指示動作を終了する構成となっている。
ここで、図2を参照し、ウィンカオフ制御の詳細について説明することとする。ここに、図2は、ウィンカオフ制御のフローチャートである。
図2において、ECU100は、ウィンカレバー16が上記ロック位置まで操作されているか否か(即ち、ウィンカレバー16がロックされているか否か)を判別する(ステップS101)。ウィンカレバー16がロックされていない場合、ECU100は、処理をステップS105に進める。尚、ウィンカレバー16がロックされているか否かは、図1において不図示のロックスイッチの動作状態により判別される。ロックスイッチは、上記ロック機構の動作スイッチであり、ウィンカレバー16がロック位置まで操作されると自動的に投入され、その旨を示す電気信号がECU100に供給される構成となっている。この電気信号を受け取ったECU100は、方向指示灯15の点灯駆動部を制御して、該当する方向の方向指示灯を点滅点灯させるのである。
ウィンカレバー16がロックされている場合(ステップS101:YES)、ECU100は、下記(1)式に従って、実舵相当角δを演算する(ステップS102)尚、演算される実舵相当角δは、過去複数回にわたってRAMにストアされる。
δ=n*L*((1+KH)*V)*γ/V・・・(1)
ここで、nはステアリングギア比、Lはホイールベース、KHはスタビリティファクタ、γはヨーレート、Vは車速である。ステアリングギア比nは、VGRSアクチュエータ500の制御量としてECU100が把握しており、ホイールベースL及びスタビリティファクタKHは、予めROMに格納された固定値である。また、ヨーレートγ及び車速Vは、夫々ヨーレートセンサ14及び車速センサ13から取得される。
ここで、実舵相当角δは、方向指示器の操作に対応する車両10の挙動変化の進捗状態を定量的に表し得る、本発明に係る「実舵相当値」の一例である。実舵相当角δは、操舵角MAによらず、車両10における、右左折、車線変更、追い越し、旋回又は回頭動作等、ヨー応答を伴う、方向指示動作に対応する挙動変化がどの程度進捗しているかを表し得るように構築された値である。
実舵相当角δを演算すると、ECU100は、実舵相当角δの前回値たるδ(i−1)と、今回演算された実舵相当角δの今回値δとを参照し、下記(2)及び(3)式に示す関係が成立するか否かを判別する(ステップS103)。
δ(i−1)>δth・・・(2)
δ(i)<δth・・・(3)
ここで、δthは、実舵相当角δの閾値である。即ち、上記(2)及び(3)は、実舵相当角δが閾値δthを減少側へ超えたか否かを判別する判別式である。この閾値δthは、実舵相当角δ自体が車両10の挙動変化に対応付けられているため、予め実験的に決定された適合値であってよい。
ECU100は、実舵相当角δが上記判別式を満たさない場合(ステップS103:NO)、処理をステップS101へ戻す。ステップS101に処理が戻された時点で、ウィンカレバー16の操作が継続されていれば、実舵相当角δの演算(ステップS102)及び閾値との比較(ステップS103)が行われる。
一方、実舵相当角δが閾値δthを減少側に切った場合(ステップS103:YES)、即ち、方向指示動作に伴う車両10の挙動変化が閾値δthによって規定されるレベルまで収束した場合、或いは、ドライバがウィンカレバー16を強制操作する等してウィンカレバー16の操作が終了している場合(ステップS101:NO)、ECU100は、ウィンカオフ処理を実行する(ステップS104)。尚、ウィンカオフ処理とは、ウィンカレバー16をロックするロック機構を制御することによるウィンカレバー16のロック解除と、それに伴う方向指示灯15の点滅点灯の終了を指す。尚、既にウィンカオフ処理が実行済みであれば、ステップS104は実質的にスキップされる。ウィンカオフ処理が実行されると、処理はステップS101に戻される。
このように、本参考形態に係るウィンカオフ制御によれば、ウィンカレバー16が操作された場合に、方向指示器の方向指示動作は、操舵角MAではなく実舵相当角δに基づいた終了タイミングで終了する。このため、操舵角MAに対する実舵角δstの変化が如何なる特性を有するように設定されていたところで、車両10の挙動が一定の収束状態となった場合に的確に方向指示動作を終了させることができる。
<第実施形態>
<実施形態の構成>
次に、図3を参照し、上記参考形態を踏まえた上で、本発明の第実施形態に係る車両20の構成について説明する。ここに、図3は、車両20の構成を概念的に表してなる概略構成図である。尚、同図において、図1と重複する箇所には同一の符合を付してその説明を適宜省略することとする。
図3において、車両20は、車載カメラ17を備える点において、参考形態に係る車両10と相違する構成となっている。
車載カメラ17は、車両20のフロントノーズ或いはフロントバンパ等に設置され、車両20の前方における所定領域を撮像可能に構成された撮像装置である。車載カメラ17は、ECU100と電気的に接続されており、撮像された前方領域は、画像データとしてECU100に一定又は不定の周期で送出される構成となっている。ECU100は、この画像データを解析し、後述するLKA制御に必要な各種データを取得することが可能である。
<実施形態の動作>
<LKA制御の詳細>
実施形態に係る車両20では、車両の走行支援制御の一つとして、LKA制御が実行される。尚、LKA制御は、車両20を目標走行路(レーン)に追従させる制御であり、車両20が有する走行支援システムの一部を実現する制御である。LKA制御は、概ね以下の如くに遂行される。
ECU100は、予め車両20の車室内に設置されたLKA制御発動用の操作ボタンが、ドライバにより操作される等した結果として、LKAモードが選択されているか否かを判別する。LKAモードが選択されている場合、ECU100は、車載カメラ17から送出される画像データを利用して検出される、LKAの目標走行路を規定する白線(尚、白色である必要はない)に基づいて、車両20を目標走行路に追従させるに際して必要となる各種路面情報を算出する。尚、この路面情報としては、目標走行路の曲率R(即ち、半径の逆数である)、白線と車両20との横方向の偏差Y及び白線と車両20とのヨー角偏差φ等が算出される。尚、この種の目標走行路への追従制御に要する情報の算出態様は、公知の画像認識アルゴリズムを含む各種態様を適用可能であり、また発明の本質部分との相関も薄いため、ここでは触れないこととする。
これら各種路面情報が算出されると、ECU100は、車両20を目標走行路へ追従させるために必要となる目標横加速度を算出する。尚、この際、目標横加速度は、公知の各種アルゴリズム或いは演算式に従って算出されてもよいし、予めROM等の然るべき記憶手段に記憶された、上記曲率R、横方向偏差Y及びヨー角偏差φをパラメータとする目標横加速度マップ等が参照されてもよい。目標横加速度が算出されると、ECU100は、LKA目標アシストトルクを算出し、該算出されたLKA目標アシストトルクに基づいてEPSアクチュエータ300を制御することによって、このLKA目標アシストトルクに対応するアシストトルクTAを発生させる。
また、この際、車両20を目標走行路に追従させるための舵角δstの変化が、ステアリングホイル210の挙動変化(即ち、操舵角MAの変化)となって現れないようにVGRSアクチュエータ500が駆動制御される。その結果、ドライバは、ステアリングホイル210を保舵するだけでよくなり、違和感の発生が抑制された状態で、車両20は、目標走行路に追従して走行することが可能となる。尚、このようなLKA制御は、車両20を目標走行路に追従させる制御の一例に過ぎず、その実践的態様は、公知の各種の態様を採り得る趣旨である。
一方、この種の走行支援機能は、ドライバの意思を超えてなされるものではないから、ECU100は、ドライバによって操舵意思が示された場合には、遅滞なくこの種の走行支援を中止する構成となっている。LKA制御について言えば、ECU100は、ステアリングホイル210の操作、ブレーキペダルの操作、或いはウィンカレバー16の操作がなされた場合に、LKA制御を終了する。尚、LKA制御を終了させるにあたっては、その時点でEPSアクチュエータ300により供給されているアシストトルクTAが車速Vに応じて漸減される。即ち、高速側程漸減期間は長くなる。このように車速Vに応じた漸減処理がなされることによって、LKA制御の終了前後における車両挙動の不安定化が防止される構成となっているのである。
他方、このようにLKA制御が実行されている期間において、上記参考形態に係るウィンカオフ制御が適用されると、場合により下記に例示する好ましくない現象が生じ得る。
即ち、上記操舵力(アシストトルクTA)の供給を漸減させるにあたっては、当然ながら、車両20の挙動変化が生じ得る。例えば、車両20を目標走行路に維持するにあたって右転舵方向へアシストトルクTAが付与されていた場合(即ち、車両20が目標走行路に対し左側に偏向していた場合)、ウィンカレバー16の操作に伴ってアシストトルクTAが漸減する過程で、車両20には、左転舵方向への挙動変化が生じることになる。この挙動変化は、上述の実舵相当角δに対応しており、場合によっては、この実舵相当角δがステップS103に係る終了条件を満たすことによって、ウィンカオフ処理が実行されてしまう。即ち、この場合、ウィンカオフ処理は、ドライバの意思に反するものであり、ウィンカレバー16の操作→LKA終了→ウィンカオフ処理→再度ウィンカレバー16の操作なる無駄な処理の流れを惹起してしまのである。
<ウィンカオフ制御の詳細>
実施形態に係るウィンカオフ制御では、このような問題が好適に解決される。ここで、図4を参照し、第実施形態に係るウィンカオフ制御の詳細について説明する。ここに、図4は、第実施形態に係るウィンカオフ制御のフローチャートである。尚、同図において、図2と重複する箇所には同一の符合を付してその説明を適宜省略することとする。
図4において、ウィンカレバー16が操作されている場合(ステップS101:YES)、ECU100は、LKA制御が実行されているか否かを判別する(ステップS201)。LKA制御が実行されていない場合には(ステップS201:NO)、第1実施形態と同様に実舵相当角δに基づいて方向指示器の方向指示動作が終了される。一方、LKA制御が実行されている場合(ステップS201:YES)、ECU100は、遅延処理を実行する(ステップS202)。
遅延処理では、先ず、遅延タイマ値Tthが取得される。遅延タイマ値Tthが取得されると、ECU100は、この遅延タイマ値Tthに相当する時間が経過するまで一時的に処理を待機させる。遅延タイマ値Tthに相当する時間が経過すると、ECU100は、処理をステップS102に進め、参考形態と同様に方向指示器の方向指示動作を終了させる。
ここで、図5を参照し、遅延タイマ値Tthについて説明する。ここに、図5は、遅延タイマ値Tthと車速Vとの関係を例示する概略特性図である。
図5に示すように、遅延タイマ値Tthは、車速Vに対する増加関数である。上述したように、LKA制御を終了させるにあたってのアシストトルクTAの漸減処理に係る漸減時間は、車速Vに応じて増加する。従って、遅延タイマ値Tthは、遅延タイマ値Tthに相当する時間経過を経た時点で、アシストトルクTAの漸減による実舵相当角δが十分に低下しているように、車速Vに応じて設定されているのである。
以上説明したように、第実施形態に係るウィンカオフ制御によれば、LKA制御中にウィンカバー16が操作された場合には、ウィンカバー16の操作によりLKAが終了されるにあたって生じ得る車両20の挙動変化によって方向指示器の方向指示動作に係る終了条件が満たされないように、実舵相当角δを十分に低下させ得るだけの遅延タイマ値Tthが設定され、実舵相当角δに基づいた方向指示動作の終了制御に係るプロセスがディレイ処理される。このため、誤ったタイミングでウィンカオフ処理が実行されることによる、ドライバによるウィンカバー16の再操作が生じなくなり、ドライバに与える違和感が好適に低減されるのである。
<第実施形態>
参考形態及び実施形態では、EPSアクチュエータ300及びVGRSアクチュエータ500の協調制御により、操舵角MAに依存しない車両応答が実現されたが、このような操舵角MAに依存しない車両応答は、この種の操舵機構に限らず実現可能である。ここで、図6を参照し、本発明の第実施形態に係る車両30の構成について説明する。ここに、図6は、車両30の構成を概念的に表してなる概略構成図である。尚、同図において、図3と重複する箇所には同一の符合を付してその説明を適宜省略することとする。
図3において、車両30は、操舵機構700、SBWアクチュエータ800及びSBW駆動装置900を備える。
操舵機構700はステアリングシャフト710、反力装置720及び操舵軸730を備える伝達機構である。
ステアリングシャフト710は、一端部がステアリングホイル210に連結され、ステアリングホイル210の回転に連動して回転可能に構成された軸体である。ステアリングシャフト710の他端部は、反力装置720に連結されている。
反力装置720は、ステアリングホイル210に加えられる操舵トルクに対する反力トルクを生成する装置である。反力装置720からの反力トルクにより、ステアリングホイル210を操作するドライバは、常に適切な操舵感を得ることが可能となっている。
操舵軸730は、第1及び第2実施形態に係るラックバー260と同様に、両端部にタイロッド及びナックルを介して操舵輪が連結されたシャフトである。
SBWアクチュエータ800は、不図示のSBWモータの回転力を、該SBWモータの回転軸と所定のギアを介して噛合する軸体の直線運動に変換可能な公知の直動型アクチュエータである。この軸体は、上記操舵軸730に連結されており、SBWアクチュエータ800においてSBWモータを回転させると、操舵輪に操舵力が付与される構成となっている。
SBW駆動装置900は、SBWモータのステータに対し通電可能に構成された、PWM回路、トランジスタ回路及びインバータ等を含む電気駆動回路であり、SBWアクチュエータ800を駆動することによりSBWアクチュエータ800と共に電気的舵角可変機構として機能する。SBW駆動装置900は、図示せぬバッテリと電気的に接続されており、当該バッテリから供給される電力によりSBWモータに駆動電圧を供給することが可能に構成されている。また、SBW駆動装置900は、ECU100と電気的に接続されており、その動作はECU100により制御される構成となっている。
このように、第実施形態に係る車両30では、ドライバの操舵入力系と、操舵輪の駆動系とが分離されており、操舵機構700、SBWアクチュエータ800及びSBW駆動装置900により、ステア・バイ・ワイヤと称される電気的舵角可変機能が実現される。従って、元より操舵角MAと実舵角δstとの関係は、参考形態及び第実施形態よりも自由となり得、本発明に係るウィンカオフ制御が、より広範な運転条件にわたって有益に機能し得る。
本発明は、上述した実施例に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う車両の操舵支援装置もまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。
例えば、ある車速でドライバがある操舵角を発生させた場合には、操舵フィールや車両挙動特性として、この程度のヨーレートと横加速度を達成するのが望ましい或いは最適である等といった理論、経験、実験結果或いはシミュレーション結果等に基づき、操舵輪に補助舵角が付与されるアクティブステアリングシステムにも適応可能である。
本発明は、操舵角と実舵角との関係が可変である車両の操舵制御に利用可能である。
FL、FR…操舵輪、10…車両、11…操舵角センサ、12…操舵トルクセンサ、13…車速センサ、14…ヨーレートセンサ、15…方向指示灯、16…ウィンカレバー、17…車載カメラ(第実施形態)、20…車両(第実施形態)、30…車両(第実施形態)、100…ECU、200…操舵機構、210…ステアリングホイル、220…ステアリングコラム、230…アッパーステアリングシャフト、240…ロアステアリングシャフト、250…ピニオンギア、260…ラックバー、300…EPSアクチュエータ、400…EPS駆動装置、500…VGRSアクチュエータ、600…VGRS駆動装置、700…操舵機構(第実施形態)、710…ステアリングシャフト、720…反力装置、800…SBWアクチュエータ(第実施形態)、900…SBW駆動装置(第実施形態)。

Claims (4)

  1. 操舵角と実舵角との関係を変化させることが可能な操舵機構と、車線維持要求に応じて前記操舵機構を介して所定の車線維持制御を実行すると共に、ドライバの操舵意思を表す所定の操舵入力に応じて該車線維持制御を終了する車線維持装置とを備えた車両の制御装置であって、
    前記車両のヨー応答を規定する所定の実舵相当値を取得する取得手段と、
    方向指示器が操作された場合に、前記取得された実舵相当値に応じて方向指示動作が終了するように前記方向指示器を制御する制御手段と
    を具備し、
    前記制御手段は、前記車線維持制御の実行中において前記操舵入力として前記方向指示器が操作された場合に、前記車線維持制御の終了時点から所定の遅延時間経過した後に、前記取得された実舵相当値に応じて前記方向指示動作を終了させる
    ことを特徴とする車両の制御装置。
  2. 前記取得手段は、前記車両のヨーレート又は目標ヨーレートに基づいて前記実舵相当値を取得する
    ことを特徴とする請求項1に記載の車両の制御装置。
  3. 前記制御手段は、前記取得された実舵相当値の今回値が基準値未満であり且つ前記取得された実舵相当値の前回値が該基準値以上である場合に、前記方向指示動作を終了させる
    ことを特徴とする請求項1に記載の車両の制御装置。
  4. 前記車両の速度に応じて前記遅延時間を設定する設定手段を更に具備する
    ことを特徴とする請求項1に記載の車両の制御装置。
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