JP5104062B2 - 燃料電池およびそのガスシール方法 - Google Patents

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Description

本発明は、燃料電池およびそのガスシール方法に関する。さらに詳述すると、本発明は、燃料電池の内部構造の改良に関する。
一般に、燃料電池(例えば固体高分子型燃料電池)は電解質膜およびその両面に配した一対の電極からなる接合体(例えばMEA)と、該接合体を挟持する一対のセパレータとで構成されている。また、このようなセルが複数積層されていわゆる燃料電池スタックが形成されている。
従来、このような燃料電池において、接合体とセパレータとの間やセパレータとセパレータとの間には、ガス漏洩を抑えるべくガスケット等のシール部材が設けられている。例示すれば、各セパレータのエッジ部を覆うようにシール部材を設けてガスをシールするようにした技術等が開示されている(例えば特許文献1参照)。
特開2004−213930号公報
しかしながら、上述のごとくシール部材によってシールした構造であっても、電極に隙間があると、ガスが本来通過すべき電極の反応部分を通過せずに流れやすい隙間に流れてしまうことがある。そうすると、反応ガス(酸化ガス、燃料ガス)の一部が発電反応に使われず、燃料電池としての性能が十分でなくなるおそれがある。しかも、電極における隙間は狭小であったりばらつきが大きかったりするため、既存のシール部材では十分にシールしきれないこともある。
そこで、本発明は、燃料電池の電極におけるシールをより容易かつ確実なものとしてシール性能の向上を図りうる燃料電池およびそのガスシール方法を提供することを目的とする。
上述のように、既存のシール部材では十分なシール性能が確保できないことがある。このことについて鋭意検討した本発明者は以下のごとき知見を得た。すなわち、例えば電極(多孔体、拡散層)の脇(つまりは縁の部分)もガスが通過することから当該部分もシールされている必要があるが、かかる脇の部分に隙間が生じていると、本来ならばこれら多孔体や拡散層を通って発電反応に使われるはずのガスの一部が流れやすい隙間に流出してしまうことがある(いわば脇流れ、バイパス)。
その一方で、電極を構成する例えば多孔体や拡散層の端の部分は完全には揃っていないため段差があり、これが極小の隙間を生じさせている場合がある。しかも、隙間のサイズにはばらつきがあることから、例えばOリングといった既存のシール部材ではこれら隙間を埋めることが難しい。
さらに、セパレータでシール部材を挟む場合、多孔体や拡散層、触媒層、電解質膜とセパレータとの間にシール部材が介在することになるが、当該シール部材の入り込んだ量を一般には目視できないことから、集電面積や面圧などを管理することが難しいという問題もある。また、場合によってはシールできたか否かの確認すらも難しいことがある。
これらのことに着目してさらに検討を重ねた本発明者は、かかる課題の解決に結び付く新たな知見を得るに至った。本発明はかかる知見に基づくもので、電解質膜と、該電解質膜の外側に設けられた多孔質の支持層と、該支持層のさらに外側に設けられて燃料電池セルの間を仕切るセパレータと、を有する燃料電池において、支持層の縁部がセパレータの縁から食み出しているとともに、該セパレータから食み出した支持層の縁部が外側からシールされていることを特徴としている。
また、本発明にかかる燃料電池のガスシール方法は、電解質膜と、該電解質膜の外側に設けられた多孔質の支持層と、該支持層のさらに外側に設けられて燃料電池セルの間を仕切るセパレータと、を有する燃料電池に対し、支持層の縁部をセパレータの縁から食み出させるとともに、該セパレータから食み出した支持層の縁部を外側からシールするというものである。
このように、本発明においては、支持層の一部(縁部)がセパレータから食み出した状態の燃料電池を構成することとしている。こうした場合、シール部材によってシールすべき部分、とくに支持層の縁の部分がいわば剥き出し状態となり見やすい状態(可視化状態)となるため、シールする作業がより容易なものとなる。
また、かかる発明においては、支持層が、セパレータよりも大きく形成された多孔体と、該多孔体よりも大きく形成された拡散層とを含むものであってもよい。この場合、電解質膜、拡散層および多孔体のそれぞれの縁部が階段状に形成されていることが好ましい。また、かかる多孔体および拡散層のうち、少なくともセパレータの縁から食み出している部分がシール部材によって覆われていることがさらに好ましい。
支持層が多孔体と拡散層とを含む場合に、各部材のサイズ(大きさ)が「セパレータ<多孔体<拡散層」の順で大きくなるようにし、セパレータの端から多孔体や拡散層を食み出させることによりシールがより行いやすい状態となる。つまり、このような構造の場合、シールすべき部分である多孔体、拡散層が剥き出しの可視状態で階段状に並ぶため、シール作業が極めて容易である。しかも、このように剥き出し状態となった部分を外側からシールすれば部材間の狭小な隙間をシール部材で埋めることができるからシール性能をさらに向上させることが可能である。
本発明によれば、燃料電池の電極におけるシールがより容易かつ確実なものとなり、シール性能を向上させることが可能となる。
以下、本発明の構成を図面に示す実施の形態の一例に基づいて詳細に説明する。
図1〜図5に本発明の実施形態を示す。本発明にかかる燃料電池1は、電解質膜31と、該電解質膜31の外側に設けられた触媒層32A,33Aおよび多孔質の支持層32B,33Bと、該支持層32B,33Bのさらに外側に設けられて燃料電池セル2の間を仕切るセパレータ20(20a,20b)と、を有するものである。さらに本実施形態における燃料電池1は、支持層32B,33Bの縁部がセパレータ20の縁から食み出しているとともに、該セパレータ20から食み出した支持層32B,33Bの縁部が外側からシールされたものとなっている。
以下に説明する実施形態においては、まず、燃料電池1を構成するセル(発電セル)2および複数のセル2が積層されてなる燃料電池スタックの概略構成について説明し、その後、支持層32B,33Bの縁部を外側からシールするための構造について説明することとする。
図1に本実施形態における燃料電池1のセル2の概略構成を示す。図示するように構成されるセル2は、順次積層されてセル積層体3を構成している(図2参照)。また、このセル積層体3等で構成される燃料電池スタックは、例えばスタック両端を一対のエンドプレート7で挟まれ、さらにこれらエンドプレート7どうしを繋ぐようにテンションプレート8からなる拘束部材が配置された状態で積層方向への荷重がかけられて締結されている(図2参照)。
なお、このような燃料電池スタック等で構成される燃料電池1は、例えば燃料電池車両(FCHV;Fuel Cell Hybrid Vehicle)の車載発電システムにおいて利用可能なものであるがこれに限られることはなく、各種移動体(例えば船舶や飛行機など)やロボットなどといった自走可能なものに搭載される発電システム、さらには定置の発電システムにおいても利用することが可能である。
セル2に含まれる電解質としては、膜−電極接合体(MEA;Membrane Electrode Assembly)あるいは膜−電極−拡散層接合体(MEGA:Membrane Electrode & Gas Diffusion Layer Assembly)を用いることができる。例えば本実施形態では、膜−電極−拡散層接合体(以下、MEGAともいう)30を用いている(図1等参照)。
セル2は、MEGA30、該MEGA30を挟持する一対のセパレータ20(図1等においてはそれぞれ符号20a,20bで示している)等で構成されている(図1参照)。MEGA30および各セパレータ20a,20bはおよそ矩形の板状に形成されている。また、MEGA30はその外形が各セパレータ20a,20bの外形よりも小さくなるように形成されている。
MEGA30は、高分子材料のイオン交換膜からなる高分子電解質膜(以下、単に電解質膜ともいう)31と、電解質膜31を両面から挟んだ一対の電極(アノード側拡散電極およびカソード側拡散電極)32,33とで構成されている(図1参照)。電解質膜31は、各電極32,33よりも大きく形成されている。この電解質膜31には、その周縁部34を残した状態で各電極32,33が例えばホットプレス法により接合されている。
MEGA30を構成する電極32,33は、その表面に付着された白金などの触媒を担持した例えば多孔質のカーボン素材(拡散層32b,33b)で構成されている。一方の電極(アノード)32には燃料ガス(反応ガス)としての水素ガス、他方の電極(カソード)33には空気や酸化剤などの酸化ガス(反応ガス)が供給され、これら2種類の反応ガスによりMEGA30内で電気化学反応が生じてセル2の起電力が得られるようになっている。
セパレータ20(20a,20b)はガス不透過性の導電性材料で構成されている。導電性材料としては、例えばカーボンや導電性を有する硬質樹脂のほか、アルミニウムやステンレス等の金属(メタル)が挙げられる。本実施形態のセパレータ20(20a,20b)の基材は板状のメタルで形成されているものであり(メタルセパレータ)、この基材の電極32,33側の面には耐食性に優れた膜(例えば金メッキで形成された皮膜)が形成されている。
また、セパレータ20a,20bの両面には、複数の凹部によって構成される溝状の流路が形成されている。これら流路は、例えば板状のメタルによって基材が形成されている本実施形態のセパレータ20a,20bの場合であればプレス成形によって形成することができる。このようにして形成される溝状の流路は、酸化ガスのガス流路35や水素ガスのガス流路36、あるいは冷却水流路37を構成している。より具体的に説明すると、セパレータ20aの電極32側となる内側の面には水素ガスのガス流路36が形成され、その裏面(外側の面)には冷却水流路37が形成されている(図1参照)。同様に、セパレータ20bの電極33側となる内側の面には酸化ガスのガス流路35が形成され、その裏面(外側の面)には冷却水流路37が形成されている(図1参照)。例えば本実施形態の場合、隣接する2つのセル2,2に関し、一方のセル2のセパレータ20aの外面と、これに隣接するセル2のセパレータ20bの外面とを付き合わせた場合に両者の冷却水流路37が一体となり断面が例えば矩形あるいはハニカム形の流路が形成される構造となっている。
さらに、上述したように各セパレータ20a,20bは、少なくとも流体の流路をなすための凹凸形状が表面と裏面とで反転した関係になっている。より具体的に説明すると、セパレータ20aにおいては、水素ガスのガス流路36を形成する凸形状(凸リブ)の裏面が冷却水流路37を形成する凹形状(凹溝)であり、ガス流路36を形成する凹形状(凹溝)の裏面が冷却水流路37を形成する凸形状(凸リブ)である。さらに、セパレータ20bにおいては、酸化ガスのガス流路35を形成する凸形状(凸リブ)の裏面が冷却水流路37を形成する凹形状(凹溝)であり、ガス流路35を形成する凹形状(凹溝)の裏面が冷却水流路37を形成する凸形状(凸リブ)である。
また、セパレータ20a,20bの長手方向の端部付近(本実施形態の場合であれば、図1中向かって左側に示す一端部の近傍)には、酸化ガスの入口側のマニホールド15a、水素ガスの出口側のマニホールド16b、および冷却水の入口側のマニホールド17aが形成されている。例えば本実施形態の場合、これらマニホールド15a,16b,17aは各セパレータ20a,20bに設けられた略矩形ないしは台形、あるいは両端が半円形状の長細矩形の透孔によって形成されている(図1等参照)。さらに、セパレータ20a,20bのうち反対側の端部には、酸化ガスの出口側のマニホールド15b、水素ガスの入口側のマニホールド16a、および冷却水の出口側のマニホールド17bが形成されている。本実施形態の場合、これらマニホールド15b,16a,17bも略矩形ないしは台形、あるいは両端が半円形状の長細矩形の透孔によって形成されている(図1参照)。
上述のような各マニホールドのうち、セパレータ20aにおける水素ガス用の入口側マニホールド16aと出口側マニホールド16bは、セパレータ20aに形成されている入口側の連絡通路61および出口側の連絡通路62を介してそれぞれが水素ガスのガス流路36に連通している。同様に、セパレータ20bにおける酸化ガス用の入口側マニホールド15aと出口側マニホールド15bは、セパレータ20bに形成されている入口側の連絡通路63および出口側の連絡通路64を介してそれぞれが酸化ガスのガス流路35に連通している(図1参照)。さらに、各セパレータ20a,20bにおける冷却水の入口側マニホールド17aと出口側マニホールド17bは、各セパレータ20a,20bに形成されている入口側の連絡通路65および出口側の連絡通路66を介してそれぞれが冷却水流路37に連通している。ここまで説明したような各セパレータ20a,20bの構成により、セル2には、酸化ガス、水素ガスおよび冷却水が供給されるようになっている。ここで具体例を挙げておくと、セル2が積層された場合、例えば水素ガスは、セパレータ20aの入口側マニホールド16aから連絡通路61を通り抜けてガス流路36に流入し、MEGA30の発電に供された後、連絡通路62を通り抜けて出口側マニホールド16bに流出することになる。
なお、本実施形態においては、冷却水の入口側マニホールド17aと出口側マニホールド17bとをそれぞれセパレータ20の冷却水流れ方向両側の一方寄りおよび他方寄りに配置している(図1参照)。すなわち、本実施形態においては冷却水の入口側マニホールド17aと出口側マニホールド17bをセパレータ20の対角線上に配置することとし、これによってセパレータ20に対し冷却水が全面的に行き渡りやすくなるようにしている。
第1シール部材13a、第2シール部材13bは必要に応じて設けられる(図1参照)。セパレータ20a,20b間に設けられる場合、これら第1シール部材13a、第2シール部材13bは、例えば、ともに複数の部材(例えば独立した小型の4つの矩形枠体と、流体流路を形成するための大きな枠体)で形成される(図1参照)。これらのうち、第1シール部材13aはMEGA30とセパレータ20aとの間に設けられるもので、より詳細には、その一部が、電解質膜31の周縁部34と、セパレータ20aのうちガス流路36の周囲の部分との間に介在するように設けられる。また、第2シール部材13bは、MEGA30とセパレータ20bとの間に設けられるもので、より詳細には、その一部が、電解質膜31の周縁部34と、セパレータ20bのうちガス流路35の周囲の部分との間に介在するように設けられる。
さらに、隣接するセル2,2のセパレータ20bとセパレータ20aとの間には、複数の部材(例えば独立した小型の4つの矩形枠体と、流体流路を形成するための大きな枠体)で形成された第3シール部材13cが設けられている(図1参照)。この第3シール部材13cは、セパレータ20bにおける冷却水流路37の周囲の部分と、セパレータ20aにおける冷却水流路37の周囲の部分との間に介在するように設けられてこれらの間をシールする部材である。
なお、第1〜第3シール部材13a〜13cとしては、隣接する部材との物理的な密着により流体を封止する弾性体(ガスケット)や、隣接する部材との化学的な結合により接着する接着剤などを用いることができる。例えば本実施形態では各シール部材13a〜13cとして弾性によって物理的にシールする部材を採用しているが、この代わりに上述した接着剤のような化学結合によってシールする部材を採用することもできる。
枠状部材40は、MEGA30とともにセパレータ20a,20b間に挟持される例えば樹脂からなる部材(以下、樹脂フレームともいう)である。例えば本実施形態では、薄い枠形状の樹脂フレーム40をセパレータ20a,20b間に介在させ、当該樹脂フレーム40によってMEGA30の少なくとも一部、例えば周縁部34に沿った部分を表側と裏側から挟持するようにしている。このように設けられる樹脂フレーム40は、締結力を支持するセパレータ20(20a,20b)間のスペーサとしての機能、絶縁部材としての機能、セパレータ20(20a,20b)の剛性を補強する補強部材としての機能を発揮する。
続いて、燃料電池1の構成について簡単に説明する(図2参照)。本実施形態における燃料電池1は、複数のセル2を積層してなるセル積層体3を備え、当該セル積層体3の両端に位置するセル(端セル)2,2の外側に順次、断熱セル4、出力端子5a付のターミナルプレート5、インシュレータ(絶縁プレート)6およびエンドプレート7をさらに備えた構成となっている。セル積層体3に対しては、両エンドプレート7をつなぐように架け渡されたテンションプレート8によって積層方向への所定の圧縮力が加えられている。さらに、セル積層体3の一端側のエンドプレート7とインシュレータ6との間にはプレッシャプレート9とばね機構9aとが設けられており、セル2に作用する荷重の変動が吸収されるようになっている。
断熱セル4は例えば2枚のセパレータとシール部材とで断熱層が形成されているもので、発電に伴い生じる熱が大気等に放熱されるのを抑える役割を果たす。すなわち、一般に、セル積層体3の端部は大気との熱交換により温度が低くなりやすいことから、当該セル積層体3の端部に断熱層を形成することによって熱交換(放熱)を抑えることが行われている。このような断熱層としては、例えば、セル2におけるものと同様の一対のセパレータに、膜−電極アッセンブリの代わりとして導電板などの断熱部材10を挟み込んだ構成のものがある。この場合に用いられる断熱部材10は断熱性に優れるほど好適であり、具体的には例えば導電性多孔質シートなどが用いられる。また、このような断熱部材10の周囲をシール部材で封止することによって空気層が形成される。
ターミナルプレート5は集電板として機能する部材であり、例えば鉄、ステンレス、銅、アルミニウム等の金属で板状に形成されている。ターミナルプレート5のうち断熱セル4側の表面には、めっき処理等の表面処理が施されており、かかる表面処理により断熱セル4との接触抵抗が確保されている。めっきとしては、金、銀、アルミ、ニッケル、亜鉛、すず等を挙げることができ、例えば本実施形態では導電性、加工性および低廉性を勘案してすずめっき処理を施している。
インシュレータ6は、ターミナルプレート5とエンドプレート7等とを電気的に絶縁する機能を果たす部材である。このような機能を果たすため、かかるインシュレータ6は例えばポリカーボネートなどの樹脂材料により板状に形成されている。
エンドプレート7は、ターミナルプレート5と同様、各種金属(鉄、ステンレス、銅、アルミニウム等)で板状に形成されている。例えば本実施形態では銅を用いてこのエンドプレート7を形成しているがこれは一例に過ぎず、他の金属で形成されていても構わない。
テンションプレート8は両エンドプレート7,7間を架け渡すようにして設けられているもので、例えば一対がセル積層体3の両側に対向するように配置される(図2参照)。テンションプレート8は、各エンドプレート7,7にボルト等で固定され、単セル2の積層方向に所定の締結力(圧縮力)を作用させた状態を維持する。このテンションプレート8の内側面(セル積層体3を向く面)には漏電やスパークが生じるのを防止すべく絶縁膜が形成されている。絶縁膜は、具体的には例えば当該テンションプレート8の内側面に貼り付けられた絶縁テープ、あるいは当該面を覆うように塗布された樹脂コーティングなどによって形成されている。
続いて、燃料電池1の支持層32B,33Bの縁部またはその近傍におけるシール構造について説明する(図3等参照)。
本実施形態では、燃料電池1の電極32,33におけるシールをより容易かつ確実とし、さらにシール性能を向上させるべく、支持層32B,33Bの縁部を外側からシールする構造としている(図3等参照)。より具体的には、支持層32B,33Bの縁部をセパレータ20a,20bの縁から食み出させるとともに、該セパレータ20a,20bから食み出した支持層32B,33Bの縁部を外側からシールするようにしている。
ここで、多孔質の支持層32B,33Bについて説明しておくと以下のとおりである。すなわち、支持層32B,33Bは、電解質膜31の両面に設けられた触媒層32A,33Aのさらに外側に設けられているもので、かかる触媒層32A,33Aに対して反応ガス(酸化ガス、燃料ガス)を供給するガス供給層として機能する。これら支持層32B,33Bと触媒層32A,33Aとで燃料電池1の電極(ガス拡散電極)32,33が形成されている(図3参照)。このような多孔質の支持層32B,33Bの具体的な構成が特に限定されることはないが、例えば本実施形態においてはガス拡散層32b,33bおよび層状の多孔体32c,33cとで当該支持層32B,33Bを構成している(図3参照)。
また、本実施形態においては、各部材のサイズ(大きさ)に関し、多孔体32c,33cをセパレータ20a,20bよりも大きくし、さらにガス拡散層32b,33bをこれら多孔体32c,33cよりもさらに大きくしている。なお、電解質膜31のサイズはこれら多孔体32c,33よりも大きい。以上により、本実施形態の燃料電池1においては、電解質膜31、拡散層32b,33b、多孔体32c,33cのそれぞれの縁部が、セパレータ20a,20bの縁部に至るまでいわば剥き出しの階段状となっている(図3、図4の楕円部分参照)。
こうした場合、拡散層32b,33bおよび多孔体32c,33cおよびのうち、少なくともセパレータ20a,20bの縁から食み出して可視化した部分をシール部材(図3において符号13dで示す)によって覆いやすい。このため、シールに要する作業が極めて容易になる(図3等参照)。しかも、このように縁部が階段状になった電極32,33に対してシールを施す本実施形態の場合には、各部材間に生じうる狭小な隙間をシール部材(例えば液状ガスケット)13dで埋めることが可能または容易になるから、ガス流出をブロックしてシール性能をさらに向上させることが可能である(図5(A)、図5(B)参照)。
すなわち、従前のような構造であれば、支持層(拡散層32b,33bや多孔体32c,33c)が本実施形態のように階段状になっているわけではないからセパレータ20a,20bの間に隙間が生じていることがある(図6参照)。この場合、本来ならば拡散層32b,33bや多孔体32c,33cを通過して化学反応(つまり発電)に使われるはずの反応ガスが、より流れやすい隙間に流出してしまうことがあり、燃料電池1の発電反応部(図7中において符号Rで示す)を回避するような反応ガスのいわば脇流れが生じ(図7中の破線矢印参照)、バイパスする分だけ発電に使用されず発電性能が低下してしまう(図7参照)。
また、従前構造の場合には、シールしたい隙間がよく見えないためシール作業が難しく、尚かつシールできたかどうかの確認も困難である。しかも、電極32,33の縁部をシールしても隙間が残り、当該シール部材13dが潰れたとしても隙間に入っていかず、十分にシールしきれないおそれがある(図8参照)。加えて、このような場合にシール部材13dを無理やり内側へ挿し込むと、当該シール部材13dの一部が部材間に入り込んで集電面積(ガスの化学反応領域)に影響を及ぼしたり、当該シール部材13dの反力によって面圧(セパレータ20や各部材間の作用する圧力)に影響を及ぼしたりする可能性がある(図9参照)。
この点、ここまで説明したように、本実施形態においては支持層(拡散層32b,33bや多孔体32c,33c)をセパレータ20a,20bの外側にいわば剥き出しの状態として可視化しているため、電極32,33におけるシールをより容易かつ確実なものとしてシール性能を向上させやすい。しかも、シール部材13dを内側へと挿し込む必要もないから、集電面積(ガスの化学反応領域)や面圧(セパレータ20や各部材間の作用する圧力)に影響を及ぼすこともない(図5等参照)。さらには、拡散層32b,33bや多孔体32c,33c等のサイズを変えることのみによって実現可能であるから他の特別な装置等を必要としないという利点もある。
ちなみに、拡散層32b,33bや多孔体32c,33cの一部が触媒層32A,33Aよりも外側へと食み出した状態になっていると、食み出していない場合と比較して反応ガスの通過面積(通過領域)は増えることになる。しかし、隙間の形状等の変更に伴うガス流れの変化に比べれば、通過面積増加によるガス流れの均一さ、分布、流速等への影響は小さく、発電性能に与える影響はほとんどない。
なお、上述の実施形態は本発明の好適な実施の一例ではあるがこれに限定されるものではなく本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能である。例えば本実施形態ではMEGA(膜−電極−拡散層接合体)30が用いられている場合を例示して説明したが、これがMEA(膜−電極接合体)であっても同様の作用効果を実現しうる。
また、本実施形態では拡散層32b,33bや多孔体32c,33c等の縁部がほぼ直線状に並んだ均等な階段状の支持層32B,33Bを例示したが(図3参照)、これは好適な一例にすぎず階段の幅が必ずしも均等でなくても構わない。要は、シールが容易かつ確実となるように各部材が段差のある状態で剥き出しとなっていれば足りる。
本実施形態における燃料電池のセルの構造例を示す分解斜視図である。 燃料電池の構造例を示す側面図である。 本発明の概念を示す燃料電池のセルの部分側面図である。 燃料電池における反応ガスの流れの様子を示す概略図である。 (A)従前構造の隙間におけるシール材と、(B)本発明におけるシール材とを比較して示す概略図である。 本発明にかかる燃料電池の作用効果を比較により示すための従前構造の燃料電池の部分側面図である。 燃料電池の発電反応部をバイパスするガスの脇流れの様子を示す外略図である。 従前構造の燃料電池の部分側面図である。 従前構造の燃料電池の部分側面図である。
符号の説明
1…燃料電池、2…セル(燃料電池セル)、13d…シール部材、20(20a,20b)…セパレータ、31…高分子電解質膜(電解質膜)、32…アノード側拡散電極(電極)、32B,33B…(多孔質の)支持層、33…カソード側拡散電極(電極)、32b,33b…ガス拡散層(拡散層)、32c,33c…多孔体

Claims (5)

  1. 電解質膜と、該電解質膜の外側に設けられた多孔質の支持層と、該支持層のさらに外側に設けられて燃料電池セルの間を仕切るセパレータと、を有する燃料電池において、
    前記支持層の縁部が前記セパレータの縁から食み出しているとともに、該セパレータから食み出した前記支持層の縁部が外側からシールされていることを特徴とする燃料電池。
  2. 前記支持層が、前記セパレータよりも大きく形成された多孔体と、該多孔体よりも大きく形成された拡散層とを含むものである請求項1に記載の燃料電池。
  3. 前記電解質膜、前記拡散層および前記多孔体のそれぞれの縁部が階段状に形成されている請求項2に記載の燃料電池。
  4. 前記多孔体および前記拡散層のうち、少なくとも前記セパレータの縁から食み出している部分がシール部材によって覆われている請求項2または3に記載の燃料電池。
  5. 電解質膜と、該電解質膜の外側に設けられた多孔質の支持層と、該支持層のさらに外側に設けられて燃料電池セルの間を仕切るセパレータと、を有する燃料電池に対し、前記支持層の縁部を前記セパレータの縁から食み出させるとともに、該セパレータから食み出した前記支持層の縁部を外側からシールすることを特徴とする燃料電池のガスシール方法。
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