JP5100980B2 - 化学物質の精製方法 - Google Patents

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Description

本発明は、化学物質の精製方法に関する。さらに詳しくは、化学物質に不純物として含まれているエンドトキシンの不活化や除去を効率的かつ簡便に行うことができる化学物質の精製方法に関する。
エンドトキシンは、生体内における発熱性物質として知られており、生体に投与されると、体温が顕著に上昇したり、組織に炎症反応を生じるなどの悪影響を及ぼす。タンパク質や多糖類などの化学物質は、生体に対する安全性や生体内での分解・吸収性が良好であるため、医療用途に用いられている。しかし、その多くは、生物に由来のものであるため、高濃度でエンドトキシンを含有することがある。
従来、医薬品、医療用具およびこれらの原料となる化学物質からエンドトキシンを除去したり、不活化させる方法が検討されている。その具体的な方法として、例えば、アフィニティークロマトグラフィー、イオン交換樹脂などを用いる吸着除去法、蒸留、限外濾過、逆浸透、ゲル濾過、荷電修飾膜などを用いる分離除去法、加熱分解、酸加水分解、アルカリ加水分解、酸化などを利用する不活化法などが知られている(例えば、非特許文献1参照)。
しかしながら、吸着除去法および分離除去法は、溶液物質に対する処理が簡便であるが、ゲル濾過や限外濾過による除去の際に化学物質の分子量分布の一部がエンドトキシンの分子量と一致するため、エンドトキシンのみを選択的に除去することが困難となることがある。
また、化学物質が酸性多糖類などのアニオン性基を有する高分子化合物である場合には、その高分子化合物に含まれているエンドトキシンもアニオン性であるため、両者の吸着反応が競争的に進むことから、処理効率が極めて低くなる。
このようなことから、吸着除去法および分離除去法は、いずれも、化学物質、特に高分子化合物、なかでも特に酸性多糖類に含まれているエンドトキシンを除去するのに不十分な方法である。
一方、不活化法は、分解によってエンドトキシンを不活化させる方法であり、その不活化法には、過酸化水素や次亜塩素酸などの酸化剤で酸化処理する方法、高温の酸性溶液で処理する酸分解法、アルカリ溶液で処理するアルカリ分解法などがある。
この不活化法によれば、エンドトキシンの活性部位であるリピドAが分解されるものと思われる。しかし、この方法には、エンドトキシンを有効な量にまで不活化させるのには高濃度の処理剤を使用する必要があるため、エンドトキシンのみならず、所望の化学物質の分解も著しくなり、分子量の低下や官能基の分解などにより、化学物質本来の特性を損なうことがある。また、エンドトキシンが処理後の系から高度に除去された化学物質の精製物を簡便に取り出すことができていない。
したがって、近年、医用高分子化合物などの化学物質に不純物とて含まれているエンドトキシンを効率よく除去し、不活化させるとともに、当該化学物質の分解を抑制し、安全性に優れた精製物を簡便に取得しうる方法の開発が望まれている。
「防菌防黴」、日本防菌防黴学会、1989年、第17巻、第8号、p.381−389
本発明は、医用高分子化合物などの化学物質(粗製物)に含まれているエンドトキシンを効率よく不活化および除去することができ、さらにはその際における所望の化学物質の分解を抑制することもできる化学物質の精製方法を提供することを課題とする。
本発明は、化学物質(a)を主成分として含有し、かつエンドトキシン(b)を不純物として含有する粗製物と、化学物質(a)に対して非溶解性である液状物質(c)とを塩基性条件下に接触させることを特徴とする化学物質の精製方法であって、前記化学物質(a)がアルギン酸、ヒアルロン酸、およびそれらの塩からなる群より選ばれた少なくとも1種であり、前記液状物質(c)が炭素数1〜4のアルコールからなる群より選ばれた少なくとも1種の液状有機化合物と水を重量比(水/アルコール)が20/80〜70/30の範囲内で含有する混合液である、化学物質の精製方法に関する。
本発明の化学物質の精製方法によれば、化学物質(粗製物)に含まれているエンドトキシンを簡便にかつ効率よく除去し、不活化させることができ、さらにはその際における該化学物質の分解を抑制することができるので、安全性に優れ、医用に適した化学物質(精製物)を得ることができる。得られた化学物質(精製物)は、例えば、創傷被覆材、創傷治療材、組織再生用材料、細胞培養材料などの細胞外マトリクスなどの用途に好適に使用することができる。
本発明の精製方法によれば、所望の化学物質(a)を主成分として含有し、かつエンドトキシン(b)を不純物として含有する粗製物(以下、単に「粗製物」ということがある)と、化学物質(a)に対して非溶解性である液状物質(c)とを塩基性条件下に接触させることにより、化学物質(a)の精製物を得ることができる。
本発明で用いられる化学物質(a)としては、限定されるものではないが、高分子化合物、特に医薬品、医療用具やその原料で医用高分子化合物として用いられるものが好ましい。
一般に、高分子化合物は、その製造方法やその由来から、合成高分子化合物および天然高分子化合物に分類される。それらの中でも、天然物由来の高分子化合物には生体適合性に優れたものが種々存在することから、このように生体適合性に優れた天然物由来の高分子化合物が医用分野において広く利用されている。
一方、天然物由来の高分子化合物には、エンドトキシンが高濃度で含まれていることがあるので、本発明の精製方法は、このような天然物由来の高分子化合物に対して好適に用いることができる。
天然物由来の高分子化合物としては、例えば、タンパク質、多糖類およびこれらの複合体などの水溶性高分子化合物が挙げられる。タンパク質の多くは、加熱や化学処理によって変性しやすく、また、多糖類の多くは、加熱や化学処理によって分解しやすい。本発明の精製方法は、このような化学処理や加熱によって変性や分解を受けやすい高分子化合物、特に多糖類などの天然物由来の高分子化合物に対して好適に用いことができる。
タンパク質としては、組成、起源、成因、溶解度などから分類される単純タンパク質(アルブミン、グロブリン、プロラミン、グルテリン、ヒストン、プロタミン、硬タンパク質など)、複合タンパク質(核タンパク質、糖タンパク質、色素タンパク質、リンタンパク質など)、誘導タンパク質(ゼラチン、プロテオース、ペプトンなど)、分子形状から分類される繊維状タンパク質(コラーゲン、ケラチン、フィブロイン)、球状タンパク質などが挙げられる。これらのタンパク質は、単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
多糖類としては、例えば、セルロース、アガロース、デンプンなどの単純多糖類、アルギン酸などのポリウロン酸類、カラギーナン、ヒアルロン酸、キチン、キトサン、コンドロイチン硫酸、ヘパリン、ケラタン硫酸などのムコ多糖類(またはポリグリコサミン類)などが挙げられ、これらの多糖類は、それぞれ単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。また、多糖類は、生体適合性のある塩や誘導体であってもよい。これらのなかでは、化学処理や加熱によって分解されがたいアルギン酸、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、ヘパリン、ケラタン硫酸などの酸性多糖類、それらの塩およびそれらの誘導体、ならびにキチン、キトサンおよびそれらの塩または誘導体が好ましく、アルギン酸、ヒアルロン酸、それらの塩およびそれらの誘導体からなる群より選ばれた少なくとも1種がより好ましく、アルギン酸がさらに好ましい。
また、本発明で用いられる化学物質(a)には、その使用目的に応じて種々の機能を付与するための官能基が導入されていてもよい。導入される官能基としては、特に制限はないが、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコールなどのアルキレングリコール類、ポリアルキレングリコール類から誘導される(ポリ)オキシアルキレン基、アミンから誘導される基、スルホン酸基、硫酸基、アミノ酸や生理活性ペプチドなどから誘導される基などが挙げられる。天然由来の高分子化合物などに官能基を導入する方法は、特に制限されず、官能基の導入に用いる化合物の種類に応じて適当な導入法を採用すればよい。
本発明で用いられる化学物質(a)の分子量は、特に制限がなく、医用材料の使用目的などに合わせて適時選択すればよい。一般的には、分子量が1000〜1000万の範囲内にある高分子化合物が好ましく、そのなかでも水溶性の高分子化合物がより好ましい。
なお、化学物質(a)は、溶解性、吸水性、生体内での分解性、膨潤性などを制御するために、架橋されていてもよい。
本発明の精製方法に供される粗製物は、化学物質(a)を主成分として含有し、かつエンドトキシン(b)を不純物として含有する。粗製物中の化学物質(a)およびエンドトキシンの各含有量は、粗製物が化学物質(a)を主成分として含有し、かつエンドトキシン(b)を不純物として含有するのであれば特に限定されるものではないが、一般的には、粗製物における化学物質(a)の含有量が50重量%以上、好ましくは60〜100重量%であり、エンドトキシンの含有量が1000〜100000000EU/g、好ましくは5000〜1000000EU/gであることが望ましい。
液状物質(c)は、粗製物と塩基性条件下に接触させる際に、化学物質(a)に対して非溶解性を有するものである。
本明細書において、液状物質(c)が有する「非溶解性」とは、粗製物中の化学物質(a)が所定の塩基性条件下において液状物質(c)と接触したときに完全には溶解することなく、その少なくとも一部が固体状態またはゲル状態で析出し得る程度に、化学物質(a)に対する溶解性が低いことを意味する。
液状物質(c)と粗製物とを塩基性条件下に接触させる際に、化学物質(a)に対する液状物質(c)の溶解性が低いほうが化学物質(a)の析出割合が高くなるため、固−液分離による化学物質(a)の回収率が高くなるので好ましい。ただし、液状物質(c)との接触による化学物質(a)の精製の程度(すなわち、エンドトキシンを不活化させ、除去し得る程度)を高める点では、液状物質(c)と粗製物とを塩基性条件下に接触させる際に、液状物質(c)が化学物質(a)をゲル状態で析出させる性質を有することが好ましい。
化学物質(a)に対する液状物質(c)の溶解性およびゲル形成能は、化学物質(a)の種類、接触処理条件などによって左右される。したがって、液状物質(c)は、液状物質(c)と粗製物とを塩基性条件下に接触させる際に、化学物質(a)に対する溶解度の低さおよび膨潤度の高さを総合的に考慮して適宜選択して使用すればよい。一般に、液状物質(c)と粗製物とを塩基性条件下に接触させる際の液状物質(c)に対する化学物質(a)の溶解度は、好ましくは1〜80重量%、より好ましくは1〜50重量%、さらに好ましくは2〜30重量%である。
また、一般に、液状物質(c)と粗製物とを塩基性条件下に接触させる際の化学物質(a)の膨潤度は、エンドトキシン不活化・除去の効率、化学物質(a)の回収率等の観点から、好ましくは200重量%以上、より好ましくは300〜20000重量%、さらに好ましくは500〜10000重量%である。
なお、本明細書において、溶解度、膨潤度および回収率は、以下の方法によって算出されたときの値を意味する。すなわち、処理対象と同じ粗製物を、液状物質(c)と粗製物とを塩基性条件下に接触させる際の条件と同じ条件(温度、他の媒体などの任意成分を含む化学組成、撹拌などの接触手段、処理時間などの条件)で、液状物質(c)との接触処理に供し、化学物質(a)が固体状態またはゲル状態で析出した混合物を得、この混合物中で析出した化学物質(a)を液層から分離取得する。
用いた粗製物中の化学物質(a)の重量をW0(g)、混合物から分離取得された未乾燥の(析出がゲル状態の場合、ゲルの固相を構成する網目構造中に液体が保持されている)化学物質(a)の重量をW1(g)、未乾燥の化学物質(a)を乾燥させた(析出がゲル状態の場合、ゲル中に保持されていた液体を除去し、固相のみとした後の)化学物質(a)の重量をW2(g)としたとき、以下の式に基づいて、溶解度、膨潤度および回収率が算出される。
〔溶解度(重量%)〕=[(W0−W2)/W0]×100
〔膨潤度(重量%)〕=(W1/W2)×100
〔回収率(重量%)〕=(W2/W0)×100
本発明では、化学物質(a)の粗製物を塩基性条件下に液状物質(c)と接触させることにより、粗製物中のエンドトキシンが不活化して除去され、化学物質(a)の精製物を取得することができるが、その精製操作は、
工程(1):粗製物と液状物質(c)とを塩基性条件下に混合し、
工程(2):析出した化学物質(a)を分離する
ことによって行うことが、エンドトキシンに対する不活化・除去の効果に優れる点から好ましい。
粗製物と液状物質(c)との接触、好ましくは粗製物と液状物質(c)との混合を塩基性条件下に行う方法としては、エンドトキシンに対する不活化効果および除去効率を高めることができ、かつ化学物質(a)に対する分解などの悪影響を少なくすることができる観点から、
方法(A):液状物質(c)として、化学物質(a)に対して非溶解性であり、かつ塩基性化合物(d)を含有する塩基性液状物質(c−1)を使用し、前記工程(1)が粗製物を塩基性液状物質(c−1)と混合することからなる工程である方法、または
方法(B):前記工程(1)が、粗製物に対する液状物質(c)の混合と塩基性化合物(d)の混合とを、この順序または逆の順序で行うことからなる工程である方法
が好ましく、方法(A)がより好ましい。
また、粗製物は、液状物質(c)との接触、好ましくは液状物質(c)との混合をする際に、化学物質(a)に対して溶解性を有し、かつ液状物質(c)に対して混和性を有する溶媒(e)に粗製物を溶解させた溶液として用いることが、エンドトキシンに対する不活化効率を高める観点から好ましい。この場合、前記方法(A)は、以下の方法(A’)として表現され、また前記方法(B)は、以下の方法(B’)または(B”)として表現される。
方法(A’):前記工程(1)が、粗製物を溶媒(e)に溶解させ、得られた溶液を塩基性液状物質(c−1)と混合することからなる工程である方法。
方法(B’):溶媒(e)として、化学物質(a)に対して溶解性を有し、液状物質(c)に対して混和性を有し、かつ塩基性化合物(d)を含有する塩基性溶媒(e−1)を使用し、前記工程(1)が、粗製物に対する塩基性溶媒(e−1)の混合と液状物質(c)の混合とを、この順序で行うことからなる工程である方法。
方法(B”):前記工程(1)が、粗製物を溶媒(e)に溶解させ、得られた溶液に対する液状物質(c)の混合と塩基性化合物(d)の混合を、この順序〔液状物質(c)の混合および塩基性化合物(d)の混合の順序〕でまたは逆の順序〔塩基性化合物(d)の混合および液状物質(c)の混合の順序〕で行うことからなる方法。
なお、化学物質(a)に対する溶媒(e)の溶解性は、必ずしも限られるものではないが、20℃における溶媒(e)に対する化学物質(a)の溶解度が、50重量%以上であることが好ましい。
液状物質(c)としては、接触処理条件下における化学物質(a)に対する溶解性(化学物質(a)の溶解度)およびゲル形成能(化学物質(a)の膨潤度)を総合的に考慮して、貧溶媒および非溶媒の中から1種以上を使用することができ、また貧溶媒または非溶媒を1種以上の良溶媒と組み合わせて使用することもできる。なお、複数種類の溶媒を組み合わせて使用する場合には、エンドトキシンに対する不活化効果を高くし、また化学物質(a)の回収率を高くする観点から、相互に相溶して均一相を形成し得る組み合わせを選択することが好ましい。
液状物質(c)を構成する貧溶媒、非溶媒および良溶媒は、必ずしも限定されるものではないが、一般的には、水;メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロピルアルコール、ペンタノール、へキサノールなどのアルコール類;ヘキサン、へプタン、オクタン、シクロへキサンなどの脂肪族または脂環式の炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族化合物;アセトン、エチルメチルケトン、ジエチルケトン、メチルプロピルケトン、イソプロピルメチルケトンのようなケトン;エチルエーテル、プロピルエーテル、イソプロピルエーテル、メチルエチルエーテル、メチルプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル;アセトニトリル、プロピオニトリルなどのニトリル;ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド;N,N−ジメチルホルムアミドなどのアミド;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル;四塩化炭素、クロロホルム、ジクロロメタンなどのハロゲン化炭化水素などの中から選択することができる。
液状物質(c)を構成する貧溶媒、非溶媒および良溶媒の例の中では、エンドトキシンに対する不活化効果が高い観点から、アルコール、N,N−ジメチルホルムアミドおよびジメチルスルホキシドからなる群より選ばれた少なくとも1種が好ましく、精製操作において化学物質(a)からの分離および除去が容易である点を加味すれば、炭素数1〜4の低級アルコールがより好ましく、精製された化学物質(a)中の残留量の低減が容易であり、かつ人体に対する毒性が低い点をさらに加味すれば、エタノール、プロパノールおよびイソプロピルアルコールからなる群より選ばれた少なくとも1種がより好ましい。
上記のように、貧溶媒、非溶媒または良溶媒を複数種類で組み合わせて使用する場合、相互に相溶し得る組み合わせが好ましい。そのような組み合わせの例としては、水、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロピルアルコール、ジメチルスルホキシドおよびN,N−ジメチルホルムアミドからなる群より選ばれた2種以上の組み合わせが好ましく、水とメタノールとの組み合わせ、水とエタノールとの組み合わせ、水とプロパノールとの組み合わせ、または水とイソプロピルアルコールとの組み合わせがより好ましい。
化学物質(a)が多糖類、タンパク質、それらの複合体、それらの塩もしくは誘導体などの水溶性高分子化合物である場合、液状物質(c)を構成する貧溶媒、非溶媒または良溶媒としては、水混和性を有する有機化合物と水との組み合わせが、精製された化学物質(a)中における有機化合物の残留量を低減させやすいことから好ましい。水と組み合わせて使用される水混和性を有する有機化合物の好ましい例としては、アルコール、ジメチルスルホキシドおよびN,N−ジメチルホルムアミドからなる群より選ばれた少なくとも1種の液状有機化合物が挙げられる。これらの水性混合液を使用した場合には、接触処理条件下において化学物質(a)をゲル状態で析出させることができる。このように、液状物質(c)として、粗製物と液状物質(c)とを塩基性条件下に接触させる際に、化学物質(a)をゲル状態で析出させる性質を有するものを用いた場合には、エンドトキシンの不活化・除去効果が特に優れるという利点がある。
なお、貧溶媒、非溶媒または良溶媒を複数種組み合わせて使用する場合、液状物質(c)における組成比は、上記のように、接触処理条件下における化学物質(a)に対する溶解性(化学物質(a)の溶解度)、化学物質(a)に対するゲル形成能(化学物質(a)の膨潤度)、溶媒相互の相溶性(均一相形成性)などを考慮して適宜選択すればよい。例えば、化学物質(a)がアルギン酸、ヒアルロン酸、それらの塩およびそれらの誘導体からなる群より選ばれた少なくとも1種の多糖類である場合、必ずしも限られるものではないが、水とアルコールとを、水/アルコールの重量比が好ましくは5/95〜95/5の範囲内、より好ましくは10/90〜80/20の範囲内、さらに好ましくは20/80〜70/30の範囲内となるように組み合わせることが望ましい。
液状物質(c)の使用量は、多すぎると化学物質(a)の回収率の低下、処理設備の大型化などを招き、逆に少なすぎるとエンドトキシンの不活化・除去効果の低下、析出物〔化学物質(a)〕の取扱性の低下、化学物質(a)の回収率の低下などを招くことから、これらの点を考慮して適宜設定すればよい。一般的には、化学物質(a)/液状物質(c)の重量比は、必ずしも限定されるものではないが、好ましくは0.001/100〜50/100の範囲内、より好ましくは0.005/100〜40/100の範囲内、さらに好ましくは0.01/100〜5/100の範囲内にあることが望ましい。
液状物質(c)を用いて塩基性条件下に粗製物を処理するのに要する時間〔化学物質(a)が液状物質(c)を含む塩基性条件の系中に存在する時間〕は、短すぎるとエンドトキシンの不活化が不十分となり、また化学物質(a)の回収率が低下する傾向があり、逆に長すぎると化学物質(a)の分解を招く傾向があるため、これらの点を考慮して適宜設定すればよい。前記時間は、塩基性条件などに依存し、必ずしも限定されるものではないが、一般的には、5分〜500時間の範囲内が好ましく、30分〜250時間の範囲内がより好ましい。
液状物質(c)を用いて塩基性条件下で粗製物を処理する際の処理温度は、低すぎるとエンドトキシンの不活化効率が低下するとともに、液状物質(c)などが凍結し処理が事実上困難となる可能性があり、逆に高すぎると化学物質(a)の分解を招く可能性があるため、これらの点を考慮して適宜設定すればよい。前記処理温度は、必ずしも限定されるものではないが、一般的には、液状物質(c)の凝固点以上でかつ−10〜100℃の範囲内にあることが好ましく、該凝固点以上でかつ0〜50℃の範囲内の温度にあることがより好ましく、該凝固点以上でかつ5〜40℃の範囲内にあることがさらに好ましい。
塩基性化合物(d)は、塩基性無機化合物および塩基性有機化合物のいずれであってもよく、これらの2種類以上を併用してもよい。塩基性無機化合物としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化アルミニウムなどの金属水酸化物などが挙げられる。塩基性有機化合物としては、例えば、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミンなどのアルキルアミン;アニリン、メチルアニリンなどの芳香族アミン;エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどのヒドロキシアルキルアミンなどのアミンなどが挙げられる。また、塩基性化合物(d)は、強塩基性化合物と弱酸との塩であってもよい。
塩基性化合物(d)の中では、水酸化カリウムまたは水酸化ナトリウムが、塩基性が高いため、比較的少量でエンドトキシンに対する不活化効果を発揮しやすく、処理後の化学物質(a)への残留性が低く、水、水混和性有機化合物などに対する溶解性が良好であるので適用範囲が広いことなどから、好ましい。
化学物質(a)の粗製物と接触させる際、塩基性化合物(d)は、液状物質(c)に含有させた状態で接触させてもよく、また液状物質(c)とは別に接触させてもよい。
塩基性化合物(d)を液状物質(c)に含有させた状態で用いる方法は、前記方法(A)および(A’)に該当する。本明細書において、塩基性化合物(d)を含有する液状物質を「塩基性液状物質(c−1)」というが、その構成成分を表現する場合、便宜上、液状物質(c)および塩基性化合物(d)の2成分に区別することがある。
また、塩基性化合物(d)を液状物質(c)とは別に使用する方法は、前記方法(B)、(B’)および(B”)に該当する。本明細書において、前記方法(B’)で使用される溶媒(e)、すなわち塩基性化合物(d)を含有する溶媒を「塩基性溶媒(e−1)」というが、塩基性溶媒(e−1)の構成成分を表現する場合、便宜上、塩基性化合物(d)および溶媒(e)の2成分に区別することがある。
本発明の精製方法においては、塩基性化合物(d)を用いたエンドトキシンの不活化処理が、液状物質(c)を用いた化学物質(a)の析出処理(該処理はエンドトキシンの除去処理を兼ねる)と同時であってもよく〔前記方法(A)および(A’)〕、また、析出処理の前または後であってもよい〔前記方法(B)、(B’)および(B”)〕。
エンドトキシンに対する不活化・除去効果を高める観点から、化学物質(a)の粗製物と塩基性化合物(d)とは、前記方法(A)および(A’)のように、液状物質(c)と同時に混合するか、または前記方法(B’)の場合および前記方法(B”)において、塩基性化合物(d)の混合と液状物質(c)の混合をこの順序で行う場合のように、溶媒(e)の存在下で液状物質(c)の混合に先行して混合することが好ましい。エンドトキシンに対する不活化・除去効果の高さと化学物質(a)に対する悪影響の少なさとを良好に両立させることができる観点から、前記方法(A)および(A’)のように、塩基性化合物(d)と液状物質(c)とを同時に化学物質(a)の粗製物と混合することがより好ましい。
エンドトキシンに対する不活化・除去効果の高さと化学物質(a)に対する悪影響の少なさを特に良好に両立させることができる観点から、粗製物と塩基性化合物(d)とが接触する系〔例えば、粗製物、塩基性化合物(d)および液状物質(c)からなる不均一混合物〔前記方法(A)〕;粗製物、塩基性化合物(d)および溶媒(e)からなる溶液〔前記方法(B’)および(B”)〕;粗製物、塩基性化合物(d)、液状物質(c)および溶媒(e)からなる不均一混合物〔前記方法(A’)および(B”)〕中における塩基性化合物(d)の濃度は、0.00001〜0.1N(規定)であることが好ましく、0.0001〜0.1Nであることがより好ましく、0.0005〜0.05Nであることがさらに好ましい。
上記のとおり、液状物質(c)との接触処理、好ましくは、混合処理に供する化学物質(a)の粗製物は、溶媒(e)に溶解させた溶液の形態であってもよい〔前記方法(A’)、(B’)および(B”)〕。溶媒(e)としては、化学物質(a)に対して溶解性を有し、かつ液状物質(c)に対して混和性を有するものであれば、特に限られることなく適宜選択することができ、1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
溶媒(e)としては、必ずしも限られるものではないが、一般的には、水;メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロピルアルコール、ペンタノール、へキサノールなどのアルコール類;ヘキサン、へプタン、オクタン、シクロへキサンなどの脂肪族または脂環式の炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族化合物;アセトン、エチルメチルケトン、ジエチルケトン、メチルプロピルケトン、イソプロピルメチルケトンなどのケトン;エチルエーテル、プロピルエーテル、イソプロピルエーテル、メチルエチルエーテル、メチルプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル;アセトニトリル、プロピオニトリルなどのニトリル;ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド;N,N−ジメチルホルムアミドなどのアミド;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル;四塩化炭素、クロロホルム、ジクロロメタンなどのハロゲン化炭化水素などが挙げられ、これらは、それぞれ単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
化学物質(a)が多糖類、タンパク質、それらの複合体、それらの塩もしくは誘導体などの水溶性高分子化合物である場合、溶媒(e)は、水を主体とするものが好ましい。
化学物質(a)が水溶性高分子化合物である場合、液状物質(c)と溶媒(e)の好ましい組み合わせは、液状物質(c)がアルコール、ジメチルスルホキシドおよびN,N−ジメチルホルムアミドからなる群より選ばれた少なくとも1種の液状有機化合物と水を含有する混合液であり、溶媒(e)が水を主体とする溶媒である組み合わせである。この組み合わせの場合、処理によって水溶性高分子化合物をゲル状態で析出させることが可能となる。なお、本明細書において、「水を主体とする溶媒」とは、溶媒全量に対する水の割合が50重量%以上であるものを意味する。
溶媒(e)の使用量は、多すぎると化学物質(a)の回収率の低下、処理設備の大型化などを招く傾向があることから、これらの点を考慮して適宜設定すればよい。溶媒(e)の使用量は、必ずしも限定されるものではないが、一般的には、化学物質(a)の濃度が0.01〜50重量%の範囲内となるような量であることが好ましい。
化学物質(a)の粗製物を溶媒(e)に溶解させた溶液と、液状物質(c)とを塩基性条件下に接触させる場合、接触処理前にあらかじめフィルターで該溶液を濾過し、化学物質(a)の粗製物に含まれている不溶性異物、微生物またはその死髄などの不純物を除去しておくことが好ましい。フィルターの孔径は、除去すべき不純物の大きさなどに応じて適宜選択すればよいが、一般的には、10μm以下が好ましく、0.5μm以下がより好ましく、0.2μm以下がさらに好ましい。また、これらのフィルターを組み合わせて用いることにより、不純物を大きな粒子径を有するものから順次取り除いてもよい。
本発明では、塩基性条件下の系は、化学物質(a)の粗製物、液状物質(c)、塩基性化合物(d)および、場合により、溶媒(e)を含むが、本発明の効果に悪影響を実質的に及ぼさない限りにおいて、これら以外の成分を共存させてもよい。
系は、固体状またはゲル状の析出物および液層部から構成されるが、系内に界面活性剤を共存させると、析出物〔化学物質(a)〕からのエンドトキシンの除去およびエンドトキシンの不活化をより効率的に行うことができるので、好ましい。
界面活性剤の種類には、特に制限がない。界面活性剤としては、ノニオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤および両性界面活性剤が挙げられ、これらの中から任意に選択することができる。
ノニオン性界面活性剤としては、例えば、高級アルコールアルキレンオキサイド付加物、アルキルフェノールアルキレンオキサイド付加物、脂肪酸アルキレンオキサイド付加物、多価アルコール脂肪酸エステルアルキレンオキサイド付加物、高級アルキルアミンアルキレンオキサイド付加物、脂肪酸アミドアルキレンオキサイド付加物、油脂のアルキレンオキサイド付加物、ポリプロピレングリコールアルキレンオキサイド付加物などのポリアルキレングリコール型(ポリアルキレンオキサイド型)の界面活性剤;グリセロール脂肪酸エステル、ペンタエリスリトールの脂肪酸エステル、ソルビトールまたはソルビタンの脂肪酸エステル、ショ糖の脂肪酸エステル、多価アルコールのアルキルエーテル、アルカノールアミン類の脂肪酸アミドなどの多価アルコール型界面活性剤などが挙げられる。
アニオン性界面活性剤としては、例えば、分子内に疎水性基として脂肪族または芳香族炭化水素基、フッ素原子またはシリコーン含有基を有し、親水性基としてスルホン酸基、リン酸基、カルボン酸基またはこれらの塩を含有する界面活性剤などが挙げられる。
カチオン性界面活性剤としては、例えば、分子内に疎水性基として脂肪族または芳香族炭化水素基、フッ素原子またはシリコーン含有基を有し、親水性基として1〜4級のアミンまたはこれらの塩の構造を有する基を含有する界面活性剤などが挙げられる。
両性界面活性剤は、分子内にカチオン性基とアニオン性基を有する界面活性剤である。両性界面活性剤としては、例えば、アミノ酸型界面活性剤、ベタイン型界面活性剤、硫酸エステル型界面活性剤、スルホン酸塩型界面活性剤、リン酸エステル塩型界面活性剤などが挙げられる。
化学物質(a)が酸性多糖類などの酸性基を有する化合物である場合、析出した化学物質(a)への混入が少ない観点から、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤などの該酸性基とイオン的な結合を形成しない界面活性剤が好ましい。一方、化学物質(a)が塩基性基を有する場合、析出した化学物質(a)へ混入が少ない観点から、カチオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤などの該塩基性基とイオン的な結合を形成しない界面活性剤が好ましい。
界面活性剤の種類によっては、その化学構造中にアミド基、エステル基、エーテル基、炭化水素基などの基が存在することがある。塩基性条件下の処理において、これらの基が化学反応を受けないようにするためには、アミド基、エーテル基または炭化水素基を有する界面活性剤のように塩基性条件で安定性の高いものを使用することが好ましい。前記アニオン性界面活性剤の中では、アルキルスルホン酸塩型のアニオン性界面活性剤が好ましく、前記ノニオン性界面活性剤の中では、塩基性条件下に安定であるポリエチレンオキサイドアルキルエーテル型またはポリエチレンオキサイドアルキルフェニルエーテル型のノニオン性界面活性剤が好ましい。
界面活性剤の量が多すぎると、分離取得された化学物質(a)の精製物中への界面活性剤の混入量が増加するため、精製物の洗浄が煩雑となる傾向がある。そのため、界面活性剤の好適量は、分離取得された化学物質(a)の精製物中に含有されるエンドトキシンおよび界面活性剤の量などを考慮して適宜設定すればよい。界面活性剤の量は、界面活性剤が有する界面活性、臨界ミセル濃度などによって左右されるので、必ずしも限られるものではないが、一般に、塩基性条件下の系〔化学物質(a)の粗製物、液状物質(c)、塩基性化合物(d)および、場合により、溶媒(e)などを含む不均一混合物〕における濃度が0.00001〜5重量%の範囲内となる量であることが好ましく、0.0001〜1重量%の範囲内となる量であることがより好ましい。
界面活性剤を使用する場合、その添加方法は特に制限がない。その具体例として、以下の方法(i)〜(iv)を挙げることができる。
方法(i):化学物質(a)の粗製物と接触させる前の液状物質(c)に界面活性剤を添加しておく方法。
方法(ii):化学物質(a)の粗製物に界面活性剤を添加しておく方法。
方法(iii):化学物質(a)の粗製物と混合する前の溶媒(e)に界面活性剤を添加しておく方法。
方法(iv):化学物質(a)の粗製物を液状物質(c)と接触させた後、析出が完了するまでの期間内に界面活性剤を添加する方法。
前記界面活性剤の添加方法の中では、方法(i)、(ii)または(iii)が、エンドトキシンの除去効率が高いことから好ましい。
本発明の好ましい形態では、化学物質(a)の粗製物を塩基性条件下に液状物質(c)と混合することにより化学物質(a)を析出させた後、析出した化学物質(a)を分離取得することにより、化学物質(a)の精製物が得られる。液状物質(c)を用いた析出処理で得られる固−液の不均一混合物からの化学物質(a)の分離取得は適宜任意の方法で行うことができる。該混合物からの固体状態またはゲル状態の析出物の分離では、遠心分離、濾過、デカンテーションなどの固−液分離方法を採用するのが、エンドトキシンの除去効率に優れ、かつ簡便であることから好ましい。
混合物からの析出物の分離取得時および/または分離取得後、析出物を、化学物質(a)に対する貧溶媒、非溶媒またはこれらと良溶媒との混合溶媒で洗浄することが好ましい。この洗浄により、使用した塩基性化合物(d)および界面活性剤や、残留するエンドトキシンを効率よく除去することができる。
分離取得された析出物を、必要に応じて洗浄した後、乾燥することにより、液状物質(c)などが除去された化学物質(a)の精製物が得られる。乾燥方法には特に制限がないが、エンドトキシンの不活化および化学物質(a)の熱安定性の観点から、できるだけ低い温度で乾燥することが好ましい。また、乾燥時にエンドトキシンによる汚染を避けるため、エンドトキシンやその由来となる菌を含む可能性のある外気と接触しない乾燥方法が好ましい。化学物質(a)の熱分解とエンドトキシンによる汚染を防止する観点から、低温で減圧乾燥することが好ましい。
本発明の精製方法によれば、所望の化学物質(a)の粗製物のエンドトキシン含有量を50EU/g以下とすることができる。化学物質(a)が医用高分子化合物である場合、そのエンドトキシン含有量は、生体に対する安全性の観点から、50EU/g以下であることが好ましい。特に、体表面の粘膜と接する材料、体内に使用される材料、血液と接する材料などに用いられる医用高分子化合物では、エンドトキシン含有量が多いと組織表面に炎症を生じたり、発熱を生じることがあることから、医用高分子化合物におけるエンドトキシンの含有量は50EU/g以下であることが好ましく、40EU/g以下であることがより好ましく、10EU/g以下であることがさらに好ましく、5EU/g以下であることが特に好ましい。
また、医用高分子化合物を患者に使用される医療用具、医薬品などを対象とした医用材料として用いる場合、そのエンドトキシンの含有量は、その使用量や適用方法によっても異なるが、一般的に50EU/g以下であることが好ましい。医療用具や医薬品が粘膜と接したり、体内に使用される場合、血液に接する場合や血液流路に投与する場合などでは、その材料となる医用高分子化合物のエンドトキシンの含有量は10EU/g以下であることが好ましく、1EU/g以下であることがより好ましく、0.5UE/g以下であることが特に好ましい。
医用高分子化合物を、シーラント、止血材などの高い粘稠性が要求される用途に用いる場合、医用高分子化合物としては、それを1%水溶液として20℃で測定したときの粘度が5mPa・s以上を示すものが好ましく、50mPa・s以上を示すものがより好ましく、100mPa・s以上を示すものがさらに好ましく、200mPa・s以上を示すものが特に好ましい。
本発明の精製方法によれば、エンドトキシンに対する不活化・除去の際における所望の化学物質(a)の分解を阻止し、軽減させることができる。したがって、本発明の精製方法は、そのような高粘度の医用高分子化合物の精製にも適用可能である。なお、前記粘度は、種々の方法で測定することができるが、本明細書においては、コーン・プレートタイプの回転粘度計を用いて、ずり速度192s−1の条件で測定したときの値を採用する。
以上説明したように、本発明の精製方法によれば、エンドトキシンの含有量が少なく、かつ高粘度を有する医用高分子化合物などに代表されるエンドトキシンの含有量が少ない化学物質(a)を容易に得ることができる。また、得られた医用高分子化合物は、医療用具や医薬品の原材料として有用であり、特に体内に使用し、粘膜や血液と接する用途、生体外において細胞などと接する用途などに適している。なかでも、本発明の精製方法で得られた医用高分子化合物は、止血材、シーラント、創傷被覆保護材、組織再生用材料、細胞培養材料などに適している。
本発明の精製方法で得られるエンドトキシンの含有量が少なく、かつ医用材料として好適な高分子化合物の代表例としては、エンドトキシン含有量が50EU/g以下である多糖類が挙げられる。多糖類としては、例えば、アルギン酸、その塩およびその誘導体からなる群より選ばれた少なくとも1種を挙げることができる。
本発明の精製方法によって得られる高分子化合物などの化学物質(a)は、例えば、溶液として、医療用具や医薬品の原材料などの用途に用いることができる。これらの用途に好適な高分子化合物などの化学物質(a)の溶液の例としては、本発明の精製法によって得られる多糖類を含有し、エンドトキシン含有量が50EU/mL以下であり、好ましくは37℃における粘度が100mPa・s以上である多糖類溶液が挙げられる。多糖類としては、例えば、アルギン酸およびその塩もしくは誘導体からなる群より選ばれた少なくとも1種を挙げることができる。
医用高分子化合物の溶液に用いられる溶媒としては、使用目的などに応じて適宜選択することができるが、一般的には、水;エタノール、グリセリン、プロピレングリコールなどのアルコールなどが挙げられ、これらは、それぞれ単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。医用高分子化合物の溶液における医用高分子化合物の濃度は、その用途によって異なるので一概に決定することができないが、37℃における粘度が5mPa・s以上となる条件下において、通常、0.01〜50重量%の範囲内が好ましく、0.1〜10重量%の範囲内がより好ましい。なお、医用高分子化合物の溶液は、使用目的に応じて、等張化剤、緩衝剤などの任意成分を適宜含有していてもよい。
次に、本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はかかる実施例のみに限定されるものではない。
以下の実施例または比較例における物性の測定方法は、以下のとおりである。
[溶解度、膨潤度および回収率]
各実施例および比較例において、遠心分離で得られた未乾燥の回収物の重量〔W1(g)〕、使用した高分子化合物(多糖類)の乾燥重量〔W0(g)〕および回収物の乾燥重量〔W2(g)〕を求め、以下の式に基づいて、高分子化合物の溶解度、膨潤度および回収率を求めた。なお、比較例2では、中和後の真空乾燥で得られた回収物の重量をW2(g)とした。
〔溶解度(重量%)〕=〔(W0−W2)/W0〕×100
〔膨潤度(重量%)〕=(Wl/W2)×100
〔回収率(重量%)〕=(W2/W0)×100
[エンドトキシンの含有量]
高分子化合物(多糖類)をエンドトキシンフリー水に溶解させ、適宜希釈し、pHを6〜8に調整した後、エンドトキシンの含有量を測定した。測定の際、測定試薬としてLimulus ES-II Single Test Wako〔和光純薬工業(株)製、商品名〕および測定装置としてToxinometer ET-301〔和光純薬工業(株)製〕を用いて濁度法により測定した。
[溶液の粘度]
高分子化合物(多糖類)の1重量%水溶液を調製し、E型粘度計を用いて、20℃での粘度を剪断速度192s−1で測定した。
実施例1
1重量%アルギン酸ナトリウム水溶液10gを、水酸化ナトリウムを含有する水とエタノールとの混合液〔水/エタノール(重量比)=4/26〕に加えた。得られた混合溶液における水酸化ナトリウムの濃度は0.0085N、アルギン酸ナトリウムの濃度は0.25重量%であった。
得られた混合溶液において、アルギン酸ナトリウムは速やかにゲル状となった後、沈殿し、綿状となった。室温で4時間振盪した後、遠心分離し、上澄み液を除去した。沈殿物に水とエタノールの混合液〔水/エタノール(重量比)=2/8〕20mLを加え、10分間振盪した後、遠心分離し、上澄み液を除去することにより、沈殿物中の水酸化ナトリウムを除去した。この一連の洗浄操作を3回繰り返した後、エタノール20mLを加え、10分間振盪後、遠心分離し、上澄み液を除去した。
得られた洗浄後の沈殿物を室温で真空乾燥した。処理条件、処理後のアルギン酸ナトリウム中のエンドトキシンの含有量および溶液の粘度を表1に示す。
実施例2
実施例1において、水酸化ナトリウムの濃度を0.00085Nに、また処理時間を72時間に変更した以外は、実施例1と同様にして処理し、アルギン酸ナトリウムを得た。処理方法と処理後のアルギン酸ナトリウム中のエンドトキシンの含有量および溶液の粘度を表1に示す。
実施例3
実施例2において、1重量%アルギン酸ナトリウム水溶液中に、ノニオン性界面活性剤としてポリエチレンオキサイド・ラウリルエーテルを添加し、その濃度を0.075重量%に調整した以外は、実施例2と同様にして処理し、アルギン酸ナトリウムを得た。処理条件、処理後のアルギン酸ナトリウム中のエンドトキシンの含有量および溶液の粘度を表1に示す。
実施例4
実施例3において、アルギン酸ナトリウムのグレードを変更した以外は、実施例3と同様にして処理し、アルギン酸ナトリウムを得た。処理方法と処理後のアルギン酸ナトリウム中のエンドトキシンの含有量および溶液の粘度を表1に示す。
実施例5
実施例3において、界面活性剤としてラウリル硫酸ナトリウムを用いた以外は、実施例3と同様にして処理し、アルギン酸ナトリウムを得た。処理条件、処理後のアルギン酸ナトリウム中のエンドトキシンの含有量および溶液の粘度を表1に示す。
実施例6
実施例3において、高分子化合物としてヒアルロン酸ナトリウムを用いた以外は、実施例3と同様にして処理し、ヒアルロン酸ナトリウムを得た。処理条件、処理後のヒアルロン酸ナトリウム中のエンドトキシンの含有量および溶液の粘度を表1に示す。
比較例1
実施例1において、水酸化ナトリウムを加えずに、処理時間を72時間に調整した以外は、実施例1と同様にして処理した。処理条件、処理後のアルギン酸ナトリウム中のエンドトキシンの含有量および溶液の粘度を表1に示す。
比較例2
1重量%アルギン酸ナトリウム水溶液10gに水酸化ナトリウム水溶液30gを加えて混合し、水酸化ナトリウム濃度を0.085Nに調整した。得られた均一混合液を室温で72時間振盪し、水酸化ナトリウムと等モルの塩酸を加えて中和した後、室温で真空乾燥した。処理条件、処理後のアルギン酸ナトリウム中のエンドトキシンの含有量および溶液の粘度を表1に示す。
比較例3〜5
高分子化合物として、未処理のアルギン酸ナトリウムおよび未処理のヒアルロン酸ナトリウムの物性を調べた。その結果を表1に示す。
なお、表1中、高分子化合物および界面活性剤の各内容は、以下のとおりである。
〔高分子化合物〕
A:アルギン酸ナトリウム〔紀文フードケミファ(株)製、商品名:ダックアルギンNSPH2〕
B:アルギン酸ナトリウム〔紀文フードケミファ(株)製、商品名:ダックアルギンNSPL〕
C:ヒアルロン酸ナトリウム〔紀文フードケミファ(株)製、商品名:ヒアルロン酸FCH80〕
〔界面活性剤〕
PEG-Lauryl:ポリエチレンオキサイド(9)ラウリルエーテル〔ナカライテスク(株)製、難溶性タンパク研究用特製試薬〕
SDS:ラウリル硫酸ナトリウム〔和光純薬工業(株)製、生化学用試薬〕
Figure 0005100980
表1に示された結果から、各実施例の方法によれば、アルギン酸ナトリウムおよびヒアルロン酸ナトリウムに対して非溶解性(ゲル形成性)である水とエタノールの混合液中で塩基性化合物の存在下に処理をするという操作が採られているので、エンドトキシンの含有量が劇的に低下しており、アルギン酸ナトリウムまたはヒアルロン酸ナトリウムの分解による粘度の低下が小さいことがわかる。また、界面活性剤を添加した場合(実施例3〜6)には、更にエンドトキシンの含有量が低下することがわかる。
一方、塩基性化合物を使用しない比較例1および非溶解性である水とエタノールの混合液を使用しない比較例2では、エンドトキシンの含有量が多く、エンドトキシンの不活化および除去効率が低いことがわかる。
以上の結果から、本発明の精製方法は、被処理対象の高分子化合物などの化学物質を分解させたり、変性させたりすることなく、効率よくエンドトキシンを不活化させ、除去することができることがわかる。
本発明の精製方法によって得られた化学物質の精製物は、生体に対して悪影響を及ぼすおそれのあるエンドトキシンの含有量が高度に低減されることから、各種医用材料として好適に使用することができる。

Claims (14)

  1. 化学物質(a)を主成分として含有し、かつエンドトキシン(b)を不純物として含有する粗製物と、化学物質(a)に対して非溶解性である液状物質(c)とを塩基性条件下に接触させることを特徴とする化学物質の精製方法であって、前記化学物質(a)がアルギン酸、ヒアルロン酸、およびそれらの塩からなる群より選ばれた少なくとも1種であり、前記液状物質(c)が炭素数1〜4のアルコールからなる群より選ばれた少なくとも1種の液状有機化合物と水を重量比(水/アルコール)が20/80〜70/30の範囲内で含有する混合液である、化学物質の精製方法。
  2. (1)粗製物と液状物質(c)とを塩基性条件下に混合し、(2)析出した化学物質(a)を分離することからなる請求項1記載の精製方法。
  3. 液状物質(c)が、化学物質(a)に対して非溶解性であり、かつ塩基性化合物(d)を含有する塩基性液状物質(c−1)であり、工程(1)が粗製物を塩基性液状物質(c−1)と混合することからなる工程である請求項2記載の精製方法。
  4. 工程(1)が、粗製物に対する液状物質(c)の混合と塩基性化合物(d)の混合とを、この順序または逆の順序で行うことからなる工程である請求項3記載の精製方法。
  5. 工程(1)が、化学物質(a)に対して溶解性を有し、かつ液状物質(c)に対して混和性を有する溶媒(e)に粗製物を溶解させ、得られた溶液と液状物質(c)とを塩基性条件下に混合することからなる工程である請求項2記載の精製方法。
  6. 液状物質(c)が化学物質(a)に対して非溶解性であり、かつ塩基性化合物(d)を含有する塩基性液状物質(c−1)であり、工程(1)が、粗製物を溶媒(e)に溶解させ、得られた溶液と塩基性液状物質(c−1)とを混合することからなる工程である請求項5記載の精製方法。
  7. 溶媒(e)が化学物質(a)に対して溶解性を有するとともに、液状物質(c)に対して混和性を有し、かつ塩基性化合物(d)を含有する塩基性溶媒(e−1)であり、工程(1)が、粗製物に対する塩基性溶媒(e−1)の混合と液状物質(c)の混合とを、この順序で行うことからなる工程である請求項5記載の精製方法。
  8. 工程(1)が、粗製物を溶媒(e)に溶解し、得られた溶液に対する液状物質(c)の混合と塩基性化合物(d)の混合とを、この順序または逆の順序で行うことからなる工程である請求項5記載の精製方法。
  9. 塩基性液状物質(c−1)が炭素数1〜4のアルコールからなる群より選ばれた少なくとも1種の液状有機化合物、水および塩基性化合物(d)を含有する混合液である請求項3または6記載の精製方法。
  10. 溶媒(e)が水を主体とする溶媒である請求項5または8記載の精製方法。
  11. 塩基性液状物質(c−1)が炭素数1〜4のアルコールからなる群より選ばれた少なくとも1種の液状有機化合物、水および塩基性化合物(d)を含有する混合液であり、かつ溶媒(e)が水を主体とする溶媒である請求項6記載の精製方法。
  12. 塩基性溶媒(e−1)が水を主体とし、塩基性化合物(d)を含有する溶媒である請求項7記載の精製方法。
  13. 塩基性条件下の系内に界面活性剤を共存させる請求項1〜12いずれか記載の精製方法。
  14. 界面活性剤がアニオン性界面活性剤またはノニオン性界面活性剤である請求項13記載の精製方法。
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