JP5100330B2 - 電磁波発生装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電磁波パルスを発生させる電磁波発生装置に関り、特に、電磁波発振素子である仮想陰極電子管を高電圧パルスで駆動してGHzオーダーの周波数で高出力の電磁波を発生させ、各種分野での応用が可能な電磁波発生装置に関する。
従来の電磁波発生装置として例えば特許文献1に記載のものがあり、これを図10を参照して説明する。図10に示す電磁波発生装置は、直流電圧を発生する直流電圧発生手段として作用するコンデンサ群1と、このコンデンサ群1から供給される電流を増幅するエネルギー増幅手段として作用するMC(Magnetic Cumulation;磁場濃縮)型爆薬発電機3と、このMC型爆薬発電機3と一次側が接続され、増幅した電流を電気エネルギーとして蓄積するエネルギー蓄積手段として作用する空芯トランス6と、この空芯トランス6の二次側と接続され、常時は閉状態で空芯トランス6による電気エネルギーの通過を可能とし、制御部40からの制御信号がMC型爆薬発電機用***30に与えられると開状態となって高電圧パルスを発生させるスイッチング手段として作用するプラズマスイッチ7と、プラズマスイッチ7により発生した高電圧パルスをより高い電圧に昇圧する昇圧手段としての空芯トランス11を備える。
更に、常時は開状態で高電圧パルスの電圧値が所定の値になると作動し、高速な立ち上がりパルス電圧波形を供給する波形整形手段として作用するギャップスイッチ10と、高速な立ち上がり波形をもつ高電圧パルスがアノード12aとカソード12bとの間に印加されると電磁波を発生する電磁波発生手段として作用する仮想陰極電子管12と、この仮想陰極電子管12に接続され電磁波放射手段として作用するアンテナ13と、コンデンサ群1とMC型爆薬発電機3との間に接続されたスイッチ2と、このスイッチ2、MC型爆薬発電機3に設けられたMC型爆薬発電機用***30及びプラズマスイッチ7に設けられたプラズマスイッチ用***31へ起動信号又は制御信号を所定タイミングで供給する制御部40とを備えて構成されている。
このような構成の電磁波発生装置において、制御部40からの制御信号によってスイッチ2が閉状態とされると、MC型爆薬発電機3がインダクタンスを小さくしながらコンデンサ群1から発生される電流を増幅しながら、空芯トランス6及びプラズマスイッチ7へ通電する。そして、増幅を終えた時点でインダクタンスが零となり、電気エネルギーが空芯トランス6へ蓄積される。
プラズマスイッチ7は、常時は閉状態で空芯トランス6による電気エネルギーの通過を可能とし、制御部40から制御信号が与えられると開状態となって、高電圧パルスを発生させるが、空芯トランス6でのインダクタンスの存在により、空芯トランス6からプラズマスイッチ7へのエネルギーの移行が正常に行われた場合、プラズマスイッチ7で発生する高電圧パルスは大きな値となる。
空芯トランス11は高電圧パルスを更に高い電圧へ昇圧する。高電圧パルスの電圧値が所定の値になるとギャップスイッチ10が作動し、仮想陰極電子管12に高速な立ち上がり電圧波形を持つ高電圧パルスを印加することが可能となり、アンテナ13から高周波、高出力の電磁波が放射される。
また、高電圧パルスの値は、プラズマスイッチ7がスイッチングする時の回路のインダクタンス値及び電流の時間変化率の積に比例するが、空芯トランス6の一次漏れインダクタンス値を例えば0.5μHに、二次漏れインダクタンス値を例えば概ね5μHから10μHにしておくことにより、MC型爆薬発電機3の電流増幅作用を阻害することなく、空芯トランス6のエネルギー蓄積を可能とし、プラズマスイッチ7の作動時、上記のインダクタンス値及び電流の時間変化率の積が大きくなり、プラズマスイッチ7の発生パルス電圧の値を大きくすることができるようになっている。
この高電圧パルスは空芯トランス11により更に昇圧されて仮想陰極電子管12に印加することによってアンテナ13から高周波、高出力の電磁波が出力されるようになっている。
特開2006−332899号公報
ところで、上記特許文献1の電磁波発生装置においては、MC型爆薬発電機3とプラズマスイッチ7の2つの装置で爆薬を使用するため、装置のスペースが大きくなり、制御装置40の構成も複雑になる。また、エネルギー蓄積用の空芯トランス6と、昇圧用の空芯トランス11の2つの空芯トランスが必要となり、装置全体の構成が複雑であり、装置の寸法も大きくなるという問題があった。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、少ない構成機器により仮想陰極電子管を動作させるに必要な高電圧且つ立ち上がりの速い電圧パルスを発生することができ、これによって、簡素な構成で高出力の電磁波を放射することができる電磁波発生装置を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明に係る電磁波発生装置の第1の構成は、直流電圧を発生する直流電圧発生手段と、前記直流電圧発生手段から供給される電流を増幅しながら電圧を発生するエネルギー増幅手段と、前記エネルギー増幅手段で発生された電流または電圧を電気エネルギーとして蓄積しながらさらに高電圧に変換するエネルギー蓄積・変換手段と、前記エネルギー蓄積・変換手段で得られた電気エネルギーを蓄積するエネルギー蓄積手段と、前記エネルギー蓄積手段に蓄積された電気エネルギーの電圧値が所定値になると高速に導通し、高速な立ち上がり波形の高電圧パルスを出力する波形整形手段と、前記波形整形手段からの高速な立ち上がり波形の高電圧パルスの印加によって電磁波を発生する高周波発生手段と、前記高周波発生手段で発生された電磁波を放射するアンテナと、前記エネルギー増幅手段に対して制御信号を所定タイミングで出力する制御手段とを備えたことを特徴とする。
このような構成は、例えば、制御信号が与えられると作動するスイッチと、直流電圧を発生する直流電圧発生部として作用するコンデンサ群と、制御信号が与えられると作動し前記コンデンサ群から供給される電流を増幅するエネルギー増幅部として作用するMC型爆薬発電機と、増幅した電流、電圧を蓄積しながら高電圧へ変換するエネルギー蓄積・変換装置と、前記エネルギー蓄積・変換装置から供給される電気エネルギーを蓄積するエネルギー蓄積手段として作用するコンデンサと、前記コンデンサと接続され、常時は開状態で前記コンデンサが所定の値になると作動し、高速な立ち上がり電圧波形を供給する波形整形部として作用するギャップスイッチと、高速な立ち上がり波形をもつ高電圧パルスが印可されると高出力の電磁波を発生する仮想陰極管電子管と、前記仮想陰極電子管に接続され電磁波放射部として作用するアンテナと、前記エネルギー増幅手段に対して制御信号を所定のタイミングで供給する制御手段とを含み、前記MC型爆薬発電機は、爆薬と、制御信号が与えられると起爆して前記爆薬を起爆させる電気***とを内蔵するライナと、概ねライナの外周に設けたコイルと、を含んで成り、前記仮想陰極電子管は真空容器中に対向して配置された陰極と陽極に高電圧パルスを印可すると発振し高出力マイクロ波を発生することを特徴とする電磁波発生装置として構成出来る。
また、本発明に係る電磁波発生装置の第2の構成は、前記第1の構成において、前記エネルギー蓄積・変換手段は一次巻き線および二次巻き線を有する空芯トランスであって、前記一次巻き線は一次側インダクタンスが概ね1μH以内となるよう巻き数が1ターンから3ターンとし、前記二次巻き線は前記一次巻き線の少なくとも10倍以上の巻き数を有することを特徴とする。
また、本発明に係る電磁波発生装置の第3の構成は、前記第1の構成において、前記エネルギー蓄積・変換手段は50ターン以上の巻き線を有するロゴスキー型トランスを少なくとも2個以上並べて構成し、前記エネルギー増幅手段の出力側導体に前記ロゴスキー型トランスのコイルを貫通させ、前記ロゴスキー型トランスのコイルは直列接続とし、該コイル端間に電圧検出用抵抗を設けたことを特徴とする。
本発明に係る電磁波発生装置の第1の構成によれば、エネルギー増幅手段はインダクタンスを小さくしながら直流電圧発生手段から発生する電流を増幅しながら、同時に電圧も発生する。これをエネルギー蓄積・変換手段であるエネルギー蓄積・変換装置へ通電し、前記発生電圧はエネルギー蓄積・変換装置により高い電圧に変換され、エネルギー蓄積手段であるコンデンサに蓄積される。このコンデンサの電圧値が所定の値になると波形整形手段が作動し、電磁波発生装置として作用する高周波発生手段に高速な立ち上がり電圧波形をもつ高電圧パルスを印加することが可能となり、高周波発生手段はマイクロ波を生成し、アンテナから高周波、高出力の電磁波が出力される。
また、本発明に係る電磁波発生装置の第2の構成によれば、エネルギー蓄積・変換装置が空芯トランスで構成され、該空芯トランスの一次巻き線はインダクタンスが概ね1μH以下となるようにしているので、前記エネルギー増幅手段として作用するMC型爆薬発電機が電流を増幅する作用を阻害しない。更に、前記空芯トランスの二次巻き線は一次巻き線の10倍以上の巻き数を有すため、二次巻き線には高電圧パルスが誘起され、前記仮想陰極電子管を発振させ、高出力の電磁波パルスを得ることができる。
また、本発明に係る電磁波発生装置の第3の構成によれば、50ターン以上の巻き線を有するロゴスキー型トランスを少なくとも2個以上、前記MC型爆薬発電機のコイルとライナーに接続される導体に貫通させ、前記ロゴスキー型トランスのコイルは直列接続とし、該コイル端間に電圧検出用抵抗を設けているので、前記MC型爆薬発電機が発生する電圧パルスを高電圧パルスに変換することが可能となり、前記仮想陰極電子管を発振させ、高出力の電磁波パルスを得ることができる。
以上説明したように本発明に係る電磁波発生装置によれば、MC型爆薬発電機が発生する電圧パルスの出力を直接、高電圧パルスに変換するため、簡素な構成で仮想陰極電子管を動作させるに必要な高電圧で且つ立ち上がりの速い高出力の電磁波電圧パルスを発生することができるという効果があり、電磁波発生装置全体の小型化が可能になる。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の実施例1に係る電磁波発生装置の構成を示すブロック図である。図1に示す電磁波発生装置は、直流電圧を発生する直流電圧発生手段として作用するコンデンサ群1と、このコンデンサ群1から供給される電流を増幅しながら電圧を発生するエネルギー増幅手段として作用するMC型爆薬発電機3と、このMC型爆薬発電機3と一次側が接続され、該MC型爆薬発電機3で発生された増幅した電流または電圧を電気エネルギーとして蓄積しながら、さらに高い電圧に変換するエネルギー蓄積・変換手段として作用する空芯トランス4と、この空芯トランス4の二次側と接続され、該空芯トランス4で得られた電気エネルギーを蓄積するエネルギー蓄積手段として作用するコンデンサ8とを備える。
更に、常時は開状態で、エネルギー蓄積手段として作用するコンデンサ8に蓄積された電気エネルギーの高電圧パルスの電圧値が所定の値になると高速に導通して作動し、高速な立ち上がりパルス電圧波形の高電圧パルスを出力して供給する波形整形手段として作用するギャップスイッチ10と、該ギャップスイッチ10からの高速な立ち上がり波形をもつ高電圧パルスがアノード12aとカソード12bとの間に印加されると電磁波を発生する高周波発生手段として作用する仮想陰極電子管12と、この仮想陰極電子管12に接続され、該仮想陰極電子管12で発生された電磁波を放射する電磁波放射手段として作用するアンテナ13と、コンデンサ群1とMC型爆薬発電機3との間に接続されたスイッチ2と、このスイッチ2と、MC型爆薬発電機3に設けられたMC型爆薬発電機用***30へ起動信号又は制御信号を所定タイミングで供給する制御手段となる制御部40とを備えて構成されている。
コンデンサ群1は、複数の単体のコンデンサを直並列に接続することにより直流電圧発生手段として構成されている。更に説明すると、所望の電圧を得るためにコンデンサを必要数直列接続し、所望の電流を得るためにコンデンサを並列接続することができる。
なお、直流電圧発生手段としてはコンデンサ群1の他に、バッテリやMHD(電磁流体力学)発電機でも構成することができる。
MC型爆薬発電機3は、図2(a)に示すように、内部に爆薬3cを充填したライナ3bと、このライナ3bの外周に沿って構成されるコイル3aとを有し、通常、コイル3aとライナ3bの間隔に絶縁ガスが封入された構成となっており、更に、爆薬3c中に制御部40からの起動信号が与えられると起爆するMC型爆薬発電機用***30が設けられている。なお、コイル3aの一方の端子はコンデンサ群1に接続され、他方の端子は空芯トランス4に接続されている。
爆薬3c中に設けたMC型爆薬発電機用***30を起爆させて爆薬3cを爆発させると、図2(b)に示すように、ライナ3bが順次拡張してコイル3aを順次短絡するので、コイル3aのインダクタンスが小さくなる。一方、コイル3a中の磁束φは、{φ(磁束)=L(インダクタンス)×i(電流)=一定}から分かるように一定に保持されているので電流が急激に増幅される。
このように、起爆信号が与えられたMC型爆薬発電機用***30が起爆して爆薬3cを爆発し、ライナ3bを順次拡張してコイル3aを短絡していくので図3(a)に示すように大きな電流増幅が行われるとともに、図3(b)に示すように電圧も発生する。
図4(b)は従来技術の空芯トランスを模式図的に示したものである。図4(b)において、6は空芯トランス、6aは一次コイル、6bは二次コイル、20aから20dは電気配線を示す。
この空芯トランス6の一次コイル6aはMC型爆薬発電機3の電流増幅作用を妨害しないよう巻き線は1ターンまたは2ターンとし、1μH以下の低インダクタンスとなっている。二次コイル(巻き線)6bはプラズマスイッチ7への電流供給をできるだけ大きくするため、巻き線数は5倍以下と少なく構成している。
図4(a)は本発明によるエネルギー蓄積・変換手段となる空芯トランスを模式図的に示したものである。図4(a)において、4はエネルギー蓄積・変換手段となる空芯トランス、4aは一次コイル(巻き線)、4bは二次コイル(巻き線)、20cから20fは電気配線を示す。
この空芯トランス4の一次コイル(巻き線)4aはMC型爆薬発電機3の電流増幅作用を妨害しないよう一次側インダクタンスが概ね1μH以内(以下)となるよう巻き数は1ターンまたは2ターンとし、低インダクタンスとなっている。尚、空芯トランス4の一次コイル(巻き線)4aの巻き数は、一次側インダクタンスが概ね1μH以内となるよう1ターンから3ターンとすることが出来る。
二次コイル(巻き線)4bは、該二次コイル(巻き線)4bに誘起される電圧をできるだけ大きくするため、一次コイル(巻き線)4aの巻き数の少なくとも10倍以上の巻き数を有して巻き線比を10倍以上としている。
次に図1を用いてエネルギー蓄積手段となるエネルギー蓄積放電用コンデンサ8について説明する。コンデンサ8は空芯トランス4の二次コイル(巻き線)4bに直接接続されているため、二次コイル(巻き線)4bに誘起された電気エネルギーがそのまま蓄積される。
次に、波形整形手段となるギャップスイッチ10について、図5を参照して説明する。図5(a)はギャップスイッチ10の一例の構成を模式的に示したものである。
ギャップスイッチ10は、銅等の導電性材料を球状に形成した2つの電極10a,10bを空気中で狭いギャップを介して対向させ、各電極10a,10bに電線20e,20gを接続し、これら電極10a,10bと、当該電極10a,10bと平行に配置した電線20cとを、エネルギー蓄積手段となるコンデンサ8及び高周波発生手段となる仮想陰極電子管12に接続して成る。
このようなギャップスイッチ10の動作を、図5(b)及び図5(c)を参照して説明する。図5(b)の縦軸はコンデンサ8の充電電圧を示し、横軸は時間を示す。図5(c)の縦軸はギャップスイッチ10の出力電圧を示し、横軸は時間を示す。
コンデンサ8の充電電圧がギャップスイッチ10の電極10aと電極10bとの間隔によって決まる所定の電圧値に達したとき、図5(b)に示す時刻t4でギャップスイッチ10が作動し、図5(b)に示すような立ち上がり速度の速いパルス電圧を仮想陰極電子管12へ供給する。つまり、ギャップスイッチ10は波形整形手段として作用する。
次に、仮想陰極電子管12について、図6を参照して説明する。図6(a)に示すように、仮想陰極電子管12は、金属製の真空容器内にアノード12a及びカソード12bを対向させて構成される。アノード12aは金属メッシュ、カソード12bは円筒金属の先端にベルベットを貼って構成される。図6(b)に示すように、仮想陰極電子管12は、アノード12aとカソード12bとの間に概ね200kV以上のパルス電圧が印加されるとカソード12bからプラズマが放射され、プラズマ中の電子は負の高電圧パルスで加速され、アノード12aへ向かう。アノード12aへ向かった電子はアノード12aを越えて、実在しない仮想陰極まで到達し、この位置から方向を変え非常に速い速度で振動する。この電子の振動が電磁波としてアンテナ13へ出力される。
アンテナ13は、仮想陰極電子管12から出力される電磁波を放射するためのものであり、例えば、パラボラ型、角錐ホーン型、円錐ホーン型、レンズ付円錐ホーン型等のアンテナで実現可能である。仮想陰極電子管12とアンテナ13との接続のために、導波管やコーナベント等の高周波デバイスを必要に応じて用いるようにすれば良い。
制御部40は、後に説明する制御動作を行うものであって、例えば、動作プログラムを内蔵したROM(Read-Only Memory;読み出し専用メモリ)と、動作プログラムにしたがって所望の信号を出力するCPU(Central Processing Unit;中央演算処理装置)を有して実現可能である。
また、MC型爆薬発電機用***30としては、鉱工業用6号電気***、時間精度が高い地震探索用電気***、ガス導管起爆システム、ノネルシステム(両システムは、非電式起爆システムで周囲の電流による誤動作が防止され、高信頼性を有する)等を用いれば良い。また、爆薬としては、ダイナマイト、含水爆薬、硝安爆薬、硝安油剤爆薬等の爆薬や、PETN(Penta Erithritol Tetra. Nitrate;ペンスリット)、RDX(Research Department Explosive;ヘキソーゲン)、HMX(High Meltingpoint Explosive;高温融点爆薬)、TNT (TriNitro Torien;トリニトロトルエン)爆弾等の単一品または2種以上の混合品、又は、これらに、油脂系・シリコン系のバインダ、硝酸塩・塩素酸等の酸化剤を加えたものを用いれば良い。
このような構成の実施例1による電磁波発生装置の動作を、図1及び図7を参照して説明する。
但し、コンデンサ群1として45μFのコンデンサを6個並列に接続し、電圧7.5KVで充電したものを用いる。MC型爆薬発電機3として、全長1000mm、直径200mm、コイル径160mm、コイルピッチ8mm、コイル巻き数63、コイル初期インダクタンス100μHのものを用いる。空芯トランス4として、直径0.2m、長さ0.1m、一次コイル2ターン、二次コイル40ターン、一次漏れインダクタンス1μH、二次漏れインダクタンス330μH、相互インダクタンス2.5μHのものを用いる。コンデンサ8として20nFのものを用いた。
ギャップスイッチ10として、空気中に径10mmの球ギャップを対向させ、ギャップ間隔を8mmとし、作動電圧200kV、パルス立ち上がりを100nsとしてものを用いる。仮想陰極電子管12として周波数10GHz、出力20MW、パルス電圧200KVのものを用い、アンテナ13として角錐ホーンアンテナ、ゲイン20dBのものを用いた。
図7(a)は、制御部40による制御信号や起動信号の供給タイミングを示し、この図7(a)に示すように、まず、制御部40は、スイッチ2に起動信号を供給する。これによってコンデンサ群1から電流がMC型爆薬発電機3に供給される。例えば概ねt2=100μs後、制御部40が電気***30に起動信号を供給すると起爆する。
これによって電流が、コンデンサ群1、MC型爆薬発電機3、空芯トランス4の一次コイル4aを増幅されながら流れ、同時に空芯トランス4の二次コイル4bにはパルス電圧が誘起される。この誘起電圧により空芯トランス4の二次コイル4bに電流が流れ、空芯トランス4の二次コイル4bに電気エネルギーを蓄積しながら、コンデンサ8を概ね電圧250kVに充電する。
そのパルス電圧Vがギャップスイッチ10の一次側に印加され、これに応じてギャップスイッチ10の二次側から図7(e)に示すパルス電圧Vが出力される。つまり、ギャップスイッチ10に印加されたパルス電圧がギャップ間隔で決まる所定の電圧値に到達したとき、ギャップ間で放電が発生し、ギャップスイッチ10の二次側に立ち上がり時間の速い高電圧パルスが発生する。
ギャップスイッチ10のギャップ間の放電電圧は200kVに設定されているため、仮想陰極電子管12には200kV以上の電圧が印可される。
この立ち上がりの速い高電圧パルスが仮想陰極電子管12のアノード12aとカソード12b間に印加されると、電磁波が発振され、この電磁波がアンテナ13から放射される。
この電磁波放射までの電磁波発生装置における主要部の出力波形を図7(a)〜(e)に示す。図7(a)はMC型爆薬発電機3の出力電流、図7(b)は空芯トランス4の一次コイル4aの電圧、図7(c)は空芯トランス4の二次コイル4bの出力電圧、図7(d)はギャップスイッチ10の第2の出力電圧、図7(e)は仮想陰極電子管の12の出力電力の波形である。
このように実施例1の電磁波発生装置によれば、印加パルス電圧の立ち上がりが速く且つ発振条件下限電圧が高い仮想陰極電子管12であっても、高出力で高周波数(GHzオーダー)の電磁波を発振してアンテナ13から放射することができる。
図7(d)が本実施例によるギャップスイッチ10の出力電圧の波形であり、パルス電圧のピーク値が250kVとなっている。この250kVのパルス電圧を印加することによって仮想陰極電子管12は発振し、アンテナ13から周波数約10GHz〜15GHz、電力20MW以上、アンテナ13から1mの地点において電界強度2.4kV/cm以上の電界強度を得た。
このように、簡素な構成の装置にもかかわらず、従来装置とほぼ同等の出力電力を得ることができた。
図8は、本発明の実施例2に係る電磁波発生装置の構成を示すブロック図である。
図8に示す電磁波発生装置が上記実施例1の電磁波発生装置と異なる点は、図1に示した空芯トランス4の代わりに、エネルギー蓄積・変換手段として、50ターン以上の巻き線を有するロゴスキー型トランス5を少なくとも2個以上並べて構成し、図9に示すように、エネルギー増幅手段となるMC型爆薬発電機3からの出力側導体である配線20c,20dをロゴスキー型トランス5のそれぞれのコイル5aに貫通させて一次導体とし、該ロゴスキー型トランス5のそれぞれのコイル5aの端部を直列接続して配線し、該コイル5a端間に電圧検出用抵抗9を設けたことにある。
エネルギー増幅手段となるMC型爆薬発電機3からの出力側導体である一次導体20c,20dと、エネルギー蓄積・変換手段となるロゴスキー型トランス5のコイル5aとの間の相互インダクタンスをM、一次導体20c,20dに流れる電流をiとすると、ロゴスキー型トランス5のコイル5aに誘起される電圧はVは、V=M×(di/dt)となる。ロゴスキー型トランス5を複数台直列接続にすると、その台数に比例する電圧が得られる。
実施例として、ロゴスキー型トランス5のコイル5aの巻き数を100、前記コイル5aの半径を0.02(m)、前記コイル5aの周の半径を0.01(m)、貫通部の一次導体20c,20dの導体長を0.05(m)、MC型爆薬発電機3の電流の傾きのピークを100kA/μsとし、ロゴスキー型トランス5を2個直列接続した場合、コイル5aの端子電圧250kVを得ることができ、前記実施例1の空芯トランス4の場合と同等、前述した図7に示すような結果が得られた。
このように、エネルギー蓄積変換手段として作用するロゴスキー型トランス5を用いてMC型爆薬発電機3の電流、電圧を直接高電圧パルスに変換したので、その分、電磁波発生装置全体を小型化することができる。
なお、以上の電磁波発生装置の応用例としては、それらの装置を各種電子機器の耐電磁波ノイズ性の評価用に用いることが考えられる。具体的には、アンテナ13から放射される電磁波を評価対象機器に照射し、その破損状態を評価することによって各種の電子機器の耐ノイズ性を評価することが可能となる。
また、電磁波発生装置から放射される電磁波を、受信基地側のアンテナで検出して、電磁波を放射した装置の存在位置を把握可能とするシステムに用いることも可能である。このような使用様態によれば、海洋上、山間地等の遠隔地における、自身の存在位置を通知することが可能となる。
このように、電磁波発生装置の応用には様々なものが考えられ、ここに記載した応用例は、その数例に過ぎないことは言うまでもない。上記のように爆薬を用いた構成にすれば、小型な装置構成であっても高出力の電磁波を出力可能な装置を実現することが可能となる。
本発明の活用例として、電磁波パルスを発生させる電磁波発生装置に適用出来、特に、電磁波発振素子である仮想陰極電子管を高電圧パルスで駆動してGHzオーダーの周波数で高出力の電磁波を発生させ、各種分野での応用が可能な電磁波発生装置に適用出来る。
本発明の実施例1に係る電磁波発生装置の構成を示すブロック図である。 MC型爆薬発電機の構成図である。 (a),(b)はMC型爆薬発電機用***が起爆して爆薬を爆発しライナを順次拡張してコイルを短絡した際の電流増幅と電圧発生をそれぞれ示す図である。 (a)は本発明のエネルギー蓄積・変換手段としての空芯トランスの構成図であり、(b)は従来技術のエネルギー蓄積・変換手段としての空芯トランスの構成図である。 (a)はギャップスイッチの構成図、(b)はギャップスイッチの入力電圧の波形図、(c)はギャップスイッチの出力電圧の波形図である。 (a)は仮想陰極電子管の構成図、(b)は仮想陰極電子管の動作原理説明図である。 (a)はコンデンサ群、MC型爆薬発電機、空芯トランスの線路に流れる電流の波形図および、制御部の制御信号又は起動信号の供給タイミング図、(b)は空芯トランスの一次コイルに誘起される電圧波形図、(c)は空芯トランスの二次コイルに誘起される電圧波形図、(d)はギャップスイッチの二次側からの出力パルス電圧の波形図、(e)は仮想陰極電子管の出力電力の波形図である。 本発明の実施例2に係る電磁波発生装置の構成を示すブロック図である。 本発明の実施例2に係るエネルギー蓄積・変換手段としてのロゴスキー変圧器の構成図と接続図である。 従来技術による電磁波発生装置の構成を示すブロック図である。
符号の説明
1…コンデンサ群(直流電圧発生手段)
2…スイッチ
3…MC型爆薬発電機(エネルギー増幅手段)
3a…コイル
3b…ライナ
3c…爆薬
4…空芯トランス(エネルギー蓄積・変換手段)
4a…1次コイル
4b…2次コイル
5…ロゴスキー型トランス(エネルギー蓄積・変換手段)
5a…コイル
6…従来技術の空芯トランス
6a…1次コイル
6b…2次コイル
7…プラズマスイッチ
8…エネルギー蓄積放電用コンデンサ(エネルギー蓄積手段)
9…電圧検出用抵抗
10…ギャップスイッチ(波形整形手段)
10a,10b…電極
11…従来技術の空芯トランス
12…仮想陰極電子管(高周波発生手段)
12a…アノード
12b…カソード
13…アンテナ(電磁波放射手段)
20,20a〜20h…電気配線(電線)
30…MC型爆薬発電機用***
31…プラズマスイッチ用***
40…制御部(制御手段)

Claims (3)

  1. 直流電圧を発生する直流電圧発生手段と、
    前記直流電圧発生手段から供給される電流を増幅しながら電圧を発生するエネルギー増幅手段と、
    前記エネルギー増幅手段で発生された電流または電圧を電気エネルギーとして蓄積しながらさらに高電圧に変換するエネルギー蓄積・変換手段と、
    前記エネルギー蓄積・変換手段で得られた電気エネルギーを蓄積するエネルギー蓄積手段と、
    前記エネルギー蓄積手段に蓄積された電気エネルギーの電圧値が所定値になると高速に導通し、高速な立ち上がり波形の高電圧パルスを出力する波形整形手段と、
    前記波形整形手段からの高速な立ち上がり波形の高電圧パルスの印加によって電磁波を発生する高周波発生手段と、
    前記高周波発生手段で発生された電磁波を放射するアンテナと、
    前記エネルギー増幅手段に対して制御信号を所定タイミングで出力する制御手段と、
    を備えたことを特徴とする電磁波発生装置。
  2. 前記エネルギー蓄積・変換手段は一次巻き線および二次巻き線を有する空芯トランスであって、前記一次巻き線は一次側インダクタンスが概ね1μH以内となるよう巻き数が1ターンから3ターンとし、前記二次巻き線は前記一次巻き線の少なくとも10倍以上の巻き数を有することを特徴とする請求項1に記載の電磁波発生装置。
  3. 前記エネルギー蓄積・変換手段は50ターン以上の巻き線を有するロゴスキー型トランスを少なくとも2個以上並べて構成し、前記エネルギー増幅手段の出力側導体に前記ロゴスキー型トランスのコイルを貫通させ、前記ロゴスキー型トランスのコイルは直列接続とし、該コイル端間に電圧検出用抵抗を設けたことを特徴とする請求項1に記載の電磁波発生装置。
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