JP5098516B2 - 非接触ic媒体および非接触ic媒体の製造方法 - Google Patents

非接触ic媒体および非接触ic媒体の製造方法 Download PDF

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Description

この発明は、例えば誘導電磁界、あるいは電波を用いた非接触での読み取りが可能な非接触IC媒体に関し、特に、食品、医薬品、化学薬品等、保存環境の管理が必要な物品の保管経過を確認するシステム等に好適な、保管時の経過環境を報知する機能をもった非接触IC媒体とその製造方法に関する。
近年、食料品、医薬品等の安全性に対して関心が高まっている。このため、物品の生産者、流通経路、加工日時、保存場所、賞味期限等の情報を、誘導電磁界、あるいは電波を用いて非接触で読み取り可能なICタグにより管理するシステムの提案が行われている。
例えば、加速度センサ、温度センサ、衝撃センサ、湿度センサ、圧力センサ等をデータキャリアに取り付けて、物品が物流過程で受けた環境変化を監視して、品質保証を行う品質保証方法が提案されている(特許文献1参照)。この品質保証方法は、センサの検知情報をAD変換機でデジタル信号に変換し、CPUによってICメモリにデータを書き込むものである。このため、AD変換機、及びセンサを動作するための電池が必要であり、データキャリアが高コスト化するという問題がある。
この問題に対して、周囲の保存環境の温度変化によって共振周波数が変化するように設定された共振回路(アンテナ回路)を有する非接触型の通信応答体が提案されている(特許文献2参照)。この非接触型の通信応答体は、共振回路(アンテナ回路)に直列あるいは並列に接続された温度ヒューズを温度変化により切断し、共振回路(アンテナ回路)の容量成分(C)、あるいはインダクタンス成分(L)を変化させて共振周波数を変え、もとの共振周波数で通信するリーダーでは読み取りができなくなるようにするものである。これにより、温度変化があったという異常アラームを検知でき、生鮮食料品の温度管理を安価、簡便に行えるとされている。
しかし、通信応答体の共振周波数を変化させてリーダーで読み取れなくする方法は、次の3つの問題点を有している。
(1)通信応答体が温度変化により読み取れなくなっているのか、衝撃等でICが破損して読み取れなくなっているのか判定できない。
(2)自動化ラインを想定した場合、読み取りが出来ない物品は無いものと判断される。
(3)リーダーの通信領域に多数個の通信応答体が存在する場合、どのICタグが破損しているのか判別できない。
また、この特許文献1では、共振周波数の変化した通信応答体を、変化した共振周波数に合わせたリーダーで読み取る方法が提案されている。しかし、この方法ではリーダーの数量が増加し、システムコストが増加する課題がある。
こうした問題を解決する方法として、無線ICタグを構成する回路の一部が破損した場合、正常品とは異なるIDを無線ICタグの記憶部に入力し、リーダーで読み取る際に正常品とは異なるIDが出力されるようにした物流管理システムが提案されている(特許文献3参照)。この物流管理システムは、次の3つの効果を有するとされている。
(1)変化したIDにより、状態の変化があったことが判断できる。
(2)リーダーで読み取れる状態であるため、物品の存在が認識できる。
(3)IDにより、状態変化のあった無線ICタグ(物品)が判別できる。
しかし、この物流管理システムは、無線ICタグを構成する回路の一部が破損した場合に、正常品とは異なるIDを無線ICタグの記憶部に入力する方法の提案がなされておらず、具体的な実現可能性に欠けるものである。
特開2000−302211号公報 特開2005−157485号公報 特開2006−124115号公報
この発明は、上述の問題に鑑み、保管時の経過環境を報知できる非接触IC媒体とその製造方法を提供することを目的とする。
この発明は、環境変化によって状態が変化する変化手段と、情報を記憶している記憶手段とを備えた非接触IC媒体であって、前記記憶手段に該非接触IC媒体のIDを記憶し、前記記憶手段の一部のメモリブロックと前記変化手段とに接続され、前記変化手段所定の状態変化に基づき前記メモリブロックへの情報の不可逆的な書込みによって非接触IC媒体が応答するIDを変化させる書込手段とを備えた非接触IC媒体であることを特徴とする。
前記変化手段は、PTC(Positive temperature coefficient)インクや金属酸化物など、所定の環境(例えば、一定以上の温度、一定以上の湿度など)に置かれると急激に抵抗値が不可逆的に上昇する物質で構成することができる。
前記書込手段は、前記変化手段の変化に応じて前記メモリブロックへ書き込む情報を変化させる回路で構成することができる。
この発明により、環境変化を検知して記憶手段の一部のメモリブロックを直接書き換えることができ、保管時の環境を報知することが可能になる。
また、リーダーからのIDの問合せに対して、正常時と異なるIDを応答することができる。したがって、リーダーからの問合せがあった際に、保管中の環境変化があったことを即座に報知できる。
この発明の態様として、前記変化手段を、周囲の温度変化によって電気的な断線または抵抗値変化が発生する回路素子により形成し、前記所定の状態を、電気的に断線した状態または一定以上の抵抗値変化が発生した状態とすることができる。
これにより、メモリブロックへの環境変化の記憶を容易に実現することができる。
またこの発明の態様として、前記変化手段を、互いに電気導通可能に接合された2つの導電体と、該2つの導電体の接合部間に設けられた金属酸化物とで構成し、前記所定の状態を、前記金属酸化物の酸化成長によって抵抗値が高まり共振周波数が変化した状態または電気的に断線した状態とすることができる。
これにより、一定温度の環境に一定時間以上置かれたという経過時間も含めた検知を実現することができる。従って、一定温度以上に一定時間以上放置されると腐敗する食料品など、経過時間の管理も重要となる物品の管理に好適な非接触IC媒体を提供できる。
またこの発明は、アンテナを備えたアンテナ基板に請求項1から3のいずれか1つに記載の前記変化手段および請求項1から3のいずれか1つに記載の前記記憶手段並びに前記書込手段を含むICを実装した前記アンテナ基板より小型の小型基板を実装する非接触IC媒体の製造方法とすることができる。
これにより、環境変化の報知機能を有する非接触IC媒体を安価に製造することができる。
この発明により、保管時の経過環境を報知できる非接触IC媒体を提供することができる。
この発明の一実施形態を以下図面と共に説明する。
図1は、実施例1のICタグ1の平面図を示し、図2はICタグ1の回路図を示す。
ICタグ1は、通信周波数として13.56MHzを用いて非接触通信するRF−IDタグである。このICタグ1は、IC11(ペアチップIC11)を実装するストラップ基板12を有するモジュール20と、樹脂製基材13の上に形成した巻き線コイル14の終端部15とが機械的に締結された構造である。そして、ある一定の温度により破断、あるいは抵抗値が増加するセンシング配線回路16がストラップ基板12上に設けられ、このセンシング配線回路16がIC11に接続されている。
樹脂製基材13は、38μmのPET(ポリエチレンテレフタレート)製フィルムにより構成されている。この樹脂製基材13の片面には、9μm厚のCu(銅)、あるいは15μm厚のAl(アルミニウム)をエッチングして成る渦巻き状導体パターン14が設けられている。
モジュール20のストラップ基板12は、25μmのPETフィルム基材により構成されている。このストラップ基板12の片面には、IC11と、このIC11に接続されたセンシング配線回路16および35μm厚のアルミ配線回路12a,12bが設けられている。センシング配線回路16は、周囲温度によって抵抗値が変化するPTCインク材料を用いてストラップ基板12上に印刷形成されている。このように構成されたモジュール20は、巻き線コイル14を跨ぐような形態で該巻き線コイル14の両終端部15に接続されている。
図2の回路ブロック図に示すように、IC11内には、同調コンデンサ17、整流回路18、平滑コンデンサ19、記憶部23、および変化検出回路24が設けられている。
同調コンデンサ17は、巻き線コイル14と並列に設けられており、整流回路18に接続されている。整流回路18の後段には、平滑コンデンサ19、記憶部23、および変化検出回路24が接続されている。
記憶部23の記憶全体にアクセスできる接続ライン23aは、平滑コンデンサ19と並列に整流回路18に接続されている。
変化検出回路24は、記憶部23のうちの特定のメモリブロック23bに直結されている。また変化検出回路24には、センシング配線回路16が接続されている。このセンシング配線回路16は、ICタグ1の周囲環境が設定を超えて変化した場合に抵抗値が大きくなる抵抗変化部16aを備えている。
このセンシング配線回路16は、抵抗変化部16aの抵抗値が大きくなると変化検出回路24を介してのメモリブロック23bへの入力電圧が高くなってON状態になり、記憶部23のメモリブロック23bに1または0を書き込む。従って、変化検出回路24は、当該メモリブロック23bのみのデータを直接的に書き換えることができる。そして、接続ライン23aから記憶部23にアクセスされたとき、書き換えられたメモリブロック23bのデータを含む全体データが読取られる。
図3は、モジュール20の製造工程の説明図であり、図4は、モジュール20を、樹脂製基材13上の巻き線コイル14に接続してICタグ1を製造する工程の説明図である。
(工程A)
まず、25μm厚の耐熱性PETフィルムで形成されたストラップ基板12上に35μm厚のアルミ箔71が接着されたAl−PET積層材を用意する。
(工程B)
次に、前記積層材上のアルミ箔71上に、所要パターン回路形状にレジストマスク72を印刷形成する。
(工程C)
従来公知のエッチング法を用いて、アルミ配線回路12a,12b,12cを作成する。ここで、アルミ配線回路12a,12bは、後に巻き線コイル14と接続するための配線回路であり、アルミ配線回路12cは、センシング配線回路16を接続するための配線回路である。
(工程D)
次に、上記エッチング工程で使用したレジストマスク72を剥離する。
(工程E)
周囲温度40℃付近で急激に抵抗値が高くなる特性をもったPTCインクを、スクリーン印刷法等により10μm厚程度に印刷してセンシング配線回路16を形成する。このPTCインクは、一度温度上昇によって抵抗値が高まると、その後に周囲温度が下がっても高まった抵抗値を維持する不可逆性の性質を有している。このセンシング配線回路16は、図1に示すようにIC11を実装する回路形態に形成する。
なお、本実施例では、該センシング配線回路16の先端をIC11の接続用電極11a(以下Bump)が位置するアルミ配線回路12cの表面を覆うように形成した。これにより、IC11を実装する電極であるアルミ配線回路12aと、センシング配線回路16の厚みが極端に異なる場合、本方法によってこの段差を小さく抑えることができる。
(工程F)
次に、IC11を実装するアルミ配線回路12a,12b,12cといった電極上に、ポリオレフィン系、あるいはポリエチレン系の熱可塑性接着剤73を塗布する。この塗布は、スクリーン印刷法等を使って、IC11が実装される個所のみへ塗布することもできるが、生産性が良好なロールコータ等を使って基板表面全面に塗布してもよい。
(工程G)
最後に、IC11を、前工程の熱可塑性接着剤73上に配置し、特開2001−156110で提案されている公知の方法を用いて配線回路上に実装する。
すなわち、IC11は,その底面から接続用電極(Bump)11aを突出させた、いわゆる表面実装型部品として構成されている。IC11の底部から突出する金接続用電極11aに超音波振動を負荷し、アルミ配線回路12a,12b,12cの表面上の接着剤を振動により機械的に除去し、さらに振動による摩擦熱により加熱して金属融着を発生させて、接合を行う。
この実装方法は、上記IC11を所定位置に配置した後、負荷圧力0.2Kg/mm2下で振動数40KHzの超音波振動を、数秒程度加えることにより実施される。
ただし、本IC11の実装方法としては、従来公知のACF(異方導電性ペースト)、あるいは導電性接着剤を用いた方法を用いることもできる。
尚、本実施例で使用したストラップ基板12として、ポリイミドフィルム、PEN、PPSフィルム等の耐熱性基材を用いてもよい。
次に、図4と共に、上記工程により作製されたモジュール20を、樹脂製基材13の上に形成した巻き線コイル14に、特開2001−156110で提案されている方法を用いて接続する工程について説明する。
(工程I)
まず第1の工程として、Cu−PET積層基材を用意する。このCu−PET積層基材は、例えば38μm厚のPETフィルムで構成した樹脂製基材13の片面に、ウレタン系接着剤を介して10μm厚のCu箔81を重ね、これを150℃、圧力5kg/cm2の条件で熱ラミネートを経て積層接着させる。これにより、PETフィルムの面にCu箔81が接着されたCu−PET積層材が完成する。
(工程J)
次に、前記積層材のCu箔81表面上にコイル形状のエッチングレジストパターン82を形成する。すなわち、コイルの特性として必要なL値、Q値を得るターン数、線幅、ピッチ、内外周をもつコイル形状に、例えばグラビア印刷法を用いて絶縁性のエッチングレジストインキをCu箔上に印刷する。
この時のレジストインキとしては、熱又は活性エネルギー線で硬化するタイプのものを使用する。活性エネルギー線としては紫外線または電子線を使用し、紫外線を用いる場合にはレジストインキに光重合剤を入れて使用する。
(工程K)
上記工程により形成されたエッチングレジストから露出するCu箔部分を、従来公知のエッチングを行うことにより除去し、アンテナとして機能する渦巻き状導体パターンである巻き線コイル14を形成する。
(工程L)
次に、モジュール20のアルミ配線回路12a,12bを、巻き線コイル14の終端部15に配置する。そして、圧子83をモジュール20のアルミ配線回路12a,12bの直上部に負荷圧力0.2Kg/mm2、振動数40kHzの超音波振動84を付加しながら約0.5秒間押し当て、モジュール20と巻き線コイル14を接続する。
尚、本実施例では本工程に於いて超音波接合法によるモジュール20の実装法を例示したが、これを異方導電ペースト、あるいはハンダ、導電ペースト等を使用して実施してもよい。
以上の方法により製造したICタグ1により、周囲の環境温度が所定値以上になると抵抗変化部16aの抵抗が高まり、変化検出回路24によりメモリブロック23bのデータを直接書き換えることが可能な状態となる。ICタグ1がリーダーからの誘導起電力を受けて起動したとき、抵抗変化部16aの抵抗が予め設定された一定値以上に高まっていれば、メモリブロック23bのデータがこの瞬間に書き換えられる。従って、ICタグ1がリーダーに応答するIDは、メモリブロック23bのデータが書き換えられた異常時のIDとなる。これにより、ICタグ1は、環境変化があったことを報知することができる。
センシング配線回路16の抵抗変化部16aに、環境変化によって抵抗値が上がると元の抵抗値に戻らない不可逆性の材料を用いたため、電源を持たないパッシブタイプのICタグ1であっても、過去に環境変化があったことを確実に検知し報知できる。
また、IC11の接続用電極11aとセンシング配線回路16とを接続する接続部分には、アルミ配線回路12cを備えたため、段差を軽減して良好に接続することができる。すなわち、アルミ配線回路12cがなければ、図3に図示した左右の接続用電極11aに対する段差は、35μm厚のアルミ配線回路12aと10μm厚のセンシング配線回路16との厚み差であるから、23μmとなる。しかし、本実施例では、35μm厚のアルミ配線回路12cを備えたことにより、左右の段差を10μm厚に抑えることができ、段差を少なくして良好に接続することができる。
また、アナログ回路のままで抵抗変化部16aを変化検出回路24越しにメモリブロック23bに接続しているため、アナログ処理でメモリブロック23bの書き換えを実行でき、AD変換の必要がなく安価にICタグ1を製造できる。
また、センシング配線回路16を小型のストラップ基板12の表面に印刷によって形成するため、回路印刷のための装置を小型化できる。
また、センシング配線回路16を小型のストラップ基板12の表面に印刷によって形成するため、高温度の熱処理を要するセンシング配線回路16の形成に際して、高額な耐熱材料が必要なストラップ基板12の使用面積を減らすことが可能となる。
図5は、実施例2のICタグ1AにおけるIC11Aの回路ブロック図を示す。
この実施例2では、変化検出回路24にコンパレータ25が設けられている。このコンパレータ25は、センシング配線回路16からの信号が一定以上であればメモリブロック23bのデータを書き換え、センシング配線回路16からの信号が一定以下であれば何もしない回路である。その他の点については、実施例1と同一であるので、同一要素に同一符号を付して詳細な説明を省略する。
以上の構成により、実施例2のICタグ1Aは、実施例1と同様の効果を得ることができる。また、コンパレータ25を備えたことにより、検知したい環境条件を実施例1より正確に調節することができる。
また、センシング配線回路16による電圧変化を変化検出回路24内の抵抗32よる電圧と比較することで、センシング配線回路16の周囲環境よる変化の設計自由度を増すことができる。
図6は、実施例3のモジュール20の拡大平面図であり、図7は、ICタグ1Bのブロック図である。
この実施例では、センシング配線回路16に2つの抵抗変化部16a,16bが設けられている。この抵抗変化部16a,16bは、それぞれ抵抗値が変化する温度値が異なるインク材を用いて独立して形成されている。
また、図7に示すように、コンパレータ25が2つ設けられている。この複数のコンパレータ25は、駆動する条件が異なるように、抵抗値が変化する温度値が異なるインク材を用いて並列に構成されている。そして、複数のコンパレータ25は、それぞれが異なるメモリブロック23bに個別に直結されている。従って、どのメモリブロック23bのデータが書き換えられているかにより、どのような環境に放置されたか(特に本実施例では何度の環境に放置されたか)をそれぞれ検知および報知することができる。
以上の構成により、実施例2と同様の効果を得ることができる。また、環境変化に対応した入力信号を2段階に設定でき、メモリブロック23bにより監視する環境を複数設定することができる。
図8は、UHF(850〜950MHz)帯の通信周波数を用いる実施例4のICタグ1Bの平面図を示す。
この実施例では、樹脂製基材63の片面に形成されているアンテナ64の形状等が異なる程度であり、その他の構成おおび動作については実施例1〜3と同一である。
以上の構成により、実施例1〜3と同一の効果を奏することができる。
図9は、実施例5のICタグ1Dの平面図を示す。この実施例5のICタグ1Dは、アンテナ94にIC11が直接実装されている。
この場合、センシング配線回路16は、樹脂製基材93上に形成すると良い。また、アンテナ94の両端をIC11が実装できる位置に配置するために、アンテナ94を跨ぐためのジャンパー線92を形成すると良い。このジャンパー線92は、絶縁性の基材シート91の上に設け、ジャンパー線92がアンテナ94と接触しないように構成すると良い。
以上の構成により、実施例1〜4と同様の効果を得ることができる。
図10は、実施例6のICタグ1Eの平面図を示し、図11は、実施例6のIC11付近の縦断面説明図を示す。
この実施例では、実施例1〜3で用いたセンシング配線回路16の代わりに、環境変化検知センサ28を用いている。
環境変化検知センサ28は、一端がIC11に接続されている2つの導体回路22と、この2つの導体回路22を接続する配線回路21と、導体回路22と配線回路21の接続部間に存在する酸化物27とで構成されている。
配線回路21は、35μmのアルミ配線回路により構成されている。
導体回路22は、配線回路21の上に銀インクを印刷することで形成されている。
酸化物27は、金属酸化物であり、この実施例ではアルミニウムの酸化物が用いられている。
この酸化物27が導体回路22と配線回路21の接続部間に存在しているため、2つ導体回路22と配線回路21の間には、この酸化物27の層に起因する接触抵抗がある。この接触抵抗は、温度、雰囲気中の水分、酸化性ガスによる酸化物27の成長に伴って高抵抗値に変化する。
アルミニウムの酸化物27は、環境温度(周囲の温度)によって酸化する厚みの最大値が定まる性質を有している。このため、酸化物27の厚みの増加による接触抵抗の増加によって、所定の温度以上の環境に所定時間以上置かれたことを検知することが可能である。
この実施例6のICタグ1Eを製造する工程は、実施例1で説明した工程Eを次のように変えたものである。
(工程E)
2つの配線回路21を接続するような形態で、配線回路21上に導体回路22を形成する。この導体回路22は、銀、あるいはカーボン等の導電粒子、エポキシ樹脂等のバインダ、イソホロン等の溶剤から成る導電インクをスクリーン印刷等により印刷し、150℃、10分程度で加熱、乾燥する方法で形成する。
この時の加熱、乾燥工程により、導体回路22とアルミニウムの配線回路21間には、数オングストロームのアルミ酸化物27が、導体回路22と配線回路21の接触を疎外する形態で形成される。このアルミ酸化物27は絶縁体であるが、通常、該酸化物27が数オングストロームの厚みであれば、電子が薄い絶縁体を透過するトンネル効果によって電気が流れる。本工程においては、表面に塗布した導電インクが外気の酸素と配線回路21の表面を遮断することで、酸化物27の成長が数オングストロームに抑えられる。
さらに、この時形成された導体回路22は、加熱、乾燥によりインクを構成していた溶剤が蒸発し、内部に空孔を多数介在した層として構成される。このため、酸化物27は、後の高温度、あるいは酸素濃度の高い高湿度化に長時間放置されることによって成長し、数十オングストローム(数nm)の厚みになるとトンネル効果がなくなり絶縁体化する。この絶縁体化は、電極全体で同時に生じることはなく部分的に生じるため、導体回路22と配線回路21間の電気抵抗値の増加になる。
その他の構成および製造工程は、実施例1〜3と同一であるので、詳細な説明を省略する。
以上のICタグ1Eにより、実施例1〜3と同様の効果を奏することができる。
また、酸化物27の酸化成長は、時間経過に伴ってゆっくり行われるため、単に一定温度を超えたという検知ではなく、一定以上の温度に何時間置かれたかという計時要素を含む検知を行うことができる。
なお、上述した各実施例では、パッシブタイプのICタグ1を用いたが、これに限らず、電池を備えたアクティブタイプのICタグに利用しても構わない。
また、周囲環境として温度を検知する構成にしたが、光で抵抗値が変わるデバイスを用いるなど、他のデバイスにより検知するように構成しても良い。
この発明の構成と、上述の実施形態との対応において、
この発明の非接触IC媒体は、実施形態のICタグ1,1A,1B,1D,1Eに対応し、
以下同様に、
アンテナ基板は、樹脂製基材13に対応し、
アンテナは、巻き線コイル14に対応し、
回路素子は、抵抗変化部16a,16bに対応し、
変化手段は、抵抗変化部16a,16b、または配線回路21と導体回路22と酸化物27に対応し、
2つの導電体は、配線回路21および導体回路22に対応し、
記憶手段は、記憶部23に対応し、
込手段は、変化検出回路24に対応し、
金属酸化物は、酸化物27に対応するも、
この発明は、上述の実施形態の構成のみに限定されるものではなく、多くの実施の形態を得ることができる。
ICタグの平面図。 ICタグの回路図。 モジュールの製造工程の説明図。 ICタグを製造する工程の説明図。 実施例2のICの回路図。 実施例3のモジュールの拡大平面図。 実施例3のICタグのブロック図。 実施例4のUHF帯の通信周波数を用いるICタグの平面図。 実施例5のICタグの平面図。 実施例6のICタグの平面図。 実施例6のIC付近の縦断面説明図。
1,1A,1B,1D,1E…ICタグ、13…樹脂製基材、14…巻き線コイル、16a,16b…抵抗変化部、21…配線回路、22…導体回路、23…記憶部、23b…メモリブロック、24…変化検出回路、27…酸化物

Claims (4)

  1. 環境変化によって状態が変化する変化手段と、
    情報を記憶している記憶手段とを備えた非接触IC媒体であって、
    前記記憶手段に該非接触IC媒体のIDを記憶し、
    前記記憶手段の一部のメモリブロックと前記変化手段とに接続され、前記変化手段の所定の状態の変化に基づき前記メモリブロックへの情報の不可逆的な書込みによって非接触IC媒体が応答するIDを変化させる書込手段とを備えた
    非接触IC媒体。
  2. 前記変化手段を、周囲の温度変化によって電気的な断線または抵抗値変化が発生する回路素子により形成し、
    前記所定の状態を、電気的に断線した状態または一定以上の抵抗値変化が発生した状態とした
    請求項1記載の非接触IC媒体。
  3. 前記変化手段を、互いに電気導通可能に接合された2つの導電体と、該2つの導電体の接合部間に設けられた金属酸化物とで構成し、
    前記所定の状態を、前記金属酸化物の酸化成長によって抵抗値が高まり共振周波数が変化した状態または電気的に断線した状態とした
    請求項1記載の非接触IC媒体。
  4. アンテナを備えたアンテナ基板に
    請求項1から3のいずれか1つに記載の前記変化手段および請求項1から3のいずれか1つに記載の前記記憶手段並びに前記書込手段を含むICを実装した前記アンテナ基板より小型の小型基板を実装する
    非接触IC媒体の製造方法。
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