JP5097293B2 - 超音波式メータ装置 - Google Patents
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Description
t1=L/(C+v’)
t2=L/(C−v’)
v’=L・(1/t1−1/t2)/2
そこで、上記伝搬時間計測手段は、超音波送受信器の超音波の受信時点を、受信信号の振幅が正確に認識可能な程度に大きくなった時点を基準として判定する形態で、当該超音波送受信器の受信信号と基準電圧との比較により判定するように構成されている。
例えば、上記伝搬時間計測手段は、受信信号が基準電圧に到達した時点の直後に受信信号がゼロレベルとなった時点(以下、「ゼロクロス点」と呼ぶ。)を求める。このように求めたゼロクロス点は、受信信号の波形が一定であると仮定すると、受信時点から特定番目の波(以下、「ターゲット波」と呼ぶ。)のゼロクロス点と一致することから、受信時点からゼロクロス点までの遅れ時間が、受信信号の周期の一定倍の値として予め認識可能となる。
よって、上記伝搬時間計測手段は、上記のように求めたゼロクロス点から上記遅れ時間分前の時点を、上記受信時点として正確に判定することができる。
そこで、従来の超音波式メータ装置では、基準電圧を変化させながら、逐次、一対の超音波送受信器間の超音波の伝搬時間や、受信信号が基準電圧に到達した時点からゼロクロス点までの時間差を求めることで、その伝搬時間や時間差の変化状態から、ターゲット波のゼロクロス点を検知するための最適な基準電圧を検出するという最適基準電圧検出処理を実行する。
そして、基準電圧を上記最適基準電圧検出処理で検出した最適なものに設定して計測した超音波の伝搬時間から、流速値を導出するように構成されている。
そして、この種の超音波式メータ装置では、上記受信信号が変化した場合でも、上記最適基準電圧検出処理を実行することにより、ターゲット波のゼロクロス点を検知するための最適な基準電圧を検出して、正確な流速値を導出することができる。
上述のように、流速値を導出するまでの時間が長くなると、当該時間が経過する間に流体の流速が大幅に変化する場合があり、上記最適基準電圧検出処理で検出した基準電圧が、次に流速値を導出するために最適なものではなくなって、正確な流速値を導出できなくなるという問題がある。
前記使用時間導出手段の導出結果に基づいて前記基準電圧を設定する基準電圧設定手段を備えた点にある。
よって、上記伝搬時間計測手段により、超音波送受信器の超音波の受信時点を、超音波送受信器の受信信号と、上記基準電圧設定手段で設定した最適な基準電圧との比較により判定するにあたり、受信信号において最初に上記基準電圧を超える波を、略確実に受信時点から特定番目のターゲット波とすることができるので、そのターゲット波における受信信号が基準電圧に到達した時点を基準に、受信時点を正確に判定し、正確な伝搬時間を計測することができる。
従って、簡素化且つ低廉化が可能な構成により迅速に最適な基準電圧を設定して、測定流路を流れるガスなどの流体中の超音波の伝搬時間を正確に計測し、更に、その正確な伝搬時間に基づいて、測定流路を流れる流体の流速に関する流速値を高精度に導出する超音波式メータ装置を実現することができる。
また、前記超音波送受信器の使用時間が長いほど、超音波送受信器の受信信号は全体的に弱くなるが、逆に、その受信信号を上記増幅手段により上記設定電圧を最大とするものに増幅させると、ターゲット波直前の波の最大電圧が上昇してしまう。よって、上記基準電圧設定手段により、その受信信号におけるターゲット波直前の波の最大電圧の上昇に合わせて、基準電圧を高い側に設定することにより、その設定された基準電圧を、受信信号においてターゲット波が略確実に最初に越える最適なものとして、測定流路を流れる流体の流速に関する流速値を高精度に導出す
ることができる。
また、前記超音波送受信器の使用時間が長いほど、超音波送受信器の受信信号は全体的に弱くなるが、逆に、ターゲット波直前の波の最大電圧のピーク電圧に対する比率は増加してしまう。よって、上記基準電圧設定手段により、そのピーク電圧に対するターゲット波直前の波の最大電圧の比率の増加に合わせて、同ピーク電圧に対する基準電圧の比率を大きくすることにより、そのピーク電圧に対する比率で設定された基準電圧を、受信信号においてターゲット波が略確実に最初に越える最適なものとして、測定流路を流れる流体の流速に関する流速値を高精度に導出することができる。
図1は、本実施形態の超音波式メータ装置(以下、「本装置」と略称する。)1により測定流路2を流れるガスg(流体の一例)の流速や流量等の当該流速に関する流速値の導出を実施している状態における本装置の側断面図である。
尚、図1において、測定流路2でのガスgの流れ方向は、左から右に向かう方向とされている。
本装置は、図1及び図2に示すように、上記測定流路2を上流側と下流側との間で斜めに横断する方向の両端部に配置されて相互に当該横断方向に沿って超音波を送受信可能な一対の超音波送受信器(以下、「送受信器」と略称する。)6と、その一対の送受信器6により計測した測定流路2における超音波の伝搬状態により測定流路2を流通するガスgの流速値を導出するように構成された制御装置50を備える。
t1=L/(C+v’)=L/(C+v・cosθ)
t2=L/(C−v’)=L/(C−v・cosθ)
v=L・(1/t1−1/t2)/(2・cosθ)
また、制御装置50は、このように導出した流速値を表示又は記憶したり、外部に出力することができる。
上記増幅部13は、送受信器の増幅後の受信信号の強さを安定させるために、切換部11を通じて入力された送受信器6の受信信号を、予め設定された設定電圧を最大とするものに増幅させる増幅手段として構成されている。
そして、超音波を受信した送受信器6の受信信号(増幅部13の出力)は、図2に示すように、振幅が次第に増大した後に減衰するような波形を有し、超音波の送受信時での送受信器6の温度の変化、及び、送受信器6の使用時間の変化により、その受信信号の波形が変化するので、上記受信時点判定部14により、送受信器6の超音波の受信時点を、送受信器6の受信信号と基準電圧との比較により判定するにあたり、基準電圧を所定の値とすると、その基準電圧を越える受信信号の波が、所定のターゲット波ではなくなってしまい、結果、上記受信時点を正確に判定できなくなる場合がある。
また、上記ピーク電圧計測手段26は、上記伝播時間計測手段10による伝搬時間の計測に先立って、一方側の送受信器6に駆動部12から入力された駆動パルスを送信して他方側の送受信器6から受信した増幅前の受信信号の最大電圧を上記ピーク電圧として計測する。
また、上記送受信器6の温度Thが所定温度Th2(例えば20℃)以上である場合には、その受信信号の波形が略一定であることから、上記設定基準電圧を一定値とすることもできる。
そして、上記基準電圧設定手段25は、上記使用時間導出手段29で導出された送受信器6の使用時間Tiの分類を特定した上で、その分類において上記予め求めておいた相関関係を参照して、上記温度導出手段27で導出された送受信器6の温度から、最適な設定基準電圧を導出し、受信時点判定部14で用いる基準電圧をその設定基準電圧に設定することができる。
また、本実施形態では、送受信器6の温度と送受信器6の使用時間との両方に基づいて基準電圧を設定するので、一方に基づいて設定する場合と比較して、当該基準電圧が、より一層受信信号の波形に合った最適なものとなる。
(1)上記実施の形態では、上記基準電圧設定手段25を、図5に示すような送受信器6の使用時間Tiの分類毎の送受信器6の温度Thに対する最適な設定基準電圧の相関関係を利用して、温度導出手段27と使用時間導出手段29との導出結果に基づいて基準電圧を設定するように構成したが、別に、当該基準電圧設定手段25を、以下のように構成することもできる。
尚、図7に示す本装置の説明において、図1に示す本装置と同様の構成については、同じ符号を付すことで、説明を割愛する。
C=C1+C2・Th
但し、C1,C2は定数。
t1=L/(C+v’)=L/(C+v・cosθ)
t2=L/(C−v’)=L/(C−v・cosθ)
C=L・(1/t1+1/t2)/(2・cosθ)
また、このように増幅部を改変又は省略する場合には、基準電圧設定手段が、送受信器の受信信号のピーク電圧に対して所定の比率の電圧を基準電圧として設定するにあたり、基準電圧を受信信号においてターゲット波が略確実に最初に越える最適なものとするために、送受信器6の温度が低温であるほど、又は、送受信器6の使用時間が長いほど、送受信器6の受信信号のピーク電圧に対して設定する基準電圧の比率を小さくして、基準電圧を高い側に設定するように構成しても構わない。
2:測定流路
6,6a,6b:超音波送受信器
10:伝播時間計測手段
14:受信時点判定部
20:流速値演算手段
25:基準電圧設定手段
26:ピーク電圧計測手段
29:使用時間導出手段
30:音速演算手段
50,51:制御装置
g:ガス(流体)
t1,t2:伝播時間
C:音速
Claims (3)
- 流体が流れる測定流路の上流側と下流側とに相互に超音波を送受信可能な一対の超音波送受信器を設置し、前記一対の超音波送受信器のうちの一方側から送信した超音波を他方側で受信して当該一対の超音波送受信器間の超音波の伝播時間を計測する伝播時間計測手段と、前記伝播時間計測手段の計測結果に基づいて前記測定流路を流れる流体の流速に関する流速値を導出する流速値演算手段とを備え、前記伝播時間計測手段が、前記超音波送受信器の超音波の受信時点を、当該超音波送受信器の受信信号と基準電圧との比較により判定するように構成された超音波式メータ装置であって、
前記超音波送受信器の使用時間を導出する使用時間導出手段と、
前記使用時間導出手段の導出結果に基づいて前記基準電圧を設定する基準電圧設定手段を備えた超音波式メータ装置。 - 前記超音波送受信器の受信信号を、設定電圧を最大とするものに増幅させる増幅手段を備え、
前記基準電圧設定手段が、前記超音波送受信器の使用時間が長いほど、前記基準電圧を高い側に設定する請求項1に記載の超音波式メータ装置。 - 前記基準電圧設定手段が、前記基準電圧を前記超音波送受信器の受信信号のピーク電圧に対する所定比率の電圧に設定し、且つ、前記超音波送受信器の使用時間が長いほど、前記基準電圧の前記ピーク電圧に対する比率を大きくする請求項1に記載の超音波式メータ装置。
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